JP4395946B2 - 化学増幅型ポジ型レジスト組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠紫外線(エキシマレーザー等を含む)、電子線、X線又は放射光のような高エネルギーの放射線によって作用し、半導体集積回路製作のためのリソグラフィーなどに適したレジスト組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、集積回路の高集積化に伴い、サブミクロンのパターン形成が要求されるようになっている。特に、フッ化クリプトン(KrF) 又はフッ化アルゴン(ArF) からのエキシマレーザーを用いるリソグラフィーは、64M DRAMないし1G DRAMの製造を可能にすることから、注目されている。かかるエキシマレーザーリソグラフィープロセスに適したレジストとして、酸触媒及び化学増幅効果を利用した、いわゆる化学増幅型レジストが採用されている。
【0003】
化学増幅型レジストは、放射線の照射部で酸発生剤から発生した酸が、その後の熱処理(post exposure bake:「PEB」と略されることもある)によって拡散し、その酸を触媒とする反応により、照射部のアルカリ現像液に対する溶解性を変化させるものである。例えば、化学増幅型ポジ型レジストの場合は、放射線照射によりレジスト層がアルカリ難溶性からアルカリ可溶性へと変化し、その後のアルカリ現像によりポジ型のパターンを与える。このような化学増幅型ポジ型レジストとして、(メタ)アクリル酸tert−ブチルとヒドロキシスチレン、又はそれらにさらにスチレンを共重合させた樹脂を含有するものは、KrFエキシマレーザー露光に用いられている。しかしながら、このように保護基を有するモノマーとして、(メタ)アクリル酸tert−ブチルを用いるレジスト組成では、解像度に限界があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、(メタ)アクリル酸エステルの重合単位及びヒドロキシスチレンの重合単位を有する樹脂を成分とし、解像度に優れる化学増幅型ポジ型レジスト組成物を提供することを目的とする。本発明者らは、かかる目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、樹脂成分と酸発生剤を含有する化学増幅型のポジ型レジストにおいて、ある特定の構造の重合単位を有する樹脂を用いることにより、優れた性能を有するレジスト組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、下式(I)
【0006】
【0007】
(式中、Qは水素又はメチルを表し、R1 及びR2 は互いに独立に炭素数1〜4のアルキルを表し、Rは、水酸基、炭素数1〜4のアルキル及び炭素数1〜4のヒドロキシアルキルから選ばれる基で置換されていてもよいフェニル又は、水酸基、オキソ、炭素数1〜4のアルキル及び炭素数1〜4のヒドロキシアルキルから選ばれる基で置換されていてもよいシクロヘキシルを表す)
で示される(メタ)アクリル酸エステルの重合単位及びヒドロキシスチレンの重合単位を有する樹脂、並びに酸発生剤を含有する化学増幅型ポジ型レジスト組成物を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
化学増幅型ポジ型レジスト組成物において主体となる樹脂は、それ自体ではアルカリに対して不溶性又は難溶性であるが、酸の作用により化学変化を起こしてアルカリ可溶性となるものである。本発明では、このような樹脂の少なくとも一部として、前記式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルの重合単位及びヒドロキシスチレンの重合単位を必須に有するものを用いる。この樹脂は、例えば、下式(II)
【0009】
【0010】
(式中、Q、R1 、R2 及びRは先に定義したとおりである)
で示される(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、水酸基が保護されたヒドロキシスチレン、例えばアセトキシスチレンとをラジカル重合させた後、酸又は塩基の作用により、アセチル基などの保護基を脱離させて製造することができる。
【0011】
式(I)及び式(II)において、R1 及びR2 で表されるアルキルは、1〜4の炭素数をとることができ、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルなどがこれに該当する。また、Rはフェニル又はシクロヘキシルであって、フェニルには、水酸基、アルキル又はヒドロキシアルキルが結合してもよく、一方、シクロヘキシルには、水酸基、オキソ(=O)、アルキル又はヒドロキシアルキルが結合してもよい。これらフェニル及びシクロヘキシルの置換基であるアルキル及びヒドロキシアルキルは、それぞれ1〜4の炭素数をとることができる。アルキルの具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチルなどが挙げられ、ヒドロキシアルキルは、これらのアルキルにおける任意の水素が水酸基に置き換わったものであることができる。
【0012】
式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルの重合単位に導くためのモノマー、すなわち、式(II)で示される(メタ)アクリル酸エステルモノマーとして、具体的には例えば、以下のような化合物が挙げられる。
【0013】
メタクリル酸1−メチル−1−フェニルエチル、
アクリル酸1−メチル−1−フェニルエチル、
メタクリル酸1−メチル−1−(4−メチルフェニル)エチル、
アクリル酸1−メチル−1−(4−メチルフェニル)エチル、
メタクリル酸1−〔3−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル〕−1−メチルエチル、
アクリル酸1−〔3−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル〕−1−メチルエチル、
メタクリル酸1−シクロヘキシル−1−メチルエチル、
アクリル酸1−シクロヘキシル−1−メチルエチル、
メタクリル酸1−メチル−1−(4−メチルシクロヘキシル)エチル、
アクリル酸1−メチル−1−(4−メチルシクロヘキシル)エチル、
メタクリル酸1−〔4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)シクロヘキシル〕−1−メチルエチル、
アクリル酸1−メチル−1−(3−オキソシクロヘキシル)エチルなど。
【0014】
本発明は、式(I)中のRが置換されていてもよいフェニル又はシクロヘキシル基という嵩高いエステル部分を有する(メタ)アクリル酸エステル単位を有する樹脂を用いる点に大きな特徴を有し、このようなエステル部分が嵩高い基となった(メタ)アクリル酸エステル単位を有する樹脂を採用したことによって、レジスト組成物の解像度が改良される。
【0015】
本発明で規定する樹脂は、以上述べたような式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルの重合単位とともに、ヒドロキシスチレン、別名ビニルフェノールの重合単位を有する。ヒドロキシスチレンにおける水酸基とビニル基との位置関係は特に限定されないが、p−ヒドロキシスチレンであるのが一般的である。この樹脂において、式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルの重合単位とヒドロキシスチレンの重合単位との割合は、モル比で、前者1に対して、後者1〜9程度の範囲にあるのが適当である。
【0016】
この樹脂はまた、これらの各重合単位の他に、例えば、スチレン、シクロオレフィン、無水マレイン酸、無水イタコン酸、(メタ)アクリル酸、式(I)以外の(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリルなどに由来する重合単位を有していてもよい。特に、スチレンの重合単位を第三の単位とする樹脂は、有利に用いられる。式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルの重合単位、ヒドロキシスチレンの重合単位及びスチレンの重合単位を有する三元共重合体の場合は、モル比で、式(I)の重合単位1に対して、ヒドロキシスチレンの重合単位1〜9程度、そしてスチレンの重合単位4以下、有利には0.2〜3程度の割合とするのが適当である。
【0017】
式(I)の重合単位を有する樹脂を用いたレジストにおいては、放射線照射により酸発生剤から発生した酸の作用により、式(I)中の4級炭素と酸素の結合が解裂し、カルボキシル基を生成してアルカリ可溶性となることから、このレジストはポジ型に作用する。このように、式(I)中のエステル部位が酸の作用で解裂するが、この樹脂はまた、ヒドロキシスチレン単位における水酸基が酸の作用により解裂する基で保護された重合単位を有してもよい。ヒドロキシスチレン単位における水酸基を保護し、酸の作用により解裂する基としては、tert−ブチル基、tert−ブトキシカルボニル基、アセタール型の基などが挙げられる。さらにこの樹脂は、透明性を向上させるために、ヒドロキシスチレン単位におけるフェノール核が部分的に水素添加されていたり、アルカリに可溶である範囲において、フェノール核にアルキルやアルコキシなどが導入されていたりしてもよい。
【0018】
また本発明においては、式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルの重合単位及びヒドロキシスチレンの重合単位を有する樹脂を含有することが必須であるが、この樹脂は所望なら、式(I)に相当する重合単位を有しない他の樹脂と組み合わせて用いることもできる。併用され得る他の樹脂としては、例えば、式(I)以外の(メタ)アクリル酸エステルの重合単位及びヒドロキシスチレンの重合単位を有し、任意にさらに、スチレンのような他の重合単位を有する共重合体などが挙げられる。より具体的には、(メタ)アクリル酸tert−ブチル/ヒドロキシスチレン共重合体、(メタ)アクリル酸tert−ブチル/ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体などを挙げることができる。
【0019】
ただし、実質的に式(I)の重合単位とヒドロキシスチレンの重合単位のみからなる共重合体を用いる場合、式(I)の重合単位及びヒドロキシスチレンの重合単位に加えて他の重合単位を存在させる場合、式(I)の重合単位及びヒドロキシスチレンの重合単位を有する樹脂に加えて、式(I)の重合単位を有しない他の樹脂を併用する場合など、いずれにおいても、式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルの重合単位は、樹脂全体のうちの2モル%以上を占めるようにするのが有利である。
【0020】
もう一つの成分である酸発生剤は、その物質自体に、又はその物質を含むレジスト組成物に、光や電子線などの放射線を作用させることにより、その物質が分解して酸を発生する化合物である。酸発生剤から発生する酸が前記樹脂に作用して、その樹脂中に存在する酸の作用で解裂する基を解裂させることになる。このような酸発生剤には、例えば、オニウム塩化合物、有機ハロゲン化合物(特にハロアルキル−s−トリアジン化合物)、スルホン化合物、スルホネート化合物などが包含される。具体的には、次のような化合物を挙げることができる。
【0021】
ジフェニルヨードニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム トリフルオロメタンスルホネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム テトラフルオロボレート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム トリフルオロメタンスルホネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム 10−カンファースルホネート、
【0022】
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
トリフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
p−トリルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
2,4,6−トリメチルフェニルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、
4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
1−(2−ナフトイルメチル)チオラニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
1−(2−ナフトイルメチル)チオラニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
【0023】
2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシ−1−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソラン−5−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(3,4,5−トリメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(3,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(2,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(2−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−ブトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
【0024】
ジフェニル ジスルホン、
ジ−p−トリル ジスルホン、
ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(p−トリルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(2,4−キシリルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、
(ベンゾイル)(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、
【0025】
1−ベンゾイル−1−フェニルメチル p−トルエンスルホネート(通称ベンゾイントシレート)、
2−ベンゾイル−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル p−トルエンスルホネート(通称α−メチロールベンゾイントシレート)、
1,2,3−ベンゼントリイル トリスメタンスルホネート、
2,6−ジニトロベンジル p−トルエンスルホネート、
2−ニトロベンジル p−トルエンスルホネート、
4−ニトロベンジル p−トルエンスルホネート、
【0026】
N−(フェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、
N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフタルイミドなど。
【0027】
本発明のポジ型レジスト組成物は、以上説明した樹脂及び酸発生剤を必須に含有するものであるが、これら以外に、従来からこの分野で知られている各種の添加物を含有することもできる。例えば、一般に化学増幅型レジストは、放射線照射後の引き置きに伴う酸の失活によって性能劣化を起こしやすく、これを防ぐために、含窒素塩基性有機化合物、例えばアミン類をクェンチャーとして含有させるのがよいことが知られている。そこで本発明においても、このような含窒素塩基性有機化合物を含有させるのが好ましい。適当な含窒素塩基性有機化合物の具体例としては、以下の各式で示されるようなものを挙げることができる。
【0028】
【0029】
式中、R11及びR12は互いに独立に、水素、水酸基で置換されていてもよいアルキル、シクロアルキル又はアリールを表し、 R13、R14及びR15は互いに独立に、水素、水酸基で置換されていてもよいアルキル、シクロアルキル、アリール又はアルコキシを表し、R16は水酸基で置換されていてもよいアルキル又はシクロアルキルを表し、Aはアルキレン、カルボニル又はイミノを表す。 ここで、R11〜R16で表されるアルキル及びR13〜R15で表されるアルコキシは、炭素数1〜6程度であることができ、R11〜R16で表されるシクロアルキルは、炭素数5〜10程度であることができ、そしてR11〜R15で表されるアリールは、炭素数6〜10程度であることができる。また、Aで表されるアルキレンは、炭素数1〜6程度であることができ、直鎖でも分岐していてもよい。
【0030】
さらには、特開平 11-52575 号公報に開示されるような、ヒンダードピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物をクェンチャーとすることもできる。
【0031】
本発明のレジスト組成物は、その全固形分量を基準に、樹脂を80〜99.8重量%、そして酸発生剤を0.1〜20重量%の範囲で含有するのが好ましい。クェンチャーとしての含窒素塩基性有機化合物を含有させる場合は、同じくレジスト組成物の全固形分量を基準に、一般には10重量%以下の範囲で、有利には0.01〜5重量%の範囲で用いられる。この組成物はまた、必要に応じて、増感剤、溶解抑止剤、他の樹脂、界面活性剤、安定剤、染料など、各種の添加物を少量含有することもできる。
【0032】
このレジスト組成物は通常、上記の各成分が有機溶剤に溶解された状態でレジスト液となり、シリコンウェハーなどの基体上に、スピンコーティングなどの常法に従って塗布される。ここで用いる溶剤は、各成分を溶解し、適当な乾燥速度を有し、溶剤が蒸発した後に均一で平滑な塗膜を与えるものであればよく、この分野で通常用いられているものであることができる。例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類、乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチルのようなエステル類、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノンのようなケトン類、γ−ブチロラクトンのような環状エステル類などを挙げることができる。これらの溶剤は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0033】
基体上に塗布され、乾燥されたレジスト膜には、パターニングのための露光処理が施され、次いで脱保護基反応を促進するための加熱処理(PEB)を行った後、アルカリ現像液で現像される。ここで用いるアルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であることができるが、一般には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液が用いられることが多い。
【0034】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり重量基準である。
【0035】
合成例1:アクリル酸1−メチル−1−(4−メチルシクロヘキシル)エチル/p−アセトキシスチレン/スチレン共重合体の製造
フラスコに、アクリル酸1−メチル−1−(4−メチルシクロヘキシル)エチル21.0g(0.1モル)、p−アセトキシスチレン48.7g(0.3モル)、スチレン10.4g(0.1モル)及びイソプロパノール160.2gを仕込み、雰囲気を窒素置換して75℃まで昇温した。そこに、ジメチル 2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)6.91g(0.06モル)をイソプロパノール13.5gに溶かした溶液を滴下した。75℃で約1.5時間、次に還流下で約15時間熟成した後、アセトンで希釈し、これをヘキサンにチャージして生成物を析出させた。溶媒をデカンテーションで取り除き、結晶を乾燥した。得られた共重合体の結晶は56.7gであり、その核磁気共鳴分光分析により、アクリル酸1−メチル−1−(4−メチルシクロヘキシル)エチルとp−アセトキシスチレンとスチレンの共重合モル比は、約20:60:20と求められた。
【0036】
合成例2:アクリル酸1−メチル−1−(4−メチルシクロヘキシル)エチル/p−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体の製造
フラスコに、合成例1で得られたアクリル酸1−メチル−1−(4−メチルシクロヘキシル)エチル/p−アセトキシスチレン/スチレン共重合体55.9g(各モノマー単位で0.07モル/0.21モル/0.07モル)、4−ジメチルアミノピリジン5.6g(0.046モル)及びメタノール279.3gを仕込んで、還流下に22時間熟成した。冷却後、氷酢酸2.75g(0.046モル)で中和し、水にチャージして生成物を析出させ、濾過により結晶を取り出した。その後、この結晶をアセトンに溶かし、水にチャージして晶析させ、濾過により結晶を取り出し、次いで乾燥した。得られたアクリル酸1−メチル−1−(4−メチルシクロヘキシル)エチル/p−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体の結晶は45.6gであった。また、ポリスチレンを標準としてゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)によりこの共重合体の重量平均分子量を求めたところ、約11,800であった。この樹脂の構造は下式のとおりであり、これを樹脂Aとする。
【0037】
【0038】
次に、上記合成例2で得られた樹脂Aを用い、さらに、アクリル酸tert−ブチル/p−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体である丸善石油化学(株)製の“TSM-4” を用いて、レジスト組成物を調製し、評価した例を示す。なお、核磁気共鳴分光分析により求めた“TSM-4” の共重合比は、アクリル酸tert−ブチル/p−ヒドロキシスチレン/スチレン=約20:60:20であった。また、ポリスチレンを標準としてGPCにより求めたこの共重合体の重量平均分子量は約12,600、分散度は1.87であった。
【0039】
実施例1及び比較例1
以下の各成分を混合して溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト液を調製した。
【0040】
【0041】
* みどり化学(株)から入手した“BBI-106”、下式の構造を有する。
【0042】
【0043】
Brewer 社製の有機反射防止膜用組成物である“DUV-30J” を塗布し、215℃、60秒の条件でベークして、厚さ1,600Åの有機反射防止膜を形成させたシリコンウェハーに、上記のレジスト液を乾燥後の膜厚が0.415μmとなるようにスピンコートした。レジスト液塗布後は、ダイレクトホットプレート上にて130℃で60秒間プリベークした。こうしてレジスト膜を形成したウェハーに、KrFエキシマステッパー〔(株)ニコン製の“NSR2205 EX12B”、NA=0.55〕を用い、2/3輪帯照明で露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを露光した。露光後は、ホットプレート上にて140℃で60秒間ポストエキスポジャーベークを行い、さらに2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行った。現像後のパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、感度、露光余裕度及び解像度を以下の方法で調べて、結果を表1に示した。
【0044】
膜抜け感度: 1mm角のオープンフィールドが膜抜けするのに必要な最少露光量で表示した。これをEthとする。
実効感度: 0.25μmのラインアンドスペースパターンが1:1となる最少露光量で表示した。これをEo とする。
露光余裕度: Eo/Eth の値で示した。この値が大きいほど、レジストが膜抜けする露光量から標準的な露光量までの範囲が大きいことになり、レジストの抜け不良が起こりにくく、露光量が多少ばらついてもほぼ一定のパターン寸法を与え、したがって露光余裕度に優れることを意味する。
解像度: 実効感度の露光量で分離するラインアンドスペースパターンの最小寸法で表示した。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】
本発明に従って特定の重合単位を有する樹脂を用いたレジスト組成物は、解像度が改良される。また、塗布性や感度、露光余裕度などの他のレジスト諸性能も良好である。したがって、この組成物を用いることにより、微細なレジストパターンを精度よく形成することができる。
Claims (5)
- 下式(I)
(式中、Qは水素又はメチルを表し、R1 及びR2 は互いに独立に炭素数1〜4のアルキルを表し、Rは、水酸基、炭素数1〜4のアルキル及び炭素数1〜4のヒドロキシアルキルから選ばれる基で置換されていてもよいフェニル又は、水酸基、オキソ、炭素数1〜4のアルキル及び炭素数1〜4のヒドロキシアルキルから選ばれる基で置換されていてもよいシクロヘキシルを表す)
で示される(メタ)アクリル酸エステルの重合単位及びヒドロキシスチレンの重合単位を有する樹脂、式(I)に相当する重合単位を有しない他の樹脂並びに酸発生剤を含有し、式(I)に相当する重合単位を有しない他の樹脂が、式(I)以外の(メタ)アクリル酸エステルの重合単位、ヒドロキシスチレンの重合単位及びスチレンの重合単位を有する樹脂であることを特徴とする化学増幅型ポジ型レジスト組成物。 - Rが、水酸基、オキソ、炭素数1〜4のアルキル及び炭素数1〜4のヒドロキシアルキルから選ばれる基で置換されていてもよいシクロヘキシルである請求項1記載の組成物。
- 式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステルの重合単位及びヒドロキシスチレンの重合単位を有する樹脂が、さらにスチレンの重合単位を有する請求項1又は2記載の組成物。
- 式(I)以外の(メタ)アクリル酸エステルの重合単位が、(メタ)アクリル酸tert−ブチルの重合単位である請求項1〜3のいずれか記載の組成物。
- さらに、含窒素塩基性有機化合物をクェンチャーとして含有する請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
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