JP3991928B2 - 車両用接触回避制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自車両が前方物体と接触する可能性の有無を検出し、接触する可能性があるときに、警報を発したり或いは制動制御を行ったりすること等により、前方物体との接触を回避する方向に回避動作を行うようにした車両用接触回避制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自車両前方の物体を検出し、検出した前方物体と自車両とが接触することを回避することを目的として、ドライバへの警報を行ったり或いは、強制的に減速制御を行ったりするようにした、数々の制御装置が提案されている。
また、例えば、レーザレーダ或いは電波式レーダ等によって自車両前方に物体を検知したときに、将来の接触可能性に応じて警報を発生させ、その後ドライバがブレーキ操作を行った場合には、警報の作動感度を低下させることによって、ドライバにとって不必要な警報が発生されることを回避するようにしたもの等も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−198893号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前方を走行する車両に自車両が接近する、又は接触する場面としては、ドライバがブレーキ操作を行った場合に限ったものではなく、ドライバが前方の車両を認識してブレーキ操作を行っていても、操作量が不十分な場合には前方車両に接近又は接触してしまうことが起こり得る。
このため、上述のように、ドライバがブレーキ操作を行ったときに、警報の作動感度を低下させるようにした場合には、操作量が不十分であってもブレーキ操作が行われているときに警報の作動感度が低下されることになるため、場合によっては、十分な効果を得ることができない場合がある。
そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題に着目してなされたものであり、接触ドライバが制動操作を行っているかどうかに応じて、警報発生或いは制動制御等といった接触回避制御を的確に行うことの可能な車両用接触回避制御装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る車両用接触回避制御装置は、前方物体検知手段で検知された前方物体と自車両との間の相対距離を含む相対位置関係に基づいて、接触可能性判断手段によって自車両が前記前方物体に接触する可能性を判断し、接触の可能性が高いと判断されるときに、接触回避制御手段により接触回避のための制御を行う。
【0006】
このとき、制動操作状況検出手段でドライバによる制動操作が検出されたときには、接近度合検出手段で検出された自車両と前方物体との間の相対距離の変化度合である接近度合が予め設定されたしきい値よりも小さいときにのみ、接触可能性判断手段で前記接触の可能性が高いと判断するための判断条件を、接触の可能性が高いと判断されにくくなる方向に変更する。
【0007】
ここで、ドライバが制動操作を行ったということは、ドライバが前方物体を認識したとみなすことができるから、ドライバが制動操作を行いドライバが前方物体を認識したとみなすことができる状態であるときには、接触の可能性が高いと判断するための判断条件を、接触の可能性が高いと判断されにくくなる方向に変更することによって、ドライバが前方物体を認識し制動操作を行っているにも関わらず、接触回避制御による介入が行われることに起因して、ドライバに煩わしさ感を与えることが回避される。また、このとき、ドライバが制動操作を行ったときの自車両の前方物体への接近度合を考慮して、接触の可能性が高いと判断するための判断条件を変更することによって、自車両が前方物体に接近し接触する可能性が高い状態で接触回避制御手段により接触回避制御を抑制する方向に変更が行われることが回避される。
【0008】
【発明の効果】
本発明に係る車両用接触回避制御装置は、前方物体検知手段で検知された前方物体と自車両との間の相対距離を含む相対位置関係に基づいて、接触可能性判断手段によって自車両が前記前方物体に接触する可能性を判断し、接触の可能性が高いと判断されるときには接触回避制御手段により接触回避のための制御を行うが、制動操作状況検出手段でドライバによる制動操作が検出されたときには、接近度合検出手段で検出された自車両と前方物体との間の相対距離の変化度合である接近度合が予め設定したしきい値よりも小さいときにのみ前記接触可能性判断手段で前記接触の可能性が高いと判断するための判断条件を、接触の可能性が高いと判断されにくくなる方向に変更するから、ドライバが前方物体を認識し制動操作を行っているにも関わらず、接触回避制御による介入が行われることに起因してドライバに煩わしさ感を与えることを回避することができると共に、自車両と前方物体との接近度合を考慮して変更手段による変更を行うことによって、的確に接触回避制御を行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、第1の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用した自動制動制御装置の一例を示す概略構成図である。
図中1は、自車両前方の物体を検出するためのレーダ装置であって、例えば、車幅中央の、自車両前方物体を検出することの可能な位置に設けられている。そして、このレーダ装置1の検出情報は、障害物検出処理装置2に入力され、ここで、前方物体が先行車両等の障害物であるかどうかの解析が行われ、その解析結果が、自動制動コントローラ10に入力される。
【0010】
また、車両には、従動輪である後輪の回転速度から自車両の走行速度Vhを検出する車速センサ3、ステアリングホイール4の操舵角度を検出するための操舵角センサ5、図示しないブレーキペダルが踏み込まれたかどうかを検出するためのブレーキセンサ6が設けられ、これらセンサの検出信号は自動制動コントローラ10に入力されるようになっている。そして、自動制動コントローラ10では、障害物検出処理装置2からの障害物情報、車速センサ3からの自車両の走行速度Vh、操舵角センサ5からの操舵角δに基づいて、障害物との接触の可能性の有無を判定し必要に応じて制動力制御装置11を制御することにより、ドライバのブレーキペダルの操作に関わらず強制的に制動力を発生させるようになっている。
【0011】
また、前記制動力制御装置11は、図示しないブレーキペダルの操作量に応じた制動力を発生させると共に、自動制動コントローラ10から制動力指令値が入力された場合には、図2に示すように制動力指令値に比例した大きさの制動力を発生するよう制動力制御を行うようになっている。
前記レーダ装置1は、例えば、図3に示すように、赤外線レーザ光を発する発光部1aと、その反射光を受光する受光部1bとを備え、計測部1cにおいて、レーザ光の発光からその反射光を受光するまので時間差に基づいて自車両から前方物体までの距離を計測するようになっている。また、前記発光部1aには、スキャニング機構が組み合わされており、所定角度範囲内で、順次角度を変化させながら発光するようになっている。
【0012】
そして、前記計測部1cでは、各スキャニング位置について、反射光を受光したか否かの判定を行い、反射光を受光した場合には、発光から受光までの時間差に基づき前方物体までの距離を算出する。また、物体が検出されたときのスキャニング角度と前方物体までの距離とに基づき、自車両に対する前方物体の左右方向の位置を検出し、前方物体の自車両に対する相対的な位置を確定するようになっている。そして、この処理を各スキャニング位置において行うことで、例えば図4に示すように、スキャニング角度範囲内において、車両前方における平面的な物体の存在状態図を生成するようになっている。
【0013】
前記障害物検出処理装置2は、レーダ装置1で得られた物体の存在状態図に基づき、これをスキャニング周期毎に比較することで、検出された各物体の動きを判別する。また、検出された物体間の近接状態、動きの類似性等の情報に基づいてこれら検出物体が同一物体であるか異なる物体であるかを判別すると共に、自車両前方を走行する先行車両等の障害物であるかどうかを判別する。
【0014】
そして、障害物であると判定された検出物体(以後、障害物という。)について、この障害物と自車両との間の前後方向距離(車間距離方向)X〔m〕、自車両に対する障害物の左右方向距離(横方向)Y〔m〕、障害物の物体幅W〔m〕、自車両と障害物との相対速度Vr〔m/s〕等の各種情報を算出し、これを障害物情報として自動制動コントローラ10に所定周期で出力する。
【0015】
なお、ここでは、前記レーダ装置1として、赤外線を用いた光式のものを適用した場合について説明するが、これに限るものではなく、例えばマイクロ波やミリ波等を用いた電波式のものであっても適用することができる。また、レーダ装置1に限るものではなく、例えば、自車両前方を撮像するCCDカメラ等の撮像手段を設け、この撮像手段による撮像画像を画像処理して前方物体を抽出し、撮像画像上における前方物体の位置情報から、前方物体の実際の位置を推測するようにしてもよい。
【0016】
図5は、前記自動制動コントローラ10の機能構成を示す機能ブロック図である。
自動制動コントローラ10は、前記操舵角センサ5からの操舵角及び車速センサ3からの自車両の走行速度をもとに自車両の進路を算出する自車進路計算部10aと、自車進路計算部10aで算出した自車両の進路に基づいて、走行に伴い自車両が占有すると予測される領域に相当する走行領域を算出する走行領域算出部10bと、走行領域算出部10bで算出した走行領域と、障害物検出処理装置2からの障害物情報とをもとに、走行領域上に障害物が存在するか否かを判定する領域判断部10cと、当該領域判断部10cで走行領域上に存在すると判断される障害物について、ブレーキセンサ6からのブレーキペダルの操作情報を考慮して、制動力を発生させる必要があるか否かを判定する制動判断処理部10dとを備えて構成されている。
【0017】
図6は、自動制動コントローラ10で実行される、障害物との接触を回避するための制動力を発生させる自動制動制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。自動制動コントローラ10では、この自動制動制御処理を、タイマ割り込み処理によって、所定時間毎に実行するようになっている。
この自動制動制御処理では、まず、ステップS1で、車速センサ3からの自車両の走行速度、操舵角センサ5からの操舵角、ブレーキセンサ6からのブレーキペダルの操作情報を読み込む。なお、前記車速センサ3、操舵角センサ5は、それぞれ回転に応じた所定間隔のパルスを出力するエンコーダ等で構成され、自動制動コントローラ10では、各センサからのパルス数をカウントし、これを積算することによって、操舵角δ〔rad〕、自車両走行速度Vh〔m/s〕を演算し、この結果を所定の記憶領域に格納するようになっている。
【0018】
また、前記ブレーキセンサ6は、例えば、図示しないブレーキランプスイッチの状態を検出することによって、ブレーキペダルの踏み込み状態を検出するようになっている。
次いで、ステップS2に移行し、障害物検出処理装置2から障害物情報として、障害物と自車両との前後方向距離X〔m〕、左右方向距離Y〔m〕、障害物の物体幅W〔m〕、自車両と障害物との相対速度Vr〔m/s〕等を読み込む。
【0019】
なお、障害物検出処理装置2と自動制動コントローラ10との間の情報交換は、シリアル通信等の一般的な通信処理にしたがって行うことが可能であって、自動制動コントローラ10では、取り込んだ障害物情報を所定の記憶領域に格納する。
次いで、ステップS3に移行し、自車両走行速度Vh及び操舵角δに基づいて、自車両の進路を予測する。具体的には、次式(1)に示すように、自車両走行速度Vh及び操舵角δに基づいて公知の手順で自車両の旋回曲率ρ〔1/m〕を算出する。
【0020】
ρ={1/〔L(1+A・Vh2)}×{δ/N} ……(1)
なお、(1)式中のLは、自車両のホイールベース、Aは車両に応じて定められたスタビリティー・ファクタと呼ばれる正の定数である。また、Nはステアリングギヤ比である。
前記(1)式から、旋回半径Rは、R=1/ρとして定められるため、自車両の予測進路は、図7に示すように、自車両の進行方向を基準として鉛直方向に、自車両から距離Rだけ離れた位置(ここでは、右方としている。)にある点Qを中心とした半径Rの円弧として予測することができる。
【0021】
なお、以下、操舵角δは右方向に操舵された場合に正値、左方向に操舵された場合に負値をとるものとし、旋回曲率ρ、旋回半径Rについても、これらが正値をとる場合に右旋回、負値をとる場合に左旋回を意味するものとする。
なお、ここでは、前記自車両の進路を、上述のように、自車両走行速度Vhと操舵角δとを用いて予測するようにした場合について説明しているが、これに限らず、例えば、車両に発生するヨーレートを検出するヨーレート検出手段を設け、ヨーレート検出手段で検出されたヨーレートrと自車両の走行速度Vhとから、旋回半径R=Vh/rとして算出するようにしてもよく、また、横加速度Ygを検出し、この横加速度Ygと自車両走行速度Vhとから、旋回半径R=Vh×Vh/Ygとして算出するようにしてもよい。なお、ここでは、前記(1)式にしたがって、自車両走行速度Vh及び操舵角δに基づいて算出する場合について説明する。
【0022】
次いで、ステップS4に移行して領域設定処理を行い、図8に示すように、自車両の進路に対し監視対象領域を設定する。つまり、ステップS3で設定した予測進路に対して所定の幅Twを考慮し、自車両が走行するに際し占有すると予測される領域、つまり走行領域を監視対象領域として設定する。具体的には、予測進路と同一点Qを中心とし、半径がR−Tw/2の円弧と、半径がR+Tw/2の円弧とに囲まれる領域として定められる。前記所定幅Twは、例えば、自車両の車幅或いは道路車線幅相当の幅に設定される。
【0023】
このようにして、監視対象領域を設定したならば、ステップS5に移行し、ステップS2で読み込んだ障害物の位置情報に基づいて、検知された障害物がステップS4で設定した監視対象領域内に位置するかどうかを判定する。
例えば、図9に示すように、障害物m1〜m4が検知されている状態では、障害物m1、m2及びm4は監視対象領域外に位置すると判定し、障害物m3は監視対象領域内にあると判定する。
【0024】
次いで、ステップS6に移行してステップS5での領域判定結果に基づいて、監視対象領域内に位置する障害物が存在するかどうかを判定し、監視対象領域内に何れの障害物も存在しないと判断される場合には、ステップS7に移行し、制動力制御装置11に対する制動指令解除を行う。つまり、制動力制御装置11に対し制動停止指令を出力する。
【0025】
一方、ステップS6で障害物が監視対象領域内に存在すると判定される場合にはステップS8に移行し、この監視対象領域内に存在する障害物に対して衝突時間の算出を行う。具体的には、自車両と障害物との間の距離、つまり前後方向距離Xと、相対速度Vrとに基づいて衝突時間TTCをTTC=X/Vrにより算出する。なお、ここでは、相対速度Vrに基づいて接近方向の障害物であると判断されるものについてのみ障害物として扱うものとする。
【0026】
次いで、ステップS9に移行し、制動力を発生させるかどうかの判断を行うための衝突時間のしきい値TTCthの算出を行う。この衝突時間のしきい値TTCthは、図10のフローチャートに基づいて設定する。
まず、ステップS21の処理で、自動制動制御処理によって制動力を発生させる自動制動を前回終了した時点から所定時間Tfが経過したかどうかを判断する。そして、所定時間Tfが経過していない場合にはステップS22に移行し、前回の自動制動終了時点で設定されていたしきい値TTCthをそのまま今回のしきい値TTCthとして保持する。
【0027】
一方、前回自動制動終了時点から所定時間Tfが経過している場合には、ステップS23に移行し、ブレーキセンサ6の検出信号に基づいて図示しないブレーキペダルの踏み込みが行われているかどうかを判定する。そして、ブレーキペダルの踏み込みが行われていない場合にはステップS24に移行し、予め設定した通常時のしきい値TTC0を衝突時間のしきい値TTCthとして設定する。
【0028】
一方、ステップS23でブレーキペダルの踏み込みが行われている場合にはステップS25に移行し、自車両と障害物との相対速度Vrと予め設定したしきい値Vr0とを比較し、相対速度Vr<Vr0であるときには、自車両と障害物とが接触する可能性はそれほど大きくはないと判断してステップS26に移行し、通常時のしきい値TTC0よりも値の小さい、予め設定したしきい値TTC1を、衝突時間のしきい値TTCthとして設定する。
【0029】
一方、ステップS25で、相対速度Vrがしきい値Vr0以上である場合には自車両と障害物とが接触する可能性が高いと判断して前記ステップS24に移行し、通常のしきい値TTC0を衝突時間のしきい値TTCthとして設定する。
このようにして、しきい値TTCthを設定したならば、図6に戻ってステップS10に移行し、ステップS8で算出した衝突時間TTCがステップS9で算出した衝突時間のしきい値TTCthより小さいかどうかに基づき、自動制動を作動させる必要がある状態であるかどうかを判定し、衝突時間TTCがしきい値TTCthよりも小さく、自動制動を作動させる必要がある状態にあると判定される場合には、ステップS11に移行して制動力制御装置11に対し制動指令を出力する。
【0030】
具体的には、障害物との接触を防ぐことの可能な制動力を算出する。この制動力の算出は、公知の手順で行えばよく、例えば、相対速度Vr、衝突時間TTC、自車両重量から、目標制動力=相対速度Vr/衝突時間TTC/自車両重量により算出する。そして、これを制動指令として制動力制御装置11に出力する。一方、ステップ10で、衝突時間TTCがしきい値TTCth以上であるときにはステップS7に移行し制動力制御装置11の作動を停止させる。
【0031】
次に、上記第1の実施の形態の動作を説明する。
自動制動コントローラ10では、所定周期で図6に示す自動制動制御処理を実行し、操舵角δ、自車両走行速度Vh、ブレーキペダルの操作状態(ステップS1)、障害物情報を読み込み(ステップS2)、操舵角δ、自車両走行速度Vhに基づき自車両の進路を推定する(ステップS3)。
【0032】
そして、推定した進路に基づき監視対象領域を設定し、自車両前方に障害物が検知されていれば、これが監視対象領域内に存在するか否かを判定する。
このとき、検知された障害物が監視対象領域外に存在する場合には、ステップS6からステップS7に移行するから、制動力は発生されない。
一方、検知された障害物が監視対象領域内に位置する場合には、制動対象の障害物としてみなされ、ステップS6からステップS8に移行し、衝突時間TTCの算出が行われ、続いてステップS9に移行して衝突時間のしきい値TTCthが算出される。
【0033】
ここで、前回の自動制動の終了時点から所定時間Tfが経過している場合には、図10のステップS21からステップS23に移行し、このとき、ドライバによってブレーキペダルが操作されていない場合には、ステップS23からステップS24に移行して、通常時のしきい値TTC0がしきい値TTCthとして設定される。
【0034】
そして、ステップS8で算出される衝突時間TTCがしきい値TTCth(=TTC0)以上である間は、自車両と障害物との距離が十分離れており、制動力を発生させる必要はないとしてステップS10からステップS7に移行して、制動力は発生されない。
そして、ドライバがブレーキペダルを操作しない間は、しきい値TTCthとして引き続き通常時のしきい値TTC0が設定されるから、障害物と自車両との間の距離が比較的大きく、衝突時間TTCがしきい値TTCth(=TTC0)以上である間は、ステップS10からステップS7に移行し、制動力は発生されない。
【0035】
この状態から、例えば自車両と障害物との間の距離が短くなり、衝突時間TTCがしきい値TTCthを下回ると、ステップS10からステップS11に移行し、制動力が発生される。
そして、制動力が発生されたこと等によって、ドライバが障害物を認識してブレーキペダルを操作すると、ドライバが障害物を認識したとして、図10のステップS23からステップS25に移行する。そして、このとき、自車両と障害物とが同等速度で走行しており、自車両と障害物との相対速度Vrがしきい値を下回る場合には、自車両の障害物への接近度合が小さいものとしてステップS25からステップS26に移行し、衝突時間のしきい値TTCthとして、通常よりも値の小さいTTC1が設定される。
【0036】
したがって、しきい値TTCthが小さくなる方向に変更されたことから、衝突時間TTCがしきい値TTCth以上となり、ステップS10からステップS7に移行して、制動力の発生が解除される。
したがって、ドライバが障害物を認識してブレーキペダルが操作された時点で、制動力の発生が解除されるから、この時点で、不必要な自動制動の介入が解除される。
【0037】
そして、制動力の発生が解除されたことから、次に、しきい値TTCthの設定が行われる場合には、図10のステップS21からステップS22に移行し、しきい値TTCthとして、引き続き通常よりも値の小さいTTC1が設定される。
このため、衝突時間TTCがしきい値TTCth以上である間は、ステップS10からステップS7に移行して、引き続き制動力は発生されない。つまり、実際には、衝突時間TTCは通常のしきい値TTC0を下回ることから、制動力を発生させる必要のある状態ではあるが、この場合、ドライバは前方の障害物の存在を認識しており、また、衝突時間TTCがしきい値TTCth(=TTC1)以上であり、自車両が障害物と接触する可能性はそれほど高くはないから、制動力を発生させていなくとも問題はない。逆に、ドライバが障害物を認識し、また、それほど接触する可能性が高くないにも関わらず、不必要に制動力を発生させることにより、却ってドライバに煩わしさ感を与えることを回避することができる。
【0038】
また、このとき、前回制動力の発生が終了した時点から、所定時間Tfが経過するまでの間は、前回のしきい値、つまり、より値の小さいTTC1がしきい値TTCthとして設定される。したがって、仮に、制動力の発生の終了と同時に、しきい値TTCthを通常の値TTC0に変更した場合には、しきい値TTCthが増大することになるから、場合によっては、再度衝突時間TTCがしきい値TTCthを下回ることになり、再度制動力が発生されることになる。つまり、ドライバが認識しているにも関わらず、不必要な制動力が発生されることになって、ドライバに違和感を与えることになるが、所定時間Tfが経過するまでの間は、引き続き前回の値をしきい値TTCthとして設定するようにしているから、ドライバが障害物を認識している状態で、不必要に制動力が発生されることはない。
【0039】
この状態から、例えば、ドライバのブレーキペダルの踏み込み量が十分ではない、或いはドライバが漫然とブレーキペダルを踏み込んでいる場合等、自車両が障害物に接近していき、自動制動による制動力の発生を終了した時点から所定時間Tfが経過する前に衝突時間TTCがしきい値TTCth(=TTC1)を下回ると、この時点で、ステップS10からステップS11に移行し、ドライバのブレーキペダルの操作に関わらず、自車両と障害物との接触を回避することの可能な大きさの制動力が発生される。これによって、自車両が障害物と接触することが回避される。
【0040】
一方、漫然とブレーキペダルを踏み込んでいるまま、所定時間Tfが経過すると、図10のステップS21からステップS23を経てステップS25に移行し、このとき、相対速度Vrがしきい値Vr0よりも小さく接近度合が小さい場合には、ステップS25からステップS26に移行して、引き続きしきい値TTCthとしてTTC1が設定される。そして、衝突時間TTCがしきい値TTCthを下回らない場合には図6のステップS10からステップS7に移行して制動力は発生されないが、相対速度Vrがしきい値Vr0以下である場合には、図10のステップS25からステップS24に移行し、しきい値TTCthとして、TTC1よりも値の大きい通常時のしきい値TTC0が設定される。このため、衝突時間TTCがしきい値TTCth(TTC0)を下回ることから図6のステップS10からステップS11に移行して、直ちに制動力が発生されることになる。したがって、ブレーキペダルが踏み込まれている場合であっても、十分な減速効果を得ることができていない状態では、所定時間Tfが経過した時点で直ちに制動力が発生されることになり、接触回避を図ることが可能となる。
【0041】
一方、検知された障害物が、監視対象領域内に位置し、且つブレーキペダルの操作が行われておらず、通常時のしきい値TTC0がしきい値TTCthとして設定されている状態で、衝突時間TTCがしきい値TTCthを下回ると、制動力が発生され、その後、ドライバが障害物を認識してブレーキ操作を行うと、図10のステップS21からS23を経てS25に移行する。このとき、自車両が障害物に急接近しており、相対速度Vrがしきい値Vr0以上である場合には、ステップS25からステップS24に移行して、引き続き通常時のしきい値TTC0がしきい値TTCthとして設定される。
【0042】
したがって、ドライバがブレーキペダル操作を行ったものの、急接近しており相対速度Vrが大きい間は、通常時のしきい値TTC0がしきい値TTCthとして設定される。このため、引き続き衝突時間TTCがしきい値TTCthを下回ることになって引き続き制動力が発生される。よって、相対速度Vrが大きく接近度合が大きいときには、ドライバのブレーキペダル操作が行われている場合であっても自動制動によって制動力を発生させ、自車両と障害物との接触を回避させることの可能な制動力を発生させることによって、自車両と障害物との接触を確実に回避することができる。
【0043】
そして、この状態から、ブレーキペダル操作及び自動制動制御処理による制動力の発生によって、自車両と障害物との間の相対速度Vrがしきい値Vr0を下回る状態となると、ステップS21からステップS23、S25を経てステップS26に移行し、しきい値TTCthとしてTTC1が設定される。
このため、この時点で、衝突時間TTCがしきい値TTCth以上となり、図6のステップS10からステップS7に移行し、制動力の発生が解除される。そして、以後、上記と同様にしきい値TTCthとして引き続きTTC1が設定される。
【0044】
したがって、障害物と自車両とが接触する可能性がそれほど高くない状態にまで復帰した時点で自動制動制御処理による制動力の介入が停止されるから、自車両と障害物との相対速度Vrが十分小さくなり、自車両が障害物と接触する可能性が低い状態にも関わらず、制御介入が行われることによって、ドライバに煩わしさ感を与えることを回避することができる。
【0045】
このように、自車両前方に障害物が存在する場合であってもブレーキペダルの操作が行われておりドライバがこの障害物を認識しているとみなすことのできる場合には、通常よりも自動制動の作動感度を低下させるようにしたから、ドライバが障害物を認識してブレーキペダル操作を行っているにも関わらず、制動力を発生させることによりドライバに煩わしさ感を与えることを回避することができると共に、接触する可能性が高いと判定されるきには制動力を発生させることによって、安全性を確保することができる。
【0046】
また、このとき、ブレーキペダル操作を行った場合であっても、障害物と自車両との間の相対速度Vrがしきい値Vr0以上であって、比較的急接近している状態では、自動制動の作動感度を低下させないようにしているから、比較的接触する可能性が高いと判定されるときには、ブレーキペダル操作の有無に関わらず制動力を発生させることによって、十分な制動力を作用させることによって安全性を確保することができる。
【0047】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
この第2の実施の形態における自動制動制御装置は、上記第1の実施において、自動制動制御処理の処理手順が異なること以外は同様であるので、同一部には同一符号を付与しその詳細な説明は省略する。
図11は、第2の実施の形態における、自動制動制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0048】
図11に示すように、ステップS1からステップS8までの処理は上記第1の実施の形態と同様である。そして、ステップS8の処理で、衝突時間TTCを算出したならば続いてステップS31に移行し、衝突時間TTCと予め設定した衝突時間のしきい値TTCthとを比較し、TTC<TTCthでないときには、自車両が障害物と接触する可能性は高くないと判定してステップS7に移行し、上記第1の実施の形態と同様にして制動力の発生を終了する。
【0049】
一方、ステップS31で、TTC<TTCthである場合には、自車両が障害物と接触する可能性があると判定してステップS32に移行し、制動力補正値の算出を行う。
具体的には、ブレーキペダルが操作されていないときには、制動力補正値αとしてα=1を設定する。一方、ブレーキペダルが操作中であると判定されるときには図12に示す制御マップにしたがって、相対速度Vrに応じた補正値αを算出する。
【0050】
なお、図12において、横軸は相対速度Vr、縦軸は補正値αである。補正値αは、相対速度Vrが零のときに零よりも大きな最小値αminとなり、相対速度Vrが零から増加するに応じてこれに比例して補正値αは増加し、相対速度Vrがしきい値Vr0以上のときには“1”程度の値に設定されるようになっている。
【0051】
そして、このようにして制動力補正値αを算出したならば、ステップS33に移行し、制動力制御装置11に対し制動指令を出力する。
具体的には、障害物との接触を防ぐための制動力を算出する。この制動力の算出は、前記ステップS32で算出した制動力補正値α、相対速度Vr、衝突時間TTC、自車両重量から、目標制動力=制動力補正値α×相対速度Vr/衝突時間TTC/自車両重量により算出する。そして、これを制動指令として制動力制御装置11に出力する。
【0052】
次に、上記第2の実施の形態の動作を説明する。
上記第1の実施の形態と同様に、自動制動コントローラ10では、所定周期で図11に示す自動制動制御処理を実行し、操舵角δ、自車両走行速度Vh、ブレーキペダルの操作状態(ステップS1)、障害物情報を読み込み(ステップS2)、これらに基づいて、自車両の進路を推定しさらに監視対象領域を設定してこの監視対象領域内に障害物が存在するか否かを判定する。そして、検知された障害物が監視対象領域外に存在する場合には、ステップS6からステップS7に移行するから、制動力は発生されない。
【0053】
一方、検知された障害物が監視対象領域内に位置する場合には、ステップS6からステップS8に移行して衝突時間TTCを算出し、ステップS31で衝突時間TTCとそのしきい値TTCthとを比較する。
このとき、自車両前方に障害物が存在するが、自車両と障害物との間の距離が比較的確保されており、衝突時間TTC<TTCthでないときには、自車両が障害物と接触する可能性は小さいとしてステップS7に移行し、制動力の発生は行わない。
【0054】
この状態から、自車両と障害物との間の距離が接近し、衝突時間TTCがしきい値TTCthを下回ると、ステップS31からステップS32に移行し、制動力補正値αの算出が行われる。
ここで、ドライバによって、ブレーキペダルが操作されていない場合には制動力補正値αはα=1に設定される。
【0055】
したがって、ステップS33で算出される制動力は、制動力補正値αが“1”程度であることから、ほぼ、相対速度、衝突時間及び自車両に応じた、自車両と障害物との間の距離を十分確保することの可能な比較的大きな制動力が発生されることになる。そして、ドライバがブレーキペダル操作を行わない間は、引き続き大きな制動力が発生されることになる。
【0056】
この状態から、ドライバが障害物を認識し、ブレーキペダルの操作を行うと、図12の制御マップに基づきこの時点での相対速度Vrに基づいて制動力補正値αが設定される。
ここで、自車両が障害物と同等速度或いは緩やかに接近している状態であって、相対速度Vrがそのしきい値Vr0よりも小さい場合には、制動力補正値αは、“1”以下の値に設定される。
【0057】
したがって、この制動力補正値αに基づいて算出される制動力はより小さな値に補正されることになる。
ここで、ブレーキペダル操作が行われたということは、ドライバが障害物を認識しているものとみなすことができ、また、このとき、自車両と障害物との間の相対速度Vrは、そのしきい値Vr0よりも小さく、比較的緩やかに接近している状態又は同等速度で走行している状態であって、自車両が障害物と接触する可能性はそれほど高くないとみなすことができる。したがって、制動力を小さく補正したとしても問題はなく、逆に、ドライバが障害物を認識してブレーキペダル操作を行ったにも関わらず、ドライバの意思に関わらず自動制動制御処理による介入が行われることによって、ドライバに煩わしさ間を与えることを回避することができる。
【0058】
一方、衝突時間TTCがしきい値TTCthを下回ったときに、自車両が障害物に比較的急接近している状態であって、相対速度Vrがそのしきい値Vr0よりも大きい場合には、図12の制御マップから、制動力補正値αは“1”程度に設定される。
したがって、ステップS33では自車両と障害物との接触を回避するための十分大きな制動力が発生されるから、ブレーキペダルが操作されてはいるが、自車両が障害物に急接近している状態であって、自車両が障害物と接触する可能性が比較的高い状態では十分な制動力を発生させることによって、安全性を確保することができる。
【0059】
このように、自車両前方に障害物が存在する場合であってもブレーキペダルの操作が行われておりドライバがこの障害物を認識しているとみなすことのできる場合には、通常よりも小さな制動力を発生させるようにしたから、ドライバが障害物を認識してブレーキペダル操作を行っているにも関わらず、大きな制動力を発生させることによりドライバに煩わしさ感を与えることを回避することができると共に、ブレーキペダル操作を行ったにも関わらず接触する可能性が高いときには制動力を発生させることにより、安全性を確保することができる。
【0060】
また、このとき、ブレーキペダル操作を行った場合であっても、障害物と自車両との間の相対速度がしきい値Vr0以上であって、急接近している状態では、制動力を抑制しないようにしているから、十分なブレーキペダル操作を行わなければならないような状態にある場合には、ブレーキペダル操作に関わらず強制的に、制動力を発生させることによって、安全性を確保することができる。
【0061】
また、相対速度Vrがしきい値Vr0よりも小さいときには、相対速度Vrが大きいほど制動力補正値αが大きくなるように設定し、より大きな制動力を発生させるようにしているから、接触する可能性が高くなるほど、より大きな制動力を発生させることによって、接触する可能性の度合に適した制動力を発生させることができ、接触する可能性が小さいにも関わらず、より大きな制動力を発生させることに起因して運転者に違和感を与えることを低減することができると共に、接触回避を図ることができる。
【0062】
なお、この第2の実施の形態においては、ブレーキペダルの操作を行っているかいないかに応じて制動力補正値αを設定するようにした場合について説明したが、この場合も、上記第1の実施の形態と同様に、自動制動による制動力の発生が終了した時点から所定時間Tfが経過した時点で、制動力補正値αを元の値に戻すようにしてもよく、このようにすることによって、上記第1の実施の形態と同等の作用効果を得ることができる。
【0063】
また、上記第1及び第2の実施の形態では、それぞれ、ブレーキペダルが操作されているときに、制動力制御の作動感度を低下させるか、又は、制動力を抑制するかの何れかを行うようにした場合について説明したが、これらを組み合わせ、ブレーキペダルが操作されているときには、制動力制御の作動感度を低下させると共に、制動力制御量を低減させるようにしてもよい。
【0064】
また、上記各実施の形態においては、制動力を発生させる自動制動制御装置に適用した場合について説明したが、これに限るものではなく、前記自動制動制御装置に替えて、自車両と障害物との接触の可能性に応じて警報を発生させるようにした警報発生装置に適用することも可能であり、また、これらを組み合わせて、制動力を発生させると共に警報を発生させるようにした制御装置に適用することも可能である。
【0065】
また、上記各実施の形態においては、検知された障害物が一つの場合について説明しているが、複数の障害物が検出された場合には、例えば検知された障害物のうち、最も自車両と接触する可能性の高い障害物を対象として上記と同様に処理を行うようにすればよい。
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
【0066】
図13は、本発明を適用した車両用報知装置の一例を示す概略構成図であって、第1の実施の形態の図1において、自動制動コントローラ10に替えて報知制御コントローラ15を設け、さらに、駆動力制御装置16を設けたものである。なお、同一部には同一符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
前記駆動力制御装置16は、図示しないアクセルペダルの操作状態に応じた駆動力を発生するように図示しないエンジンを制御すると共に、前記報知制御コントローラ15からの指令に応じて、発生させる駆動力を変化させるように構成されている。
【0067】
図14は、前記駆動力制御装置16の構成を示すブロック図である。この駆動力制御装置16は、ドライバ要求駆動力算出部16a、加算器16b及びエンジンコントローラ16cを備えている。
前記ドライバ要求駆動力算出部16aは、アクセルペダルの踏み込み量(以下、アクセルペダル踏み込み量という。)に応じて、ドライバが要求する駆動力(以下、ドライバ要求駆動力という。)を算出する。例えば、ドライバ要求駆動力算出部16aは、図15に示すようなアクセルペダル踏み込み量とドライバ要求駆動力との関係を定めた特性マップ(以下、ドライバ要求駆動力算出用マップという。)を用いて、アクセルペダル踏み込み量に対応するドライバ要求駆動力を得ている。そして、ドライバ要求駆動力算出部16aは、求めたドライバ要求駆動力を、加算器16bを介してエンジンコントローラ16cに出力する。なお、ドライバ要求駆動力算出用マップはドライバ要求駆動力算出部16aが保持している。
【0068】
エンジンコントローラ16cは、ドライバ要求駆動力を目標駆動力として図示しないエンジンへの制御指令値を算出する。エンジンはこの制御指令値に基づいて駆動される。また、駆動力制御装置16には、加算器16bに駆動力補正量が入力されており、前記駆動力制御装置16に対し前記駆動力補正量の入力がある場合には、エンジンコントローラ16cには、加算器16bでこの駆動力補正量が加算された補正後のドライバ要求駆動力からなる目標駆動力が入力される。
【0069】
このように、駆動力制御装置16は、ドライバ要求駆動力算出部16aによりアクセルペダル踏み込み量に応じてドライバ要求駆動力を算出し、その一方で、駆動力補正量が別途入力された場合にはこの駆動力補正量を加算器16bで加えた目標駆動力を得て、エンジンコントローラ16cでその目標駆動力に応じた制御指令値を算出する。
【0070】
制動力制御装置11は、図示しないブレーキペダルの操作状態に応じた制動力を発生するようにブレーキ液圧を制御すると共に、前記報知制御コントローラ15からの指令に応じて、発生させる制動力を変化させるように構成されている。図16は、前記制動力制御装置11の構成を示すブロック図である。この制動力制御装置11は、ドライバ要求制動力算出部11a、加算器11b及びブレーキ液圧コントローラ11cを備えている。
【0071】
ドライバ要求制動力算出部11aは、図示しないブレーキペダルの踏み込み量(以下、ブレーキペダル踏み込み量という。)に応じた、ドライバが要求する制動力(以下、ドライバ要求制動力という。)を算出する。前記ドライバ要求制動力算出部11aは、例えば、図17に示すように、ブレーキペダル踏み込み量とドライバ要求制動力との関係を定めた特性マップ(以下、ドライバ要求制動力算出用マップという。)を用いて、ブレーキペダル踏み込み量に対応するドライバ要求制動力を得ている。そして、ドライバ要求制動力算出部11aは、求めたドライバ要求制動力を、加算器11bを介してブレーキ液圧コントローラ11cに出力する。なお、ドライバ要求制動力算出用マップはドライバ要求制動力算出部11aが保持している。
【0072】
前記ブレーキ液圧コントローラ11cは、ドライバ要求制動力を目標制動力としてブレーキ液圧指令値を算出する。また、制動力制御装置11には、加算器11bに制動力補正量が入力されており、その制動力補正量の入力がある場合には、ブレーキ液圧コントローラ11cには、加算器11bでこの制動力補正量が加算された補正後のドライバ要求制動力からなる目標制動力が入力される。
【0073】
このように、制動力制御装置11は、ドライバ要求制動力算出部11aにおいて、ブレーキペダル踏み込み量に応じたドライバ要求制動力を算出し、その一方で、制動力補正量が別途入力された場合にはこの制動力補正量を加算器11bで加えた目標駆動力を得て、ブレーキ液圧コントローラ11cで目標制動力に応じたブレーキ液圧指令値を算出する。
【0074】
そして、前記報知制御コントローラ15は、車速センサ3からの自車両の走行速度Vh、前記障害物検出処理装置2からの障害物情報、図示しないアクセルペダルの踏み込み量及びブレーキセンサ6からのブレーキペダル操作情報に基づいて、前記駆動力制御装置16及び制動力制御装置11を駆動するための指令信号を演算する。
【0075】
図18は、前記報知制御コントローラ15で行われる報知制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。この報知制御処理は、例えば、10msec.程度に設定された所定サンプリング時間ΔT毎に実行される。
この報知制御処理の、ステップS41からステップS45の処理は、前記図6のステップS1からステップS5の処理と同様であって、ステップS41で、車速センサ3からの自車両の走行速度Vh、操舵角センサ5からの操舵角δ、ブレーキセンサ6からのブレーキペダル操作情報を読み込み、ステップS42で、障害物検出処理装置2からの障害物情報を読み込み、ステップS43で、自車両走行速度Vh及び操舵角δに基づいて自車両の進路を推定し、ステップS44で、自車両の進路に対して監視対象領域を設定し、ステップS45で、検出された障害物が監視対象領域内に存在するかどうかを判定する。
【0076】
そして、ステップS46に移行し、ステップS45の処理で、監視対象領域内にあると判断された障害物について、次式(2)に基づいて車間時間THWiを算出する。なお、ここでは、監視対象領域内に複数の障害物が存在することを想定しており、iは、複数の障害物を識別するための識別番号である。
THWi=Xi/Vh ……(2)
次いで、ステップS47に移行し、算出した車間時間が最小となる障害物を選択してこれを車間時間最小物体とし、次いで、ステップS48に移行し、車間時間のしきい値THWthの算出処理を行う。
【0077】
この車間時間のしきい値の算出処理は、図19に示すように、まず、ステップS61で、後述のように、制駆動力を強制的に補正することによりドライバに障害物の存在を報知するための報知制動が終了した時点から所定時間Tfが経過したかどうかを判定する。そして、所定時間Tfが経過していない場合には、ステップS62に移行し、前回しきい値THWthとして設定された値をそのまま今回のしきい値THWthとして設定する。
【0078】
一方、ステップS61の処理で所定時間Tfが経過している場合には、ステップS63に移行し、ブレーキペダルが操作されているかどうかを判定する。そして、ブレーキペダルが操作されていない場合には、ステップS64に移行し、通常時の値THW0をしきい値THWthとして設定する。一方、ブレーキペダルが操作されているときには、ステップS63からステップS65に移行し、前記通常時のしきい値THW0よりも、値の小さなTHW1をしきい値THWthとして設定する。
【0079】
このようにして車間時間のしきい値THWthを設定したならば、図18に戻ってステップS49に移行し、ステップS47で選択した車間時間最小物体の車間時間(以後、最小車間時間という。)THWminと、ステップS48で設定した車間時間のしきい値THWthとを比較する。
そして、最小車間時間THWminがしきい値THWth以上でない場合、つまり最小車間時間THWminがしきい値THWthよりも小さい場合には、接触の可能性があるものと判断し、ステップS50に移行して制動力F1の算出を行う。一方、ステップS49で、最小車間時間THWminがしきい値THWth以上である場合には接触の可能性がないものと判断し、ステップS51に移行して制動力F1=0とする。
【0080】
前記ステップS50では、次式(3)に基づいて前記制動力F1を算出する。
F1=K1×(L1−Xi) ……(3)
なお、前記制動力F1は、次のような仮定から算出する。
すなわち、図20(a)に示すように、自車両300の前部に仮想的な弾性体(以下、仮想弾性体という。)500が存在するモデルを仮定している。つまり、このモデルでは、自車両300と障害物としての前方車両400との間隔が、ある距離以下となったときに、仮想弾性体500が前記前方車両400に接して圧縮され、この圧縮力が仮想弾性体500の反発力として自車両300に擬似的な走行抵抗として作用するようにしている。
【0081】
このモデルにおける仮想弾性体500の長さL1は、自車両走行速度Vhに応じて、前記しきい値THWthと関連付けて次式(4)で与える。
L1=THWth×Vh ……(4)
そして、この長さL1の仮想弾性体500の弾性係数を前記反発力ゲインK1と仮定し、図20(b)に示すように、自車両300に対して仮想弾性体500の長さL1の範囲内に、前記前方車両400が位置する場合に、自車両300と前方車両400との間の距離、つまり、弾性変位相当分に応じて変化するものとして、仮想弾性体500による反発力を前記制動力F1とし、前記(3)式として与える。
【0082】
つまり、このモデルによれば、自車両300と前方車両400との間の距離が、基準の長さ、つまり、仮想弾性体500の長さL1よりも短い場合、弾性係数K1を有する仮想弾性体500により、反発力(=制動力F1)が発生することになる。ここで、弾性係数K1は、前述の反発力ゲインK1であって、制御によって適切な制動効果を得ることができるように調整される制御パラメータである。
【0083】
以上のような関係から、自車両から車間時間最小物体までの距離が長く最小車間時間THWminがしきい値THWthである場合には、仮想弾性体500は圧縮されないため反発力は発生しない。したがって、反発力つまり制動力F1はF1=0となる。一方、自車両から車間時間最小物体までの距離が短く最小車間時間THWminがしきい値THWthを下回る場合には、仮想弾性体500が圧縮されるため、仮想弾性体500の反発力は、仮想弾性体500の弾性変位に応じて、前記(3)式から算出されることになる。
【0084】
このようにして、ステップS50又はステップS51の処理で制動力F1を算出したならば、続いてステップS52に移行し、前記ステップS45において監視対象領域内に存在すると判定された各障害物について、自車両から障害物までの前後方向距離X、自車両と障害物との相対速度Vrとに基づいて次式(5)にしたがって、衝突時間TTCを算出する。
【0085】
TTCi=Xi/Vri ……(5)
なお、式(5)中の、iは、前記監視対象領域内に存在すると判定された各障害物を識別するための識別番号である。
次いで、ステップS53に移行し、ステップS52で算出した衝突時間TTCiが最も小さい障害物を衝突時間最小物体とし、この衝突時間最小物体の衝突時間TTCを最小衝突時間TTCminとする。
【0086】
次いで、ステップS54に移行し、最小衝突時間TTCminが予め設定したそのしきい値TTCth以上であるかどうかを判定し、最小衝突時間TTCminがしきい値TTCthよりも小さいときには接触の可能性があるものと判断し、ステップS55に移行して制動力F2を算出する。一方、最小衝突時間TTCminがしきい値TTCth以上であるときには、接触の可能性がないものと判断し、ステップS56に移行して、制動力F2を零とする。
【0087】
前記ステップS55では、次式(6)に基づいて前記制動力F2を算出する。
F2=K2×(L2−Xi) ……(6)
すなわち、この制動力F2を算出する場合も、図21に示すように、前記制動力F1を算出した場合と同等のモデルを想定している。
なお、仮想弾性体の長さL2は、障害物と自車両との相対速度Vrに応じて、前記しきい値TTCthと関連付けて次式(7)で与える。
【0088】
L2=TTCth×Vr ……(7)
そして、この長さL2の仮想弾性体の弾性係数をゲインK2と仮定し、前記制動力F1算出時と同様に、自車両に対して仮想弾性体の長さL2の範囲内に、前記前方車両400が位置する場合に、自車両300と前方車両400との間の距離、つまり、弾性変位相当分に応じて変化するものとして、仮想弾性体による反発力を前記制動力F2とし、前記(6)式として与える。
【0089】
したがって、自車両から衝突時間最小物体までの距離が長くTTCmin≧TTCthである場合には、仮想弾性体は圧縮されないため反発力は発生しない。したがって、反発力つまり制動力F2はF2=0となる。一方、自車両から衝突時間最小物体までの距離が短くTTCmin≧TTCthとならない場合には、仮想弾性体が圧縮されるため、仮想弾性体の反発力は、仮想弾性体の弾性変位に応じて、前記(6)式から算出されることになる。
【0090】
このようにして、ステップS55又はステップS56の処理で制動力F2を算出したならば、続いてステップS57に移行し、前記ステップS50又はステップS51で設定した制動力F1と、前記ステップS55又はステップS56で設定した制動力F2との何れか大きい方を補正量Fcとする。なお、前記ステップS45で、監視対象領域内に障害物が存在しないと判定される場合には、ドライバへの報知を行う必要がないから補正量Fc=0と設定する。
【0091】
次いで、ステップS58に移行し、補正量Fcに応じて、前記駆動力制御装置11及び前記制動力制御装置16の出力を補正するための補正量を算出する制駆動力補正量算出処理を行う。
具体的には、図22に示すように、まず、ステップS71で、アクセルペダル操作状態としてアクセルペダル踏み込み量を読み込み、次いで、ステップS72に移行して、このアクセルペダル踏み込み量に基づいてドライバが要求する駆動力であるドライバ要求駆動力Fdを推定する。具体的には、駆動力制御装置16がドライバ要求駆動力算出用に使用している前記図15に示すドライバ要求駆動力算出用マップと同一のマップを使用して、アクセルペダル踏み込み量に応じたドライバ要求駆動力Fdを推定する。
【0092】
次いで、ステップS73に移行し、ステップS72で推定したドライバ要求駆動力Fdと図18のステップS57の処理で算出した補正量Fcとを比較し、ドライバ要求駆動力Fdが補正量Fc以上であるときには(Fd≧Fc)ステップS74に移行し、ドライバ要求駆動力Fdが補正量Fcよりも小さいときには(Fd<Fc)ステップS76に移行する。
【0093】
前記ステップS74では、駆動力補正量として前記補正量Fcの負値(−Fc)を駆動力制御装置16に出力し、さらにステップS75に移行して、制動力補正量として零を制動力制御装置11に出力する。
一方、ステップS76では、駆動力補正量としてドライバ要求駆動力Fdの負値(−Fd)を駆動力制御装置16に出力し、さらに、ステップS77に移行して、前記補正量Fcからドライバ要求駆動力Fdを減算した値(Fc−Fd)を制動力補正量として制動力制御装置11に出力する。
【0094】
これによって、駆動力制御装置16では、報知制御コントローラ15からの駆動力補正量をドライバ要求駆動力に加算した値を目標駆動力として処理を行い、また、制動力制御装置11では、報知制御コントローラ15からの制動力補正量をドライバ要求制動力に加算した値を目標制動力として処理を行う。
以上のような構成により、前記図13に示す車両用報知装置は、駆動力制御装置16によりアクセルペダルの操作量に応じた駆動力を発生するようにエンジンを制御すると共に、制動力制御装置11によりブレーキペダルの操作量に応じた制動力を発生するように制動力を制御する。
【0095】
その一方で、接触可能性のある障害物の有無に応じて、ドライバのブレーキペダル或いはアクセルペダルの操作量に応じた駆動力補正量及び制動力補正量をそれぞれ得て、これら駆動力補正量及び制動力補正量で補正した目標駆動力及び目標制動力によって、図示しないエンジンやブレーキ装置を制御している。
また、このとき、制動力或いは駆動力を補正制御中にブレーキペダルが操作された場合には、ドライバが障害物を認識しているものと判定し、前記接触可能性のある障害物であるかどうかを判定する際に用いる、車間時間のしきい値THWthをより小さな値に変更するようになっている。
【0096】
次に、上記第3の実施の形態の動作を説明する。
報知制御コントローラ15では、所定周期で報知制御処理を行い、操舵角δ、自車両走行速度Vh、ブレーキペダルの操作状態(ステップS41)、障害物情報を読み込み(ステップS42)、操舵角δ、自車両走行速度Vhに基づき自車両の進路を推定する(ステップS43)。そして、推定した進路に基づき監視対象領域を設定する。
【0097】
このとき、検知された障害物が監視対象領域外に存在する場合には、報知を行う必要がないから補正量Fcとして零が設定され(ステップS57)、制動力及び駆動力の補正は行われないから、アクセルペダル或いはブレーキペダルの踏み込み量に応じた駆動力或いは制動力が発生されることになる。
一方、検知された障害物が監視対象領域内に存在する場合には、制動力発生対象の障害物としてみなされ、監視対象領域内に存在する障害物についてその車間時間が算出され、複数存在する場合にはそれぞれについて車間時間が算出され、車間時間が最小となる最小車間時間THWminが特定される(ステップS47)。
【0098】
続いて、車間時間のしきい値THWthが算出されるが、このとき、前回報知制動により報知制動が行われた時点から所定時間Tfが経過している場合には、図19のステップS61からステップS63に移行し、さらにブレーキペダルの操作が行われていなければステップS64に移行して、通常時のしきい値THW0がしきい値THWthとして設定される。
【0099】
このとき、障害物が監視対象領域内に存在するが、自車両と障害物との間の距離が比較的十分確保され、車間時間THWがしきい値THW0以上である場合には、報知制動を行う必要はないものと判定されて、図18のステップS49からステップS51に移行し、制動力F1を零として設定する。
続いて、ステップS52に移行し、今度は、監視対象領域内の各障害物について衝突時間を算出し、この衝突時間が最小となる最小衝突時間TTCminが算出され、この最小衝突時間TTCminとそのしきい値TTCthとが比較される。
【0100】
このとき、最小衝突時間TTCminがしきい値TTCth以上である場合には、制動力F2は零に設定されるから、制動力F1及びF2共に零に設定されることになって、制駆動力の補正は行われない。したがって、ドライバのアクセルペダル操作或いはブレーキペダル操作に応じた制動力或いは駆動力が発生されることになる。
この状態から、最小車間時間THWmin或いは衝突時間TTCminがそのしきい値を下回ると、このときの前後方向距離Xに基づいて制動力F1或いはF2が算出され、これら制動力F1及びF2の何れか大きい方に応じて、制動力或いは駆動力が補正される。
【0101】
したがって、このとき、ドライバが加速を目的としてアクセルペダルを踏み込み、この踏み込み量に応じたドライバ要求駆動力Fdが前記補正量Fcを超えると、図22のステップS73からステップS74に移行し、駆動力補正量として負値の“−Fc”が出力され、また、制動力補正量として零が出力される。このため、駆動力制御装置16では、アクセルペダルの踏み込み量に応じた駆動力から駆動力補正量“−Fc”を減算した大きさの駆動力を発生するよう動作することになり、アクセルペダルの踏み込みに対して自車両は鈍い加速挙動を示すようになる。
【0102】
このため、ドライバが加速を目的としてアクセルペダルを踏み込んだにも関わらず、この踏み込み量に応じた期待する駆動力、すなわち加速感を得ることができない状態となる。したがって、ドライバは、鈍い加速挙動となったことから、自車両前方に接触する可能性が高いと判断される障害物が存在することを認識することができ、これによって、減速操作を行う等といった障害物回避のための操作を行うことができる。
【0103】
一方、このとき、ドライバがアクセルペダルをそれほど踏み込まない場合、或いは、アクセルペダルの踏み込みを行わない場合等、ドライバ要求駆動力Fdが補正量Fcよりも小さい場合には、図22のステップS73からステップS76に移行して、駆動力補正量として“−Fd”が設定されると共に、制動力補正量としてFc−Fdが出力されることになる。
【0104】
したがって、駆動力制御装置16では、アクセルペダルの踏み込み量に応じたドライバ要求駆動力Fdから駆動力補正量Fdを減算した大きさの駆動力が発生されるように、つまり、ドライバ要求駆動力Fdが発生されないように動作すると共に、制動力制御装置11では、ドライバの要求制動力に、制動力補正量Fc−Fdを加算した大きさの制動力を発生するように動作する。
【0105】
これにより、ドライバの要求した駆動力に対して実際の駆動力は略零となり、さらに、ドライバが要求する制動力に対して実際の制動力が制動力補正量Fc−Fd相当分だけ大きくなる。
つまり、ドライバ要求駆動力Fdが補正量未満Fcである場合には、駆動力制御装置16の制御のみでは、目標とする反発力を得ることができないので、駆動力制御装置16にドライバ要求駆動力Fdの負値“−Fd”を駆動力補正値として出力する一方で、制動力制御装置11に対してその不足分に相当するFc−Fdを制動力補正量として出力することによって、反発力Fを得るようにしている。すなわち、駆動力制御装置16と制動力補正装置11とを協働させてシステム全体として所望の反発力Fを得るようにして、その反発力が走行抵抗として車両に作用されることになる。
【0106】
したがって、アクセルペダルの踏み込み量が所定量Fcに達していない場合には、ドライバが要求している制動力に対しその不足分Fc−Fdだけ制動力が大きくなり、車両はその制動力により減速挙動を示すようになる。つまり、ドライバは、アクセルペダルを踏み込んだにも関わらず、十分な駆動力を得ることができず逆に制動力が作用する状態、或いはブレーキペダルを操作していないにも関わらず、強制的に制動力が作用する状態となることによって、自車両前方に障害物が存在することを認識することができ、この時点で減速する等といった対処を行うことができる。
【0107】
よって、このような減速挙動を、自車両前方に衝突する可能性の高い障害物が存在することを通知するための報知として用いることにより、ドライバは、自車両前方の障害物の存在を認識することができる。
なお、前述したように、アクセルペダル踏み込み量に対応するドライバ要求駆動力Fdが補正量Fc以上である場合(Fd≧Fc)、Fd−Fc≧0であるので、補正量Fcを駆動力補正量としてドライバ要求駆動力Fdを補正(減算)してもドライバ要求駆動力の差分が制御値として残る。このようなことから、アクセルペダル踏み込み量に対応するドライバ要求駆動力Fdが補正量Fc以上である場合には、制動力補正量を零にして、制動力制御装置11の補正に頼らずに、補正量Fcの負値を駆動力補正量として与えて駆動力制御装置16のみで補正を行い、システム全体として所望の反発力を発生させて、その反発力を走行抵抗として車両に作用させているといえる。
【0108】
そして、ドライバがブレーキペダルの操作を行わない間は、上記と同様に処理が行われ、自車両と障害物との距離が短くなるほど、大きな補正量Fcが発生されるように制御が行われる。
つまり、前述したような補正量(反発力)Fcとドライバ要求駆動力Fdとの関係から得られる車両動作は、図23のように図示することができる。なお、ここでは、アクセル開度を一定に保っていることを前提としている。
【0109】
自車両300が障害物として例えば前方車両400に接近していき、前方車両400までの距離がある距離に達すると、図23(b)に示すように、補正量Fcが発生すると共に、障害物までの距離が短くなるにつれて反発力つまり補正量Fcは増加する。一方、このとき、アクセル開度は一定であるため、ドライバ要求駆動力Fdは、図23(a)に示すように前方車両400までの距離に関わらず、一定値をとる。
【0110】
ここで、図23(c)に示すように、ドライバ要求駆動力Fdと補正量(反発力)Fcとの差分値(Fd−Fc)として得られる実制駆動力は、前方車両400までの距離がある距離となるまでは、ドライバ要求駆動力Fdそのものの値となるが、ある距離よりも短くなると減少するようになる。そして、さらに前方車両までの距離が短くなると、実制駆動力は負値に至る。このような場合において、実制駆動力が減少する領域で、正値である領域では、駆動力制御装置16での駆動力制御量の補正により駆動トルクを低減し、また、実制駆動力が減少する領域で、その値が負値となる領域では、制動力制御装置11の制動力制御量を補正して制動力を増加させている。
【0111】
図24は、補正量Fcに基づいた補正による駆動力及び制動力の特性を示したものである。
この図24に示すように、アクセルペダル踏み込み量が多い場合、このアクセルペダル踏み込み量に応じた駆動力(ドライバ要求駆動力)を補正量Fcにより減少方向に補正し(図中Bとして示す特性)、一方、アクセルペダル踏み込み量が少ない場合、このアクセルペダル踏み込み量に応じた駆動力(ドライバ要求駆動力)が発生しないように補正する(ドライバ要求駆動力を零に補正する)と共に(図中Cとして示す特性)、アクセルペダル踏み込み量の増加に対して減少する制動力が発生するように補正する(図中Dとして示す特性)。さらに、ブレーキペダルが踏み込まれた場合、補正量Fcに基づいて制動力が増大する方向に補正し(図中Eとして示す特性)、全体として車両の走行抵抗が補正量Fcに相当するように増大させる。
【0112】
このようにして反発力が発生したことから、ドライバが接触する可能性の高い障害物が存在することを認識しブレーキペダルを操作すると、図19のステップS63からステップS65に移行するから、車間時間のしきい値THWthとしてより値の小さいTHW1が設定される。
このとき、最小車間時間THWminが通常時のしきい値THW0を下回り反発力Fcが発生されている状態である場合には、最小車間時間THWminがしきい値THW1以上であるときには、図18のステップS49の処理で接触する可能性はないと判断されて制動力F1は零に設定される(ステップS51)。そして、このとき、相対速度Vrが比較的小さく衝突時間TTCが、しきい値TTCth以上である場合には(ステップS54)、自車両が前方車両に接触する可能性は小さいとして制動力F2は零に設定される(ステップS56)。
【0113】
したがって、制動力F1及びF2共に零に設定されることから、この時点で反発力Fcの発生が解除される。よって、不必要な自動制動の介入が解除される。
そして、反発力Fcの発生が解除されたことから、次にしきい値の設定が行われる場合には、図19のステップS61からステップS62に移行し、引き続き通常よりも値の小さいTHW1が設定される。
このため、引き続き最小車間時間THWminがしきい値THW1以上であり、また、衝突時間TTCがしきい値以上である間は、制動力F1及びF2は共に零に設定されるから、引き続き反発力Fcは発生されない。
【0114】
ここで、車間時間THWが通常のしきい値THW0を下回る状態、つまり、自車両と障害物とが接触する可能性があると判定される状態で、反発力Fcの発生が停止されることになるが、この時点では、ドライバによってブレーキペダルの操作が行われており、ドライバが障害物を認識しているものとみなすことが可能であり、また、障害物と自車両との相対速度Vrに基づいて算出される衝突時間TTCは、そのしきい値TTCth以上であって、衝突時間の点からはそれほど接触する可能性が高くはないと判定される状態であるから、反発力Fcの発生、つまり、ドライバに注意を促すための、報知制動を行う必要はない。逆に、ドライバが障害物を認識してブレーキペダル操作を行っているにも関わらず、報知制動が介入されることに起因して、ドライバに煩わしさ感を与えることを回避することができる。
【0115】
そして、ブレーキペダルを操作したが、ブレーキペダルの踏み込み量が少ない場合等、十分な減速度を得ることができず、自車両が障害物に接近していき、最小車間時間THWminがしきい値THWthを下回るか、或いは衝突時間TTCがしきい値TTCthを下回ると、制動力F1或いはF2が算出されて、補正量Fcが算出され反発力が発生される。したがって、ブレーキペダル操作が行われたものの、十分な減速度を得ることができない状態では、再度反発力Fcが発生されるから、この時点で、ドライバに接触の注意を促すことができる。
【0116】
このとき、ブレーキペダル操作によって、十分な減速度を得ることができず、相対速度Vrが大きくなって、衝突時間TTCがしきい値を上回ると、図18のステップS54からステップS55に移行して制動力F2が算出され、この制動力F2と制動力F1との何れか大きい方に基づいて反発力が発生される。
【0117】
したがって、ブレーキペダルが操作されてはいるものの、相対速度Vrに基づいて算出される衝突時間TTCに基づいて、自車両が障害物と接触する可能性が高いと判定される場合には、車間時間THWに基づいては接触する可能性がそれほど高くはないと判断される場合であっても、反発力Fcが発生される。よって、車間時間THWに基づいて自車両が障害物と接触する可能性が高いと判断される以前に、衝突時間TTCに基づいて自車両が障害物と接触する可能性が高いと判断されるときには、この時点で、反発力Fcを発生させるようにしているから、より早い段階で、ドライバに対し注意を促すことができ、ドライバに対して、的確なタイミングで障害物に対する注意を促すことができる。
【0118】
また、この第3の実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様に、所定時間Tfが経過するまでの間は、車間時間のしきい値THWthとして引き続き前回の値を設定するようにしている。
したがって、しきい値THWthとしてTHW1が設定されている状態で、車間時間THWがしきい値THW0を上回る状態に回復し反発力Fcの発生を停止した後、再度、しきい値THW0を下回る状態となった場合であっても、所定時間Tfが経過するまでの間は、しきい値THWthとしてしきい値THW1が設定されているから、車間時間THWがTHW1を下回らない間は、反発力Fcの発生は行われないことになる。しかしながら、この障害物の存在をドライバは認識しており、また、衝突時間TTCに基づいても接触可能性の判断を行っているから、何ら問題はなく、逆に、存在を認識している障害物に対し反発力Fcが発生されることに起因してドライバに煩わしさ感を与えることを回避することができる。
【0119】
このように、第3の実施の形態においては、自車両前方の障害物の有無に応じて、仮想的な弾性体の反発力を算出し、この反発力を絶対的な補正量としてこの絶対的な補正量を実現するような駆動力補正量及び制動力補正量を駆動力制御装置16及び制動力制御装置11それぞれに出力し、ドライバ要求駆動力及びドライバ要求制動力を補正することにより、障害物との接触可能性に応じて設定される反発力に応じて加速度合を鈍くしたり、或いは自車両を減速したりすることにより、ドライバに障害物との接触可能性を前以って通知することができる。
【0120】
また、このとき、自車両前部に仮想弾性体を想定し、自車両が障害物に近づくにつれて反発力が大きくなるようにしたから、すなわち、自車両が障害物に近づくほど走行抵抗が大きくなる。よって、ドライバは、走行抵抗の大きさに応じて自車両の障害物への接近度合及び接触可能性を推測することができる。
また、このとき、車間時間及び衝突時間に基づいて、接触可能性を判断するようにし、これらに基づき最も接触する可能性が高い障害物に基づいて補正量Fcを算出しこれに基づいて制動力及び駆動力を補正するようにしたから、複数の障害物が存在する場合であってもその接触可能性に応じて的確に報知制動を行うことができる。
【0121】
また、このとき、ブレーキペダルの操作が行われたときには、車間時間のしきい値THWthをより小さくして、報知制動の作動感度を低下させるようにしたから、ドライバがその存在を認識してブレーキペダルの操作を行っている障害物に対して報知制動が行われることを回避し、ドライバに対して煩わしさ感を与えることを低減することができ、また、不要な反発力Fcを発生させることを回避することができる。
【0122】
また、このとき、車間時間だけでなく衝突時間についても接触の可能性を判断するようにし、衝突時間及び車間時間の双方に基づいて報知制動を作動させるようにしているから、車間時間による報知制動の作動感度を低下させた場合であっても、相対速度Vrに基づき算出される衝突時間に基づいて接触の可能性が高いと判定されるとき、つまり自車両と障害物との接近度合が大きいときには報知制動を作動させるようにしている。つまり、自車両と障害物との接近度合が小さいときには、ブレーキペダルの操作が行われたときに報知制動の作動感度を低下させ、接近度合が大きいときにはブレーキペダルの操作に関わらず報知制動の作動感度を確保することによって、自車両と障害物との接近度合に応じて、煩わしさの低減と的確な報知制動との両立を図ることができる。
【0123】
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。
この第4の実施の形態は、上記第3の実施の形態において、報知制御処理の処理手順が異なること以外は同様であるので、同一部には同一符号を付与しその詳細な説明は省略する。
図25は、第4の実施の形態における、報知制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートであって、図18に示す第3の実施の形態における報知制御処理において、ステップS48の処理を削除し、ステップS45aの処理を追加すると共に、ステップS50及びステップS57の処理をそれぞれステップS50a及びステップS57aの処理に変更したものである。
【0124】
つまり、この第4の実施の形態においては、ステップS45の処理で障害物が監視対象領域内に存在するか否かの判断を行った後、ステップS45aに移行し、制動力F1及びF2に対する制動量補正値α1及びα2の算出を行う。
具体的には、ブレーキペダルの操作が行われていないときには、制動量補正値α1及びα2共に、“1”程度の値に設定する。
【0125】
一方、ブレーキペダルの操作が行われているときには、制動力F1に対する制動量補正値α1は、“1”以下の値に設定し、また、制動力F2に対する制動量補正値α2は、“1”以上の値に設定する。
そして、以後、上記第3の実施の形態と同様に処理を行い、ステップS49の処理で、最小車間時間THWminが、しきい値THWthを下回るときには、ステップS50aに移行して制動力F1を次式(8)から算出する。
【0126】
F1=α1×K1×(L1−Xi) ……(8)
また、ステップS54の処理で、最小衝突時間TTCminがしきい値TTCthを下回るときには、ステップS55aに移行し、制動力F2を次式(9)から算出する。
F2=α2×K2×(L2−Xi) ……(9)
次に、本発明の第4の実施の形態の動作を説明する。
【0127】
検知された障害物が監視対象領域内に存在する場合には、監視対象の障害物としてみなされ、監視対象領域内に存在する障害物について、その車間時間及び衝突時間が算出され、車間時間が最小となる最小車間時間THWmin及び衝突時間が最小となる最小衝突時間TTCminが特定される(ステップS47、S53)。そして、それぞれしきい値と比較され、しきい値以上であるときには、制動力F1、F2は零に設定され、しきい値を下回るときには、自車両が障害物と接触する可能性があるとして、制動力F1、F2が算出される。
【0128】
このとき、ブレーキペダルの踏み込みが行われていない間は、図25のステップS45aの処理で制動量補正値α1、α2が“1”程度の値に設定されるから、自車両と障害物との間の距離に応じた制動力F1、F2が算出されてこれに基づいて反発力Fcが発生され。これによって、ドライバへの接触の可能性の報知が行われる。
そして、この状態から、ドライバが障害物を認識し、ブレーキペダルを操作すると、制動力F1に対する制動量補正値α1は“1”以下の値、制動力F2に対する制動量補正値α2は“1”以上の値に設定され、これに基づいて、制動力F1及F2がそれぞれ補正される。
【0129】
したがって、この場合も上記第3の実施の形態と同様に、ブレーキペダルの操作が行われている場合には、自車速Vhに基づき算出される制動力F1を抑制することにより反発力Fcを抑制し、障害物を認識している状態で反発力Fcが発生されることによって、ドライバに煩わしさ感を与えることを回避することができると共に、反発力Fcを、自車速Vhに基づき算出される制動力F1と相対速度Vrに基づき算出される制動力F2とに基づき算出するようにしているから、自車両と障害物との相対速度Vrが大きくこれらが接触する可能性が高いときには、十分な反発力Fcを発生させることによって、接触する可能性が高いときには的確に反発力Fcを発生させ、ドライバに対して注意を促すことができる。
【0130】
また、このとき、ブレーキペダルの操作が行われたときには、車間時間THWに基づく制動力F1を補正するための制動力補正値α1を“1”以下の値に設定し、衝突時間TTCに基づく制動力F2を補正するための制動力補正値α2を“1”以上の値に設定するようにしているから、相対速度Vrが小さく接触する可能性が小さいと判定されるときには、反発力Fcを決定する自車速Vhに基づく制動力F1をより小さな値に補正することによって、自動制動による制御介入量を低減する一方で、相対速度Vrが大きく接触する可能性が高いと判定されるときには、反発力Fcを決定する相対速度Vrに基づく制動力F2をより大きな値に補正することによって、衝突する可能性が高い状態での反発力Fcを十分確保し、安全性をより向上させることができる。
【0131】
なお、この第4の実施の形態においては、ブレーキペダルの操作を行っているかいないかに応じて制動力補正値α1、α2を設定するようにした場合について説明したが、この場合も、上記第3の実施の形態と同様に、自動制動による制動力の発生が終了した時点から所定時間Tfが経過した時点で、制動力補正値α1、α2を元の値に戻すようにしてもよく、このようにすることによって、上記第3の実施の形態と同等の作用効果を得ることができる。
【0132】
また、上記第4の実施の形態においては、制動力補正値α1、α2を固定値とした場合について説明したが、これに限るものではなく、上記第2の実施の形態と同様に、相対速度Vrに応じて変更させるようにしてもよい。
また、上記第3の実施の形態と上記第4の実施の形態とを組合わせ、ブレーキペダルの操作に応じて、車間時間のしきい値THWthを変更すると共に、制動力F1、F2を変更するようにしてもよい。
【0133】
また、上記第3及び第4の実施の形態においては、制動力F1及び制動力F2の何れか大きい方を補正量Fcとして設定するようにした場合について説明したが、これに限るものではなく例えば、制動力F1及び制動力F2の和を補正量Fcとして設定することも可能であり、また、制動力F1、F2を所定の比率で加算した値を補正量Fcとして設定することも可能である。
【0134】
また、上記各実施の形態においては、ブレーキセンサ6として、ブレーキランプスイッチの状態を検出し、これによって、ブレーキペダルの操作が行われたかどうかを判断するようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、ブレーキペダルの踏み込み量、或いは、制動用作動流体の流体圧を検出するようにしこれに基づいてブレーキペダルの操作状況を検出するようにしてもよい。
【0135】
ここで、上記各実施の形態において、レーダ装置1及び障害物検出処理装置2が前方物体検知手段に対応し、図6のステップS3〜ステップS10の処理、図11のステップS3〜ステップS31の処理、図18及び図25のステップS43〜ステップS49及びステップS52〜ステップS54の処理、がそれぞれ接触可能性判断手段に対応し、図6のステップS11の処理、図11のステップS33の処理、図18及び図25のステップS57及びS58の処理が、それぞれ接触回避制御手段に対応し、障害物検出処理装置2において自車両と障害物との相対速度を検出する処理が接近度合検出手段に対応し、ブレーキセンサ6が制動操作状況検出手段に対応し、図6のステップS9の処理、図11のステップS32の処理、図18のステップS48の処理、図25のステップS45aの処理がそれぞれ変更手段に対応している。
【0136】
さらに、上記実施の形態においては、前記変更手段は、前記接近度合が小さいときには、前記接触可能性判断手段での判断条件を、接触する可能性が高いと判断されにくくなる方向に変更するように構成したから、接近度合が小さく比較的接触する可能性が低いと判断される状態においては、接触する可能性が高いと判断されにくくなる傾向とすることによって、接触回避制御手段による制御介入を容易に抑制することができる。
【0137】
また、前記接触回避制御手段は、接触回避のための制御動作を行う手段であって、前記変更手段は、前記接近度合が小さいときには、前記接触回避制御手段での制御動作量を低減するように構成したから、ドライバが制動操作を行っており前方物体を認識しているとみなすことの可能な状態であり、且つ、接近度合が小さいとき、つまり、自車両が前方物体と接触する可能性がそれほど高くはないとみなされる状態のときには、接触回避のための制御動作量を低減することにより、ドライバが制動操作を行っている状態で制御介入が行われることを抑制し、ドライバに煩わしさ感を与えることを回避することができる。
また、前記接近度合検出手段は、前記接近度合として自車両と前記前方物体との相対速度を検出するように構成したから、接近度合を容易的確に検出することができる。
【0138】
また、自車両の前方物体を検知し当該前方物体と自車両との相対位置関係を検出する前方物体検知手段と、当該前方物体検知手段で検知された前記前方物体と自車両との間の距離を自車速で除した車間時間及び前記前方物体と自車両との間の距離を前記前方物体と自車両との相対速度で除した衝突時間に基づき自車両が前記前方物体に接触する可能性を判断する接触可能性判断手段と、当該接触可能性判断手段で接触の可能性が高いと判断されるとき接触回避のための制御を行い、且つその制御量を前記車間時間及び前記衝突時間に基づき設定する接触回避制御手段と、を備えた車両用接触回避制御装置において、自車両と前記前方物体との接近度合を検出する接近度合検出手段と、ドライバによる制動操作状況を検出する制動操作状況検出手段と、当該制動操作状況検出手段でドライバによる制動操作が検出されたとき、前記接近度合検出手段で検出された自車両と前方物体との接近度合に応じて、前記接触可能性判断手段で前記接触の可能性が高いと判断するための判断条件及び前記接触回避制御手段での制御内容の少なくとも何れか一方を変更する変更手段と、を備える構成としたから、ドライバが前方物体を認識し制動操作を行っているにも関わらず、接触回避制御による介入が行われることに起因して、ドライバに煩わしさ感を与えることを回避することができる。
【0139】
また、前記接触可能性判断手段は、前記車間時間に基づく接触の可能性の判断結果と、前記衝突時間に基づく接触の可能性の判断結果とに基づき、前記接触の可能性を判断し、前記変更手段は、前記車間時間に基づく接触の可能性の判断における判断条件を変更するように構成したから、相対速度が小さい走行状態における煩わしさ感の低減を図ることができると共に、相対速度が大きい走行状態では的確に接触回避動作を行うことができる。
【0140】
また、前記接触回避制御手段は、前記自車速に基づき設定される接触回避のための第1の制御量と、前記相対速度に基づき設定される接触回避のための第2の制御量とに基づいてその制御量を設定し、前記変更手段は、前記第1の制御量を変更するように構成したから、相対速度が小さい走行状態における第1の制御量による制御介入量を低減して煩わしさ感の低減を図ることができると共に、相対速度が大きい走行状態では第1の制御量による制御介入量を確保し的確に接触回避動作を行うことができる。
【0141】
また、前記変更手段は、前記制動操作状況検出手段でドライバによる制動操作が検出されたとき、前記第1の制御量を抑制し、且つ前記第2の制御量を増加させるように構成したから、相対速度が小さく比較的接触する可能性の低い状態での第1の制御量による制御介入量を低減する一方で、相対速度が大きく比較的接触する可能性の高い状態での第2の制御量による制御介入量を十分確保することができ、ドライバに与える安心感を向上させることができる。
【0142】
また、前記変更手段は、前記接触可能性判断手段で、接触する可能性が高いと判断された状態から低いと判断される状態に移行したときには、前記接触回避制御手段による接触回避制御終了後、予め設定した規定時間が経過した後、変更した変更内容を元に戻すように構成したから、接触回避制御終了後、再度接触可能性が高いと判断される状態となった場合等に、ドライバが既に認識している前方物体に対して、接触回避制御が再度行われることを回避することができる。
【0143】
さらに、前記接触回避制御手段は、接触する可能性の有無に応じてこれを報知するための報知手段及び減速操作を行う減速制御手段の少なくとも何れか一方により構成するようにしたから、接触する可能性の有無の報知、或いは接触する可能性の有無に応じて減速操作を行うことにより、的確に接触回避を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す自動制動制御装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】図1の制動力制御装置の出力特性を示す特性図である。
【図3】本発明に適用したレーダ装置の動作説明に供する説明図である。
【図4】レーダ装置により検知した前方物体の存在状態図の一例である。
【図5】図1の自動制動コントローラ10の機能構成を示すブロック図である。
【図6】自動制動コントローラ10で実行される自動制動制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】自車両の予測進路を説明するための説明図である。
【図8】自車両の走行領域を説明するための説明図である。
【図9】障害物の領域内外判定の判定方法を説明するための説明図である。
【図10】図6のしきい値算出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態における自動制動制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】相対速度Vrと制動力補正値αとの対応を表す制御マップである。
【図13】本発明の第3の実施の形態を示す車両用報知装置の一例を示す概略構成図である。
【図14】図13の駆動力制御装置の構成を示すブロック図である。
【図15】アクセルペダル踏み込み量とドライバ要求駆動力との対応を表す特性図である。
【図16】図13の制動力制御装置の構成を示すブロック図である。
【図17】ブレーキペダル踏み込み量とドライバ要求制動力との対応を表す特性図である。
【図18】報知制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図19】図18の車間時間しきい値算出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図20】自車両前部に仮想的な弾性体を設けた補正量算出のためのモデルを説明するための説明図である。
【図21】車間時間と衝突時間とに対応して仮想的な弾性体を設けたモデルを説明するための説明図である。
【図22】図18の制駆動力補正量算出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図23】第3の実施の形態の動作説明に供する説明図である。
【図24】補正量Fcに基づいて補正した駆動力及び制動力の特性を説明するための説明図である。
【図25】第4の実施の形態における報知制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 レーダ装置
2 障害物検出処理装置
3 車速センサ
4 ステアリングホイール
5 操舵角センサ
6 ブレーキセンサ
10 自動制動コントローラ
11 制動力制御装置
15 報知制御コントローラ
16 駆動力制御装置
Claims (7)
- 自車両の前方物体を検知し当該前方物体と自車両との間の相対距離を含む相対位置関係を検出する前方物体検知手段と、
当該前方物体検知手段で検知された前記前方物体と自車両との相対位置関係に基づいて、自車両が前記前方物体に接触する可能性を判断する接触可能性判断手段と、
当該接触可能性判断手段で接触の可能性が高いと判断されるとき接触回避のための制御を行う接触回避制御手段と、を備えた車両用接触回避制御装置において、
自車両と前記前方物体との間の相対距離の変化度合である接近度合を検出する接近度合検出手段と、
ドライバによる制動操作状況を検出する制動操作状況検出手段と、
当該制動操作状況検出手段でドライバによる制動操作が検出されたとき、前記接近度合検出手段で検出された自車両と前方車両との接近度合が予め設定したしきい値よりも小さいときにのみ、前記接触可能性判断手段で前記接触の可能性が高いと判断するための判断条件を、接触の可能性が高いと判断されにくくなる方向に変更する変更手段と、を備えることを特徴とする車両用接触回避制御装置。 - 前記接触回避制御手段は、接触回避のための制御動作を行う手段であって、
前記変更手段は、前記接近度合が小さいときには、前記接触回避制御手段での制御動作量を低減することを特徴とする請求項1記載の車両用接触回避制御装置。 - 前記接近度合検出手段は、前記接近度合として自車両と前記前方物体との相対速度を検出することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用接触回避制御装置。
- 自車両の前方物体を検知し当該前方物体と自車両との間の相対距離を含む相対位置関係を検出する前方物体検知手段と、
当該前方物体検知手段で検知された前記前方物体と自車両との間の相対距離を自車速で徐した車間時間及び前記前方物体と自車両との間の相対距離を前記前方物体と自車両との相対速度で除した衝突時間に基づき自車両が前記前方物体に接触する可能性を判断する接触可能性判断手段と、
当該接触可能性判断手段で接触の可能性が高いと判断されるとき接触回避のための制御を行い、且つその制御量を前記車間時間及び前記衝突時間に基づき設定する接触回避制御手段と、を備えた車両用接触回避制御装置において、
自車両と前記前方物体との間の相対距離の変化度合である接近度合を検出する接近度合検出手段と、
ドライバによる制動操作状況を検出する制動操作状況検出手段と、
当該制動操作状況検出手段でドライバによる制動操作が検出されたとき、前記接近度合検出手段で検出された自車両と前方物体との接近度合に応じて、前記接触可能性判断手段で前記接触の可能性が高いと判断するための判断条件及び前記接触回避制御手段での制御内容の少なくとも何れか一方を変更する変更手段と、を備え、
前記接触可能性判断手段は、前記車間時間に基づく接触の可能性の判断結果と前記衝突時間に基づく接触の可能性の判断結果とに基づき前記接触の可能性を判断し、
前記接触回避制御手段は、前記自車速に基づき設定される接触回避のための第1の制御量と、前記相対速度に基づき設定される接触回避のための第2の制御量とに基づいてその制御量を設定し、
前記変更手段は、前記車間時間に基づく接触の可能性の判断における判断条件のみを、接触の可能性が高いと判断されにくくなる方向に変更するか又は前記第1の制御量のみを抑制するかの何れか一方を行うことを特徴とする車両用接触回避制御装置。 - 前記変更手段は、前記制動操作状況検出手段でドライバによる制動操作が検出されたとき、前記第1の制御量を抑制し、且つ前記第2の制御量を増加させることを特徴とする請求項4記載の車両用接触回避制御装置。
- 前記変更手段は、前記接触可能性判断手段で、接触する可能性が高いと判断された状態から低いと判断される状態に移行したときには、前記接触回避制御手段による接触回避制御終了後、予め設定した規定時間が経過した後、変更した変更内容を元に戻すことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の車両用接触回避制御装置。
- 前記接触回避制御手段は、接触する可能性の有無に応じてこれを報知するための報知手段及び減速操作を行う減速制御手段の少なくとも何れか一方であることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の車両用接触回避制御装置。
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---|---|---|---|
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