JP4164899B2 - 蒸着2軸配向ポリエステルフイルム - Google Patents

蒸着2軸配向ポリエステルフイルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸着2軸配向ポリエステルフイルムに関し、とくに薄い蒸着膜でありながら優れたガスバリア性能と防湿性能とを有する蒸着2軸配向ポリエステルフイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、透明性、機械的特性などに優れる2軸配向ポリエステルフイルムは、包装材料などに広く用いられている。更にフイルムの防湿性を向上させる目的で、ポリ塩化ビニリデンをコーティングした2軸配向ポリエステルフイルムが、広く知られている。しかし、ポリ塩化ビニリデンは、防湿性を改良するには塗布厚みを厚くする必要があり、生産性が悪い。また、ポリ塩化ビニリデンは廃棄焼却時に塩素系ガスが発生するため焼却炉の腐食や地球環境への悪影響が指摘されており、更に排ガスを浄化するための焼却炉への負担も大きいとされている。これらの問題を解決する包装フイルムとして、アルミニウムなどの金属あるいは金属酸化物をポリエステルフイルム表面に形成したものがガスバリア性、防湿性に優れていることは従来より良く知られている。これらの中で特に酸化珪素膜を高分子樹脂フイルム上に形成したものが特公昭53−12953号公報により、酸化アルミニウム膜を高分子樹脂フイルム上に形成したものが特公昭62−179935号公報により知られている。
【0003】
しかし、このような従来のガスバリア性、防湿性に優れたフイルムは以下のような問題を有していた。金属アルミニウムは高いガスバリア性、防湿性を確保するために厚い膜厚が必要とされるが、このために生産性が落ちる。また、蒸着によりフイルムが不透明になるため包装用として使用する場合に内容物が見えないという問題もある。
【0004】
酸化珪素膜も高いガスバリア性、防湿性を確保するために厚い膜厚が必要とされる。しかし、膜厚を厚くした場合カールしやすく、ハンドリング性が悪くなり、乱暴に扱うと蒸着膜にクラック(割れ)が入り、ガスバリア性、防湿性が低下するという問題がある。また、酸化珪素膜が着色するという問題もある。
【0005】
また、酸化アルミニウム膜は酸化珪素膜に比べて薄い膜厚で、ある程度のガスバリア性、防湿性を発現することができるが、発明者が検討したところ、膜厚が薄くなると、安定してガスバリア性、防湿性を発現できないという問題があった。また、バリア性を発現させるために膜厚を厚くすれば、酸化アルミニウム膜が着色する問題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上述のような問題を解消するために、薄い蒸着層でありながら、優れたガスバリア性と防湿性を同時に有する蒸着2軸配向ポリエステルフイルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ガスバリア性、防湿性が蒸着前の2軸配向ポリエステルフイルムの表面構造に依存することを見出し、本発明に至ったものである。
【0008】
すなわち本発明に係る蒸着2軸配向ポリエステルフイルムは、少なくとも片面が、
0.1nm≦SRa≦80nm
2個/0.1mm2 ≦SPc≦150個/0.1mm2
0.23nm/個≦SRa/SPc≦0.39nm/個
(SRa:中心面平均粗さ、SPc:山数)
を満足する2軸配向ポリエステルフイルムの該表面に厚さ5〜150nmの蒸着層を設けてなることを特徴とするものからなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について、望ましい実施の形態とともに詳細に説明する。
本発明における2軸配向ポリエステルフイルムとは、無延伸状態のポリエステルシートまたはフイルムを、長手方向及び幅方向の、いわゆる2軸方向に延伸して作られるものであり、広角X線回折で2軸配向のパターンを示すものをいう。特に長手方向及び幅方向の延伸を同時に行う同時2軸延伸は、逐次2軸延伸と比較して、フイルム表面にキズによる欠点が発生しにくく好ましい。
【0010】
本発明に使用される2軸配向ポリエステルフイルムを構成するポリエステル系樹脂には、酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸を用いることができ、アルコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール、を用いることができる。
【0011】
また、このポリエステル系樹脂の中に公知の添加剤、例えば、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、充填剤、帯電防止剤、核剤などを適宜配合してもよい。
【0012】
上記で述べたようなポリエステル系樹脂の極限粘度(25℃のオルソクロロフェノール中で測定)は、0.4〜1.2dl/gの範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.5〜0.8dl/g、更に好ましくは0.55〜0.75dl/gの範囲である。
【0013】
本発明においては2軸配向ポリエステルフイルムに粒子が含有されていてもよく、含有される粒子としては、各種核剤により重合時に生成した粒子、二酸化珪素粒子、炭酸カルシウム粒子、アルミナ粒子、酸化チタン粒子、硫酸バリウム粒子などの無機粒子を、また、架橋ポリスチレン粒子、アクリル粒子、イミド粒子のような有機粒子を、或いは、それらの混合体をその代表例として挙げることができる。使用される各種粒子の径は特に限定されないが、通常は沈降法あるいは光散乱法により測定した平均粒径が0.05〜8μm、好ましくは0.1〜4μmをその代表として挙げることができる。
【0014】
本発明における2軸配向ポリエステルフイルムとしては、−COOH量(カルボキシル末端基量)が25〜55当量/tの樹脂からなる2軸配向ポリエステルフイルムが好適である。樹脂の−COOH量が25当量/t未満の場合、蒸着2軸配向ポリエステルフイルムのガスバリア性及び防湿性が十分発揮できない。樹脂の−COOH量が55当量/tを越えると、蒸着2軸配向ポリエステルフイルムの外観が着色したり、透明蒸着2軸配向ポリエステルフイルムの場合透明性が悪くなったり、2軸配向ポリエステルフイルムの製膜性が悪化する等の問題がある。
【0015】
本発明に使用される2軸配向ポリエステルフイルムの蒸着面側表面は、濡れ張力が45mN/m以上、好ましくは48mN/m以上、さらに好ましくは50mN/m以上が適している。濡れ張力が45mN/m未満であれば、蒸着2軸配向ポリエステルフイルムのガスバリア性及び防湿性が十分発揮できなかったり、蒸着層と2軸配向ポリエステルフイルムとの接着性が不充分で、蒸着2軸配向ポリエステルフイルムの蒸着層上へラミネート等の後加工を行った場合、蒸着層と2軸配向ポリエステルフイルムが剥がれる等の問題が発生しやすくなる。濡れ張力を上記範囲に制御する方法として、代表的にはコロナ放電処理を用いることができる。なお、発明者が検討の結果、コロナ放電処理を施していない場合、蒸着後の2軸配向ポリエステルフイルムのガスバリア性、防湿性が悪化することも判明している。
【0016】
本発明に使用される2軸配向ポリエステルフイルムの非蒸着面の濡れ張力としては、40mN/m以上が好適である。濡れ張力が40mN/m未満であれば、蒸着2軸配向ポリエステルフイルムの非蒸着面の後加工の印刷性、ラミネート強度に問題がある。
【0017】
本発明に使用される2軸配向ポリエステルフイルムの厚さは特に限定されないが、通常は0.5〜500μm、好ましくは1〜300μm、さらに好ましくは3〜25μmである。
【0018】
本発明に使用される2軸配向ポリエステルフイルムの蒸着面側表面のSRaは、0.1nm以上80nm以下である必要がある。SRaが0.1nm未満であれば滑りが悪くなってフイルムをロール状に巻くことができなくなるおそれがあり、一方、SRaが80nmを越えれば、蒸着後のガスバリア性及び防湿性が悪化する。好ましくは1nm以上60nm以下、さらに好ましくは10nm以上50nm以下が適している。ここでSRaは3次元表面粗さのパラメーターで、中心面平均粗さと定義する。
【0019】
本発明に使用される2軸配向ポリエステルフイルムの蒸着面側表面のSPcは、2個/0.1mm2 以上で150個/0.1mm2 以下、である必要がある。すなわち、SPcが2個/0.1mm2 未満であれば、滑りが悪くなってフイルムをロール状に巻くことができなくなる等の問題があるためであり、SPcが150個/0.1mm2 を越える場合は、蒸着後のガズバリア性及び防湿性が悪化するためである。なおSPcは、好ましくは10個/0.1mm2 以上130個/0.1mm2 未満、さらに好ましくは30個/0.1mm2 以上100個/0.1mm2 未満が適している。ここでSPcは3次元表面粗さのパラメーターで山数のことである。粗さ曲面の中心面に平行でかつ中心面からの距離が5nmである平面を中心面の上下に設け、上下の2平面とも山と認めた山数を計測し、0.1mm2 当たりに換算して表したものである。
【0020】
また、本発明においては、2軸配向ポリエステルフイルムの蒸着面側表面について、SRa/SPcの値が0.23nm/個以上である必要がある。すなわち、SRa/SPcが0.23nm/個未満であれば、蒸着後のガスバリア性及び防湿性が悪化するためである。なおSRa/SPcは、好ましくは0.25nm/個以上、さらに好ましくは0.27nm/個以上が適している。ここで、SRa/SPcは1山あたりの平均粗さに相当するパラメーターである。
【0021】
本発明の蒸着2軸配向ポリエステルフイルムに設ける蒸着層の厚さは、5〜150nmの範囲にある必要がある。これより薄ければガスバリア性及び防湿性が悪化する。これより厚ければ、生産性が落ちる。特に、金属酸化物の場合、膜厚を厚くするとカールしやすく、ハンドリングが悪くなり、乱暴に扱うと蒸着膜にクラック(割れ)が入り、ガスバリア性、防湿性が低下したり、蒸着膜が着色したりする。
【0022】
本発明の蒸着2軸配向ポリエステルフイルムに設ける蒸着層としては、金属または金属酸化物を用いることができる。金属としては、アルミニウム、銀、クロム、錫、銅などをその代表例として挙げることができる。その中で、食品衛生性、コスト、蒸着膜の安定性を考慮すると、アルミニウムが好ましい。金属酸化物としては、酸化珪素膜、酸化アルミニウム膜などをその代表例として挙げることができる。その中で、コスト、生産設備、着色について勘案すると酸化アルミニウム膜が好ましい。
【0023】
次に本発明の蒸着2軸配向ポリエステルフイルムの代表的製造方法について説明するが、特にこれに限定されるものではない。
【0024】
重合段階で−COOH量を調整し析出粒子または無機粒子または有機粒子を含有する樹脂(2軸配向ポリエステルフイルムを構成すべき樹脂)を所定の条件で乾燥し、押出機等の方法で溶融した後、フイルム状物に成形(通常は冷却ドラム上で)する。このフイルムを75〜130℃に加熱して、長手方向に2〜9倍に延伸して1軸配向フイルムとする。この1軸配向フイルムを75〜130℃に加熱しつつ、幅方向に2〜9倍延伸し、引き続いて、170〜240℃の熱処理ゾーン中へ導いて、1〜10秒間熱処理する。この熱処理中に、幅方向に3〜12%の弛緩処理をする方がよい。熱処理されたフイルムを、中間冷却ゾーンを経て徐々に冷却し、室温まで至った時点で巻取機で巻き取りミルロールとする。次に、このミルロールをスリッターにかけて製品ロールとする。この製品ロールを巻き返しながら、フイルムの蒸着面側表面にコロナ放電処理を行う。非蒸着面側にコロナ放電処理を行う場合は、この巻き返し時に行う。
【0025】
このようにして得られた2軸配向ポリエステルフイルムに蒸着層を設ける。金属の蒸着膜を設ける際のプロセスとしては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、化学気相蒸着法などを用いることができ、とくに限定されないが、反応性蒸着法が生産性、コストの点でより好ましく用いることができる。反応性蒸着法において酸化アルミニウムを蒸着させるには、アルミニウム金属やアルミナを抵抗加熱のボート方式やルツボの高周波誘導加熱、電子ビーム加熱方式で蒸発させ、酸化雰囲気下で2軸配向ポリエステルフイルム上に酸化アルミニウムを堆積させる方式が採用できる。酸化雰囲気を形成するための反応性ガスとして酸素を主体に水蒸気や希ガスを加えたりしてもよい。更にオゾンを加えたりイオンアシストなどの反応を促進する手法を採用してもよい。これら蒸着プロセス中で、2軸配向ポリエステルフイルム表面のプラズマ処理を併用すると、ガスバリア性、透湿性が向上しより好ましい。
【0026】
酸化珪素を反応性蒸着法で蒸着するには、Si金属、SiOやSiO2 を電子ビーム加熱方式で蒸発させ、酸化雰囲気下で2軸配向ポリエステルフイルム上に酸化珪素を堆積させる方式を採用できる。酸化雰囲気を形成する方法は、上記の方法が用いられる。
【0027】
[特性値の測定法]
本発明の特性値は以下の測定法による。
(1)SRa、SPc
3次元表面粗さ計(小坂研究所製、ET−30HK)を用い、次の条件で触針法により測定を行った。
測定長 :500(μm)
縦倍率 :20000(倍)
CUT OFF :250(μm)
測定速度 :100(μm/s)
測定間隔 :5(μm)
記録本数 :80本
ヒステリシス幅 :±5(nm)
基準面積 :0.1(mm2
【0028】
(2)蒸着層の膜厚
透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製、JEM−1200EX)を用い、加速電圧100kVで断面を超薄切片法で観察し、蒸着膜の膜厚を測定した。
【0029】
(3)濡れ張力
JIS−K−6768−1995に記載された方法に従い、フイルム表面の濡れ張力を測定した。
【0030】
(4)−COOH量
原料チップをo−クレゾール中に入れ攪拌しながら100℃に加熱溶解し、室温まで冷却後、N/50のアルカリ溶液で滴定を行った。滴定量から次の式で−COOH量を算出した。
A=試料滴定量(ml)
B=ブランク滴定量(ml)(溶媒の滴定量)
W=試料重量(g)
−COOH量(当量/t)=((A−B)×1/50×103 )/W
【0031】
(5)ガスバリア性
A.水蒸気透過率
蒸着48時間後に、JIS−K−7129−1992に記載されたB法に従い、蒸着フイルムの水蒸気透過率を測定した。測定した水蒸気透過率で次のように評価した。
○:0(g/m2 ・day)以上、3(g/m2 ・day)未満
△:3(g/m2 ・day)以上、6(g/m2 ・day)未満
×:6(g/m2 ・day)以上
【0032】
B.酸素透過率
蒸着48時間後に、JIS−K−7126−1987に記載されたB法に従い、蒸着フイルムの酸素透過率を測定した。測定した酸素透過率で次のように評価した。
○:0(cc/m2 ・day)以上、3(cc/m2 ・day)未満
△:3(cc/m2 ・day)以上、6(cc/m2 ・day)未満
×:6(cc/m2 ・day)以上
【0033】
(6)蒸着フイルムの外観
蒸着フイルムの外観を次のように評価した。
○:無色。透明蒸着では無色透明。
△:やや黄色またはやや白色。透明蒸着ではやや不透明で着色。
×:黄色または白色。透明蒸着では不透明で着色。
【0034】
(7)巻き姿
蒸着フイルムの巻き姿を次のように評価した
○:ロール状に巻いた時に外観状の欠点がない
×:ロール状に巻いた時に外観状の欠点がある
【0035】
【実施例】
実施例1
平均粒子径1μmの析出粒子(重合工程中に析出した粒子)を0.15重量%及び粒径約1.5μmの二酸化珪素粒子を0.1重量%含有する−COOH量35当量/tのポリエチレンテレフタレート(PET)ペレット(極限粘度0.63dl/g)を水分率20ppmに真空乾燥した後、押出機に供給して、280℃で溶融押出し、10μmカットのフィルターで濾過した後、T字型口金からシート状に押出し、これを表面温度50℃の冷却ドラムに静電密着法で冷却固化せしめた。このようにして得られた未延伸PETフイルムを、95℃に加熱して長手方向に3.5倍延伸して1軸延伸フイルムとした。この1軸延伸フイルムを98℃で予熱し、次いで105℃に加熱しつつ幅方向に3.9倍に延伸した。このフイルムを225℃の熱風中に導き入れ、1秒間緊張熱固定した後、同じ雰囲気温度内で幅方向に元のフイルム幅の8%リラックスを施し冷却する。最終的に室温まで冷却し、これを巻取機に導き巻き上げてミルロールとした。次に、このミルロールをスリッターにかけて所定幅の製品ロールとした。この製品ロールを巻き返しながら、フイルム両面にそれぞれ20W・min/m2 の処理強度でコロナ放電処理を行った。このようにして得られた12μmのフイルムに、酸化アルミニウム蒸着を行った。この2軸配向ポリエステルフイルムの表面へ酸化アルミニウムを蒸着する方法は、フイルムを連続式真空蒸着機の巻き出し装置にセットし、冷却金属ドラムを介して走行させフイルムを巻き取る。このとき連続式真空蒸着機を10-4Torr以下に減圧し、冷却ドラムの下部よりアルミナ製ルツボに純度99.99%の金属アルミニウムを装填して金属アルミニウムを加熱蒸発させ、その蒸気中に酸素を供給し酸化反応させながらフイルム上に付着堆積させ、厚さ30nmの酸化アルミニウム膜を形成した。この蒸着2軸配向ポリエステルフイルムの特性を表1に示した。
【0036】
実施例2
実施例1の原料PETペレットを−COOH量44当量/t、粒径約1.5μmの二酸化珪素粒子を0.08重量%へ、コロナ放電処理強度を14W・min/m2 へ変更した。
【0037】
実施例3
実施例1の二酸化珪素粒子を粒径約1.5μmが0.05重量%と粒径約0.8μmが0.05重量%へ変更した。
【0038】
実施例4
実施例1の原料PETペレットを−COOH量30当量/tへ変更した。
【0040】
実施例
実施例1の原料PETペレットを−COOH量33当量/t、粒径約1.5μmの二酸化珪素粒子を0.07重量%、酸化アルミニウム膜の厚さを20nmへ変更した。
【0041】
実施例
実施例1の原料PETペレットを−COOH量33当量/t、粒径約1.5μmの二酸化珪素粒子を0.07重量%、酸化アルミニウム膜の厚さを110nmへ変更した。
【0042】
実施例
実施例1の2軸延伸方法を、未延伸PETフイルムを約80℃〜120℃に加熱し、長手方向に3倍、幅方向に3倍同時に延伸する方法に変更した。
【0043】
実施例
実施例1の原料PETペレットを−COOH量58当量/tへ変更した。
【0044】
比較例1
実施例1の原料PETペレットを−COOH量37当量/t、粒径約2.5μmの二酸化珪素粒子を0.11重量%へ変更した。
【0045】
比較例2
実施例1の原料PETを析出粒子(重合工程中に析出した粒子)及び二酸化珪素粒子がないものに変更した。
【0046】
比較例3
実施例1の二酸化珪素粒子の粒径を約0.8μm、量を0.20重量%へ変更した。
【0047】
比較例4
実施例1の二酸化珪素粒子の粒径を約0.8μm、量を0.15重量%へ変更した。
【0048】
比較例5
実施例1の酸化アルミニウム膜の厚さを200nmへ変更した。
【0049】
比較例6
実施例1の酸化アルミニウム膜の厚さを20nmへ変更した。
【0050】
比較例7
実施例1の原料PETペレットを−COOH量20当量/tへ変更した。
【0051】
比較例8
実施例1の原料PETペレットを−COOH量80当量/tへ変更した。
【0052】
比較例9
実施例1のコロナ放電処理を行わないことに変更した。
【0053】
【表1】
Figure 0004164899
【0054】
【発明の効果】
本発明の蒸着2軸配向ポリエステルフイルムにおいては、以上のような構成としたため、薄い蒸着膜厚さでありながら高いガスバリア性能及び防湿性能を安定して付与できるという効果が得られる。
【0055】
また、本発明の蒸着2軸配向ポリエステルフイルムは、単独でも用いることができるが、更に、印刷を施したり、蒸着膜の上から保護層などをコーティングしたり、ヒートシール層を積層したり、他のフイルムと積層したり、あるいはこれらを組み合わせたりするなど、更に加工して用いることもできる。また、非蒸着面にヒートシール層を積層したり、他のフイルムと積層したり、あるいはこれらを組み合わせたりすることもできる。

Claims (7)

  1. 少なくとも片面が、
    0.1nm≦SRa≦80nm
    2個/0.1mm2 ≦SPc≦150個/0.1mm2
    0.23nm/個≦SRa/SPc≦0.39nm/個
    (SRa:中心面平均粗さ、SPc:山数)
    を満足する2軸配向ポリエステルフイルムの該表面に厚さ5〜150nmの蒸着層を設けてなることを特徴とする蒸着2軸配向ポリエステルフイルム。
  2. 前記少なくとも片面の塗れ張力が45mN/m以上である、請求項1に記載の蒸着2軸配向ポリエステルフイルム。
  3. 前記少なくとも片面にコロナ放電処理が施されている、請求項1または2に記載の蒸着2軸配向ポリエステルフイルム。
  4. 前記蒸着層が透明蒸着層である、請求項1〜3のいずれかに記載の蒸着2軸延伸ポリエステルフイルム。
  5. 前記透明蒸着層が酸化アルミニウムまたは酸化珪素からなる、請求項4に記載の蒸着2軸配向ポリエステルフイルム。
  6. 2軸配向ポリエステルフイルムの−COOH量が25〜55当量/tである、請求項1〜5のいずれかに記載の蒸着2軸配向ポリエステルフイルム。
  7. 2軸配向ポリエステルフイルムが同時2軸延伸されている、請求項1〜6のいずれかに記載の蒸着2軸配向ポリエステルフイルム。
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