JP4529666B2 - 負荷駆動装置及び負荷駆動制御方法 - Google Patents
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Description
駆動回路7は、与えられた駆動指令信号に応じて、FET4のゲートに駆動信号を出力する。すると、FET4は、そのゲート駆動信号のレベルに応じてモータ3に対する印加電圧を制御する(リニア駆動)。電圧モニタ8は、FET4のドレイン電圧VM(−)をモニタして駆動回路7にモニタ信号を出力している。そして、駆動回路7は、ドレイン電圧VM(−)を参照しながらモータ3に対する印加電圧が狙い値になるようにフィードバック制御する。
ところが、上記構成によって過電流に対する保護を図る場合、例えばモータ3の巻線がショートした場合には、電流制限を行っている期間内でも消費電力が大きくなるため、FET4の定格を超えてしまう場合があった。
即ち、負荷に短絡が発生したような場合には印加電圧レベルが大きく低下するので、印加電圧をモニタすれば短絡のような異常の発生を判定することができる。そして、そのような異常が発生した場合には、通電電流量が第2制限レベル以下となるように制限することで過電流発生時の消費電力を更に低減し、半導体素子を確実に保護することが可能となる。
請求項4記載の負荷駆動装置によれば、電流制限手段は、検出電流がしきい値を超える状態が所定時間継続すると負荷に対する通電を停止させるので、過電流発生状態が短時間内に解消されない場合でも、半導体素子を確実に保護することができる。
しかし、凍結によるロックは、モータのトルクを加えれば解除されることも十分に期待されるため、モータの駆動ロック状態が検出されたことを以って直ちに停止することは望ましくない。そこで、車両に搭載されるファンモータに本発明を適用すれば、モータがロックした場合でも、許容される通電状態をできる限り維持しつつ半導体素子の保護を図るのに好適である。
以下、本発明を、車両に搭載されるファンモータを負荷として駆動する駆動装置に適用した場合の第1実施例について図1乃至図4を参照して説明する。尚、図14と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。本実施例の負荷駆動装置12は、図14に示す負荷駆動装置11に対して、電圧モニタ(電圧検出手段)8のモニタ信号を、保護機能部(電流制限手段)13に与えるようにしたものである。そして、保護機能部13は、これらの電圧モニタ8,電流モニタ9によって出力される電圧,電流モニタ信号に基づいて保護動作を行なうように構成されている。
また、保護機能部13は、過電流を検出した時点から内部のタイマ(図示せず)によって計時を開始し、前記検出状態が所定時間継続した場合には、FET4をOFFしてモータ3に対する通電を停止させる(ケース2)。尚、以上の制御に関しては、従来より行っていた保護動作と同様である。
即ち、負荷印加電圧が0V付近に低下した場合には、モータ3の巻線がショートしたか、又は、モータ3の電源側配線が「噛み込み」などによりボディアースに落ちたような場合(後述するハイサイド駆動の場合)が想定されるので、そのような場合には、電流制限値を単なる過電流検出のケースよりも更に低く設定することで、FET4を確実に保護するようにしている。
従って、モータ3の巻線がショートした場合の消費電力を低減して、FET4を確実に保護することが可能となる。そして、保護機能部13は、過電流の検出状態が所定時間継続するとモータ3に対する通電を停止させるので、過電流の発生状態が短時間内に解消されない場合であっても、FET4を確実に保護することができる。
図5は本発明の第2実施例であり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。第2実施例の負荷駆動装置14は、本発明をハイサイドリニア駆動方式に適用した場合を示すものである。即ち、ヒューズ2を介したバッテリ1の正側端子とグランドとの間には、電流検出抵抗5,FET4及びモータ3の直列回路が接続されている。
そして、電圧モニタ9は、FET4のソース側、即ち、モータ3の電源側端子電圧VM(+)を検出するようになっており、駆動回路(通電制御手段)15は、FET4のゲートに駆動信号を出力する。この場合、駆動回路15は、FET4をハイサイドで駆動するため図示しない昇圧回路を内蔵しており、その昇圧電圧をFET4のゲートに印加するように構成されている。
以上のように構成された第2実施例によれば、モータ3をハイサイドリニア駆動する構成についても、第1実施例と同様の効果が得られる。
図6及び図7は本発明の第3実施例であり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。第3実施例の負荷駆動装置16は、本発明をロウサイドパルス(PWM)駆動方式に適用した場合を示すものである。即ち、モータ3には、フライホイールダイオード17が並列に接続されており、駆動回路(通電制御手段)18は、入力信号処理部6を介して与えられる制御信号に応じたデューティのPWM信号を生成してFET4に出力し、FET4は、そのPWM信号に応じてスイッチングを行う。
以上のように構成された第3実施例によれば、モータ3をロウサイドパルス駆動する構成についても、第1実施例と同様の効果が得られる。
図8は本発明の第4実施例であり、第2,第3実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。第4実施例の負荷駆動装置19は、本発明をハイサイドパルス駆動方式に適用した場合を示すものである。即ち、モータ3には、フライホイールダイオード17が並列に接続されており、駆動回路(通電制御手段)20は、入力信号処理部6を介して与えられる制御信号に応じたデューティのPWM信号を生成してFET4に出力し、FET4は、そのPWM信号に応じてスイッチング動作する。
以上のように構成された第4実施例によれば、モータ3をハイサイドパルス駆動する構成についても、第1,第2実施例と同様の効果が得られる。
図9乃至図11は本発明の第5実施例を示すものである。第5実施例は、例えば第1実施例における保護機能部13の内部構成をより詳細に示したものである。図11は、参考のため、図14に示す従来技術に対応した構成を示す。即ち、駆動回路7,保護機能部10は、内部に夫々オペアンプ7a,コンパレータ10aを備えており、オペアンプ7aの反転入力端子には、入力信号処理部6によって出力されるF/V変換されたレベル信号(VMの狙い値)即ち駆動指令信号が直接与えられており、コンパレータ10aの反転入力端子には、駆動指令信号が分圧抵抗10b及び10cにより分圧されて与えられている。
また、オペアンプ7aの非反転入力端子には電圧モニタ8の出力信号が与えられており、出力端子はFET4のゲートに接続されている。即ち、オペアンプ7aは、入力信号処理部6からのレベル信号と、電圧モニタ8の出力信号との差に応じたゲート電圧をFET4のゲートに出力する。
尚、トランジスタ7bの作用により通電が停止されると、電流モニタ9によって検出される抵抗5の端子電圧は低下してコンパレータ10aの出力レベルはロウに戻る。従って、過電流状態がある期間継続する場合はトランジスタ7bはオンオフを繰り返すことになり、その結果として所定の電流制限レベルが定まるようになる。
コンパレータ13cの反転入力端子には、電圧モニタ8の出力電圧を分圧する抵抗13j及び13kの分圧点が接続されており、非反転入力端子には電流モニタ9の出力電圧が与えられている。即ち、コンパレータ13cは、これらの入力に基づいて過電流判定(負荷異常判定)を行う。一方、コンパレータ13dの反転入力端子には、電圧モニタ8の出力電圧が直接与えられており、非反転入力端子には一定の負荷ショート判定電圧が与えられている。即ち、コンパレータ13dは、これらの入力に基づいて負荷ショート判定を行う。そして、コンパレータ13c,13dの出力端子は、ANDゲート13lの入力端子に夫々接続されており、ANDゲート13lの出力端子は、NPNトランジスタ13mのベースに接続されている。トランジスタ13mのコレクタは、駆動指令信号線(F/V)に接続されており、エミッタはグランドに接続されている。
そして、コンパレータ13cが過電流を検出すると共にコンパレータ13dが負荷ショートを検出した場合は、ANDゲート13lがハイレベルを出力してトランジスタ13mをオンさせる。すると、コンパレータ13a側のしきい値はグランドレベルに低下するため、コンパレータ13a側の出力は常にハイレベルとなり、コンパレータ13b側の一定のしきい値が有効となる。その結果、図2に示すような電流制限動作が行なわれる。
図12は本発明の第6実施例を示すものである。第6実施例の負荷駆動装置21は、例えば第1実施例における保護機能部13を保護機能部(電流検出手段)22に置き換えたものであり、図12は、保護機能部22の内部構成の一部分を示す。即ち、上記第1乃至第5実施例では、何れも過電流を検出すると共に、負荷に対する印加電圧がしきい値電圧以下になると通電電流量を第2制限レベル以下に制限している。
しかしながら、斯様な構成の場合、電流や電圧のしきい値を設定するに当たっては、大電流が流れることで配線抵抗による電圧降下分などを考慮する必要がある。そのため、異常発生時においてFET4に生じる消費電力の制御が難しく、しきい値に与えるマージンの設定が困難であるという問題がある。また、システム毎にしきい値の設定が必要となり、製品のバリエーションが増加するという問題もある。
RM=VM/IM
である。そして、
V1=VM・R2/(R1+R2),V2=RL・IM
であるから、電圧V1,V2が等しくなる場合は、
VM・R2/(R1+R2)=RL・IM
RM=VM/IM=RL・(R1+R2)/R2
として、負荷抵抗値RMが求められる。
従って、判定対象とする負荷抵抗値RMに対して、抵抗値R1,R2を上式の関係に設定すれば、モータ3の負荷抵抗値RMに基づく検出を行なうことができる。即ち、V2>V1となった場合は、負荷抵抗値RMが低下したことを意味するので、コンパレータ25の出力信号によってモータ3の異常を検出することができる。そして、この異常は第1実施例における通電電流の第2制限レベルに対応する。
そして、保護機能部22を、具体的には、電流検出抵抗5に負荷電流が流れた場合の端子電圧と、電圧モニタ8によって検出される電圧VMを抵抗分圧した電位とをコンパレータ25によって比較し、前者が後者を上回った場合に第2制限レベルによる電流制限動作を行う構成としたので、抵抗しきい値を、電流検出抵抗5並びに分圧抵抗23,24の抵抗比によって簡単に設定することができる。
図13は本発明の第7実施例を示すものである。第7実施例は、第6実施例と同様の構成を、第2実施例のハイサイド駆動方式に適用した場合である。この場合も、第6実施例と全く同様に異常検出動作を行なうことができる。
過電流検出状態が所定時間継続した場合に、モータ3の駆動を停止する制御については、必要に応じて実施すれば良い。
ハイサイド駆動を行う場合は、PチャネルMOSFETを用いても良い。
パルス駆動方式の場合は、FETのON電圧{(ON抵抗)×(負荷電流)}を利用して電流検出を行っても良い。
半導体素子は、MOSFETに限ることなく、バイポーラトランジスタやIGBTであっても良い。
負荷はDCモータ3に限ることなく、半導体素子により通電が行われて駆動されるものであれば適用が可能である。
第6,第7実施例における負荷抵抗値RMを検出して負荷電流を第2制限レベルにする構成を、異なる抵抗しきい値を設定したコンパレータをもう1つ設けることで、第1制限レベルをかける構成にも適用して良い。また、第6,第7実施例のコンパレータ25のみによって電流制限動作を行っても良い。
車載用に限ることなく、半導体素子を過電流より保護する必要があるものであれば、広く適用することができる。
Claims (10)
- 負荷に対して直列に接続される半導体素子を制御することで、前記負荷に通電を行う通電制御手段と、
前記負荷に流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記負荷に対して印加される電圧を検出する電圧検出手段と、
前記電流検出手段によって検出される電流がしきい値を超えると前記負荷に流れる電流が第1制限レベル以下となるように制限し、前記検出電流がしきい値を超えると共に前記電圧検出手段によって検出される電圧がしきい値を下回ると、前記負荷に流れる電流が、前記第1制限レベルよりも低く設定される第2制限レベル以下となるように電流制限を行う電流制限手段とを備えることを特徴とする負荷駆動装置。 - 前記電流制限手段は、前記電流検出手段によって検出される電流と前記電圧検出手段によって検出される電圧とに基づいて得られる前記負荷の抵抗値がしきい値を下回ると、前記負荷に流れる電流が前記第2制限レベル以下となるように制限することを特徴とする請求項1記載の負荷駆動装置。
- 前記電流検出手段は、検出抵抗に前記負荷電流が流れた場合の端子電圧を検出するように構成され、
前記電流制限手段は、前記端子電圧と、前記電圧検出手段によって検出される電圧を抵抗分圧した電位とを比較し、前者が後者を上回った場合に前記第2制限レベルによる電流制限動作を行うように構成されていることを特徴とする請求項1記載の負荷駆動装置。 - 前記電流制限手段は、前記検出電流がしきい値を超える状態が所定時間継続すると、前記負荷に対する通電を停止させることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の負荷駆動装置。
- 前記負荷は、車両に搭載されるファンモータであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の負荷駆動装置。
- 負荷に対して直列に接続される半導体素子を制御し、
前記負荷に通電を行う場合、前記負荷に流れる電流を検出すると共に前記負荷に対して印加される電圧を検出し、
前記検出電流がしきい値を超えると前記負荷に流れる電流が第1制限レベル以下となるように制限し、
前記検出電流がしきい値を超えると共に前記検出電圧がしきい値を下回ると、前記負荷に流れる電流が、前記第1制限レベルよりも低く設定される第2制限レベル以下となるように電流制限を行なう負荷駆動制御方法。 - 前記検出電流と前記検出電圧とに基づいて得られる前記負荷の抵抗値がしきい値を下回ると、前記負荷に流れる電流が前記第2制限レベル以下となるように制限することを特徴とする請求項6記載の負荷駆動制御方法。
- 検出抵抗に前記負荷電流が流れた場合の端子電圧を検出し、
前記端子電圧と前記検出電圧を抵抗分圧した電位とを比較して、前者が後者を上回った場合に前記第2制限レベルによる電流制限動作を行うことを特徴とする請求項6記載の負荷駆動制御方法。 - 前記検出電流がしきい値を超える状態が所定時間継続すると、前記負荷に対する通電を停止させることを特徴とする請求項6乃至8の何れかに記載の負荷駆動制御方法。
- 前記負荷を、車両に搭載されるファンモータとすることを特徴とする請求項6乃至9の何れかに記載の負荷駆動制御方法。
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