JP4894637B2 - 車両用制動支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自車両の前方の障害物との衝突を回避できるように、運転者のブレーキ操作を支援する車両用制動支援装置に関する。
従来、例えば特許文献1に記載されるように、自車両と、先行車両のような前方の障害物との距離及び相対速度に基づいて、その前方障害物と衝突する可能性が生じたと判定されると、運転者のブレーキペダル操作による制動力を増大させるプリクラッシュブレーキアシスト(PBA)制御を行う装置が知られている。
この従来装置では、測距センサの計測距離及び車速センサの検出自車速から、時々刻々の自車と前方障害物との距離及び相対速度を検出する。そして、その相対速度で計測距離を走行して、自車と前方障害物とが接触する時間を、衝突予測時間TTCとして算出する。この衝突予測時間TTCは、自車が前方障害物に接近するほど、また前方障害物に対する相対速度が速くなるほど小さくなる。この衝突予測時間TTCが、衝突を回避するために必要な時間として設定された基準時間を下回ると、前方障害物との衝突の可能性が生じたと判定し、PBA制御を開始する。
特開2006−218993号公報
従来の装置では、上述したように、衝突予測時間と基準時間とを比較することにより、前方障害物との衝突の可能性が生じたか否かを判定する。ここで、基準時間は、衝突が安全に避けられない場合に、運転者がPBA制御の介入を意図してブレーキペダルを踏むと予想される標準的なタイミングに対応した数秒以下の一定時間であり、実験等に基づいて設定される。
しかしながら、従来装置のように、衝突予測時間と対比される基準時間を一定時間に設定した場合、運転者がブレーキ操作を行っただけでは、前方障害物との衝突を回避できず、併せて操舵操作も必要となる場合が生じて、運転者はより高度な操作が求められる状況が発生しえる。つまり、自車両と前方障害物との相対速度が高くなるに従い、前方障害物との衝突を回避するために、より強い制動力を発生させる必要が生じる。しかし、衝突予測時間と一定の基準時間を対比した場合には、その基準時間以下の時間のみしかPBA制御による制動力を発生させることができない。このため、相対速度が高い場合には、十分な制動力を発生させることができず、ブレーキ操作のみで前方障害物との衝突を回避できないおそれが生じるのである。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、前方障害物との相対速度が高い場合であっても、運転者がブレーキ操作を行えば、その前方障害物との衝突を回避可能な車両用制動支援装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の車両用制動支援装置は、
自車両と前方障害物との距離を検出する距離検出手段と、
自車両と前方障害物との相対速度を検出する相対速度検出手段と、
それぞれ検出された距離及び相対速度に基づいて、自車両と前方障害物との衝突タイミングまでの衝突予測時間を算出する衝突予測時間算出手段と、
衝突予測時間が、所定のブレーキアシスト基準時間を下回ったときに、運転者のブレーキ操作による制動力を増大させるブレーキアシスト手段と、を備え、
相対速度が第1の所定値以上の範囲では、運転者の通常のブレーキ操作によって前方障害物との衝突を回避できるように、所定のブレーキアシスト基準時間が、相対速度が高くなるに従って大きくなるように設定され、
相対速度が第1の所定値未満の範囲では、相対速度がゼロから第2の所定値までの範囲において、ブレーキアシスト基準時間は、第1の所定値以上の範囲におけるブレーキアシスト基準時間の増加率よりも小さい増加率で増加するように設定され、第2の所定値から第1の所定値までの範囲において、運転者による操舵操作による前方障害物との衝突回避が可能な略一定の時間に設定されることを特徴とする。
上述したように、自車両と前方障害物との相対速度に応じて、その前方障害物との衝突を回避するために必要な制動力は大きく変化する。上述した構成では、相対速度に応じてブレーキアシスト基準時間を変化させているので、ブレーキアシストにより前方障害物との衝突を回避するために必要な制動力を発生できるように、ブレーキアシスト基準時間を設定できる。
具体的には、相対速度が高くなったときでも、運転者の通常のブレーキ操作によって前方障害物との衝突を回避できるように、相対速度が第1の所定値以上の範囲において、所定のブレーキアシスト基準時間が、相対速度が高くなるに従って大きくなるように設定される。これにより、相対速度が高くなるほど、より早いタイミングでブレーキアシストが開始されるので、運転者が、強く早いブレーキ操作ではなく、通常のブレーキ操作を行うことで、前方障害物との衝突を回避するのに必要な制動力を発生することができる。従って、運転者は、単に通常のブレーキ操作を行うのみで、前方障害物との衝突を回避することが可能になる。
逆に、相対速度が第1の所定値よりも小さい範囲では、そもそも自車両と前方障害物との速度差が相対的に小さいため、それほど早いタイミングでブレーキアシスト制御を開始する必要性は乏しい。従って、この場合には、ブレーキアシスト基準時間を、第1の所定値以上の範囲におけるブレーキアシスト基準時間の増加率よりも小さい増加率で増加させたり、相対速度の変化に対してブレーキアシスト基準時間を変化させずに略一定となるように設定する。
また、請求項2に記載するように、衝突予測時間が、相対速度が第1の所定値以上の範囲において略一定である警報基準時間を下回ったときに、前方障害物との衝突の可能性があることを警報する警報手段を備える場合、ブレーキアシスト基準時間は、警報基準時間を上回らないように、警報基準時間まで増加した時点から、相対速度がさらに高くなっても略一定となるように設定されることが好ましい。前方障害物との衝突の可能性が生じたときに警報を行う場合、その警報を行う前に、衝突回避のためのブレーキアシスト制御が開始されてしまうと、運転者に違和感を生じさせてしまうことがあるためである。
請求項3に記載したように、予測時間が、ブレーキアシスト基準時間よりも短く設定された自動ブレーキ基準時間を下回ったとき、自動的に制動力を発生させる自動ブレーキ手段を備える場合、衝突予測時間が、自動ブレーキ基準時間を下回ったとき、運転者のブレーキ操作に応じた要求減速度を算出するとともに、自動ブレーキ手段による制動時の目標減速度を求め、車両の減速度が、要求減速度と目標減速度との最大値に一致するように、車両に制動力を発生させても良い。
自車両と前方障害物との衝突を回避したり、衝突が避けられない場合に、その衝突による衝撃を極力緩和するために、ブレーキアシスト制御のみでなく、自動ブレーキ制御も実行することが好ましい。運転者がわき見運転をしていたり、居眠り運転をしている場合などは、前方障害物との衝突の危険が迫っているにもかかわらず、ブレーキ操作が行われない可能性もある。このため、ブレーキアシスト制御だけでは、衝突の回避や、その衝突による衝撃の緩和が達成できないことがあるためである。
ただし、ブレーキアシスト制御と自動ブレーキ制御とを実行可能に構成すると、それらの制御の調停を図る必要が生じる。この場合、運転者によるブレーキ操作に応じた要求減速度を算出するとともに、自動ブレーキ制御による制動時の目標減速度を求めることにより、両制御の内容を同一の基準で対比することができる。そして、車両の減速度が要求減速度と目標減速度の最大値に一致するように制動力を発生させるにより、衝突の危険が差し迫った状況において、車両により高い制動力を発生させることができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面に基づいて説明する。図1は、実施形態による車両用制動支援装置の全体構成を示すブロック図である。
図1において、車両用制動支援装置10は、自車両が先行車両などの前方障害物と衝突する可能性が生じたかを判定するのに必要な情報を得るために各種のセンサを備えている。具体的には、本車両用制動支援装置10は、レーダセンサ1、ヨーレートセンサ2、車速センサ3、及びブレーキセンサ4を備える。
レーダセンサ1としては、例えば、自車両の前方の所定角度範囲を走査するようにレーザビームを照射するとともに、その反射レーザビームを受光することによって、前方障害物までの距離や方位を検出するレーザレーダセンサを用いることができる。その他にも、レーダセンサ1として、ミリ波の送受信結果に基づいて、前方障害物までの距離、方位や、前方障害物との相対速度を検出可能なミリ波センサを用いたり、カメラ及び画像処理装置によって、カメラによって撮像した車両前方の画像から前方障害物との距離等を認識するようにしたものであっても良い。
ヨーレートセンサ2は、自車両が進行方向を変化したときに、自車両に発生するヨーレート(自車両の鉛直方向を軸とした角速度)を検出するものである。このヨーレートセンサ2によって検出されたヨーレートに基づいて、自車両の進行方向を推定することができる。その推定される進行方向において、最も近い距離に存在する前方障害物を対象として、衝突の可能性が生じたか否かが判定される。
車速センサ3は、自車両の走行速度を検出するものである。車速センサ3によって検出された走行速度は、本車両用制動支援装置10による制御の実行の要否を判断するために用いられたり、レーダセンサ1としてレーザレーダセンサを採用した場合に、自車両と前方障害物との速度差である相対速度を算出するために用いられたりする。なお、自車両の速度が十分に低下している場合には、前方障害物との衝突を回避すべく、運転者のブレーキ操作を支援することは不要である。このため、本車両用制動支援装置は、自車両の走行速度が所定速度(例えば10km/h)以上であるときのみ制御を実行するようになっている。
ブレーキセンサ4は、運転者によるブレーキペダルの操作量や操作速度など、運転者によるブレーキ操作の度合いを示す信号を出力するものである。このブレーキセンサ4の出力信号に基づいて、運転者がそのブレーキ操作によって達成しようとしている要求減速度が所定の演算式に従って算出される。なお、ブレーキセンサ4は、運転者によるブレーキ操作によって発生するブレーキフルード圧を検出するものであっても良い。
上述した各種のセンサ1〜4によって出力される検出信号は、衝突緩和コントローラ5に入力される。衝突緩和コントローラは、入力された検出信号に基づいて、前方障害物との衝突の可能性を判定し、衝突する可能性が生じたと判定した場合には、その衝突を回避したり、少なくともその衝撃を緩和すべく、ブレーキアクチュエータ6に制御信号を出力することにより、プリクラッシュブレーキアシスト制御やプリクラッシュ自動ブレーキ制御(以下、単にブレーキアシスト制御、自動ブレーキ制御という)を実行する。ブレーキアクチュエータ6は、衝突緩和コントローラからの制御信号に従って作動し、自車両の各車輪に制動力を発生させる。
衝突緩和コントローラ5が実行するブレーキアシスト制御においては、例えば運転者のブレーキ操作に対応する要求減速度に1より大きな所定数を乗じることによって、要求減速度を増幅し、その増幅された減速度を達成するための制動力を発生するように、ブレーキアクチュエータ6に制御信号を出力する。これにより、前方障害物との衝突の可能性が生じた場合には、運転者が行ったブレーキ操作に対応する制動力よりも大きな制動力を発生することができる。また、自動ブレーキ制御は、前方障害物との衝突回避が困難になった場合に実行されるもので、運転者によるブレーキ操作が行われていなくとも、自動的に制動力を発生させ、少なくとも衝突時の衝撃の緩和を図るものである。
次に、衝突緩和コントローラ5において実行される制御処理について、図2のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS100では、レーダセンサ1及びヨーレートセンサ2からの検出信号に基づいて、自車両が進行する方向において、自車両に対して最も近い位置に存在する前方障害物を選択する。次に、ステップS110では、ステップS100において選択された前方障害物を対象として、ブレーキアシスト制御及び/または自動ブレーキ制御を実行することが必要であるか否か、すなわち、本車両用制動支援装置10の作動が必要であるか、及び、必要である場合には、いずれの制御を行うべきかを決定する。このステップS110における作動判定処理に関して、後に詳細に説明する。
ステップS110において、車両用制動支援装置10の作動が必要であって、実行すべき制御が決定されると、その決定された制御を行うための制御処理が、ステップS120において実行される。具体的には、ステップS120では、ステップS110にて決定された制御により達成すべき減速度に、車両の減速度を一致させるように、ブレーキアクチュエータ6に制御信号を出力する。その他にも、ステップS110において警報などの処理が必要であると判定された場合には、その警報を実行するための制御信号を出力したりする。
次に、ステップS110における作動判定処理について詳しく説明する。まず、本車両用制動支援装置10において、前方障害物との衝突の危険が生じて、ブレーキアシスト制御や自動ブレーキ制御などの制御を実行する必要があるか否かは、従来技術と同様に、衝突予測時間(time to collision:TTC)に基づいて判定する。このため、レーダセンサ1によって検出された前方障害物までの距離を、その前方障害物と自車両との相対速度で除算することにより、衝突予測時間TTCを求める。
このようにして算出される衝突予測時間TTCに対して、ブレーキアシスト制御を実行するための基準時間や、自動ブレーキ制御を実行するための基準時間等が予め定められている。算出された衝突予測時間TTCは各々の基準時間と比較され、衝突予測時間TTCがそれらの基準時間を下回った場合に、ブレーキアシスト制御や自動ブレーキ制御が開始される。
ここで、本車両用制動支援装置10は、特に、衝突予測時間TTCと対比される基準時間の設定に特徴があるので、この点について、図3及び図4に示すグラフを参照して説明する。図3に示すように、本車両制動支援装置10においては、基準時間として、計7種類の基準時間が設定されている。なお、各基準時間は、自車両と前方障害物との相対速度に応じて変化する特性を有している。これら各基準時間の変化特性を示すため、図3では、各基準時間に関して、相対速度に応じて変化した基準時間を結んだラインとして示している。
まず、自動ブレーキ2基準時間ラインについて説明する。この自動ブレーキ2基準時間ラインは、運転者の制動及び操舵操作により衝突回避可能な物理的限界に基づいて定められている。
運転者が最も強くブレーキペダルを踏み込んで制動操作を行ったとしても、車両は最大でも0.8G〜1G程度の減速度でしか減速することができない。このように、車両の減速度には物理的な限界があるので、相対速度がゼロから大きくなるにつれて、その相対速度差を解消して、前方障害物との衝突を回避するために必要な時間は長くなる。このため、自動ブレーキ2基準時間ラインは、相対速度が0km/hから約35km/hまで、基準時間が徐々に長くなるように定められている。
ただし、基準時間が徐々に長くなると、いずれ、その基準時間において、運転者による操舵操作によって衝突回避が可能になる。この運転者の操舵操作による衝突回避は、相対速度の大きさに係らず、ほぼ一定時間で行い得る。従って、自動ブレーキ2基準時間ラインは、相対速度が約35km/h以上の範囲において一定の時間に定められている。
上述したように、自動ブレーキ2基準時間ラインは、運転者の制動及び操舵操作により衝突回避可能な物理的限界に基づいて定められる。従って、算出される衝突予測時間TTCが、この自動ブレーキ2基準時間ラインによって決定される基準時間よりも短くなった場合には、衝突回避、もしくは少なくとも衝突による衝撃を緩和するために、ほぼ最大減速度に近い減速度(例えば0.8G)を目標減速度として、自動ブレーキ制御が実行される。
次に、自動ブレーキ1基準時間ラインについて説明する。上述したように、衝突予測時間TTCが自動ブレーキ2基準時間ラインを下回ると、車両は最大減速度に近い減速度で減速されることになる。ただし、自動ブレーキ2基準時間ラインは、衝突回避可能な物理的な限界に基づいて定められているので、それよりも早いタイミングで、自動ブレーキを開始することにより、衝突を回避する可能性を高めることができる。また、車両が全くブレーキのかけられていない状況から、いきなり最大減速度に近い減速度で減速されることは、車両の減速度の変化も急激となりすぎる場合もある。
そのため、図3に示すように、特に、運転者の操舵操作によって衝突回避を行うべく自動ブレーキ2基準時間が一定時間に定められた相対速度が高い範囲(≧約35km/h)において、自動ブレーキ2基準時間ラインよりも基準時間が長い自動ブレーキ1基準時間ラインが定められている。
衝突余禄時間TTCが、この自動ブレーキ1基準時間ラインを下回った場合には、自動ブレーキ2基準時間ラインを下回った場合よりも小さい減速度(例えば、0.5G)で減速するように、自動ブレーキ制御が実行される。これにより、相対速度が高い場合には、まず自動ブレーキ1が実行され、その後、自動ブレーキ2が実行されることになる。このため、衝突回避の可能性を高めることができるとともに、車両に発生する減速度の変化を緩和することができる。
なお、衝突予測時間TTCが自動ブレーキライン1を下回った時点で、既に運転者がブレーキ操作を行っている場合には、自動ブレーキ制御を実行せずに待機する。自動ブレーキ1基準時間ラインは、上述した自動ブレーキ2基準時間ラインのように、衝突回避の物理的限界に基づいて定めされているわけではなく、既に運転者がブレーキ操作を実行していれば、敢えて自動ブレーキ制御を実行する必要はないためである。
ただし、衝突予測時間TTCが自動ブレーキ2基準時間ラインを下回った場合には、運転者のブレーキ操作の実行の有無に係らず、自動ブレーキ制御を実行することが好ましい。衝突予測時間TTCが自動ブレーキ2基準時間ラインを下回ったときには、前方障害物との衝突の危険性が非常に高まった状況であるので、極力、高い減速度で車両を減速させることが好ましいためである。
しかし、衝突予測時間TTCが自動ブレーキ2基準時間ラインを下回ったときには、無条件で自動ブレーキ制御を実行すると、運転者が非常に強いブレーキ操作を行っている場合には、却って車両の減速度を低下させてしまう可能性もある。そのため、衝突予測時間TTCが自動ブレーキ2基準時間ラインを下回ったときに、運転者がブレーキ操作を行っている場合には、ブレーキアシスト制御により増幅された要求減速度と、自動ブレーキ制御による目標減速度とを比較し、車両の減速度が要求減速度と目標減速度の最大値に一致するように制動力を発生させることが好ましい。これにより、衝突の危険が差し迫った状況において、車両により高い制動力を発生させることができる。
上述した自動ブレーキ1基準時間ライン及び自動ブレーキ2基準時間ラインに基づいて自動ブレーキ制御を実行することにより、運転者がブレーキ操作を行っていなくとも車両が制動される。このため、自動ブレーキ制御の開始に先立って、予め、車両の運転者に、自動ブレーキ制御を開始することを報知しておくことが好ましい。このため、図3に示すように、自動ブレーキ1基準時間ライン及び自動ブレーキ2基準時間ラインに、それぞれ所定のオフセット時間を加算することにより、自動ブレーキ1報知ライン及び自動ブレーキ2報知ラインが定められている。従って、衝突予測時間TTCが、これらの自動ブレーキ1報知ラインや自動ブレーキ2報知ラインを下回ると、車両の運転者に対して、まもなく自動ブレーキ1や自動ブレーキ2の制御が開始される旨の報知が警報音や音声によってなされる。
次に、ブレーキアシスト基準時間ラインについて説明する。上述した、自動ブレーキ2基準時間ラインは、運転者の制動及び操舵操作による物理的な衝突回避の限界に対応している。すなわち、この自動ブレーキ2基準時間ラインに相当する状況においては、運転者は、前方障害物との衝突を回避するために急ブレーキ操作や急ハンドル操作を行わなければならない。
これに対し、運転者が、通常のブレーキ操作や通常の操舵操作を行うことにより、前方障害物との衝突回避が可能なラインも、図3において、自動ブレーキ2基準ラインの上方に定めることができる。以下、図4に基づいて、運転者の通常のブレーキ操作や通常の操舵操作によって衝突が回避可能な下限に相当するライン(以下、衝突可能性判断ラインという)の設定方法の一例について説明する。
まず、図4に示すように、制動による衝突回避の物理的限界に相当するラインを、全体的に時間T(例えば1秒)だけ増加するようにオフセットすることにより、運転者が通常の制動操作を行っても、その制動操作によって衝突を回避可能な基準時間を示すラインとすることができる。また、運転者が通常の操舵操作によって衝突が回避できる時間は、自動ブレーキ2基準時間ラインの場合と同様に、自車両と前方障害物との相対速度に係らずほぼ一定時間となる。このため、「制動による衝突回避可能の物理的限界を時間Tだけオフセットしたライン」と「通常の操舵操作による衝突回避可能ライン」とにおいて、より短い基準時間を示すライン部分を結ぶことにより、通常のブレーキ操作又は通常の操舵操作により、前方障害物との衝突を回避できる下限に相当する衝突可能性判断ラインを定めることができる。
しかしながら、自車両と前方障害物との相対速度が比較的高い範囲では、衝突可能性判断ラインが、「通常の操舵操作による衝突回避可能ライン」によって定められている。このため、この衝突可能性判断ラインを基準としてブレーキアシスト制御を行っても、運転者がブレーキ操作のみしか行わない場合、前方障害物との衝突の回避が困難になる可能性が生じる。
そこで、本車両用制動支援装置10では、さらに、運転者が通常の制動操作を行い、ブレーキアシスト制御によって制動力が増幅された場合に、前方障害物との衝突を回避可能なライン(ブレーキアシストによる衝突回避可能ライン)をさらに考慮して、ブレーキアシスト制御の実行開始基準となるブレーキアシスト基準時間ラインを設定した。
具体的には、「ブレーキアシストによる衝突回避可能ライン」は、自車両と前方障害物との相対速度が約40km/hとなったときに、「通常の操舵操作による衝突回避可能ライン」を超える。そのため、その超える範囲では、「ブレーキアシストによる衝突回避可能ライン」に従って、ブレーキアシスト基準時間ラインを定めた。これにより、相対速度が高くなるほど、より早いタイミングでブレーキアシストが開始されるので、相対速度が高くなったときでも、運転者の通常のブレーキ操作によって前方障害物との衝突を回避できるようになる。この結果、運転者が、強く早いブレーキ操作ではなく、通常のブレーキ操作を行うのみで、ブレーキアシスト制御により前方障害物との衝突を回避するのに必要な制動力を発生することができる。
なお、図3及び図4に示す警報基準時間ラインは、自車両が前方障害物と衝突する危険が高まりつつあることを運転者に警報するためのものである。この警報基準時間ラインは、上述の衝突可能性判断ラインを、第1の所定時間分だけ上方にスライドさせることにより定められている。衝突予測時間TTCが、警報基準ラインを下回った場合には、前方障害物との衝突の危険が高まりつつあることが警報音や音声によって報知される。
ここで、このような警報基準時間ラインが定められている場合、ブレーキアシスト基準時間ラインが、この警報基準時間ラインを超えることは好ましくない。プリクラッシュブレーキアシスト制御では、通常のブレーキアシスト制御と異なり、運転者が通常のブレーキ操作を行っただけで、ブレーキアシスト制御によって増幅された制動力が発生する。従って、何らの報知もなく、ブレーキアシスト制御を開始すると、運転者に違和感を生じさせてしまうことがある。
そのため、図3及び図4に示すように、ブレーキアシスト基準時間ラインは、警報基準時間ラインを超えないように設定される、つまり、ブレーキアシストによる衝突回避可能ラインが警報基準時間ラインに交差するポイントを始点として、それよりも相対速度が大きい範囲では、ブレーキアシスト基準時間ラインが警報基準時間ラインに一致するように設定される。これにより、上述した不具合の発生を防止できる。
また、図3において、さらに、警報ブレーキ基準時間ラインが定められている。この警報ブレーキ基準時間ラインは、車両の運転者に、前方障害物との衝突の危険が迫っていることを確実に伝える意図で、警報ブレーキにより制動力を発生させて車両を減速させるものである。車両が減速することで、車両の運転者は加速度の変化を体感するので、万一、運転者がわき見運転などをしていた場合であっても、運転者に衝突の危険が迫っていることを気付かせることができる。なお、警報ブレーキ基準時間ラインは、警報基準時間ラインと同様に、衝突可能性判断ラインを、第2所定時間分だけ上方にスライドさせることにより定められたものであるが、その第2の所定時間は、第1の所定時間よりも短い。
衝突予測時間TTCが警報ブレーキ基準時間ラインを下回った場合には、運転者に警報を与える意味で、自動的に車両において警報ブレーキによる制動力が発生する。従って、警報ブレーキも自動ブレーキの一種であるといえる。但し、警報ブレーキは、衝突回避のための制動力を車両に与えることを目的とするものではない。従って、図5に示すように、警報ブレーキは予め定めた時間だけ作動すると、その後、作動を終了する。さらに、警報ブレーキによる目標減速度は、自動ブレーキ1及び自動ブレーキ2による目標減速度よりも小さく設定されている。
さらに、警報ブレーキは、車両の運転者に対して、衝突の危険が迫っていることを警報するためのものであるので、既に、運転者が前方障害物に気付いて、ブレーキ操作を行っている場合には、その作動が省略される。
このように、車両用制動支援装置10は、衝突予測時間TTCを各種の基準時間ラインと比較することにより、実行すべき制御を決定するのである。
実施形態による車両用制動支援装置の全体構成を示すブロック図である。 車両用制動支援装置において実行される制御処理を示すフローチャートである。 車両用制動支援装置による制御内容を決定するために、衝突予測時間と比較される各種の基準時間ラインを示すグラフである。 ブレーキアシスト基準時間ラインの設定方法の一例を説明するための説明図である。 警報ブレーキ、自動ブレーキ1、及び自動ブレーキ2を含む自動ブレーキ制御について説明する説明図である。
符号の説明
1 レーダセンサ
2 ヨーレートセンサ
3 車速センサ
4 ブレーキセンサ
5 衝突緩和コントローラ
6 ブレーキアクチュエータ

Claims (3)

  1. 自車両と前方障害物との距離を検出する距離検出手段と、
    前記自車両と前記前方障害物との相対速度を検出する相対速度検出手段と、
    前記距離及び相対速度に基づいて、前記自車両と前記前方障害物との衝突タイミングまでの衝突予測時間を算出する衝突予測時間算出手段と、
    前記衝突予測時間が、所定のブレーキアシスト基準時間を下回ったときに、運転者のブレーキ操作による制動力を増大させるブレーキアシスト手段と、を備え、
    前記相対速度が第1の所定値以上の範囲では、運転者の通常のブレーキ操作によって前記前方障害物との衝突を回避できるように、前記所定のブレーキアシスト基準時間が、前記相対速度が高くなるに従って大きくなるように設定され、
    前記相対速度が第1の所定値未満の範囲では、前記相対速度がゼロから第2の所定値までの範囲において、前記ブレーキアシスト基準時間は、前記第1の所定値以上の範囲におけるブレーキアシスト基準時間の増加率よりも小さい増加率で増加するように設定され、
    前記第2の所定値から前記第1の所定値までの範囲において、運転者による操舵操作による前記前方障害物との衝突回避が可能な略一定の時間に設定されることを特徴とする車両
    用制動支援装置。
  2. 前記衝突予測時間が、前記相対速度が第1の所定値以上の範囲において略一定である警報基準時間を下回ったときに、前記前方障害物との衝突の可能性があることを警報する警報手段を備え、
    前記ブレーキアシスト基準時間は、前記警報基準時間を上回らないように、警報基準時間まで増加した時点から、相対速度がさらに高くなっても略一定となるように設定されることを特徴とする請求項1に記載の車両用制動支援装置。
  3. 前記衝突予測時間が、前記ブレーキアシスト基準時間よりも短く設定された自動ブレーキ基準時間を下回ったとき、自動的に制動力を発生させる自動ブレーキ手段を備え、
    前記衝突予測時間が、前記自動ブレーキ基準時間を下回ったとき、前記運転者のブレーキ操作に応じた要求減速度を算出するとともに、前記自動ブレーキ手段による制動時の目標減速度を求め、車両の減速度が、前記要求減速度と目標減速度との最大値に一致するように、前記車両に制動力を発生させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車
    両用制動支援装置。
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