JP3942084B2 - 車両用シート - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用シートのリャシートなどの車両用シート、詳しくは、シートバックの前倒れに連動してシートクッションが前方に跳ね上がり、シートクッションを設置した場所にシートバックがその背裏を上向きに格納される車両用シートに関する。
【０００２】
【従来の技術】
この種のシートは、レクリェーショナルビーグルなどの自動車シートに使用されている。このシートはシートクッションが前方に跳ね上がり、シートバックが前方にその背裏を略水平状に前倒しされるため、前倒しされたシートバックの背裏を荷台などに使用できる利点がある。
【０００３】
ところで、このシートの従来品は例えば特開昭５４ー１２９６２０号公報に開示されているように、シートバックとシートクッションを連結ロッドで連結して、シートバックの前倒れに連動してシートクッションが前部側を回転中心に前方に起立状に跳ね上がるように構成されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記連結ロッドでシートバックとシートクッションを連結してシートバックの前倒れに連動してシートクッションを跳ね上げるものは、シートクッションの跳ね上げ状態及びシートバックの前倒れ状態において、シートクッション及びシートバックを車体側にいずれもロック装置によってロックするなど固定しなければ、車両の振動などによりガタが発生し異音が発生する虞れがあった。
【０００５】
一方、例えばシートクッションにロック装置を設けて使用中のシートクッションをロックするものは、そのロック状態をシートバックの前倒れ前に解除しなければならない不具合が生じる。
【０００６】
そこで、本発明は斯様に連結ロッドでシートクッションとシートバックとを連結した従来品の不具合を除去することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するための本発明に係る車両用シートは、シートバックの
前倒れに連動してシートクッションが跳ね上がる車両用シートであって、前記
シートクッションとその下方の車体との間に設けて、シートクッションを車体
にロックするシートクッションロック手段、前記シートバック側に連結すると
共にシートバックの前倒れに連動して前記ロックを解除するロック解除手段、
前記シートバックの前倒れに連動してシートクッションを跳ね上げる跳ね上
げ手段とを有し、前記シートクッションロック手段は、シートクッション側に
設けたストライカと、このストライカに係合してロックする車体側のラッチと
からなり、前記ロック解除手段はシートバックの前倒れによって前進し、前記
ラッチをロック解除方向に回動させる回動片から構成されている。
【０００８】
以上の構成により、シートの使用状態において、ロック手段によってシートクッションはロックされ、シートの不使用時にシートバックを前倒しするとシートクッションのロックが自動的に解除されるため、シートクッションはシートバックの前倒れに連動して前方に跳ね上げることができる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図１は本発明に係る自動車用シートを示し、図中ＳＢはシートバック、ＳＣはシートクッションを各々示し、シートクッションＳＣは図２に示すように前部底面に設けたヒンジブラケット２１を回転中心に前方に起立状に跳ね上げ可能に、また、シートバックＳＢは同図に示すように下部を中心に前倒可能に車体Ｂに取付けられている。
【００１０】
即ち、シートバックＳＢは、図２に示すように、車体Ｂ側に締結したブラケット１１にシートバックＳＢを構成するバックフレーム（不図示）がピン１１Ａで、前倒可能に枢着されている。そして、このシートバックＳＢの上部背面側が車体Ｂにロック手段１０によってロックされている。
【００１１】
このロック手段１０は、車体Ｂ側に設けたストライカ１０Ａと、シートバックＳＢ側に設けてストライカ１０Ａに係合するフック１０Ｂとからなる従来周知の構造のもので、フック１０Ｂに連結する操作ノブ１０Ｃを操作することにより、ロック状態が解除されるように構成されている。
【００１２】
シートクッションＳＣを構成するクッションフレーム（不図示）はその前部左右に設けたヒンジブラケット２１が車体Ｂに固定した固定ブラケット２３にヒンジピン２１Ａで前後方向に跳ね上げ可能に取付けられている。
【００１３】
なお、クッションフレームの前側に固設したブラケット（不図示）に伸縮ばね手段の先端部が連結されている。
【００１４】
図示する伸縮ばね手段は、図７に示すように、ガススプリング４で、そのロッド４１の先端が前記クッションフレーム側に取付けられ、本体４０側が車体Ｂに締結したガイド手段内に装着されている。
【００１５】
そして、このガススプリング４の基端側に設けた連結ブラケット４３に、前記バックフレームに一端をピン３０で枢着したリンク手段を構成するリンク３が摺動ピン６で連結されている。
【００１６】
この摺動ピン６は前記ガイド手段に設けたガイド溝５０内に摺動自在に挿通されており、ガイド手段は車体Ｂに前後方向に向けて締結したレール５で、このレール５は開口を上向きにした断面コ字状で、車体Ｂより起立する左右一対の起立片部に、前記ガイド溝５０、５０が長さ方向に開孔されている。
【００１７】
なお、図７において、３１はリンク３に設けてピン３０を挿通する挿通孔、３４はリンク３に設けた長孔、４３Ａ、４３Ａは連結ブラケット４３に設けた連結孔で、前記摺動ピン６はレール５のガイド溝５０、５０、長孔３４、連結孔４３Ａ、４３Ａに挿通されている。３５はリンク７３の掛止ピン３５Ａと摺動ピン６の間に張架したガタ防止用のスプリングである。
【００１８】
また、前記ガススプリング４の他に、伸縮するロッドに圧縮コイルバネを巻装したものなどを、伸縮ばね手段としてもよい。
【００１９】
従って、図２に示すシートの使用状態より、シートバックＳＢのロック手段１０による車体Ｂに対するロックを解除すると、シートバックＳＢはピン１１Ａを回転中心に前倒れ可能となる。
【００２０】
そして、シートバックＳＢを前倒れ方向である図２の矢印方向に回動すると、シートバックＳＢ側のリンク３がピン１１Ａに対して上方に枢着されているため、リンク３が前方に押し出される。
【００２１】
このリンク３に摺動ピン６によって連結されている伸縮ばね手段を構成するガススプリング４はその全体が、ガイド手段のレール５にガイドされながら前方に押し出されるため、図２鎖線に示すように、シートクッションＳＣはガススプリング４によってヒンジピン２１Ａを回転中心に起立状に跳ね上がる。
【００２２】
従って、以上のリンク３、ガススプリング４がシートクッションＳＣを跳ね上げる跳ね上げ手段となる。
【００２３】
以上のシートバックＳＢの前倒れ時に、シートクッションＳＣを車体Ｂ側にロックするシートクッションロック手段によるシートクッションＳＣのロックが自動的に解除される。
【００２４】
シートクッションロック手段は、図３乃至図８に示すように、シートクッションＳＣの後部側の底部より垂設したストライカ２０と、このストライカ２０に係合してロックする車体Ｂ側のラッチ８とから構成されている。
【００２５】
ラッチ８は図４に示すように、前記レール５の外側面に締結材９９で一体に締結したストライカ係合溝９０Ａ付の取付プレート９０に、支軸９４で前後方向に回動自在、且つバネ８２の弾力によってロック方向に付勢されている。
【００２６】
なお、図中８０はラッチ８の上部に形成した鉤形状のストライカ係合部、８１は図４に示すようにロック時に、車床Ｂ側の取付プレート９０の底面９０Ｂに突き当たり、シートクッションＳＣに下方の過大負荷が加わった際に、その負荷を車体Ｂ側に逃がすストッパを各々示す。
【００２７】
以上のシートクッションロック手段２０、８によるロックを解除する図示するロック解除手段は、前記摺動ピン６と、この摺動ピン６が突き当たりラッチ８をロック解除方向にバネ８２の弾力に抗して回動させる回動片７とから構成されている。
【００２８】
前記摺動ピン６のレール５から外部に突出する突出部６０が、回動片７の後端縁７０Ａに突き当たるように配設されている。
【００２９】
回動片７は、図３、図４に示すように、ラッチ８と同様に取付プレート９０に回動軸９３によってラッチ８方向に回動自在に枢着されており、図８に示すように、前記後端縁７０Ａと前端縁７０Ｂとを有する後部７０と、ラッチ８を連結する前部７１と、この前部７１と後部７０を一体に連結する連結部７２とから構成され、前部には係合ピン７８が突設され、この係合ピン７８がラッチ８に設けた長孔８Ａ内に挿入するように形成されている。
【００３０】
なお、図８において、図中８Ｂはラッチ８に設けて前記支軸９４を挿通する通孔、９３Ａ、９３Ａは回動軸９３の挿通孔を各々示す。また、前記回動片７にはバネ７４を設け、このバネ７４の弾力によってラッチ８をロック方向に付勢しており、前記後端縁７０Ａは前下りの傾斜状に、また、前端縁７０Ｂは後下りの傾斜状に各々形成されている。
【００３１】
シートクッションＳＣが図３乃至図５に示すロック状態において、前述の如く、シートバックＳＢを前倒しすると、リンク３が前進するため、リンク３とガススプリング４を連結する摺動ピン６も同時に前進し、回動片７の後端縁７０Ａに突き当たる。
【００３２】
これにより、回動片７はその前部７１が下方に回動して、図６に示すようにラッチ８がロック解除方向に回動してストライカ２０に対するロック状態を解除する。
【００３３】
シートの使用状態から、シートバックＳＢを前倒してシートクッションＳＣを跳ね上げる状態を図２、図９から図１１に基づいて説明する。
【００３４】
図２はシートの使用状態を示し、シートバックＳＢはロック手段１０によって、また、シートクッションＳＣはシートクッションロック手段を構成するラッチ８とストライカ２０によって、各々車体Ｂ側にロックされている。
【００３５】
この状態よりシートバックＳＢを前述の如く、前倒し初めると、図９に示すように、シートバックＳＢ側のリンク３の前進によって、前述の如く、ロック解除手段が作動してシートクッションロック手段８、２０によるロックが解除される。
【００３６】
そして、図９に示す状態から更にシートバックＳＢを中間位置まで前倒しすると、リンク３の前進によってガススプリング４の全体が前進するため、シートクッションＳＣは図１０に示すように起立状に跳ね上げられる。
【００３７】
更に、シートバックＳＢを前倒しすると、ガススプリング４のロッド４１が収縮するため、シートクッションＳＣが設置されていた場所に背裏が水平状になるようにシートバックＳＢは前倒しされる。
【００３８】
次に、シートを使用状態に戻すには、シートバックＳＢを起立させると、リンク３にガススプリング４は引かれるため、シートクッションＳＣが図１１に示すように倒れる。そして、摺動ピン６が回動片７の後端縁７０Ｂに突き当たり、回動片７を回動しながら更に後進する。
【００３９】
そして、シートバックＳＢをロック手段１０でロックすると同時に、ラッチ８が回動してシートクッションＳＣのストライカ２０に係合して図２に示すようにロックする。
【００４０】
なお、前記実施例は摺動ピン４０を回動片７に突き当てることにより、シートクッションロック手段によるロック解除を行う構造であるが、回動片７を使用せずに摺動ピン４０の前進によって直接ラッチ８をロック解除方向に回動するようにしても良い。
図２、図９、図１０、図１１は、シートクッションの底部のみを記載して簡略化するが、従来公知のシートクッションが、この底部の上に載置される。
【００４１】
【発明の効果】
本発明によれば、シートバックの前倒しに連動してシートクッションを前方に跳ね上げることができるシートにおいて、シートの使用状態にシートクッションはシートクッションロック手段によってロックされているため、車両の振動等によってガタが発生することがない。
【００４２】
また、シートバックの前倒しに連動して、シートクッションのロックが自動的に解除されるため、シートクッションにロック解除の操作部材を設ける必要もないし、その操作も不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る車両用シートの斜視図である。
【図２】図１に示す車両用シートの部分切欠側面図である。
【図３】シートクッションのロック状態を示す断面図である。
【図４】図３のIVーIV線断面図である。
【図５】図３の部分切欠側面図である。
【図６】シートクッションのロック解除時における要部の断面図である。
【図７】要部の分解斜視図である。
【図８】ラッチ、回動片、スライドレールの斜視図である。
【図９】シートクッションのロック解除時を説明する説明図である。
【図１０】シートクッションを跳ね上げた状態の説明図である。
【図１１】シートクッション、シートバックを使用状態に戻す状態の説明図である。
【符号の説明】
ＳＢ シートバック
ＳＣ シートクッション
Ｂ 車体
３ リンク
４ 伸縮ばね機構
５ スライドレール
６ 摺動ピン
７ 回動片
８ ラッチ
２０ ストライカ
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用シートのリャシートなどの車両用シート、詳しくは、シートバックの前倒れに連動してシートクッションが前方に跳ね上がり、シートクッションを設置した場所にシートバックがその背裏を上向きに格納される車両用シートに関する。
【０００２】
【従来の技術】
この種のシートは、レクリェーショナルビーグルなどの自動車シートに使用されている。このシートはシートクッションが前方に跳ね上がり、シートバックが前方にその背裏を略水平状に前倒しされるため、前倒しされたシートバックの背裏を荷台などに使用できる利点がある。
【０００３】
ところで、このシートの従来品は例えば特開昭５４ー１２９６２０号公報に開示されているように、シートバックとシートクッションを連結ロッドで連結して、シートバックの前倒れに連動してシートクッションが前部側を回転中心に前方に起立状に跳ね上がるように構成されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記連結ロッドでシートバックとシートクッションを連結してシートバックの前倒れに連動してシートクッションを跳ね上げるものは、シートクッションの跳ね上げ状態及びシートバックの前倒れ状態において、シートクッション及びシートバックを車体側にいずれもロック装置によってロックするなど固定しなければ、車両の振動などによりガタが発生し異音が発生する虞れがあった。
【０００５】
一方、例えばシートクッションにロック装置を設けて使用中のシートクッションをロックするものは、そのロック状態をシートバックの前倒れ前に解除しなければならない不具合が生じる。
【０００６】
そこで、本発明は斯様に連結ロッドでシートクッションとシートバックとを連結した従来品の不具合を除去することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するための本発明に係る車両用シートは、シートバックの
前倒れに連動してシートクッションが跳ね上がる車両用シートであって、前記
シートクッションとその下方の車体との間に設けて、シートクッションを車体
にロックするシートクッションロック手段、前記シートバック側に連結すると
共にシートバックの前倒れに連動して前記ロックを解除するロック解除手段、
前記シートバックの前倒れに連動してシートクッションを跳ね上げる跳ね上
げ手段とを有し、前記シートクッションロック手段は、シートクッション側に
設けたストライカと、このストライカに係合してロックする車体側のラッチと
からなり、前記ロック解除手段はシートバックの前倒れによって前進し、前記
ラッチをロック解除方向に回動させる回動片から構成されている。
【０００８】
以上の構成により、シートの使用状態において、ロック手段によってシートクッションはロックされ、シートの不使用時にシートバックを前倒しするとシートクッションのロックが自動的に解除されるため、シートクッションはシートバックの前倒れに連動して前方に跳ね上げることができる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図１は本発明に係る自動車用シートを示し、図中ＳＢはシートバック、ＳＣはシートクッションを各々示し、シートクッションＳＣは図２に示すように前部底面に設けたヒンジブラケット２１を回転中心に前方に起立状に跳ね上げ可能に、また、シートバックＳＢは同図に示すように下部を中心に前倒可能に車体Ｂに取付けられている。
【００１０】
即ち、シートバックＳＢは、図２に示すように、車体Ｂ側に締結したブラケット１１にシートバックＳＢを構成するバックフレーム（不図示）がピン１１Ａで、前倒可能に枢着されている。そして、このシートバックＳＢの上部背面側が車体Ｂにロック手段１０によってロックされている。
【００１１】
このロック手段１０は、車体Ｂ側に設けたストライカ１０Ａと、シートバックＳＢ側に設けてストライカ１０Ａに係合するフック１０Ｂとからなる従来周知の構造のもので、フック１０Ｂに連結する操作ノブ１０Ｃを操作することにより、ロック状態が解除されるように構成されている。
【００１２】
シートクッションＳＣを構成するクッションフレーム（不図示）はその前部左右に設けたヒンジブラケット２１が車体Ｂに固定した固定ブラケット２３にヒンジピン２１Ａで前後方向に跳ね上げ可能に取付けられている。
【００１３】
なお、クッションフレームの前側に固設したブラケット（不図示）に伸縮ばね手段の先端部が連結されている。
【００１４】
図示する伸縮ばね手段は、図７に示すように、ガススプリング４で、そのロッド４１の先端が前記クッションフレーム側に取付けられ、本体４０側が車体Ｂに締結したガイド手段内に装着されている。
【００１５】
そして、このガススプリング４の基端側に設けた連結ブラケット４３に、前記バックフレームに一端をピン３０で枢着したリンク手段を構成するリンク３が摺動ピン６で連結されている。
【００１６】
この摺動ピン６は前記ガイド手段に設けたガイド溝５０内に摺動自在に挿通されており、ガイド手段は車体Ｂに前後方向に向けて締結したレール５で、このレール５は開口を上向きにした断面コ字状で、車体Ｂより起立する左右一対の起立片部に、前記ガイド溝５０、５０が長さ方向に開孔されている。
【００１７】
なお、図７において、３１はリンク３に設けてピン３０を挿通する挿通孔、３４はリンク３に設けた長孔、４３Ａ、４３Ａは連結ブラケット４３に設けた連結孔で、前記摺動ピン６はレール５のガイド溝５０、５０、長孔３４、連結孔４３Ａ、４３Ａに挿通されている。３５はリンク７３の掛止ピン３５Ａと摺動ピン６の間に張架したガタ防止用のスプリングである。
【００１８】
また、前記ガススプリング４の他に、伸縮するロッドに圧縮コイルバネを巻装したものなどを、伸縮ばね手段としてもよい。
【００１９】
従って、図２に示すシートの使用状態より、シートバックＳＢのロック手段１０による車体Ｂに対するロックを解除すると、シートバックＳＢはピン１１Ａを回転中心に前倒れ可能となる。
【００２０】
そして、シートバックＳＢを前倒れ方向である図２の矢印方向に回動すると、シートバックＳＢ側のリンク３がピン１１Ａに対して上方に枢着されているため、リンク３が前方に押し出される。
【００２１】
このリンク３に摺動ピン６によって連結されている伸縮ばね手段を構成するガススプリング４はその全体が、ガイド手段のレール５にガイドされながら前方に押し出されるため、図２鎖線に示すように、シートクッションＳＣはガススプリング４によってヒンジピン２１Ａを回転中心に起立状に跳ね上がる。
【００２２】
従って、以上のリンク３、ガススプリング４がシートクッションＳＣを跳ね上げる跳ね上げ手段となる。
【００２３】
以上のシートバックＳＢの前倒れ時に、シートクッションＳＣを車体Ｂ側にロックするシートクッションロック手段によるシートクッションＳＣのロックが自動的に解除される。
【００２４】
シートクッションロック手段は、図３乃至図８に示すように、シートクッションＳＣの後部側の底部より垂設したストライカ２０と、このストライカ２０に係合してロックする車体Ｂ側のラッチ８とから構成されている。
【００２５】
ラッチ８は図４に示すように、前記レール５の外側面に締結材９９で一体に締結したストライカ係合溝９０Ａ付の取付プレート９０に、支軸９４で前後方向に回動自在、且つバネ８２の弾力によってロック方向に付勢されている。
【００２６】
なお、図中８０はラッチ８の上部に形成した鉤形状のストライカ係合部、８１は図４に示すようにロック時に、車床Ｂ側の取付プレート９０の底面９０Ｂに突き当たり、シートクッションＳＣに下方の過大負荷が加わった際に、その負荷を車体Ｂ側に逃がすストッパを各々示す。
【００２７】
以上のシートクッションロック手段２０、８によるロックを解除する図示するロック解除手段は、前記摺動ピン６と、この摺動ピン６が突き当たりラッチ８をロック解除方向にバネ８２の弾力に抗して回動させる回動片７とから構成されている。
【００２８】
前記摺動ピン６のレール５から外部に突出する突出部６０が、回動片７の後端縁７０Ａに突き当たるように配設されている。
【００２９】
回動片７は、図３、図４に示すように、ラッチ８と同様に取付プレート９０に回動軸９３によってラッチ８方向に回動自在に枢着されており、図８に示すように、前記後端縁７０Ａと前端縁７０Ｂとを有する後部７０と、ラッチ８を連結する前部７１と、この前部７１と後部７０を一体に連結する連結部７２とから構成され、前部には係合ピン７８が突設され、この係合ピン７８がラッチ８に設けた長孔８Ａ内に挿入するように形成されている。
【００３０】
なお、図８において、図中８Ｂはラッチ８に設けて前記支軸９４を挿通する通孔、９３Ａ、９３Ａは回動軸９３の挿通孔を各々示す。また、前記回動片７にはバネ７４を設け、このバネ７４の弾力によってラッチ８をロック方向に付勢しており、前記後端縁７０Ａは前下りの傾斜状に、また、前端縁７０Ｂは後下りの傾斜状に各々形成されている。
【００３１】
シートクッションＳＣが図３乃至図５に示すロック状態において、前述の如く、シートバックＳＢを前倒しすると、リンク３が前進するため、リンク３とガススプリング４を連結する摺動ピン６も同時に前進し、回動片７の後端縁７０Ａに突き当たる。
【００３２】
これにより、回動片７はその前部７１が下方に回動して、図６に示すようにラッチ８がロック解除方向に回動してストライカ２０に対するロック状態を解除する。
【００３３】
シートの使用状態から、シートバックＳＢを前倒してシートクッションＳＣを跳ね上げる状態を図２、図９から図１１に基づいて説明する。
【００３４】
図２はシートの使用状態を示し、シートバックＳＢはロック手段１０によって、また、シートクッションＳＣはシートクッションロック手段を構成するラッチ８とストライカ２０によって、各々車体Ｂ側にロックされている。
【００３５】
この状態よりシートバックＳＢを前述の如く、前倒し初めると、図９に示すように、シートバックＳＢ側のリンク３の前進によって、前述の如く、ロック解除手段が作動してシートクッションロック手段８、２０によるロックが解除される。
【００３６】
そして、図９に示す状態から更にシートバックＳＢを中間位置まで前倒しすると、リンク３の前進によってガススプリング４の全体が前進するため、シートクッションＳＣは図１０に示すように起立状に跳ね上げられる。
【００３７】
更に、シートバックＳＢを前倒しすると、ガススプリング４のロッド４１が収縮するため、シートクッションＳＣが設置されていた場所に背裏が水平状になるようにシートバックＳＢは前倒しされる。
【００３８】
次に、シートを使用状態に戻すには、シートバックＳＢを起立させると、リンク３にガススプリング４は引かれるため、シートクッションＳＣが図１１に示すように倒れる。そして、摺動ピン６が回動片７の後端縁７０Ｂに突き当たり、回動片７を回動しながら更に後進する。
【００３９】
そして、シートバックＳＢをロック手段１０でロックすると同時に、ラッチ８が回動してシートクッションＳＣのストライカ２０に係合して図２に示すようにロックする。
【００４０】
なお、前記実施例は摺動ピン４０を回動片７に突き当てることにより、シートクッションロック手段によるロック解除を行う構造であるが、回動片７を使用せずに摺動ピン４０の前進によって直接ラッチ８をロック解除方向に回動するようにしても良い。
図２、図９、図１０、図１１は、シートクッションの底部のみを記載して簡略化するが、従来公知のシートクッションが、この底部の上に載置される。
【００４１】
【発明の効果】
本発明によれば、シートバックの前倒しに連動してシートクッションを前方に跳ね上げることができるシートにおいて、シートの使用状態にシートクッションはシートクッションロック手段によってロックされているため、車両の振動等によってガタが発生することがない。
【００４２】
また、シートバックの前倒しに連動して、シートクッションのロックが自動的に解除されるため、シートクッションにロック解除の操作部材を設ける必要もないし、その操作も不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る車両用シートの斜視図である。
【図２】図１に示す車両用シートの部分切欠側面図である。
【図３】シートクッションのロック状態を示す断面図である。
【図４】図３のIVーIV線断面図である。
【図５】図３の部分切欠側面図である。
【図６】シートクッションのロック解除時における要部の断面図である。
【図７】要部の分解斜視図である。
【図８】ラッチ、回動片、スライドレールの斜視図である。
【図９】シートクッションのロック解除時を説明する説明図である。
【図１０】シートクッションを跳ね上げた状態の説明図である。
【図１１】シートクッション、シートバックを使用状態に戻す状態の説明図である。
【符号の説明】
ＳＢ シートバック
ＳＣ シートクッション
Ｂ 車体
３ リンク
４ 伸縮ばね機構
５ スライドレール
６ 摺動ピン
７ 回動片
８ ラッチ
２０ ストライカ
Claims (3)
- シートバックの前倒れに連動してシートクッションが跳ね
上がる車両用シートであって、
前記シートクッションとその下方の車体との間に設けて、シートクッション を車体にロックするシートクッションロック手段、
前記シートバック側に連結すると共にシートバックの前倒れに連動して前記 ロックを解除するロック解除手段、
前記シートバックの前倒れに連動してシートクッションを跳ね上げる跳ね上 げ手段、
とを有し、
前記シートクッションロック手段は、シートクッション側に設けたストライ カと、このストライカに係合してロックする車体側のラッチとからなり、
前記ロック解除手段はシートバックの前倒れによって前進し、前記ラッチを ロック解除方向に回動させる回動片からなる車両用シート。 - 前記跳ね上げ手段は、シートバック側に一端を枢着したリ
ンクと、このリンクの他端に連結し、先端をシートクッション側に取り付けて
なる伸縮ばね機構とから構成してなる請求項１記載の車両用シート。 - 前記ロック解除手段は、前記リンクと伸縮ばね機構とを連
結する摺動ピンと、この摺動ピンの前進によって前記ラッチをロック解除方向
に回動させる回動片とからなる前記請求項１記載の車両用シート。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002244769A JP3942084B2 (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | 車両用シート |
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