JPH054522A - ガラスランチヤンネル - Google Patents

ガラスランチヤンネル

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JPH054522A
JPH054522A JP3105918A JP10591891A JPH054522A JP H054522 A JPH054522 A JP H054522A JP 3105918 A JP3105918 A JP 3105918A JP 10591891 A JP10591891 A JP 10591891A JP H054522 A JPH054522 A JP H054522A
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JP
Japan
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polyolefin
weight
run channel
parts
glass run
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JP3105918A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Murata
田 和 彦 村
Tokushige Murakami
上 徳 茂 村
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Priority to US07/872,158 priority patent/US5302463A/en
Priority to DE69204889T priority patent/DE69204889T2/de
Priority to CN92103009A priority patent/CN1046460C/zh
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Priority to US08/165,646 priority patent/US5378543A/en
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明に係るガラスランチャンネルは、横断
面において溝状の本体と、その側壁頂部付近から中心側
に向かって張出した舌片状の水切り部とから構成される
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー製のガラスラン
チャンネルであって、その水切り部の表面で少なくとも
窓ガラスに接触し得る部分が、ポリオレフィン系熱可塑
性エラストマー層に積層された、特定の極限粘度[η]
を有する超高分子量ポリオレフィンからなる層で構成さ
れている。 【効果】 本発明によれば、経済性に優れたガラスラン
チャンネルを製造することができるとともに、耐久性、
閉鎖時における窓ガラスとの緊密接触性、および開閉操
作時における軽快摺動性に優れたガラスランチャンネル
を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ガラスランチャンネルに
関し、さらに詳しくは、熱可塑性エラストマー製基体層
と滑性樹脂表面層とからなる積層体により構成される窓
ガラス摺動部を備えたガラスランチャンネルに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】一般に自動車の車輌における窓ガ
ラスでは、通風換気のために、あるいは車輌外部との通
話などのために、昇降による開閉操作が必要である。窓
ガラスの昇降開閉操作を容易にしながら、しかも窓ガラ
スと窓枠との緊密的(液密的)な密閉操作を可能とする
ために、窓ガラスと窓枠との間にガラスランチャンネル
と呼ばれる案内部材を設けている。
【0003】従来のガラスランチャンネルは、軟質塩化
ビニル樹脂のような軟質合成樹脂や、エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合ゴム等の加硫ゴムで形成された、横
断面において溝状の本体と、その側壁頂部付近から中心
側へ向かって張出した舌片状の水切り部とからなってい
る。
【0004】従来のガラスランチャンネルでは、水切り
部の窓ガラスとの摺動部からの離れを良好にし、また窓
ガラスが汚れるのを防止するために、窓ガラス摺動部と
して表面にナイロンフィルム等を接着により貼合わせ、
また窓ガラスとの接触面積を少なくするために、上記ナ
イロンフィルム等の積層の前または後に、エンボス加工
を施している。
【0005】従来のガラスランチャンネルでは、上述し
た軟質合成樹脂または加硫ゴムとナイロン類の表面素材
との間に接着性がないため、軟質合成樹脂または加硫ゴ
ムでガラスランチャンネルの本体を成形し、得られた成
形物に接着剤を塗布してナイロンなどのフィルムを貼合
わせるという工程が必要であり、さらに、この接着の前
または後にエンボス加工を行なわなければならない等、
工程数が多く、しかも手間を要するという不都合があ
る。
【0006】また、従来のガラスランチャンネルでは、
接着剤による積層工程があることから、耐久性にも問題
があり、経時および屋外曝露等により表面フィルム層と
基体との間で剥離を生じやすいという欠点もある。さら
に、エンボス加工で形成させ得る凹凸模様は未だ微細さ
と均一さとの組合せにおいて十分満足のいくものではな
く、閉鎖時における窓ガラス摺動部と窓ガラスとの間の
緊密接触性、および開放時における窓ガラス摺動部と窓
ガラスとの間の軽快摺動性についても未だ改善すべき余
地が残されている。
【0007】そこで、本発明者らは、ガラスランチャン
ネルの上記のような問題を解決すべく鋭意研究し、ガラ
スランチャンネルの少なくとも窓ガラス摺動部を構成す
るエラストマーとしてポリオレフィン系熱可塑性エラス
トマーを選択し、そのポリオレフィン系熱可塑性エラス
トマー層上に超高分子量ポリオレフィンを熱融着させて
積層すれば、製造作業が容易であり、しかも、耐久性、
閉鎖時における窓ガラスとの緊密接触性、および開放時
における窓ガラスとの軽快摺動性に優れたガラスランチ
ャンネルを得ることができることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、経済性に優れ
るとともに、耐久性、閉鎖時における窓ガラスとの緊密
接触性、および開放時における窓ガラスとの軽快摺動性
に優れたガラスランチャンネルを提供することを目的と
している。
【0009】
【発明の概要】本発明に係るガラスランチャンネルは、
横断面において溝状の本体と、その側壁頂部付近から中
心側に向かって張出した舌片状の水切り部とから構成さ
れるポリオレフィン系熱可塑性エラストマー製のガラス
ランチャンネルであって、その水切り部の表面で少なく
とも窓ガラスに接触し得る部分が、ポリオレフィン系熱
可塑性エラストマー層に積層された超高分子量ポリオレ
フィン層からなり、かつ、超高分子量ポリオレフィン層
が135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]1
0〜40dl/gの範囲内にある超高分子量ポリオレフ
ィンで構成されていることを特徴としている。
【0010】本発明において好ましく用いられるポリオ
レフィン系熱可塑性エラストマーとしては、下記の部分
架橋された、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーお
よび変性ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが挙げ
られる。
【0011】(1)結晶性ポリプロピレン(a)70〜
10重量部と、エチレン・プロピレン共重合体ゴムまた
はエチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムからなる
ゴム(b)30〜90重量部[成分(a)および(b)
の合計量は、100重量部とする]とからなる混合物
を、有機ペルオキシドの存在下で動的に熱処理して得ら
れる、上記ゴム(b)が部分的に架橋されたポリオレフ
ィン系熱可塑性エラストマー。
【0012】(2)(i)ペルオキシド架橋型オレフィ
ン系共重合体ゴム95〜10重量部と、 (ii)オレフィン系プラスチック5〜90重量部
[(i)および(ii)の合計量は、100重量部とす
る]と、 (iii)α,β−不飽和カルボン酸もしくはその誘導
体、または不飽和エポキシ単量体0.01〜10重量部 とを含有するブレンド物が、有機ペルオキシドの存在下
に動的に熱処理されて、部分的に架橋されている変性ポ
リオレフィン系熱可塑性エラストマー。
【0013】本明細書中において、「ポリオレフィン系
熱可塑性エラストマー」なる語は、非グラフト変性のポ
リオレフィン系熱可塑性エラストマーを指すだけでな
く、グラフト変性されたポリオレフィン系熱可塑性エラ
ストマーをも、指す場合がある。
【0014】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るガラスランチ
ャンネルの一例を図に基づいて具体的に説明する。
【0015】本発明のガラスランチャンネルの一例の断
面構造を示す図1において、このガラスランチャンネル
1は、横断面において溝状(コの字型)の本体2と、そ
の側壁部頂部付近から中心側へ向かって張出した舌片状
の水切り部3とからなっている。この一対の水切り部
3,3は、本体2の溝の内方へ向けて傾斜して延びてお
り、その外面側が窓ガラス接触部4となっており、その
先端5,5は、互いに開閉可能な位置関係にある。本体
2は、その外側壁に窓枠への取付け用フック6が設けら
れている。
【0016】この本体2および水切り部3はエラストマ
ーで一体に成形されているが、本発明によれば、少なく
とも窓ガラス接触部4を、ポリオレフィン系熱可塑性エ
ラストマーからなる基体層と超高分子量ポリオレフィン
からなる滑性樹脂層とで構成する。この窓ガラス接触部
4を拡大して示す図2のように、ポリオレフィン系熱可
塑性エラストマーからなる基体層7の表面8は、微細な
凹凸の繰返し模様が施されていることが好ましい。この
ようなシャークスキン状の微小凹凸模様を有する表面8
に対して、超高分子量ポリオレフィンからなる滑性樹脂
層9が熱融着により積層され、その外表面10には同様
の微細な凹凸の繰返し模様が施されていることが好まし
い。
【0017】このガラスランチャンネルの自動車への取
付けを説明するための図3、図4および図5において、
自動車のドア11には昇降動により開閉可能に窓ガラス
12が設けられており、一方、窓枠13に対してガラス
ランチャンネル1が固定されている。すなわち、図4お
よび図5において、窓枠13は、全体として断面がコの
字型に成形され、その凹部14の入口部分には内方への
突起部15が形成されている。この凹部14にガラスラ
ンチャンネル1を挿入し、その係合用フック6と上記突
起部15とを係合させることにより、窓枠13へのガラ
スランチャンネル1の固定が行なわれる。図4に示すよ
うに、窓ガラス12を降下させた状態では、ガラス摺動
部の先端5,5は互いに対面して閉じており、また、図
5に示すように、窓ガラス12の上昇状態では、窓ガラ
ス摺動部の先端5,5は、これらの間に嵌挿された窓ガ
ラス12により分離されているが、窓ガラス面とは接触
した状態となっている。
【0018】本発明によれば、ガラスランチャンネル1
の内、少なくとも窓ガラスと接触する部分にポリオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーの基体層7と、この基体層
7の表面に熱融着された超高分子量ポリオレフィンから
なる滑性樹脂層9とを設ける。
【0019】すなわち、本発明で用いられるポリオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーは、任意の形状および寸法
に熱成形することが可能であるとともに、ガラスランチ
ャンネルの窓ガラス摺動部に要求される弾性、柔軟性、
可圧縮性などの特性に優れており、しかも、耐久性、耐
候性、耐水性などの性質にも優れている。このポリオレ
フィン系熱可塑性エラストマーは、無水マレイン酸等の
極性基含有モノマーのグラフト共重合により変性されて
いてもよい。ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー
は、表面材層となる超高分子量ポリオレフィンからなる
滑性樹脂層9に対し、強い接着性を示し、この滑性樹脂
層9との熱融着により、接着直後および経時の層間接着
強度、さらには、耐候試験後の層間接着強度に優れた積
層構造を形成させることができる。しかも、本発明で基
体層7として用いられるポリオレフィン系熱可塑性エラ
ストマーは、シャークスキン状の成形外観を呈するよう
に成形することも可能であり、この成形工程と、表面材
層としての超高分子量ポリオレフィンからなる滑性樹脂
層9と基体層7との熱融着工程とを組合わせることによ
り、滑性樹脂層9の外表面にシャークスキン状の微小凹
凸模様を忠実に再現することもできる。このようなシャ
ークスキン状の微小凹凸模様表面の写し出しは、従来の
接着剤塗布方式では極めて困難であり、上記成形工程と
熱融着工程との組合せによりはじめて可能となった。
【0020】本発明によれば、上述した構成を採用する
ことにより、接着剤の塗布工程、接着剤の硬化ないし焼
付工程、その前あるいは後におけるエンボス加工工程が
すべて省略され、少ない工程数と少ない手間とでガラス
ランチャンネルを能率よく製造することができる。ま
た、超高分子量ポリオレフィンからなる滑性樹脂層9を
表面材層としてを設けることにより、窓ガラスとの摩擦
係数を低減させることができるだけでなく、従来のエン
ボス加工による凹凸模様に比して、ピッチが均一で、し
かもシャークスキン状の微細な凹凸を表面に形成させる
ことが可能となった。したがって、本発明に係るガラス
ランチャンネルにおいては、窓ガラスの閉鎖時には窓ガ
ラスとの緊密(液密)な接触が可能となるとともに、窓
ガラスの開放時にはその摺動抵抗を低減させて、円滑軽
快な開閉操作が可能となる。
【0021】ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー 本発明で用いられるポリオレフィン系熱可塑性エラスト
マーは、結晶性ポリオレフィンとゴムとから構成されて
いる。
【0022】本発明で用いられる結晶性ポリオレフィン
としては、炭素原子数2〜20のα- オレフィンの単独
重合体または共重合体が挙げられる。上記結晶性ポリオ
レフィンの具体的な例としては、以下のような(共)重
合体が挙げられる。 (1)エチレン単独重合体 (製法は、低圧法、高圧法のいずれでも良い) (2)エチレンと、10モル%以下の他のα- オレフィ
ンまたは酢酸ビニル、エチルアクリレートなどのビニル
モノマーとの共重合体 (3)プロピレン単独重合体 (4)プロピレンと10モル%以下の他のα- オレフィ
ンとのランダム共重合体 (5)プロピレンと30モル%以下の他のα- オレフィ
ンとのブロック共重合体 (6)1-ブテン単独重合体 (7)1-ブテンと10モル%以下の他のα- オレフィン
とのランダム共重合体 (8)4-メチル-1- ペンテン単独重合体 (9)4-メチル-1- ペンテンと20モル%以下の他のα
- オレフィンとのランダム共重合体 上記のα- オレフィンとしては、具体的には、エチレ
ン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1- ペンテン、1-
ヘキセン、1-オクテンなどが挙げられる。
【0023】本発明で用いられるゴムとしては、特に制
限はないが、オレフィン系共重合体ゴムが好ましい。上
記のオレフィン系共重合体ゴムは、炭素原子数2〜20
のα- オレフィンを主成分とする無定形ランダムな弾性
共重合体であって、2種以上のα- オレフィンからなる
非晶性α- オレフィン共重合体、2種以上のα- オレフ
ィンと非共役ジエンとからなるα- オレフィン・非共役
ジエン共重合体などがある。
【0024】このようなオレフィン系共重合体ゴムの具
体的な例としては、以下のようなゴムが挙げられる。 (1)エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム [エチレン/α- オレフィン(モル比)=約90/10
〜50/50] (2)エチレン・α- オレフィン・非共役ジエン共重合
体ゴム [エチレン/α- オレフィン(モル比)=約90/10
〜50/50] (3)プロピレン・α- オレフィン共重合体ゴム [プロピレン/α- オレフィン(モル比)=約90/1
0〜50/50] (4)ブテン・α- オレフィン共重合体ゴム [ブテン/α- オレフィン(モル比)=約90/10〜
50/50] 上記α- オレフィンとしては、具体的には、上記した結
晶性ポリオレフィン成分を構成するα- オレフィンの具
体的な例と同様のα- オレフィンが挙げられる。
【0025】上記非共役ジエンとしては、具体的には、
ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、シクロオク
タジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボル
ネンなどが挙げられる。
【0026】これらの共重合体ゴムのムーニー粘度ML
1+4 (100℃)は、10〜250、特に40〜150
が好ましい。また、上記非共役ジエンが共重合している
場合のヨウ素価は、25以下が好ましい。
【0027】上記のオレフィン系共重合体ゴムは、ポリ
オレフィン系熱可塑性エラストマー中において、未架
橋、部分架橋、全体架橋など、すべての架橋状態で存在
することができるが、本発明においては、部分架橋状態
で存在していることが好ましい。
【0028】本発明において用いられるゴムとしては、
上記のオレフィン系共重合体ゴムのほかに、他のゴム、
たとえばスチレン- ブタジエンゴム(SBR)、ニトリ
ルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(I
IR)等のジエン系ゴム、SEBS、ポリイソブチレン
などが挙げられる。
【0029】本発明で用いられるポリオレフィン系熱可
塑性エラストマーにおいて、結晶性ポリオレフィンとゴ
ムとの重量配合比(結晶性ポリオレフィン/ゴム)は、
90/10〜10/90、好ましくは、70/30〜1
0/90の範囲である。
【0030】また、ゴムとして、オレフィン系共重合体
ゴムとその他のゴムを組合わせて用いる場合には、その
他のゴムは、結晶性ポリオレフィンとゴムとの合計量1
00重量部に対して、40重量部以下、好ましくは5〜
20重量部の割合で配合する。
【0031】本発明で好ましく用いられるポリオレフィ
ン系熱可塑性エラストマーは、結晶性ポリプロピレン
と、エチレン・α- オレフィン共重合体ゴムもしくはエ
チレン・α- オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴムと
からなり、熱可塑性エラストマー中において、これらが
部分架橋した状態で存在し、かつ、結晶性ポリプロピレ
ンとゴムとの重量配合比(結晶性ポリプロピレン/ゴ
ム)が70/30〜10/90の範囲内にある熱可塑性
エラストマーである。
【0032】上記および後述するポリオレフィン系熱可
塑性エラストマーには、必要に応じて、鉱物油系軟化
剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止
剤、充填剤、着色剤、滑剤などの添加物を、本発明の目
的を損なわない範囲で配合することができる。
【0033】本発明で好ましく用いられるポリオレフィ
ン系熱可塑性エラストマーのより具体的な例としては、
結晶性ポリプロピレン(a)60〜10重量部と、エチ
レン・プロピレン共重合体ゴムまたはエチレン・プロピ
レン・ジエン共重合体ゴムからなるゴム(b)40〜9
0重量部[成分(a)および(b)の合計量は、100
重量部とする]と、このゴム(b)以外のゴム(c)お
よび/または鉱物油系軟化剤(d)5〜100重量部と
からなる混合物を、有機ペルオキシドの存在下で動的に
熱処理して得られる、上記ゴム(b)が部分的に架橋さ
れたポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが挙げられ
る。
【0034】上記有機ペルオキシドとしては、具体的に
は、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシ
ド、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキシ)
ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオ
キシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシ
イソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチルペル
オキシ)-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル
-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレート、ベ
ンゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシ
ド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert- ブチ
ルペルオキシベンゾエート、tert-ブチルペルベンゾエ
ート、tert- ブチルペルオキシイソプロピルカーボネー
ト、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシ
ド、tert-ブチルクミルペルオキシドなどが挙げられ
る。
【0035】これらの内では、臭気性、スコーチ安定性
の点で、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキ
シ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペ
ルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオ
キシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチル
ペルオキシ)-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、n-ブ
チル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレート
が好ましく、なかでも、1,3-ビス(tert- ブチルペルオ
キシイソプロピル)ベンゼンが最も好ましい。
【0036】本発明においては、有機ペルオキシドは、
結晶性ポリオレフィンとゴムとの合計量100重量%に
対して、0.05〜3重量%、好ましくは0.1〜1重
量%の割合で用いられる。
【0037】本発明においては、上記有機ペルオキシド
による部分架橋処理に際し、硫黄、p-キノンジオキシ
ム、p,p'- ジベンゾイルキノンジオキシム、N-メチル-N
-4- ジニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニ
ルグアニジン、トリメチロールプロパン-N,N'-m-フェニ
レンジマレイミドのようなペルオキシ架橋用助剤、ある
いはジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコー
ルジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタク
リレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、アリルメタクリレートのような多官能性メタクリレ
ートモノマー、ビニルブチラート、ビニルステアレート
のような多官能性ビニルモノマーを配合することができ
る。
【0038】上記のような化合物を用いることにより、
均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。特に、本発明に
おいては、ジビニルベンゼンが最も好ましい。ジビニル
ベンゼンは、取扱い易く、上記の被架橋処理物の主成分
である結晶性ポリオレフィンおよびゴムとの相溶性が良
好であり、かつ、有機ペルオキシドを可溶化する作用を
有し、有機ペルオキシドの分散剤として働くため、熱処
理による架橋効果が均質で、流動性と物性とのバランス
のとれた熱可塑性エラストマーが得られる。本発明にお
いては、上記のような架橋助剤もしくは多官能性ビニル
モノマーは、上記の被架橋処理物全体に対して、0.1
〜2重量%、特に0.3〜1重量%の割合で用いるのが
好ましい。架橋助剤もしくは多官能性ビニルモノマーの
配合割合が2重量%を超えると、有機ペルオキシドの配
合量が多い場合には、架橋反応が速く進行し過ぎるた
め、得られるポリオレフィン系熱可塑性エラストマー
は、流動性に劣り、一方、有機ペルオキシドの配合量が
少ない場合には、架橋助剤および多官能性ビニルモノマ
ーが、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー中に未反
応のモノマーとして残存し、ポリオレフィン系熱可塑性
エラストマーは、加工成形の際に熱履歴による物性の変
化が生じたりする。したがって、架橋助剤および多官能
性ビニルモノマーは、過剰に配合すべきではない。
【0039】上記の「動的に熱処理する」とは、上記の
ような各成分を融解状態で混練することをいう。混練装
置としては、従来公知の混練装置、たとえば開放型のミ
キシングロール、非開放型のバンバリーミキサー、押出
機、ニーダー、連続ミキサーなどが用いられる。これら
の内では、非開放型の混練装置が好ましく、混練は、窒
素ガス、炭酸ガスなどの不活性ガスの雰囲気下で行なう
ことが好ましい。
【0040】また、混練は、使用する有機ペルオキシド
の半減期が1分未満となる温度で行なうのが望ましい。
混練温度は、通常150〜280℃、好ましくは、17
0〜240℃であり、混練時間は、1〜20分間、好ま
しくは3〜10分間である。また、加えられる剪断力
は、剪断力で通常、10〜104 sec-1、好ましくは
102〜103sec-1の範囲内で決定される。
【0041】本発明で用いられる好ましいポリオレフィ
ン系熱可塑性エラストマーは、部分的に架橋されている
が、この「部分的に架橋された」とは、下記の方法で測
定したゲル含量が20〜98%の範囲内にある場合をい
い、本発明においては、ゲル含量が45〜98%の範囲
内にあることが好ましい。
【0042】[ゲル含量の測定法]試料としてポリオレ
フィン系熱可塑性エラストマーのペレットを約100m
g精秤し、密閉容器中にてこのペレットに対して充分な
量である30mlのシクロヘキサンに、23℃で48時
間浸漬する。
【0043】次に、この試料を濾紙上に取り出し、室温
にて72時間以上恒量になるまで乾燥する。ゲル含量
は、次式で表わされる。 ゲル含量[%]=(シクロヘキサン浸漬後の乾燥重量)
÷(シクロヘキサン浸漬前の重量)×100 また、本発明においては、上記基体層7を構成する好ま
しいポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとして、以
下のような変性ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー
(MTPE)を用いることができる。 (i)ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム9
5〜10重量部と、(ii)オレフィン系プラスチック5
〜90重量部[成分(i)および(ii)の合計量は、1
00重量部とする]と、(iii)α,β- 不飽和カルボン
酸もしくはその誘導体、または不飽和エポキシ単量体の
ような極性基含有モノマー0.01〜10重量部とを含
有するブレンド物が、有機ペルオキシドの存在下に動的
に熱処理されて、部分的に架橋されいる変性ポリオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーである。
【0044】本発明で用いられるペルオキシド架橋型オ
レフィン系共重合体ゴム(i)は、たとえばエチレン・
プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン・ブ
タジエン共重合体ゴムのように、オレフィンを主成分と
する無定形の弾性共重合体であって、有機ペルオキシド
と混合して加熱下に混練することにより、架橋して流動
性が低下するか、あるいは流動しなくなるようなゴムを
いう。
【0045】上記の非共役ジエンとしては、具体的に
は、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、ジシク
ロオクタジエン、メチレン-ノルボルネン、エチリデン-
ノルボルネンなどが挙げられる。
【0046】本発明では、上記のようなペルオキシド架
橋型オレフィン系共重合体ゴムの内でも、エチレン成分
単位とプロピレン成分単位とのモル比(エチレン成分単
位/プロピレン成分単位)が、50/50〜90/1
0、特に55/45〜85/15の範囲内にある、エチ
レン・プロピレン共重合体ゴムおよびエチレン・プロピ
レン・非共役ジエン共重合体ゴムが、好適に用いられ
る。中でも、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重
合体ゴム、特にエチレン・プロピレン・エチリデンノル
ボルネン共重合体ゴムは、耐熱性、引張強度特性および
反発弾性に優れた熱可塑性エラストマーを提供し得る点
で好ましい。
【0047】またペルオキシド架橋型オレフィン系共重
合体ゴムは、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が、1
0〜250、特に40〜150の範囲内にあることが好
ましくい。ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が10未
満のペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴムを用
いると、得られる熱可塑性エラストマー組成物は、引張
強度特性が低下する傾向がある。一方、ムーニー粘度M
1+4 (100℃)が250を超えるペルオキシド架橋
型オレフィン系共重合体ゴムを用いると、得られる熱可
塑性エラストマー組成物は、流動性が低下する傾向があ
る。
【0048】さらに、ペルオキシド架橋型オレフィン系
共重合体ゴムは、ヨウ素価が25以下であることが好ま
しい。ヨウ素価が上記のような範囲内にあるペルオキシ
ド架橋型オレフィン系共重合体ゴムを用いると、流動性
とゴム的性質とのバランスのとれた熱可塑性エラストマ
ーが得られる。
【0049】本発明においては、ペルオキシド架橋型オ
レフィン系共重合体ゴム(i)は、95〜10重量部、
好ましくは95〜60重量部の割合で用いられる。ただ
し、ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム
(i)とオレフィン系プラスチック(ii)との合計量は
100重量部とする。
【0050】ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体
ゴム(i)を上記のような割合で用いると、得られるグ
ラフト変性ポリオレフィン系エラストマーは、成形性に
優れ、しかも、ゴム弾性などのゴム的特性に優れてい
る。
【0051】本発明で用いられるオレフィン系プラスチ
ック(ii)は、高圧法または低圧法のいずれかによる1
種以上のモノオレフィンを重合して得られる結晶性の高
分子量固体生成物からなる。このような樹脂の例として
は、アイソタクチックまたはシンジオタクチックのモノ
オレフィン重合体樹脂が挙げられる。これらの代表的な
樹脂は、商業的に入手できる。
【0052】適当な原料オレフィンの具体的な例として
は、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-
ヘキセン、2-メチル-1- プロペン、3-メチル-1- ペンテ
ン、4-メチル-1- ペンテン、5-メチル-1- ヘキセン、1-
オクテン、1-デセンおよびこれらの2種以上の混合系オ
レフィンが挙げられる。本発明においては、これらの単
独重合でも、共重合でも、樹脂状物が得られれば、いず
れの重合様式を採用してもよい。
【0053】本発明において、中でも好ましいオレフィ
ン系プラスチックは、ペルオキシド分解型オレフィン系
プラスチックである。本発明において、ペルオキシド分
解型オレフィン系プラスチックとは、ペルオキシドと混
合し、加熱下で混練することにより熱分解して分子量を
減じ、樹脂の流動性が増加するオレフィン系のプラスチ
ックをいい、たとえば、アイソタクチックポリプロピレ
ン;プロピレンと他の少量のα- オレフィンとの共重合
体、たとえばプロピレン- エチレン共重合体、プロピレ
ン-1- ブテン共重合体、プロピレン-1- ヘキセン共重合
体、プロピレン-4- メチル-1- ペンテン共重合体などが
挙げられる。
【0054】本発明で用いられるオレフィン系プラスチ
ックは、メルトインデックス(ASTM−D−1238
−65T、230℃)が0.1〜50、特に5〜20の
範囲内にあることが好ましい。
【0055】本発明においては、オレフィン系プラスチ
ックは、エラストマー組成物の流動性の向上、および耐
熱性の向上に寄与する。本発明においては、オレフィン
系プラスチック(ii)は、5〜90重量部、好ましくは
5〜40重量部の割合で用いられる。ただし、ペルオキ
シド架橋型オレフィン系共重合体ゴム(i)とオレフィ
ン系プラスチック(ii)との合計量は100重量部とす
る。
【0056】オレフィン系プラスチック(ii)を上記の
ような割合で用いると、得られるグラフト変性ポリオレ
フィン系エラストマーは、ゴム弾性などのゴム的特性に
優れ、しかも、流動性に優れるため、その結果として成
形性に優れている。
【0057】本発明において、ポリオレフィン系熱可塑
性エラストマーをグラフト変性するために用いられる変
性剤(iii)としては、α,β-不飽和脂肪酸もしくはそ
の誘導体、不飽和エポキシ単量体等のモノマーが挙げら
れる。
【0058】α,β-不飽和脂肪酸もしくはその誘導体の
具体的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン
酸;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水ノルボルネ
ンカルボン酸、無水テトラヒドロフタル酸等の酸無水
物;2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエ
チルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、ヒドロキシエトキシメタクリレート等のヒドロキシ
アルキルエステルまたはヒドロキシアルコキシアルキル
エステルなどが挙げられる。本発明では、無水マレイン
酸、ヒドロキシエチルアクリレートが好ましく用いられ
る。
【0059】また、不飽和エポキシ単量体の具体的な例
としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレート、グリシジルイタコネート、グリシジルクロト
ネート等のグリシジルエステルが挙げられる。本発明で
は、グリシジルメタクリレートが好ましく用いられる。
【0060】また、上記の「動的熱処理」、混練装置、
混練条件および「部分的架橋」については、上述した非
グラフト変性のポリオレフィン系熱可塑性エラストマー
の場合と同様である。
【0061】本発明で用いられるポリオレフィン系熱可
塑性エラストマーは、結晶性ポリオレフィンとゴムとか
らなるため、流動性に優れている。また、上記のポリオ
レフィン系熱可塑性エラストマーからなるガラスランチ
ャンネルの本体2および水切り部3の基体層7は、耐熱
性、引張特性、柔軟性および反弾性等のゴム的性質に優
れている。本発明においては、上記のような部分架橋し
ている非グラフト変性のポリオレフィン系熱可塑性エラ
ストマー、および部分架橋しているグラフト変性ポリオ
レフィン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
【0062】上記のようなポリオレフィン系熱可塑性エ
ラストマーは、圧縮成形、トランスファー成形、射出成
形、押出成形等の従来使用されている成形装置を用いて
成形することができる。
【0063】超高分子量ポリオレフィン 本発明で用いられる超高分子量ポリオレフィンは、13
5℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が10〜
40dl/g、好ましくは15〜35dl/gの範囲内
にある超高分子量ポリオレフィンである。
【0064】上記のような超高分子量ポリオレフィン
は、たとえばエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペン
テン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセ
ン、4-メチル-1- ペンテン、3-メチル-1- ペンテンなど
のα- オレフィンの単独重合体または共重合体からな
る。本発明においては、エチレン単独重合体、およびエ
チレンと他のα- オレフィンとからなる、エチレンを主
成分とする共重合体が望ましい。
【0065】また、上記の超高分子量ポリオレフィンに
は、必要に応じて、鉱物油系軟化剤、耐熱安定剤、帯電
防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、充填剤、着色剤、滑
剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することが
できる。
【0066】本発明に係るガラスランチャンネルにおい
て、水切り部3は本体2と同一材質からなることが好ま
しい。本体2がポリオレフィン系熱可塑性エラストマー
からなっている場合には、水切り部3も同一材質で成形
すれば、耐久性の点でも、滑性樹脂層9との接合強度の
点でも十分に実用に耐える。
【0067】本発明に係るガラスランチャンネルにおい
て用いることのできるシャークスキン(サメ肌)は、原
料ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーの性状を適当
に選ぶことにより、成形時に発現させ得る。
【0068】得られたシャークスキンの外観は樹脂やエ
ラストマーの押出成形時に見られることのあるメルトフ
ラクチャーとは異なり、成形品の肌が周期的に荒れて微
細な凹凸を生じている。
【0069】また、このシャークスキンの上に施された
滑性樹脂層9表面にも、シャークスキンが現出している
ことが必要で、滑性樹脂層9の厚さは、通常3〜50μ
mとなるように積層する。また、本発明においては、必
要に応じて、滑性樹脂層9の厚さをさらに厚くすること
もできるし、また薄くすることもできる。
【0070】なお、水切り部3が窓ガラス12と接触す
る部位は、窓ガラス12の進入時と退出時とでは一般に
異なるから、滑性樹脂による被覆および必要に応じて施
されるシャークスキンの形成は、水切り部3の比較的広
い範囲に施しておくことが好ましい。
【0071】また、図1に示す具体例では、本体2の内
部には、窓ガラス端部と当接する部分16があるが、こ
の部分16にも、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーからなる本体2表面に、超高分子量ポリオレフィンか
らなる滑性樹脂層9を設けることができる。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、接着剤の塗布工程、接
着剤の硬化ないし焼付工程、およびその前後のエンボス
加工工程をすべて省略することができ、その結果、工程
数が少なくて済み、また、作業時間を短縮することがで
きるため、経済性に優れたガラスランチャンネルを製造
することができるとともに、耐久性、閉鎖時における窓
ガラスとの緊密接触性、および開閉操作時における軽快
摺動性に優れたガラスランチャンネルを提供することが
できる。
【0073】以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
【0074】
【実施例1】エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-
ノルボルネン共重合体ゴム[エチレン含有量70モル
%、ヨウ素価12、ムーニー粘度ML1+4(100℃ )
120]75重量部と、ポリプロピレン[MFR13g
/10分(ASTM D 1238−65T、230
℃)、密度0.91g/cm3 ]25重量部とを、バンバ
リーミキサーを用いて窒素雰囲気中、180℃で5分間
混練した後、この混練物をロールに通してシート状と
し、シートカッターで裁断して角ペレットを製造した。
【0075】この角ペレットに、ジビニルベンゼン0.
5重量部と、1,3-ビス(t-ブチルペルオキシイソプロピ
ル)ベンゼン0.3重量部を添加してヘンシェルミキサ
ーで攪拌混合した。
【0076】次いで、この混合物を、L/D=30、ス
クリュー径50mmの一軸押出機を用いて窒素雰囲気下に
220℃の温度で押出して、ポリオレフィン系熱可塑性
エラストマーを得た。
【0077】得られたポリオレフィン系熱可塑性エラス
トマーのゲル含量は、上記した方法により求めたとこ
ろ、97重量%であった。このポリオレフィン系熱可塑
性エラストマーを230℃の温度で押出成形してガラス
ランチャンネル本体および水切り部を成形するととも
に、その表面に、90℃で予熱した超高分子量ポリエチ
レンフィルム[135℃デカリン溶媒中で測定した極限
粘度[η]15dl/gの超高分子量ポリエチレンから
作製した0.1mm厚のフィルム]を押出成形金型出口で
熱融着させて積層し、本発明のガラスランチャンネルを
得た。
【0078】得られたガラスランチャンネルは、ほぼ台
形状の形状をしており、図3において窓枠13に固定さ
れるガラスランチャンネル1の傾斜部と水平部との合計
長さが1500mm、垂直部の長さが90mmであり、図1
において本体2の底部外幅が15mm、側部外高が20m
m、水切り部3の長さが10mmであり、図1に示された
断面形状にほぼ等しく、超高分子量ポリエチレン層の厚
みは平均30μmであった。
【0079】ガラスランチャンネルの成形に要した時間
は、従来法による所要時間に比して1m当り0.2分間
短かく、従来法の60%であった。得られたガラスラン
チャンネルを試験窓枠に装着し、厚さ3.2mmの窓ガ
ラスを嵌装して耐久試験(窓ガラス上下繰返し試験)を
行なった。その結果、このガラスランチャンネルは、5
0,000回の窓ガラス上下繰返し試験にも耐え、ガラ
スランチャンネルとしての機能を維持していた。しかし
ながら、従来品のガラスランチャンネル(窓ガラス摺動
部が軟質塩化ビニル樹脂層にナイロンフィルムを接着し
た積層構造になっている)は、25,000回で窓ガラ
ス接触面において破壊を生じ、その結果、窓ガラスとの
摩擦抵抗が著しく増大して使用に耐えなくなった。
【0080】
【実施例2】エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-
ノルボルネン共重合体ゴム[エチレン含有量70モル
%、ヨウ素価12、ムーニー粘度ML1+4(100℃ )
120]75重量部と、ポリプロピレン[MFR13g
/10分(ASTM D 1238−65T、230
℃)、密度0.91g/cm3 ]25重量部とを、バンバ
リーミキサーを用いて窒素雰囲気中、180℃で5分間
混練した後、この混練物をロールに通してシート状と
し、シートカッターで裁断して角ペレットを製造した。
【0081】この角ペレットに、ジビニルベンゼン0.
5重量部と、1,3-ビス(t-ブチルペルオキシイソプロピ
ル)ベンゼン0.3重量部と、無水マレイン酸0.5重
量部を添加してヘンシェルミキサーで攪拌混合した。
【0082】次いで、この混合物を、L/D=30、ス
クリュー径50mmの一軸押出機を用いて窒素雰囲気下に
220℃の温度で押出して、グラフト変性ポリオレフィ
ン系熱可塑性エラストマーを得た。
【0083】得られたポリオレフィン系熱可塑性エラス
トマーのゲル含量は、上記した方法により求めたとこ
ろ、96重量%であった。このポリオレフィン系熱可塑
性エラストマーを実施例1と同様に成形して、ガラスラ
ンチャンネルを得た。成形所要時間は従来法の60%で
あり、窓ガラス上下繰返し試験は50,000回に耐え
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るガラスランチャンネルの
断面図である。
【図2】図2は、図1に示すガラスランチャンネルの窓
ガラスとの接触部の拡大断面図である。
【図3】図3は、ガラスランチャンネルの自動車ドアへ
の取付けを説明する図である。
【図4】図4は、窓ガラスの開放時におけるガラスラン
チャンネルの状態を示す断面図である。
【図5】図5は、窓ガラスの閉鎖時におけるガラスラン
チャンネルの状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ・・・・・ガラスランチャンネル 2 ・・・・・ガラスランチャンネル本体 3 ・・・・・水切り部 4 ・・・・・窓ガラスとの接触部 7 ・・・・・ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーからな
る基体層 8 ・・・・・微小凹凸の繰返し模様(必要に応じて施され
る)を有する基体層表面 9 ・・・・・超高分子量ポリオレフィンからなる滑性樹脂層 10 ・・・微小凹凸の繰り返し模様(必要に応じて施され
る)を有する滑性樹脂層表面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横断面において溝状の本体と、その側壁
    頂部付近から中心側に向かって張出した舌片状の水切り
    部とから構成されるポリオレフィン系熱可塑性エラスト
    マー製のガラスランチャンネルであって、その水切り部
    の表面で少なくとも窓ガラスに接触し得る部分が、ポリ
    オレフィン系熱可塑性エラストマー層に積層された超高
    分子量ポリオレフィン層からなり、かつ、超高分子量ポ
    リオレフィン層が135℃デカリン溶媒中で測定した極
    限粘度[η]10〜40dl/gの範囲内にある超高分
    子量ポリオレフィンで構成されていることを特徴とする
    ガラスランチャンネル。
  2. 【請求項2】 前記ポリオレフィン系熱可塑性エラスト
    マー層が、結晶性ポリプロピレン(a)70〜10重量
    部と、エチレン・プロピレン共重合体ゴムまたはエチレ
    ン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムからなるゴム
    (b)30〜90重量部[成分(a)および(b)の合
    計量は、100重量部とする]とからなる混合物を、有
    機ペルオキシドの存在下で動的に熱処理して得られる、
    上記ゴム(b)が部分的に架橋されたポリオレフィン系
    熱可塑性エラストマーで構成されていることを特徴とす
    る請求項1に記載のガラスランチャンネル。
  3. 【請求項3】 前記ポリオレフィン系熱可塑性エラスト
    マー層が、(i)ペルオキシド架橋型オレフィン系共重
    合体ゴム95〜10重量部と、(ii)オレフィン系プラ
    スチック5〜90重量部[(i)および(ii)の合計量
    は、100重量部とする]と、(iii)α,β−不飽和
    カルボン酸もしくはその誘導体、または不飽和エポキシ
    単量体0.01〜10重量部とを含有するブレンド物
    が、有機ペルオキシドの存在下に動的に熱処理されて、
    部分的に架橋されている変性ポリオレフィン系熱可塑性
    エラストマーで構成されていることを特徴とする請求項
    1に記載のガラスランチャンネル。
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DE69204889T DE69204889T2 (de) 1991-04-22 1992-04-22 Thermoplastisches, elastomerisches Laminat und daraus geformte Fensterführungsschiene.
KR1019920006761A KR960000745B1 (ko) 1991-04-22 1992-04-22 열가소성 엘라스토머 적층제 및 그로부터 성형된 글래스 런 채널
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EP19920303599 EP0510936B1 (en) 1991-04-22 1992-04-22 Thermoplastic elastomer laminates and glass run channels molded therefrom
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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