JP3970817B2 - 粗カーボンナノチューブの精製方法 - Google Patents

粗カーボンナノチューブの精製方法 Download PDF

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本発明は、粗カーボンナノチューブの精製方法に関する。
近年、カーボンナノチューブは、電子材料、触媒担体、吸着材料など、様々な分野への応用が期待されている材料である。このカーボンナノチューブには、単層カーボンナノチューブ(SWCNT、シングルウォールカーボンナノチューブの略)や多層カーボンナノチューブ(MWCNT、マルチウォールカーボンナノチューブの略)等が挙げられる。単層カーボンナノチューブは、通常、1枚のグラフェンシートが円筒状に巻かれた構造であり、その直径は、0.4〜2nmである。一方、多層カーボンナノチューブは、通常、複数枚のグラフェンシートが同心円筒状に巻かれた構造を有し、その直径は、数〜数十nmである。
このカーボンナノチューブの製造方法としては、アーク放電法、レーザー蒸発法、化学蒸着法(CVD、Chemical Vapor Depositionの略)、流動気相法等が挙げられる。これら前述したカーボンナノチューブの製造方法は、様々な改良、研究が進められ、カーボンナノチューブを大量に製造する方法として、よく知られるようになってきている。
しかしながら、前述したアーク放電法やレーザー蒸発法で、カーボンナノチューブを製造すると、生成物中に、すす等の不純物が混在するという問題がある(1)。
また、化学蒸着法においても、最適な条件で製造するとしても、若干のカーボンナノチューブ以外の炭素質物質が生成してしまい、その結果として生成物におけるカーボンナノチューブの純度が低下するという問題がある(2)。
前述(1)、(2)の問題を解決するために、前記製造方法により生成されたカーボンナノチューブを含有する生成物を精製する精製方法が検討されている。代表的な精製方法としては、液体中での沈降速度を利用した遠心分離法(特許文献1)、カーボンナノチューブと不純物との酸に対する溶解度の差を利用した酸処理法(特許文献2)、カーボンナノチューブと不純物との酸化速度の差を利用した酸化処理法(特許文献3)等が挙げられる。
特開平08−231210号公報(請求項1) 特開平08−198611号公報(請求項1) 特開平08−91815号公報(請求項1)
前述の特許文献1記載の遠心分離法においては、カーボンナノチューブを液体中で処理するので、使用した液体をカーボンナノチューブより除去するために、カーボンナノチューブを洗浄および乾燥する工程が必要となり、作業の手間やコストが増大するという問題が生じる。また、遠心分離の処理後に、カーボンナノチューブが塊状になり、その後の結晶性を高める黒鉛化処理において、カーボンナノチューブの繊維同士が結合してしまい、この結合した繊維同士を分散させることが困難であるという問題もある。
また、前述の特許文献3の酸化処理法においては、気相中または液中で還元処理を行ったのち、酸化処理を行う方法であるため、工程数が増加し、作業の手間がかかるという問題がある。
一方、前述した化学蒸着法により生成したカーボンナノチューブには、生成反応時の未分解の触媒源や、原料となる炭素源の分解および重合により生じるタールが付着している場合がある。
前述の未分解の触媒源は、生成後に行われるカーボンナノチューブの結晶性を高める黒鉛化処理時に、カーボンナノチューブと反応して、炭化物を形成する。この炭化物の形成の際には、触媒源が、カーボンナノチューブ自体にダメージを与えることとなる。
また、前述のタールは、黒鉛化処理時に、いわゆるバインダーの作用をして、数本から数十本単位でカーボンナノチューブ同士を接着させるため、カーボンナノチューブを分散しにくくするという問題があった。このカーボンナノチューブを分散できなくする問題を解決するために、不活性ガス気流中でカーボンナノチューブを、100〜1000℃の範囲で加熱する必要が生じ、更なる工程の増加のため、作業の手間やコストが増大するという問題が生じる。この触媒源(有機遷移金属化合物)やタールを除去するために、不活性ガス雰囲気中、または塩素ガス雰囲気中で蒸発除去させる方法も、開発されている(特願2002−173307号公報、特願2001−393476号公報等参照)。しかしながら、このタールを除去する方法では、炭素成分の不純物を除去することはできない。
本発明は、このような従来の問題点を解消し、水洗や乾燥などの後処理を必要とせず、高い電導性を有するカーボンナノチューブを得ることのできる粗カーボンナノチューブの精製方法を提供することをその課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の粗カーボンナノチューブの精製方法は、流動気相成長法により製造された未精製の粗カーボンナノチューブを、不活性ガスを含有する酸化ガスで、300〜800℃の温度範囲内で、酸化反応することにより、ラマン分光法で測定した、ラマンシフト1580cm -1 における散乱光強度I 1580 に対するラマンシフト1360cm -1 における散乱光強度I 1360 の比である1360/I1580が0.81を越えず、かつ導電性が4.4kΩを越えない精製カーボンナノチューブを製造することを特徴とする。
本発明の粗カーボンナノチューブの精製方法では、前記酸化ガスは、空気、酸素、二酸化炭素、およびこれらの混合ガスからなる群より選択される少なくとも1種を含有してなることが好ましい。
本発明の粗カーボンナノチューブの精製方法では、前記不活性ガスは、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、およびキセノンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明によれば、水洗や乾燥などの後処理を必要とせず、高い電導性を有するカーボンナノチューブを得ることのできる粗カーボンナノチューブの精製方法を提供することができる。
本発明のカーボンナノチューブの精製方法は、未精製の粗カーボンナノチューブを酸化ガスで、300〜800℃の温度範囲内で、酸化反応する粗カーボンナノチューブの精製方法である。
[粗カーボンナノチューブの生成]
ここで、粗カーボンナノチューブを生成する方法としては、例えば、アーク放電法、レーザー蒸発法、化学蒸着法(CVD、Chemical Vapor Depositionの略)、流動気相法等が挙げられ、他の公知のカーボンナノチューブを生成する方法を採用することもできる。
アーク放電法は、通常、以下のような方法である。まず、アルゴンガス雰囲気中で、炭素棒電極を用いて、直接、アーク放電を行い、カーボンナノチューブを生成する。カーボンナノチューブは、負電極の表面の一部分に炭素微粒子とともに成長する。このアーク放電法については、Nature(Vol.354,1991,p.56〜58)等に開示されている。アーク放電法は、このNature(Vol.354,1991,p.56〜58)に開示された方法に限定するものではなく、他の公知のアーク放電法を採用することもできる。
また、レーザー蒸発法は、以下のような方法である。まず、石英管中にCoやNiを分散させたカーボンロッドを設置し、石英管中にアルゴンガス気流中で、石英管全体を1200℃程度に加熱する。そして、石英管の上流側の端からNdYAGレーザーを集光して、カーボンロッドを加熱蒸発させると、石英管の下流側にカーボンナノチューブが堆積する。このレーザー蒸発法については、”Chemical Physics Letters"(243,1995,p.49〜54)等に開示されている。レーザー蒸発法は、この”Chemical Physics Letters"(243,1995,p.49〜54)に開示された方法に限定するものではなく、他の公知のレーザー蒸発法を採用することもできる。
さらに、化学蒸着法は、通常、以下のような方法である。まず、触媒となる金属粒子を乗せた基板を反応炉に入れ、約600℃に加熱しながら、メタン等からなる炭素源を流す。次に、炭素源が分解して、炭素原子が放たれ、カーボンナノチューブが生成する。この化学蒸着法については、特開2002−180252号公報等に開示されている。化学蒸着法は、この特開2002−180252号公報に開示された方法に限定するものではなく、他の公知の化学蒸着法を採用することもできる。
流動気相法は、通常、以下のような方法である。まず、加熱された炉芯管の一端より、炭素源ガスと触媒金属源ガスとを供給し、この炉心管内で、炭素源ガスと触媒金属源ガスを加熱する。次に、前記加熱により生成された粗カーボンナノチューブを炉心管の他端より捕集して、カーボンナノチューブを得る。この流動気相法については、特開2002−069755号公報、特開2001−115348号公報、特開2001−115342号公報等に開示されている。流動気相法は、これら特開2002−069755号公報等に開示された方法に限定するものではなく、他の公知の流動気相法を採用することもできる。
いずれの製造方法によるにしても製造直後の粗カーボンナノチューブは、不純物がカーボンナノチューブに存在すると共に製造されたカーボンナノチューブ自体の黒鉛化度、結晶化度及び導電性が未だ実用的なものと評価されるほどにはなっていない。ここで、粗カーボンナノチューブに含まれる不純物としては、その製造方法により異なるので一概に規定することができないが、例えば触媒源に含まれる金属、未分解の触媒源、未分解の炭素源、タール、炭素源が分解することにより生成した炭素質物質等を挙げることができる。
本発明に係る精製方法の対象となる粗カーボンナノチューブとしては、前記各種の不純物を含有する粗カーボンナノチューブを挙げることができ、また、カーボンナノチューブを製造した直後の製造物である粗カーボンナノチューブを、不活性ガス又は塩素ガス等で処理することにより得られるところの、タール、未分解の触媒源、触媒金属を除去されてなる一部精製カーボンナノチューブもこの発明における粗カーボンナノチューブとすることができる。
これら各種の粗カーボンナノチューブの中でもこの発明の方法を適用してもっともその効果を発揮することのできる粗カーボンナノチューブとして、流動気相法により製造された所謂流動法気相成長炭素繊維を挙げることができる。さらに詳しくは、流動気相成長法により製造され、かつ製造後において特段の精製処理がなされていない粗カーボンナノチューブが、この発明の精製方法の対象物として好ましい。この流動法気相成長炭素繊維は、炭素六角網面が2層以上の多層になっており、製造直後の流動法気相成長炭素繊維はタールや炭素質物質などの不純物が多く含まれているので、全体として黒鉛化度、結晶化度及び導電性等が実用レベルに達していない。したがって、この発明の精製方法を適用するに当たりその適用対象である粗カーボンナノチューブとして前記流動法気相成長炭素繊維を選択すると、タール分や炭素質物質の不純物が効率良く除去されるので、全体として黒鉛化度、結晶化度及び導電性等をさらに向上させることができる。
また、この発明の精製方法の対象と成る粗カーボンナノチューブは、その集合体が硬く凝集していると、集合体内部での酸化反応が円滑に進行しないことが予想されるので、この発明の精製方法を円滑に進行させるためには、好適な粗カーボンナノチューブは、通常、その集合体の密度が0.001〜0.1g/cm、特に0.005〜0.05g/cmである。
一方、酸化ガスとしては、前記粗カーボンナノチューブを酸化するガスを含有していればよい。特に、前記酸化ガスは、空気、酸素、二酸化炭素、およびこれらの混合ガスからなる群より選択される少なくとも1種を含有してなることが好ましい。
また、前記酸化ガスには、不活性ガスが含まれることが好ましい。前記不活性ガスは、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、およびキセノンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
ここで、酸化ガスが、不活性ガスと、不活性ガス以外の粗カーボンナノチューブを酸化するガスとの混合ガスである場合には、不活性ガスと、不活性ガス以外のカーボンナノチューブを酸化するガスとの体積比は、90:10〜10:90であり、80:20〜30:70が好ましく、70:30〜50:50がより好ましい。
不活性ガスと、不活性ガス以外の粗カーボンナノチューブを酸化するガスとの体積比が、90:10未満であると、酸化処理の効果が十分に得られない場合がある。不活性ガスと、不活性ガス以外の粗カーボンナノチューブを酸化するガスとの体積比が、10:90を超えると、粗カーボンナノチューブが燃えてしまう場合がある。
酸化反応を行う際の温度範囲は、300〜800℃である。ここで、酸化ガスが空気である場合には、350〜600℃が好ましく、400〜500℃がより好ましい。また、酸化ガスが二酸化炭素である場合には、500〜800℃が好ましく、550〜750℃がより好ましく、600〜700℃がより一層好ましい。
ここで、温度範囲が、300℃未満であると、カーボンナノチューブ以外の不純物を除去するのに、時間がかかり、製造効率が悪くなる場合がある。温度範囲が、800℃を超えると、精製の対象となるカーボンナノチューブにダメージを与える場合がある。
酸化反応を行う際の反応時間は、0.5〜30時間であり、好ましくは、1〜10時間であり、より好ましくは、2〜6時間である。ここで、酸化反応を行う際の反応時間は、カーボンナノチューブをゆっくりと酸化することが、精製する観点より好ましく、反応時間が、0.5時間未満であると、カーボンナノチューブにダメージを与える場合がある。一方、反応時間が、30時間を越えると、製造コストが割高となる場合がある。
酸化反応を行うための装置としては、酸化ガスの雰囲気下とすることができ、温度を300〜800℃に設定可能であればよく、流動床、ロータリーキルン等が挙げられる。本実施形態においては、図1に示すような、カーボンナノチューブの精製装置1を使用する。
精製装置1は、粗カーボンナノチューブを収納するセラミック管11と、セラミック管11の側面中央部の外周を囲む電気炉12と、セラミック管11内に、酸化ガスを供給する酸化ガス供給装置13とを備えて成る。
セラミック管11は、円筒形状であり、その一端が、酸化ガスが供給される供給口111とされ、その他端が、供給された酸化ガスがセラミック管11外へ排出される排出口112とされている。このセラミック管11の内径は、例えば、26mmであり、外径が31mmであり、長さは、1000mmである。
なお、セラミック管11の形状、寸法等は、上記したものに限られるものではなく、精製するカーボンナノチューブの量に応じて、適宜選択される。また、図示は略すが、セラミック管11内には、カーボンナノチューブをセットするためのセラミックボートが設けられている。
電気炉12は、セラミック管11内を設定温度に調節可能なものであればよい。
酸化ガス供給装置13は、セラミック管11の供給口111と接続され、酸化ガスを供給可能、流量調節可能であればよく、例えば、ポンプや流量計等からなるものが挙げられる。本実施形態においては、酸化ガス供給装置13は、酸化ガスとしての空気を供給する第1供給装置131と、不活性ガスとしての窒素ガスを供給する第2供給装置132とを備えて成る。
[粗カーボンナノチューブの精製手順]
粗カーボンナノチューブの精製手順の一例を以下に示す。
この精製装置1を使用して、以下のような手順で、粗カーボンナノチューブを精製する。まず、図1に示されるような精製装置1におけるセラミック管11内の中央部分に設けられたセラミックボート(図示略)に、粗カーボンナノチューブをセットする。次に、第2供給装置132を作動させ、不活性ガスとしての窒素ガスを、供給する。
この窒素ガスの供給をしつつ、電気炉12を作動させ、セラミック管11内が300〜800℃となるように、セラミック管11を加熱する。
次に、第1供給装置131および第2供給装置132を作動させ、酸化ガスとしての空気および不活性ガスとしての窒素ガスをあわせて、1L/minの範囲内となるように、セラミック管11内に供給する。
セラミック管11への空気および窒素ガスの供給を1〜30時間続けた後、空気の供給を止め、窒素のみ供給しながら電気炉12を止めて冷却した後、セラミックボートより精製されたカーボンナノチューブを収集する。なお、本発明の粗カーボンナノチューブの精製方法は、単層カーボンナノチューブや多層カーボンナノチューブ等に適用することができるが、前述したように、特に、直径の大きいカーボンナノチューブや、多層カーボンナノチューブ等に好適である。
上述のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)未精製の粗カーボンナノチューブを酸化ガスで、300〜800℃の温度範囲内で、酸化反応させるので、液体等を用いて酸化反応させる必要がなくなり、水洗や乾燥などの後処理を必要とすることがなく、しかも黒鉛化度、結晶化度及び導電性等が向上して不純物のほとんどない精製カーボンナノチューブを製造することができる。
(2)前記酸化ガスは、空気、酸素、二酸化炭素、およびこれらの混合ガスからなる群より選択される少なくとも1種を含有してなることにより、いずれも安価であるので、精製する際のコストを低減できる。
(3)酸化ガスには、不活性ガスが含まれることにより、不活性ガスが、対象となるカーボンナノチューブ酸化を緩やかに行うことすなわち、酸化速度のコントロールをすることができるので、酸化反応をより効率的に進めることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は、本発明に含まれるものである。本発明を実施する際の具体的な構造および形状等は、本発明の目的を達成できる範囲内で他の構造等としてもよい。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は実施例の内容に限定されるものではない。
[実施例1]
[粗カーボンナノチューブの生成]
例えば、特開2001−115342公報記載の実施例1の方法、あるいは特開2001−80913号公報記載の実施例1、2の方法などの流動気相法により、カーボンナノチューブを生成した。
[粗カーボンナノチューブの精製]
前記実施形態において、具体的条件を以下のようにして、粗カーボンナノチューブの精製を行った。
セラミック管11の内径 ;26mm
セラミック管11の外径 ;31mm
セラミック管11の長さ ;1000mm
電気炉12の加熱長さ ;300mm
窒素ガスのみの供給流量 ;1L/min
電気炉12の作動後の加熱温度 ;400℃
セラミック管11への空気および窒素ガスの供給時間;6時間
空気および窒素ガスの体積比; 空気50体積%、窒素ガス50体積%
上記ガスの供給流量 ;1L/min
[実施例2]
以下の事項を以下の値に代えた外は、前記実施例1と同様に実施した。
電気炉12の作動後の加熱温度 ;550℃
セラミック管11への空気および窒素ガスの供給時間;1時間
空気および窒素ガスの体積比; 空気30体積%、窒素ガス70体積%
[実施例3]
以下の事項を以下の値に代えた外は、前記実施例1と同様に実施した。
電気炉12の作動後の加熱温度 ;300℃
セラミック管11への空気および窒素ガスの供給時間;8時間
空気および窒素ガスの体積比; 空気70体積%、窒素ガス30体積%
[実施例4]
以下の事項を以下の値に代えた外は、前記実施例1と同様に実施した。
電気炉12の作動後の加熱温度 ;700℃
セラミック管11への空気および窒素ガスの供給時間;1時間
空気および窒素ガスの体積比; 空気10体積%、窒素ガス90体積%
[実施例5]
以下の事項を以下の値に代えた外は、前記実施例1と同様に実施した。
電気炉12の作動後の加熱温度 ;500℃
セラミック管11への空気および窒素ガスの供給時間;8時間
二酸化炭素および窒素ガスの体積比;二酸化炭素70体積%、窒素ガス30体積%
[実施例6]
以下の事項を以下の値に代えた外は、前記実施例1と同様に実施した。
電気炉12の作動後の加熱温度 ;650℃
セラミック管11への空気および窒素ガスの供給時間;5時間
二酸化炭素および窒素ガスの体積比;二酸化炭素50体積%、窒素ガス50体積%
[実施例7]
以下の事項を以下の値に代えた外は、前記実施例1と同様に実施した。
電気炉12の作動後の加熱温度 ;800℃
セラミック管11への空気および窒素ガスの供給時間;1時間
二酸化炭素および窒素ガスの体積比;二酸化炭素30体積%、窒素ガス70体積%
[比較例1]
以下の事項を以下の値に代えた外は、前記実施例1と同様に実施した。
電気炉12の作動後の加熱温度 ;200℃
セラミック管11への空気および窒素ガスの供給時間;8時間
空気および窒素ガスの体積比; 空気100体積%、窒素ガスなし
[比較例2]
以下の事項を以下の値に代えた外は、前記実施例1と同様に実施した。
電気炉12の作動後の加熱温度 ;900℃
セラミック管11への空気および窒素ガスの供給時間;1時間
ニ酸化炭素および窒素ガスの体積比;二酸化炭素30体積%、窒素ガス70体積%
[評価方法および評価結果]
前述した実施例1〜7および比較例1、2で得られた、精製後のカーボンナノチューブを繊維径、ラマン分光法で測定したときの、I1360/I1580(I1360は、ラマンシフト1360cm−1における散乱光強度、I1580は、ラマンシフト1580cm−1における散乱光強度をいう。)、ラマン分光法で測定したときの、ラマンシフト1580cm−1におけるピークの半値幅、体積固有抵抗を以下の方法により評価し、その評価結果を各条件とともに、表1に示す。なお、粗カーボンナノチューブに対して、精製の酸化反応をしない状態を初期状態とし、その繊維径、I1360/I1580、ラマンシフト1580cm−1におけるピークの半値幅、体積固有抵抗も測定した。
[繊維径の測定]
繊維径は、電子顕微鏡(S−4300、日立製作所(株)製)で観察し、測定した。この繊維径は、サンプル数n=50で、無作為に測定したそれぞれの繊維径の平均値である。なお、電子顕微鏡による観察の結果、生成されたカーボンナノチューブは、多層カーボンナノチューブ(MWCNT、マルチウォールカーボンナノチューブの略)であることが確認できた。
[I1360/I1580の測定]
I1360/I1580は、ラマン分光光度計(LabRam、堀場ジョバンイボンヌ(株)製、焦点距離30cm)で散乱光強度をそれぞれ測定し、計算して得た。
[ラマンシフト1580cm−1におけるピークの半値幅の測定]
ラマンシフト1580cm−1におけるピークの半値幅は、ラマン分光光度計(LabRam、堀場ジョバンイボンヌ(株)製、焦点距離30cm)で測定した、散乱光強度のピークを半値幅中点法により、その半値幅を求めた。
[体積固有抵抗の測定]
体積固有抵抗は、分散液中に精製前や、精製後のカーボンナノチューブを0.1質量%となるように、添加、分散させ、分散後の液体の体積固有抵抗を測定した。測定に使用した装置は、デジタルマルチメータ(YOKOGAWA製 7552)であり、4端子法により行った。
Figure 0003970817
初期状態と実施例1の評価結果を比較して、繊維径、I1360/I1580、半値幅、体積固有抵抗が全て、実施例1の方が小さくなっている。まず、繊維径が小さくなったことにより、実用的なカーボンナノチューブに精製されたことがわかった。
また、I1360/I1580が小さくなったことにより、黒鉛化度が評価でき、黒鉛化度が高いことがわかった。さらに、半値幅が小さくなったことにより、カーボンナノチューブの結晶性が高くなっていることがわかった。そして、体積固有抵抗が小さくなったことにより、精製を行うと、高い電導性が得られることがわかった。
まず、実施例1〜7と、比較例1とを比較すると、実施例1〜7は、繊維径、I1360/I1580、半値幅、体積固有抵抗が全て、比較例1よりも小さくなっている。このことから、実施例1〜7に係る方法は、実用的なカーボンナノチューブに精製され、黒鉛化度が高くなり、カーボンナノチューブの結晶性が高くなり、そして高い電導性が得られることがわかった。さらに、実施例1〜7と、比較例2とを比較すると、比較例2は、測定不能なほど燃えてしまい、精製方法としては、不適当であることがわかった。
図1は、本発明に係る粗カーボンナノチューブの精製方法を行う際に使用する精製装置の概略図を示す。
符号の説明
1 精製装置
11 セラミック管
12 電気炉
13 酸化ガス供給装置
111 供給口
112 排出口
131 第1供給装置
132 第2供給装置

Claims (3)

  1. 流動気相成長法により製造された未精製の粗カーボンナノチューブを、不活性ガスを含有する酸化ガスで、300〜800℃の温度範囲内で、酸化反応することにより、ラマン分光法で測定した、ラマンシフト1580cm -1 における散乱光強度I 1580 に対するラマンシフト1360cm -1 における散乱光強度I 1360 の比である1360/I1580が0.81を越えず、かつ導電性が4.4kΩを越えない精製カーボンナノチューブを製造することを特徴とする粗カーボンナノチューブの精製方法。
  2. 前記酸化ガスは、空気、酸素、二酸化炭素、およびこれらの混合ガスからなる群より選択される少なくとも1種を含有してなることを特徴とする前記請求項1記載の粗カーボンナノチューブの精製方法。
  3. 前記不活性ガスは、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、およびキセノンからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記請求項1または前記請求項2に記載の粗カーボンナノチューブの精製方法。
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