JP4093678B2 - 電動機制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電力変換半導体を用いて電動機を駆動する電動機制御装置において、電力変換半導体の過熱防止並びに電動機制御装置の温度管理に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の過熱保護機能を内蔵した電動機制御装置の第一の例を図14に示す。この図14に示す第一の例では、電動機として三相交流電動機、電力変換器としてインバータを用いている。
図14において、1Aは電動機制御装置、2は電動機、3Aは制御演算装置、4Aは電力変換半導体である。電力変換半導体4Aは、三相のスイッチングアーム(U相アーム,V相アーム,W相アーム)と、過熱識別手段8Aと、過熱保護手段9Aとを備えている。スイッチングアームの一つであるU相アームは、上アームスイッチング素子5a、下アームスイッチング素子5b、上アームフリーホイーリング素子6a、下アームフリーホイーリング素子6b、上アームゲート開閉素子7a、下アームゲート開閉素子7b、サーミスタ10,11で構成されている。尚、V相アーム,W相アームの構成も同様である。また、ここでは、スイッチング素子としてバイポーラトランジスタを用いており、図中、C,G,Eはコレクタ,ゲート,エミッタを示している。
一般的に、電動機制御装置1Aは図示しない電源装置からの直流電力を交流電力に変換して電動機2に供給する。この際、直流電力から交流電力への変換は、電力変換半導体4Aのパワー素子を構成するスイッチング素子をスイッチングすることにより実行される。尚、パワー素子は、スイッチング素子とフリーホイーリング素子とから構成される。また、スイッチングのために制御演算装置3Aにて生成されるゲート駆動信号がゲート開閉素子を介してスイッチング素子のゲートGに接続されている。スイッチングにより電流が導通するとスイッチング素子の内部損失にて発熱する。ここで過度に過熱するとスイッチング素子が破壊してしまうおそれがある。そのため、スイッチング素子が破壊しないよう温度を監視し、所定温度に達した場合に制御演算装置3Aからスイッチング素子のゲートに至る信号を中断(ゲートカット)し、スイッチング素子に導通する電流を遮断して過熱保護が行われる。また、過熱保護を行っている場合には保護機能作動アラーム信号が制御演算装置3Aへ伝送される。ここで図中、温度の検出とゲートカットを行うか否かの判定は、サーミスタ10の信号を用いて過熱識別手段8Aでなされる。また、ゲートカットを行うための信号生成は過熱保護手段9Aでなされ、ゲートカットの実行はゲート開閉素子7a,7bでなされる。尚、サーミスタ10はスイッチング素子の温度を正確に反映するためにスイッチング素子の近傍に配置される。
また、サーミスタ10とは別に、制御演算装置3Aへスイッチング素子の温度を通知する手段としてスイッチング素子の周辺にサーミスタ11が配置される。制御演算装置3Aでは、例えばマイコンまたはA/D変換器にてサーミスタ11からスイッチング素子の温度情報を得、この温度情報(信号)を用いてスイッチング素子の温度が過度に上昇しないようゲート駆動信号を操作する。
【0003】
また、第二の従来例として、特開平10−21079号公報に記載される電力変換半導体の温度信号を用いてスイッチング素子の過熱保護を行う制御装置がある。この第二の従来例は過熱保護を行う電動機制御装置を電気自動車に適用したものである。この第二の従来例を図15に示す。
図15において、2は電動機、12はバッテリ、13は電力変換器、14は車輪、15は電力変換用ECU(電子コントロールユニット)、16はアクセルペダル、17は温度センサである。
電源装置たるバッテリ12には電力変換器13が接続され、電力変換器13に車両駆動用の電動機2が接続されている。電動機2の駆動力が回転軸や差動歯車装置を介して車輪14に伝達され、車両の推進力となる。電力変換器13には電力変換半導体が備えられている。また、電力変換器13は電力変換器用ECU15によって制御され、電力変換器13内の電力変換半導体は電力変換器用ECU15から入力されるゲート駆動信号に従ってスイッチング動作する。このスイッチング動作によりバッテリ12から供給される直流電力が交流電力に変換されて電動機2に供給される。
電力変換器用ECU15はアクセルペダル16と接続されていて、運転者がアクセルペダル16を踏み込んだ際の踏み込み量をアクセル開度A%として検出する。但し、アクセルペダル全踏時のアクセル開度は100%である。
また、電力変換器用ECU15は電力変換器13のケース内に取付けられた温度センサ17と接続され、スイッチング素子の温度INV−Tを得る。さらに、電力変換器用ECU15は素子温度INV−Tを基に単位時間当たりの素子温度の変化量を求めて温度変化率ΔT/Δtとする。
電力変換器用ECU15はアクセル開度A%から電動機2が出力すべきトルクを求め、求めたトルクをトルク指令T*とする。さらに、次の2種類の制限率(第一制限率α,第二制限率β)をトルク指令T*に乗算し、調整後のトルク指令T*となす。このときの第一制限率αは素子温度INV−Tに基づいて定められる。素子温度INV−Tが制限開始温度T1以下のときは第一制限率αは100%である。素子温度INV−Tが制限開始温度T1よりも高くなると、その時の素子温度INV−Tに対応する第一制限率αがトルク指令T*に掛けられる。素子温度INV−Tが零出力温度T2以上に達すると第一制限率αが0になり、トルク指令T*も0になる。
第二制限率βは温度変化率ΔT/Δtに基づいて定められる。第二制限率は素子温度INV−Tが上記の制限開始温度T1以上のときに用いられる。温度変化率ΔT/Δtが第一基準値δ1以下のときは第二制限率αは100%である。温度変化率ΔT/Δtが第一基準値δ1よりも高くなると、そのときの変化率ΔT/Δtに対応する第二制限率βがトルク指令T*に掛けられる。温度変化率ΔT/Δtが第二基準値δ2以上になれば第二制限率βが0になり、トルク指令T*も0になる。
電力変換器用ECU15は上記によって求められた調整後のトルク指令T*に従い、これに対応する電動機通電電流の指令値I*が求められる。そしてこの電流指令値I*に基づき電力変換半導体のスイッチング素子をスイッチングすることにより、電動機2の発生トルクを調整後のトルク指令T*と一致するように制御する。
以上のように、この第二の従来例においては、スイッチング素子温度が高く、かつ、急上昇した場合にはトルク指令を大幅に調整してスイッチング素子の過熱を防止する。スイッチング素子の温度が高いが急上昇していない場合には、急上昇時ほど大幅にトルク指令を調整しない。このようにして、必要な度合いに応じたトルク調整を行いつつ、スイッチング素子の過熱防止を図ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した第一の従来例によれば、電力変換半導体におけるスイッチング素子の温度上昇に対して、スイッチング停止(ゲートカット)による過熱保護、並びに、温度上昇の監視による過熱防止が可能となる。
しかしながら第一の従来例によれば、過熱保護に用いる温度センサであるサーミスタ10と,制御演算装置3Aへスイッチング素子の温度を伝達する温度センサであるサーミスタ11とが別々のものであり、また、配置で見た場合のスイッチング素子のチップからの距離,センサそれぞれの電気特性のばらつきにより、サーミスタ10とサーミスタ11が指すスイッチング素子の温度は精度良く一致させることが困難であった。このため、サーミスタ10による過熱保護が発生するより以前に、サーミスタ11による温度監視にて過熱防止のために、電力変換半導体4Aをスイッチングするゲート信号を操作しようとした場合、ゲート信号を操作し始めるしきい値温度を低い値に設定してセンサのばらつきを吸収する必要がある。しかしこのように、しきい値温度を低い値に設定すると通常の動作時にも頻繁に過熱防止処理を行ってしまう可能性があり実用的ではない。逆に、しきい値温度を通常の(低くない)値に設定すると、センサのばらつき如何によっては、過熱防止処理を行うよりも以前にサーミスタ10による過熱保護が行われ、スイッチング素子のスイッチングが停止して制御が中断してしまうおそれがある。かかる性質は、本発明が対象とする電動機制御装置においては好ましくない。
【0005】
また、第二の従来例によれば、電力変換半導体のスイッチング素子の温度が急上昇した場合でも、スイッチング素子温度の単位時間当たりの変化率に応じて電動機のトルク指令しいては通電電流指令を調整することによりスイッチング素子の過熱を防止することができる。また、スイッチング素子温度が高い状態であるか低い状態であるかその度合いに応じてトルク指令の調整量を増減することで、必要度に応じたトルク調整を行う。
しかし、第二の従来例の場合、断線あるいはスイッチング素子の温度センサの故障など何らかの理由により電力変換器用ECU15に接続されるスイッチング素子の温度信号が急変した場合には、スイッチング素子温度の単位時間当たりの変化率が大きいことからトルク指令を大幅に調整することにより、電動機の発生トルクが急激に変化してしまう。この性質は、電気自動車を含めて車載用の電動機制御装置においては、制御の連続性を損なうため、車両の挙動に与える影響を考えると好ましくない。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、電力変換半導体のパワー素子を構成するスイッチング素子の温度を速い応答性にて精度良く検出できて、スイッチング素子の過熱を適切に防止でき、さらには、制御の連続性を損なうことのない電動機制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による電動機制御装置は、高電位側のスイッチング素子と低電位側のスイッチング素子とを直列接続したスイッチングアームを複数相、直流電力入力に並列接続し、上記各スイッチングアームの各スイッチング素子間より交流電力を交流電動機に供給するように構成するとともに、制御演算装置を具備し、この制御演算装置により上記各スイッチング素子のスイッチングを制御して上記電動機の通電電流を制御するようにした電動機制御装置において、各相毎の上記スイッチング素子の近傍にPN接合を含む半導体素子を配置するとともに、各相毎のスイッチング素子の近傍に配置された各々の半導体素子に一定電流を流す定電流回路を接続するように構成して、上記一定電流の値が上記半導体素子自身を過熱させないような低い値に設定され、かつ、上記半導体素子のPN接合間の順方向電圧値を検出することで上記スイッチング素子の温度を認識し、この認識したスイッチング素子の温度に基づいて上記スイッチング素子が過熱状態であると判定した場合に上記スイッチング素子をオフ状態に設定する過熱防止手段を備え、さらに、上記制御演算装置は、調整前の電流指令値の絶対値の上下限値を制限する電流指令上下限制限値を算出して出力する監視手段と、上記電流指令上下限制限値に基いて調整後の電流指令値を演算する電流指令値演算手段と、上記調整後の電流指令値に基いて上記電動機に通電する電流を制御する電流制御手段とを備え、上記監視手段は、上記電流指令値演算手段から出力される調整前の電流指令値と過熱識別手段から出力される各相のスイッチング素子温度とを入力して複数のゲインを算出するゲイン算出手段と、上記電流指令上下限制限値を出力する出力手段とを備え、上記ゲイン算出手段が、調整前の電流指令値と温度余裕と温度余裕変化率とを用いて第1ゲインを算出する第1ゲイン算出手段と、温度余裕変化率の変動成分を用いて第2ゲインを算出する第2ゲイン算出手段と、各相のスイッチング素子温度を用いて第3ゲインを算出する第3ゲイン算出手段とを備え、上記第1ゲイン算出手段が、第1の定数と各相のスイッチング素子温度のうちの最大値との差である温度余裕を一定の演算周期毎に求めて、演算周期当たりの温度余裕変化率を求め、演算周期当たりの温度余裕変化率に第1の調整ゲインを乗じた第1の値と第2の定数との差を求めて、この差と上記温度余裕に第2の調整ゲインを乗じた第2の値とを乗算して第3の値を算出し、かつ、演算周期毎に入力される複数の調整前の電流指令値の絶対値の総和が所定値以上になった場合に徐々に小さくなる第3の調整ゲインを算出して、この第3の調整ゲインと第3の値とを乗算することによって第1ゲインを算出し、第2ゲイン算出手段が、現在の温度余裕変化率と前回の温度余裕変化率との差である周期当たりの温度余裕変化率の変動成分を算出し、この変動成分と第3の定数とを比較して、変動成分が当該第3の定数よりも大きい場合には、時間の経過に対応して徐々に減少する第2ゲインを算出し、第3ゲイン算出手段が、各相のスイッチング素子温度のうちの最大値と最小値との差を求め、この差が第4の定数よりも大きい場合、又は、当該最小値が第5の定数よりも小さい場合には、時間の経過に対応して徐々に減少する第3ゲインを算出し、出力手段が、第1ゲイン乃至第3ゲインのうちの最小値を上記電流指令上下限制限値として出力したことを特徴とする。
また、上記第1ゲイン算出手段、第2ゲイン算出手段、第3ゲイン算出手段に加えて、電動機温度信号を用いて第4ゲインを算出する第4ゲイン算出手段を備えたゲイン算出手段を構成し、第4ゲイン算出手段が、第6の定数と電動機温度信号との差である電動機温度余裕を求めて、この電動機温度余裕に第4の調整ゲインを乗じた第4の値を算出し、かつ、上記演算周期毎に入力される複数の調整前の電流指令の絶対値の総和が所定値以上になった場合に徐々に大きくなる第5の調整ゲインを算出して、この第5の調整ゲインと第7の定数との差を求めて、この差と第4の値とを乗算することによって第4ゲインを算出し、出力手段が、第1ゲイン乃至第4ゲインのうちの最小値を上記電流指令上下限制限値として出力したことを特徴とする。
また、上記制御演算装置を、上記スイッチング素子の温度とスイッチング素子の出力端子電圧値とに基づいて上記スイッチング素子に通電する電流値を算出する通電電流算出手段を備えるものとした。
また、上記過熱防止手段に、所定温度での上記半導体素子の順方向電圧値を予め記憶しておき、上記スイッチング素子の温度が変化した場合の変動を絶対量として認識させるようにした。
また、上記過熱防止手段は、上記スイッチング素子の温度を上記制御演算装置にアナログ信号で伝えるようにしたり、上記スイッチング素子の過熱防止を現在実施しているか否かの情報を上記制御演算装置にディジタル信号で出力するようにする。また、上記各相のスイッチング素子のうち最も温度の高いものを認識し、この最も高い温度に基づいて判定を行うようにする。
また、上記スイッチング素子が形成されたチップ領域内、あるいはこのチップ領域のごく近傍に上記半導体素子を配置するようにした。
また、上記半導体素子としては、例えば、温度検出ダイオードを用いる。上記スイッチング素子として例えばバイポーラトランジスタを用い、上記電圧検出手段で、このスイッチング素子としてのバイポーラトランジスタのコレクタ−エミッタ間電圧値を検出するようにする。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明における電動機制御装置の実施の形態1を図1,2に基づいて説明する。
図1は、本発明の電動機制御装置の構成例を示すブロック図である。尚、ここでは、車載用を例にして説明するが、車載用以外にも使用できることはいうまでもない。
図1において、1は車載用電動機制御装置、2は電動機、3は制御演算装置、4は車載用電力変換半導体である。電力変換装置としての車載用電力変換半導体4は、三相のスイッチングアーム(U相アーム,V相アーム,W相アーム)と、過熱識別手段8と、過熱保護手段9と、後述の温度検出用ダイオードに電流を供給する定電流回路18とを備えている。スイッチングアームの一つであるU相アームは、上アームスイッチング素子5a、下アームスイッチング素子5b、上アームフリーホイーリング素子6a、下アームフリーホイーリング素子6b、上アームゲート開閉素子7a、下アームゲート開閉素子7b、温度検出ダイオード19で構成されている。尚、V相アーム,W相アームの構成も同様である。また、スイッチング素子としてはバイポーラトランジスタを用いている。
尚、1個のスイッチング素子と1個のフリーホイーリングダイオードとにより1個のパワー素子が構成される。即ち、三相交流の一相に当たり2個のパワー素子が直列接続されており、直流電力入力の高電位側に連なる側を上アーム、低電位側に連なる側を下アームと呼ぶ。パワー素子を構成するスイッチング素子の温度センサとして機能する上記温度検出ダイオード19はパワー素子と同一基板上に形成されている。
上記過熱識別手段8は、PN接合を含む半導体素子である上記温度検出用ダイオード19のアノード−カソード間(PN接合間)に発生する順方向電圧値を入力して、この入力した順方向電圧値の変動を読み取って過熱保護を行うか否かを判定するものである。この過熱識別手段8は、過熱保護を行うと判定した場合にゲート信号の中断指示信号(以下、ゲートカット指示信号という)を過熱保護手段9に出力する。尚、過熱識別手段8と過熱保護手段9とで過熱防止手段を構成する。
過熱保護手段9は、上記過熱識別手段8Aからのゲートカット指示信号を入力した場合に、ゲート開閉素子にこのゲート開閉素子をオフにする信号を出力して、制御演算装置3からスイッチング素子に至るゲート信号の伝達を中断させる。
即ち、この実施の形態1の車載用電動機制御装置1は、上述した構成を持つ車載用電力変換半導体4と制御演算装置3とで構成される。
【0009】
次に動作を説明する。
車載用電力変換半導体4は図示しない電源装置に接続されており、入力した直流電力を交流電力に変換して電動機2に供給する。この際、直流電力から交流電力への変換は車載用電力変換半導体4のパワー素子を構成するスイッチング素子をスイッチングすることにより実行される。制御演算装置3では電動機2に所望の動作を行わせるべく、通電する電流の指令値を演算し、電流指令値どおりの電流が流れるようにスイッチング素子をON/OFFするゲート信号を生成する。ゲート信号は各相の上アーム,下アームのスイッチング素子のゲートGに伝達される。
スイッチングにより電流が通電するとスイッチング素子が内部損失にて発熱する。スイッチング素子が発熱するとスイッチング素子が過熱破損するおそれがある。そのため、過熱識別手段8にてスイッチング素子の温度を検出し、過熱保護を行うためにゲート信号のゲートカットを行うか否かを判定する。過熱識別手段8はゲートカットを行うと判定した場合は、過熱保護手段9にゲートカット指示信号を送る。過熱保護手段9はゲートカット指示信号を受けると、ゲート開閉手段にゲートカット信号を送ってゲート開閉手段を閉じ、制御演算手段3からスイッチング素子へのゲート信号の伝達を中断させる。
過熱識別手段8によるスイッチング素子の温度検出は、具体的には次のように行われる。定電流回路18から流れ出る一定電流ifは温度検出ダイオード19のアノード側に流れ込んでカソード側から流れ出る。この時の通電電流は温度検出ダイオード19に流れ込む際の極性から順方向電流と呼ばれる。また、温度検出ダイオード19のアノード−カソード間に発生する電位差は順方向電圧vfと呼ばれる。過熱識別手段8は温度検出ダイオード19のアノードとカソードに接続されており、順方向電圧vfを入力する。
ここで、温度検出ダイオード19の順方向電圧vfと順方向電流ifとの間には図2に示すような特性が成り立つ。即ち、温度検出ダイオード19の接合部分温度Tjに依存して、順方向電流ifに対する順方向電圧vfが変動する。変動の方向は、接合部分温度Tjの上昇に対して順方向電圧の低下である。
温度検出ダイオード19に一定の順方向電流ifが通電した場合の順方向電圧vfは、接合部分温度Tjに対して図3に示すような特性を持つ。即ち、接合部分温度Tjが上昇するのに対して順方向電圧vfは減少する。従って、一定の順方向電流が通電される温度検出ダイオード19の順方向電圧vfの変動を読み取れば、温度検出ダイオード19の接合部分温度Tjの変化を検知できる。
つまり、過熱識別手段8は温度検出ダイオード19の順方向電圧vfを入力して温度検出ダイオード19の接合部分温度Tjの変動を認識する。このとき、温度検出ダイオード19がスイッチング素子の近傍に配置されること及び温度検出ダイオード19の順方向電流ifをダイオード自身が過熱しない低い値に設定することにより、温度検出ダイオード19の接合部分温度Tjをスイッチング素子の温度と読み替えることができる。
【0010】
以上のように、パワー素子と同一基板上に形成されスイッチング素子の近傍に配置される温度検出ダイオードに一定の順方向電流を通電し、温度検出ダイオードの順方向電圧を読み取ることでスイッチング素子の温度を認識することが可能となる。この温度検出は、従来用いていたサーミスタによる温度検出よりも格段に早く応答するため、スイッチング素子の温度上昇を短時間で精度良く検出することでスイッチング素子の過熱保護特性を向上することが可能となる。
【0011】
実施の形態2.
過熱識別手段8に、所定温度での温度検出ダイオード19の順方向電圧値を記憶しておくようにしてもよい。
図3を用いて説明する。温度Tj0での順方向電圧Vf0とする。ここからスイッチング素子の温度が変動した結果、検出した順方向電圧値がVf1であったとすると、現在の温度Tj1は{Tj0−(Vf1−Vf0)}に見合った温度変動として決まる。ここで接合部分温度の変化率ΔTjに対する順方向電圧値の変化量Δvfは接合部分に依らず一定であることから、ある順方向電圧値に対する接合部分温度の絶対値が定まれば、順方向電圧が何れに変動しても、その時々の接合部分の絶対量を検出することができる。そのため、所定の温度、例えば、常温時などのスイッチング素子の温度を過熱識別手段8Aに依らず認識できる温度での温度検出ダイオード19の順方向電圧値を記憶することにより、その後、スイッチング素子の温度が変動したとしても接合部分の温度,すなわち、スイッチング素子の温度を絶対量として速い追従性で精度良く算出することができる。
【0012】
実施の形態3.
図4に示すように、過熱識別手段8に、アナログ信号としてのスイッチング素子の温度情報(信号)を制御演算装置3へ伝送する機能を付加してもよい。
即ち、定電流回路18によって温度検出ダイオード19に順方向電流が通電されると、この時の温度検出ダイオード19の順方向電圧vfが過熱識別手段8に入力される。過熱識別手段8では実施の形態1あるいは実施の形態2と同様にスイッチング素子の温度を算出する。続いて、算出したスイッチング素子温度に基づいて、過熱保護を行うためにゲート信号のゲートカットを行うか否かを判定する。過熱識別手段8はゲートカットを行うと判定した場合は、過熱保護手段9にゲートカット指示信号を送る。これとともに、過熱識別手段8は制御演算装置3へスイッチング素子温度の絶対量をアナログ信号として伝達する。制御演算装置3は入力したスイッチング素子の温度情報を用いてパワー素子を構成するスイッチング素子のゲート信号を操作する。ここで、スイッチング素子の温度情報は過熱識別手段8Aの内部にてゲートカットを行うか否かの判定条件に用いるものと同等であることから、スイッチング素子の温度がゲートカットを行うしきい値温度に達する以前にスイッチング素子の発熱が抑制されるようゲート信号を操作すれば、車載用電動機制御装置1が制御動作中、過熱保護のためのゲートカットによって制御動作が中断して車両の挙動に大きな影響を与えてしまうことはない。
ここで、過熱識別手段8から制御演算装置3へ伝送されるスイッチング素子温度情報は、例えば、スイッチング素子の温度の単位時間当たりの変化量,車載用電動機制御装置1が始動してからのスイッチング素子の温度の増減など、あるいはこれらの組合わせであってもよい。
【0013】
実施の形態4.
過熱識別手段8に、過熱保護を実施しているか否かの情報をディジタル信号で制御演算装置3へ伝送する機能を付加してもよい。
即ち、過熱識別手段8は算出したスイッチング素子温度に基づいて、過熱保護を行うためにゲート信号のゲートカットを行うか否かを判定する。過熱識別手段8はゲートカットを行うと判定した場合は、過熱保護手段9にゲートカット指示信号を送るとともに、ディジタル信号として制御演算装置3へ現在過熱保護を実施しているか否かを伝達する。ここで言うディジタル信号は、論理素子のHigh/Lowの2値レベルであっても良いし、2値レベルの時間的な組み合わせによるシリアル通信であってもよい。
続いて、制御演算装置3は入力した現在過熱保護を実施しているか否かの情報に基づいて、過熱保護が解除されるまでの間に車両の挙動の安全性を確保するための所定の動作を行ったり、過熱保護が早期に解除されるよう例えば放熱のためのファン、ブロアの駆動制御を行う。上記所定の動作としては、エンジン車におけるオーバーヒートワーニング表示のように、ランプや音声等によって運転者に警告を発したり、また、ハイブリットカーにて駆動電動機の制御を行うような場合は、過熱保護のために通電電流の制御を行っている間は電動機の出力も抑制されることから、電動機の出力不足を見越したエンジンの出力制御を行うといった動作が考えられる。
ここで、過熱識別手段8Aから制御演算装置3へ伝達される情報は、例えば、過去過熱保護が実施されたか否か、過去過熱保護が一定回数以上実施されたか否か、過熱保護が実施されるしきい値温度よりも所定の値分低い温度まで上昇したか否か、現時点より一定時間後に過熱保護が実施されるか否かなど、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。
【0014】
実施の形態5.
各相のスイッチング素子の発熱状況に応じて過熱保護を実施できる形態を図5に基づいて説明する。ここでは、U,V,Wの各相のアームは、実施の形態1と同様に、温度検出ダイオードがパワー素子と同一基板上に形成されている。尚、V相アーム,W相アームの構成はU相アームの構成と同様であるが、図においてはそれぞれ異なるアルファベットの符号を付してある。
各相の温度検出ダイオード19a,19b,19cは過熱識別手段8にパラレルに接続されており、また、各相の温度検出ダイオード19a,19b,19cには定電流回路18が接続されている。また、各相の温度検出ダイオード19a,19b,19cを過熱識別手段8にパラレルに接続しているのは、温度検出ダイオード19a,19b,19cの順方向電圧Vfu,Vfv,Vfwを検出する場合において、基準電位を1つにでき、入力線が4本ですむようになるからである。但し、順方向電圧Vfu,Vfv,Vfwを検出できるように接続するのであれば接続の仕方は問わない。
【0015】
次に動作を説明する。
過熱識別手段8は各温度検出ダイオード19a,19b,19cの各順方向電圧Vfu,Vfv,Vfwを入力し、続いて、各温度検出ダイオード19a,19b,19cの接合部分温度Tju,Tjv,Tjwの変動を認識する。このとき、各温度検出ダイオード19a,19b,19cがスイッチング素子の近傍に形成されること及び温度検出ダイオード19a,19b,19cの順方向電流ifをダイオード自身が過熱しない低い値に設定することにより、U相温度検出ダイオード19aの接合部分温度TjuをU相スイッチング素子の温度と,V相温度検出ダイオード19bの接合部分温度TjvをV相スイッチング素子の温度と,W相温度検出ダイオード19cの接合部分温度TjwをW相スイッチング素子の温度と読み替えることができる。
【0016】
以上のように、各相のスイッチングアーム毎に、温度検出ダイオードをパワー素子と同一基板上に形成し、温度検出ダイオードに一定の順方向電流を通電し、温度検出ダイオードの順方向電圧を読み取ることで各相のスイッチング素子の温度を精度良く検出することが可能となる。従って、判定の基準となるスイッチング素子温度を各相のスイッチング素子の内で最大の温度とすることにより、各相のスイッチング素子の発熱状況に偏りが見られたとしても最も過熱しているスイッチング素子の温度に応じて的確に過熱保護を実施する事が可能となる。
【0017】
実施の形態6.
尚、図6に示すように、一単位のパワー素子は、半導体基板上でスイッチング素子をなすチップ領域とフリーホイーリングダイオードをなすチップ領域とから構成される。ここで、スイッチング素子は小単位の電流を通電するスイッチング素子が複数個並列された形態となる。従って、スイッチング素子に電流が通電して発熱することを鑑みるとスイッチング素子をなすチップ領域内の温度を検出するのが望ましい。よって、温度検出ダイオードをスイッチング素子のチップ領域にごく近接して、あるいはチップ領域の内部に形成することにより、過熱保護の対象であるスイッチング素子のチップ温度を熱伝導の遅れなく精度良く検出することが可能となる。
【0018】
実施の形態7.
以下、温度監視手段を内蔵した制御演算装置3を組み合わせた車載用電動機制御装置について図7,図8に基づいて説明する。
図7は実施の形態7による車載用電動機制御装置のブロック構成図である。図7において、3は制御演算装置であり、温度監視手段20,電流指令演算手段21,電流制御手段22を備えている。尚、車載用電力変換半導体4の構成は図5と同じである。
図8は上記温度監視手段の内部構成図であり、図において、30は絶対値回路、31a,39,46は1回演算周期前出力器、31bは2回演算周期前出力器31mはm回演算周期前出力器、32は加算器、33はゲイン算出マップ、34は最大値出力器、35,61は最小値出力器、36,42,50,58は定数出力器、38,41は係数器、37,40,43,47,53は減算器、44,45は乗算器、48,54,55は比較器、49,57はゲイン演算出力手段、51,59は時間ゲインテーブル、52,60は論理選択スイッチ、56は論理演算器である。
【0019】
次に動作を説明する。
まず、図5と同様に、各温度検出ダイオード19a,19b,19cに順方向電流ifが通電され、続いて、過熱識別手段8は各温度検出ダイオード19a,19b,19cの順方向電圧Vfu,Vfv,Vfwを入力して各相スイッチング素子の温度Tju,Tjv,Tjwを算出する。このとき、実施の形態2のように、所定の温度,例えば、常温時などスイッチング素子の温度を過熱識別手段8に依らず認識できる温度での各温度検出ダイオード19a,19b,19cの順方向電圧Vfu,Vfv,Vfwを記憶することにより、スイッチング素子の温度を絶対値として精度良く算出することが可能である。過熱識別手段8は算出したTju,Tjv,Tjwに基づいて過熱保護を行うためにゲートカットを行うか否かを判定し、ゲートカットを行うと判定した場合は過熱保護手段9へ信号が伝達される。さらに、過熱識別手段8から各相スイッチング素子温度信号としてスイッチング素子温度Tju,Tjv,Tjwが出力される。
【0020】
次に、電流指令演算手段21から出力される調整前の電流指令I並びにスイッチング素子温度Tju,Tjv,Tjwが温度監視手段20へ入力されると、電流指令上下限制限値LMT(I)が電流演算指令手段21に出力される。
具体的には、図8に示すように、スイッチング素子温度Tju,Tjv,Tjwが最大値出力器34に入力されるとTju,Tjv,Tjwの内の最大値Tjmaxが選択されて出力される。そして、減算器37は、定数出力器36より出力された定数Tmax_Tjから最大値Tjmaxを減じて温度余裕Tjmarginを出力する。ここで定数Tmax_Tjはスイッチング素子が過熱破損する温度相当の値が設定されている。続いて係数器38でTjmarginがKa倍されて電動機2に通電すべき電流の上下限値相当の値を出力する。つまり、温度余裕Tjmarginに応じて通電電流が制限される仕組みであり、ゲインKaは通電電流量に対するスイッチング素子の温度上昇度合い、放熱性能などによって定められる。
また、温度余裕Tjmarginは1回演算周期前出力器39に入力されて演算周期1回前の温度余裕Tjmargin(n−1)が出力される。ここで、演算周期は、時間の経過を離散的に取り扱うものであり、周期をΔtで表す。また、現在周期の温度余裕はTjmargin(n)、m回演算周期前の温度余裕はTjmargin(n−m)という具合に表現する。次に減算器40では、現在周期の温度余裕Tjmargin(n)から1回前周期の温度余裕Tjmargin(n−1)が減じられ、周期Δt当たりの温度余裕変化率(Tjmargin(n)−Tjmargin(n−1))/Δt=ΔTjmargin/Δtが出力される。続いて係数器41に変化率(ΔTjmargin/Δt)が入力され、ゲインKbが乗じられる。減算器43では、定数出力器42の出力から係数器41の出力が減じられて、1.0−Kb×(ΔTjmargin/Δt)が出力される。続いて、乗算器44により係数器38の出力と減算器43の出力とが乗算される。ここで、1.0−Kb×(ΔTjmargin/Δt)を乗算することは、電動機2に通電すべき電流の上下下限値相当の値(Kb×Tjmargin)を周期Δt当たりの温度余裕変化率(ΔTjmargin/Δt)に応じて調整することに相当している。即ち、温度余裕の減少度合いが大きいならば電流の上下限制限値を小さく設定し、逆に温度余裕の増加度合いが大きいならば電流の上下限制限値を大きく設定する。
【0021】
一方、電流指令演算手段21から出力される調整前電流指令Iがフィードバックされて絶対値回路30に入力され、調整前電流指令Iの絶対値|I|が出力される。|I|を各演算周期前出力器31a〜31mに入力すると、それぞれ|I|(n−1),|I|(n−2),………|I|(n−m)が出力される。続いて、|I|(n−1),|I|(n−2),………|I|(n−m)並びに|I|(n)を加算器32に入力して総和Σ|I|を得た後、ゲイン算出マップ33に入力すると総和Σ|I|に応じた調整ゲイン量が出力される。乗算器45では、乗算器44の出力とゲイン算出マップからの出力とが掛け合わされて出力される。即ち、過去m×Δtの期間の調整前電流指令Iの絶対値の総和Σ|I|の量に応じて電動機2に通電すべき電流の上下限制限値を調整することに相当する。ゲイン算出マップ33は通電電流量に対する放熱性能などによって定められる。
【0022】
また、スイッチング素子温度Tju,Tjv,Tjwが最小値出力器35に入力され、Tju,Tjv,Tjwの内の最小値Tjminが出力される。つづいて、減算器53により、最大値出力器34の出力Tjmaxと最小値出力器35の出力Tjminとの差,即ち、各相スイッチング素子の最高温度と最小温度の差(Tjmax−Tjmin)が出力される。次に減算器53の出力を比較器54に入力すると(Tjmax−Tjmin)と定数Taの大小が判定され、(Tjmax−Tjmin)>Taの場合は論理1が出力され、(Tjmax−Tjmin)≦Taの場合は論理0が出力される。また、最小値出力器35の出力Tjminが比較器55に出力されて、定数Tbと比較され、Tb>Tjminの場合は論理1が出力され、Tb≦Tjminの場合は論理0が出力される。次にOR論理演算器56による論理演算により1か0が出力される。
OR論理演算器56の出力がゲイン演算手段57に入力されて、電動機2に通電すべき電流の上下限制限値相当の値が出力される。ここで、ゲイン演算手段57は定数出力器58,時間ゲインテーブル59,及び論理選択スイッチ60とから構成されている。ゲイン演算手段57は、入力する論理が0の場合には定数出力器58の値Gaを出力し、入力する論理が1の場合には時間ゲインテーブル59の値Gb(t)を出力するものである。時間ゲインテーブル59の詳細を図9に示す。図9中、横軸はイベント発生時刻からの時間t、縦軸はゲイン出力値を表す。即ち、ゲイン演算手段への入力論理が0から1に切り替わった時刻をイベント発生時刻として、これ以降の経過時間に対応したゲイン出力値Gbを出力していく。図9中のゲインGbは、イベント発生直後の値がGaであり、徐々に減少していってやがて0になる。これはすなわち、温度検出ダイオード19a〜19cから過熱識別手段8を経て温度監視手段20へ至る信号伝達の間に、ダイオードの破損,信号線の断線などの何らかの故障が発生した場合に、各相のスイッチング素子間の温度差(Tjmax−Tjmin)が急に大きくなったことや最低温度Tjminが急低下したことを検知し、これに対応して制御の連続性を損なうことなく電動機2の動作を時間的に緩やかに制限していくことになる。
【0023】
また、減算器40の出力である温度余裕変化率(ΔTjmargin/Δt)を1回演算周期前出力器46に入力すると1回前周期の温度余裕変化率(ΔTjmargin/Δt(n−1))が出力される。続いて、減算器47にて現在周期の温度余裕変化率(ΔTjmargin/Δt(n))から1回前周期の温度余裕変化率(ΔTjmargin/Δt(n−1))が減じられ、周期Δt当たりの温度余裕変化率の変動成分が出力される。次に比較器48にて、減算器47の出力である温度余裕変化率の変動成分と定数Daの大小が比較され、(温度余裕変化率の変動成分)>定数Daの場合は論理1が出力され、(温度余裕変化率の変動成分)≦定数Daの場合は論理0が出力される。
比較器48の出力がゲイン演算手段57に入力されて、電動機2に通電すべき電流の上下限制限値相当の値が出力される。ここで、ゲイン演算手段49は、定数出力器50,時間ゲインテーブル51,及び論理選択スイッチ52とから構成されている。ゲイン演算手段49は、入力する論理が0の場合には定数出力器50の値Gcを出力し、入力する論理が1の場合には時間ゲインテーブル51の値Gd(t)を出力するものである。時間ゲインテーブル51の詳細は図9と同様である。即ち、ゲイン演算手段への入力論理が0から1に切り替わった時刻をイベント発生時刻として、これ以降の経過時間に対応したゲイン出力値Gdを出力していく。ゲインGbは、イベント発生直後の値がGcであり、徐々に減少していってやがて0になる。これはすなわち、温度検出ダイオード19a〜19cから過熱識別手段8を経て温度監視手段20へ至る信号伝達の間に、ダイオードの破損,信号線の断線などの何らかの故障が発生した場合に、各相のスイッチング素子の最高温度差が急に大きくなったことを検知し、これに対応して制御の連続性を損なうことなく電動機2の動作を時間的に緩やかに制限していくことになる。
【0024】
次に、最小値出力器61は、乗算器45,ゲイン演算手段49,57の出力を入力して、その内の最小値を電流指令上下限制限値LMT(I)として出力する。
【0025】
電流指令演算手段21は、温度監視手段20から出力されてくる電流指令上下限制限値LMT(I)を入力して、調整前電流指令Iの絶対値の上下限をLMT(I)に制限し、これを調整後の電流指令I**として電流制御手段22に出力する。
電流制御手段22は、電動機2の通電電流が電流指令I**どおりになるように各スイッチング素子のゲート信号を生成して出力する。尚、電流指令演算手段21での電流指令の演算方法、及び電流制御手段22での電流制御方法、ゲート信号生成方法は公知の様々な手法が存在するので、ここでは詳述しない。
【0026】
以上のように、実施の形態7によれば、スイッチング素子の温度と電動機への電流指令値とを時系列的に監視する構成としたので、スイッチング素子の温度上昇度合いに応じた適切な過熱防止が可能となり、さらに、温度検出ダイオードの損傷,温度情報信号の断線などを検知して、これに応じて電動機の動作を緩やかに変化させることで、制御の連続性を損なうことなく車両の挙動に影響を与えずにすむという効果がある。
【0027】
実施の形態8
実施の形態7の態様に加えて、電動機の過熱防止機能を備えたものとしてもよい。すなわち、本実施の形態8の温度監視手段は、図10に示すように、電動機温度センサ70からの電動機温度信号も入力するものである。
温度監視手段20は、図8の構成に加えて、図11に示すように、電動機2の温度情報を入力して処理する構成を備えている。
【0028】
次に動作を説明する。
尚、図8と同じ部分の動作は同じなので省略する。
電動機温度センサ70より電動機2の温度Tmtが検出され、温度監視手段20に入力されると、減算器72において、定数出力器71からの定数Tmax_MTから上記Tmtが減じられて電動機温度余裕Tmtmarginが出力される。ここで、定数Tmax_MTは電動機2が過熱損傷する温度相当の値に設定される。続いて電動機温度余裕Tmtmarginは係数器73によりゲインKcが乗じられて電動機2に通電すべき電流の上下限制限値相当の値として出力される。つまり、電動機温度余裕Tmtmarginの値に応じて通電電流が制限される仕組みであり、ゲインKcは通電電流量に対する電動機2の温度上昇度合い、放熱性能などによって定められる。また、加算器32が出力する、|I|(n−1),|I|(n−2),………|I|(n−m)並びに|I|(n)の総和Σ|I|がゲイン算出マップ74に入力されると総和Σ|I|の量に応じた調整ゲイン量が出力される。ここで、調整ゲイン量は総和Σ|I|が小さい場合は0あるいはごく小さい値に設定され、総和Σ|I|が大きくなると増加するように設定される。さらに、定数出力器75からは定数1.0が出力される。減算器76では、定数1.0からゲイン算出マップ74の出力が減じられて出力される。ここで、{1.0−(ゲイン算出マップ74の出力)}を乗算することは、電動機温度余裕に関連した電動機2に通電すべき電流の上下限相当の値Tmtmargin×Kcを、過去m×Δtの期間の調整前電流指令Iの絶対値の総和Σ|I|の量に応じて調整することに相当している。すなわち、総和Σ|I|の量が大きくなるにつれ電流の上下制限値を小さく設定する。
【0029】
次に、最小値出力器61は、乗算器77,45,ゲイン演算手段49,57の出力を入力して、その内の最小値を電流指令上下限制限値LMT(I)として出力する。電流指令演算手段21は、温度監視手段20から出力されてくる電流指令上下限制限値LMT(I)を入力して、調整前電流指令Iの絶対値の上下限をLMT(I)に制限し、これを調整後の電流指令I**として電流制御手段22に出力する。
電流制御手段22は、電動機2の通電電流が電流指令I**どおりになるように各スイッチング素子のゲート信号を生成して出力する。
【0030】
以上により、スイッチング素子の過熱防止とともに、電動機の過熱防止も可能となる。
【0031】
実施の形態9
温度検出ダイオードの順方向電圧に基づいて温度を検出する構成に加え、スイッチング素子として使用しているバイポーラトランジスタのコレクタ−エミッタ間電圧を検出して、スイッチング素子に通電する電流値を算出する手段を備えた構成としてもよい。
この実施の形態9を図12,図13に基づいて説明する。
図12において、80はスイッチング素子のコレクタ−エミッタ間電圧を検出するVce電圧検出手段、81はVce電圧検出手段80で検出されたコレクタ−エミッタ間電圧に基づいてスイッチング素子に通電する電流値を算出する通電電流値演算手段である。
【0032】
次に本実施の形態9のスイッチング素子通電電流検出の動作原理を説明する。
図13はスイッチング素子のコレクタ電流Icとコレクタ−エミッタ間飽和電圧Vce(sat)の特性を示す。ここで、スイッチング素子のゲートGには、スイッチング素子を飽和領域で使用するに十分な大きさの電圧が印加される。スイッチング素子がONしてコレクタ電流Icが通電するとスイッチング素子のコレクタC−エミッタE間に電圧Vce(sat)が発生する。この時の、コレクタ電流Icの量に対するコレクタ−エミッタ間飽和電圧Vce(sat)の量の特性は、スイッチング素子の接合部分温度Tjsw及びゲートGに印加する電圧に依存して変化するが、スイッチング素子により固有に定まる。従って、ゲートGに印加する電圧と接合部分温度Tjswが既知であれば、この特性によりコレクタ−エミッタ間飽和電圧Vce(sat)から、コレクタ電流Ic,つまりスイッチング素子に通電する電流値を検出することが可能となる。
【0033】
次に動作を説明する。
Vce電圧検出手段80により、スイッチング素子のコレクタ−エミッタ間電圧値が検出され、コレクタ−エミッタ間電圧信号として通電電流値演算手段81に出力される。また、定電流回路18により温度検出ダイオード19aには一定の順方向電流ifが供給され、過熱識別手段8に温度検出ダイオード19aの順方向電圧vfが入力される。過熱識別手段8は順方向電圧vfに基づいてスイッチング素子温度信号Tjを通電電流値演算手段81に出力する。通電電流値演算手段81は、コレクタ−エミッタ間電圧信号とスイッチング素子温度信号Tjとを入力すると、図13のようなコレクタ電流Icとコレクタ−エミッタ間飽和電圧Vce(sat)の特性に基づいて、スイッチング素子に通電する電流(コレクタ電流Ic相当)を算出する。尚、通電電流値演算手段81には、図13のようなコレクタ電流Icとコレクタ−エミッタ間飽和電圧Vce(sat)の特性を、スイッチング素子温度Tjへの依存性も含めて近似式あるいは参照テーブルマップといったような形式で記憶させておけばよい。
【0034】
以上によれば、スイッチング素子に通電する電流値を速い応答性にて精度良く算出することが可能となる。
【0035】
尚、実施の形態9においては、スイッチング素子としてFETを用い、このFETのドレイン電圧(出力端子電圧)を検出する電圧検出手段を設けて、スイッチング素子に通電する電流値を算出する手段を備えた構成としてもよい。
また、実施の形態9の図12においては、過熱保護手段9を備えていないが、過熱保護手段9を設ければ、過熱防止を行えることは言うまでもない。
【0036】
また、各実施の形態において、温度検出用ダイオードの代わりに、トランジスタのPN接合を用いるようにしてもよい。要は、PN接合を含む含む半導体素子をスイッチング素子の近傍に設けるようにすればよい。
また、各実施の形態において、スイッチング素子としてFETを用いてもよい。この場合は、制御対象はソース及びソース電圧となる。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、スイッチング素子の近傍にPN接合を含む半導体素子を配置するとともに、各相毎のスイッチング素子の近傍に配置された各々の半導体素子に一定電流を流す定電流回路を接続するように構成して、上記一定電流の値が上記半導体素子自身を過熱させないような低い値に設定され、かつ、上記半導体素子のPN接合間の順方向電圧値を検出することで上記スイッチング素子の温度を認識し、この認識したスイッチング素子の温度に基づいて上記スイッチング素子が過熱状態であると判定した場合に上記スイッチング素子をオフ状態に設定する過熱防止手段を備えるので、電力変換半導体のパワー素子を構成するスイッチング素子の温度を速い応答性にて精度良く検出でき、スイッチング素子の過熱を適切に防止できるとともに、上記半導体素子の損傷や配線断線などの故障の場合に応じて電動機の動作を緩やかに変化させるために上記電流指令値を制限する監視手段を有する制御演算装置を備えるので、上記効果に加え、制御の連続性を損なわない電動機制御装置が得られる。
また、電動機の温度も加味して、さらに、電動機についても適切な過熱防止を行える電動機制御装置が得られる
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による電動機制御装置の構成図である。
【図2】 実施の形態1を説明するための図である。
【図3】 実施の形態2を説明するための図である。
【図4】 実施の形態3,4による電動機制御装置の構成図である。
【図5】 実施の形態5による電動機制御装置の構成図である。
【図6】 実施の形態6で使用するパワー素子の一例を示す図である。
【図7】 実施の形態7による電動機制御装置の構成図である。
【図8】 実施の形態7の温度監視手段の内部構成図である。
【図9】 実施の形態7の温度監視手段内の時間ゲインテーブルを示す図である。
【図10】 実施の形態8による電動機制御装置の構成図である。
【図11】 実施の形態8の温度監視手段の内部構成図である。
【図12】 実施の形態9による電動機制御装置の構成図である。
【図13】 実施の形態9の動作原理を説明するための図である。
【図14】 第一の従来例としての電動機制御装置を示す構成図である。
【図15】 第二の従来例としての車載用電動機制御装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1 電動機制御装置、2 電動機、3 制御演算装置、4 電力変換半導体、5a〜5f スイッチング素子、8 過熱識別手段、9 過熱保護手段、
18 定電流回路、19a〜19c 温度検出ダイオード、20 温度監視手段、21電流指令演算手段、22 電流制御手段、70 電動機温度センサ、
80 Vce電圧検出手段、81 通電電流値演算手段。

Claims (9)

  1. 高電位側のスイッチング素子と低電位側のスイッチング素子とを直列接続したスイッチングアームを複数相、直流電力入力に並列接続し、上記各スイッチングアームの各スイッチング素子間より交流電力を交流電動機に供給するように構成するとともに、制御演算装置を具備し、この制御演算装置により上記各スイッチング素子のスイッチングを制御して上記電動機の通電電流を制御するようにした電動機制御装置において、
    各相毎の上記スイッチング素子の近傍にPN接合を含む半導体素子を配置するとともに、各相毎のスイッチング素子の近傍に配置された各々の半導体素子に一定電流を流す定電流回路を接続するように構成して、上記一定電流の値が上記半導体素子自身を過熱させないような低い値に設定され、
    かつ、上記半導体素子のPN接合間の順方向電圧値を検出することで上記スイッチング素子の温度を認識し、この認識したスイッチング素子の温度に基づいて上記スイッチング素子が過熱状態であると判定した場合に上記スイッチング素子をオフ状態に設定する過熱防止手段を備え
    さらに、上記制御演算装置は、調整前の電流指令値の絶対値の上下限値を制限する電流指令上下限制限値を算出して出力する監視手段と、上記電流指令上下限制限値に基いて調整後の電流指令値を演算する電流指令値演算手段と、上記調整後の電流指令値に基いて上記電動機に通電する電流を制御する電流制御手段とを備え、
    上記監視手段は、上記電流指令値演算手段から出力される調整前の電流指令値と過熱識別手段から出力される各相のスイッチング素子温度とを入力して複数のゲインを算出するゲイン算出手段と、上記電流指令上下限制限値を出力する出力手段とを備え、
    上記ゲイン算出手段が、調整前の電流指令値と温度余裕と温度余裕変化率とを用いて第1ゲインを算出する第1ゲイン算出手段と、温度余裕変化率の変動成分を用いて第2ゲインを算出する第2ゲイン算出手段と、各相のスイッチング素子温度を用いて第3ゲインを算出する第3ゲイン算出手段とを備え、
    上記第1ゲイン算出手段が、第1の定数と各相のスイッチング素子温度のうちの最大値との差である温度余裕を一定の演算周期毎に求めて、演算周期当たりの温度余裕変化率を求め、演算周期当たりの温度余裕変化率に第1の調整ゲインを乗じた第1の値と第2の定数との差を求めて、この差と上記温度余裕に第2の調整ゲインを乗じた第2の値とを乗算して第3の値を算出し、かつ、演算周期毎に入力される複数の調整前の電流指令値の絶対値の総和が所定値以上になった場合に徐々に小さくなる第3の調整ゲインを算出して、この第3の調整ゲインと第3の値とを乗算することによって第1ゲインを算出し、
    第2ゲイン算出手段が、現在の温度余裕変化率と前回の温度余裕変化率との差である周期当たりの温度余裕変化率の変動成分を算出し、この変動成分と第3の定数とを比較して、変動成分が当該第3の定数よりも大きい場合には、時間の経過に対応して徐々に減少する第2ゲインを算出し、
    第3ゲイン算出手段が、各相のスイッチング素子温度のうちの最大値と最小値との差を求め、この差が第4の定数よりも大きい場合、又は、当該最小値が第5の定数よりも小さい場合には、時間の経過に対応して徐々に減少する第3ゲインを算出し、
    出力手段が、第1ゲイン乃至第3ゲインのうちの最小値を上記電流指令上下限制限値として出力したことを特徴とする電動機制御装置。
  2. 高電位側のスイッチング素子と低電位側のスイッチング素子とを直列接続したスイッチングアームを複数相、直流電力入力に並列接続し、上記各スイッチングアームの各スイッチング素子間より交流電力を交流電動機に供給するように構成するとともに、制御演算装置を具備し、この制御演算装置により上記各スイッチング素子のスイッチングを制御して上記電動機の通電電流を制御するようにした電動機制御装置において、
    各相毎の上記スイッチング素子の近傍にPN接合を含む半導体素子を配置するとともに、各相毎のスイッチング素子の近傍に配置された各々の半導体素子に一定電流を流す定電流回路を接続するように構成して、上記一定電流の値が上記半導体素子自身を過熱させないような低い値に設定され、
    かつ、上記半導体素子のPN接合間の順方向電圧値を検出することで上記スイッチング素子の温度を認識し、この認識したスイッチング素子の温度に基づいて上記スイッチング素子が過熱状態であると判定した場合に上記スイッチング素子をオフ状態に設定する過熱防止手段を備え、
    さらに、上記制御演算装置は、調整前の電流指令値の絶対値の上下限値を制限する電流指令上下限制限値を算出して出力する監視手段と、上記電流指令上下限制限値に基いて調整後の電流指令値を演算する電流指令値演算手段と、上記調整後の電流指令値に基いて上記電動機に通電する電流を制御する電流制御手段とを備え、
    上記監視手段は、電動機温度信号と上記電流指令値演算手段から出力される調整前の電流指令値と過熱識別手段から出力される各相のスイッチング素子温度とを入力して複数のゲインを算出するゲイン算出手段と、上記電流指令上下限制限値を出力する出力手段とを備え、
    上記ゲイン算出手段が、調整前の電流指令値と温度余裕と温度余裕変化率とを用いて第1ゲインを算出する第1ゲイン算出手段と、温度余裕変化率の変動成分を用いて第2ゲインを算出する第2ゲイン算出手段と、各相のスイッチング素子温度を用いて第3ゲインを算出する第3ゲイン算出手段と、電動機温度信号を用いて第4ゲインを算出する第4ゲイン算出手段とを備え、
    上記第1ゲイン算出手段が、第1の定数と各相のスイッチング素子温度のうちの最大値との差である温度余裕を一定の演算周期毎に求めて、演算周期当たりの温度余裕変化率を求め、演算周期当たりの温度余裕変化率に第1の調整ゲインを乗じた第1の値と第2の定数との差を求めて、この差と上記温度余裕に第2の調整ゲインを乗じた第2の値とを乗算して第3の値を算出し、かつ、演算周期毎に入力される複数の調整前の電流指令値の絶対値の総和が所定値以上になった場合に徐々に小さくなる第3の調整ゲインを算出して、この第3の調整ゲインと第3の値とを乗算することによって第1ゲインを算出し、
    第2ゲイン算出手段が、現在の温度余裕変化率と前回の温度余裕変化率との差である周期当たりの温度余裕変化率の変動成分を算出し、この変動成分と第3の定数とを比較して、変動成分が当該第3の定数よりも大きい場合には、時間の経過に対応して徐々に減少する第2ゲインを算出し、
    第3ゲイン算出手段が、各相のスイッチング素子温度のうちの最大値と最小値との差を求め、この差が第4の定数よりも大きい場合、又は、当該最小値が第5の定数よりも小さい場合には、時間の経過に対応して徐々に減少する第3ゲインを算出し、
    第4ゲイン算出手段が、第6の定数と電動機温度信号との差である電動機温度余裕を求めて、この電動機温度余裕に第4の調整ゲインを乗じた第4の値を算出し、かつ、上記演算周期毎に入力される複数の調整前の電流指令の絶対値の総和が所定値以上になった場合に徐々に大きくなる第5の調整ゲインを算出して、この第5の調整ゲインと第7の定数との差を求めて、この差と第4の値とを乗算することによって第4ゲインを算出し、
    出力手段が、第1ゲイン乃至第4ゲインのうちの最小値を上記電流指令上下限制限値として出力したことを特徴とする電動機制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電動機制御装置において、
    上記過熱防止手段に、所定温度での上記半導体素子の順方向電圧値を予め記憶しておき、上記スイッチング素子の温度が変化した場合の変動を絶対量として認識させるようにしたことを特徴とする電動機制御装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の電動機制御装置において、
    上記過熱防止手段は、上記スイッチング素子の温度を上記制御演算装置にアナログ信号で伝えるようにしたことを特徴とする電動機制御装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載の電動機制御装置において、
    上記過熱防止手段は、上記スイッチング素子の過熱防止を現在実施しているか否かの情報を上記制御演算装置にディジタル信号で出力するようにしたことを特徴とする電動機制御装置。
  6. 請求項1または請求項2に記載の電動機制御装置において、
    上記過熱防止手段は、上記各相のスイッチング素子のうち最も温度の高いものを認識し、この最も高い温度に基づいて判定を行うことを特徴とする電動機制御装置。
  7. 請求項1または請求項2に記載の電動機制御装置において、
    上記スイッチング素子が形成されたチップ領域内、あるいはこのチップ領域のごく近傍に上記半導体素子を配置したことを特徴とする電動機制御装置。
  8. 請求項1または請求項2に記載の電動機制御装置において、
    上記半導体素子として温度検出ダイオードを用いたことを特徴とする電動機制御装置。
  9. 請求項1または請求項2に記載の電動機制御装置において、
    上記スイッチング素子としてのバイポーラトランジスタを用い、上記電圧検出手段は、上記バイポーラトランジスタのコレクタ−エミッタ間電圧値を検出することを特徴とする電動機制御装置。
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