JP4172233B2 - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二軸配向ポリエステルフィルムに関し、特に、耐ピンホール特性、蒸着膜接着強度に優れた二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレートを主成分とするポリエステルフィルムは、優れた機械的特性、熱的特性、電気的特性、表面特性、光学特性、また、耐熱性、耐薬品性などの性質を利用して、磁気記録媒体用、工業材料用、包装用など種々の用途に幅広く用いられている。しかしながら、包装材料などで特に求められる耐ピンホール特性に劣るため、このような用途においてはナイロン二軸延伸フイルムが多く使用されている。一方、ナイロンフイルムにおいても、吸湿率および湿度膨張係数が大きく、保存時や加工時の取り扱いに注意を要し、蒸着加工が困難である。また、耐熱性や印刷適性、腰の強さ、寸法安定性を補うため、ポリエステルフィルムと貼り合わせた形態で用いられる場合が多い。
【0003】
また、ポリエステルフィルム単体での耐ピンホール特性を与える方法として、ポリエチレンテレフタレートにダイマー酸などの長鎖脂肪族ジカルボン酸等の成分を共重合することによって柔軟性ポリエステルフィルムを得る方法(例えば、特許文献1参照)や、変性ポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートを配合し柔軟性ポリエステルフィルムを得る方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−79776号公報(第2頁)
【0005】
【特許文献2】
特開2001−11213号公報(第2頁)
しかしながら、このような柔軟フィルムでは機械強度が大きいというPETフィルム本来の長所が損なわれ、高価な共重合成分を使用するためコストが高くなりやすいばかりではなく、耐熱性が低く、蒸着加工や印刷加工などの加工が難しく、加工膜の接着強度も劣ったものとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、耐ピンホール特性、蒸着膜接着強度に優れたポリエステルフィルムを提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、次の構成を有する。すなわち、
(1)融点が240〜265℃で90重量%以上がエチレンテレフタレートおよび/またはエチレンナフタレートで構成されるポリエステル(A)80〜95重量%と、融点が185〜235℃で90重量%以上がブチレンテレフタレートから構成される熱可塑性樹脂(B)5〜20重量%とを含有する混合物で基層を構成し、該基層の少なくとも片面に融点が240〜265℃で90重量%以上がエチレンテレフタレート構成されるポリエステル(C)が96重量%以上からなるポリマーが積層されており、該ポリマーの積層厚みがフィルム全体の厚みに対して5〜30%であり、フィルムの全厚みが5〜50μmであり、フィルムの表面オリゴマー量が24mg/m 以下であることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルムである。
【0008】
(2)ガラス転移点が15℃以下で、ポリエーテルが10〜85重量%共重合されたポリエステル(D)を0.3〜8重量%基層に含有することを特徴とする前記(1)に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【0009】
(3)ポリエステル(D)がポリブチレンテレフタレートにポリテトラメチレングリコールを共重合してなることを特徴とする前記(1)〜(2)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【0011】
)フィルムのヘイズが8%以下であることを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【0012】
)ポリエステル(C)の溶融押出温度が融点+10〜+35℃であることを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【0013】
)二軸延伸後の熱処理温度が熱可塑性樹脂(B)の融点−50℃〜融点であることを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【0014】
)ポリエステル(C)の固有粘度が0.4〜1.5dl/gであることを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【0015】
)フィルムの長手方向と幅方向のレトルト収縮率の合計が3.6%以下であることを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【0016】
)フィルムの面配向係数が0.10〜0.18であることを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルムである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを構成するポリエステルとは、主鎖中の主要な結合をエステル結合とする高分子の総称であって、通常、ジカルボン酸成分とグリコール成分を重縮合反応させることによって得ることができる。
【0018】
ここで使用するジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のほか、たとえばイソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキシンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸等を使用することができる。
【0019】
また、グリコール成分としてはエタンジオールのほか、たとえばプロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族グリコール等が使用できる。
【0020】
これらのジカルボン酸成分、グリコ−ル成分は2種以上を併用してもよい。
【0021】
本発明の効果を阻害しない限りにおいて、たとえばトリメリット酸、トリメシン酸、トリメチロ−ルプロパン等の多官能化合物や、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルを共重合することもできる。
【0022】
本発明に使用するポリエステルを製造する際の重合触媒としては、例えばアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物、鉛化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物等が挙げられ、ゲルマニウム化合物、アンチモン化合物およびチタン化合物が好ましく用いられる。また、着色防止剤を使用してもよく、例えばリン化合物等を使用することができる。
【0023】
重合触媒、着色防止剤は、通常、ポリエステルの重合が完結する以前の任意の段階において、添加することが好ましい。このような方法としては例えば、ゲルマニウム化合物を例にすると、ゲルマニウム化合物粉体をそのまま添加する方法や、あるいは、ポリエステルの出発原料であるグリコ−ル成分中にゲルマニウム化合物を溶解させ添加する方法(例えば特公昭54−22234号公報)等を挙げることができる。ゲルマニウム化合物としては、例えば二酸化ゲルマニウム、結晶水含有水酸化ゲルマニウム、あるいはゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラブトキシド、ゲルマニウムエチレングリコキシド等のゲルマニウムアルコキシド化合物、ゲルマニウムフェノレ−ト、ゲルマニウムβ−ナフトレ−ト等のゲルマニウムフェノキシド化合物、リン酸ゲルマニウム、亜リン酸ゲルマニウム等のリン含有ゲルマニウム化合物、酢酸ゲルマニウム等を使用することができる。中でも二酸化ゲルマニウムが好ましい。また、アンチモン化合物としては、例えば、三酸化アンチモンなどのアンチモン酸化物、酢酸アンチモンなどが使用できる。チタン化合物としては、テトラエチルチタネート、テトラブチルチタネートなどのアルキルチタネート化合物などが好ましく使用される。
【0024】
高温、減圧下で重縮合反応せしめたポリエステルは、さらに、その融点以下の温度で減圧下または不活性ガス雰囲気下で固相重合反応せしめ、アセトアルデヒドの含有量を減少させたり、所定の固有粘度、カルボキシル末端基量に調製することができる。
【0025】
ポリエステル(A)は融点が240〜265℃であることが重要であり、好ましくは245℃〜260℃、特に好ましくは247℃〜258℃である。かかる融点範囲であると、本発明の目的である蒸着膜接着強度、耐熱性に優れたものとなる。融点が240℃未満では耐熱性に劣るものとなり、一方、265℃を超えると耐ピンホール特性、耐衝撃性に劣ったものとなる。ポリエステル(A)としては90重量%以上がエチレンテレフタレートおよび/またはエチレンナフタレートで構成されるポリエステルであり、特に、ポリエチレンテレフタレートのホモポリエステルや、ポリエチレンテレフタレートに、イソフタル酸、1,4シクロヘキサンジカルボン酸、プロパンジオール、ブタンジオールの少なくとも1種類を好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下の範囲で共重合したコポリエステルが使用される。
【0026】
熱可塑性樹脂(B)は融点が185〜235℃であることが重要であり、好ましくは190℃〜230℃である。かかる融点範囲であると、本発明の目的である耐ピンホール特性に優れたものとなる。融点が185℃未満では耐熱性、蒸着膜接着強度に劣ったものとなり、一方、235℃を超えると耐ピンホール特性に劣ったものとなる。熱可塑性樹脂(B)としては90重量%以上がブチレンテレフタレートから構成されるポリエステル成分からなるものである。ポリエステル成分が90重量%未満ではポリエステル(A)と混合した際に相分離し大きなドメインサイズを形成し、フィルムのヘイズが大きくなるばかりか、本発明の目的である耐ピンホール特性が低下するため
【0027】
熱可塑性樹脂(B)はポリエステル(A)との相溶性の点から90重量%以上がブチレンテレフタレート構成されるポリエステルである必要があり、特に、ポリブチレンテレフタレートのホモポリエステルや、ポリブチレンテレフタレートに、イソフタル酸、1,4シクロヘキサンジカルボン酸、エチレンジオール、プロパンジオールの少なくとも1種類を好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下の範囲で共重合したコポリエステルが使用される。
【0028】
ポリエステル(C)は融点が240〜265℃であることが重要であり、好ましくは245℃〜260℃、特に好ましくは247℃〜258℃である。かかる融点範囲であると、本発明の目的である蒸着膜接着強度、耐熱性に優れたものになる。フィルムの表面の加工性からポリエステル(C)は耐熱性に優れ、オリゴマー量が少ないものが好ましい。ポリエステル(C)としては90重量%以上がエチレンテレフタレートおよび/またはエチレンナフタレートで構成されるポリエステルであり、特に、ポリエチレンテレフタレートのホモポリエステルや、ポリエチレンテレフタレートに、イソフタル酸、1,4シクロヘキサンジカルボン酸、プロパンジオール、ブタンジオールの少なくとも1種類を好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下の範囲で共重合したコポリエステルが使用される。
【0029】
ポリエステル(C)の固有粘度は0.4〜1.5dl/gであることが好ましく、より好ましくは0.5〜1.3dl/g、特に好ましくは0.6〜1.1dl/gである。かかる好ましい範囲であると耐熱性に優れたものとなり、例えば溶融押出時の熱分解によるオリゴマー発生量の低減が可能となり、蒸着膜接着強度などのフィルム表面への加工特性が優れたものとなる。0.4dl/g未満では蒸着膜接着強度、耐ピンホール特性、耐衝撃性に劣ったものとなり、1.5dl/gを超えるとコストの増加や生産性が問題となる。
【0030】
ポリエステル(D)は上記記載の重縮合反応により得られるポリエステルに柔軟成分をブロック共重合せしめたポリエステルであり、製造方法はこれに限定されたものではないが、ポリエステルと柔軟成分を押出機で溶融混練する方法、また、ポリエステルの重合工程において柔軟成分を添加して重縮合することにより得ることができる。ここでの柔軟成分としては、ポリエーテル、脂肪族ポリエステル、ポリラクトン、ポリオレフィンなどを示すことができ、特にポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルが好ましい。ポリエステルに柔軟成分をブロック共重合させる割合は10〜85重量%が好ましく、より好ましくは20〜75重量%、特にこの好ましくは30〜65重量%である。かかる好ましい範囲であると本発明の目的である耐ピンホール特性に優れたものになる。10重量%未満では耐ピンホール特性に劣ったものとなり、85重量%を超えるとヘイズの増加や機械強度が低下する。
【0031】
ポリエステル(D)はガラス転移点が15℃以下であることが好ましく、より好ましくは0℃以下、特に好ましくは−15℃以下である。かかる好ましい範囲であると本発明の目的である耐ピンホール特性に優れたものとなる。ガラス転移点は耐ピンホール特性の点からフィルムの使用温度−10℃以下であることが好ましい。また、ガラス転移点は取り扱い性から−100℃以上であることが好ましい。
【0032】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、基層部がポリエステル(A)が55〜95重量%、熱可塑性樹脂(B)が5〜45重量%を含有するものである。ポリエステル(A)は好ましくは60〜90重量%、特に好ましくは65〜85重量%であり、ポリエステル(B)は好ましくは10〜40重量%、特に好ましくは15〜35%である。かかる範囲であると本発明の目的である耐ピンホール特性に優れたものになる。ポリエステル(A)が55重量%未満、または熱可塑性樹脂(B)が45重量%を越えると、耐熱性、機械強度、寸法安定性などの性能が低下し、本発明の目的の一つの蒸着膜接着強度が劣るものとなり、ポリエステル(A)が95重量%を越える、または熱可塑性樹脂(B)が5重量%未満では、本発明の目的の一つである耐ピンホール特性が劣るものとなる。
【0033】
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムはポリエステル(D)を0.3〜8重量%含有することが好ましく、より好ましくは0.5〜5重量%、特に好ましくは1〜3重量%である。かかる好ましい範囲であると本発明の目的である耐ピンホール特性に優れたものになる。0.3重量%未満では耐ピンホール特性に劣ったものとなり、5重量%を超えるとヘイズの増加や機械強度が低下する。
【0034】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、少なくとも片面にポリエステル(C)が96重量%以上からなるポリマーが積層されており、その積層厚みがフィルム全体の厚みに対して5〜30%であることが重要である。好ましくは積層厚みがフィルム全体の厚みに対して10〜25%、特に好ましくは15〜20%である。ポリエステル(C)の含有量と積層厚みがかかる範囲であると表面オリゴマー量が少なく本発明の目的である蒸着膜接着強度に優れたものになる。積層厚みがかかる範囲を超えると本発明の目的の耐ピンホール特性が良好なフィルムを得ることが困難となる。
【0035】
積層形態はこれに限定されたものではないが、蒸着膜接着強度、印刷性、高温の工程での表面加工適性の点から表層がポリエステル(C)の両面積層が好ましい。片面積層では、ロールとして製品化する際、積層面と基層面が重なり合うこととなり、基層面の表面オリゴマーが転写し、積層面の表面オリゴマー量が増えてしまうことがある。
【0036】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、厚みが5〜50μmである必要がある。好ましくは8〜30μm、特に好ましくは10〜25μmである。かかる好ましい範囲であると本発明の目的である耐ピンホール特性に優れたものになり、一方、機械強度が低下することもない。
【0037】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルムの表面オリゴマー量が35mg/m2以下であることが好ましく、より好ましく30mg/m2以下、特に好ましくは20mg/m2以下である。かかる好ましい範囲であると本発明の目的である蒸着膜接着強度に優れたフィルムとなる。特にフィルム表面に蒸着や印刷などの加工を施す用途では表面オリゴマー量が多いと加工抜けや、フィルム加工面膜の接着力低下につながるといった問題が発生してしまう。
【0038】
ポリエステル(A)と熱可塑性樹脂(B)との混合物を溶融押出する温度はポリエステル(A)の融点以上となる。そのため低融点の熱可塑性樹脂(B)には熱過多となり熱分解によりオリゴマーが発生しやすくなる。そこで上記記載のように、ポリエステル(C)96重量%以上からなるポリマーが表層になる両面積層が、フィルムの表面加工性の点から好ましい。表面オリゴマー量の点から積層せしめるポリエステル(C)の溶融押出温度は融点+10〜+35℃であること好ましく、より好ましくは+15〜〜+30℃である。
【0039】
上記記載方法以外にも表面オリゴマー量を削減させる手段としては、これに限定されるものではないが、重縮合に際して固相重合によりオリゴマーの内存量を削減させたポリエステルからフィルムを構成する、ポリエステルを温水浸漬処理を施し予めオリゴマーを削減させたポリエステルからフィルムを構成する、ポリエステルフィルムに温水浸漬処理を施す方法などが効果的である。また、フィルム製膜段階、とりわけテンター内でフィルムから昇華したオリゴマーがフィルムに付着することを防止する方法(例えば特公昭60−45577号公報、特公平3−32454号公報)、コロナ処理強度を調整しフィルム表面のオリゴマーを気化および除去する方法(例えば特開平11−293007号公報、請求項5)なども効果的である。
【0040】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルムの長手方向と幅方向のレトルト収縮率の合計が5%以下であることが好ましく、より好ましくは4%以下、特に好ましくは3.5%以下である。かかる好ましい範囲であると、湿度、温度の高い条件下でも寸法変化が少なく、取り扱い性、印刷性に優れたものとなる。ナイロンは耐ピンホール特性は優れているものの、湿度膨潤係数が大きいため高温高湿下での寸法安定性に劣ったものとなりやすい。
【0041】
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは面配向係数が0.10〜0.18であることが好ましく、より好ましくは0.12〜0.17、特に好ましくは0.14〜0.16である。かかる好ましい範囲であると耐熱性、機械強度に優れたものになり、一方、耐ピンホール特性が低下することもない。
【0042】
フィルムの面配向係数を上記した範囲内とする方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、フィルムの長手方向または幅方向の延伸倍率、延伸温度、延伸速度、さらには熱処理温度や熱処理時間の調整などにより達成することができる。
【0043】
本発明の二軸配向ポリエステルフイルムには、取い扱い性、加工性とヘーズを両立させるために、平均粒子径0.01〜5μmの内部粒子、無機粒子および/または有機粒子などの外部粒子の中から任意に選定される粒子が0.01〜10重量%含有されていることが好ましく、特に0.01〜0.2重量%含有されていることが好ましい。
【0044】
ここで、内部粒子の析出方法としては、例えば特開昭48−61556号公報、特開昭51−12860号公報、特開昭53−41355号公報、特開昭54−90397号公報などに記載の技術が挙げられる。さらに特開昭55−20496号公報、特開昭59−204617号公報などに記載された他の粒子との併用も行うことができる。なお、10μmを越える平均粒子径を有する粒子を使用するとフィルム破れなどの欠陥が生じ易くなるので好ましくない。
【0045】
前記無機粒子および/または有機粒子としては、例えば湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、マイカ、カオリン、クレー等の無機粒子、およびスチレン、シリコーン、アクリル酸類等を構成成分とする有機粒子等を挙げることができる。
【0046】
これらの内部粒子、無機粒子および/または有機粒子は二種以上を併用してもよい。表面ヘイズをコントロールする点から球状粒子が好ましく、特にシリカ、アルミナが好ましく用いられる。
【0047】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムには、帯電防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、結晶核剤、耐候剤、紫外線吸収剤、顔料、染料などの添加剤を本発明の目的を損なわない範囲において用いることができる。これらの添加成分の添加方法はとくに限定されず、たとえばポリエステルの溶融重合時、固相重合時、あるいは押出機中などに添加することができる。
【0048】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法について述べるが、特にこれに限定されるものではない。ポリエステルを必要に応じて乾燥した後、公知の溶融押出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出し、静電印加などの方式によりキャスティングドラムに密着させ冷却固化し、未延伸シートを得る。
【0049】
該未延伸シートをフイルムの長手方向及び幅方向に延伸、熱処理し、目的とするフィルムを得る。フィルムの品質の点でテンター方式によるものが好ましく、長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する逐次二軸延伸方式、および長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方式が好ましい。
【0050】
延伸倍率としては、それぞれの方向に1.5〜6.0倍が好ましく、より好ましくは2.0〜5.0倍である。長手方向、幅方向の延伸倍率はどちらを大きくしてもよく、同一としてもよい。 また、延伸速度は1000%/分〜200000%/分であることが好ましい。また、延伸温度は、80〜150℃が好ましい。
【0051】
二軸延伸の後にフイルムの熱処理を行うが、この熱処理方法はとくに限定されず、オ−ブン中や加熱されたロ−ル上など、公知の方法で行なうことができる。熱処理温度は熱可塑性樹脂(B)の融点−50℃〜融点が好ましく、より好ましくは−40〜−5℃、特に好ましくは−30〜−10℃である。かかる好ましい範囲であると本発明の目的である耐ピンホール特性、蒸着膜接着強度に優れたものになる。
【0052】
ポリエステル(A)と相溶性の良い熱可塑性樹脂(B)を混合し、かつ、熱可塑性樹脂(B)の融点近傍で熱処理を行うことにより、ポリエステル(A)の非晶部の配向が緩和され、分子運動性が高められ耐ピンホール特性が向上する。かかる熱処理温度が熱可塑性樹脂(B)の融点−50℃未満では、非晶部の配向緩和が不十分であり、一方、ポリエステル(B)の融点を超えると結晶化が進み脆くなりやすいため耐ピンホール特性が劣ったものとなりやすい。
【0053】
また、蒸着膜接着強度の点から熱処理温度は低温であるほど、フィルム表面に析出されるオリゴマー量は削減できるが、耐ピンホール特性とを両立させるため上記記載範囲であることが好ましい。
【0054】
また、レトルト収縮率の点から上記熱処理はフィルムをその長手方向および/または幅方向に3〜10%弛緩させつつ行うことが好ましく、より好ましくは4〜8%、特に好ましくは5〜7%である。また、再延伸を各方向に対して1回以上行ってもよく、再延伸後、熱処理を行っても良い。
【0055】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルムにコロナ放電処理などの表面処理を施すことにより接着性を向上させることができる。その際の処理強度としては5〜50W・min/m2が好ましく 、より好ましくは10〜45W・min/m2である。また、エンボス加工、サンドマット加工などの表面凹凸加工、あるいは、プラズマ処理、アルカリ処理、火炎処理、電子線放射処理などの表面処理を必要に応じて施してもよい。
【0056】
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは蒸着膜接着強度の点から、易接着処理剤をコーティングすることが好ましい。易接着処理剤としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリシロキサン、エポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。
【0057】
さらに、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムに、帯電防止剤、水蒸気・ガスバリア剤(ポリ塩化ビニリデンなど)、離型剤、粘着剤、接着剤、難燃剤、紫外線吸収剤、マット化剤、顔料、染料などのコーティングや印刷を行なってもよく、アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、パラジウムなどの金属やその化合物を遮光、水蒸気・ガスバリア、表面導電性、赤外線反射などの目的で真空蒸着してもよく、その目的、方法についてはこれらに限定されない。
【0058】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの用途は特に限定されないが、包装材料用、成形加工用に好ましく使用される。
【0059】
以下に、本発明に用いた各物性、特性の測定、評価方法について説明する。
(1)融点(Tm)、熱処理温度、ガラス転移点
示差走査熱量計(パーキンエルマー社製DSC2)を用いて測定した。樹脂サンプル10mgを窒素気流下で10℃/分の速度で−100℃から280℃まで昇温する過程でガラス状態からゴム状態への転移に伴う比熱変化をガラス転移点、結晶融解に伴う吸熱ピーク温度を融点(Tm)とした。また、フィルムサンプル10mgを窒素気流下で10℃/分の速度で20℃から280℃まで昇温する過程で熱処理に起因するサブ吸熱ピークを熱処理温度とした。
(2)フィルム厚み
フィルムの厚みは、ダイヤルゲージにて任意の10ヶ所を測定し、その平均値を求めた。
(3)積層厚み
透過型電子顕微鏡(日立製H−600型)を用いて、加速電圧100kVでフィルム断面をRuO4で染色後、超薄切片法で観察し、その界面をとらえ積層厚さを求めた。
(4)表面オリゴマー量
フィルムを50×50cmにカットし、500mlのクロロホルムにポリエステル(C)を積層している面(両面積層の場合非ドラム面)のみを浸して24℃で60分放置する。フィルムを除去し、溶媒を蒸発乾固後の残査をフィルム1m2面積に換算した量を表面オリゴマー量とした。
(5)ヘイズ
一辺10cmのサンプルを切り出し、スガ試験機(株)製ヘイズメーターHGM−2DPを用いて測定した。
(6)固有粘度
サンプルをオルソクロロフェノールに溶解し、25℃において測定した。
(7)レトルト収縮率
フィルムを、フィルム長手方向に幅10mm、長さ250mmの大きさに切り出し、それぞれのサンプルに約200mmの間隔で油性ペンを用いてマーキングした。23℃、65%RHの条件下で12時間調湿した後その間隔(L1)を万能投影機を用いて測定した。このサンプルを一端に5gのクリップを吊り下げ、レトルト処理機を用いて120℃、30分のレトルト処理を行った。取り出したサンプル表面の水をガーゼで拭き取り、23℃、65%RHの条件下で24時間調湿した後マークの間隔(L2)を万能投影機を用いて測定し、下式よりレトルト収縮率R(%)を求めた。
R(%)={(L1−L2)/L1}×100
(8)面配向係数
ナトリウムD線を光源として、アッベ屈折計を用いて長手方向、幅方向、厚み方向の屈折率(Nx,Ny,Nz)を測定し、下記式により求めた。
【0060】
面配向係数fn={(Nx+Ny)/2}−Nz
(9)耐ピンホール特性
ASTM F−392に規定されたゲルボテスターを使用し、フィルムサンプル(280mm×180mm)を雰囲気温度0℃で、500回のゲルボ繰り返し折り曲げ試験を実施した。試験後のピンホール個数を測定した。サンプル10検体を測定し平均値を求めた。C級以上が合格である。
【0061】
A級:ピンホールが2個以下
B級:ピンホールが5個以下
C級:ピンホールが8個以下
D級:ピンホールが8個を越える、もしくは破断する。
(10)蒸着ラミネート特性
フィルムの積層面(両面積層の場合:非ドラム面)にアルミ金属を電子ビーム加熱式蒸着機を用いて、蒸着厚みが光学濃度2.1〜2.4(マクベス社製TR927にて測定)になるように蒸着し、ついで接着剤(東洋モートン(株)製AD503)を3.5g/m2塗布し、未延伸ポリプロピレン(CPP)(東レ合成フィルム(株)製T3501、50μm)と貼り合わせ、40℃で48時間放置後15mm幅に切断して、CPPと蒸着膜の180°剥離をテンシロンを用いて剥離速度300mm/分で行った。C級以上が合格である。
【0062】
A級:剥離強度が6.0N/15mm以上
B級:剥離強度が5.5N/15mm以上
C級:剥離強度が5.0N/15mm以上
D級:剥離強度が5.0N/15mm未満
【0063】
【実施例】
以下に実施例によって本発明を説明する。
【0064】
(実施例1)
積層部原料として表1に記載のポリエステル(1)(ポリエチレンテレフタレート)を、基層部原料としてポリエステル(1)とポリエステル(3)(ポリブチレンテレフタレート)とポリエステル(5)(ポリテトラメチレングリコール70重量%共重合ポリブチレンテレフタレート)を重量比で80:19:1で混合したものを用いた。それぞれポリエステルチップを真空乾燥して、2台の押出機で積層部ポリマーの押出温度280℃、基層部ポリマー押出温度280℃で溶融押出を行い、口金部上部のポリマー合流部で積層部ポリマーが両表層に積層されるよう合流させた後、静電印加しながら鏡面冷却ドラムにて冷却固化して未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムをロール/ロール間にて延伸温度85℃にて長手方向に3.2倍延伸後、テンター内で100℃で幅方向に3.4倍延伸し、次いで、熱処理温度195℃にて5秒間熱処理しながら幅方向にリラックス4%することにより、2軸延伸された厚さ12μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムは表2に示す通り、優れた特性を示した。
【0065】
(実施例2)
積層部原料としてポリエステル(2)(ポリエチレンテレフタレート)、基層部原料としてポリエステル(1)とポリエステル(3)を重量比で80:20で混合したものを用い、積層部ポリマー押出温度285℃、熱処理温度を198℃に変更した以外は実施例1と同様にして2軸延伸された厚さ12μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムは表2に示す通り、優れた特性を示した。
【0066】
比較例5
基層部原料としてポリエステル(1)とポリエステル(3)を重量比で70:30で混合したものを用い、積層部ポリマー押出温度285℃、長手方向延伸倍率3.4倍、熱処理温度を226℃に変更した以外は実施例1と同様にして2軸延伸された厚さ15μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムは表2に示す通り、優れた特性を示した。
【0067】
(実施例
積層部原料としてポリエステル(2)を、基層部原料としてポリエステル(1)とポリエステル(3)とポリエステル(5)を重量比で80:17:3で混合したものを用いた。それぞれポリエステルチップを真空乾燥して、2台の押出機で積層部ポリマーの押出温度300℃、基層部ポリマー押出温度280℃で溶融押出を行い、口金部上部のポリマー合流部で積層部ポリマーが非ドラム面に積層されるよう合流させた後、静電印加しながら鏡面冷却ドラムにて冷却固化して未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムをロール/ロール間にて延伸温度90℃にて長手方向に3.0倍延伸後、テンター内で105℃で幅方向に3.2倍延伸し、次いで、熱処理温度215℃にて5秒間熱処理しながら幅方向にリラックス4%することにより、2軸延伸された厚さ20μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムは表2に示す通り、優れた特性を示した。
【0068】
(比較例
積層部原料としてポリエステル(1)とポリエステル(3)を重量比96:4で混合したものを用い、基層部原料としてポリエステル(1)とポリエステル(4)を重量比で80:20で混合したものを用いた。それぞれポリエステルチップを真空乾燥して、2台の押出機で積層部ポリマーの押出温度285℃、基層部ポリマー押出温度280℃で溶融押出を行い、口金部上部のポリマー合流部で積層部ポリマーが両表層に積層されるよう合流させた後、静電印加しながら鏡面冷却ドラムにて冷却固化して未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムをロール/ロール間にて延伸温度95℃にて長手方向に3.0倍延伸後、テンター内で110℃で幅方向に3.0倍延伸し、次いで、熱処理温度190℃にて5秒間熱処理しながら幅方向にリラックス2%することにより、2軸延伸された厚さ10μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムは表2に示す通り、優れた特性を示した。
【0069】
(比較例1)
ポリエステル(1)を用いた。ポリエステルチップを真空乾燥して、押出温度280℃で溶融押出を行い、静電印加しながら鏡面冷却ドラムにて冷却固化して未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムをロール/ロール間にて延伸温度95℃にて長手方向に3.4倍延伸後、テンター内で100℃で幅方向に3.4倍延伸し、次いで、熱処理温度220℃にて5秒間熱処理しながら幅方向にリラックス4%することにより、2軸延伸された厚さ12μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムは表3に示す通り、基層部のポリエステル(A)、熱可塑性樹脂(B)の重量%が本発明の範囲から外れた本例は、耐ピンホール特性に劣っていた。
【0070】
(比較例2)
ポリエステル(1)とポリエステル(3)を重量比で80:20で混合したものを用いた。それぞれポリエステルチップを真空乾燥して、押出温度285℃で溶融押出を行い、静電印加しながら鏡面冷却ドラムにて冷却固化して未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムをロール/ロール間にて延伸温度85℃にて長手方向に3.2倍延伸後、テンター内で100℃で幅方向に3.4倍延伸し、次いで、熱処理温度198℃にて5秒間熱処理しながら幅方向にリラックス4%することにより、2軸延伸された厚さ12μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムは表2に示す通り、積層部構成成分、表面オリゴマー量が本発明の範囲から外れた本例は、蒸着膜接着強度に劣っていた。
【0071】
(比較例3)
積層部原料としてポリエステル(1)を、基層部原料としてポリエステル(1)とポリエステル(3)を重量比で70:30で混合したものを用いた。それぞれポリエステルチップを真空乾燥して、2台の押出機で積層部ポリマーの押出温度290℃、基層部ポリマー押出温度280℃で溶融押出を行い、口金部上部のポリマー合流部で積層部ポリマーが両表層に積層されるよう合流させた後、静電印加しながら鏡面冷却ドラムにて冷却固化して未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムをロール/ロール間にて延伸温度80℃にて長手方向に4.0倍延伸後、テンター内で95℃で幅方向に4.2倍延伸し、次いで、熱処理温度200℃にて5秒間熱処理しながら幅方向にリラックス4%することにより、2軸延伸された厚さ18μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムは表2に示す通り、積層比率、レトルト収縮率、面配向係数が本発明の範囲から外れた本例は、耐ピンホール特性に劣っていた。
【0072】
(比較例4)
積層部原料としてポリエステル(1)とポリエステル(3)を重量比で70:30で混合したものを用いを、基層部原料としてポリエステル(1)とポリエステル(3)を重量比で97:3で混合したものを用いた。それぞれポリエステルチップを真空乾燥して、2台の押出機で積層部ポリマーの押出温度295℃、基層部ポリマー押出温度280℃で溶融押出を行い、口金部上部のポリマー合流部で積層部ポリマーが非ドラム面に積層されるよう合流させた後、静電印加しながら鏡面冷却ドラムにて冷却固化して未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムをロール/ロール間にて延伸温度100℃にて長手方向に2.8倍延伸後、テンター内で110℃で幅方向に3.2倍延伸し、次いで、熱処理温度215℃にて5秒間熱処理しながら幅方向にリラックス4%することにより、2軸延伸された厚さ25μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムは表2に示す通り、基層部のポリエステル(A)、熱可塑性樹脂(B)の重量%、積層部構成成分、表面オリゴマー量、積層部溶融押出温度、レトルト収縮率が本発明の範囲から外れた本例は、耐ピンホール特性、蒸着膜接着強度に劣っていた。
【0073】
【表1】
Figure 0004172233
【0074】
なお、上記表中の略号は以下の通りである
PET:ポリエチレンテレフタレート
PBT:ポリブチレンテレフタレート
PBT/DA:ダイマー酸共重合ポリブチレンテレフタレート
PBT/PTMG:ポリテトラメチレングリコール共重合ポリブチレンテレフタレート
【0075】
【表2】
Figure 0004172233
【0076】
なお、上記表中の略号は以下の通りである
MD:長手方向
TD:幅方向
【0077】
【表3】
Figure 0004172233
【0078】
なお、上記表中の略号は以下の通りである
MD:長手方向
TD:幅方向
【0079】
【発明の効果】
本発明により、従来PETフィルムにはない耐ピンホール特性、蒸着膜接着強度に優れた二軸配向ポリエステルフィルムを提供できる。

Claims (9)

  1. 融点が240〜265℃で90重量%以上がエチレンテレフタレートおよび/またはエチレンナフタレートで構成されるポリエステル(A)80〜95重量%と、融点が185〜235℃で90重量%以上がブチレンテレフタレートから構成される熱可塑性樹脂(B)5〜20重量%とを含有する混合物で基層を構成し、
    該基層の少なくとも片面に融点が240〜265℃で90重量%以上がエチレンテレフタレートで構成されるポリエステル(C)が96重量%以上からなるポリマーが積層されており、該ポリマーの積層厚みがフィルム全体の厚みに対して5〜30%であり、フィルムの全厚みが5〜50μmであり、
    フィルムの表面オリゴマー量が24mg/m以下であることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. ガラス転移点が15℃以下で、ポリエーテルが10〜85重量%共重合されたポリエステル(D)を0.3〜8重量%基層に含有することを特徴とする請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. ポリエステル(D)がポリブチレンテレフタレートにポリテトラメチレングリコールを共重合してなることを特徴とする請求項に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. フィルムのヘイズが8%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. ポリエステル(C)の溶融押出温度が融点+10〜+35℃であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  6. 二軸延伸後の熱処理温度が熱可塑性樹脂(B)の融点−50℃〜融点であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  7. ポリエステル(C)の固有粘度が0.4〜1.5dl/gであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  8. フィルムの長手方向と幅方向のレトルト収縮率の合計が3.6%以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  9. フィルムの面配向係数が0.10〜0.18であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
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