JP4109336B2 - 糖類の製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はα-アミラーゼ活性測定用基質として有用なガラクトシル-マルトオリゴ糖及びその誘導体の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、従来法に比べてより簡便な精製方法を利用して、高純度のガラクトシル-マルトオリゴ糖あるいはその誘導体を製造することができる方法に関する。特に、反応混合液中の出発原料や副生成物であるラクトース(乳糖)や重合度2以上のβ-1,4-ガラクトオリゴ糖を酵素の加水分解作用により選択的に分解することで精製をより容易にする、工業的に有用な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ヒトの体液、例えば血液、尿等に含まれるα-アミラーゼ活性を測定し、臨床診断に応用することが広く行われている。本発明者らは、α-アミラーゼの活性測定の際に、共役酵素(α-グルコシダーゼあるいはグルコアミラーゼ等)の加水分解作用を受けない安定で鋭敏な基質として、マルトオリゴ糖(グルコース重合度4〜7)あるいはその誘導体の非還元末端グルコース残基にガラクトシル基が結合した誘導体を開発した[特開平3−264596号]。この公報には、これらの誘導体の製造方法、及びそれを用いるアミラーゼ活性測定法も開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に記載されたガラクトシル−マルトオリゴ糖あるいはその誘導体の製造方法は、原料としてマルトオリゴ糖あるいはその誘導体とラクトースあるいはβ-1,4-ガラクトオリゴ糖の混合物を緩衝液中に溶解し、β-ガラクトシダーゼを作用させてβ-1,4-ガラクトシル-マルトオリゴ糖あるいはその誘導体を製造するものである。しかし、その反応終了液中に含まれる、目的とするガラクトシル-マルトオリゴ糖あるいはその誘導体の量は、約10%(w/w)程度である。残りは、主に、原料由来のラクトースや転移反応生成物であるガラクトシル-ラクトース、ガラクトシル-ガラクトシル-ラクトースまたはガラクトシル-ガラクトシル-マルトオリゴ糖等である。
【0004】
一方、ガラクトシル-マルトオリゴ糖あるいはその誘導体がα-アミラーゼ基質として用いられる際には98%以上という高純度を要求される。そのため、ゲル濾過精製法を用いて高純度品を製造する必要がある。ゲル濾過精製法は、一般的にマルトオリゴ糖あるいはその誘導体の高純度品を得る場合に用いられる方法であり、分離能力は高いが、処理可能量が少なく、ゲル自体の価格が高い等の欠点を有している。
特に、上記公報に記載の製造方法においては、出発物質のマルトオリゴ糖あるいはその誘導体及び目的物質であるガラクトシル-マルトオリゴ糖あるいはその誘導体の高純度品を得るためには、ゲル濾過精製が二回以上必要である。さらに、反応終了液中のガラクトシル−マルトオリゴ糖含量が低いため、工業的規模でガラクトシル-マルトオリゴ糖あるいはその誘導体の高純度品を製造する場合、生産量が制限され、高価にならざるを得なかった。
【0005】
そこで本発明の目的は、ガラクトシル-マルトオリゴ糖あるいはその誘導体をゲル濾過精製法を用いることなし、またはゲル濾過精製法とその他の簡便な精製方法とを組み合わせて精製することを可能にできる方法、及びこの方法を利用した高純度のガラクトシル-マルトオリゴ糖及びその誘導体の製造方法を提供することにある。
【0006】
さらに本発明は、上記目的達成のため、反応終了液中に含まれる副生成物または原料物質を、目的生成物を実質的に分解することなく酵素的に分解して低分子化することで、ゲル濾過精製法以外のより簡便で効率の良い精製方法を利用して、またはゲル濾過精製法とそれ以外のより簡便で効率の良い精製方法とを組み合わせて、高純度のガラクトシル-マルトオリゴ糖及びその誘導体の製造方法を提供することが可能な方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた。その結果、β-1,4-ガラクトシル-マルトオリゴ糖及びその誘導体を分解せず、かつ原料として用いられるラクトースや副生物であるガラクトシル−オリゴ糖類等の不純物のみを加水分解する酵素群を見出し、さらにこれらの酵素で加水分解して低分子化した糖類をゲル濾過精製法以外の精製法で分離して目的物であるβ-1,4-ガラクトシル-マルトオリゴ糖及びその誘導体を精製することができることを見いだして本発明を完成した。
【0008】
本発明のガラクトシル-マルトオリゴ糖またはガラクトシル-マルトオリゴ糖誘導体の製造方法は、ガラクトシル-マルトオリゴ糖またはガラクトシル-マルトオリゴ糖誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物Aとラクトース、ガラクトシル-ラクトース、ガラクトシル-ガラクトシル-ラクトース及びガラクトシル-ガラクトシル-マルトオリゴ糖からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物Bとを含む混合物に、化合物Bを優先的に加水分解する酵素を作用させて化合物Bを低分子化し、次いで、低分子化した化合物Bと化合物Aとを分離することを特徴とする方法である[請求項1]。
【0009】
さらに本発明は、ガラクトシル−マルトオリゴ糖またはガラクトシル−マルトオリゴ糖誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物Aとラクトースとを含む混合物に、ラクトースを優先的に加水分解するβ−ガラクトシダーゼを作用させてラクトースを低分子化することを特徴とするラクトースの低分子化方法に関する[請求項11]。また、本発明は、上記方法により得られた低分子化したラクトースと化合物Aとを含む混合物から低分子化したラクトースを分離することを特徴とするガラクトシル−マルトオリゴ糖またはガラクトシル−マルトオリゴ糖誘導体の製造方法に関する[請求項13]。
【0010】
加えて本発明は、ガラクトシル−マルトオリゴ糖またはガラクトシル−マルトオリゴ糖誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物Aとガラクトシル−ラクトース、ガラクトシル−ガラクトシル−ラクトース及びガラクトシル−ガラクトシル−マルトオリゴ糖からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物Cとを含む混合物に、化合物Cを優先的に加水分解するβ−ガラクタナーゼを作用させて化合物Cを低分子化することを特徴とするガラクトシル−オリゴ糖誘導体の低分子化方法に関する[請求項15]。また、本発明は、上記方法により得られた低分子化した化合物Cと化合物Aとを含む混合物から低分子化した化合物Cを分離することを特徴とするガラクトシル−マルトオリゴ糖またはガラクトシル−マルトオリゴ糖誘導体の製造方法に関する[請求項17]。
【0011】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の製造方法
請求項1に記載の製造方法では、ガラクトシル-マルトオリゴ糖またはガラクトシル-マルトオリゴ糖誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物Aとラクトース、ガラクトシル-ラクトース、ガラクトシル-ガラクトシル-ラクトース及びガラクトシル-ガラクトシル-マルトオリゴ糖からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物Bとを含む混合物に、化合物Bを優先的に加水分解する酵素を作用させて化合物Bを低分子化する。
【0012】
ここで、化合物Bを優先的に加水分解する酵素としては、β-ガラクタナーゼ及びβ-ガラクトシダーゼからなる群から選ばれる少なくとも1種の酵素を例示することができる。但し、本発明ではこれらの酵素以外の酵素であっても、目的物質を実質的に分解することなく、出発原料及び副生成物を分解し得る酵素であればいずれも使用可能である。
【0013】
β-ガラクタナーゼはガラクトース重合体を加水分解する酵素であり、一般的に入手可能である。本発明には目的物質であるβ-1,4-ガラクトシル-マルトオリゴ糖あるいはその誘導体を分解せずにガラクトシル-ラクトース、ガラクトシル-ガラクトシル-ラクトースまたは2個以上のガラクトース残基が非還元末端側に結合したマルトオリゴ糖あるいはその誘導体を分解する酵素が必要である。そのようなβ-ガラクタナーゼとしては、例えば、β-1,4-ガラクタナーゼを挙げることができる。β-1,4-ガラクタナーゼとしては、例えば、Bacillus subtilis起源のもの(J.M.Labavitchら,J. Biol.Chem.,251,5904-5910)、Penicillium citrinum起源のもの(澱粉科学,第36巻, P131-140,1989年)、Aspergillus pulverulent起源の酵素製剤「ペクチナーゼGアマノ」(天野製薬製)Aspergillus niger起源の酵素製剤「ペクチネックス」(ノボノルディスクバイオインダストリー製)等のβ-1,4-ガラクタナーゼが挙げられる。
【0014】
これらの酵素群については文献等ではガラクトースの重合体からなる高分子やガラクトース残基からなるガラクトオリゴ糖の加水分解の記述はみられるが、ガラクトシル-ガラクトシル-マルトオリゴ糖を加水分解することができることは本発明で初めて見いだされた。
【0015】
β-ガラクトシダーゼは、各種β-ガラクトシドを加水分解してガラクトースを遊離する酵素として知られているが、2種類のβ-ガラクトシダーゼに大別される。第一の群は、ラクトース分解能を有し、かつガラクトシル-マルトオリゴ糖またはガラクトシル-マルトオリゴ糖誘導体に対して難分解性のβ-ガラクトシダーゼである。第2の群のβ-ガラクトシダーゼは、ガラクトシル-マルトオリゴ糖あるいはその誘導体を生成させる転移活性の強いβ-ガラクトシダーゼである。
【0016】
第1の群のガラクトシル-マルトオリゴ糖あるいはその誘導体には作用せずにラクトースを加水分解するβ-ガラクトシダーゼとしては、クリベロマイセス由来のβ-ガラクトシダーゼを挙げることができる。そのようなβ-ガラクトシダーゼとして、例えば、クリベロマイセス・フラギルス(Kluyvermyces fragilis)起源の酵素製剤「ラクトザイム」(ノボノルディスクバイオインダストリー製)、クリベロマイセス・ラクティス(Kluyvermyces lactis)起源の酵素製剤「GODO−YNL」(合同酒精)等が挙げられる。
【0017】
第2の群のβ-ガラクトシダーゼは、具体的には特開平3-264596号に述べたようにバチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)起源の酵素製剤「Biolacta」(大和化成製)、アスペルギルス・オリゾエ(Aspergillus oryzoe)起源の酵素製剤「Lactase Fアマノ」(天野製薬製)、同じく「Lactase Y-AO」(ヤクルト)あるいは特開昭62-130695記載のクリプトコッカス(Criptococcus)属起源のものが挙げられる。ガラクトース残基を主にβ-1,4-結合でマルトオリゴ糖あるいはその誘導体の非還元末端グルコース残基に転移し得るバチルス属あるいはクリプトコッカス属由来の酵素が使用可能であるが、バチルス属由来の酵素の方が温度安定性が高いので好ましい。
【0018】
上記化合物Aと化合物Bとを含む混合物は、例えば、特開平3-264596号に記載されているようなβ-ガラクトシル残基を有する糖(代表的にはマルトース)とマルトオリゴ糖またはマルトオリゴ糖誘導体の混合物にβ-ガラクトシダーゼを作用させるで生成させた反応生成物であることができる。
【0019】
ここで、「β-ガラクトシル残基を有する糖」は、重合度2以上のβ-1,4-ガラクトオリゴ糖またはラクトースであることができる。「マルトオリゴ糖」は、グルコースの重合度が2〜7のマルトオリゴ糖またはこれらの混合物であることができる。「マルトオリゴ糖誘導体」は、グルコースの重合度が2〜7のマルトオリゴ糖またはその混合物の還元性末端にαまたはβ-結合で無置換または置換フェニル基を有するマルトオリゴ糖誘導体であることができる。置換フェニル基は、p-ニトロフェニル基または2-クロロ-4-ニトロフェニル基であることができる。「マルトオリゴ糖誘導体」の具体例として、例えば、p-ニトロフェニルα−マルトペンタオシドや2-クロロ-4-ニトロフェニルβ−マルトテオラオシド等を挙げることができる。
【0020】
また、β-ガラクトシダーゼは、ガラクトース残基を、主としてβ-1,4-ガラクトシド結合でマルトオリゴ糖またはマルトオリゴ糖誘導体の非還元性末端グルコース残基に転移し得る酵素であり、前述の第2の群に分類されるβ-ガラクトシダーゼである。
【0021】
化合物Aとしては、具体的には、以下の一般式(1)で表されるガラクトシル−マルトオリゴ糖を挙げることができる。
【0022】
【化1】
Figure 0004109336
【0023】
式中、X1及びX2の少なくとも一方はガラクトシル基であり、他方は水素原子であり、Rは水素原子または置換若しくは無置換のフェニル基を示し、nは2〜5の整数を示す。
【0024】
また、化合物Bの内、ラクトースは、上記で説明した反応原料として使用される糖である。さらに、化合物Bには、ラクトース以外の反応原料として使用される重合度2以上のβ-1,4-ガラクトオリゴ糖が含まれていてもよい。そのようなβ-1,4-ガラクトオリゴ糖としては、例えば、メリビオース、ラフィノース、スタキオース、ガラクタン等が含まれる。また、ガラクトシル-ラクトース、ガラクトシル-ガラクトシル-ラクトース、ガラクトシル-ガラクトシル-マルトオリゴ糖は、上記反応の副生物である。これらガラクトシル-ラクトース等の反応副生物は、大半がβ-1,4-体があるが、少量のβ-1,6-体も含まれる。
【0025】
本発明の方法では、上記酵素群からなる酵素を少なくとも1種類選択し、ガラクトシル-マルトオリゴ糖あるいはその誘導体を含む上記反応液に作用させることにより、不純物として含まれるラクトースやガラクトシル-ラクトース、ガラクトシル-ガラクトシル-ラクトースまたはガラクトシル-ガラクトシル-マルトオリゴ糖等を加水分解させて、グルコースやガラクトースにまで低分子化する事ができる。尚、この酵素反応の条件(温度、pH、時間等)は、使用する酵素の種類と低分子化される糖の種類や量を勘案して適宜決定することができる。
【0026】
次いで、低分子化した化合物Bと化合物Aとを分離する。低分子化した化合物Bは、主にグルコースやガラクトースであり、オリゴ糖である化合物Aとの分離は、例えば、逆浸透膜法により行うことができる。オリゴ糖と単糖類との分離は、逆浸透膜および/または強酸性カチオン交換樹脂分画法を用いれば大量にかつ簡便に行うことができる。また、一般にゲル濾過精製では分子量の大きさによる分離モードであるため、単糖とオリゴ糖とでは分離が容易になるので、上記分離をゲル濾過精製法により行うこともできる。また、逆浸透膜法および/または強酸性カチオン交換樹脂分画法で精製した糖をさらにゲル濾過精製することもできる。これにより、目的物質の含量が向上した糖についてゲル濾過精製を行えるため、生産性の大幅な向上が可能である。
尚、逆浸透膜法、強酸性カチオン交換樹脂分画法及びゲル濾過以外の方法も、分子量により物質を分離する方法であれば同様に使用することができる。
【0027】
請求項11に記載の方法
本発明は、ガラクトシル−マルトオリゴ糖またはガラクトシル−マルトオリゴ糖誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物Aとラクトースとを含む混合物に、ラクトースを優先的に加水分解するβ−ガラクトシダーゼを作用させてラクトースを低分子化することを特徴とするラクトースの低分子化方法を包含する。
【0028】
この方法における化合物Aは、上記請求項1に記載の製造方法で説明したものと同様のものである。また、β-ガラクトシダーゼは、ラクトース分解能を有し、かつガラクトシル-マルトオリゴ糖またはガラクトシル-マルトオリゴ糖誘導体に対して難分解性のβ-ガラクトシダーゼであることができ、上記請求項1に記載の製造方法で説明したものと同様のものである。また、酵素反応の条件(温度、pH、時間等)は、使用する酵素の種類と低分子化される糖の種類や量を勘案して適宜決定することができる。
【0029】
請求項13に記載の方法
上記の方法により得られた低分子化したラクトースと化合物Aとを含む混合物から低分子化したラクトースを分離することでガラクトシル−マルトオリゴ糖またはガラクトシル−マルトオリゴ糖誘導体を製造することができる。低分子化したラクトースは、グルコースとガラクトースであり、オリゴ糖である化合物Aとの分離は、上記請求項1に記載の製造方法と同様に、例えば、逆浸透膜法、強酸性カチオン交換樹脂分画法、ゲル濾過法等により行うことができる。
【0030】
請求項15に記載の方法
本発明は、ガラクトシル−マルトオリゴ糖またはガラクトシル−マルトオリゴ糖誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物Aとガラクトシル−ラクトース、ガラクトシル−ガラクトシル−ラクトース及びガラクトシル−ガラクトシル−マルトオリゴ糖からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物Cとを含む混合物に、化合物Cを優先的に加水分解するβ−ガラクタナーゼを作用させて化合物Cを低分子化することを特徴とするガラクトシル−オリゴ糖誘導体の低分子化方法も包含する。
【0031】
ここで、化合物Aは上記請求項1に記載の製造方法で説明したものと同様のものである。また、化合物Cは、上記化合物Bからマルトースを除いたものである。β-ガラクタナーゼは、β-1,4-ガラクタナーゼであることができ、上記請求項1に記載の製造方法で説明したものと同様のものである。酵素反応の条件(温度、pH、時間等)は、使用するβ-ガラクタナーゼの種類と低分子化される糖の種類や量を勘案して適宜決定することができる。
【0032】
請求項17に記載の製造方法
上記の方法により得られた低分子化した化合物Cと化合物Aとを含む混合物から低分子化した化合物Cを分離することにより、ガラクトシル−マルトオリゴ糖またはガラクトシル−マルトオリゴ糖誘導体を製造することができる。低分子化した化合物Cは、主にグルコースとガラクトースであり、オリゴ糖である化合物Aとの分離は、上記請求項1に記載の製造方法と同様に、例えば、逆浸透膜法、強酸性カチオン交換樹脂分画法、ゲル濾過法等により行うことができる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに説明する。
下記の実施例における糖組成は試料を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析し、ピーク面積より算出した。 HPLC条件,カラム;Shodex RS-pak DC-613 ( 6 I.D.mm×150mm),溶離液;アセトニトリル/水=70/30(v/v),流速;0.9 ml/min,カラム温度;室温,検出器;RIモニターまたはUV検出器(310nm)。
また酵素活性測定法は以下のようにして行った。
【0034】
β - ガラクトシダーゼ活性測定
0.5mlの0.5%(w/v)p-ニトロフェニル β-ガラクトシドと25mMリン酸緩衝液(pH6.5)0.45mlを混合し、35℃で5分間プレインキュベイションした。 適当濃度に希釈した酵素液0.05mlを添加して35℃、10分間反応させた後、反応液1mlに0.2M炭酸ナトリウム2mlを添加し405nmの吸光度を測定した。pNP量は検量係数設定用4-ニトロフェノール(和光純薬工業製)を用いて検量線を求めた。なお上記条件で1分間に1μmolのpNPを遊離する酵素量を1Uとした。
【0035】
β - ガラクタナーゼ活性測定
0.5mlの1.0%大豆アラビノガラクタンと50mMの酢酸緩衝液(pH4.5)0.45mlを混合し、35℃で5分間プレインキュベイションした。 適当濃度に希釈した酵素液0.05mlを添加して35℃、10分間反応させた後、反応液1mlにDNS試薬1ml添加し、10分間煮沸後、冷却し、蒸留水5mlを添加後、510nmの吸光度を測定した。遊離した還元糖量はガラクトースを用いて検量線を求めた。なお上記条件で1分間に1μmolの還元糖を遊離する酵素量を1Uとした。
【0036】
実施例1 各種酵素剤の選択
ラクトース19.85g(58.0mmol)及びマルトテトラオース38.7g(58.0 mmol)を100mlの50mMリン酸緩衝液中(pH7.0)に分散させ、β-ガラクトシダーゼ製剤「Biolacta」(5.4 U/mg,大和化成製, Bacillus circulans起源)を200 U添加し40℃で5時間反応させて、目的とするβ-1,4-ガラクトシル−マルトテトラオースを生成させた。ついで5%塩酸溶液で反応液のpH 3.5にした後、5分間煮沸し、酵素を失活させた。本反応液の糖組成を上記HPLCにより分析したところ、β-1,4-ガラクトシル-マルトテトラオースは10.5%、ガラクトシル-ガラクトシル-マルトテトラオースは3.2%、ガラクトシル-ガラクトシル-ラクトースは7.0%、ガラクトシル-ラクトースは2.1%、マルトテトラオースは30.5%、ラクトースは24.8%、グルコースは11.5%、ガラクトースは3.7%でその他オリゴ糖は7.7%であった。
【0037】
上記反応失活液を10倍に希釈した溶液10mlに、各種酵素剤をそれぞれ50 U添加し、24時間,40℃で反応させた糖組成をHPLCにより分析した結果を表1.に示した。
また次に表1の結果から本発明の目的に合致したβ-ガラクトシダーゼ「ラクトザイム」「GODO−YNL」およびβ-1,4-ガラクタナーゼ「ペクチナーゼGアマノ」「ペクチネックス」を選択し、β-1,4-ガラクタナーゼ及びβ-ガラクトシダーゼ2種類の酵素剤を順次作用させた場合の加水分解について検討した。上記反応失活液を10倍に希釈した溶液10mlに、まずβ-1,4-ガラクタナーゼ剤をそれぞれ50 U添加し、24時間,40℃で反応させた後、酵素を煮沸失活させた。次いでβ-ガラクトシダーゼをそれぞれ50 U添加し、24時間,40℃で反応させた糖組成をHPLCにより分析した結果を表2に示した。
【0038】
【表1】
Figure 0004109336
【0039】
【表2】
Figure 0004109336
【0040】
実施例2 p- ニトロフェニルβ - ガラクトシル - α - マルトオリゴシドに対する加水分解
マルトテトラオースの代わりにp-ニトロフェニルα-マルトシド(G2P以下同様),G3P,G4P,G5P,G6P,G7Pをそれぞれ用い実施例1記載と同様の条件で反応を行い、各β-1,4-ガラクトシル-GnPを含む反応混合液を得た。 本反応液に上記と同様の条件でそれぞれβ-ガラクトシダーゼ「ラクトザイム」「GODO−YNL」およびβ-1,4-ガラクタナーゼ「ペクチナーゼGアマノ」「ペクチネックス」を添加し、糖組成を分析した結果を表3に示した。なお本表ではガラクトシル-ガラクトシル-GnP、ガラクトシル-ガラクトシル-ラクトース、ガラクトシル-ラクトースに対する分解は表1と同様であったので省略し、各β-1,4-ガラクトシル-GnPに対する分解のみを記した。
【0041】
【表3】
Figure 0004109336
【0042】
実施例3 2- クロロ -4- ニトロフェニルβ - ガラクトシル - β - マルトオリゴシドに対する加水分解
マルトテトラオースの代わりに2-クロロ-4-ニトロフェニルβ-マルトシド(G2C以下同様),G3C,G4C,G5C,G6C,G7Cをそれぞれ用い実施例1記載と同様の条件で反応を行い、各β-1,4-ガラクトシル-GnCを含む反応混合液を得た。 本反応液に上記と同様の条件でそれぞれβ-ガラクトシダーゼ「ラクトザイム」「GODO−YNL」およびβ-1,4-ガラクタナーゼ「ペクチナーゼGアマノ」「ペクチネックス」を添加し、糖組成を分析した結果を表3に示した。 なお本表ではガラクトシル-ガラクトシル-GnC、ガラクトシル-ガラクトシル-ラクトース、ガラクトシル-ラクトースに対する分解は表1と同様であったので省略し、各β-1,4-ガラクトシル-GnCに対する分解のみを記した。
【0043】
【表4】
Figure 0004109336
【0044】
実施例4 β -1,4- ガラクトシル - マルトトリオースの調製
ラクトース2.0kg(5.8mol)及びマルトトリオース2.9kg(5.8mol)を10リットルの50mMリン酸緩衝液中(pH 7.0)に分散させ、β-ガラクトシダーゼ製剤「Biolacta」(5.4 U/mg,大和化成製)を20,000 U添加し40℃で5時間反応させ、目的とするβ-1,4-ガラクトシル-マルトトリオースを生成させた。 次に5%塩酸溶液で反応液のpHを3.5にした後、5分間煮沸し、上記酵素を失活させた。 本液の糖組成をHPLCにより分析したところ、β-1,4-ガラクトシル-マルトトリオースは10.1%、ガラクトシル-ガラクトシル-マルトトリオースは2.8%、ガラクトシル-ガラクトシル-ラクトースは7.2%、ガラクトシル-ラクトースは2.0%、マルトトリオースは29.8%、ラクトースは25.4%、グルコースは12.0%、ガラクトースは3.4%でその他オリゴ糖は7.3%であった。
【0045】
本反応失活液を10倍に希釈した溶液をpH 5.0に調整し、反応液中に含まれるマルトテリオースを分解するために、Rhizopus nives起源グルコアミラーゼ(生化学工業製)を50,000 Uおよびガラクトシル-ラクトース、ガラクトシル-ガラクトシル-ラクトースまたはガラクトシル-ガラクトシル-マルトトリオースを分解するためにBacillus subtilis起源β-1,4-ガラクタナーゼ(日本食品化工製)を200,000 U添加し、40℃で24時間で反応させた。反応終了は5%塩酸溶液で反応液のpHを3.5にした後、5分間煮沸し、上記酵素を失活させた。
次に本反応失活液のpHを6.5に調整し、原料の残りのラクトースを分解させるために、「ラクトザイム」( Kluyvermyces fragilis起源)を100,000 U添加し、40℃で24時間反応させた。 反応終了は5%塩酸溶液で反応液のpHを3.5にした後、5分間煮沸し、上記酵素を失活させた。 本液の糖組成をHPLCにより分析したところ、β-1,4-ガラクトシル-マルトトリオースは9.9%、ガラクトシル-ガラクトシル-マルトトリオースは1.2%、グルコースが59%、ガラクトースが25%で、ラクトースとガラクトシル-ラクトース、ガラクトシル-ガラクトシル-ラクトースを含めたその他のオリゴ糖は4.9%であった。
【0046】
上記酵素反応液6リットル(40%,w/v,固形物として2.4kg)を強酸性カチオン交換樹脂Dowex XFS-43278(ダウケミカル社製)を充填したカラム(26cm,I.D.×267cm)を用い、カラム温度;65℃、流速;1500ml/min、検出器:RIモニターで精製した。その結果、精製液の糖組成は、β-1,4-ガラクトシル-マルトトリオースは62.3%、ガラクトシル-ガラクトシル-マルトトリオースは6.1%、グルコースが2.3%、ガラクトースが2.5%で、ラクトースとガラクトシル-ラクトース、ガラクトシル-ガラクトシル-ラクトースを含めたその他のオリゴ糖は26.8%であった。本操作により目的とするβ-1,4-ガラクトシル-マルトトリオースの純度は最初の反応終了液の含量に比較して6.3倍に向上した。
本液250ml(40%,w/v,固形物として100g)をToyopeal HW-40S(トーソー製)を充填したカラム(13cm,I.D×95cm)を用い、カラム温度;65℃、流速;5ml/min、検出器:RIモニターでゲル濾過により精製し、純度98.5%のβ-ガラクトシル-マルトトリオース48.5g(固形物)を得た。
【0047】
実施例5 β -1,4- ガラクトシル - マルテトラオースの調製
ラクトース2.0kg(5.8mol)及びマルテトラオース3.9kg(5.8mol)を10lの50mMリン酸緩衝液中(pH 7.0)に分散させ、β-ガラクトシダーゼ製剤「Biolacta」(5.4 U/mg,大和化成製)を20 KU添加し40℃で5時間反応させ、目的とするβ-1,4-ガラクトシル-マルトトリオースを生成させた。次に5%塩酸溶液で反応液のpHを3.5にした後、5分間煮沸し、上記酵素を失活させた。本反応液の糖組成を上記HPLCにより分析したところ、β-1,4-ガラクトシル-マルトテトラオースは10.5%、ガラクトシル-ガラクトシル-マルトテトラオースは3.2%、ガラクトシル-ガラクトシル-ラクトースは7.0%、ガラクトシル-ラクトースは2.1%、マルトテトラオースは30.5%、ラクトースは24.8%、グルコースは11.5%、ガラクトースは3.7%でその他オリゴ糖は7.7%であった。
【0048】
本反応失活液を10倍に希釈した溶液をpH 5.0に調整し、反応原料の残りのマルトテリオースを分解するために、Rhizopus nives起源グルコアミラーゼ(生化学工業製)を50,000 Uおよびガラクトシル-ラクトース、ガラクトシル-ガラクトシル-ラクトースまたはガラクトシル-ガラクトシル-マルトテトラオースを分解するためにAspergillus pulverulent起源の酵素製剤「ペクチナーゼGアマノ」(天野製薬製)を200,000 U添加し、30℃で24時間で反応させた。反応終了は5%塩酸溶液で反応液のpHを3.5にした後、5分間煮沸し、上記酵素を失活させた。
【0049】
次に本反応失活液のpHを6.5に調整し、原料の残りのラクトースを分解させるために、クリベロマイセス・ラクティス(Kluyvermyces lactis)起源の酵素製剤「GODO−YNL」(合同酒精)を100,000 U添加し、40℃で24時間反応させた。反応終了は5%塩酸溶液で反応液のpHを3.5にした後、5分間煮沸し、上記酵素を失活させた。 本液の糖組成をHPLCにより分析したところ、β-1,4-ガラクトシル-マルテトラオースは10.2%、ガラクトシル-ガラクトシル-マルトトリオースは1.5%、グルコースが62%、ガラクトースが22%で、ラクトースとガラクトシル-ラクトース、ガラクトシル-ガラクトシル-ラクトースを含めたその他のオリゴ糖は4.3%であった。
【0050】
上記酵素反応液を逆浸透膜モジュール(DK4040CDA,デサリネイション社製)を用いて圧力20 kgf/cm2で10時間処理したところ、本液の糖組成は、β-1,4-ガラクトシル-マルトテトラオースは57.4%、ガラクトシル-ガラクトシル-マルトテトラオースは5.3%、グルコースが8.8%、ガラクトースが5.5%で、ラクトースとガラクトシル-ラクトース、ガラクトシル-ガラクトシル-ラクトースを含めたその他のオリゴ糖は27.5%であった。
【0051】
本操作により目的とするβ-1,4-ガラクトシル-マルトトテラオースは最初の反応終了液の含量に比較して5.5倍に向上した。本液250ml(40%,w/v,固形物として100g)をToyopeal HW-40S(トーソー製)を充填したカラム(13cm,I.D×95cm)を用い、カラム温度;65℃、流速;5ml/min、検出器:RIモニターでゲル濾過により精製し、純度98.5%のβ-ガラクトシル-マルトテトラオース49.5g(固形物)を得た。
【0052】
実施例6 p- ニトロフェニル β - ガラクトシル - α - マルトペンタオシドの調製ラクトース20g及びp-ニトロフェニル α-マルトペンタオシド(G5P)10gを100mlの50mMリン酸緩衝液(pH7.0)中に分散させ、β-ガラクトシダーゼ製剤「Biolacta」(5.4 U/mg,大和化成製)を200 U添加し40℃で5時間反応させ、目的とするp-ニトロフェニルβ-1,4-ガラクトシル-α-マルトペンタオシド(Gal-G5P)を生成させた。次に5%塩酸溶液で反応液のpHを3.5にした後、5分間煮沸し、上記酵素を失活させた。本液の糖組成をUV検出器(310nm)を備えたHPLCにより分析したところ、Gal-G5Pは15.0%、p-ニトロフェニルβ-ガラクトシル-ガラクトシル-α-マルトペンタオシド(Gal-Gal-G5P)は5.5%であった。 またこの場合はガラクトシル-ガラクトシル-ラクトース、ガラクトシル-ラクトース、ラクトース等の中性糖はゲル濾過精製時にpNP誘導体と大きく分離するため、分解する必要はなかった。
【0053】
本反応失活液を10倍に希釈した溶液をpH 3.5に調整し、Gal-Gal-G5Pを分解するために酵素製剤「ペクチネックス」(ノボノルディスクバイオインダストリー製)を200 U添加し、40℃で24時間で反応させた。反応終了は5%塩酸溶液で反応液のpHを3.5にした後、5分間煮沸し、上記酵素を失活させた。本液の糖組成をUV検出器(310nm)を備えたHPLCにより分析したところ、Gal-G5Pは14.5%、Gal-Gal-G5Pは0.5%であった。本液はゲル濾過精製カラム(実施例4,5記載と同様)によりGal-G5P含量98%以上の純度まで精製が可能であった。本ガラクタナーゼ処理を行わない場合は、同様の精製法を試みたところ、Gal-G5PとGal-Gal-G5Pの分離が困難なため、Gal-G5P含量は92%までしか向上しなかった。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、ガラクトシル-マルトオリゴ糖あるいはその誘導体をゲル濾過精製法を用いることなしに、またはゲル濾過精製法とその他の簡便な精製方法とを組み合わせて精製することを可能にできる方法、及びこの方法を利用した高純度のガラクトシル-マルトオリゴ糖及びその誘導体の製造方法を提供するができる。
さらに本発明によれば、反応終了液中に含まれる副生成物または原料物質を、目的生成物を実質的に分解することなく酵素的に分解して低分子化することで、ゲル濾過精製法以外のより簡便で効率の良い精製方法である逆浸透膜法を利用して、またはゲル濾過精製法と逆浸透膜法とを組み合わせて、高純度のガラクトシル-マルトオリゴ糖及びその誘導体の製造方法を提供することができる。

Claims (18)

  1. ガラクトシル−マルトオリゴ糖またはガラクトシル−マルトオリゴ糖誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物Aとラクトース、ガラクトシル−ラクトース、ガラクトシル−ガラクトシル−ラクトース及びガラクトシル−ガラクトシル−マルトオリゴ糖からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物Bとを含む混合物に、化合物Bを優先的に加水分解する、β−ガラクタナーゼ及びβ−ガラクトシダーゼからなる群から選ばれる少なくとも1種の酵素を作用させて化合物Bを低分子化し、次いで、低分子化した化合物Bと化合物Aとを分離することを特徴とするガラクトシル−マルトオリゴ糖またはガラクトシル−マルトオリゴ糖誘導体の製造方法。
  2. β−ガラクタナーゼが、β−1,4−ガラクタナーゼである請求項に記載の製造方法。
  3. β−ガラクトシダーゼが、ラクトース分解能を有し、かつガラクトシル−マルトオリゴ糖またはガラクトシル−マルトオリゴ糖誘導体に対して難分解性のβ−ガラクトシダーゼである請求項に記載の製造方法。
  4. 低分子化した化合物Bと化合物Aとの分離を逆浸透膜法および/または強酸性カチオン交換樹脂分画法により行う請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 化合物Aと化合物Bとを含む混合物が、β−ガラクトシル残基を有する糖とマルトオリゴ糖またはマルトオリゴ糖誘導体の混合物にβ−ガラクトシダーゼを作用させて生成される請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. β−ガラクトシル残基を有する糖が、重合度2以上のβ−1,4−ガラクトオリゴ糖またはラクトースである請求項記載の製造方法。
  7. マルトオリゴ糖が、グルコースの重合度が2〜7のマルトオリゴ糖またはこれらの混合物である請求項記載の製造方法。
  8. マルトオリゴ糖誘導体が、グルコースの重合度が2〜7のマルトオリゴ糖またはその混合物の還元性末端にαまたはβ−結合で無置換または置換フェニル基を有するマルトオリゴ糖誘導体である請求項記載の製造方法。
  9. 置換フェニル基がp−ニトロフェニル基または2−クロロ−4−ニトロフェニル基である請求項記載の製造方法。
  10. β−ガラクトシダーゼが、ガラクトース残基を、主としてβ−1,4−ガラクトシド結合でマルトオリゴ糖またはマルトオリゴ糖誘導体の非還元性末端グルコース残基に転移し得る酵素である請求項記載の製造方法。
  11. ガラクトシル−マルトオリゴ糖またはガラクトシル−マルトオリゴ糖誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物Aとラクトースとを含む混合物に、ラクトースを優先的に加水分解するβ−ガラクトシダーゼを作用させてラクトースを低分子化することを特徴とするラクトースの低分子化方法。
  12. β−ガラクトシダーゼが、ラクトース分解能を有し、かつガラクトシル−マルトオリゴ糖またはガラクトシル−マルトオリゴ糖誘導体に対して難分解性のβ−ガラクトシダーゼである請求項11に記載の製造方法。
  13. 請求項11または12に記載の方法により得られた低分子化したラクトースと化合物Aとを含む混合物から低分子化したラクトースを分離することを特徴とするガラクトシル−マルトオリゴ糖またはガラクトシル−マルトオリゴ糖誘導体の製造方法。
  14. 低分子化したラクトースと化合物Aとの分離を逆浸透膜法および/または強酸性カチオン交換樹脂分画法により行う請求項13記載の製造方法。
  15. ガラクトシル−マルトオリゴ糖またはガラクトシル−マルトオリゴ糖誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物Aとガラクトシル−ラクトース、ガラクトシル−ガラクトシル−ラクトース及びガラクトシル−ガラクトシル−マルトオリゴ糖からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物Cとを含む混合物に、化合物Cを優先的に加水分解するβ−ガラクタナーゼを作用させて化合物Cを低分子化することを特徴とするガラクトシル−オリゴ糖誘導体の低分子化方法。
  16. β−ガラクタナーゼが、β−1,4−ガラクタナーゼである請求項15に記載の製造方法。
  17. 請求項15または16に記載の方法により得られた低分子化した化合物Cと化合物Aとを含む混合物から低分子化した化合物Cを分離することを特徴とするガラクトシル−マルトオリゴ糖またはガラクトシル−マルトオリゴ糖誘導体の製造方法。
  18. 低分子化したラクトースと化合物Aとの分離を逆浸透膜法および/または強酸性カチオン交換樹脂分画法により行う請求項17記載の製造方法。
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