JP4161519B2 - 練り込み用乳化油脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一次加熱として調理や殺菌工程を伴い、喫食時に再加熱される冷凍食品・チルド食品に関し、2回目以降の加熱調理によってはじめて乳化油脂組成物の乳化状態が壊れ、解乳化することにより、保型性及び旨味、ジューシーな食感を効率良く付与することのできる練り込み用乳化油脂組成物を用いた加工食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハンバーグや餃子、焼売等に代表される加工食品は、主として冷凍食品、チルド食品として家庭用、業務用に非常に広範囲に流通され、その後消費者のもとで加熱調理され喫食されるのが一般的である。したがって消費者が喫食する前の段階で、加工食品の保存性を向上するため、あらかじめ蒸気、レトルト、ボイル等の加熱により殺菌されてから流通されており、消費者が加熱調理する時には2回以上加熱されることとなる。その結果、加工食品自体のボリューム感が低下したり、風味、ジューシー感が損なわれ、硬い食感に変化するなど、いわゆる手作りで調理される、1回だけ加熱されるような加工食品と比較すると、保型性、風味、食感等において顕著に品質が低下してしまうことが問題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような問題を解決するため、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを用いて乳化した油中水滴型乳化物を挽肉に練り込むことにより、油脂による旨味、ジューシー感を保ちながら、カロリーを低減した新規な低カロリー畜肉加工品が得られるとしている(特開平6−105667号公報)。この方法によれば、得られる油中水滴型乳化物は乳化が強固であるため高水分でも乳化油脂組成物全体が油脂として振る舞うため、確かに低カロリーで、油脂による旨味、ジューシー感を付与することは可能ではあるが、その反面、乳化状態の制御はなされておらず、いわゆる解乳化による水相部からの旨味、ジューシー感の付与は困難である。また、食用油脂と水とを血漿タンパク質を用いて水中油滴型乳化して得られた乳化液を食肉に注入して食肉加工品の食感、風味、外観を改良することが提案されている(特開平4−320662号公報)。さらに、レシチンおよびカゼインナトリウムを用いて、食用油脂および水を乳化した水中油滴型乳化液を挽肉に練り込むことで、精製牛脂やサラダ油などの非乳化油脂を練り込む方法とは異なりドリップが防止できジューシーな食感の挽肉加工品が得られるとしている(特開平5−103632号公報)。これらの方法によれば、確かに商品自体の保水性が向上し、ジューシーでソフトな食感が得られ、ドリップの少ない商品が得られることが期待できる。しかし、これらの方法では明細書に例示されているように、1回の加熱時に効果が得られるものであり、本発明で述べているような2回目以降の再加熱においてはドリップ等が生じやすく、風味、食感も大きく損なわれてしまう。
【0004】
また、食肉中に熱凝固性蛋白、油脂及び水を含むO/Wエマルジョンを含ませた後解乳化させることを特徴とする食肉加工品の提案がなされている(特開平9−266769号公報)。この方法によれば、肉らしい歯ごたえとともに、優れたジューシー感が付与された食品加工品が得られるとしている。しかし、この方法では上述と同様、水中油滴型乳化物であるため、いかに熱凝固性蛋白を用いて乳化しても商品を加熱した時の水相部からの風味の離散は抑制するのが困難であり、特に再加熱時においては、旨味やジューシー感は顕著に損なわれ、蛋白質特有の風味が商品に出てしまう。
【0005】
本発明はこのような現状に鑑み2回目以降の加熱調理によってはじめて乳化油脂組成物の乳化状態が壊れ、解乳化することにより、保型性、旨味、ジューシーな食感を効率良く付与することのできる練り込み用乳化油脂組成物を用いてなる加工食品を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の乳化剤をそれぞれ特定の配合量にて油脂中に配合し、油中水型に乳化してなる乳化油脂組成物を畜肉加工品等の加工食品に対して練り込むことにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、製造時に1次加熱として調理・殺菌工程を伴い、喫食時に加熱調理される加工食品であって、乳化剤としてグリセリン飽和脂肪酸モノエステル0.02〜0.5重量%、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル0.1〜1重量%を含有し、油中水型に乳化してなる乳化油脂組成物を、1次加熱前の食品100重量部に対して1〜20重量部練り込んでなり、喫食時の加熱調理により前記乳化油脂組成物が解乳化することを特徴とする冷凍食品又はチルド食品に関する。好ましい実施態様としては、前記乳化油脂組成物が、乳化剤としてさらにグリセリン不飽和脂肪酸モノエステル0.1〜0.5重量%、蔗糖不飽和脂肪酸ポリエステル0.05〜0.3重量%を含有する上記記載の冷凍食品又はチルド食品に関する。更に好ましい実施態様としては、前記乳化油脂組成物が、30〜70重量%の油相と70〜30重量%の水相からなる油中水型乳化油脂組成物であって、該油中水型油脂組成物に対して、グリセリン飽和脂肪酸モノエステル0.02〜0.5重量%、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル0.1〜1.0重量%、グリセリン不飽和脂肪酸モノエステル0.1〜0.5重量%、及び蔗糖不飽和脂肪酸ポリエステル0.05〜0.3重量%を含有することを特徴とする上記記載の冷凍食品又はチルド食品に関する。また、好ましい実施態様としては、前記乳化油脂組成物の水相に風味成分を含む上記冷凍食品又はチルド食品に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。
【0010】
本発明の練り込み用乳化油脂組成物に用いられる油脂は、食用に適するものであれば特に限定されないが、例えば、コーン油、あまに油、桐油、サフラワー油、かや油、胡桃油、芥子油、向日葵油、綿実油、菜種油、大豆油、辛子油、カポック油、米糠油、胡麻油、玉蜀黍油、落花生油、オリーブ油、椿油、茶油、ひまし油、椰子油、パーム油、パーム核油、カカオ脂、シア脂、ボルネオ脂等の植物油脂や、魚油、鯨油、牛脂、豚脂、乳脂、羊脂等の動物油脂が挙げられ、また、それらの硬化油、エステル交換油、分別油等から目的に応じて適宜選択し、これを単独で、あるいは組み合わせて使用することができる。
【0011】
本発明で用いる乳化剤としては、必須成分としてグリセリン飽和脂肪酸モノエステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルが挙げられる。グリセリン飽和脂肪酸モノエステルを構成する脂肪酸は炭素数16〜22の飽和脂肪酸であることが好ましい。かかるグリセリン飽和脂肪酸モノエステルの使用量は、乳化油脂組成物100重量%中、0.02〜0.5重量%が好ましく、更に好ましい範囲は0.05〜0.2重量%である。使用量が0.02重量%より少ないと乳化物の解乳化が満足に得られず、加工食品に使用した際、ジューシー感の付与効果が低下する恐れがある。一方、0.5重量%より多いと、乳化油脂組成物自体の乳化安定性が悪化し、水分離の問題が生じる恐れがあるだけでなく、乳化剤特有の悪い風味が加工食品に影響する恐れがある。ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルについては、ポリグリセリン系の乳化剤であって、主としてヒマシ油を原料とする縮合リシノレイン酸とポリグリセリンとのエステル化により得ることができる。かかるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの使用量は、乳化油脂組成物100重量%中、0.1〜1重量%が好ましく、更に好ましい範囲は0.2〜0.8重量%である。使用量が0.1重量%より少ないと乳化油脂組成物自体の乳化が満足に得られない恐れがある。一方、1重量%より多いと、乳化油脂組成物自体の乳化が強固になりすぎ、解乳化が起こらなくなる恐れがあるだけでなく、乳化剤特有の悪い風味が加工食品に影響する恐れがある。
【0012】
本発明で用いる乳化剤としては、さらにグリセリン不飽和脂肪酸モノエステル、蔗糖不飽和脂肪酸ポリエステルを用いることが出来る。グリセリン不飽和脂肪酸モノエステル、蔗糖不飽和脂肪酸ポリエステルを構成する脂肪酸は特に限定されず、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、エルカ酸等が挙げられ、これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、グリセリン不飽和脂肪酸モノエステルはグリセリン飽和脂肪酸エステルと混合しても用いられる。かかるグリセリン不飽和脂肪酸モノエステルの使用量は、乳化油脂組成物100重量%中、0.1〜0.5重量%が好ましく、更に好ましい範囲は0.1〜0.3重量%である。使用量が0.1重量%より少ないと乳化物の解乳化が満足に得られず、加工食品へ使用した際、ジューシー感の付与効果が低下する恐れがある。一方、0.5重量%より多いと、乳化油脂組成物自体の乳化安定性が悪化し、水分離の問題が生じる恐れがあるだけでなく、加工食品に使用した際、乳化剤特有の悪い風味が悪影響を及ぼす恐れがある。一方、蔗糖不飽和脂肪酸ポリエステルの使用量は、乳化油脂組成物100重量%中、0.05〜0.3重量%が好ましく、さらに好ましい範囲は0.05〜0.2重量%である。使用量が0.05重量%より少ないと乳化油脂組成物自体の乳化が不安定になる恐れがある。一方、0.2重量%より多いと、乳化油脂組成物自体の乳化が強固になりすぎ、解乳化が起こらなくなる恐れがあるだけでなく、加工食品使用した際、乳化剤特有の悪い風味が悪影響を及ぼす恐れがある。
【0013】
さらに本発明にかかる練り込み用乳化油脂組成物中には、上記乳化剤の他、さらに解乳化の制御を行うため、あるいは乳化油脂組成物自体の乳化安定性を向上するため、グリセリン有機酸脂肪酸モノエステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、ソルビタン脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム(CSL)等の乳化剤を併用することができる。
【0014】
本発明において、油中水型乳化油脂組成物の油相としては30〜70重量%が好ましい。さらに好ましい範囲は40〜60重量%である。油相が30重量%より少ないと、水相が多すぎるため乳化油脂組成物自体の油中水型乳化が不安定となる恐れがある。一方、70重量%より多いと水相が少なくなり、加工食品に使用する際、ジューシー感の付与が満足にできなくなる恐れがある。また、水相としては70〜30重量%が好ましい。さらに好ましい範囲は60〜40重量%である。水相が70重量%より多いと、水相が多すぎるため乳化油脂組成物自体の油中水型乳化が不安定となる恐れがある。一方、30重量%より少ないと油相が多くなり、加工食品に使用した際、水相からのジューシー感、旨味の付与が満足にできなくなる恐れがある。
【0015】
なお、本発明にかかる練り込み用乳化油脂組成物中には、乳化油脂組成物を安定化させるためのデキストリン類、澱粉類、キサンタンガム、グアーガム等の増粘多糖類、商品性を向上するための糖類、呈味材、調味料、エキス類、香辛料等を使用しても何ら問題ない。また、商品の保水性を高めたり、食感を改良するため、セルロース及びその誘導体、ポリデキストロース、小麦ふすま、大豆繊維等の食物繊維も使用することもできる。さらに、香料、着色料、酸化防止剤等も適宜使用することができる。
【0016】
そして、本発明にかかる練り込み用乳化油脂組成物は、例えば以下のようにして製造することができる。まず、油脂中に乳化剤を加え、70℃に加熱、溶解したものを油相とする。一方、水に調味料、エキス類、デキストリン類を加え、十分混合した後に70℃に加熱して殺菌し、水相とする。油相中に水相を徐々に加えて油中水型に乳化した後冷却し、捏和して本発明の練り込み用乳化油脂組成物を得る。
【0017】
このようにして得られた本発明の練り込み用乳化油脂組成物は、加工食品の種類あるいは期待効果の度合いによっても異なるが、一次加熱前の加工食品100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部の割合で練り込んで使用することができる。
【0018】
本発明の練り込み用乳化油脂組成物が使用できる対象となる加工食品については、1次加熱として調理・殺菌工程を伴うような、例えば、冷凍食品、チルド食品等で、喫食時に再加熱される食品が挙げられる。種類別でいえば、挽肉、食肉を主原料とした加工食品である畜肉加工品、魚肉すり身を主原料とした加工食品である水産練り製品、あるいは餃子、焼売、中華饅頭などの中華点心、さらには焼き肉、うなぎの蒲焼き等に用いられるたれ類など非常に幅広い加工食品を挙げることが出来る。更に具体的には、畜肉加工品については、ハンバーグ、ミートボール、つくね、ソーセージ、ローストビーフ等が挙げられる。水産練り製品については、ちくわ、かまぼこ、薩摩揚げ等が挙げられる。中華点心については、皮部分、具材部分の両方に使用することができる。また、たれ類については、焼肉漬け込み用、照り焼き用など種々の用途に使用することができる。上記加工食品において、本発明の乳化油脂組成物は、1次加熱時には油脂として振る舞うため製造工程を損なわず、2次加熱以降にはじめて、解乳化を起こすため効率良く商品にジューシー感を付与することができる。
【0019】
さらに、2次加熱されるまで乳化油脂組成物が油中水型乳化を保ち、油脂として振舞うことを利用して、水相部分にマスタード、赤ワインなどに代表される、揮発性の高い風味素材や飛散しやすい風味素材を閉じこめておくことができる。その結果、加工食品に風味素材を直接添加するよりも、素材本来の風味がストレートに出て、かつ、少量の添加で風味を効率良く商品に付与することも可能となる。
【0020】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において部は重量部である。(実施例1〜9、比較例1〜9)
表1に示す配合により、食用油脂にグリセリン飽和脂肪酸モノエステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、グリセリン不飽和脂肪酸モノエステル、蔗糖不飽和脂肪酸ポリエステル等の乳化剤を加え、70℃に加熱、溶解したものを油相とした。一方、水に食塩、酵母エキス、ビーフエキス、チキンエキス等の調味料、香辛料、デキストリンを加え、十分混合した後に70℃に加熱して殺菌し、水相とした。油相中に水相を徐々に加えて油中水型に乳化した後冷却し、捏和して本発明の練り込み用乳化油脂組成物を得た。
【0021】
【表1】
Figure 0004161519
比較例についても表2に示す配合により、実施例と同様に製造した。比較例においては、乳化剤としてポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルのみを使用した乳化の強固な油中水型の乳化油脂組成物と、乳化剤としてグリセリン飽和脂肪酸モノエステルとレシチンを使用し、通常のマーガリンと同様の乳化を行い、乳化の弱い油中水型の乳化油脂組成物の2タイプの油脂組成物を作製した。
【0022】
【表2】
Figure 0004161519
以上のようにして得られた実施例1〜9及び比較例1〜9の練り込み用乳化油脂組成物を用いた使用例を示した。使用例においては、実施例1〜9の乳化油脂組成物が比較例1〜9の乳化油脂組成物及び豚脂と比較して、ハンバーグ、肉焼売、えび餃子、中華まんの具にそれぞれ使用した場合、保型性、風味、ジューシー感において、どれだけ大きな差が生じるかを官能評価結果により示した。
(実施例10、11、比較例10〜12)
使用例1 ハンバーグの作製
牛ミンチ肉45部、豚ミンチ肉13部に食塩0.6部を加えてミキサーにて混練し、玉葱20部、液卵白1.7部、粒状植物性蛋白5部、牛乳5部、パン粉5部、香辛料0.4部、酵母エキス(鐘淵化学工業(株)製、商品名「カネカまるごと酵母エキス」)0.3部を添加して混練した後、乳化油脂組成物(比較例12については、乳化油脂組成物の代わりに豚脂を使用した)4部を加えさらに混練を行ってハンバーグの生地を得た。成型したハンバーグ生地を200℃の熱鉄板で両面を加熱焼成した後、真空パックにより包装し、ハンバーグを得た。これを−30℃で24時間凍結した後、冷凍庫にて30日間保管した。試食による官能評価に当たっては、冷凍状態の真空パックをそのまま沸騰水中に入れて数分間ボイルし、再加熱調理を行った。その後真空パックからハンバーグを取り出し、皿に移して試食評価を行った。評価については、10名のパネラーによる官能評価を行った。1点(非常に悪い、或いは、喫食に耐えたれないほど美味しくない)〜10点(非常に好ましい、或いは、非常に美味しい)の10段階で評価し、10名の平均点を求めた。評価結果を表3に示した。
【0023】
【表3】
Figure 0004161519
(実施例12〜14、比較例13〜16)
使用例2 肉焼売の作製
豚ミンチ肉50部に食塩1部を加えてミキサーにて混練し、玉葱20部、馬鈴薯澱粉5部、乾燥椎茸1部、粒状植物性蛋白1部、水8部、砂糖2部、みりん(鐘淵化学工業(株)製、商品名「味いっぴん」)2部、ごま油1部、香辛料0.6部、酵母エキス(鐘淵化学工業(株)製、商品名「カネカまるごと酵母エキス」)0.4部を添加して混練した後、乳化油脂組成物(比較例16については、乳化油脂組成物の代わりに豚脂を使用した)8部を加えさらに混練を行って焼売のあん(具材)を得た。あんを焼売の皮にて包み、トレイに入れて蒸し加熱により調理を行い、肉焼売を得た。これを袋に入れてチルド(5℃)にて5日間保管した。試食による官能評価に当たっては、トレイから肉焼売を取り出して適当なレンジ用の皿に移し、ラップをかけて電子レンジにより再加熱調理を行った。評価については、10名のパネラーによる官能評価を行った。1点(非常に悪い、或いは、喫食に耐えたれないほど美味しくない)〜10点(非常に好ましい、或いは、非常に美味しい)の10段階で評価し、10名の平均点を求めた。また実施例14と比較例15については、マスタード風味の出方についても、同様に10段階評価で評価した。評価結果を表4に示した。
【0024】
【表4】
Figure 0004161519
(実施例15、16、比較例17〜19)
使用例3 えび餃子の作製
魚肉すり身30部に、えび15部、玉葱10部、馬鈴薯澱粉10部、キャベツ5部、人参5部、タケノコ5部、水7部、食塩1部、みりん(鐘淵化学工業(株)製、商品名「味いっぴん」)1部、ごま油0.7部、砂糖0.5部、グルソー0.4部、香辛料0.4部を添加して混練した後、乳化油脂組成物(比較例19については、乳化油脂組成物の代わりに豚脂を使用した)9部を加えさらに混練を行ってあん(具材)を得た。あんを餃子の皮にて包み、トレイに入れて蒸し加熱により調理を行い、えび餃子を得た。これを袋に入れてチルド(5℃)にて5日間保管した。試食による官能評価に当たっては、トレイからえび餃子を取り出して蒸し器に移し、再度蒸し加熱調理を行った。評価については、10名のパネラーによる官能評価を行った。1点(非常に悪い、或いは、喫食に耐えたれないほど美味しくない)〜10点(非常に好ましい、或いは、非常に美味しい)の10段階で評価し、10名の平均点を求めた。評価結果を表5に示した。
【0025】
【表5】
Figure 0004161519
(実施例17、18、比較例20〜22)
使用例4 中華まんの作製
豚ミンチ肉30部に、玉葱23部、砂糖10部、パン粉8部、粒状植物性蛋白7部、タケノコ7部、醤油6部、椎茸3部、みりん(鐘淵化学工業(株)製、商品名「味いっぴん」)1部、食塩0.6部、香辛料0.2部、酵母エキス(鐘淵化学工業(株)製、商品名「カネカまるごと酵母エキス」)0.2部、さらに、乳化油脂組成物(比較例16については、乳化油脂組成物の代わりに豚脂を使用した)4部を添加して、これらをニーダーにて80℃、10分間混練しつつ加熱調理した後、荒熱をとり、常温付近まで冷却し、あん(具材)を得た。あんを、包餡機を使用して中華まん生地で包んだ後、蒸し加熱調理を行い、中華まんを得た。これを1個ずつ袋に入れて−30℃で24時間凍結した後、冷凍庫にて30日間保管した。試食による官能評価に当たっては、冷凍状態のまま袋から中華まんを取り出して適当なレンジ用の皿に移し、ラップをかけて電子レンジにより再加熱調理を行った。評価については、具材と底部(具材と皮の接触部分)について10名のパネラーによる官能評価を行った。1点(非常に悪い、或いは、喫食に耐えたれないほど美味しくない)〜10点(非常に好ましい、或いは、非常に美味しい)の10段階で評価し、10名の平均点を求めた。評価結果を表6に示した。
【0026】
【表6】
Figure 0004161519
【0027】
【発明の効果】
以上の結果からも明らかなように、本発明による練り込み用乳化油脂組成物は、ハンバーグや餃子、焼売、中華まん等に代表される冷凍食品、チルド食品において、該食品の長期保存後の調理、あるいは喫食時の段階で2回以上加熱されることに起因する、食品自体の保型性、風味、ジューシー感の低下という課題を克服し、1回だけ加熱される加工食品、即ち手作りの食品に近い、優れた品質のものを得ることができる。

Claims (4)

  1. 製造時に1次加熱として調理・殺菌工程を伴い、喫食時に加熱調理される加工食品であって、乳化剤としてグリセリン飽和脂肪酸モノエステル0.02〜0.5重量%、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル0.1〜1重量%を含有し、油中水型に乳化してなる乳化油脂組成物を、1次加熱前の食品100重量部に対して1〜20重量部練り込んでなり、喫食時の加熱調理により前記乳化油脂組成物が解乳化することを特徴とする冷凍食品又はチルド食品
  2. 前記乳化油脂組成物が、乳化剤としてさらにグリセリン不飽和脂肪酸モノエステル0.1〜0.5重量%、蔗糖不飽和脂肪酸ポリエステル0.05〜0.3重量%を含有する請求項1記載の冷凍食品又はチルド食品
  3. 前記乳化油脂組成物が、30〜70重量%の油相と70〜30重量%の水相からなる油中水型乳化油脂組成物であって、該油中水型油脂組成物に対して、グリセリン飽和脂肪酸モノエステル0.02〜0.5重量%、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル0.1〜1.0重量%、グリセリン不飽和脂肪酸モノエステル0.1〜0.5重量%、及び蔗糖不飽和脂肪酸ポリエステル0.05〜0.3重量%を含有する請求項1又は2記載の冷凍食品又はチルド食品
  4. 前記乳化油脂組成物の水相に風味成分を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の冷凍食品又はチルド食品。
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