JP4085623B2 - 一軸アクチュエータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、潤滑剤供給部材を備えた一軸アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
直動案内軸受とねじ式送り装置とを一体化してなる一軸アクチュエータの潤滑構造としては、例えば、特開平9−317839号公報に開示のものがある。なお、本明細書においては、説明の便宜上、一軸アクチュエータの直動案内軸受の部分をリニアガイド部、ねじ式送り装置の部分をボールねじ部と称する。
上記公報に記載の一軸アクチュエータにおいては、リニアガイド部の潤滑を行う(すなわち、案内レールに潤滑剤を供給する)潤滑剤供給部材とボールねじ部の潤滑を行う(すなわち、ねじ軸に潤滑剤を供給する)潤滑剤供給部材とが一体に形成されており、この潤滑剤供給部材は案内レール及びねじ軸に弾性体の付勢力で押し付けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、リニアガイド部及びボールねじ部の潤滑を行う潤滑剤供給部材を一体に形成すると、前記両部の構成部品の有する寸法誤差等の累積により、リニアガイド部の案内レールとボールねじ部のねじ軸との両方に対して潤滑剤供給部材を適正に接触させることが困難となるおそれがあった。そうすると、リニアガイド部及びボールねじ部の両方を十分に潤滑することができないおそれがあった。
【0004】
また、この潤滑剤供給部材は案内レールの内側面の転動体転動溝に嵌合して摺接する凸部を備えているが、凸部の形状を転動体転動溝の断面形状と同じゴシックアーク状とした場合は、前記構成部品の寸法誤差等に伴って潤滑剤供給部材が不適切な姿勢で取り付けられると、凸部と転動体転動溝とが適正に接触しないという問題が生じるおそれがあった。
そこで、本発明は、上記のような従来の一軸アクチュエータが有する問題点を解決し、潤滑剤供給部材がリニアガイド部の案内レールとボールねじ部のねじ軸との両方に対して適正に接触していて、前記両部が十分に潤滑される一軸アクチュエータを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1の一軸アクチュエータは、軸方向に延びる転動体転動溝を相対する内側面に有する断面凹字状の案内レールと、前記案内レールの内側に軸方向に対して平行に配設され螺旋状のねじ溝を外周面に有するねじ軸と、前記案内レールの転動体転動溝に対向する転動体転動溝を両側面に有し前記ねじ軸に螺合されたスライダと、対向する前記両転動体転動溝の間に転動自在に介在された複数の転動体と、を備えていて、前記スライダが前記転動体の転動を介して前記案内レールに沿って相対移動可能とされた一軸アクチュエータにおいて、前記案内レールの転動体転動溝に潤滑剤を供給する案内レール用潤滑剤供給部材と、前記案内レール用潤滑剤供給部材を付勢して前記案内レールの転動体転動溝に圧接する案内レール用付勢手段と、前記ねじ軸の外周面に潤滑剤を供給し且つ前記案内レール用潤滑剤供給部材とは別体の部材であるねじ軸用潤滑剤供給部材と、前記ねじ軸用潤滑剤供給部材を付勢して前記ねじ軸の外周面に圧接するねじ軸用付勢手段と、を前記スライダに設けるとともに、前記案内レール用潤滑剤供給部材は別体の第1潤滑剤供給部材と第2潤滑剤供給部材とで構成され、前記第1潤滑剤供給部材及び前記第2潤滑剤供給部材は1個の前記案内レール用付勢手段で付勢され且つ前記スライダにそれぞれ回転可能に支持されていて、前記第1潤滑剤供給部材が前記案内レールの一方の内側面の転動体転動溝に圧接され、前記第2潤滑剤供給部材が他方の内側面の転動体転動溝に圧接されていることを特徴とする。
【0006】
このように、案内レール用潤滑剤供給部材とねじ軸用潤滑剤供給部材とを別体とし、それぞれを専用の付勢手段により案内レールの転動体転動溝又はねじ軸の外周面に圧接すれば、案内レールの転動体転動溝とねじ軸の外周面との両方に対して潤滑剤供給部材を適正に接触させることが容易となるから、転動体の転動を介して相対移動するスライダ及び案内レールで構成されるリニアガイド部とねじ軸及びスライダで構成されるボールねじ部との両方の潤滑が、十分且つ安定的に行われる。
【0007】
また、本発明に係る請求項2の一軸アクチュエータは、請求項1に記載の一軸アクチュエータにおいて、前記案内レールの転動体転動溝をゴシックアーク状とするとともに、前記案内レール用潤滑剤供給部材に前記案内レールの転動体転動溝に圧接される凸部を設け、該凸部の形状を単一の円弧状としたことを特徴とする。
凸部の形状を、案内レールの転動体転動溝の断面形状であるゴシックアーク状とは異なる単一の円弧状とすれば、凸部と転動体転動溝とを適正に接触させることが容易となるから、リニアガイド部の潤滑が十分に行われる。
【0008】
さらに、本発明に係る請求項3の一軸アクチュエータは、請求項1又は請求項2に記載の一軸アクチュエータにおいて、前記ねじ軸用潤滑剤供給部材は、前記ねじ軸の外周面を囲うように配設された複数の潤滑剤供給部材で構成されるとともに、各潤滑剤供給部材は前記ねじ軸用付勢手段によって前記ねじ軸に向けて付勢されていることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項4の一軸アクチュエータは、請求項1〜3のいずれかに記載の一軸アクチュエータにおいて、前記案内レール用付勢手段をばねとし、前記案内レール用潤滑剤供給部材を付勢している前記ばねの形状は、前記スライダの外形形状から突出しない形状であることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る一軸アクチュエータの実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態である一軸アクチュエータの構成を示す一部を破断して示した斜視図である。また、図2は、図1の一軸アクチュエータを軸方向に垂直な面で破断したときの断面図である。
本実施形態の一軸アクチュエータは、転動体15の転動を介して相対移動するスライダ12及び案内レール11で構成されるリニアガイド部と、ねじ軸13及びスライダ12で構成されるボールねじ部と、これらリニアガイド部及びボールねじ部に潤滑剤を供給して一軸アクチュエータの潤滑を行う潤滑剤供給装置25と、を備えている。以下に、その構成を詳細に説明する。
【0011】
軸方向に延びる案内レール11は断面が略凹字状で、その内側の幅方向の中央部には、断面円弧状の螺旋状のねじ溝13aを外周面に有するねじ軸13が、軸方向に対して平行に配設されている。そして、このねじ軸13は、案内レール11の軸方向両端に固定されたサポートユニット17,17によって、正逆両方向に回転可能に支持されている。
また、案内レール11の内側には直方体状のスライダ12が配されていて、多数の転動体14を介してねじ軸13に螺合されている。すなわち、ねじ軸13が挿通されているスライダ12の穴の内周面には、断面円弧状の螺旋状のねじ溝12aが形成され、ねじ軸13のねじ溝13aと対向しており、両ねじ溝12a,13aで形成される断面ほぼ円形の螺旋状の第一転動体転動路21内には、例えば鋼球からなる多数の転動体14が転動自在に装填されている。なお、スライダ12は、スライダ本体12Aと、その軸方向両端部に着脱可能に取り付けられたエンドキャップ12B,12Bと、で構成されている。
【0012】
さらに、案内レール11の相対する内側面には、軸方向に延びるゴシックアーク状(断面が中心の異なる2つの同一円弧を組合せた略V字状)の転動体転動溝11a,11aが備えられ、また、スライダ12の両側面には、案内レール11の転動体転動溝11a,11aに対向する転動体転動溝12b,12bが備えられており、案内レール11の転動体転動溝11aとスライダ12の転動体転動溝12bとで第二転動体転動路22,22が形成されている。
【0013】
さらにまた、スライダ12の内部には、第二転動体転動路22と平行をなして軸方向に貫通する断面円形の貫通孔からなる転動体戻し路23,23がそれぞれ形成されている。さらに、スライダ12の軸方向両端に備えられたエンドキャップ12B,12Bには、第二転動体転動路22とこれに対応する転動体戻し路23とを連通させる図示されない湾曲路が形成されており、これら第二転動体転動路22と転動体戻し路23と両端の前記湾曲路とで、転動体の循環路が形成されている。この転動体の循環路内には、例えば鋼球からなる多数の転動体15が転動自在に装填されている。
【0014】
ねじ軸13を回転させると、これに螺合するスライダ12は、第二転動体転動路22内の転動体15の転動を介して軸方向に滑らかに移動する。この移動時には、第二転動体転動路22内の転動体15は前記循環路内を転動しつつ無限循環する。
このような一軸アクチュエータのスライダ12の軸方向両端部(エンドキャップ12Bのさらに外側)には、前記リニアガイド部と前記ボールねじ部とに潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置25が取り付けられ、さらにその外側にはスライダ12と案内レール11との間に形成される隙間の開口を密封するシール装置26が取り付けられている。なお、シール装置26の構成は特に限定されるものではないが、例えば、弾性変形可能なゴム製部材と、エンドキャップ12Bの外形に合わせた略コ字状の金属板からなる芯金と、を接着等により一体化したもの等が使用できる。
【0015】
次に、潤滑剤供給装置25について詳細に説明する。図3は、潤滑剤供給装置25の構成を説明する図であり、図3の(a)はシール装置26の図示を省略して示した一軸アクチュエータの正面図、図3の(b)はシール装置26の図示を省略して示したスライダ12部分のみの部分斜視図である。また、図4は、潤滑剤供給装置25及びシール装置26の図示を省略してエンドキャップ12Bの端面を図示した一軸アクチュエータの正面図である。
【0016】
潤滑剤供給装置25は、案内レール11の転動体転動溝11aに潤滑剤を供給する案内レール用潤滑剤供給部材31と、案内レール用潤滑剤供給部材31を付勢して案内レール11の転動体転動溝11aに圧接する案内レール用付勢手段32と、ねじ軸13の外周面に潤滑剤を供給するねじ軸用潤滑剤供給部材41と、ねじ軸用潤滑剤供給部材41を付勢してねじ軸13の外周面に圧接するねじ軸用付勢手段(図3には図示されない)と、で構成されている。
【0017】
ねじ軸用潤滑剤供給部材41は、2個の半円筒形潤滑剤供給部材51,51(詳細な構造は、図5の(a)及び(b)の拡大図を参照)で構成されていて、半円筒形潤滑剤供給部材51の内面51aがねじ軸13の外周面をほぼ覆うように、エンドキャップ12Bの端面の中央部に設けられた円形穴19に挿入されている。そして、半円筒形潤滑剤供給部材51の周りに取り付けられた前記ねじ軸用付勢手段により、半円筒形潤滑剤供給部材51はねじ軸13に向けて付勢されていて、半円筒形潤滑剤供給部材51の内面51aがねじ軸13の外周面に圧接されている。
【0018】
図5に示すように、半円筒形潤滑剤供給部材51の外面51bには凹部53が設けられていて、半円筒形潤滑剤供給部材51を円形穴19に挿入する際には、円形穴19の内面に設けられた突起19aを凹部53にはめ合わせて装着してあるので、ねじ軸13の回転によって半円筒形潤滑剤供給部材51がねじ軸13の周りを回転することが防止される。
なお、本実施形態においては、ねじ軸用潤滑剤供給部材41は2個の部材で構成されていたが、ねじ軸13の外周面を覆うように装着されるならば、3個以上の部材で構成しても差し支えない。
【0019】
前記ねじ軸用付勢手段の構成は、半円筒形潤滑剤供給部材51をねじ軸13に向けて付勢することができるならば特に限定されるものではないが、例えば、図6に示すようなガータースプリング61が好適に用いられる。すなわち、ガータースプリング61の両端を連結して環状とし、2個の半円筒形潤滑剤供給部材51,51で形成される略円筒形のねじ軸用潤滑剤供給部材41の外周を囲うように取り付ければ、ガータースプリング61の弾性力によって、ねじ軸13の外周面に向いた付勢力をねじ軸用潤滑剤供給部材41に付与することができる。
【0020】
ガータースプリング61を取り付ける際には、半円筒形潤滑剤供給部材51の外面51bに半環状の(外面51bの円弧に沿った)溝54を設け、この溝54にガータースプリング61をはめ込むことが好ましい。そうすれば、ガータースプリング61の装着位置がずれて付勢力が変化したり、ガータースプリング61がねじ軸用潤滑剤供給部材41から外れたりすることを防止できる。
半円筒形潤滑剤供給部材51は、例えば、低分子量ポリエチレン(三菱油化株式会社製PZ50U)16質量%及び超高分子量ポリエチレン(三井化学株式会社ミペロンXM220)9質量%からなる樹脂に、潤滑剤であるパラフィン系鉱油(日本石油株式会社製FBKRO100)75質量%を含有させた樹脂組成物を、射出成形したもの等が好適である。
【0021】
半円筒形潤滑剤供給部材51がねじ軸13の外周面に圧接されると、半円筒形潤滑剤供給部材51に含有される潤滑剤が徐々にしみ出し、接触しているねじ軸13の外周面に自動的且つ継続的に供給されて、ボールねじ部の潤滑が行われる。そのため、外部からグリースや潤滑油を供給しなくても、長期間にわたって安定した潤滑が自動的に行われる。潤滑剤のしみ出しに伴って半円筒形潤滑剤供給部材51自体は徐々に収縮するが、前記ねじ軸用付勢手段によってねじ軸13に向けて付勢されているから、ねじ軸13の外周面への圧接は確実に維持される。なお、半円筒形潤滑剤供給部材51の内面51aは、ねじ軸13のねじ溝13aにも接触させて差し支えない。
【0022】
一方、案内レール用潤滑剤供給部材31は、図3に示すように、別体の第1潤滑剤供給部材31Aと第2潤滑剤供給部材31Bとで構成されていて、エンドキャップ12Bの端面に固定された取付板34を介してエンドキャップ12Bに取り付けられている。なお、第1潤滑剤供給部材31A及び第2潤滑剤供給部材31Bは、半円筒形潤滑剤供給部材51と同じ樹脂組成物を射出成形したものである。
【0023】
取付板34の固定,位置決め方法は特に限定されるものではなく、ねじ止め,接着等の慣用の固着手段を用いることができるが、エンドキャップ12Bの端面の肉ヌスミ部の形状を利用して固定,位置決めすることも可能である。すなわち、取付板34のエンドキャップ12Bの端面に対向する面に、肉ヌスミ部(凹部)の形状に対応する凸部を設ければ、該凸部を肉ヌスミ部にはめ込んで固定することができる。
【0024】
また、第1潤滑剤供給部材31A及び第2潤滑剤供給部材31Bの取付板34への取付方法も特に限定されるものではないが、図3に示すように、一方に凸部、他方に該凸部の形状に対応する凹部を設け、凸部を凹部にはめ込んで取り付けることができる。図3の例では、取付板34に円形の凸部34aを設け、第1潤滑剤供給部材31A及び第2潤滑剤供給部材31Bに円形の凹部31aを設けてある。
【0025】
ここで、第1潤滑剤供給部材31A及び第2潤滑剤供給部材31Bの形状について説明する。両滑剤供給部材31A,31Bは取付板34よりも厚さが薄い平板状で、取付板34に固定するための前述の凹部31aと、案内レール用付勢手段32と接触する付勢力作用部31bと、案内レール11の転動体転動溝11aに嵌合して摺接する凸部31cと、を有している。そして、付勢力作用部31bは、凸部31cとは反対側、すなわち案内レール11の幅方向中央部に向くように設けられている。
【0026】
また、案内レール用付勢手段32は第1潤滑剤供給部材31A及び第2潤滑剤供給部材31Bの間に介在され、付勢力作用部31bにおいて両潤滑剤供給部材31A,31Bと接している。そして、第1潤滑剤供給部材31A及び第2潤滑剤供給部材31Bをそれぞれが対向する転動体転動溝11aに向けて付勢して、各凸部31cを対向する転動体転動溝11aに圧接している。
案内レール用付勢手段32の構成は、両潤滑剤供給部材31A,31Bを案内レール11の転動体転動溝11aに向けて付勢することができるならば特に限定されるものではないが、例えば、図7に示すような断面略コ字状に形成した板ばね35が好適に用いられる。板ばね35の両端部35aを切欠き状の付勢力作用部31bに挿入して取り付ければ、板ばね35の弾性力によって、転動体転動溝11aに向いた付勢力を両潤滑剤供給部材31A,31Bに付与することができる。
【0027】
なお、板ばね35は、装着されていない状態では図7に示すように底板部35bが湾曲しているが、装着時には底板部35bが平坦状となるようなっているので、スライダ12の外形形状から板ばね35の一部が突出して問題を生じることはない。
第1潤滑剤供給部材31A及び第2潤滑剤供給部材31Bの凸部31cが転動体転動溝11aに圧接されると、第1潤滑剤供給部材31A及び第2潤滑剤供給部材31Bに含有される潤滑剤が徐々にしみ出し、案内レール11の転動体転動溝11aに自動的且つ継続的に供給されて、リニアガイド部の潤滑が行われる。そのため、外部からグリースや潤滑油を供給しなくても、長期間にわたって安定した潤滑が自動的に行われる。潤滑剤のしみ出しに伴って両潤滑剤供給部材31A,31B自体は徐々に収縮するが、案内レール用付勢手段32によって転動体転動溝11aに向けて付勢されているから、転動体転動溝11aへの圧接は確実に維持される。
【0028】
なお、両潤滑剤供給部材31A,31Bと取付板34とを、前述のように円形の凸部34aと凹部31aとをはめ込んで固定したので、両潤滑剤供給部材31A,31Bはこの固定部分を中心に回転可能となっている。そうすると、付勢力が付与された際には、てこの原理によって両潤滑剤供給部材31A,31Bが前記固定部分を中心に回転して、凸部31cが案内レール11の転動体転動溝11aに好適に圧接される。
【0029】
また、凸部31cの形状は、図8の(a)に示すような単一の円弧状とすることが好ましく、そうすれば、リニアガイド部の潤滑が十分に行われる。その理由を以下に説明する。
両潤滑剤供給部材31A,31Bは、一軸アクチュエータを構成する各部品の寸法誤差の累積により、不適切な姿勢で取り付けられるおそれがある(例えば、傾斜して取り付けられる)。そのような場合に、凸部31cの形状が転動体転動溝11aの断面形状と同じゴシックアーク状であると、図8の(b)に示すように、凸部31cが転動体転動溝11aに適正に接触しない場合がある。つまり、図8の(b)においては、転動体転動溝11aの一方の肩のみに接触しており、○印で示した機能上接触する必要がある部分(転動体15と接触する部分)には接触していない。
【0030】
しかしながら、凸部31cの形状が単一の円弧状であれば、両潤滑剤供給部材31A,31Bが不適切な姿勢で取り付けられたとしても、図8の(a)に示すように、凸部31cと転動体転動溝11aとが○印で示した機能上接触する必要がある部分において適正に接触する。
以上説明したように、本実施形態の一軸アクチュエータは、案内レール用潤滑剤供給部材31とねじ軸用潤滑剤供給部材41とを別体とし、それぞれを専用の付勢手段により案内レール11の転動体転動溝11a又はねじ軸13の外周面に圧接したので、案内レール11の転動体転動溝11aとねじ軸13の外周面との両方に対して両潤滑剤供給部材31,41を適正に接触させることが容易となって、リニアガイド部とボールねじ部との両方の潤滑が十分且つ安定的に行われる。また、上記のような潤滑構造は簡易な構成であるので、優れた潤滑性能を有する一軸アクチュエータを安価に製造することができる。
【0031】
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
例えば、案内レール用潤滑剤供給部材31やねじ軸用潤滑剤供給部材41の形状は上記のものに限定されるものではなく、本発明の目的が達成されるものであればどのような形状でもよい。
また、半円筒形潤滑剤供給部材51,第1潤滑剤供給部材31A,及び第2潤滑剤供給部材31Bは、前述のような樹脂組成物に限らず、潤滑剤を含有するゴム,樹脂,又は多孔質体を成形することにより構成することができる。
【0032】
以下に、本発明において使用可能な潤滑剤を含有するゴム又は樹脂について詳細に説明する。潤滑剤を含有するゴム又は樹脂としては、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブチレン,ポリメチルペンテン等の基本的に同じ化学構造を有するポリオレフィン系のゴム又は樹脂の群から選定したゴム又は樹脂に、潤滑剤としてポリα−オレフィン油のようなパラフィン系炭化水素油、ナフテン系炭化水素油、鉱油、ジアルキルジフェニルエーテル油のようなエーテル油、フタル酸エステル,トリメリット酸エステルのようなエステル油等の何れかを混合して加熱溶融した後、所定の型に注入して加圧しながら冷却固化させて成形したものが好ましい。なお、酸化防止剤,錆止め剤,摩耗防止剤,あわ消し剤,極圧剤等の各種の添加剤を、予め加えてもよい。
【0033】
上記の潤滑剤を含有するゴム又は樹脂の組成比は、全質量に対してポリオレフィン系のゴム又は樹脂20〜90質量%、潤滑剤80〜10質量%とすることが好ましい。ポリオレフィン系のゴム又は樹脂が20質量%未満の場合は、シールとして必要な硬さ,強度等が得られない。また、ポリオレフィン系のゴム又は樹脂が90質量%を超える場合(潤滑剤が10質量%未満の場合)は、潤滑剤の供給量が少なくなり、一軸アクチュエータに潤滑不良が生じるおそれがある。
【0034】
上記のゴム又は樹脂は、基本構造は同じであるがその平均分子量が異なっており、1×103 〜5×106 の範囲のものを用いることができる。その中で、平均分子量1×103 〜1×106 という比較的低分子量のものと、1×106 〜5×106 という超高分子量のものとを、単独又は必要に応じて混合して用いることが好ましい。
潤滑剤を含有するゴム又は樹脂の機械的強度を向上させるため、上述のポリオレフィン系のゴム又は樹脂に、以下のような熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を添加してもよい。
【0035】
熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂,ポリカーボネート樹脂,ポリブチレンテレフタレート樹脂,ポリフェニレンサルファイド樹脂,ポリエーテルスルホン樹脂,ポリエーテルエーテルケトン樹脂,ポリアミドイミド樹脂,ポリスチレン樹脂,ABS樹脂等があげられる。
また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂,尿素樹脂,メラミン樹脂,フェノール樹脂,ポリイミド樹脂,エポキシ樹脂等があげられる。
【0036】
これらの樹脂は、単独又は2種以上混合して用いることができる。さらに、ポリオレフィン系のゴム又は樹脂とそれ以外の樹脂とを、より均一な状態で分散させるために、必要に応じて適当な相溶化剤を加えてもよい。
このような潤滑剤を含有するゴム又は樹脂の成形には、射出成形法を用いることが好ましい。
さらに、本実施形態においては、案内レール11の転動体転動溝11aは片側1条であったが、片側2条以上の一軸アクチュエータに対しても本発明を適用できることは勿論である。
【0037】
さらに、本実施形態においては、リニアガイド部の転動体がボールの場合を説明したが、転動体がころの場合でも本発明を適用できる。また、スライダ12を駆動するねじ式送り装置としてボールねじ機構を採用したが、ボールを介在させないねじ式送り装置を採用することも可能である。
さらに、潤滑剤供給装置25はスライダ12の軸方向両端部に取り付けてあるものを説明したが、必ずしも両端に取り付ける必要はなく、一軸アクチュエータの使用態様に応じてスライダ12の一方の端部のみに取り付けてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明の一軸アクチュエータは、案内レール用潤滑剤供給部材とねじ軸用潤滑剤供給部材とを別体とし、それぞれを専用の付勢手段により案内レールの転動体転動溝又はねじ軸の外周面に圧接したので、案内レールの転動体転動溝とねじ軸の外周面との両方に対して潤滑剤供給部材を適正に接触させることが容易となって、リニアガイド部とボールねじ部との両方の潤滑が十分且つ安定的に行われる。
【0039】
特に、請求項2の一軸アクチュエータは、案内レール用潤滑剤供給部材に設けられた転動体転動溝に圧接される凸部の形状を単一の円弧状としたので、凸部と転動体転動溝とを適正に接触させることが容易となって、リニアガイド部の潤滑が十分に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である一軸アクチュエータの構成を示す一部を破断して示した斜視図である。
【図2】図1の一軸アクチュエータの断面図である。
【図3】図1の一軸アクチュエータに備えられた潤滑剤供給装置の構成を説明する図である。
【図4】エンドキャップの端面を説明するため潤滑剤供給装置及びシール装置を省略して示した図1の一軸アクチュエータの正面図である。
【図5】半円筒形潤滑剤供給部材の構造を説明する拡大図である。
【図6】ガータースプリングを示す拡大図である。
【図7】装着されていない状態の板ばねの形状を示す拡大図である。
【図8】案内レールの転動体転動溝に圧接される凸部の形状、及び凸部と転動体転動溝との接触状態を説明する部分拡大図である。
【符号の説明】
11 案内レール
11a 転動体転動溝
12 スライダ
13 ねじ軸
13a ねじ溝
15 転動体
25 潤滑剤供給装置
31 案内レール用潤滑剤供給部材
31A 第1潤滑剤供給部材
31B 第2潤滑剤供給部材
31c 凸部
32 案内レール用付勢手段
35 板ばね
41 ねじ軸用潤滑剤供給部材
51 半円筒形潤滑剤供給部材
61 ガータースプリング

Claims (4)

  1. 軸方向に延びる転動体転動溝を相対する内側面に有する断面凹字状の案内レールと、前記案内レールの内側に軸方向に対して平行に配設され螺旋状のねじ溝を外周面に有するねじ軸と、前記案内レールの転動体転動溝に対向する転動体転動溝を両側面に有し前記ねじ軸に螺合されたスライダと、対向する前記両転動体転動溝の間に転動自在に介在された複数の転動体と、を備えていて、前記スライダが前記転動体の転動を介して前記案内レールに沿って相対移動可能とされた一軸アクチュエータにおいて、
    前記案内レールの転動体転動溝に潤滑剤を供給する案内レール用潤滑剤供給部材と、前記案内レール用潤滑剤供給部材を付勢して前記案内レールの転動体転動溝に圧接する案内レール用付勢手段と、前記ねじ軸の外周面に潤滑剤を供給し且つ前記案内レール用潤滑剤供給部材とは別体の部材であるねじ軸用潤滑剤供給部材と、前記ねじ軸用潤滑剤供給部材を付勢して前記ねじ軸の外周面に圧接するねじ軸用付勢手段と、を前記スライダに設けるとともに、
    前記案内レール用潤滑剤供給部材は別体の第1潤滑剤供給部材と第2潤滑剤供給部材とで構成され、前記第1潤滑剤供給部材及び前記第2潤滑剤供給部材は1個の前記案内レール用付勢手段で付勢され且つ前記スライダにそれぞれ回転可能に支持されていて、前記第1潤滑剤供給部材が前記案内レールの一方の内側面の転動体転動溝に圧接され、前記第2潤滑剤供給部材が他方の内側面の転動体転動溝に圧接されていることを特徴とする一軸アクチュエータ。
  2. 前記案内レールの転動体転動溝をゴシックアーク状とするとともに、前記案内レール用潤滑剤供給部材に前記案内レールの転動体転動溝に圧接される凸部を設け、該凸部の形状を単一の円弧状としたことを特徴とする請求項1に記載の一軸アクチュエータ。
  3. 前記ねじ軸用潤滑剤供給部材は、前記ねじ軸の外周面を囲うように配設された複数の潤滑剤供給部材で構成されるとともに、各潤滑剤供給部材は前記ねじ軸用付勢手段によって前記ねじ軸に向けて付勢されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の一軸アクチュエータ。
  4. 前記案内レール用付勢手段をばねとし、前記案内レール用潤滑剤供給部材を付勢している前記ばねの形状は、前記スライダの外形形状から突出しない形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の一軸アクチュエータ。
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