JP4015715B2 - 自動車用多重表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に搭載され、当該自動車を構成する種々装置の作動情報や警告情報等を表示する自動車用多重表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のメータクラスタには灯火類、オートクルーズ装置等の作動時やエンジン、制動装置等の失陥時に点灯する各種の表示灯(インジケータ)が配置されている。表示灯は、各装置を制御する電子制御装置(ECU)や、センサ等からの運転情報や、警告(異常)情報に基づいて点灯し、表示画面に描かれた様々な識別記号により乗員に注意や、警告を与えるようになっている。
【0003】
近年、自動車の高性能・高機能化に伴う補機類の増加、乗員の安全性、快適性を向上させるべく各種装置の増加に伴い表示すべき項目が数十項目(30〜50)と増加し、これらを個別の表示灯により表示させるようとした場合、メータクラスタ上の限られたスペースに多数の表示灯を配置しなければならず、レイアウトが極めて困難となる。しかも、個々の表示灯が必然的に小さくなり、認識し難くなる。そこで、比較的大きな液晶表示器(LCD)等の表示ディスプレイをメータクラスタの中央部に配置し、これに複数の表示を行わせるようにした多重表示装置が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、各装置毎に電子制御装置(ECU)が搭載されており、しかも、トラックのように仕様の違いにより搭載される電子制御装置が異なる場合、搭載される電子制御装置の組み合わせに対応した多重表示コントローラ(マルチウォーニングコントローラ)を設定する必要があり、コントローラのバリエーションの増加を来す。更に、ウォーニング表示灯と各電子制御装置間の信号線が断線又はコネクタ外れ等を生じた場合、実際に異常が発生していても警報が発生されない虞もある。
【0005】
また、各装置の電子制御装置から送られてきた異常信号をそのまま表示器に表示しているために、エンスト時にエンジン制御用電子制御装置からの警報ランプが点灯してしまい、異常が発生しているのか、単なる断線検出信号であるのか不明である。更に、警報条件が成立すると必ず異常信号を出力するようにしているためにキースイッチをオフするだけでリセットされるような場合でも音声メッセージによる大げさな警報を発してしまい、運転者に無用の不安感を与えてしまうことがある。
【0006】
更に、多重表示ディスプレイにおいて、同一の表示色で表示モードの意味を変えることができないために、増加する表示項目に有効に対処することができず、特に多数の項目がある注意項目においては、視認性が低下して、ウォーニング表示(故障)とインジケータ表示(作動)とを明確に認識することが困難である等の問題がある。
【0007】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、第1の目的は、車両仕様の違いによる多数の電子制御装置の組み合わせによるバリエーションの増加を防ぐことにある。第2の目的は、各装備毎の電子制御装置とウォーニング表示灯との信号線が断線やコネクタ外れ等に起因する警報漏れを防止することにある。第3の目的は、エンスト等の誤警報を防止することにある。第4の目的は、キースイッチオフではリセットされない異常についてのみ音声メッセージによる警報を行わせて警報の信憑性の向上を図ることにある。第5の目的は、表示項目の多い内容ものについては、同一色で表示モードの意味を変えることにより認識し易くすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1では、自動車に搭載された複数の電子制御装置と、前記電子制御装置が接続され、当該電子制御装置からの出力信号に応じた表示項目を運転室内の表示部に表示させる多重表示コントローラとを有する自動車用多重表示装置において、前記複数の電子制御装置から初期チェック信号を夫々出力させる、外部操作のためのチェック信号要求手段と、前記多重表示コントローラに接続された電子制御装置を前記多重表示コントローラに記憶させる、外部操作のための記憶実行手段とを有する初期化手段を備え、前記多重表示コントローラは、前記初期チェック信号に応じて各電子制御装置の接続状況を前記表示部に所定間隔で順次表示させ、前記記憶実行手段が外部操作されたとき前記多重表示コントローラに前記電子制御装置を記憶させるようにしたものである。
【0009】
車両の仕様が異なると多重表示装置に表示させる項目の数が異なってくる。そこで、車両完成時に車載の電子制御装置(ECU)から、多重表示コントローラに初期チェック信号を送り車両の仕様を記憶させる。これにより、多重表示コントローラを共用することができ、車両の仕様の違いにより仕様毎に多重制御装置を制御する多重表示コントローラを準備する必要が無くなる。
【0010】
請求項2では、更に、前記多重表示コントローラと前記複数の電子制御装置との接続状況を判断する接続状況判断手段を備え、
前記多重表示コントローラと前記複数の電子制御装置とが断線状態にあると判断されたとき、前記表示部に断線と判断された電子制御装置を示すよう警告表示させるようにしたものである。
請求項3では、前記接続状況判断手段は、前記多重表示コントローラに記憶された値と前記チェック信号要求手段の操作により前記複数の電子制御装置から出力される初期チェック信号とを比較し、両者が一致しないとき、断線と判断するようにしたものである。
請求項4では、前記複数の電子制御装置の少なくとも一つは、前記多重表示コントローラに対して各々特定の異常度合を表す異常度合信号を出力可能な複数の信号線を介して接続され、前記複数の信号線からそれぞれ異なる異常度合を表す前記異常度合信号を出力可能な電子制御装置を含み、当該電子制御装置から前記多重表示コントローラに前記各信号線からの異常度合信号が同時に入力されたとき、前記表示部に各信号線からの異常度合の警告表示を行わせないようにしたものである。
【0011】
エンジン電子制御装置、セミA/T電子制御装置等からは異常の度合いを区別するために、即停止を必要とする警報・表示、走行は可能であるが早期点検を必要とする警報・表示等の数種類の警報を出力が可能となっている。これらの警報は、同時に出力することはあり得ないので、同時に出力された場合には断線検出を行っているものとして警報を発しない。
【0014】
自動車のメータクラスタ内の表示部で点灯表示することができる色が、緑(正常な状態)、赤(そのまま走行することが不可な状態)、橙(走行可であるが注意が必要な状態)の3色と定められている。このうち、車載装置の異常状態を表すことができる色は、赤と橙の2色のみである。そこで、同じ色でありながら、背景色と文字色とを反転表示させ、同一色で表示モードの意味を変える。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の態様を実施例により説明する。
図1は、本発明に係る多重表示装置を備えた車両例えば、大型貨物自動車の運転席のインストルメントパネルの概要を示す。インストルメントパネル1のメータクラスタ2には、速度計、タコメータ、燃料計、水温計、エアゲージ等の各種メータ類、ウォーニングインジケータ(単独表示部)3、多重表示ディスプレイ(表示部)4が配置されている。また、インストルメントパネル1の例えば、メータクラスタ2の左下位置には多重表示切替スイッチ5が配置されている。ウォーニングインジケータ3は、メータクラスタ2の上部中央位置に、多重表示ディスプレイ4は、メータクラスタ2の中央部に配置されている。ウォーニングインジケータ3は、左・右のターンシグナルインジケータランプ、オイルプレッシャウォーニングランプ、ビームインジケータランプ等の保安基準等に規定されている各表示項目を単独に表示する多数の表示部で構成されている。
【0017】
図2は、本発明の多重表示装置の概略構成を示す。車両にはエンジンを始めとして種々の装置を夫々制御する電子制御装置(以下「ECU」という)(作動状態検出装置)が搭載されている。当該車両には、例えば、エンジンECU11、オートマチックトランスミッション(A/T)ECU12、摩擦クラッチ式自動変速機(以下「セミA/T」という)ECU13、アンチスピンレギュレータ(ASR)ECU14、パワーステアリング(以下「パワステ」という)ECU15、エアサスペンション(以下「エアサス」という)ECU16、エアバッグECU17等が搭載されている。これらの各ECU11〜17は、多重表示コントローラ(ECU)19に接続されており、異常を検出したときに異常信号を出力して当該多重表示コントローラ19に加える。尚、車両の仕様の違いにより搭載されるECUが異なる。
【0018】
多重表示コントローラ19には、車速センサ、燃料消費量センサ、オルタネータL端子、ドアセンサ、水温センサ、エア圧センサ、オイルレベルセンサ、油圧センサ等の多数のセンサや計器類(何れも図示せず)が接続されている。また、各ECU11〜17にも夫々センサ(図示せず)が接続されている。
多重表示コントローラ19には、前記多重表示ディスプレイ4、多重表示切替スイッチ5が接続されている。更に、多重表示コントローラ19には、図3に示すような音声警報システム20が接続されている。多重表示コントローラ19は、警報時にラジオオーディオ装置21にミュート信号を出力してラジオ音声を絞り、警報内容に応じた音声信号をスピーカ22に加えて警報を発する。尚、各ECU11〜17、及び多重表示コントローラ19は、キースイッチ10がオンの時に作動状態となる。
【0019】
多重表示ディスプレイ4は、大型のLCD(液晶表示部)により構成されていおり、赤、橙、緑の3色の表示が可能とされている。また、図1に示すように多重表示切替スイッチ5は、モードスイッチ6と、セレクトスイッチ7と、セット・リセットスイッチ8とにより構成されており、これらの各スイッチ6〜8は、多重表示コントローラ19に接続されている。多重表示コントローラ19は、多重表示切替スイッチ5、ECU11〜17、及び前記センサ等からの信号に基づいて多重表示ディスプレイ4を駆動表示する。
【0020】
以下に作用を説明する。
先ず、多重表示の初期化について説明する。
貨物自動車のように車両の仕様の違いにより搭載されるECUが異なる場合、夫々の組み合わせに対応した多重表示コントローラを設定することはコントローラのバリエーションの増加を来すこととなる。そこで、搭載されているECUに対する多重表示コントローラ19の初期化を行い、接続しているECUを学習・記憶させる。この初期化は、車両が組上がった状態(出荷時)に行われる。尚、出荷後に他のオプションが追加され、これに伴いECUが増設搭載されたときにも行われる。
【0021】
オペレータが、キースイッチ10をオフの状態から多重表示切替スイッチ5のモードスイッチ6とセレクトスイッチ7とを同時に押しながらキースイッチ10をオンする。これにより多重表示コントローラ19が、学習モードに移行する。キースイッチ10のオン時に各ECU11〜17から初期チェック信号が出力され、多重表示コントローラ19に入力される。これらの初期チェック信号は、多重表示コントローラ19の不揮発性メモリに書き込まれて記憶され、電源(バッテリ)が外された場合でも保持される。また、何回でも書き換え可能である。キースイッチ10がオンされた後所定時間例えば、約5秒後、多重表示コントローラ19が、搭載されているECU11〜17の接続状況を判断し、接続されているECU11〜17を、所定時間例えば、3秒間隔で多重表示ディスプレイ4に順次表示する。このときのECUと、多重ディスプレイ4の表示画面と、当該多重ディスプレイ4の背景色との関係を図4に示す。
【0022】
先ず、多重表示コントローラ19は、エンジンECU11による異常表示を行う。エンジンの異常は、走行不可の異常と、走行可の異常がある。そして、走行不可の異常の場合には、表示画面に「エンジン制御」と表示され、且つ背景色が「赤」とされる。走行可の異常の場合には、表示画面に「エンジン制御」と表示され、背景色が「橙」とされる。そして、これらの2つの異常の表示が3秒間隔で順次表示される。
【0023】
次に、多重表示コントローラ19は、セミA/T ECU13による異常表示を行う。このセミA/Tの異常は、走行不可の異常、走行可の異常、エア圧低下の異常がある。そして、走行不可の異常の場合には、表示画面に「T/M制御」と表示され、且つ背景色が「赤」とされ、エア圧低下の異常の場合には、表示画面に「T/Mエア圧」と表示され、且つ背景色が「赤」とされ、走行可の異常の場合には、表示画面に「T/M制御」と表示され、且つ背景色が「橙」とされる。そして、これらの3つの異常の表示が3秒間隔で順次表示される。以下、同様にして図4示すように他のECUに応じた異常表示及び背景色が3秒間隔で順次表示される。
【0024】
オペレータは、当該車両の装備仕様と多重表示ディスプレイ4の表示項目とを順次比較し、一致している(正しい)ときには多重表示切替スイッチ5のセット・リセットスイッチ8をオンする。多重表示コントローラ19は、セット・リセットスイッチ8がオンされると、接続されている全てのECU11〜17の学習を完了する。このようにして多重表示コントローラ19の初期化が行われ、接続されているECU11〜17を学習・記憶する。これにより、車両仕様の違いによる多重表示コントローラのバリエーションの増加が防止される。
【0025】
尚、当該車両の装備仕様と前記表示項目とが一致しない(正しくない)場合は、ハーネス及びコネクタの外れ(抜け)、車載ECUの不良等が考えられる。従って、ハーネスやコネクタの接続状態を再度点検し、或いは不良ECUを交換する等して、再び上述したような初期化を行う。
次に、多重表示による断線検出について説明する。
【0026】
ECU11〜17と多重表示コントローラ19との間の信号線が断線又は、コネクタの外れ等が発生した場合、実際に異常が発生していても、警報が発せられないことになる。また、従来のウォーニングインジケータは、単独表示ランプの場合にはキースイッチオン時に所定時間各ECUから信号を出力させ、夫々ランプを実際に点灯させて断線していないかを判断している。しかしながら、本願発明において多重表示ディスプレイ4を採用しているために、全ての項目の断線異常を表示させるべく順次点灯させると、非常に目障りである。
【0027】
そこで、前記学習モードの時に出力される信号内容と学習させた内容とを照合させることにより断線を判断する。
先ず、キースイッチ10のオン時ECU11〜17から一定時間例えば、2秒間前記学習モードの時に使用する初期チェック信号を出力させる。多重表示コントローラ19は、これらの初期チェック信号と学習させた内容とを照合してECU11〜17との接続状況を比較し、不一致の時には断線と判断して、その項目を多重表示ディスプレイ4に表示させる。この断線検出及び断線項目の表示は、キースイッチ10のオンしたときからオルタネータのL端子の電圧が立ち上がるまでの間即ち、キースイッチ10をオンしてからエンジンが始動するまでの間で行なわれる。多重表示コントローラ19は、入力されるオルタネータL端子の電圧が立ち上がったことでエンジンが始動したことを判断する。これにより信号線の断線や、コネクタ外れ等による警報漏れが防止される。
【0028】
次に、断線チェック信号と異常信号とを判別する場合について説明する。
例えば、エンジンECU11から送られてきた異常信号を、そのまま表示すると、エンスト時に警報を発してしまい、エンジンに異常が発生しているのか、又は単なる断線チェック信号(ECUの初期チェック信号)であるのかを判別することをできない。
【0029】
そこで、エンジンECU11、セミA/T ECU13等のように複数の異常信号を出力するECUについては、全ての異常信号が同時に出力された場合、断線チェック信号(初期チェック信号)と見なして警報をしないようにする。
以下に、図5のエンジンECU11の断線検出処理フローチャートを参照してエンジンECU11の断線チェックと異常信号との判別について説明する。尚、この断線検出は、エンジンECU11の2つの異常即ち、走行不能なエンジン異常(以下「エンジン制御1」という)と、走行可能なエンジン異常(以下「エンジン制御2」という)とが前述した学習モードで学習されていることを前提とする。
【0030】
多重表示コントローラ19は、キースイッチ10がオンすると同時にエンジンECU11のエンジン制御1と、エンジン制御2の断線検出処理をスタートし、ECU11のエンジン制御1の信号線が未接続であるか否かを判別する(ステップS1)。この判別は、キースイッチ10のオン後所定時間、例えば、2秒間に0.5秒以上のエンジン制御1の初期化チェック信号が検出されたか否かにより判断する。ステップS1の判別結果が否定(NO)のとき即ち、エンジン制御1の信号線が接続されているときには、同様にしてエンジン制御2の信号線が未接続であるか否かを判別する(ステップS2)。そして、ステップS2の判別結果が否定(NO)のとき即ち、エンジン制御2の信号線が接続されているときには正常と判断して当該処理ルーチンを通り抜け、ステップS2の判別結果が肯定(YES)のときにはエンジン制御2の信号線が断線しているものと判断して当該エンジン制御2のウォーニング表示を行う(ステップS4)。この表示は、前述したように多重表示ディスプレイ4の背景色が橙で、表示画面がエンジン制御と表示される。
【0031】
ステップS1の判別結果が肯定(YES)のとき即ち、エンジン制御1の信号線が断線しているときにはエンジン制御2の信号線が未接続か否かを判別する(ステップS3)。そして、ステップS3の判別結果が否定(NO)のとき即ち、エンジン制御2の信号線が接続されているときには、エンジン制御1のウォーニング表示を行う(ステップS5)。この表示は、多重表示ディスプレイ4の背景色が赤で、表示画面がエンジン制御と表示される。
【0032】
ステップS3の判別結果が肯定(YES)のときには、エンジン制御1、2の何れの信号線も断線しているものと判断し、エンジン制御1、エンジン制御2のウォーニング表示(ステップS6)を行い、当該処理を終了する。これらの表示は、多重表示ディスプレイ4に、背景色が赤でエンジン制御の表示と、背景色が橙でエンジン制御の表示とが3秒間隔で交互に表示される。
【0033】
エンジンに本当の異常がある場合には、エンジンECU11からは1つの異常信号しか出力されず、多重表示コントローラ19は、エンジンに実際の異常があったときには、多重表示ディスプレイ4に赤色と橙色との両方を点灯させることはなく、重要度の高い方の異常を表示させる。従って、多重表示コントローラ19は、エンジンECU11からエンジン制御1とエンジン制御2の2つの信号が入力されたときには、キースイッチオン時の信号即ち、初期チェック信号が出力されたものと判断して警報を発しない。これによりエンスト時などの誤警報が防止される。セミA/T ECU13についても同様である。
【0034】
次に、異常が軽度の場合には警報システムの異常警報を制限する場合について説明する。警報条件が成立すると必ず警報を発生させた場合、キースイッチオフの操作でリセット可能な場合でも大げさな警報(例えば、「最寄りのサービス工場へ行って下さい。」等)が発生されると、乗員に無用な不安を与えることとなるばかりでなく、警報の信憑性が低くなる。特に、エンジンの異常については、路上停止に繋がる虞があり、重大な異常でも、1回目の異常検出では、音声メッセージによる警報を発しないようにする。
【0035】
図3において多重表示コントローラ19は、特定の項目についてキースイッチ10のオフ時に警報条件が成立しているか否かを記憶しておき、次回キースイッチ10がオンしたときに、再度警報条件が成立している場合にのみ、ミュート信号を出力してオーディオ装置21の出力を絞ると共に、異常内容に応じた音声信号を出力してスピーカ22から音声メッセージによる警報を発する。このように多重表示コントローラ19は、キースイッチ10のオフ操作ではリセットされないような異常についてのみ音声メッセージによる警報を発するようにする。これにより、警報の信憑性が向上する。
【0036】
次に、多重表示ディスプレイ4の表示画面の背景と表示文字との色の使い分けについて説明する。
多重表示ディスプレイ4は、大型のLCD(液晶表示部)により構成されていおり、背景色を赤、橙、緑の3色の表示が可能とされている。そして、赤色は、走行を続けることが不可の状態を表し、橙色は、注意を表し、緑色は、正常な状態を表す。
【0037】
注意の表示には、故障による注意(ウォーニング表示)と、注意作動を表す注意(インジケータ表示)の二通りあり、故障による注意は、走行に注意を要する状態を表し、注意作動を表す注意は、例えば、発進時又は走行中に装置の作動確認を要する状態を表す。しかしながら、多重表示ディスプレイ4の注意色は、橙一色であり、しかも、ウォーニング表示(故障)とインジケータ表示(作動)とを兼用しているために、これら両者を視認し難くなる。
【0038】
そこで、これら二通りの注意を、多重表示ディスプレイ4の点灯部と非点灯部とを反転させて表示する。例えば、故障による注意(ウォーニング表示)は、ディスプレイ4の背景を橙(点灯部)で、文字を黒(非点灯部)で表し、注意作動を表す注意(インジケータ表示)は、多重表示ディスプレイ4の背景を黒(非点灯部)で、文字を橙(点灯部)で表す。これは、多重表示ディスプレイ4は、背景色即ち、発光面積の大きい方が視認し易く、従って、背景色を橙とした場合を故障の注意とする。
【0039】
多重表示ディスプレイ4の背景色を橙色、文字を黒色とする注意として、例えば、図6に示すようなものがある。図6(a)は、エンジン制御における電子タイマシステム又は電子ガバナシステム等の燃料噴射システムの電子制御系統に異常があり機能が低下しているような場合に「エンジン制御」と点灯表示し、「エンジンの電気系統に異常があり機能が低下しています。早めに点検して下さい。」と音声メッセージで警報する。図6(b)は、車速感応型パワーステアリングの電子制御系統に故障が起きたときに「パワステ制御」と点灯表示し、音声メッセージにより「パワーステアリングの電気系統に異常があり、機能低下しています。お早めに点検して下さい。」と音声メッセージで警報する。図6(c)は、トランスミッション制御におけるオートマチックトランスミッション電子制御系統に故障が起きたとき「T/M制御」と点灯表示し、「トランスミッションの電気系統に異常があり機能が低下しています。早めに点検して下さい。」と音声メッセージで警報する。
【0040】
この他に、シャシエアサスペンションの電気系統に故障が起きたときの「シャシエアサスペンション制御」、エアバッグの電子制御系統に故障が起きたときの「SRSエアバッグ」、ASRの電子制御系統に故障が起きたときの「ASR制御」等の多数の表示項目とその音声メッセージがある。
多重表示ディスプレイ4の背景色を黒、文字を橙とする注意として、例えば、図7に示すようなものがある。図7(a)は、「コールドスタート」中に点灯表示し、コールドスタートスイッチをオンした状態で走行すると「コールドスタートスイッチを戻して下さい。」と音声メッセージで警報する。図7(b)は、例えば、ダンプトラックにおいてエンジンの駆動力を取り出すときに「PTO」と表示され、PTOスイッチを入れた状態で車速が例えば、20km/h以上になると「PTOスイッチを戻して下さい。」と音声メッセージで警報する。図7(c)は、後2軸駆動車においてデフロックした場合に「デフロック」と点灯表示され、デフロックスイッチを入れた状態で車速が例えば、20km/h以上になると「デフロックスイッチを戻して下さい。」と音声メッセージで警報する。
【0041】
この他に、エンジン始動時のインテークエアヒータ通電中に点灯する「予熱中」、セミトラクタ車のトレーラが確実に連結されているときに点灯する「カプラロック」、フルトラクタ車のトレーラのターンテーブルが固定されたときに点灯する「ターンテーブルロック」等の表示項目とその音声メッセージがある。
このように多重表示ディスプレイ4の表示画面の点灯部と非点灯部とを反転表示させることにより、同一色(橙色)で表示モードの意味を変え、基本的な「注意」という意味を持たせながら、ウォーニング表示(故障)と、インジケータ表示(作動)とを認識させる。これにより運転者は、多重表示ディスプレイ4の注意項目を認識し易くなる。
【0042】
尚、多重表示ディスプレイ4の緑色の表示(通常表示)としては、例えば、トリップ、バッテリ電圧、油圧、カレンダ、走行距離、走行速度、エンジンオンタイム、ドライブタイム、ロスタイム、エンジンオイル、ミッションオイル、デフオイル、冷却水、積載等の項目がある。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1によれば、車載時に、各電子制御装置から多重表示コントローラに初期チェック信号を送り、車両の仕様を記憶させることで、多重表示コントローラを共用化することができ、コントローラのバリエーションの増加を防ぐことができ、車両仕様の違いによる多重表示コントローラのバリエーションの増加が防止される。
【0044】
請求項2及び3によれば、信号線の断線やコネクタ外れ等による警報漏れを防止することができる。
請求項4によれば、エンジンECU、セミA/T ECU夫々について、全ての異常信号が同時に出力されている場合には警報表示をしないことにより、エンスト時等の誤報を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多重表示装置を備えた車両のインストルメントパネルの一例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る多重表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図2の多重表示装置の警報システムの一例を示すブロック図である。
【図4】図2の多重表示装置における多重表示コントローラを初期化する際の各電子制御装置と多重表示ディスプレイの表示画面及び表示色との関係を示す説明図である。
【図5】図2の多重表示装置の断線検出処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】図2の多重表示ディスプレイによる注意項目のウォーニング表示の一例を示す図である。
【図7】図2の多重表示ディスプレイによる注意項目のインジケータ表示の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 インストルメントパネル
2 メータクラスタ
3 ウォーニングインジケータ
4 多重表示ディスプレイ
5 多重表示切替スイッチ
6 モードスイッチ
7 セレクトスイッチ
8 セット・リセットスイッチ
10 キースイッチ
11 エンジンECU
12 A/T ECU
13 セミA/T ECU
14 ASR ECU
15 パワステECU
16 エアサスECU
17 エアバッグECU
19 多重表示コントローラ
20 警報システム
21 オーディオ装置
22 スピーカ
Claims (4)
- 自動車に搭載された複数の電子制御装置と、前記電子制御装置が接続され、当該電子制御装置からの出力信号に応じた表示項目を運転室内の表示部に表示させる多重表示コントローラとを有する自動車用多重表示装置において、
前記複数の電子制御装置から初期チェック信号を夫々出力させる、外部操作のためのチェック信号要求手段と、前記多重表示コントローラに接続された電子制御装置を前記多重表示コントローラに記憶させる、外部操作のための記憶実行手段とを有する初期化手段を備え、
前記多重表示コントローラは、前記初期チェック信号に応じて各電子制御装置の接続状況を前記表示部に所定間隔で順次表示させ、
前記記憶実行手段が外部操作されたとき前記多重表示コントローラに前記電子制御装置を記憶させることを特徴とする自動車用多重表示装置。 - 更に、前記多重表示コントローラと前記複数の電子制御装置との接続状況を判断する接続状況判断手段を備え、
前記多重表示コントローラと前記複数の電子制御装置とが断線状態にあると判断されたとき、前記表示部に断線と判断された電子制御装置を示すよう警告表示させることを特徴とする請求項1記載の自動車用多重表示装置。 - 前記接続状況判断手段は、
前記多重表示コントローラに記憶された値と前記チェック信号要求手段の外部操作により前記複数の電子制御装置から出力される初期チェック信号とを比較し、両者が一致しないとき、断線と判断することを特徴とする請求項2記載の自動車用多重表示装置。 - 前記複数の電子制御装置の少なくとも一つは、前記多重表示コントローラに対して各々特定の異常度合を表す異常度合信号を出力可能な複数の信号線を介して接続され、前記複数の信号線からそれぞれ異なる異常度合を表す前記異常度合信号を出力可能な電子制御装置を含み、
当該電子制御装置から前記多重表示コントローラに前記各信号線からの異常度合信号が同時に入力されたとき、前記表示部に各信号線からの異常度合の警告表示を行わせないことを特徴とする請求項2又は3記載の自動車用多重表示装置。
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