JP3961789B2 - 加熱変性小麦粉及びその小麦粉を用いた食品素材、食品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、懸濁液が高粘度を示す加熱変性小麦粉とそれを用いて製造される食品素材及び小麦粉食品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、加熱変性小麦粉(以下、変性粉という。)は、フライ用の各種バッター、天ぷら用の衣液、パンや菓子等の食感改良、各種ルウ等に幅広く利用されている。しかしながら、変性粉を用いるバッターや衣液製造においては、懸濁液の高粘度化、その安定性向上のためにグアガム、キサンタンガム等の増粘剤やアルファー化デンプン等が併用されており、コスト高となったり、製造時にままこが発生して調製時にトラブルが生じたりする問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況から、特にフライ用のバッター製造においては、極力増粘剤やアルファー化デンプン等を併用しない変性粉のみによる高粘度で安定性の高いバッター製造が望まれている。しかしながら、現状では多糖類やデンプン等の増粘剤を使用したバッター製造技術が特開平13−125795号、特開平11−125号、特開平7−155127号、特開平7−75514号等に開示されている程度で、上記問題を解決するための十分な技術が確立されていない状況である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは、上記の問題を解決するため、各種小麦粉品種、系統からの小麦粉について、加熱変性特性を詳細に鋭意研究した結果、特定の品種、系統の小麦粉から調製した変性粉からの懸濁液が顕著な高粘度と長時間の粘度安定性を示すことを発見し、本発明を完成した。即ち、遺伝的に変性粉懸濁液が高粘度を示す小麦粉を用い最適条件で加熱変性させることによって、ほとんどあるいは完全に粘度上昇のための増粘剤等を使用しないでバッターを調製できる変性粉を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明でいう変性粉とは、水分含量12%〜15%、好ましくは13%〜14%の小麦粉を80℃〜160℃で3分〜240分、好ましくは100℃〜140℃で10分〜50分加熱した小麦粉のことである。この範囲以下であれば変性懸濁液の粘度が十分に高くならず、逆に長過ぎるとタンパク質の変性等が進行しすぎて最適条件よりも懸濁液粘度が低下するという弊害がある。変性粉懸濁液が高粘度を示す小麦品種、系統としては、ホロシリコムギ、交配親にホロシリコムギを使用している独立行政法人農業技術研究機構北海道農業研究センター育成の品種、系統のキタノカオリ(種苗登録出願中)、札系187号、札系221号、月系9624号、月系9625号、月系9626号等が挙げられるが、どのような品種、系統からの小麦粉でも90℃、2時間加熱変性処理されて変性粉の31.5%懸濁液の粘度が800mPa・s以上、好ましくは1000mPa・s以上を示すものであれば、本発明の変性粉用小麦粉に包含される。
【0006】
また、詳細な検討から、変性粉懸濁液が高粘性を示す小麦粉は、小麦粉中のペントサン含量が高い傾向を示すことが明らかになっている。小麦粉中のペントサン含量としては、1.1%以上、好ましくは1.3%以上である。ペントサン含量が高い小麦粉が変性粉特性が良好である理由の詳細は不明であるが、小麦粉中の非デンプン性多糖類の代表であるペントサンは多量の水を吸収することが知らされていることから、このことが変性粉懸濁液の高粘度に関係していると考えられる。
【0007】
特定の品種、系統からの小麦粉のみ変性粉懸濁液の粘度(以上、変性粉粘度)が高くなる理由については、詳細は不明であるが、ホロシリコムギを交配親に使用している系統がほとんど高粘度を示すこと、特性良好な小麦粉中のペントサン含量が高い傾向を示すことから、変性粉特性について、遺伝的な要因が関係していることが示唆される。また、変性粉用小麦粉の特性としては、さらに、レーザー粒度計(株式会社日本レーザー製、タイプ HELOS&RODOS)による粒度の測定値が2500cm/g以下、更に好ましくは、2300cm/g以下の小麦粉が良好である。粒度が小さい小麦粉の方が変性粉特性が良好である詳細な理由は不明であるが、以下の理由が考えられる。
【0008】
一般に粒度の小さい小麦粉は硬質小麦粉であり、製粉時に発生する損傷デンプン量が多い傾向にある。そして、この損傷デンプンは、健全デンプンに比べ吸水量が多いといわれていることから、このことが変性粉懸濁液の高粘度に影響していることが推定される。なお、変性粉懸濁液の粘度測定は、以下のようにして行った。
種々の条件で加熱処理した変性粉を用い31.5%懸濁液を調製する。次に、この液10mlを用いて、RB80型粘度計(東機産業製)で少量サンプルアダプターにより、HH 1、 HH2ローターを用い回転数100rpm、25℃の条件で粘度を測定した。また、小麦粉中のペントサン含量はフロログルシノール法(Robert et al.: J. Sci. Food Agric., 36, 1243 (1985))によって測定した。
【0009】
本発明の加熱変性粉を使用した食材及び食品としては、この変性粉を含有し混合されたり、焼く、揚げる、煮る等の処理をされた食材及び食品すべてを包含し特に限定はない。例えば、食材としては、各種フライ用バッター粉及びバッター液、各種天ぷら用衣液用粉及び衣液、各種ミックス粉、各種ルウ等を挙げることができるが、特に本発明の変性粉の特性が有効に作用する食材は各種フライ用バッター粉及びバッター液である。また、食品としては、食パン、フランスパン、ハードロール、バターロール、デニッシュペーストリ、クロワッサン、他の各種菓子パン等のパン類、ホットケーキ、スポンジケーキ、シホンケーキ、ドーナツ、パイ、ビスケット、クッキー、クラッカー、シュークリーム、柏餅、饅頭等の菓子類、各種フライ類や天ぷら類等の揚げ物類、うどん、そば、そうめん、きしめん、中華麺、スパゲッティー等の麺類を挙げることができる。この中で変性粉による食品の品質、特に食感等の改良効果の大きいものは菓子類と天ぷら類である。
【0010】
これらの食材及び食品への変性粉の使用については、単独あるいは他の原料との併用でもよく、特に限定はない。他の原料としては、例えば各種バッター粉や衣液用粉の場合、各種デンプン、米粉、増粘剤、乳化剤、油脂、膨張剤、色素、香辛料、調味料、栄養強化剤、卵黄粉等を挙げることができる。これらの他の原料は単独でも種々組み合わせて使用されてもよい。また、変性粉の各種食材及び食品への使用量についても、特に限定はなく、対象の食材及び食品での効果を見ながら適当に決定すればよい。
【0011】
次に、以下に示す実施例(比較例を含む)に基づいて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0012】
【実施例1】
ホロシリコムギ、交配親にホロシリコムギを使用している系統を含む多数の品種、系統からの小麦粉と各種銘柄の小麦粉について、13.5%前後の水分含量の小麦粉を90℃、2時間加熱処理を行い変性粉を得た。小麦粉はビューラー製粉60%粉をすべて用い、小麦粉のペントサン含量、変性粉の粘度は前述の方法によって測定した。その結果を図1に示す。小麦粉中のペントサン含量と変性粉粘度の間には高い相関があり、ホロシリコムギ、交配親にホロシリコムギを使用している系統からの変性粉はいずれも高いペントサン含量と変性粉粘度を示した。これより、これらの変性粉は良好な変性粉特性を持っていることがわかる。
【0013】
これに対し、代表的な小麦銘柄1CW(No.1,カナダ・ウェスタン・レッド・スプリング)、HRW(ハード・レッド・ウインター)、ASW(オーストラリア・スタンダード・ホワイト)、WW(ウェスタン・ホワイト)、日本国内のホロシリコムギ以外の主要品種ハルユタカ、ハルヒカリ、タクネコムギ、チホクコムギ、ホクシン、農林61号はいずれも変性粉粘度はホロシリコムギ以下の800mPa・s以下の粘度を示し、変性粉特性が不十分であることがわかる。特に、各種の天ぷら等の衣液に使用されているWWの変性粉粘度は250mPa・s前後で非常に低く、本発明の用途には不適な変性粉であることがわかる。
【0014】
【実施例2】
ホロシリコムギとホロシリコムギを交配親に使用している系統を含む各種小麦品種、系統からの小麦粉の変性粉粘度と小麦粉の粒度の関係について検討した。変性処理は実施例1と同様に行い、粒度は前述の方法によって測定した。また、小麦粉はビューラー製粉60%粉を使用した。結果を図2に示す。これより、変性粉粘度と小麦粉粒度の間にはかなりの相関があり、ホロシリコムギとホロシリコムギを交配親に使用している系統はいずれも2300cm/g以下の小さい粒度で高い変性粉粘度を示した。実施例1の結果と合わせて考えると、ペントサン含量が高く粒度の小さい硬質小麦粉からの変性粉が良好な変性粉特性を示すこがわかる。
【0015】
【実施例3】
実施例1で使用したホロシリコムギ、キタノカオリ、月系9626号、WWの小麦粉を用い127℃、30分の加熱変性処理により変性粉を得た。これらの変性粉について、変性粉35%のバッターを作成し、前述の方法で粘度を測定した。そして、その後、最もバッター粘度の高かったキタノカオリの適性加水量を求め、このバッターより粘度の低い他の変性粉バッターについては、市販キサンタンガムを添加してキタノカオリと同等の粘度のバッターを作成し、キタノカオリ変性粉バッターと同加水量で同等の粘度のバッターを得るのに必要なキサンタンガム量を求めた。その結果を表1に示す。これより、WW変性粉に比べ、ホロシリコムギ、キタノカオリ、月系9626号の変性粉では変性粉のみで高粘度のバッターが得られるため少量のキサンタンガム添加あるいは無添加でバッターとして使用可能な低コストの高粘度なバッターが調製できることがわかる。
【0016】
次に上記のバッター液を用い、以下に示す方法でコロッケを作成しバッター液特性の評価を行った。市販の冷凍コロッケ用具材50gを上記バッターに侵漬し、余分な液を切りパン粉をつけた。この操作をもう1回繰り返した後、180℃のサラダ油で4分間油揚げしポテトコロッケを作成した。このポテトコロッケ製造時、バッター調製時のバッターの状態、パン粉の付着状態、得られたコロッケについて3人のパネラーにより評価を行った結果を表2に示す。これより、比較例1のWWの変性粉バッターで、調製時にややダマができることやパン粉の付着にややむらがあること以外、すべての実施例、比較例で概ね良好な結果が得られた。特に試験例2のキタノカオリの変性粉バッターを用いた場合のコロッケは外観食感共に良好であり、他に比べサックリとした良好な食感を示した。以上の結果から、本発明の変性粉を用いることによって、低コストで高粘度の良好なフライ用バッターを調製することが可能になり、それにより低コストで良質のコロッケ等のフライ食品を得ることができる。
【0017】
【表1】
Figure 0003961789
【0018】
【表2】
Figure 0003961789
【0019】
【実施例4】
実施例3で調製した変性粉を用い、表3に示す配合で原料をよく混合し攪拌して天ぷら用衣液を調製した。これに1cmに輪切りにし蒸したバレイショを侵漬し均一に衣液を付着させた。これを180℃〜190℃のサラダ油で3分間揚げてバレイショ天ぷらを得た。このバレイショ天ぷら製造時の衣液の状態、得られたバレイショ天ぷらについて3人のパネラーにより評価を行った。その結果を表3に示す。これより比較例に比べ実施例の変性粉はいずれも衣液調製時のダマの生成が少なく、混合液を多量に添加できるため一定量の小麦粉で多くの衣液が調製ができ、より低コストで簡便に良好な衣液を調製することができた。特にその傾向は、キタノカオリ、月系9626号の変性粉で顕著であった。また、得られたバレイショ天ぷらの評価では各区で大きな差はなかったが、比較例に比べ試験例では、外観、食感が良好であり、特にキタノカオリの変性粉からのものが食感がサクサクしており良好であった。以上の結果から、本発明の変性粉を用いることによって簡便に低コストで良好な天ぷら衣液を調製でき、また、得られた天ぷらの外観、食感も非常に良好であることがわかる。
【0020】
【表3】
Figure 0003961789
【0021】
【実施例5】
実施例3で調製した変性粉を用い、表4に示す配合でシュークリームを作成し、シュークリーム生地の状態、できたシュークリームの評価を3人のパネラーで行った。シュークリームの製造は、以下のようにして行った。鍋に水、砂糖、バターを入れ加温して砂糖を溶解すると共にバターを十分に融解させ良く混合する。次に、変性小麦粉を入れ常温で十分に混合する。更に、良く混合した全卵を徐々に入れながら生地を十分に混合し適当な硬さのシュー生地を作成する。この生地をクッキングシートに16g程度絞りオーブンで200℃、20分焼成する。冷却したシュークリームの皮に20gの市販のカスタードクリームを注入しシュークリームを製造した。
【0022】
これより、比較例のWWの変性粉のシュークリームに比べて、試験例のシュークリームでは全体の評価結果が良好で生地調製時に多くの水が入ると共に生地の調製時のダマの発生もなく低コストで良好な生地が簡便にできた。また、得られたシュークリームも食感、風味が良好であり、特にキタノカオリ、月系9626号の変性粉を用いたものはサックリした食感と良好な香ばしい風味を呈した。以上の結果から、本発明の変性粉を用いることによって、低コストで良好なシュー生地を簡便に調製でき得られたシュークリームも総合的に良好なものであり、特に食感、風味が改善されることがわかる。
【0023】
【実施例6】
水分含量13.5%の小麦粉(ホロシコムギ、キタノカオリ、WW )を100℃で1時間加熱処理することによって変性粉を得た。この変性粉を用い、表5に示す配合でクッキーを作成し、クッキー生地調整時の状態、得られたクッキーの評価を3人のパネラーで行った。クッキーの製造は以下のようにして行った。バターを湯煎にかけやわらかくして砂糖を加えてよく混合する。次に全卵を少量ずつ加え十分に混合し、それに更に小麦粉、変性粉を加え十分に混合する。得られた生地を絞りだし器に入れ、10g程度ずつクッキングシートにしぼり出し、オーブンで180℃、13分焼成する。官能評価結果を表5に示す。
【0024】
【表4】
Figure 0003961789
【0025】
これより、総合的に比較例に比べ試験例の結果は良好であり、特に得られたクッキーの食感、風味が良好であった。試験例のクッキーはサクサクした好ましい食感を示した。また、やや香ばしい良好な風味を呈した。以上の結果から、本発明の変性粉を用いることによって食感、風味等の優れたクッキーが容易に製造できることがわかる。
【0026】
【実施例7】
実施例3で調製した変性粉を用い、表6に示す配合でバターロールを作成し、バターロール生地の状態、得られたバターロールの評価を3人のパネラーで行った。その結果を表6に示す。以下に製パン工程を示す。
・ ミキシング : 全原料をミキシングに入れ低速1分、中速1分、高速3分ミキシングする。
・ 発酵 : 30℃、30分
・ 分割、丸目 : 生地量40gずつ手分割、丸目
・ ベンチ : 30℃、20分
・ 成型 : 手でロール型に成型
・ ホイロ : 38℃、湿度85%で55分ホイロ発酵
・ 焼成 : 200℃、12分
【0027】
【表5】
Figure 0003961789
【0028】
表6より、比較例に比べて、試験例では、生地調製時の吸水量が多く、また、生地調整時の状態が全体に良好であった。得られたバターロールも食感、風味が良好であり、特にキタノカオリを用いたものはサックリとした食感で風味も若干香ばしく良好であった。以上の結果から、本発明の変性粉を用いることによって、低コストで良好なバターロール生地を調製でき、得られたバターロールも総合的に良好なものであり、特に食感、風味が改善されることがわかる。
【0029】
【表6】
Figure 0003961789
【0030】
【発明の効果】
以上説明した本発明の変性粉を用いることによって、増粘剤等をほとんどあるいはまったく使用しないで高粘度のフライ用バッターや天ぷら用の衣液を低コストで製造できる。また、パンや菓子の原料の小麦粉の代わりに一部及び全量本発明の変性粉を用いることによって、吸水の増加による低コスト化ができると共に得られた製品の食感、風味を顕著に改善できることがわかる。これまで低コストバッター、衣液の調製、パン菓子類等の食感改良については、種々の方法が検討されているが、低コストな方法でこれらの課題を解決する方法が確立されていないのが現状である。本発明は、特定の小麦粉を最適条件で加熱するという簡便な方法で得られた変性粉を用いて上記の課題を低コストで解決する技術を提供することができる。本発明により、低コスト、高品質のバッター、衣液の調製、低コストでの各種食品の食感、風味改良が可能になり、揚げ物食品、パン菓子類を中心に高品質食品の低コスト安定生産への多大の寄与が期待される。また、本発明の変性粉特性の良好な品種は、いずれも国産の品種、系統であるため、本発明は、国産小麦の需要拡大にも大きく貢献することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】小麦粉ペントサン含量と変性粉粘度の関係を示すグラフである。
【図2】小麦粉粒度と変性粉粘度の関係を示すグラフである。

Claims (6)

  1. ペントサン含量が1.1%以上、粒度が2500cm/g以下である、ホロシリコムギ、交配親にホロシリコムギを使用している農業技術研究機構北海道農業研究センター育成の品種・系統のキタノカオリ(種苗登録出願中)、札系187号、札系221号、月系9624号、月系9625号、月系9626号から調製した、水分含量13.5%の小麦粉を、耐熱性のアルミラミネート袋中で90℃、2時間加熱処理することによって得られた加熱変性小麦粉であり、該加熱変性小麦粉は、重量濃度31.5%の懸濁液の25℃常温での粘度が800mPa・s以上の高粘度となり、長時間の粘度安定性を維持する性状を有することを特徴とする加熱変性小麦粉。
  2. 前記小麦粉中のペントサン含量が1.3%以上であることを特徴とする請求項1に記載の加熱変性小麦粉。
  3. 前記小麦粉の粒度が2300cm/g以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の加熱変性小麦粉。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の加熱変性小麦粉を用いて製造されることを特徴とする小麦粉食品素材。
  5. 前記加熱変性小麦粉がフライ用のバッター粉であることを特徴とする請求項4に記載の小麦食品素材。
  6. 請求項4又は5に記載の小麦食品素材によって作られた、パン類、菓子類、麺類、油揚げ食品であることを特徴とする小麦粉食品。
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