JP4059971B2 - ガラスランチャンネル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、ガラスランチャンネルに関し、さらに詳しくは、熱可塑性エラストマー製基体層と滑性樹脂表面層とからなる積層体により構成される窓ガラス摺動部を備えたガラスランチャンネルに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
一般に自動車の車輌における窓ガラスでは、通風換気のために、あるいは車輌外部との通話などのために、昇降による開閉操作が必要である。窓ガラスの昇降開閉操作を容易にしながら、しかも窓ガラスと窓枠との緊密的(液密的)な密閉操作を可能とするために、窓ガラスと窓枠との間にガラスランチャンネルと呼ばれる案内部材を設けている。
【0003】
従来のガラスランチャンネルは、軟質塩化ビニル樹脂のような軟質合成樹脂や、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム等の加硫ゴムで形成されており、底壁と底壁の両端部から延設した側壁とから構成され、断面略U字状で溝部が形成されたガラスランチャンネル本体と、該ガラスランチャンネル本体の両側壁の先端近傍から該底壁に向かって相互に近接するように張設した舌片状の水切り部とから構成されている。
【0004】
従来のガラスランチャンネルでは、窓ガラスの水切り部からの離れを良好にし、また窓ガラスの汚れを防止するために、窓ガラス摺動部は、その表面にナイロンフィルム等が接着により貼合わせられており、また窓ガラスとの接触面積を少なくするために、上記ナイロンフィルム等の積層の前または後に、エンボス加工が施されている。
【0005】
このようなガラスランチャンネルでは、上述した軟質合成樹脂または加硫ゴムとナイロン類の表面素材との間に接着性がないため、軟質合成樹脂または加硫ゴムでガラスランチャンネル本体を成形し、得られた成形物に接着剤を塗布してナイロンなどのフィルムを貼合わせるという工程が必要であり、さらに、この接着の前または後にエンボス加工を行なわなければならない等、工程数が多く、しかも手間を要するという不都合がある。
【0006】
また、このようなガラスランチャンネルでは、接着剤による積層工程があることから、耐久性にも問題があり、経時および屋外曝露等により表面フィルム層と基体との間で剥離を生じやすいという欠点もある。さらに、エンボス加工で形成させ得る凹凸模様は未だ微細さと均一さとの組合せにおいて十分満足のいくものではなく、閉鎖時における窓ガラス摺動部と窓ガラスとの間の緊密接触性、および開放時における窓ガラス摺動部と窓ガラスとの間の軽快摺動性についても未だ改善すべき余地が残されている。
【0007】
そこで、本発明者らは、ガラスランチャンネルの上記のような問題を解決すべく鋭意研究し、ガラスランチャンネルの少なくとも窓ガラス摺動部を構成するエラストマーとして結晶性ポリオレフィンとゴムとから構成される熱可塑性エラストマーを選択し、その熱可塑性エラストマー層上に特定の超高分子量ポリオレフィン組成物層を熱融着させて積層すれば、製造作業が容易であり、しかも、耐久性、閉鎖時における窓ガラスとの緊密接触性、および開放時における窓ガラスとの軽快摺動性に優れたガラスランチャンネルを得ることができることを見出し、新規なガラスランチャンネルを提案した。(特開平5−4522号公報、特開平5−4308号公報)
【0008】
しかしながら、このガラスランチャンネルは、超高分子量ポリオレフィン組成物層に超高分子量ポリオレフィン、たとえば超高分子量ポリエチレンを単独で用いると、剛性が高いために、製品(ガラスランチャンネル)を車体に組み込む過程等においてガラスランチャンネルをねじったり、折り曲げたときに超高分子量ポリオレフィン組成物層に皺が発生し、製品の外観を損ねる場合があった。
【0009】
本発明者らは、この点を改良すべく検討を重ねた結果、超高分子量ポリオレフィン組成物として超高分子量ポリオレフィンとオレフィン系熱可塑性エラストマーとからなる組成物を用いることにより、超高分子量ポリオレフィンの性能を持ち、かつ、ねじったり、折り曲げても超高分子量ポリオレフィン組成物層に皺が発生しないガラスランチャンネルが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、製造工程を簡略化して製造することができ、耐久性、閉鎖時における窓ガラスとの緊密接触性、および開放時における窓ガラスとの軽快摺動性に優れ、ねじたり折り曲げたりしても超高分子量ポリオレフィン組成物層に皺が発生しないガラスランチャンネルを提供することを目的としている。
【0011】
【発明の概要】
本発明に係るガラスランチャンネルは、
底壁と底壁の両端部から延設した側壁とから構成され、断面略U字状で溝部が形成されたガラスランチャンネル本体と、該ガラスランチャンネル本体の両側壁の先端近傍から該底壁に向かって相互に近接するように張設した舌片状の水切り部とから構成されたガラスランチャンネルであって、
該水切り部の窓ガラスと接触する表面である窓ガラス接触部が、
結晶性ポリオレフィンとゴムとから構成される熱可塑性エラストマー(A)層と、超高分子量ポリオレフィン組成物(B)層とからなり、かつ、
超高分子量ポリオレフィン組成物(B)層が窓ガラスと接触するように構成されており、
該超高分子量ポリオレフィン組成物(B)が、
135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が7〜40dl/gの範囲内にある超高分子量ポリオレフィン(a−1)と、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が0.1〜5dl/gの範囲内にあるポリオレフィン(a−2)とから実質的になり、該超高分子量ポリオレフィン(a−1)が、超高分子量ポリオレフィン(a−1)とポリオレフィン(a−2)との総重量100重量%に対して15〜40重量%の割合で存在し、かつ、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が3.5〜8.3dl/gの範囲内にあるポリオレフィン(a)’10〜90重量部、および
結晶性オレフィン系樹脂とオレフィン系ゴムとからなるオレフィン系熱可塑性エラストマー(b)90〜10重量部[成分(a)’および(b)の合計は100重量部]からなることを特徴としている。
【0012】
本発明で用いられる熱可塑性エラストマー(A)の好ましい例としては、
結晶性ポリプロピレン(A−1)70〜10重量部と、
エチレン・プロピレン共重合体ゴムまたはエチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムからなるゴム(A−2)30〜90重量部[成分(A−1)および(A−2)の合計量は100重量部とする]と
からなる混合物を、有機ペルオキシドの存在下で動的に熱処理して得られる、上記ゴム(A−2)が架橋された熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0013】
た本発明で好ましく用いられる超高分子量ポリオレフィン組成物(B)は、
135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が7〜40dl/gの範囲内にある超高分子量ポリオレフィン(a−1)と、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が0.1〜5dl/gの範囲内にあるポリオレフィン(a−2)とから実質的になり、該超高分子量ポリオレフィン(a−1)が、超高分子量ポリオレフィン(a−1)とポリオレフィン(a−2)との総重量100重量%に対して15〜40重量%の割合で存在し、かつ、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が3.5〜8.3dl/gの範囲内にあるポリオレフィン組成物(a)’10〜90重量部、
結晶性オレフィン系樹脂とオレフィン系ゴムとからなるオレフィン系熱可塑性エラストマー(b)85〜5重量部、および
スチレンまたはその誘導体の重合体ブロック(c−1)と、イソプレン重合体ブロックおよび/またはイソプレン・ブタジエン共重合体ブロックであって、全イソプレン単位に対する1,2−位および3,4−位で結合しているイソプレン単位含有量が40%以上である重合体および/または共重合体ブロック(c−2)とからなる水素添加されていてもよいブロック共重合体(c)5〜60重量部[成分(a)’、(b)および(c)の合計は100重量部]からなる組成物である。
【0014】
また、前記超高分子量ポリオレフィン組成物(B)は、前記ポリオレフィン(a)もしくはポリオレフィン組成物(a)’、およびオレフィン系熱可塑性エラストマー(b)のほかに、
スチレンまたはその誘導体の重合体ブロック(c−1)と、イソプレン重合体ブロックおよび/またはイソプレン・ブタジエン共重合体ブロックであって、全イソプレン単位に対する1,2−位および3,4−位で結合しているイソプレン単位含有量が40%以上である重合体および/または共重合体ブロック(c−2)とからなる水素添加されていてもよいブロック共重合体(c)、および/または
高級脂肪酸アミド(d)、シリコーンオイル(e)、脂肪族アルコールとジカルボン酸あるいはモノカルボン酸とのエステル(f)、およびフッ素系ポリマー(g)からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分を含有していてもよい。
【0015】
前記超高分子量ポリオレフィン組成物(B)を構成するオレフィン系熱可塑性エラストマー(b)の好ましい例としては、
結晶性ポリプロピレン(A−1)70〜10重量部と、
エチレン・プロピレン共重合体ゴムまたはエチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムからなるゴム(A−2)30〜90重量部[成分(A−1)および(A−2)の合計量は100重量部とする]と
からなる混合物を、有機ペルオキシドの存在下で動的に熱処理して得られる、上記ゴム(A−2)が架橋された熱可塑性エラストマーが挙げられる。本発明では、熱可塑性エラストマー(A)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(b)は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0016】
前記超高分子量ポリオレフィン組成物(B)は、超高分子量ポリオレフィン組成物(B)当たり1〜20重量%の液体ないし固体の潤滑油を含有していてもよい。
【0017】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係るガラスランチャンネルの一例を図に基づいて具体的に説明する。
【0018】
図1は、本発明に係るガラスランチャンネルの一例の断面構造を示す断面図である。
図1において、1は全体で本発明のガラスランチャンネルを示している。このガラスランチャンネル1は、底壁1aと底壁1aの両端部から延設した側壁1bとから構成されており、断面略U字状(コの字形状)であり、その内部に溝部1cが形成されたガラスランチャンネル本体2を備えている。ガラスランチャンネル本体2の両側壁1b,1bの先端近傍から前記底壁1aに向かって相互に近接するように舌片状の水切り部3,3が張設されており、これらの水切り部3,3の先端5,5が、相互に開閉可能な位置関係にあるように構成されている。また、これらの水切り部3,3の外面側が、自動車などの車両の窓ガラスと接触する表面となっており、窓ガラス接触部4,4を構成している。さらに、ガラスランチャンネル本体2には、その両側壁1b,1bの外側に側壁1bの先端部側に傾斜するように突設した取付け用フック6が形成されている。
【0019】
この本体2および水切り部3はエラストマーで一体に成形されているが、本発明によれば、少なくとも窓ガラス接触部4を、特定の熱可塑性エラストマー(A)からなる基体層と特定の超高分子量ポリオレフィン組成物(B)からなる滑性樹脂層とで構成する。この窓ガラス接触部4を拡大して示す図2のように、上記基体層7の表面8は、微細な凹凸の繰返し模様が施されていることが好ましい。このようなシャークスキン状の微小凹凸模様を有する表面8に対して、上記滑性樹脂層9が熱融着により積層され、その外表面10には同様の微細な凹凸の繰返し模様が施されていることが好ましい。
【0020】
図3〜図5は、このように構成されるガラスランチャンネルを自動車の窓枠への装着方法を説明するそれぞれドアを示す斜視図、窓枠部分の断面図である。
図3〜図5に示したように、自動車のドア11には、昇降動させることによって開閉可能なように窓ガラス12が装着されている。一方、ドア11の窓枠13の内周部分に、ガラスランチャンネル1が固定されている。
【0021】
このガラスランチャンネル1を窓枠13の内周部分に固定するために、図4および図5に示したように、窓枠13は全体にわたってその断面が略U字状(コの字形状)に成形されており、その凹部14を構成する両側板部14aの凹部14の入口部分には、内側に突設する突起部15が形成されている。そして、この窓枠13の凹部14内に、ガラスランチャンネル1をそのガラスランチャンネル本体2の底壁側から挿入して、その取付け用フック6が窓枠13の突起部15を越えるように挿入すれば、取付け用フック6が突起部15にて係止され、ガラスランチャンネル本体2が窓枠13の凹部14から抜け落ちるのが防止されるため、その結果、ガラスランチャンネル1を窓枠13に固定することができる。
【0022】
そして、図4に示したように、窓ガラス12を降下させた状態では、ガラスランチャンネル1のガラス摺動部を構成する水切り部3,3の先端5,5は、相互に対面して閉じた状態となっており、溝部内に塵埃などが侵入して、窓ガラス12の表面を汚損するのが防止できるようになっている。一方、図5に示したように、窓ガラス12を上昇させた状態では、窓ガラス摺動部を構成する水切り部3,3の先端5,5は、窓ガラス12がこれらの間に嵌挿された状態となり、相互に分離した状態となっているが、窓ガラス12の表面とは接触状態となっており、液密状態が確保されるようになっている。
【0023】
本発明によれば、ガラスランチャンネル1の内、少なくとも窓ガラスと接触する部分に熱可塑性エラストマー(A)からなる基体層7と、この基体層7の表面に熱融着された超高分子量ポリオレフィン組成物(B)からなる滑性樹脂層9とを設ける。
【0024】
すなわち、本発明で用いられる熱可塑性エラストマー(A)は、任意の形状および寸法に熱成形することが可能であるとともに、ガラスランチャンネルの窓ガラス摺動部に要求される弾性、柔軟性、可圧縮性などの特性に優れており、しかも、耐久性、耐候性、耐水性などの性質にも優れている。熱可塑性エラストマー(A)は、表面材層となる超高分子量ポリオレフィン組成物(B)からなる滑性樹脂層9に対し、強い接着性を示し、この滑性樹脂層9との熱融着により、接着直後および経時の層間接着強度、さらには、耐候試験後の層間接着強度に優れた積層構造を形成させることができる。しかも、本発明で基体層7として用いられる熱可塑性エラストマー(A)は、シャークスキン状の成形外観を呈するように成形することも可能であり、この成形工程と、表面材層としての超高分子量ポリオレフィン組成物(B)からなる滑性樹脂層9と基体層7との熱融着工程とを組合わせることにより、滑性樹脂層9の外表面にシャークスキン状の微小凹凸模様を忠実に再現することもできる。このようなシャークスキン状の微小凹凸模様表面の写し出しは、従来の接着剤塗布方式では極めて困難であり、上記成形工程と熱融着工程との組合せによりはじめて可能となった。
【0025】
本発明によれば、上述した構成を採用することにより、接着剤の塗布工程、接着剤の硬化ないし焼付工程、その前あるいは後におけるエンボス加工工程がすべて省略され、少ない工程数と少ない手間とでガラスランチャンネルを能率よく製造することができる。また、超高分子量ポリオレフィン組成物(B)からなる滑性樹脂層9を表面材層としてを設けることにより、窓ガラスとの摩擦係数を低減させることができるだけでなく、従来のエンボス加工による凹凸模様に比して、ピッチが均一で、しかもシャークスキン状の微細な凹凸を表面に形成させることが可能となった。したがって、本発明に係るガラスランチャンネルにおいては、窓ガラスの閉鎖時には窓ガラスとの緊密(液密)な接触が可能となるとともに、窓ガラスの開放時にはその摺動抵抗を低減させて、円滑軽快な開閉操作が可能となる。
【0026】
熱可塑性エラストマー(A)
本発明で用いられる熱可塑性エラストマー(A)は、結晶性ポリオレフィンとゴムとから構成されている。
【0027】
本発明で用いられる結晶性ポリオレフィンとしては、炭素原子数2〜20のα- オレフィンの単独重合体または共重合体が挙げられる。
上記結晶性ポリオレフィンの具体的な例としては、以下のような(共)重合体が挙げられる。
(1)エチレン単独重合体
(製法は、低圧法、高圧法のいずれでも良い)
(2)エチレンと、10モル%以下の他のα- オレフィンまたは酢酸ビニル、エチルアクリレートなどのビニルモノマーとの共重合体
(3)プロピレン単独重合体
(4)プロピレンと10モル%以下の他のα- オレフィンとのランダム共重合体
(5)プロピレンと30モル%以下の他のα- オレフィンとのブロック共重合体
(6)1-ブテン単独重合体
(7)1-ブテンと10モル%以下の他のα- オレフィンとのランダム共重合体
(8)4-メチル-1- ペンテン単独重合体
(9)4-メチル-1- ペンテンと20モル%以下の他のα- オレフィンとのランダム共重合体
上記のα- オレフィンとしては、具体的には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1- ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどが挙げられる。
【0028】
本発明で用いられるゴムとしては、特に制限はないが、オレフィン系共重合体ゴムが好ましい。
上記のオレフィン系共重合体ゴムは、炭素原子数2〜20のα- オレフィンを主成分とする無定形ランダムな弾性共重合体であって、2種以上のα- オレフィンからなる非晶性α- オレフィン共重合体、2種以上のα- オレフィンと非共役ジエンとからなるα- オレフィン・非共役ジエン共重合体などがある。
【0029】
このようなオレフィン系共重合体ゴムの具体的な例としては、以下のようなゴムが挙げられる。
(1)エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム
[エチレン/α- オレフィン(モル比)=約90/10〜50/50]
(2)エチレン・α- オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム
[エチレン/α- オレフィン(モル比)=約90/10〜50/50]
(3)プロピレン・α- オレフィン共重合体ゴム
[プロピレン/α- オレフィン(モル比)=約90/10〜50/50]
(4)ブテン・α- オレフィン共重合体ゴム
[ブテン/α- オレフィン(モル比)=約90/10〜50/50]
上記α- オレフィンとしては、具体的には、上記した結晶性ポリオレフィンを構成するα- オレフィンの具体的な例と同様のα- オレフィンが挙げられる。
【0030】
上記非共役ジエンとしては、具体的には、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネンなどが挙げられる。
【0031】
これらの共重合体ゴムのムーニー粘度ML1+4 (100℃)は、10〜250、特に40〜150が好ましい。また、上記非共役ジエンが共重合している場合のヨウ素価は、25以下が好ましい。
【0032】
上記のオレフィン系共重合体ゴムは、熱可塑性エラストマー中において、未架橋、部分架橋、全体架橋など、すべての架橋状態で存在することができるが、本発明においては、架橋状態で存在していることが好ましく、特に部分架橋状態で存在していることが好ましい。
【0033】
本発明において用いられるゴムとしては、上記のオレフィン系共重合体ゴムのほかに、他のゴム、たとえばスチレン- ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴム、SEBS、ポリイソブチレンなどが挙げられる。
【0034】
本発明で用いられる熱可塑性エラストマー(A)において、結晶性ポリオレフィンとゴムとの重量配合比(結晶性ポリオレフィン/ゴム)は、通常90/10〜5/95、好ましくは70/30〜10/90の範囲である。
【0035】
またゴムとして、オレフィン系共重合体ゴムとその他のゴムを組合わせて用いる場合には、その他のゴムは、結晶性ポリオレフィンとゴムとの合計量100重量部に対して、40重量部以下、好ましくは5〜20重量部の割合で配合する。
【0036】
本発明で好ましく用いられる熱可塑性エラストマー(A)は、結晶性ポリプロピレンと、エチレン・α- オレフィン共重合体ゴムもしくはエチレン・α- オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴムとからなり、熱可塑性エラストマー中においてこれらが部分架橋された状態で存在し、かつ、結晶性ポリプロピレンとゴムとの重量配合比(結晶性ポリプロピレン/ゴム)が70/30〜10/90の範囲内にある。
【0037】
上記の熱可塑性エラストマー(A)には、必要に応じて、鉱物油系軟化剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、充填剤、着色剤、滑剤などの添加物を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
【0038】
本発明で好ましく用いられる熱可塑性エラストマー(A)のより具体的な例としては、
結晶性ポリプロピレン(A−1)70〜10重量部と、
エチレン・プロピレン共重合体ゴムまたはエチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムからなるゴム(A−2)30〜90重量部[成分(A−1)および(A−2)の合計量は、100重量部とする]と、
このゴム(A−2)以外のゴム(A−3)および/または鉱物油系軟化剤(A−4)5〜100重量部と
からなる混合物を、有機ペルオキシドの存在下で動的に熱処理して得られる、上記ゴム(A−2)が架橋された熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0039】
上記有機ペルオキシドとしては、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチルペルオキシ)-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert- ブチルペルオキシベンゾエート、tert- ブチルペルベンゾエート、tert- ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert- ブチルクミルペルオキシドなどが挙げられる。
【0040】
これらの内では、臭気性、スコーチ安定性の点で、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチルペルオキシ)-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレートが好ましく、なかでも、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンが最も好ましい。
【0041】
本発明においては、有機ペルオキシドは、結晶性ポリオレフィンとゴムとの合計量100重量%に対して、0.05〜3重量%、好ましくは0.1〜1重量%の割合で用いられる。
【0042】
上記有機ペルオキシドによる部分架橋処理に際し、硫黄、p-キノンジオキシム、p,p'- ジベンゾイルキノンジオキシム、N-メチル-N-4- ジニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン-N,N'-m-フェニレンジマレイミドのようなペルオキシ架橋用助剤、あるいはジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレートのような多官能性メタクリレートモノマー、ビニルブチラート、ビニルステアレートのような多官能性ビニルモノマーを配合することができる。
【0043】
上記のような化合物を用いることにより、均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。特に、本発明においては、ジビニルベンゼンが最も好ましい。ジビニルベンゼンは、取扱い易く、上記の被架橋処理物の主成分である結晶性ポリオレフィンおよびゴムとの相溶性が良好であり、かつ、有機ペルオキシドを可溶化する作用を有し、有機ペルオキシドの分散剤として働くため、熱処理による架橋効果が均質で、流動性と物性とのバランスのとれた熱可塑性エラストマーが得られる。
【0044】
上記のような架橋助剤もしくは多官能性ビニルモノマーは、上記の被架橋処理物全体に対して、0.1〜2重量%、特に0.3〜1重量%の割合で用いるのが好ましい。架橋助剤もしくは多官能性ビニルモノマーの配合割合が2重量%を超えると、有機ペルオキシドの配合量が多い場合には、架橋反応が速く進行し過ぎるため、得られる熱可塑性エラストマーは、流動性に劣り、一方、有機ペルオキシドの配合量が少ない場合には、架橋助剤および多官能性ビニルモノマーが、熱可塑性エラストマー中に未反応のモノマーとして残存し、熱可塑性エラストマーは、加工成形の際に熱履歴による物性の変化が生じたりする。したがって、架橋助剤および多官能性ビニルモノマーは、過剰に配合すべきではない。
【0045】
上記の「動的に熱処理する」とは、上記のような各成分を融解状態で混練することをいう。
混練装置としては、従来公知の混練装置、たとえば開放型のミキシングロール、非開放型のバンバリーミキサー、押出機、ニーダー、連続ミキサーなどが用いられる。これらの内では、非開放型の混練装置が好ましく、混練は、窒素ガス、炭酸ガスなどの不活性ガスの雰囲気下で行なうことが好ましい。
【0046】
また、混練は、使用する有機ペルオキシドの半減期が1分未満となる温度で行なうのが望ましい。混練温度は、通常150〜280℃、好ましくは170〜240℃であり、混練時間は、1〜20分間、好ましくは3〜10分間である。また、加えられる剪断力は、剪断速度として100sec-1以上、好ましくは500〜10,000sec-1の範囲内で決定される。
【0047】
本発明で特に好ましく用いられる熱可塑性エラストマー(A)は、部分的に架橋されているが、この「部分的に架橋された」とは、下記の方法で測定したゲル含量が20〜98%の範囲内にある場合をいい、本発明においては、ゲル含量が40〜98%の範囲内にあることが好ましい。
【0048】
[ゲル含量の測定法]
熱可塑性エラストマーの試料を約100mg秤量して0.5mm×0.5mm×0.5mmの細片に裁断し、次いで、得られた細片を、密閉容器中にて30mlのシクロヘキサンに、23℃で48時間浸漬する。
【0049】
次に、この試料を濾紙上に取り出し、室温にて72時間以上恒量になるまで乾燥する。
この乾燥残渣の重量からポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性成分(繊維状フィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を、「補正された最終重量(Y)」とする。
【0050】
一方、試料の重量からポリマー成分以外のシクロヘキサン可溶性成分(たとえば軟化剤)の重量およびポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性成分(繊維状フィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を、「補正された初期重量(X)」とする。
【0051】
ここに、ゲル含量(シクロヘキサン不溶解分)は、次式により求められる。
ゲル含量[重量%]=[補正された最終重量(Y)]÷[補正された初期重量(X)]×100
本発明で用いられる熱可塑性エラストマー(A)は、結晶性ポリオレフィンとゴムとからなるため、流動性に優れている。
【0052】
上記のような熱可塑性エラストマー(A)は、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形、押出成形等の従来使用されている成形装置を用いて成形することができる。
【0053】
超高分子量ポリオレフィン組成物(B)
本発明で用いられる超高分子量ポリオレフィン組成物(B)の具体的な例としては、以下のような超高分子量ポリオレフィン組成物が挙げられる。
【0054】
(1)135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が3.5〜8.3dl/gの範囲にあるポリオレフィン(a)と、
結晶性オレフィン系樹脂とオレフィン系ゴムからなるオレフィン系熱可塑性エラストマー(b)と、必要に応じて、
スチレンまたはその誘導体の重合体ブロック(c−1)と、イソプレン重合体ブロックおよび/またはイソプレン・ブタジエン共重合体ブロックであって、全イソプレン単位に対する1,2−位および3,4−位で結合しているイソプレン単位含有量が40%以上である重合体および/または共重合体ブロック(c−2)とからなる水素添加されていてもよいブロック共重合体(c)、および/または
高級脂肪酸アミド(d)、シリコーンオイル(e)、脂肪族アルコールとジカルボン酸あるいはモノカルボン酸とのエステル(f)、およびフッ素系ポリマー(g)からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分と
からなる組成物。
【0055】
(2)135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が7〜40dl/g、好ましくは10〜35dl/gの範囲内にある超高分子量ポリオレフィン(a−1)と、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が0.1〜5dl/g、好ましくは0.1〜2dl/gの範囲内にある低分子量ないし高分子量ポリオレフィン(a−2)とから実質的になり、超高分子量ポリオレフィン(a−1)が、超高分子量ポリオレフィン(a−1)とポリオレフィン(a−2)との総重量100重量%に対して15〜40重量%、好ましくは18〜35重量%の割合で存在し、かつ、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が3.5〜8.3dl/gの範囲にあるポリオレフィン組成物(a)’と、
結晶性オレフィン系樹脂とオレフィン系ゴムからなるオレフィン系熱可塑性エラストマー(b)と、必要に応じて、
上記ブロック共重合体(c)、および/または
高級脂肪酸アミド(d)、シリコーンオイル(e)、脂肪族アルコールとジカルボン酸あるいはモノカルボン酸とのエステル(f)、およびフッ素系ポリマー(g)からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分と
からなる組成物。
【0056】
(3)上記(1)または(2)の超高分子量ポリオレフィン組成物と、この超高分子量ポリオレフィン組成物当り1〜20重量%の液体ないし固体の潤滑油とからなる組成物。
【0057】
[ポリオレフィン(a)、超高分子量ポリオレフィン(a−1)およびポリオレフィン(a−2)]
上記(1)の組成物を構成するポリオレフィン(a)、上記(2)の組成物を構成する超高分子量ポリオレフィン(a−1)およびポリオレフィン(a−2)は、たとえばエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、4-メチル-1- ペンテン、3-メチル-1- ペンテンなどのα- オレフィンの単独重合体または共重合体からなる。本発明においては、エチレン単独重合体、およびエチレンと他のα- オレフィンとからなる、エチレンを主成分とする共重合体が望ましい。
【0058】
[オレフィン系熱可塑性エラストマー(b)]
上記オレフィン系熱可塑性エラストマー(b)は、上述したオレフィン系熱可塑性エラストマー(A)と同様の材料を用いることができる。成分(b)と(A)とは全く同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0059】
[ブロック共重合体(c)]
本発明で用いられるブロック共重合体(c)は、スチレンまたはその誘導体の重合体ブロック(c−1)と、特定のイソプレン重合体または特定のイソプレン・ブタジエン共重合体からなるブロック(c−2)とからなり、水素添加されていてもよい。
【0060】
上記ブロック(c−1)を構成する重合体成分は、スチレンまたはその誘導体である。
スチレンの誘導体としては、具体的には、α- メチルスチレン、1-ビニルナフタレン、2-ビニルナフタレン、3-メチルスチレン、4-プロピルスチレン、4-シクロヘキシルスチレン、4-ドデシルスチレン、2-エチル-4- ベンジルスチレン、4-(フェニルブチル)スチレンなどが挙げられる。ブロック(c−1)を構成する重合体成分としては、スチレン、α- メチルスチレンが好ましい。
【0061】
上記ブロック(c−2)を構成する重合体または共重合体は、イソプレン重合体またはイソプレン・ブタジエン共重合体であって、下記に示すイソプレン単位全体に対する1,2−位および3,4−位で結合しているイソプレン単位含有量が40%以上、好ましくは45%以上である。
【0062】
【化1】
Figure 0004059971
【0063】
本発明において、全イソプレン単位に対する1,2−位および3,4−位で結合しているイソプレン単位含有量が40%以上であるとき、耐傷付き性に優れた成形体を提供し得る熱可塑性エラストマーを得ることができる。
【0064】
ブロック共重合体(c)におけるスチレンまたはその誘導体の重合体ブロック(c−1)の割合は、好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10〜45重量%の範囲である。すなわち、上記のイソプレン重合体ブロックまたはイソプレン・ブタジエン共重合体ブロック(c−2)の割合は、好ましくは95〜50重量%、さらに好ましくは90〜55重量%の範囲である。
【0065】
本発明においては、水素添加されたブロック共重合体(c)が好ましい。水素添加されたブロック共重合体(c)を用いると、耐候性と耐熱性により優れた成形体を提供し得る熱可塑性エラストマーが得られる。
本発明で用いられるブロック共重合体(c)のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238、230℃、2.16kg荷重、以下同じ)は、好ましくは0.01〜30g/10分、さらに好ましくは0.01〜10g/10分の範囲にある。メルトフローレートが上記のような範囲にあるブロック共重合体(c)を用いると、耐傷付き性に優れた成形体を提供し得る熱可塑性エラストマーが得られる。
【0066】
本発明で用いられるブロック共重合体(c)のブロック形態としては、ブロック(c−1)−ブロック(c−2)−ブロック(c−1)の形態が最も好ましいが、これに限られるものではない。
【0067】
このようなブロック共重合体(c)は、たとえば、以下のような方法により製造することができる。
(1) アルキルリチウム化合物を開始剤としてスチレンまたはその誘導体、イソプレンまたはイソプレン・ブタジエン混合物を逐次重合させる方法。
(2) スチレンまたはその誘導体、次いで、イソプレンまたはイソプレン・ブタジエン混合物を重合し、これをカップリング剤によりカップリングする方法。
(3) ジリチウム化合物を開始剤としてイソプレンまたはイソプレン・ブタジエン混合物、次いで、スチレンまたはその誘導体を逐次重合させる方法。
【0068】
上記ブロック共重合体(c)の製造方法の詳細は、たとえば特開平2−300250号公報に記載されている。
また、上記のような方法により得られたブロック共重合体(c)に水添処理を行なえば、水素添加されたブロック共重合体(c)が得られる。水添されるブロックは、イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン・ブタジエン共重合体ブロック(c−2)である。
【0069】
本発明においては、ブロック共重合体(c)は、必要に応じて、上記の成分(a)、(b)および(c)の合計量100重量部に対して、5〜60重量部、好ましくは10〜50重量部、さらに好ましくは10〜40重量部の割合で用いられる。
【0070】
ブロック共重合体(c)を上記のような割合で用いると、特に耐摩耗性に優れた成形体を提供し得る熱可塑性エラストマーが得られる。
[高級脂肪酸アミド(d)、シリコーンオイル(e)、エステル(f)およびフッ素系ポリマー(g)]
本発明で用いられる高級脂肪酸アミド(d)としては、具体的には、ラウリル酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベへミン酸アミド等の飽和脂肪酸アミド;
エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ブラシジン酸アミド、エライジン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド;
メチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド等のビス脂肪酸アミドなどが挙げられる。これらの中では、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミドが好ましい。
【0071】
本発明で用いられるシリコーンオイル(e)としては、具体的には、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル、テトラメチルテトラフェニルトリシロキサン、変性シリコーン油などが挙げられる。これらの中では、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイルが好ましく用いられる。
【0072】
このシリコーンオイル(e)の動粘度[JIS K 2283、25℃]は、10〜30,000cSt、好ましくは50〜10,000cSt、さらに好ましくは100〜5,000cStの範囲である。
【0073】
本発明で用いられるエステル(f)は、脂肪族アルコールと、ジカルボン酸あるいはモノカルボン酸とのエステルである。
このようなエステル(f)としては、具体的には、セチルアルコールと酢酸とのエステル、セチルアルコールとプロピオン酸とのエステル、セチルアルコールと酪酸とのエステル、牛脂アルコールと酢酸とのエステル、牛脂アルコールとプロピオン酸とのエステル、牛脂アルコールと酪酸とのエステル、ステアリルアルコールと酢酸とのエステル、ステアリルアルコールとプロピオン酸とのエステル、ステアリルアルコールと酪酸とのエステル、ジステアリルアルコールとフタル酸とのエステル、グリセリンモノオレート、グリセリンモノステアレート、12- 水酸化ステアレート、グリセリントリステアレート、トリメチロールプロパントリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ブチルステアレート、イソブチルステアレート、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル、ベヘン酸エステル、カルシウムソープ含有エステル、イソトリデシルステアレート、セチルパルミテート、セチルステアレート、ステアリールステアレート、ベヘニルベヘネート、モンタン酸エチレングリコールエステル、モンタン酸グリセリンエステル、モンタン酸ペンタエリスリトールエステル、カルシウム含有モンタン酸エステルなどが挙げられる。これらの中では、ジステアリルアルコールとフタル酸とのエステル、グリセリンモノオレート、グリセリンモノステアレート、ステアリン酸エステル、モンタン酸グリセリンエステルが好ましい。特にジステアリルアルコールとフタル酸とのエステル、グリセリンモノステアレート、モンタン酸グリセリンエステルが好ましい。
【0074】
本発明で用いられるフッ素系ポリマ−(g)としては、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド共重合物などが挙げられる。これらの中では、ポリテトラフルオロエチレンが好ましい。
【0075】
本発明においては、上記の高級脂肪酸アミド(d)、シリコーンオイル(e)、エステル(f)およびフッ素系ポリマー(g)からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分は、必要に応じて用いられ、ポリオレフィン(a)もしくはポリオレフィン組成物(a)’とオレフィン系熱可塑性エラストマー(b)とブロック共重合体(c)との合計量100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いられる。上記ブロック共重合体(c)は任意成分であるので、0重量部となる場合がある。
【0076】
[液体ないし固体の潤滑油]
前記(3)の組成物で用いられる液体潤滑油としては、石油系潤滑油、合成潤滑油などが使用される。
【0077】
石油系潤滑油としては、具体的には、流動パラフィン、スピンドル油、冷凍機油、ダイナモ油、タービン油、マシン油、シリンダー油などが使用される。
合成潤滑油としては、具体的には、合成炭化水素油、ポリグリコール油、ポリフェニルエーテル油、エステル油、リン酸エステル油、ポリクロロトリフルオロエチレン油、フルオロエステル油、塩素化ビフェニル油、シリコーン油などが使用される。
【0078】
また、前記(3)の組成物で用いられる固体潤滑油としては、具体的には、黒鉛、二硫化モリブデンが主に使用されるが、他に窒化ホウ素、二硫化タングステン、酸化鉛、ガラス粉、金属石けんなども、使用することができる。固体潤滑油は、単独でも使用することができ、また、液体潤滑油と組み合わせて使用することができ、たとえば粉末、ゾル、ゲル、サスペンソイドなどの形態で超高分子量ポリオレフィンに配合することができる。
【0079】
本発明で用いられる超高分子量ポリオレフィン組成物(B)には、必要に応じて、鉱物油系軟化剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、充填剤、着色剤、滑剤などの添加物を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
【0080】
上記(1)〜(3)の超高分子量ポリオレフィン組成物(B)は、上記熱可塑性エラストマー(A)との共押出積層加工が行なえるため、本発明のガラスランチャンネルの製造に際し、フィルム(シート)成形工程を経ることなく、直接、熱可塑性エラストマー(A)層と超高分子量ポリオレフィン組成物(B)層とを積層することができ、経済的である。
【0081】
一方、超高分子量ポリオレフィン、たとえば上記(2)における135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が7〜40dl/gの範囲内にある超高分子量ポリオレフィン(a−1)単独では、上記熱可塑性エラストマー(A)との共押出積層加工を行なうことはできず、したがって、上記の熱可塑性エラストマー層と超高分子量ポリオレフィン層との積層に際しては、少なくとも一方を予めフィルム(シート)にしておく必要があり、上記超高分子量ポリオレフィン組成物(B)の場合と比較すると経済性に劣る。
【0082】
本発明に係るガラスランチャンネルにおいて、水切り部3はガラスランチャンネル本体2と同一材質からなることが好ましい。
ガラスランチャンネル本体2が熱可塑性エラストマー(A)からなっている場合には、水切り部3も同一材質で成形すれば、耐久性の点でも、滑性樹脂層9との接合強度の点でも十分に実用に耐える。
【0083】
本発明に係るガラスランチャンネルにおいて用いることのできるシャークスキン(サメ肌)は、原料熱可塑性エラストマー(A)の性状を適当に選ぶことにより、成形時に発現させ得る。
【0084】
得られたシャークスキンの外観は、樹脂やエラストマーの押出成形時に見られることのあるメルトフラクチャーとは異なり、成形品の肌が周期的に荒れて微細な凹凸を生じている。
【0085】
また、このシャークスキンの上に施された滑性樹脂層9表面にも、シャークスキンが現出していることが必要で、滑性樹脂層9の厚さは、通常3〜50μmとなるように積層する。また、本発明においては、必要に応じて、滑性樹脂層9の厚さをさらに厚くすることもできるし、また薄くすることもできる。
【0086】
なお、水切り部3が窓ガラス12と接触する部位は、窓ガラス12の進入時と退出時とでは一般に異なるから、超高分子量ポリオレフィン組成物(B)による被覆および必要に応じて施されるシャークスキンの形成は、水切り部3の比較的広い範囲に施しておくことが好ましい。
【0087】
また、図1に示す具体例では、ガラスランチャンネル本体2の内部には、窓ガラス端部と当接する部分16があるが、この部分16にも、熱可塑性エラストマー(A)からなるガラスランチャンネル本体2表面に、超高分子量ポリオレフィン組成物(B)からなる滑性樹脂層9を設けることができる。
【0088】
さらに、本発明においては、上記滑性樹脂層9の表面に起毛が存在していてもよい。上記起毛の加飾方法としては、(a)エメリーペーパーによるバフ掛けをして滑性樹脂層表面を起毛加飾する方法、(b)針布ロール通しをして滑性樹脂層表面を起毛加飾する方法、(c)ベルトサンダーもしくはドラムサンダーなどによるサンディングをして滑性樹脂層表面を起毛加飾する方法、(d)特開昭62−275,732号公報に記載されている熱微小体を衝突させて滑性樹脂層表面を起毛加飾する方法など、従来公知の起毛加飾方法が用いられる。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、接着剤の塗布工程、接着剤の硬化ないし焼付工程、およびその前後のエンボス加工工程をすべて省略することができ、その結果、工程数が少なくて済み、また、作業時間を短縮することができるため、経済性に優れたガラスランチャンネルを製造することができるとともに、耐久性、閉鎖時における窓ガラスとの緊密接触性、および開閉操作時における軽快摺動性に優れ、ねじったり折り曲げたりしても超高分子量ポリオレフィン組成物層に皺が生じないガラスランチャンネルを提供することができる。
【0090】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
【0091】
【実施例1】
エチレン含有量70モル%、ヨウ素価12、ムーニー粘度ML1+4 (100℃)120のエチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム[以下、EPDMと略す]80重量部と、MFR(ASTM D 1238−65T、230℃)13g/10分、密度0.91g/cm3 のポリプロピレン[以下、PPと略す]20重量部とを、バンバリーミキサーを用いて、窒素雰囲気中、180℃で5分間混練した後、この混練物をロールに通してシート状にし、これをシートカッターで裁断して角ペレットを製造した。
【0092】
次いで、この角ペレットと、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン[以下、ペルオキシドと略す]0.3重量部と、ジビニルベンゼン[以下、DVBと略す]0.5重量部とをヘンシェルミキサーで攪拌混合した。
【0093】
次いで、この混合物を、L/D=40、スクリュー径50mmの2軸押出機を用いて、窒素雰囲気中、220℃で押出して熱可塑性エラストマー(A−1)を得た。
【0094】
得られた熱可塑性エラストマー(A−1)のゲル含量は、上記方法により求めたところ、85重量%であった。
この熱可塑性エラストマー(A−1)を230℃の温度で押出成形してガラスランチャンネル本体および水切り部を成形するとともに、その表面に、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が28dl/gの超高分子量ポリエチレン(a−1)23重量%と、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.73dl/gの低分子量ポリエチレン(a−2)77重量%とからなるポリエチレン組成物(a)’[135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]:7.0dl/g]75重量部と熱可塑性エラストマー(A−1)25重量部を上述の2軸押出機で混練した超高分子量ポリエチレン組成物(B−1)を250℃で共押出積層してガラスランチャンネルを得た。
【0095】
得られたガラスランチャンネルは、ほぼ台形状の形状をしており、図3において窓枠13に固定されるガラスランチャンネル1の傾斜部と水平部との合計長さが1500mm、垂直部の長さが900mmであり、図1において本体2の底部外幅が15mm、側部外高が20mm、水切り部3の長さが10mmであり、図1に示された断面形状にほぼ等しく、超高分子量ポリエチレン組成物層の厚みは平均30μmであった。
【0096】
得られたガラスランチャンネルを試験窓枠に装着し、厚さ3.2mmの窓ガラスを嵌装して耐久試験(窓ガラス上下繰返し試験)を行なった。その結果、このガラスランチャンネルは、50,000回の窓ガラス上下繰返し試験にも耐え、ガラスランチャンネルとしての機能を維持していた。
【0097】
しかしながら、従来品のガラスランチャンネル(窓ガラス摺動部が軟質塩化ビニル樹脂層にナイロンフィルムを接着した積層構造になっている)は、25,000回で窓ガラス接触面において破壊を生じ、その結果、窓ガラスとの摩擦抵抗が著しく増大して使用に耐えられなくなった。
【0098】
また、この実施例1で得られたガラスランチャンネルの直線部を長さ30cmに切り、中央から水切り部を外側にして180度折り曲げたが、超高分子量ポリエチレン組成物層(滑性樹脂層)に顕著な皺は見られなかった。
【0099】
【実施例2】
実施例1において、ポリエチレン組成物(a)’60重量部、熱可塑性エラストマー(A−1)15重量部、およびスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体[スチレン含有量:20重量%、イソプレン重合体部分における1,2−位および3,4−位で結合しているイソプレン単位含有量:55%、メルトフローレート:2.5g/10分](c)25重量部を上述の2軸押出機で混練した超高分子量ポリエチレン組成物(B−2)を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。
【0100】
得られたガラスランチャンネルを用いて、窓ガラス上下繰返し試験を実施例1と同様にして行なった結果、50,000回に耐えた。また、上述の折り曲げに対しても、超高分子量ポリエチレン組成物層に顕著な皺は見られなかった。
【0101】
【実施例3】
実施例1において、EPDMおよびPPのほかに、ブチルゴム[エッソ社製、IIR−065、不飽和度0.8モル%、以下、IIRと略す]10重量部およびパラフィン系プロセスオイル[出光興産(株)製、商品名 ダイアナプロセスオイル]30重量部を配合して熱可塑性エラストマー(A−2)を製造した以外は、実施例1と同様に行なった。得られた熱可塑性エラストマー(A−2)のゲル含量は、70%であった。
【0102】
得られたガラスランチャンネルは、窓ガラス上下繰返し試験50,000回に耐えた。また、上述の折り曲げに対して、超高分子量ポリエチレン組成物層に顕著な皺は見られなかった。
【0103】
【実施例4】
実施例1において、ポリエチレン組成物(a)’75重量部および熱可塑性エラストマー(A−1)25重量部の他に、エルカ酸アミド0.5重量部から超高分子量ポリエチレン組成物(B−3)を調製した以外は、実施例1と同様に行なった。
【0104】
得られたガラスランチャンネルは、窓ガラス上下繰返し試験50,000回に耐えた。また、上述の折り曲げに対しても、超高分子量ポリエチレン組成物層に顕著な皺は見られなかった。
【0105】
【比較例1】
実施例1において、超高分子量ポリエチレン組成物(B−1)の代わりに、ポリエチレン組成物(a)’を単独で用いた以外は、実施例1と同様に行なった。
【0106】
得られたガラスランチャンネルは、窓ガラス上下繰返し試験50,000回に耐えた。しかしながら、上述の折り曲げに対しては、超高分子量ポリエチレン組成物層の部分に皺が生じ白化が見られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るガラスランチャンネルの断面図である。
【図2】図2は、図1に示すガラスランチャンネルの窓ガラスとの接触部の拡大断面図である。
【図3】図3は、ガラスランチャンネルの自動車ドアへの取付けを説明する図である。
【図4】図4は、窓ガラスの開放時におけるガラスランチャンネルの状態を示す断面図である。
【図5】図5は、窓ガラスの閉鎖時におけるガラスランチャンネルの状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ・・・・・ガラスランチャンネル
1a ・・・底壁
1b ・・・側壁
1c ・・・溝部
2 ・・・・・ガラスランチャンネル本体
3 ・・・・・水切り部
4 ・・・・・窓ガラス接触部
7 ・・・・・熱可塑性エラストマーからなる基体層
8 ・・・・・微小凹凸の繰返し模様(必要に応じて施される)を有する基体層表面
9 ・・・・・超高分子量ポリオレフィン組成物からなる滑性樹脂層
10 ・・・微小凹凸の繰り返し模様(必要に応じて施される)を有する滑性樹脂層表面

Claims (5)

  1. 底壁と底壁の両端部から延設した側壁とから構成され、断面略U字状で溝部が形成されたガラスランチャンネル本体と、該ガラスランチャンネル本体の両側壁の先端近傍から該底壁に向かって相互に近接するように張設した舌片状の水切り部とから構成されたガラスランチャンネルであって、
    該水切り部の窓ガラスと接触する表面である窓ガラス接触部が、
    結晶性ポリオレフィンとゴムとから構成される熱可塑性エラストマー(A)層と、超高分子量ポリオレフィン組成物(B)層とからなり、かつ、
    超高分子量ポリオレフィン組成物(B)層が窓ガラスと接触するように構成されており、
    該超高分子量ポリオレフィン組成物(B)が、
    135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が7〜40dl/gの範囲内にある超高分子量ポリオレフィン(a−1)と、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が0.1〜5dl/gの範囲内にあるポリオレフィン(a−2)とから実質的になり、該超高分子量ポリオレフィン(a−1)が、超高分子量ポリオレフィン(a−1)とポリオレフィン(a−2)との総重量100重量%に対して15〜40重量%の割合で存在し、かつ、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が3.5〜8.3dl/gの範囲内にあるポリオレフィン(a)’10〜90重量部、および
    結晶性オレフィン系樹脂とオレフィン系ゴムとからなるオレフィン系熱可塑性エラストマー(b)90〜10重量部[成分(a)’および(b)の合計は100重量部]からなることを特徴とするガラスランチャンネル。
  2. 前記超高分子量ポリオレフィン組成物(B)が、
    135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が7〜40dl/gの範囲内にある超高分子量ポリオレフィン(a−1)と、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が0.1〜5dl/gの範囲内にあるポリオレフィン(a−2)とから実質的になり、該超高分子量ポリオレフィン(a−1)が、超高分子量ポリオレフィン(a−1)とポリオレフィン(a−2)との総重量100重量%に対して15〜40重量%の割合で存在し、かつ、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が3.5〜8.3dl/gの範囲内にあるポリオレフィン組成物(a)’10〜90重量部、
    結晶性オレフィン系樹脂とオレフィン系ゴムとからなるオレフィン系熱可塑性エラストマー(b)85〜5重量部、および
    スチレンまたはその誘導体の重合体ブロック(c−1)と、イソプレン重合体ブロックおよび/またはイソプレン・ブタジエン共重合体ブロックであって、全イソプレン単位に対する1,2−位および3,4−位で結合しているイソプレン単位含有量が40%以上である重合体および/または共重合体ブロック(c−2)とからなる水素添加されていてもよいブロック共重合体(c)5〜60重量部[成分(a)’、(b)および(c)の合計は100重量部]からなることを特徴とする請求項に記載のガラスランチャンネル。
  3. 前記超高分子量ポリオレフィン組成物(B)が、さらに高級脂肪酸アミド(d)、シリコーンオイル(e)、脂肪族アルコールとジカルボン酸あるいはモノカルボン酸とのエステル(f)、およびフッ素系ポリマー(g)からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分を、前記超高分子量ポリオレフィン組成物(B)100重量部に対して、0.01〜10重量部含有していることを特徴とする請求項1または2に記載のガラスランチャンネル。
  4. 前記超高分子量ポリオレフィン組成物(B)を構成するオレフィン系熱可塑性エラストマー(b)が、
    結晶性ポリプロピレン(A−1)70〜10重量部と、
    エチレン・プロピレン共重合体ゴムまたはエチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムからなるゴム(A−2)30〜90重量部[成分(A−1)および(A−2)の合計量は100重量部とする]と
    からなる混合物を、有機ペルオキシドの存在下で動的に熱処理して得られる、上記ゴム(A−2)が架橋された熱可塑性エラストマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガラスランチャンネル。
  5. 前記超高分子量ポリオレフィン組成物(B)が、超高分子量ポリオレフィン組成物(B)当り1〜20重量%の液体ないし固体の潤滑油を含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガラスランチャンネル。
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