JP4345149B2 - バリアフィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リサイクル性に優れたバリア用フィルムを得るに好適な二軸延伸フィルムおよびバリアフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食品や薬品を長期間保存するためには、腐敗や変質を促進する外気からの酸素や水蒸気の浸入を遮断する効果を持った、いわゆるバリア性に優れた包装を行う必要がある。この目的に使用されるガスバリア性に優れたフィルムとしては、バリア材料(それ自身が高いガスバリア性を有する樹脂)そのものをフィルムあるいはシート化したものやフィルム上にバリア材料を積層したものなどがある。後者の具体例としては、例えばアルミやアルミナ、シリカ等の金属あるいは金属酸化物を蒸着したフィルムやポリ塩化ビニリデンやエチレンビニルアルコール共重合体等の高いガスバリアー性を示すポリマーを積層したフィルム等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のバリアフィルムは以下のような課題を有していた。
すなわち、例えばポリ塩化ビニリデン積層フィルムは良好な酸素、水蒸気バリア性を示すものの、焼却時に塩素ガスを発生し、地球環境への悪影響が懸念されている。
【0004】
一方、蒸着により酸素珪素膜や酸化アルミニウム膜、アルミ膜を形成したフィルムは良好なバリア性を示し、近年、様々な用途に使用されるようになってきた。しかしながら蒸着されたバリアフィルムは金属を分離することが難しいため、フィルムの再利用が困難なばかりか、金属または金属酸化物を除去することがほとんどできないため焼却性に問題があった。
【0005】
本発明は、環境問題を背景に、リサイクル性の向上が望まれている要求に対応して、リサイクル性に優れたバリア用フィルムおよびバリアフィルムを提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明においては、エチレンテレフタレート及び/またはエチレンナフタレート単位80モル%以上であるポリエステル層(A層)の少なくとも片面にB層を積層してなる二軸延伸フィルムのB層面に金属、金属酸化物または酸化珪素が蒸着されてなるバリアフィルムであり、
かつ、B層を構成する樹脂がpH8〜14の水溶液で70%以上溶解するバリアフィルムである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明でいうA層を構成するポリエステルとは、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であるが、耐熱性、長期安定性、製膜性等の点からエチレンテレフタレート及び/またはエチレンナフタレート単位が80モル%以上であることが必要であり、好ましくは90モル%以上、特に好ましくは95モル%以上である。さらにポリエステルAの融点が245℃以上280℃以下であることが好ましく、より好ましくは250℃以上275℃以下である。
【0008】
本発明のポリエステルには特性を損ねない範囲で他の成分を共重合することができ、ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸以外に例えばジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、エイコ酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマ−酸、ドデカンジオン酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多官能酸等を使用できる。一方、グリコ−ル成分としてはエチレングリコール以外に例えばプロパンジオ−ル、ブタンジオ−ル、ペンタンジオ−ル、ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、トリエチレングリコール等の脂肪族グリコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族グリコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール等が使用できる。さらにポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルを共重合することができる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート、ナフタレンジカルボン酸共重合ポリエチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレートが耐熱性、二軸延伸性、生産性の点から特に好ましい。
【0009】
なお、これらのジカルボン酸成分、グリコ−ル成分は2種以上を併用してもよく、2種以上のポリエステルをブレンドして使用してもよい。さらに2層以上に共押出し、積層フィルムとして使用してもよい。
【0010】
また上記のポリエステル中に本発明の効果が損わない範囲で添加剤、例えば耐熱安定剤、耐酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、核剤などを配合することができる。
【0011】
本発明においてはリサイクル性の点から、ポリエステルA層の少なくとも片面にpH8〜14の水溶液で70%以上溶解する樹脂からなる層(B層)を積層することが必要である。
【0012】
本発明におけるフィルムのB層を構成する樹脂は、後述するアルカリ溶解試験においてpH8〜14の水溶液で70%以上溶解することが必要であり、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。「pH8〜14の水溶液で70%以上溶解すること」とは、該範囲内におけるいずれかのpHで、70%以上溶解することを意味している。pH8〜14の水溶液で70%以上溶解すると、アルカリ溶液を用いたリサイクル工程等でB層を除去することが可能となり、B層に蒸着されている金属あるいは金属酸化物層等のバリア材料、またはB層に積層している例えばポリ塩化ビニリデンに代表されるバリア材料を除去することが容易となって、環境性の点で極めて好適なフィルムとなる。pH8〜14の水溶液とは、アルカリ性の水溶液であり、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム等のアルカリ性の水溶液が挙げられる。pHが高い領域では樹脂の溶解性が向上する点で好ましいが、逆にアルカリ性が強いために作業環境が悪化する場合が懸念されることから、水溶液のpHは好ましくはpH8.5〜12であり、より好ましくはpH8〜11である。また水溶液の温度は、好ましくは50℃〜100℃であり、より好ましくは60〜90℃である。水溶液の温度を上記範囲にすることにより、樹脂層の溶解性が向上することに加えて、溶解に要する時間も短縮化され、作業効率が向上する点からも非常に好ましい。
【0013】
本発明におけるpH8〜14の水溶液で70%以上溶解する樹脂として、ポリ乳酸を主体とする樹脂を使用できる。ここでポリ乳酸とは、例えばD−乳酸ホモポリマー、L−乳酸ホモポリマー、D−乳酸/L−乳酸コポリマー、D−乳酸/ヒドロキシカルボン酸コポリマーおよびポリ乳酸とポリ乳酸以外のポリマーのブレンドとして使用できる。該ブレンドの場合、ポリ乳酸が60〜95重量%であることが好ましく、より好ましくは70〜95重量%である。またポリ乳酸を主体とするポリマーは、L−乳酸成分を主体とし、D−乳酸成分の含有量が0〜30重量%であることが、耐熱性、寸法安定性の点で好ましく、より好ましくはD−乳酸成分の含有量が0〜20重量%である。
【0014】
本発明におけるポリ乳酸を主体とする樹脂は、例えば次のような方法で得ることができる。
【0015】
すなわち、原料として、D−乳酸および/またはL−乳酸を主体として、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸等のヒドロキシカルボン酸類を併用することができる。さらにジカルボン酸類やグリコール類も用いることもできる。ポリ乳酸を主体とするポリマーは、上記原料を直接脱水重縮合する方法、または上記環状エステル中間体を開環重合する方法によって得ることができる。例えば、直接脱水重縮合して製造する場合、乳酸類または乳酸類とヒドロキシカルボン酸類を好ましくは有機溶媒、特にフェニルエーテル系溶媒の存在下で共沸脱水縮合し、特に好ましくは共沸により重合することにより本発明に適した高分子量のポリマーが得られる。ポリマーの分子量は、フィルムとしての成形性等の点から重量平均分子量1万〜100万の範囲であることが好ましく、より好ましくは5万〜50万である。
【0016】
また、本発明におけるポリ乳酸を主体とする樹脂には、ヒドロキシカルボン酸成分を構成成分とするポリグリコール酸、ポリ酪酸ポリヒドロキシブチレート等や、ジカルボン酸成分とグリコール成分を構成成分とするポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリヘキサメチレンテレフタレート(PHT)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリブチレンサクシネート等のポリエステル、またはこれらのポリエステルを主体とする共重合体等とのブレンド体として使用できる。また共重合体の場合は、ランダム共重合体でもブロック共重合体であってもよい。
【0017】
また、本発明の効果が損われない範囲で他のアルカリ水溶性ポリマーを添加することもできる。他のアルカリ分解性ポリマーとしては、例えば、酢酸セルロース、セルロース、でんぷん、ポリビニルアルコール等を用いることができる。本発明においては好ましくは、ポリ乳酸を主体とする樹脂にすることで、優れたアルカリ溶解性を発現させることができる。前述のポリ乳酸を主体とする樹脂には、必要に応じて、アルカリ溶解性が損わない範囲内で粒子以外の各種の添加剤が含まれていてもよい。例えば、難燃剤、酸化防止剤、耐侯剤、熱安定剤、滑剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、着色剤、末端封鎖剤、脂肪酸エステル、ワックス等の有機滑剤あるいはポリシロキサン等を配合することができる。
【0018】
本発明のフィルムは、耐熱性、機械強度、寸法安定性、バリア材料の蒸着やラミネート性の点から2軸配向されたフィルムであることが必要である。2軸配向フィルムとは、無延伸状態のシートまたはフィルムを長手方向および幅方向に各々2〜6倍程度延伸されて作られるものであり、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。二軸延伸の方法としては、同時二軸延伸、逐次二軸延伸のいずれであってもよい。
【0019】
本発明のフィルムの厚みは特に限定されるものではなく、用途に応じて任意に選べば良いが、0.1〜1000μm、好ましくは0.5〜500μmであり、更に好ましくは5〜30μmである。また特に蒸着用として用いられる場合には、5〜20μmであることが好ましい。
【0020】
フィルム構成としては、エチレンテレフタレート及び/またはエチレンナフタレート単位80モル%以上であるポリエステル層(A層)とpH8〜14の水溶液で70%以上溶解する樹脂からなる層(B層)から構成され、B層を蒸着面あるいはバリア材料積層面とするA/Bの2層の他に、C/A/B、A/C/Bの3層、さらには3層より多層の積層構成であってもよい。積層厚み比も任意に設定することができるが、d(A)>d(B)であることが好ましく、より好ましくはd(A)>2*d(B)であり、また好ましくは0.01μm≦d(B)≦5μm、より好ましくは0.01μm≦d(B)≦3μmである。ここでd(A)は、A層の厚み(μm)、d(B)はB層の厚み(μm)である。さらに、これら以外の層を積層してもよく、具体的には、帯電防止層、マット層、ハードコート層、易滑コート層、易接着層、粘着層などが例示される。
【0021】
本発明のフィルムにおいて、寸法安定性の点からフィルムの融解サブピーク(Ts)は120〜245℃であることが好ましく、さらに蒸着性の点から好ましくは140〜235℃、更に好ましくは160〜225℃である。Tsが120℃未満であると熱寸法安定性が悪化するので好ましくない。またTsが245℃を越えるとフィルムが脆化するので好ましくない。
【0022】
本発明のフィルムにおいてはポリエステルA層の面配向係数(fn(A))が0.14〜0.180であることが好ましく、さらに好ましくは0.15〜0.17である。面配向係数が0.14未満であるとフィルムの配向性が低下するため強度低下や外力に対して伸びやすくなり加工適性が低下するため好ましくない。また面配向係数が0.18を越えるとフィルムの巾方向の物性斑や白化等が生じるため好ましくない。
【0023】
また本発明においては、ガスバリア性、蒸着層との接着性の点から、B層の面配向係数(fn(B))が、fn(A)≧fn(B)の関係式を満たすことが好ましく、fn(B)は好ましくは0.005〜0.14、更に好ましくは0.01〜0.1である。
【0024】
本発明においては、フィルムA層の複屈折(Δn)が−0.05〜−0.001であることが好ましく、より好ましくは−0.03〜−0.01である。ここで複屈折(Δn)は、Δn=Nx(縦方向の屈折率)−Ny(横方向の屈折率)により求められる。Δnがマイナス(−)であることはフィルム巾方向の配向が長手方向より強いことを示している。複屈折が−0.001より大きくなると蒸着加工時やラミネート時の巾方向の抗張性が低下する傾向を示す。また−0.05未満であると巾方向の配向が長手方向の配向より強くなりすぎる結果、長手方向と巾方向の配向のバランスが崩れすぎて裂けやすくなることや厚み斑等の平面性が悪化する傾向を示すことがある。
【0025】
本発明のフィルムにおいては、A層の厚み方向の屈折率が1.48〜1.51であることが好ましく、更に好ましくは1.49〜1.5である。厚み方向の屈折率が1.48未満であるとフィルムの劈開等による加工時のトラブルが生じることがある。また1.51を越えると加工特性や印刷性が悪化することがある。
【0026】
本発明におけるポリエステルA層のフィルム製膜後の極限粘度(25℃オルソクロロフェノール中で測定)は0.40〜1.20dl/g、好ましくは0.50〜0.85dl/g、より好ましくは0.55〜0.75の範囲にあるものが本発明の内容に適したものである。
【0027】
さらに印刷インキ等との接着性を向上させる点から、ポリエステルA層のカルボキシル末端基量は25〜55当量/トン以上が好ましく、さらに好ましくは30〜40当量/トンであることが好ましい。
【0028】
本発明において150℃、30分の熱収縮率がフィルム長手方向で0.1〜5.0%、巾方向で−2〜1%であることが好ましく、更に好ましくはフィルム長手方向で1.0〜3.0%、巾方向に−1〜0%である。ここで熱収縮率のマイナス(−)の値は伸びを示すものである。
【0029】
本発明ではフィルム長手方向及び巾方向の破断強度が150〜400MPaであることが好ましく、更に好ましくは200〜350MPaである。破断強度が150MPa未満であるとフィルム強度が低下し、加工性や製袋後の強度が劣るため好ましくない。また破断強度が400MPaを越えると加工時のフィルムの屈曲性が低下するため好ましくない。
【0030】
また本発明においてはフィルム巾方向の破断伸度が50〜180%であることが好ましく、より好ましくは90〜150%である。また(長手方向の破断伸度/巾方向の破断伸度)が1.1〜2.0であることが蒸着時に巾方向に適切な抗張性を発現させ蒸着性を向上させる点から好ましいが特に限定されるものではない。
【0031】
さらに本発明のフィルムは各種コーティングを施こしても良く、特に限定するものではないが、製造面、環境面を考慮すると水系または水分散系塗剤をフィルム製膜中に塗布したものが好ましい。
【0032】
本発明のフィルムにおいて、A層面の中心線平均粗さRa(A)とB層面の中心線平均粗さRa(B)の関係は、Ra(A)≧Ra(B)であることがバリア性と加工性を両立させる点から好ましい。さらにガスバリア性の点からRa(B)は0.001〜0.05μmであることが好ましく、より好ましくは0.005〜0.03である。また巻き特性や加工性の点からRa(A)は0.01〜0.1μmであることが好ましく、より好ましくは0.02〜0.07μm、更に好ましくは、0.03〜0.05μmである。
【0033】
本発明のフィルム中に含有される粒子は、ポリエステル、ポリ乳酸を主体とする樹脂それぞれに不活性なものを添加すれば特に限定されないが、内部粒子や無機粒子および/または有機粒子などの外部粒子の中から任意に選定される粒子が好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは0.02〜1重量%含有されていることが好ましい。含有される粒子の平均粒子径は好ましくは0.001〜10μmであり、更に好ましくは0.01〜2μmである。平均粒子径が10μmを越える粒子を使用するとフィルムの欠陥が生じやすくなるので好ましくない。無機粒子および/または有機粒子としては、例えば、湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、珪酸アルミ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、マイカ、カオリン、クレ−等の無機粒子およびスチレン、シリコ−ン、アクリル酸類等を構成成分とする有機粒子等を挙げることができる。なかでも湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、珪酸アルミ、アルミナ、炭酸カルシウム等の無機粒子が好ましい。これらの内部粒子、無機粒子および/または有機粒子は二種以上を併用してもよい。
【0034】
本発明のフィルム表面には蒸着に先立ち蒸着面に適宜の表面処理、すなわち低温プラズマ処理やコロナ放電処理等が行われてもよい。
【0035】
本発明のフィルムはバリア性フィルムとして工業材料、農業材料、包装用材料など各種に使用することができる。
【0036】
次に本発明の製造方法について説明するが必ずしもこれに限定されるものではない。
【0037】
無機粒子(例えば平均粒子径1.2μmの湿式法シリカ粒子)を0.09重量%含有する極限粘度0.64dl/gのポリエチレンテレフタレート(A層)とL−乳酸/D−乳酸からなるポリ乳酸(平均粒子径0.2μmのコロイダルシリカ粒子を0.03重量%含有)(B層)を常法に従って乾燥後、互いに隣接したダイからA層、B層のポリマーを共押出して積層、融着させ、静電印加しながらシート状溶融体を冷却ドラム上で冷却固化せしめて無配向フィルムを作成する。このフィルムを70℃〜130℃に加熱しつつ長手方向に2.0〜5.0倍に延伸して1軸配向PETフィルムを得る。さらにこのフィルムをクリップで把持しつ80℃〜140℃に加熱されたテンター内に導き、幅方向に2.5〜6.0倍に延伸し、連続的に140℃〜240℃の熱処理ゾーン中で1〜10秒間の熱処理を施す。この熱処理中に必要に応じて0〜12%の弛緩処理を施しても良い。
【0038】
得られたフィルムに連続式真空蒸着機により蒸着を行い、アルミニウムまたは酸化アルミニウムまたは酸化珪素蒸着層が形成された透明蒸着用ポリエステルフィルム得た。
【0039】
【物性の測定方法および効果の評価方法】
本発明における物性の測定方法および効果の評価方法は次のとおりである。
(1)融点、フィルムの融解サブピーク
フィルムを示差走査熱量計(パ−キン・エルマ−社製DSC−2型)により、10℃/minの昇温速度で測定し、主融解ピーク温度(融点)を求めた。また、この測定の際に発生する、擬結晶の変態により発生するサブピーク温度をTsとした。Tsは製膜工程中の熱処理温度の履歴として出現する。単位は共に℃である。
(2)屈折率、複屈折、面配向係数
ナトリウムD線(波長589nm)を光源として、アッベ屈折計を用いて測定した。長手方向、幅方向、厚み方向の屈折率(Nx,Ny,Nz)から得られる面配向係数fn=(Nx+Ny)/2−Nzを計算して求めた。
(3)中心線平均粗さ(Ra)
小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用いて測定した。測定条件は下記のとおりであり、20回の測定の平均値をもって値とした。
【0040】
・触針先端半径:0.5μm
・触針荷重 :5mg
・測定長 :1mm
・カットオフ :0.08mm
なお、詳細なパラメータの定義の詳細は、たとえば、奈良治朗著「表面粗さの測定法・評価法」(総合技術センター、1983)に示されている。
(4)酸素透過率
ASTMD−3985に準じて、モダンコントロール社製酸素透過率測定装置OX−TRAN100を用いて、20℃、0%RHの条件にて測定した。
(5)水蒸気透過率
モダンコントロール社製水蒸気透過率計PERMATRAN−W1Aを用いて、40℃、90%RHの条件で測定した。
(6)アルカリ溶解性
フィルムからB層を約3gの削り取り重量を正確に測定し、その値をG1とする。水酸化ナトリウム2重量%水溶液300ml中に温度80℃で30分攪拌後、濾紙で水溶液を濾過し、純水で十分洗浄して、濾紙上の残査を110℃×1時間乾燥後、23℃、湿度60%の雰囲気に1時間冷却、調湿後、残査の重量を測定しその値をG2とする。次式によりアルカリ溶解度を求める。
アルカリ溶解度=(G1−G2)/G1×100
次いで、アルカリ溶解度が90%以上のものを◎、70%以上90%未満のものを○、50%以上〜70%未満のものを△、50%未満のものを×としてアルカリに対する溶解性を評価した。
(7)回収性
アルミ蒸着フィルムを水酸化ナトリウム2重量%水溶液5000ml中に温度85℃で1時間攪拌し、水で洗浄した。アルミのとフィルムの分離の程度を目視で次のように分類することにより回収性を評価した。アルミがフィルムに付着しているものを×、付着していないものを○、その中間のものを△とした。
【0041】
【実施例】
次に本発明を実施例に基づいて説明するが必ずしもこれに限定されるものではない。
実施例1
A層として粒子径1.2μmの凝集シリカ粒子を0.15重量%含有するポリエチレンテレフタレート(融点255℃)ペレット(極限粘度0.65dl/g)とB層として平均粒子径1.2μmの凝集シリカ粒子を0.04重量%含有するL−乳酸/D−乳酸(組成比90/10、重量平均分子量180,000)からなるポリ乳酸を水分含有率30ppmとなるまで常法に従って乾燥後、互いに隣接したダイからA層、B層のポリマーを共押出して積層、融着させ、静電印加しながらシート状溶融体を冷却ドラム上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを作成した。該フィルムを90℃に加熱して長手方向に3.4倍延伸し、1軸延伸フィルムとした。該フィルムをフリップを把持して100℃に加熱されたテンター内に導き、連続的に110℃に加熱されたゾーンで幅方向に4.0倍延伸し、5秒間の熱処理を施し、フィルム厚み12μmのフィルムを得た。さらに該フィルムにアルミ蒸着を施し、膜厚45nmが積層されたアルミ蒸着フィルムを得た。表2に示す通り優れたリサイクル性を示すことが分かる。
実施例2
B層のポリ乳酸をL−乳酸/D−乳酸(組成比94/6、重量平均分子量190,000)とし、表1に示すポリマーと粒子添加により実施例1と同様にして未延伸フィルムを作成した。該フィルムを95℃にて長手方向に3.5倍、横方向に3.6倍同時二軸延伸し、10秒間熱処理を施して、厚み12μmのフィルムを得た。さらに該フィルムにアルミ蒸着を施し、膜厚45nmが積層されたアルミ蒸着フィルムを得た。表2に示す通り優れたリサイクル性を示すことが分かる。
実施例3
B層をL−乳酸/D−乳酸とヒドロキシカプロン酸の組成比が82/4/14であるポリ乳酸(重量平均分子量160,000)とし、表1に示すポリマーと粒子添加により実施例1の製膜条件を変更して表1に示す12μmの二軸延伸フィルムを得た。アルミナ(酸化アルミニウム)蒸着を施し、膜厚44nmが積層されたフィルムを得たところ、表2に示すとおり優れたリサイクル性を示した。実施例4
B層のポリ乳酸をL−乳酸/D−乳酸(組成比95/5、重量平均分子量160,000)とし、表1に示すポリマーと粒子添加により実施例1の製膜条件を変更して表1に示す12μmの二軸延伸フィルムを得た。酸化珪素蒸着を施し、膜厚44nmが積層されたフィルムを得たところ、表2に示すとおり優れたリサイクル性を示した。
比較例1
表1に示すポリマーを用い、製膜条件を変更して表1に示すフィルムを実施例1と同様にして得た。さらに該フィルムに蒸着を施し、アルミニウム(45nm)が積層された蒸着フィルムを得た。表2に示す通りリサイクル性は劣るものであった。
比較例2
表1に示すポリマーを用い、製膜条件を変更して表1に示すフィルムを実施例1と同様にして得た。さらに該フィルムに蒸着を施し、酸化珪素膜(45nm)が積層された蒸着フィルムを得た。表2に示す通りリサイクル性は劣るものであった。
【0042】
【表1】
Figure 0004345149
【0043】
なお、表中の記号は次の通りである。
【0044】
PET:ポリエチレンテレフタレート
PET/I:イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート
PET/A:アジピン酸共重合ポリエチレンテレフタレート
【0045】
【発明の効果】
本発明によりリサイクル性に優れたバリア用二軸延伸フィルムおよびバリアフィルムを提供することができ、包装材料や工業材料として多くの用途に使用することができる。

Claims (2)

  1. エチレンテレフタレート及び/またはエチレンナフタレート単位80モル%以上であるポリエステル層(A層)の少なくとも片面にB層を積層してなる二軸延伸フィルムのB層面に金属、金属酸化物または酸化珪素が蒸着されてなるバリアフィルムであり、
    かつ、B層を構成する樹脂がpH8〜14の水溶液で70%以上溶解することを特徴とするバリアフィルム
  2. B層がポリ乳酸を主体とする樹脂から構成されることを特徴とする請求項1に記載のバリアフィルム
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