JP4135346B2 - 化学増幅型ポジ型レジスト組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠紫外線(エキシマレーザー等を含む)、電子線、X線又は放射光のような高エネルギーの放射線によって作用するリソグラフィーなどに適したレジスト組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、集積回路の高集積化に伴い、サブミクロンのパターン形成が要求されるようになっている。特に、フッ化クリプトン(KrF)、フッ化アルゴン(ArF)、フッ素(F2)からのエキシマレーザー光、電子線、EUV光、X線などの放射線源を用いるリソグラフィーは、微細なパターン形成を可能にすることから注目されている。リソグラフィープロセスに適したレジストとして、酸触媒及び化学増幅効果を利用した、いわゆる化学増幅型レジストが採用されている。化学増幅型レジストは、放射線の照射部で酸発生剤から発生した酸が、その後の熱処理(post exposure bake:以下、PEBと略すことがある)によって拡散し、その酸を触媒とする反応により、照射部のアルカリ現像液に対する溶解性を変化させるものであり、これによってポジ型又はネガ型のパターンを与える。
【0003】
化学増幅型のポジ型レジストには、アルカリ可溶基を酸の作用により解裂する基で保護した樹脂を、酸発生剤と組み合わせて用いることが多い。このような酸の作用により解裂する基として、特にS. Takechi et al., J. Photopolym. Sci. Technol., Vol.9, No.3, 475-487 (1996) や特開平 9-73173 号公報に示されるような2−アルキル−2−アダマンチル基、又は1−アダマンチル−1−アルキルアルキル基のような保護基を用いると、高い解像度と良好なドライエッチング耐性が得られることが報告されている。Nozaki et al., J. Photopolym. Sci. Technol., Vol.13, No.3, 397-403 (2000) においては、メタクリル酸2−メチル−2−アダマンチルまたはメタクリル酸2−エチル−2−アダマンチルとヒドロキシスチレンの共重合体樹脂を用いた電子線用レジストが示され、特にメタクリル酸2−エチル−2−アダマンチルとヒドロキシスチレンの共重合体樹脂を用いたものが、高感度でエッチング耐性にも優れ、KrFエキシマーレーザー露光においても高い解像度が得られることが報告されている。
【0004】
しかしながら、メタクリル酸2−エチル−2−アダマンチルとヒドロキシスチレンの共重合体樹脂を用いた化学増幅型ポジ型レジストにおいては、現像後にスカムが発生する問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、感度、解像度に優れ、スカムが改良された化学増幅型ポジ型レジスト組成物を提供することにある。
【0006】
本発明者らは、かかる目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、化学増幅型ポジ型レジストの樹脂成分としてある特定の共重合体を用い、さらにポリプロピレングリコールを含有させることにより、スカムが無く優れた性能が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、ヒドロキシスチレンから導かれる重合単位及び(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチルから導かれる重合単位を有し、それ自身はアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸の作用により解裂した後はアルカリ水溶液に可溶となる樹脂、感放射線性酸発生剤、並びにポリプロピレングリコールを含有することを特徴とする化学増幅型ポジ型レジスト組成物を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のレジスト組成物における樹脂成分は、それ自体ではアルカリ水溶液に対して不溶性又は難溶性であるが、酸の作用により化学変化を起こしてアルカリ可溶性となるものであって、ヒドロキシスチレンから導かれる重合単位と(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチルから導かれる重合単位の少なくとも2種類を必須に有する。これらの重合単位は、それぞれ、スチレン部分の二重結合及び(メタ)クリル酸部分の二重結合が開いて形成されるものであって、具体的には、各々次式(I)及び(II)で表すことができる。
【0009】
【0010】
式(II)においてR1は水素原子またはメチル基をあらわし、R2はエチル基を表す。
【0011】
式(I)で示されるヒドロキシスチレン単位において、水酸基とビニル基との位置関係は特に限定されないが、p−ヒドロキシスチレンであるのが一般的である。
【0012】
ヒドロキシスチレンから導かれる重合単位、及び(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチルから導かれる重合単位を有する樹脂は、例えば、以下のようにして製造することができる。まず、アセトキシスチレンと(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチルとを常法により共重合させた後、適度に加水分解してアセトキシ基の一部もしくはすべてを水酸基に変えることにより製造できる。
【0013】
ヒドロキシスチレン又はアセトキシスチレンと(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチルと、場合によりさらに、酸に不安定な基を持つモノマー及び/又はその他のモノマーとを用いた共重合は、常法に従って行うことができる。例えば、適当な溶媒中に原料モノマーを溶解し、そこに重合開始剤を加えて重合を開始させ、加熱下又は除熱下に反応を継続させる方法が採用できる。反応溶媒としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、tert−ブタノールのようなアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンのようなエーテル類などが使用できる。また重合開始剤としては、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)、ジメチル2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)のようなアゾ化合物、過酸化ベンゾイル、過酸化tert−ブチルのような過酸化物、過酸化水素/第一鉄塩、過酸化ベンゾイル/ジメチルアニリンのようなレドックス系開始剤、ブチルリチウム、トリエチルアルミニウムのような金属アルキル化物などが使用できる。
【0014】
本発明のポジ型レジスト組成物を構成する樹脂成分は、以上説明したような、ヒドロキシスチレンから導かれる重合単位、(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチルから導かれる重合単位を有することが必須であるが、他の重合単位、例えば、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、メチルアクリレートなどから導かれる各重合単位を含んでいてもよい。さらには、透明性を向上させるため、部分的に水素添加されていたり、アルカリ水溶液に可溶な範囲において、フェノール核にアルキル基やアルコキシ基などが導入されていたりしてもよい。
ただし、ヒドロキシスチレンから導かれる重合単位と(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチルから導かれる重合単位は、合計で、樹脂全体のうち50モル%以上を占めるようにするのが有利である。両重合単位の割合は、ヒドロキシスチレンから導かれる重合単位:(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチルから導かれる重合単位のモル比で、通常99:1〜60:40の範囲、好ましくは95:5〜70:30の範囲である。また、酸に不安定な基を持つ重合単位は、通常50モル%以下であり、好ましくは10モル%以上、また45モル%以下である。
【0015】
次に、ポジ型レジスト組成物のもう一つの成分である酸発生剤は、その物質自体に、又はその物質を含むレジスト組成物に、光や電子線などの放射線を作用させることにより、その物質が分解して酸を発生するものである。酸発生剤から発生する酸が前記樹脂に作用して、その樹脂中に存在する酸に不安定な基を解裂させることになる。このような酸発生剤には、例えば、オニウム塩化合物、s−トリアジン系の有機ハロゲン化合物、スルホン化合物、スルホネート化合物などが包含される。具体的には、次のような化合物を挙げることができる。
【0016】
ジフェニルヨードニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム トリフルオロメタンスルホネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム テトラフルオロボレート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム トリフルオロメタンスルホネート、
【0017】
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
トリフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
トリフェニルスルホニウム 2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート
4−メチルフェニルジフェニルスルホニウム パーフルオロブタンスルホネート、
4−メチルフェニルジフェニルスルホニウム パーフルオロオクタンンスルホネート、
4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
p−トリルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
2,4,6−トリメチルフェニルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、
4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
1−(2−ナフトイルメチル)チオラニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
1−(2−ナフトイルメチル)チオラニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
【0018】
2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシ−1−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソラン−5−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(3,4,5−トリメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(3,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(2,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(2−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−ブトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
【0019】
1−ベンゾイル−1−フェニルメチル p−トルエンスルホネート(通称ベンゾイントシレート)、
2−ベンゾイル−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル p−トルエンスルホネート(通称α−メチロールベンゾイントシレート)、
1,2,3−ベンゼントリイル トリスメタンスルホネート、
2,6−ジニトロベンジル p−トルエンスルホネート、
2−ニトロベンジル p−トルエンスルホネート、
4−ニトロベンジル p−トルエンスルホネート、
【0020】
ジフェニル ジスルホン、
ジ−p−トリル ジスルホン、
ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(p−トリルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(4−tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(2,4−キシリルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、
(ベンゾイル)(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、
【0021】
N−(フェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、
N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフタルイミド、
【0022】
(5−プロピルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェンー2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、
(5−トルイルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェンー2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、
(5−n−ブチルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェンー2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、
(5−n−オクチルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェンー2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリルなど。
【0023】
次に、本発明のポジ型レジスト組成物のもう一つの成分であるポリプロピレングリコールは、酸発生剤から光、熱によって発生する酸が前記樹脂に作用して、その樹脂中に存在する酸に不安定な基を解裂させる際、酸の発生ならびに酸に不安定な基の解裂を促進し、スカムの発生を防ぐことができる。
ここで用いるポリプロピレングリコールの含有量についてはフォトレジストの組成物の種類に応じて適宜選定されるが、レジスト中の固形分に対して0.1〜5重量%である。また、本発明におけるポリプロピレングリコールの分子量についてはフォトレジストの組成物の種類に応じて適宜選定されるが、通常重量平均分子量が500以上5000以下である。
【0024】
また、本発明のレジスト組成物に、塩基性化合物、特に塩基性含窒素有機化合物、例えばアミン類を、クェンチャーとして添加することにより、放射線照射後の引き置きに伴う酸の失活による性能劣化を改良することができる。本発明において、クェンチャーに用いられる塩基性化合物の具体的な例としては、以下の各式で示されるようなものが挙げられる。
【0025】
【0026】
【0027】
式中、R11及びR12は互いに独立に、水素、水酸基で置換されていてもよいアルキル、シクロアルキル又はアリールを表し、R13、R14及びR15は互いに独立に、水素、水酸基で置換されていてもよいアルキル、シクロアルキル、アリール又はアルコキシを表し、R16は水酸基で置換されていてもよいアルキル又はシクロアルキルを表し、Aはアルキル、アルキレン、カルボニル、イミノ、ジスルフィド、スルフィド又は2級アミンを表す。R11〜R16で表されるアルキル及びR13〜R15で表されるアルコキシは、それぞれ炭素数1〜6程度であることができ、R11〜R16で表されるシクロアルキルは、炭素数5〜10程度であることができ、そしてR11〜R15で表されるアリールは、炭素数6〜10程度であることができる。また、Aで表されるアルキレンは、炭素数1〜6程度であることができ、直鎖でも分岐していてもよい。
【0028】
さらには、特開平11-52575号公報に開示されているような、ピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物をクエンチャーとすることもできる。
【0029】
本発明のレジスト組成物は、その中の全固形分量を基準に、樹脂成分を80〜99.8重量%、酸発生剤を0.1〜20重量%の範囲で含有するのが好ましい。クェンチャーとしての含窒素塩基性有機化合物を含有させる場合は、同じくレジスト組成物中の全固形分量を基準に、10重量%以下の範囲で用いるのが好ましい。この組成物はまた、必要に応じて、増感剤、溶解抑止剤、他の樹脂、界面活性剤、安定剤、染料など、各種の添加物を少量含有することもできる。
【0030】
このレジスト組成物は通常、上記の各成分が溶剤に溶解された状態でレジスト液とされ、シリコンウェハーなどの基体上に、常法によりスピンコーティングなどの方法で塗布される。ここで用いる溶剤は、各成分を溶解し、適当な乾燥速度を有し、溶剤が蒸発した後に均一で平滑な塗膜を与えるものであればよく、この分野で通常用いられているものであることができる。例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類、乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチルのようなエステル類、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノンのようなケトン類、γ−ブチロラクトンのような環状エステル類、3−メトキシ−1−ブタノールのようなアルコール類などが挙げられる。これらの溶剤は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0031】
基体上に塗布され、乾燥されたレジスト膜には、パターニングのための露光処理が施され、次いで脱保護基反応を促進するための加熱処理(PEB)を行った後、アルカリ現像液で現像される。ここで用いるアルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であることができるが、一般には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液が用いられることが多い。
【0032】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり重量基準である。また、重量平均分子量(Mw)及び多分散度(Mw/Mn)は、ポリスチレンを標準品として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した値である。
【0033】
(1a) メタアクリル酸2−エチル−2−アダマンチルとp−アセトキシスチレン共重合体(20:80)の合成
フラスコに、メタアクリル酸2−エチル−2−アダマンチル39.7g(0.16モル)とp−アセトキシスチレン103.8g(0.64モル)とイソプロパノール265gを仕込んで窒素置換をし、75℃まで昇温した。その溶液に、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)11.05g(0.048モル)をイソプロパノール22.11gに溶かしてから滴下した。75℃で約0.3時間、還流下で約12時間熟成した後、ACTで希釈し、メタノールにチャージし、晶析させ、濾過により結晶を取り出した。得られたメタアクリル酸2−エチル−2−アダマンチルとp−アセトキシスチレンとの共重合体の粗結晶は250gであった。
【0034】
(1b) メタアクリル酸2−エチル−2−アダマンチルとp−ヒドロキシスチレン共重合体(20:80)の合成
フラスコに、(1a)で得られたメタアクリル酸2−エチル−2−アダマンチルとp−アセトキシスチレンとの共重合体(20:80)の粗結晶250gと4−ジメチルアミノピリジン10.3g(0.084 モル)とメタノール202gを仕込んで、還流下、20時間熟成した。冷却後、氷酢酸7.6g(0.126モル)で中和し、水にチャージし、晶析させ、濾過により結晶を取り出した。その後、結晶をアセトンに溶かし、水にチャージし、晶析させ、濾過により結晶を取り出し、この操作を計3回繰り返した後、得られた結晶を乾燥した。得られたメタアクリル酸2−エチル−2−アダマンチルとp−ヒドロキシスチレンとの共重合体の結晶は95.9gであった。また、重量平均分子量は約8600、分散度は1.65(GPC法:ポリスチレン換算)であり、共重合比は核磁気共鳴(13C−NMR)分光計により、約20:80と求められた。この樹脂を樹脂Aとする。
【0035】
(2a) メタアクリル酸2−エチル−2−アダマンチルとp−アセトキシスチレン共重合体(30:70)の合成
フラスコに、メタアクリル酸2−エチル−2−アダマンチル59.6g(0.24モル)とp−アセトキシスチレン90.8g(0.56モル)とイソプロパノール279gを仕込んで窒素置換をし、75℃まで昇温した。その溶液に、ジメチル2,2’2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)11.05g(0.048モル)をイソプロパノール22.11gに溶かしてから滴下した。75℃で約0.3時間、還流下で約12時間熟成した後、ACTで希釈し、メタノールにチャージし、晶析させ、濾過により結晶を取り出した。得られたメタアクリル酸2−エチル−2−アダマンチルとp−アセトキシスチレンとの共重合体の粗結晶は250gであった。
【0036】
(2b) メタアクリル酸2−エチル−2−アダマンチルとp−ヒドロキシスチレン共重合体(30:70)の合成
フラスコに、(2a)で得られたメタアクリル酸2−エチル−2−アダマンチルとp−アセトキシスチレンとの共重合体(30:70)の粗結晶250gと4−ジメチルアミノピリジン10.8g(0.088 モル)とメタノール239gを仕込んで、還流下、20時間熟成した。冷却後、氷酢酸8.0g(0.133モル)で中和し、水にチャージし、晶析させ、濾過により結晶を取り出した。その後、結晶をアセトンに溶かし、水にチャージし、晶析させ、濾過により結晶を取り出し、この操作を計3回繰り返した後、得られた結晶を乾燥した。得られたメタアクリル酸2−エチル−2−アダマンチルとp−ヒドロキシスチレンとの共重合体の結晶は102.8gであった。また、重量平均分子量は約8200、分散度1.68(GPC法:ポリスチレン換算)であり、共重合比は核磁気共鳴(13C−NMR)分光計により、約30:70と求められた。この樹脂を樹脂Bとする。
【0037】
実施例、および比較例
樹脂Aと樹脂Bを固形分換算で1:1に混合した樹脂を用い、これらの樹脂を、それぞれ以下の組成で下式(III)(IV)であらわされる酸発生剤、クェンチャー及び溶剤と混合して溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過してレジスト液を調製した。
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
このレジスト液に表1に示す分子量のポリプロピレングリコールを樹脂固形分に対して10%添加し実施例1〜3とした。
【0042】
【表1】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
例 No. ポリプロピレンの分子量(重量平均分子量)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1 1000
実施例2 2000
実施例3 3000
────────────────────────────
比較例1 添加なし
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0043】
シリコンウェハーに反射防止膜〔日産化学(株)製の“DUV−42”〕を、215℃60秒のプリベーク条件下で0.06μmに塗布したのち、その上に各レジスト液をスピンコートし、次に110℃、60秒の条件で、プロキシミティーホットプレート上にてプリベークを行って、厚さ0.42μmのレジスト膜を形成させた。こうしてレジスト膜を形成したウェハーに、KrFエキシマステッパー〔(株)ニコン製の“NSR S203B”、NA=0.68、σ=0.85、2/3輪帯照明露光〕を用い、種々の形状及び寸法のマスクを介して露光した。次に、ホットプレート上にて、130℃、60秒の条件でPEBを行い、さらに、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間パドル現像を行った。現像後のパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、以下のようにして、感度、解像度、スカムの有無を調べ、結果を表2に示した。
【0044】
膜抜け感度: 2mm角のオープンフィールドが膜抜けするのに必要な最少露光量で表示した。これをEthとする。
【0045】
実効感度: 0.13μmのラインアンドスペースパターンが1:1となる露光量で表示した。これをEo とする。
【0046】
スカムの有無:走査型電子顕微鏡用いてパターンを形成したウェハーを上面から観察し、0.15μmのラインアンドスペースパターンが1:1となる露光量で、露光部のスカム(残渣)の有無を調べた。スカムが一つでも観測されたものを×、スカムが観測されなかったものを○とした。
【0047】
解像度: 実効感度の露光量で分離するラインアンドスペースパターンの最小寸法で表示した。
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】
本発明のレジスト組成物は、良好な感度、解像度を有し、かつスカムも発生しない。したがって、この組成物を用いることにより、微細なレジストパターンを精度よく形成することができる。
Claims (4)
- ヒドロキシスチレンから導かれる重合単位及び(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチルから導かれる重合単位を有し、それ自身はアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸の作用により解裂した後はアルカリ水溶液に可溶となる樹脂、感放射線性酸発生剤、並びにポリプロピレングリコールを含有することを特徴とする化学増幅型ポジ型レジスト組成物。
- ポリプロピレングリコールの含有量が、レジスト組成物中の固形分に対して0.1〜5重量%である請求項1記載の組成物。
- ポリプロピレングリコールの重量平均分子量が500以上5000以下である請求項2又は3に記載の組成物。
- 感放射線性酸発生剤がオニウム塩化合物、s−トリアジン系の有機ハロゲン化合物、スルホン化合物及びスルホネート化合物からなる群から選ばれた化合物を少なくとも1種含有する請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
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