JP4828059B2 - 弾性クローラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ショベル、バックホー、キャリアダンプ等の土木・建設機械や、運搬車、又はトラクタ等の農業機械等の走行部として採用されるクローラ式走行装置に採用される弾性クローラ(ゴムクローラ)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
クローラ式走行装置は、一般的に、進行方向前後一側に配置された駆動スプロケットと、進行方向前後他側に配置されたアイドラと、これら駆動スプロケットとアイドラとの間に配置された複数の転輪と、これら駆動スプロケット、アイドラ及び転輪に亘って巻き掛けられる履帯とから主構成されていて、駆動スプロケットを回転駆動させて履帯を周方向に循環回走させることで、走行可能とされている。
【0003】
このクローラ式走行装置に採用される履帯として、弾性クローラがあり、図15及び図16に示すように、この弾性クローラ30は、ゴム等の弾性体からなる無端帯状のクローラ本体31内に、クローラ周方向Aに適宜間隔をおいて芯金32が埋設されると共に、該芯金32のクローラ外周側にスチールコード等からなる抗張体(補強帯)がクローラ周方向Aに亘って埋設されることで主構成されている。
【0004】
また、クローラ本体31の、クローラ周方向Aで隣り合う芯金32間で且つクローラ幅方向B中央部には、駆動スプロケットの歯を芯金31に噛み合わせて弾性クローラを周方向Aに循環回走させるべく、駆動スプロケットの歯を挿入させるための係合孔33が、各芯金32間に形成されている。
また、クローラ本体31の接地側(クローラ外周側)には、前記係合孔33を挟んでクローラ幅方向B両側に、ラグ34がクローラ周方向Aに亘って適宜間隔をおいて形成されている。
【0005】
このラグ34は、クローラ幅方向B外端側の部分34aの接地面のクローラ周方向Aの幅W1が、クローラ幅方向B中央側の部分34bの接地面のクローラ周方向Aの幅W2よりも小に形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記弾性クローラ30にあっては、縁石、石等によって、弾性クローラ30の翼部(クローラ幅方向B側部)において耳切れ等が生じ、これにより抗張体や芯金32が露出することがあり、問題になっている。
すなわち、図17(a)に示すように、弾性クローラ30の翼部が縁石35に乗り上げると、該翼部が湾曲変形して、縁石35の角部35aでラグ34がカットされて割れが生じる。この割れがクローラ周方向Aに連続状に生じたものを耳切れと呼んでいる。
【0007】
そして、走行により弾性クローラ30の屈曲が繰り返されると、ラグ34に生じた割れが弾性クローラ30の内周側へと波及して、抗張体や芯金32にまで至り、弾性クローラ30の屈曲時において、抗張体や芯金32が露出して見えることとなる。
本発明は、前記問題点に鑑みて、弾性クローラの翼部におけるラグのカットを良好に防止することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明が技術的課題を解決するために講じた技術的手段は、ゴム様弾性体から無端帯状に形成されたクローラ本体6内に、クローラ周方向Aに亘って芯金7が埋設されると共に、クローラ本体6の接地側のクローラ幅方向B両側に、ラグ11がクローラ周方向Aに亘って設けられ、このラグ11は、クローラ幅方向B外方に向かうに従ってクローラ周方向Aに移行する傾斜状に配置されていて、クローラ周方向Aで隣り合う3つの芯金7に亘って設けられており、ラグ11のクローラ幅方向B外端側の部分11aの接地面のクローラ周方向Aの幅W1が、ラグ11のクローラ幅方向B中央側の部分11bの接地面のクローラ周方向Aの幅W2と略同幅に形成され、
クローラ本体6のクローラ幅方向B両側において、クローラ周方向Aで隣り合うラグ11の、一方のラグ11の外端側部分11aの一部と、他方のラグ11の中央側部分11bの一部とが、同じ芯金7に対応する位置に設けられ、
前記ラグ11の外端側の部分11aは、該ラグ11が形成されたところに対応する位置にある3つの芯金7の真ん中の芯金7と、これに隣り合う一方の芯金7との2つの芯金7に亘って設けられ、且つ該ラグ11の中央側の部分11bは、該ラグ11が形成されたところに対応する位置にある3つの芯金7の真ん中の芯金7と、これに隣り合う他方の芯金7との2つの芯金7に亘って設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、他の技術的手段は、ゴム様弾性体から無端帯状に形成されたクローラ本体6内に、クローラ周方向Aに亘って芯金7が埋設されると共に、クローラ本体6の接地側のクローラ幅方向B両側に、ラグ11がクローラ周方向Aに亘って設けられ、このラグ11は、クローラ幅方向B外方に向かうに従ってクローラ周方向Aに移行する傾斜状に配置されていて、クローラ周方向Aで隣り合う複数の芯金7に亘って設けられており、ラグ11のクローラ幅方向B外端側の部分11aの接地面のクローラ周方向Aの幅W1が、ラグ11のクローラ幅方向B中央側の部分11bの接地面のクローラ周方向Aの幅W2と略同幅に形成され、
クローラ本体6のクローラ幅方向B両側において、クローラ周方向Aで隣り合うラグ11の、一方のラグ11の外端側部分11aの一部と、他方のラグ11の中央側部分11bの一部とが、同じ芯金7に対応する位置に設けられ、
前記ラグ11の、クローラ幅方向B中央側の部分11aから外端側の部分11bに至る中間部分11cは、クローラ幅方向B外方に向かうに従ってクローラ周方向Aに移行する傾斜状に形成され、
ラグ11の、クローラ幅方向B外端側の部分11a及び中央側の部分11bは、前記中間部分11cに対して屈曲していて、クローラ幅方向Bに形成されていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図2において、1は、土木・建設機械や運搬車又は農業機械等の走行部として採用されるクローラ式走行装置であり、このクローラ式走行装置1は、進行方向(図2の左右方向)前後一側に配置された駆動スプロケット(駆動輪)2と、進行方向前後他側に配置されたアイドラ3と、これら駆動輪2とアイドラ3との間に配置された複数個の転輪5とをトラックフレームFの左右両側のサイドフレームに左右方向(図2の紙面貫通方向)の軸心廻りに回転自在に支持すると共に、これら駆動スプロケット2,アイドラ3及び転輪4に亘ってエンドレス状の弾性クローラ5を巻き掛けて主構成されており、このクローラ式走行装置1を採用した機械の、本機側からの重量等の荷重は転輪4を介して弾性クローラ5に作用し、駆動スプロケット2を回転駆動することにより弾性クローラ5を周方向Aに循環回走させることで前後に進行するように構成されている。
【0011】
弾性クローラ5は、図1及び図3に示すように、ゴム様弾性体(ゴム、樹脂等)によってエンドレスの帯状に形成されたクローラ本体6内に、多数の芯金7と抗張体8とを埋設することで主構成されている。
芯金7は、クローラ幅方向B(左右方向)に長く形成され、クローラ周方向A全周に亘って該周方向Aに適宜間隔をおいて配置されている。
【0012】
芯金7の、クローラ幅方向Bの中央側で且つクローラ内周側Cには、クローラ本体6からクローラ内周側Cに突出する左右一対のガイド部9が設けられており、このガイド部9によって転輪4等の脱輪防止が図られている。
このクローラ式走行装置1では、左右のガイド部9のクローラ幅方向Bの外方側が転輪4が通過(転動)するレール部とされ、転輪4は左右のガイド部9を跨ぐように配置される。
【0013】
なお、左右のガイド部9の頂部(クローラ内周側Cの面)が、転輪が通過するレール部とされていてもよい。また、ガイド部9の形状は図例の形状に限定されることはなく、例えば、1つの突起ではなく、前後の分割状(二股状)の突起であってもよく、また、左右のガイド部9は、同形状でなくてもよい。
クローラ本体6の、クローラ周方向Aで隣り合う芯金7間で且つクローラ幅方向B中央部には、駆動スプロケット2の歯を芯金7に噛み合わせて弾性クローラ5を周方向Aに循環回走させるべく、駆動スプロケット2の歯を挿入させるための係合孔10が、各芯金7間に形成されている。
【0014】
また、この弾性クローラ5は、駆動スプロケット2の全ての歯に、それぞれ芯金7が噛み合う、ショートピッチタイプの弾性クローラ5とされている。
また、クローラ本体6の接地側(クローラ外周側D)には、前記係合孔10を挟んでクローラ幅方向B両側に、ラグ11がクローラ周方向Aに亘って且つ周方向Aに適宜間隔をおいて形成されている。
【0015】
このラグ11は、全体的に見て、クローラ幅方向B外方に向かうに従ってクローラ周方向一方A1に移行する傾斜状に配置形成されていて、クローラ周方向Aで隣り合うように並ぶ3つの芯金7に亘って配置されている。
なお、ラグ11は、2つ或いは4つの芯金7に亘るように設けられていてもよい。
【0016】
また、ラグ11は、クローラ幅方向B外端側の部分11aと、クローラ幅方向Bの中央側の部分11bと、これら外端側部分11aと中央側部分11bとの間の中間部分11cとから構成されており、外端側部分11aと中央側部分11bとは、クローラ幅方向Bに沿う方向に形成され、中間部分11cが主として、クローラ幅方向B外方に向かうに従ってクローラ周方向一方A1に移行する傾斜状に形成されている。
【0017】
また、ラグ11の外端側部分11aは、当該ラグ11が形成されたところに対応する位置にある3つの芯金7の真ん中の芯金7と、これに隣り合う一方の芯金7との2つの芯金7に亘って設けられ、このラグ11の中央側部分11bは、当該ラグ11が配置されたところに対応する位置にある3つの芯金7の真ん中の芯金7と、これに隣り合う他方の芯金7との2つの芯金7に亘って設けられている。
【0018】
また、クローラ周方向Aで隣り合うラグ11の、一方のラグ11の外端側部分11aの一部と、他方のラグ11の中央側部分11bの一部とが、同じ芯金7に対応する位置に設けられていて、クローラ周方向Aで隣り合うラグ11の、一方のラグ11の外端側部分11aと、他方のラグ11の中央側部分11bとが、側方から見て一部ラップするように近接して配置されていて、クローラ周方向Aに並べられて配置されたラグ11の各中央側部分11bが、2つの芯金7に亘り且つ芯金7の間隔と略同じ間隔でクローラ周方向Aに配置されるように形成されてている。
【0019】
また、ラグ11は、クローラ本体6側から接地側に向かうに従って、クローラ厚さ方向Eに直交する面での断面積が漸次狭くなるように形成されていて、クローラ厚さ方向Eに沿う面で切断した断面が、クローラ本体6側から接地側に向かうに従って先窄まりとなる台形を呈するように形成されている。
また、左右一方に設けられたラグ11は、左右他方に設けられたラグ11に対して、クローラ周方向Aに半ピッチ位置ずれさせて配置されていて、左右一方に設けられたラグ11と、左右他方に設けられたラグ11とがクローラ周方向Aに関して千鳥状に配置されている。
【0020】
したがって、弾性クローラ5の左右一方に設けられたラグ11の外端側部分11aと、弾性クローラ5の左右他方に設けられたラグ11の中央側部分11bとは、クローラ周方向Aに関して略同じ位置(側方からみてラップする位置)に設けられている。
前記構成のものにあっては、ラグ11が複数の芯金7に亘るように、クローラ幅方向Bに対して斜めに配置されていると共に、左右のラグ11が千鳥状に配置されており、また、クローラ周方向Aで隣り合う芯金7間には、ラグ11が存在しており、剛性差が少ない。
【0021】
また、前記構成のラグ11の外端側部分11aの接地面のクローラ周方向Aの幅W1は、ラグ11の中央側部分11bの接地面のクローラ周方向Aの幅W2と略同幅に形成されている。
このラグ11の外端側部分11aの幅W1は、0.8×W2〜1.2×W2の範囲内に形成されている。
【0022】
ラグ11の外端側部分11aの幅W1が、0.8×W2よりも小さいと、縁石に乗り上げた時のラグ11の割れ発生率が大きくなり、1.2×W2よりも大きくなると、弾性クローラ5の翼部(クローラ幅方向B側部)の屈曲剛性が大きくなりすぎ、弾性クローラ5が駆動スプロケット2やアイドラ3に巻き掛けられて屈曲した場合、弾性クローラ5の翼部に無理な変形が生じ、芯金7とクローラ本体6との接着力を悪くさせると共に、駆動スプロケット2等にスムーズに巻き掛けられないという問題が生じる。
【0023】
また、前記構成のラグ11にあっては、W1≒W2とすることで、ラグ外端部分11aと、ラグ中央側部分11bとの剛性が略均一となり、ラグ11の偏摩耗、振動も同時に改善される。
なお、前記実施の形態にあっては、左右のラグ11がクローラ幅方向B外方に向かうに従ってクローラ周方向一方A1に移行する傾斜状に配置形成されているが、図18に示すように、左右一方のラグ11がクローラ幅方向B外方に向かうに従ってクローラ周方向一方A1に移行する傾斜状とされ、他方のラグ11がクローラ幅方向B外方に向かうに従ってクローラ周方向他方A2に移行する傾斜状とされていてもよい。
【0024】
図4〜14は、パッド式履帯に採用される弾性パッド20(ゴムパッド)に関する開示例を示しており、該弾性パッド20は、エンドレス状に連結された多数のリンクの各々に取り付けられて、無端帯状の履帯を構成する。
図4〜14において、弾性パッド20は、金属製等の板材等から形成されていて、履帯内周側Cに位置する芯材21と、この芯材21に加硫接着等によって固着されたゴム様弾性体から形成されていて、履帯外周側D(接地側)に位置するパッド本体22とから主構成されており、履帯幅方向Bに長く形成されている。
【0025】
図4及び図5、又は図10〜図12に示す弾性パッド20にあっては、芯材21の履帯幅方向B中央側に、左右一対のボルト挿通孔23が、履帯周方向A前後に形成されている。
また、パッド本体22は、ブロック状に形成されており、その履帯幅方向B中央側には、前記芯材21のボルト挿通孔23に対応して形成されていて、該ボルト挿通孔23に挿通されるボルトの頭部を挿入するボルト取付孔24が形成されている。
【0026】
この弾性パッド20にあっては、パッド本体22に形成されたボルト取付孔24からボルト挿通孔23にボルトを挿通すると共に、このボルトをリンクに形成されたネジ孔に螺合することでリンクに取付固定される。
また、図8及び図9、又は図13及び図14に示す弾性パッド20にあっては、芯材21の履帯幅方向B一端側に、リンクに取付固定される履板等に引っ掛けられるフック部26を形成し、芯材21の履帯幅方向B他端側にボルト挿通孔27を形成すると共に、このボルト挿通孔27に挿通されるボルトの頭部を挿入するボルト取付孔28をパッド本体22に形成し、フック部26を履板等に引っ掛け、パッド本体22に形成されたボルト取付孔28からボルト挿通孔27にボルトを挿通すると共に、このボルトを履板等に形成されたネジ孔に螺合することで履板等に取付固定されるようにしたものである。
【0027】
前記弾性パッド20にあっては、パッド本体22には、前述したボルト取付孔24,28や、泥抜き孔等の孔が形成されるが、このパッド本体22に形成される孔24,28の内周面側で且つパッド本体22の接地面側(孔24,28の内周面とパッド本体22の接地面との間のコーナー部分)において、パッド本体22を構成する弾性体(ゴム)の欠け、破損が発生し、問題となっている。
【0028】
そこで、これを防止するために、前記弾性パッド20にあっては、ボルト取付孔24,28等の形成部分を補強して、パッド本体22を構成する弾性体(ゴム)の欠け、破損を防止するために、ボルト取付孔24,28等の周囲に補強層25を設けている。
図4及び図5に示す弾性パッド20にあっては、図6に示すように、キャンバス等の補強シートからなる補強層25を、パッド本体22の接地面側に設け、これによってボルト取付孔24等の周囲を補強するようにしている。
【0029】
また、補強層25は、図7に示すように、ボルト取付孔24等の内周面側に、パッド本体22の厚さ方向Eに亘って設けるようにしてもよい。
また、図8及び図9に示す弾性パッド20にあっては、補強層25を構成するキャンバス等は、パッド本体22の接地側表面及びボルト取付孔28等の内周面から、パッド本体22内部側に、埋設状として設けられている。
【0030】
なお、補強層25を構成するキャンバス等は、パッド本体22を形成する際に、該パッド本体22を形成する成形型に入れられてボルト取付孔24,28の形成部分の周辺に配置され、そして、該成形型にパッド本体22を構成する未加硫ゴムを入れて、パッド本体22を加硫成形することで、補強層25を構成するキャンバス等はパッド本体22を構成するゴムと一体化される。
【0031】
また、図10〜14に示す弾性パッド20にあっては、ボルト取付孔24,28等を補強する補強層25が、短繊維を混入したゴム層(カットファイバー入りゴム)によって構成されている。
図10及び図11、又は図13及び図14に示すものにあっては、補強層25は、パッド本体22の厚さ方向Eに亘って設けられており、図12に示すものにあっては、補強層25は、パッド本体22の厚さ方向E中途部からパッド本体22の接地面にかけて設けられている。
【0032】
この補強層25にあっては、予めカットファイバー入りのゴムを形成しておいて、パッド本体22を形成する際に、このカットファイバー入りのゴムを、パッド本体22を形成する成形型に入れてボルト取付孔24,28の形成部分の周辺に配置し、そして、該成形型にパッド本体22を構成する未加硫ゴムを入れて、パッド本体22を加硫成形することで、補強層25がパッド本体22を構成するゴムと一体化されている(又は、補強層25を構成するゴムがパッド本体22の一部を構成している)。
【0033】
【発明の効果】
本発明は、ゴム様弾性体から無端帯状に形成されたクローラ本体6内に、クローラ周方向Aに亘って芯金7が埋設されると共に、クローラ本体6の接地側のクローラ幅方向B両側に、ラグ11がクローラ周方向Aに亘って設けられ、このラグ11は、クローラ幅方向B外方に向かうに従ってクローラ周方向Aに移行する傾斜状に配置されていて、クローラ周方向Aで隣り合う複数の芯金7に亘って設けられており、ラグ11の、クローラ幅方向B外端側の部分11aの接地面のクローラ周方向Aの幅W1を、ラグ11の、クローラ幅方向B中央側の部分11bの接地面のクローラ周方向Aの幅W2と略同幅に形成して、ラグ11の外端側部分の11aの接地面の幅W1を従来よりも広くすることにより、例えば、弾性クローラの翼部(弾性クローラの幅方向側部)が縁石に乗り上げた際において、ラグ11が湾曲し難く、縁石の角部によるカットを防止でき、また、カットが発生しても、ラグ11の外端側部分11aの弾性体のボリュームが増大しているので、該カットが芯金7等にまで波及し難い。
【0034】
また、ラグ11の外端側部分11aの剛性が、ラグ11の中央側部分11bよりも大きくなればなる程、弾性クローラの駆動スプロケット等への巻き掛けがスムーズに行われず、駆動スプロケット等への巻き掛け時に翼部が無理に変形し、クローラ本体6と芯金7との接着力が悪くなるが、ラグ11の、クローラ幅方向B外端側の部分11aの接地面のクローラ周方向Aの幅W1を、ラグ11の、クローラ幅方向B中央側の部分11bの接地面のクローラ周方向Aの幅W2と略同幅に形成することで、具体的には、0.8×W2≦W1≦1.2×W2となるように形成することで、弾性クローラの駆動スプロケット等への巻掛け時の不具合を生じさせることなく、弾性クローラの翼部が縁石に乗り上げた際の、ラグ11の外端側部分11aの割れを防止できる。
【0035】
また、ラグ11が、クローラ幅方向B外方に向かうに従ってクローラ周方向一方A1に移行する傾斜状に配置されたものであって、クローラ周方向Aに並べられて配置されたラグ11の各中央側部分11bが、複数の芯金7に亘り且つ芯金7の間隔と略同じ間隔でクローラ周方向Aに近接配置されたものにあっては、ラグ11の外端側部分11aを、中央側部分11bと同様の広幅にする場合、ラグ11の外端側部分11aが、クローラ幅方向Bに対して傾斜状の状態(図16参照)で広幅にすると、クローラ周方向Aで隣り合うラグ11の、外端側部分11aの基部に応力集中が生じるという問題がある。
【0036】
すなわち、ラグ11の前後左右の側面と、クローラ本体6の外周面との間のコーナー(隅)部分には、該部分の応力集中を避けるために、R(アール)が付けられるが、前述したように、ラグ11の外端側部分11aが、クローラ幅方向Bに対して傾斜状の状態で広幅にすると、クローラ周方向Aで隣り合うラグ11の、外端側部分11aの基部に設けられるR部分同志が重なってしまい、該重なり部分がV字形となり、そこに応力集中が生じるのである。
【0037】
これを避けるために、クローラ周方向Aで隣り合うラグ11の、クローラ周方向Aの間隔を大きくすると、芯金7に対するラグ11の位置がずれることとなると共に、ラグ11の数が少なくなって、接地面積が小となる。
そこで、ラグ11の、クローラ幅方向B外端側の部分11a及び中央側の部分11bをクローラ幅方向Bに沿って形成し、ラグ11の、クローラ幅方向B中央側の部分11aから外端側の部分11bに至る中間部分11cがクローラ幅方向B外方に向かうに従ってクローラ周方向一方A1に移行する傾斜状に形成することで、ラグ11を、クローラ幅方向B外方に向かうに従ってクローラ周方向一方A1に移行する傾斜状に配置したものにおいて、ラグ11の外端側部分11aを中央側部分11bと略同幅の広幅にしても、クローラ周方向Aで隣り合うラグ11の、外端側部分11aの基部に設けられるR部分同志が重なってしまうことがなく、ラグ11をクローラ周方向Aに近接して良好に配置できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 弾性クローラの接地側からみた図である。
【図2】 クローラ式走行装置の側面図である。
【図3】 弾性クローラを幅方向で切断した断面図である。
【図4】 パッド式履帯に採用される弾性パッドの接地側からみた図である。
【図5】 弾性パッドを履帯幅方向で切断した断面図である。
【図6】 ボルト取付孔を示す拡大断面図である。
【図7】 ボルト取付孔を示す拡大断面図である。
【図8】 弾性パッドの接地側からみた図である。
【図9】 弾性パッドを履帯幅方向で切断した断面図である。
【図10】 弾性パッドの接地側からみた図である。
【図11】 弾性パッドを履帯幅方向で切断した断面図である。
【図12】 弾性パッドを履帯幅方向で切断した断面図である。
【図13】 弾性パッドの接地側からみた図である。
【図14】 弾性パッドを履帯幅方向で切断した断面図である。
【図15】 従来の弾性クローラの接地側からみた図である。
【図16】 従来の弾性クローラの接地側からみた図である。
【図17】 従来の問題点を説明するための図である。
【図18】 本発明に係る弾性クローラの他の弾性クローラの接地側からみた図である。
【符号の説明】
6 クローラ本体
7 芯金
11 ラグ
11a ラグの外端側部分
11b ラグの中央側部分
11c ラグの中間部分
A クローラ周方向
B クローラ幅方向
W1 ラグの、クローラ幅方向外端側の部分の接地面のクローラ周方向の幅
W2 ラグの、クローラ幅方向中央側の部分の接地面のクローラ周方向の幅
Claims (2)
- ゴム様弾性体から無端帯状に形成されたクローラ本体(6)内に、クローラ周方向(A)に亘って芯金(7)が埋設されると共に、クローラ本体(6)の接地側のクローラ幅方向(B)両側に、ラグ(11)がクローラ周方向(A)に亘って設けられ、このラグ(11)は、クローラ幅方向(B)外方に向かうに従ってクローラ周方向(A)に移行する傾斜状に配置されていて、クローラ周方向(A)で隣り合う3つの芯金(7)に亘って設けられており、ラグ(11)のクローラ幅方向(B)外端側の部分(11a)の接地面のクローラ周方向(A)の幅(W1)が、ラグ(11)のクローラ幅方向(B)中央側の部分(11b)の接地面のクローラ周方向(A)の幅(W2)と略同幅に形成され、
クローラ本体(6)のクローラ幅方向(B)両側において、クローラ周方向(A)で隣り合うラグ(11)の、一方のラグ(11)の外端側部分(11a)の一部と、他方のラグ(11)の中央側部分(11b)の一部とが、同じ芯金(7)に対応する位置に設けられ、
前記ラグ(11)の外端側の部分(11a)は、該ラグ(11)が形成されたところに対応する位置にある3つの芯金(7)の真ん中の芯金(7)と、これに隣り合う一方の芯金(7)との2つの芯金(7)に亘って設けられ、且つ該ラグ(11)の中央側の部分(11b)は、該ラグ(11)が形成されたところに対応する位置にある3つの芯金(7)の真ん中の芯金(7)と、これに隣り合う他方の芯金(7)との2つの芯金(7)に亘って設けられていることを特徴とする弾性クローラ。 - ゴム様弾性体から無端帯状に形成されたクローラ本体(6)内に、クローラ周方向(A)に亘って芯金(7)が埋設されると共に、クローラ本体(6)の接地側のクローラ幅方向(B)両側に、ラグ(11)がクローラ周方向(A)に亘って設けられ、このラグ(11)は、クローラ幅方向(B)外方に向かうに従ってクローラ周方向(A)に移行する傾斜状に配置されていて、クローラ周方向(A)で隣り合う複数の芯金(7)に亘って設けられており、ラグ(11)のクローラ幅方向(B)外端側の部分(11a)の接地面のクローラ周方向(A)の幅(W1)が、ラグ(11)のクローラ幅方向(B)中央側の部分(11b)の接地面のクローラ周方向(A)の幅(W2)と略同幅に形成され、
クローラ本体(6)のクローラ幅方向(B)両側において、クローラ周方向(A)で隣り合うラグ(11)の、一方のラグ(11)の外端側部分(11a)の一部と、他方のラグ(11)の中央側部分(11b)の一部とが、同じ芯金(7)に対応する位置に設けられ、
前記ラグ(11)の、クローラ幅方向(B)中央側の部分(11a)から外端側の部分(11b)に至る中間部分(11c)は、クローラ幅方向(B)外方に向かうに従ってクローラ周方向(A)に移行する傾斜状に形成され、
ラグ(11)の、クローラ幅方向(B)外端側の部分(11a)及び中央側の部分(11b)は、前記中間部分(11c)に対して屈曲していて、クローラ幅方向(B)に形成されていることを特徴とする弾性クローラ。
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