JP4642658B2 - 直径のそろった単層カーボンナノチューブの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フラーレンを昇華させて単層カーボンナノチューブ(以下SWNTという)を製造する方法に関し、特に用いるフラーレンによってSWNTの直径を制御するSWNTの製造方法に関する。
カーボンナノチューブ(以下CNTという)はグラフェンシートが筒状になっている、断面の直径が100nm以下の炭素クラスターである。特にグラフェンシートが一層の単層カーボンナノチューブは電気的あるいは化学的特性が特異であることからナノ構造材料として有用であることが数々報告されている。特に、SWNTはそのカイラリティー(Chirality)によって半導体から金属の間の様々な性質を示すことが理論計算より判明しているので、製造時にカイラリティーの制御をするか、分離精製工程でカイラリティーを制御できれば、産業上の有用性が非常に高いことが期待される。
これらの試みは、学術上数々報告されているが、産業上実施可能な例は報告されていない。一方、SWNTはグラフェンシートを筒状にした構造を持つため、SWNTの直径を厳密に制御できれば、カイラリティーを直接制御するのでなくてもカイラリティーの制御をすることに近いことになる。一方、SWNTの直径の範囲を狭めることにより、実質的にとりうるカイラリティーの幅が狭まる。
SWNTの製造方法としては、アーク放電法、レーザーアブレーション法、高周波プラズマ法、化学熱分解法(化学気相蒸着(CVD)法、触媒化学蒸着(CCVD)法)が知られているが、SWNTの直径制御については触媒や炉の温度を変える、不活性ガスの種類や圧力を変えるなど製造条件を調整することによって直径分布を制御することや、SWNT混合物を熱処理することによって特定の直径付近のSWNTだけを取り出そうとする学術的試みがあるものの、確実な分離にはいたっていない。
特開2000−203819では、直線状の単層または多層カーボンナノチューブの混合物を、−C≡C−または−C=C−を含んだ炭素材料プラズマ中で反応させることによって製造する方法を開示している。この方法はCNTの長さを制御できると記載されている。
特開2001−058805は、同種又は異種のフラーレン分子の混合体と遷移金属元素またはその合金を混合して、不活性ガス雰囲気下の減圧状態で、500℃以上でCNTを生成させる方法で簡易に、高収率で製造することを主題としている。
特開2001−089117は、レーザーアブレーション法でCNTを製造する際、レーザー照射ターゲットにフラーレン等の炭素の五員環結合を含ませ、さらにターゲットに触媒を混合することによって低い温度でSWNT生成させるというものでSWNTの径の制御については記載がない。
特開2002−029717は、フラーレンあるいはCNTの少なくとも1つと非晶質炭素と混合して、加熱処理して非晶質炭素をフラーレンまたはCNTに変える炭素材料の製造方法を開示している。ある長さのCNTが得られるとの記載はあるが径については記載がない。
また、ZhangとIijimaは、C60粉末に5at%のNiとCoを混ぜたものをレーザーオーブン法のレーザー照射ターゲットとして用いて、グラファイトを用いた場合には電気炉(オーブン)の温度を850℃程度にしないとSWNTが生成できないのに対して、電気炉温度400℃でも微量かつアモルファスまみれであるが、生成できることを示した(Y.Zhang,S.Iijima:Appl.Phys.Lett.75(1999),3087)。この場合には、レーザー照射によって折角のフラーレン構造は破壊されていると考えられ、SWNTの合成に役立っているのはレーザーで完全にバラバラとなっていない破片であると考えられている。レーザー蒸発をさせてしまえば、およそどんな炭素材料であってもSWNTの原料となると考えられ、結果として、フラーレンからのSWNTの合成方法とは言い難い。ちなみに、オーブン温度を400℃としているのは、フラーレンが昇華してしまうのを防ぐためである。SWNTの量が少なすぎてラマンスペクトルから直径がどの程度になっているのかの判断は難しいが、おおよそグラファイト材料を用いた場合と変わらないと考えられている。
また、Champbellらは、CCVD法でのナノチューブ生成を試みているが、生成できたのは多層のナノチューブであった(L.P.Biro,R.Ehlich,R.Tellgmann,A.Gromov,N.Krawez,M.Tschaplyguine,M.M.Pohl,E.Zsoldos,Z.Vertesy,Z.E.Horvath and E.E.B.Chambell:Chem.Phys.Lett.306(1999),155、O.A.Nerushev,R.E.Morjan,D.I.Ostrovskii,M.Sveningsson,M.Jonsson,F.Rohmund and E.E.B.Champbell:Physica B 323(2002),51、O.A.Nerushev,S.Dittmar,R.E.Morjan,F.Rohmund and E.E.B.Campbell:J.Appl.Phys.93(2003),4185)。
フラーレンと触媒金属の多層薄膜を用いたナノチューブ合成も試みられ、多層のナノチューブともいえる構造が作られている(E.Czerwosz,P.Dluzewski,G.Dmowska,R.Nowakowski,E.Starnawska and H.Wronka:Appl.Surf.Sci.141(1999),350、E.Czerwosz,P.Dluzewski:Diamond Related Mater.9(2000),901)。その後、C60とNiの多層膜を用いた場合にSWNTの単結晶ができるとの衝撃的な論文がIBMのGimzewskiらのグループによってScienceに発表された(R.R.Schlittler,J.W.Seo,J.K.Gimzewski,C.Durkan,M.S.M.Saifullah and M.E.Welland:Science 292(2001),1136)。ただし、その後に、この論文の証拠となったTEM像が、モリブデンの酸化物の像であることが明らかとなり(M.F.Chisholm,Y.Wang,A.R.Lupini,G.Eres,A.A.Puretzky,B.Brinson,A.V.Melechko,D.B.Geohegan,H.Cui,M.P.Johnson,S.J.Pennycook,D.H.Lowndes,S.Arepalli,C.Kittrell,S.Sivaram,M.Kim,G.Lavin,J.Kono,R.Hauge and R.E.Smalley:Science 300(2003),1236b)、IBMのグループでもこれを認める発表を行っている(M.E.Welland,C.Durkan,M.S.M.Saifullah,J.W.Seo,R.R.Schlittler and J.K.Gimzewski:Science 300(2003),1236c)。
フラーレンが、SWNTの内部に並んだピーポッド(Peapod)を高温で熱処理することでDWNTになることが知られており(B.W.Smith,M.Monthioux and D.E.Luzzi:Chem.Phys.Lett.315(1999),31)、この場合も内部のフラーレンがSWNTに変形したと考えられる。中にできるナノチューブがSWNTであったとしても、それを取り出すのは困難であることと、最大でも元々あったSWNTと同じだけしか生成できないことからフラーレンからのSWNTの生成技術とはなり得ない。
本発明は、CCVD法により直径の制御されたSWNTを製造することを目的とする。
本発明は、CCVD法によってSWNTを製造する方法において、フラーレン類を原料に、これを昇華させ、加熱した触媒に接触させてSWNTを合成するもので、使用するフラーレンによって生成するSWNTの直径を制御するSWNTの製造方法である。
上述した通り、従来のフラーレン原料を用いた公知技術におけるカーボンナノチューブの生成においては、多層カーボンナノチューブをフラーレンから生成するために、フラーレン気体の分圧の制御が不可欠であると考え、本発明の想到に至った。
まず、0.5Torr以下の真空にした反応装置の中で、1種類または1種類以上のフラーレンC2n(nはn≧18なる整数、例としてC60、C70、C76、C82など)あるいは化学修飾フラーレンを、そのフラーレンの昇華温度以上で昇華させる。
フラーレンの蒸気圧については、パンカジャバリ(Pankajavalli)、Thermochimica Acta,316(1998),101−108の表3に従来の実験データがまとめられて報告されており、表1に示す。
これを参照して、従来の実験の平均を用いると、例えば,フラーレンC60の蒸気圧は、以下の式で計算できる。
p(Torr)=7.5×10×10−9500/T(K)
Figure 0004642658
一例として、フラーレンC60の蒸気圧を上記の式で計算した結果を表2に示す。
Figure 0004642658
この昇華したフラーレン気体を、その蒸気圧を駆動力として反応装置下流に送り、気化温度以上に加熱された多孔質物質または無機物の酸化物の薄膜上に担持させた遷移金属触媒に接触させる。触媒と接触することによってフラーレンからSWNTが生成する。反応開始から所定の時間後、反応装置を冷却しSWNTを取り出す。
フラーレン気体の分圧(すなわちフラーレンの供給速度)が適当であれば、触媒粒子表面でフラーレンが分解して遷移状態のカーボン原子または分子として表面に析出した後、規則性を持った構造が形成され、単層カーボンナノチューブとして析出することができる。これは、フラーレン分子の5員環の向きと位置によって析出するカーボンナノチューブのカイラリティが決まると考えられるためである。従って、フラーレン分子の一部をそのままの形態で触媒粒子表面に残すことができる本方法では、カイラリティが揃った単層カーボンナノチューブを生成することができる。また、本発明の方法で生成されるカーボンナノチューブは、フラーレンの分子構造の規則性を引き継いでいるため、その直径分布を狭くすることができる。
ただし、フラーレン気体の分圧を高く(供給速度が速く)する生成条件は、単層カーボンナノチューブの生成には適切な条件とはなりえない。これは、触媒粒子表面に遷移状態のカーボンの量が多くなり、規則性を持ったシートが複数枚重なった多層カーボンナノチューブのような構造が形成されるためである。さらに、カーボン原子の配列が規則性を有する前に固体として析出するため、非晶質カーボンが析出するためである。
なお、本発明の方法では、粒子径の揃った触媒粒子を有する基板上に単層カーボンナノチューブの生成を行うようにしている。触媒粒子の大きさは、そこから析出する単層カーボンナノチューブの直径を決める要因であるため、触媒粒子の大きさを揃えることにより、そこから析出する単層カーボンナノチューブの直径の分布をさらに狭くすることができる。
実施例1のSWNTの生成装置の概略を示す図である。 実施例1で生成したSWNTの透過型電子顕微鏡写真である。 実施例1で生成したSWNTのラマン分光スペクトル図である。 実施例2のSWNTの生成装置の概略を示す図である。 実施例2で生成したSWNTのラマン分光スペクトル図である。 実施例3のSWNTの生成装置の概略を示す図である。 実施例3におけるフラーレンの昇温曲線と蒸気圧の変化を示す図である。 実施例3で生成したSWNTの透過型電子顕微鏡写真である。 実施例3で生成したSWNTの透過型電子顕微鏡写真である。 実施例3で生成したSWNTのラマン分光スペクトル図である。 実施例4で生成したSWNTのラマン分光スペクトル図である。 実施例3及び4で生成したSWNTと比較例1で生成したSWNTのラマン分光スペクトル図である。
図1は本発明を実施するための反応装置の1例を示す概略図である。
本発明の方法では、0.5Torr以下の真空にする。好ましくは0.05Torr以下の真空状態にした反応装置の中で、1種類または1種類以上のフラーレンC2n(nはn≧18なる整数)を、そのフラーレンの昇華温度以上で昇華させる。フラーレン類の蒸発部は、エフュージョンセルか小径の石英管に置く。外部の反応管との間に大きな流動抵抗があるため、その内部の圧力は、おおよそ設定温度におけるフラーレンの蒸気圧になる。
この昇華させたフラーレン気体を整流管を用いてガイドして後流の触媒にふれさせる。図1でフラーレン気体の流れを制御する方法は、片側を封じた石英管内の閉塞側に気化させるフラーレンを置き、真空装置側に開放端を向けて、加熱気化させたフラーレンをフラーレン蒸気圧を駆動力として流動させる。
フラーレン気体の圧力の制御はその加熱温度で行うが、この温度の制御が重要である。反応装置背圧が0.05Torrであれば、フラーレンの蒸気圧として最低でも背圧と同様の0.05Torrは必要となり、660℃での加熱が必要となる。一方、背圧が0.5Torrであると、蒸気圧を0.5Torrとするには760℃での加熱が必要となる。
60のきわめて純粋な固体を、純粋なAr中で10分間加熱した場合、959℃以上で熱分解が開始され、977℃以上では、ほぼ完全に熱分解するとの報告がある(M.R.Stetzer et al.Thermal Stability of C60,Phys.Rev.B.Vol55(1997),pp127−131)。一方、わずかな溶媒やC70などの他のフラーレン、酸素などが存在した場合には、上記の場合よりもかなり低い温度で熱分解が進むと考えられ、比較的高純度の原料を用いても、以下の文献に示されるように718℃で既に熱分解が進んでいると報告されている(Y.Piacente et al.J.Phys.Chem.Vol99(1995),pp14052−14057)。
従って、700℃以上とするとC60の分解が進むと考えられ、フラーレンを加熱する温度には上限があり、背圧を下げ昇華温度を低くすることが好ましい。
蒸発部から移動したフラーレンが遷移金属触媒に衝突して、その分子構造の一部を保存したまま、単層カーボンナノチューブの初期核になることによって,金属触媒から単層カーボンナノチューブが成長する。初期核ができればその後のSWNTの成長は比較的早いと考えられる。このため、フラーレン蒸発開始からの温度上昇の速度が重要となる。触媒はフラーレンからSWNTへの核生成に必要な高温に加熱する。好ましくは750℃〜900℃である。
操作温度に耐え得る基板上に、多孔質物質または無機物の酸化物を塗布または製膜させた上に1種以上の金属微粒子を担持させる。上記の昇華したフラーレンをこの基板上を通過させる。
遷移金属はFe、Co、Mo、Ni、Rh、Pd、Ptのいずれか単体、または、その混合物が好ましい。より好ましくはFe、Co、Moである。金属粒子の径は小さいほどよく、0.1μm以下が好ましく、10nm以下がより好ましく、さらには3nm以下であるものがより一層好ましい。
多孔質物質は、上記金属微粒子を担持でき、かつ装置内の反応温度で変化を起こさないものであれば材質に限定はないが、金属酸化物またはその他の無機物の多孔質体が好ましい。中でも、ゼオライト、マグネシア、アルミナ、シリカ、メソポーラスシリカ等の多孔体がより好ましく、特にY型ゼオライトが好ましい。無機物の酸化物の薄膜も好ましく使用でき、特にシリコン酸化膜が好ましい。
これらの多孔質を載せた基板または無機物の酸化膜を形成させた基板(以下基板という)はフラーレンガス流の流れ方向に対し平行に置く。もしくは、反応管内壁に沿った形に加工した板が好ましい。
生成反応開始後、所定時間経過後にこの基板を冷却する。冷却の方法は、反応管の加熱を停止して、外からファンにて室温の空気を当てて反応管を速やかに冷却し、室温到達後に該板を取り出すと板上にSWNTを得る。
この製造方法によると、直径のそろったSWNTを得ることが可能である。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示すように、加熱炉の中に置かれた内径26mmの石英管(反応管)の中に、内径4.5mm、長さ200mmの片側を封止した石英管にフラーレンC60500mgを封止側に詰めたものを、フラーレン部分が第一加熱炉の中央に来るように設置する。第二加熱炉内に、Fe/Co触媒微粒子(粒径1〜2nm)を担持したY型ゼオライト粒子(粒径0.3〜1μm)を均一に塗りつけた石英板を流れ方向に平行に置いた。反応管内をロータリーポンプで、0.5Torr以下の真空にした。第一加熱炉は長さ20cm、第二加熱炉は長さ30cmである。第一加熱炉を20cm石英管に沿って第二加熱炉の反対方向にずらし、フラーレンを加熱しない状態で、アルゴンを350Torr、200sccm程度で流しながら第一加熱炉を850℃、第二加熱炉を900℃に昇温した。昇温後にアルゴンを止めて再び0.5Torr以下の真空にした。その後,第一加熱炉を所定に戻してフラーレンの加熱を開始する。上記条件で10分操作を続けた後、加熱を停止し、ファンで室温の空気を当てて反応炉を冷却した。冷却後、ゼオライトを塗布した石英板を取り出し、SWNTを得た。
生成した試料をトルエン中で超音波処理して、フラーレンを溶解、除去した後に、透視型電子顕微鏡(TEM)で観察し、ラマンスペクトルで分析した。
図2にTEM写真、図3にラマン分光スペクトルを示す。
図2から副生物がなく、径がそろったSWNTが生成していることが分かる。
図3ではグラファイト由来のピーク(1590cm−1)とSWNTに特徴的な150〜300cm−1付近のピークがみられる。また、図にはSWNTの直径とラマンシフトとの関係(Jorio et al.Phys.Rev.Lett.Vol86(2001),pp1118)
d(nm)=248/ν(cm−1
から見積もった直径が示されてあり、ほぼ1nm程度であることが分かる。
[実施例2]
図4に使用した装置の概略図を示す。
実施例1と同様に実施したが、背圧を0.05Torrにし、ゼオライトを塗布した石英板は反応管内壁に沿った形の半円筒型にしたものを使用した。フラーレンを封入した石英管は、直径は実施例1と同じであるが、長さを100mmとした。また、第一加熱炉の温度を680℃、第二加熱炉の温度を825℃とした。
図5に、生成したSWNTのラマン分光スペクトルを示す。
[実施例3]
図6に使用した装置の概略図を示す。
実施例2と同様に実施したが、フラーレンを封入した石英管に熱電対を取り付け、フラーレンの昇温条件を測定した。
図7に実験開始からのフラーレンを封入した石英管の温度変化とフラーレンの蒸気圧の変化を示す。
図8、9には、生成したSWNTのTEM写真、図10にラマン分光スペクトルを示す。
[実施例4]
実施例3と同様に実施したが、原料としてフラーレンC60に変えてフラーレンC70を用いた。
生成したSWNTのラマン分光スペクトルを図11に示す。
60の場合と同様のSWNTが出来ているのが分かる。
[比較例1]
図12にアルコールからCCVD法によって生成したSWNTのラマン分光スペクトル図を示す。
アルコールからのSWNTと実施例3(C60)および実施例4(C70)で生成したSWNTとの直径分布の比較をラマン分光スペクトルにより示す。アルコールからのSWNTでは、ピークの数が多く、明らかにフラーレンから生成したSWNTの直径分布は狭くなっている。
本発明で得られるSWNTは、FEDディスプレイ、燃料電池、電子顕微鏡、超高強度材料、電気伝導性複合材料等に広く利用することができる。

Claims (11)

  1. 圧力が0.5Torr以下の真空に保持された反応装置内で、少なくとも1種類の触媒金属からなる多数の微粒子が形成された基板上で単層カーボンナノチューブを製造する方法であって、少なくとも1種類のフラーレンC2n(nはn≧18なる整数)を所定の温度以上で昇華させて、分圧が制御されたフラーレン気体を生成し、このフラーレン気体を前記フラーレンの昇華温度以上に加熱された前記基板上に輸送し、前記フラーレン気体を前記触媒金属微粒子に接触させて単層カーボンナノチューブを生成することを特徴とする単層カーボンナノチューブの製造方法。
  2. 前記反応装置内の圧力が、0.05Torr以下であることを特徴とする請求項1に記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  3. 前記所定の温度が、700℃以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  4. 前記触媒金属は、元素の周期律表の5A族、6A族および8族に属する遷移金属であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  5. 前記遷移金属が、Fe、Co、Mo、Ni、Rh、Pd、Ptのいずれか一種の単体または一種以上の混合物であることを特徴とする請求項4記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  6. 前記基板は、多孔質物質あるいは無機酸化物の少なくとも一方からなる薄膜を有し、前記微粒子は、該薄膜上に形成されていることを特徴とする請求項1ないし5項のいずれかに記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  7. 前記多孔質物質が、無機多孔質であることを特徴とする請求項6記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  8. 前記無機多孔質が、ゼオライトであることを特徴とする請求項7記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  9. 前記ゼオライトが、Y型であることを特徴とする請求項8記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  10. 前記無機酸化物が、シリコン酸化膜であることを特徴とする請求項記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  11. 前記微粒子の粒子径が、0.5〜10nmであることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
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