JP3932378B2 - 空気調和装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸収式冷凍機を含む空気調和装置に係り、特に、熱媒駆動型の吸収式冷凍機を含む空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
加熱された駆動用熱媒により駆動される熱媒駆動型の吸収式冷凍機を含む空気調和装置では、吸収式冷凍機の作動により冷却された冷媒を室内機に供給して冷房を行っている。一方、暖房時には、駆動用熱媒により吸収冷凍機を駆動して室内機に供給される暖房用熱媒を加熱するか、または、吸収冷凍機とは別に設けられた暖房用熱交換器などにより、駆動用熱媒の熱で室内機に供給される暖房用熱媒を加熱している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、空気調和装置に対して省エネルギー性の向上が望まれている。これに対し、本願の発明者らは、空気調和装置の暖房運転において、熱媒の熱エネルギーを有効に利用し、さらに、暖房用熱交換器または吸収冷凍機などの作動に関連するエネルギーの消費を抑えて空気調和装置の省エネルギー性を向上することを考えている。すなわち、排熱源から得られる熱媒を室内機へ直接供給して暖房を行うことにより、暖房用熱交換器などを不要にし、また、暖房時に吸収式冷凍機や吸収冷凍機の動作に関わる機器類の作動を停止することで、暖房用熱交換器または吸収式冷凍機の作動に関連するエネルギー消費を抑え、省エネルギー性を向上することを考えている。
【0004】
しかし、加熱された熱媒を室内機へ直接供給した場合、熱媒の温度によっては、暖房時の室内機からの温風の吹き出し温度が高くなり過ぎると、室内の温度分布が均一化し難くなり、快適性が低下する場合がある。また、熱媒の温度が室内機や制御弁などの耐熱温度を超えた場合、空気調和装置の運転に支障をきたす場合もある。このため、熱媒の温度は、機器などの耐熱温度を下回り、さらに、室内の温度分布が均一化し易い程度の温度に調整する必要がある。一方、冷房時に、室内機に供給する冷媒を吸収式冷凍機で冷却する場合、暖房時に要求される温度では吸収式冷凍機を駆動できないかまたは効率よく駆動することができない場合がある。したがって、冷房時に吸収式冷凍機に供給される熱媒の温度は、暖房時よりも高温であることが要求される。このように、冷房時と暖房時では要求される熱媒の温度が異なるため、従来の熱媒駆動型の吸収式冷凍機を含む空気調和装置の配管を変更するだけでは、熱媒の温度によって暖房時に室内の快適性の低下や、空調装置の運転への支障、また、冷暖房効率の低下などの問題が生じる場合がある。
【0005】
本発明の課題は、空気調和装置の省エネルギー性を向上することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の空気調和装置は、排熱源からの排熱により熱媒を加熱するに熱交換器を備えた排熱回収器と、該排熱回収器で加熱された熱媒を熱源とする吸収式冷凍機と、該吸収冷凍機に接続された室内機と、前記吸収式冷凍機と前記排熱回収器の熱交換器との間で前記熱媒を循環する往き側及び帰り側の熱媒管路と、前記吸収冷凍機と前記室内機との間で冷水又は温水を循環する往き側及び帰り側の冷温水管路と、前記吸収冷凍機をバイパスして前記往き側熱媒管路と前記帰り側熱媒管路をそれぞれ前記往き側冷温水管路と前記帰り側冷温水管路に接続する往き側及び帰り側のバイパス管路と、前記往き側熱媒管路を前記往き側バイパス管路に接続する分岐部に設けられた冷暖房切り換え弁と、前記冷暖房切り換え弁の前記往き側熱媒管路側の上流側の熱媒の温度を検出する温度センサと、該温度センサの検出温度に基づいて前記排熱回収器を制御して熱媒の温度を制御する制御部とを備えて構成する。
【0007】
さらに、制御部は、前記冷暖房切り換え弁を切り換えて熱媒が吸収式冷凍機へ通流するとき、前記熱媒の検出温度が第1の温度範囲の最高温度で熱媒の加熱を停止し、最低温度で熱媒の加熱を開始し、前記冷暖房切り換え弁を切り換えて熱媒が前記バイパス管路へ通流するとき、前記熱媒の検出温度が第1の温度範囲よりも低い第2の温度範囲の最高温度で熱媒の加熱を停止し、最低温度で熱媒の加熱を開始する構成とする。
【0008】
また、往き側熱媒管路を流れる熱媒を加熱する補助加熱器を設け、制御部は、排熱回収器と補助加熱器を制御して熱媒の温度を制御する構成とすることができる。
【0009】
このような構成とすることにより、暖房時に熱媒がバイパス管路に通流するように冷暖房切り換え弁を切り換えることにより、バイパス管路を介して排熱回収器からの熱媒を室内機に直接供給し、暖房運転を行うことができる。つまり、暖房運転時は、吸収式冷凍機や吸収冷凍機の動作に関わる機器類の作動を停止し、空気調和装置の運転に関わるエネルギーの消費を抑えることができる。しかも、熱媒の温度は、制御部により、熱媒が吸収式冷凍機へ通流するとき、熱媒が前記バイパス管路へ通流するときよりも熱媒の温度を高く調整することができる。すなわち、冷房時の熱媒温度が暖房時の熱媒温度より高くなるように制御することができるため、暖房時の室内の快適性の低下や、空調装置の運転への支障、また、冷暖房効率の低下などを生じ難くできる。したがって、空気調和装置の省エネルギー性を向上できる。
【0010】
ところで、排熱源からの排熱の温度が低く、熱媒が冷房または暖房運転を十分な効率で行える温度にならない場合がある。このような場合、従来の空気調和装置では、排熱源からの熱媒への熱交換を停止し、補助加熱器により熱媒を加熱している。しかし、このような従来の空気調和装置では排熱源からの熱が有効利用されないため、十分な省エネルギー性を得ることができない。
【0011】
これに対し、本発明の空気調和装置は、補助加熱器と、この補助加熱器の動作を制御する制御部とを備えた構成とすることができる。さらに、制御部は、熱媒が吸収式冷凍機へ通流するとき、熱媒温度センサで検出した温度が第1の温度範囲の最高温度よりも低い第3の温度範囲の最高温度で補助加熱器による熱媒の加熱を停止し、最低温度で補助加熱器による熱媒の加熱を開始し、熱媒がバイパス管路へ通流するとき、熱媒温度センサで検出した温度が第2の温度範囲の最高温度よりも低い第4の温度範囲の最高温度で補助加熱器による熱媒の加熱を停止し、最低温度で補助加熱器による熱媒の加熱を開始する構成とする。
【0012】
このような構成とすれば、補助加熱器は、排熱源からの熱が熱媒に回収されている状態で熱媒を加熱し、さらに、排熱回収の開始と停止を行う温度範囲よりも低い温度で熱媒の加熱を停止する。このため、熱媒は、排熱回収を停止するような異常高温状態になった場合以外は排熱の回収を行い、補助加熱器は、排熱の回収では不足した熱を補うように熱媒を加熱する。したがって、補助加熱器を用いる場合に置いても、補助加熱器が消費するエネルギーをできるだけ抑え、排熱源から得た排熱を有効利用できるため、空気調和装置の省エネルギー性を向上できる。
【0013】
また、熱媒温度センサと制御部とは、熱媒の過熱を検出する構成とすれば、1つの熱媒温度センサを、熱媒温度の制御と異常過熱の検知に兼用できるため、温度センサの数を低減できるので好ましい。
【0014】
ここで、バイパス管路を介して排熱回収器からの熱媒を直接室内機に供給することで暖房運転を行う空気調和装置では、暖房運転時、吸収式冷凍機や吸収式冷凍機の動作に関わる機器類の作動を停止させる。このため、これら機器類の停止にともない、熱媒および冷媒が、ほとんど流動しなくなって、管路内などに停滞してしまう。このとき、周囲の気温が低下すると、例えば、流動しなくなった熱媒および冷媒が水などであれば凍結して、空気調和装置を破損させる場合がある。これは、空気調和装置の運転を停止して、熱媒および冷媒が流動しなくなった場合も同様である。
【0015】
これに対し、従来は、管路にヒータなどを巻くなどをして凍結を防止していた。管路にヒータなどを巻いて凍結を防止しようとすると、ヒータの部品の費用や加工費などのイニシャルコストがかかる、ヒータを駆動させるための電気代などのランニングコストがかかる、真空容器内などのヒータが巻けない、巻きにくい場所がある、ヒータを管路に巻く手間がかかるなど好ましくない場合がある。また、水抜きを行い凍結を防止することもできるが、暖房運転を行う場合があるので、水抜きを行うことはできない。また、熱媒および冷媒として不凍液を用いて凍結を防止することもできるが、熱媒および冷媒として不凍液を用いると、不凍液の濃度管理などの保守点検作業が煩雑になるため、不凍液は使用しにくい。
【0016】
本発明の空気調和装置は、前記吸収式冷凍機から前記室内機へ供給される前記冷媒が通流する往き側冷媒管路および前記室内機から前記吸収式冷凍機へ戻される前記冷媒が通流する帰り側冷媒管路を含む冷媒管路と、該冷媒管路に前記吸収式冷凍機と前記室内機の間で前記冷媒を循環させる冷媒用ポンプと、前記冷媒管路内の前記冷媒の温度を検出する冷媒温度センサとが設けられており、前記熱媒管路は、前記熱媒温度調整手段から前記吸収式冷凍機へ供給される前記熱媒が通流する往き側熱媒管路と、前記吸収式冷凍機から前記熱媒温度調整手段へ戻される前記熱媒が通流する帰り側熱媒管路とを含み、前記熱媒管路には、前記熱媒温度調整手段と前記吸収式冷凍機の間で前記熱媒を循環させる熱媒用ポンプが設けられ、前記バイパス管路は、前記往き側熱媒管路と前記往き側冷媒管路とに連通する往き側バイパス管路と、前記帰り側冷媒管路と前記帰り側熱媒管路とに連通する帰り側バイパス管路とを含み、前記冷媒温度センサが検出した前記冷媒の温度が設定した温度より低くなると、前記熱媒温度調整手段から前記吸収式冷凍機に前記熱媒を供給可能に前記冷暖房切り換え弁を切り換え、前記熱媒用ポンプおよび前記冷媒用ポンプの少なくとも一方の運転を行う空気調和装置である。
【0017】
このように、冷媒温度センサが検出した冷媒の温度が所定の温度以下になった場合に、熱媒および冷媒が吸収式冷凍機に供給されるように冷暖房切り換え弁を切り換えて、熱媒用ポンプおよび冷媒用ポンプを運転することにより、熱媒管路内の熱媒および冷媒管路内の冷媒が流動する。これにより、熱媒管路内の熱媒および冷媒管路内の冷媒に流れが生じて、熱媒管路内の熱媒および冷媒管路内の冷媒が凍結するのを防ぐことができ、空気調和装置の破損を防止できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明を適用してなる空気調和装置の第1の実施形態について図1乃至図3を参照して説明する。図1は、本発明を適用してなる空気調和装置の概略構成と動作を示す図である。図2は、冷房時の排熱回収器と補助加熱器の動作を示す図である。図3は、暖房時の排熱回収器と補助加熱器の動作を示す図である。なお、本実施形態では、エンジンを排熱源として、この排熱で熱媒を加熱する場合を一例として説明する。
【0019】
本実施形態の空気調和装置は、図1に示すように、排熱回収器1、補助ボイラ3、吸収式冷凍機5、熱媒管路7、冷暖房切り換え三方弁9a、9b、バイパス管路11、熱媒温度センサ13、制御部15、冷温水管路17、そして室内機である室内機19などで構成されている。排熱回収器1は、排熱源であるエンジン21から排ガス管路23を介して供給された排ガスの熱を、熱媒管路7中を通流する熱媒である水に熱交換部25で回収する。排熱回収器1は、内部に排ガスの流れる流路を切り換えるための図示していない流路切換機構を備えている。この流路切換機構により、排ガスの流れは、排気管路29方向と熱交換部25方向とに切り換えられ、余剰な排熱は、排気管路29より放出される。補助ボイラ3は、排熱回収器1から吸収式冷凍機5に向かって熱媒が通流する往き側熱媒管路7aに設けられている。補助ボイラ3は、バーナ31を備えており、バーナ31の燃焼により熱媒を加熱する。
【0020】
吸収式冷凍機5は、熱媒の熱で吸収液を加熱する再生器を有する熱媒駆動型の吸収式冷凍機である。吸収式冷凍機5は、冷却水管路33を循環する冷却水を冷却するための冷却塔35を備えている。熱媒管路7は、前記のように排熱回収器1から補助ボイラ3を介して吸収式冷凍機5に向かって熱媒が通流する往き側熱媒管路7aと、吸収式冷凍機5から排熱回収器1に向かって熱媒が通流する帰り側熱媒管路7bとからなり、往き側熱媒管路7aに熱媒用ポンプ37を備え、排熱回収器1と吸収式冷凍機5との間で熱媒を循環させている。冷温水管路17は、室内機19に向かって吸収式冷凍機5から冷媒である冷水が通流する往き側冷温水管路17aと、室内機19から吸収式冷凍機5方向に向かって冷水または温水が通流する帰り側冷温水管路17bとからなり、帰り側冷温水管路17bは、冷水用ポンプ39を備えている。
【0021】
バイパス管路11は、往き側熱媒管路7aを通流する熱媒を往き側冷温水管路17aに流す往き側バイパス管路11aと、帰り側冷温水管路17bを通流する熱媒を帰り側熱媒管路7bに流す帰り側バイパス管路11bとからなる。往き側バイパス管路11aは、補助ボイラ3と吸収式冷凍機5の間の往き側熱媒管路7aに設けられた冷暖房切り換え三方弁9aで往き側熱媒管路7aから分岐し、往き側冷温水管路17aに合流するように配管されている。帰り側バイパス管路11bは、帰り側冷温水管路17bに設けられた冷暖房切り換え三方弁9bで帰り側冷温水管路17bから分岐し、帰り側熱媒管路7bに合流するように配管されている。このように、本実施形態の空気調和装置では、吸収式冷凍機5から室内機19へ供給される吸収式冷凍機5で冷却された冷媒である水、つまり、冷水が通流する冷媒管路に、往き側バイパス管路11aを介して、熱媒である加熱された水、つまり、温水が供給されて通流するので、冷媒管路を冷温水管路17と称している。これは、往き側冷温水管路17aと帰り側冷温水管路17bについても同様である。
【0022】
制御部15は、パワーボックス41、補助ボイラ制御部43、冷暖房切り換えスイッチ45、排熱回収器1の流路切換機構、室内機19の動作を制御する室内機制御部47、そして往き側熱媒管路7aの補助ボイラ3と冷暖房切り換え三方弁9aの間に設置された熱媒温度センサ13などと配線51により電気的に接続されている。パワーボックス41は、往き側熱媒管路7aに設けられた熱媒用ポンプ37、2つの冷暖房切り換え三方弁9a、9b、帰り側冷温水管路17bに設けられた冷水用ポンプ39、冷却塔35の図示していない冷却ファン、そして冷却水管路33に設けられた冷却水用ポンプ53などに配線55により電気的に接続されている。
【0023】
また、制御部15は、異常検出機能を有しており、熱媒温度センサ13で検出した熱媒の温度が、設定された異常検出温度になると、警報を発して使用者に異常を知らせると共に、補助ボイラ3のバーナ31を強制停止し、排熱回収器1の流路切換機構を排ガスが排気管路29に流れるように切り換えて排ガスを排出し、熱媒の加熱を停止する。
【0024】
補助ボイラ制御部43は、補助ボイラ3のバーナ31と配線61により電気的に接続されている。なお、本実施形態では、制御部15は、指令信号を発し、この指令信号に応じてパワーボックス41が、パワーボックス41に電気的に接続された機器類のスイッチングを行っている。また、本実施形態では、制御部15、パワーボックス41、そして補助ボイラ制御部43などは、別体に構成されているが、制御部として一体的に構成することもできる。室内機制御部47は、制御部15からの信号などに応じ、冷水または加熱された熱媒である温水を室内機19内に通流させるか否かを切り換えを制御する制御弁65の動作などを制御している。
【0025】
このような構成の空気調和装置では、空調要求があり、運転切り換えスイッチ45により冷房運転が選択されると、制御部15は、パワーボックス41を介して、熱媒及び冷水が、各々吸収式冷凍機5を通って熱媒管路11及び冷温水管路17を循環するように2つの冷暖房切り換え三方弁9a、9bを切り換える。そして、往き側熱媒管路7aに設けられた熱媒用ポンプ37、帰り側冷温水管路17bに設けられた冷水用ポンプ39、冷却塔35の図示していない冷却ファン、そして冷却水管路33に設けられた冷却水用ポンプ53などを作動させる。これにより、熱媒管路11を通流する熱媒が、排熱回収器1でエンジン21からの排熱を回収する。排熱回収器1で加熱された熱媒の熱により吸収式冷凍機5は、冷温水管路17を通流する冷媒である水を冷却する。この吸収式冷凍機5で冷却された冷水が室内機19に通流することにより室内機19から冷風が送出される。
【0026】
このような冷房運転において、吸収式冷凍機5が効率よく水を冷却するため、また、熱媒の温度が下がりすぎて吸収式冷凍機5を駆動できなくなるのを防ぐため、熱媒の温度を所定の範囲内に保つ必要がある。このため、制御部15は、排熱回収器1の流路切換機構を制御し、さらに、補助ボイラ制御部43を介して補助ボイラ3の運転を制御している。冷房時、制御部15は、図2に示すように、T1〜T2の温度範囲で流路切換機構を制御している。このとき、T1>T2とする。すなわち、制御部15は、熱媒温度センサ13で検出した温度がT1になると流路切換機構を排気管路29にエンジン21からの排ガスが流れるように切り換え、排ガスを排気管路29に流して排熱の回収を停止する。つまり、排熱回収器1による排熱回収をオフ状態にする。これにより、熱媒の加熱が停止される。熱媒の加熱が停止されて熱媒の温度が低下し、熱媒温度センサ13で検出した温度がT2になると流路切換機構を熱交換部25にエンジン21からの排ガスが流れるように切り換え、排ガスを熱交換部25に流して排熱の回収を開始する。つまり、排熱回収器1による排熱回収をオン状態にする。これにより、熱媒の加熱を開始する。
【0027】
このとき、もし、エンジン21からの排ガスの温度が低く、熱媒が十分な温度を保てずに低下する場合には、制御部15は、補助ボイラ制御部43を介して、T3〜T4の温度範囲で補助ボイラー3のバーナ31のオン、オフを制御する。このとき、T1>T3かつT2>T4とする。制御部15は、熱媒の温度が低下し、熱媒温度センサ13で検出した温度がT4になるとバーナ31をオンし、熱媒の加熱を開始する。バーナ31による熱媒の加熱で熱媒の温度が上昇し、熱媒温度センサ13で検出した温度がT3になるとバーナ31をオフし、熱媒の加熱を停止する。このとき、温度がT2以下の場合には、排熱回収器1の流路切換機構は、熱交換部25にエンジン21からの排ガスが流れるように切り換えられた状態にあり、熱媒はエンジン21からの排熱を回収している。したがって、補助ボイラー3は、熱媒をT3以上の温度に上昇させるために不足した熱量を補うように動作する。
【0028】
一方、空調要求があり、運転切り換えスイッチ45により暖房運転が選択されると、制御部15は、パワーボックス41を介して、熱媒管路7を通流する熱媒が、バイパス管路11を通って冷温水管路17に流れるように2つの冷暖房切り換え三方弁9a、9bを切り換える。そして、制御部15は、往き側熱媒管路7aに設けられた熱媒用ポンプ37のみを作動させ、帰り側冷温水管路17bに設けられた冷水用ポンプ39、冷却塔35の図示していない冷却ファン、そして冷却水管路33に設けられた冷却水用ポンプ53などを停止する。これにより、熱媒は、吸収式冷凍機5に供給されず、バイパス管路11を介して、排熱回収器1と室内機19との間を循環するようになり、熱媒が室内機19に通流することにより室内機19から温風が吹出される。
【0029】
このような暖房運転において、熱媒温度が高くなり過ぎると、室内機19からの吹出温度が高くなり過ぎ、室内の温度分布が均一化し難くなるなどの現象が生じ、快適性が低下する場合がある。また、空調機19や制御弁65などの耐熱温度を超え、空気調和装置の運転に支障をきたす場合もある。このため、制御部15は、排熱回収器1の流路切換機構を制御し、また、補助ボイラ制御部43を介して補助ボイラ3の運転を制御している。暖房時、制御部15は、図3に示すように、T5〜T6の温度範囲で流路切換機構を制御している。このとき、T4>T5>T6とする。
【0030】
すなわち、制御部15は、熱媒温度センサ13で検出した温度がT5になると流路切換機構を排気管路29にエンジン21からの排ガスが流れるように切り換え、エンジン21からの排ガスを排気管路29に流して排熱の回収を停止する。これにより、熱媒の加熱が停止される。熱媒の加熱が停止されて熱媒の温度が低下し、熱媒温度センサ13で検出した温度がT6になると流路切換機構を熱交換部25にエンジン21からの排ガスが流れるように切り換え、排ガスを熱交換部25に流して排熱の回収を開始する。これにより、熱媒の加熱を開始する。
【0031】
このとき、もし、エンジン21からの排ガスの温度が低く、熱媒が十分な温度を保てずに低下する場合には、制御部15は、補助ボイラ制御部43を介して、T7〜T8の温度範囲で補助ボイラー3のバーナ31のオン、オフを制御する。このとき、T5>T7、T6>T8とする。制御部15は、熱媒の温度が低下し、熱媒温度センサ13で検出した温度がT8になるとバーナ31をオンし、熱媒の加熱を開始する。バーナ31による熱媒の加熱で熱媒の温度が上昇し、熱媒温度センサ13で検出した温度がT7になるとバーナ31をオフし、熱媒の加熱を停止する。
【0032】
このとき、温度がT6以下の場合には、排熱回収器1の流路切換機構は、常に熱交換部25にエンジン21からの排ガスが流れるように切り換えられた状態にあり、エンジン21からの排熱を回収している。したがって、暖房時も、補助ボイラー3は、熱媒をT8以上の温度に上昇させるために不足した熱量を補うように動作している。このように、暖房時は、冷房時よりも低い温度範囲で流路切換機構及び補助ボイラ3が制御されている。すなわち、排熱回収器1、補助ボイラ3、そして制御部15などからなる熱媒温度調整手段は、熱媒が吸収式冷凍機5へ通流するとき、熱媒がバイパス管路11へ通流するときよりも熱媒の温度を高く調整している。
【0033】
なお、本実施形態では、図2及び図3に示すように、T1〜T2の温度範囲よりもT3〜T4の温度範囲が低くなるように制御しているが、T1>T3、T2>T4であれば、T1〜T2の温度範囲及びT3〜T4の温度範囲は、T1〜T2の温度範囲とT4〜T5の温度範囲とが部分的に重なり合うような温度範囲に設定することもできる。同様に、本実施形態では、T5〜T6の温度範囲よりもT7〜T8の温度範囲が低くなるように制御しているが、T5>T7、T6>T8であれば、T5〜T6の温度範囲及びT7〜T8の温度範囲は、T5〜T6の温度範囲とT7〜T8の温度範囲とが部分的に重なり合うような温度範囲に設定することもできる。
【0034】
このように、本実施形態の空気調和装置では、暖房時に熱媒がバイパス管路11に通流するように冷暖房切り換え三方弁9a、9bを切り換えることにより、熱媒を室内機19に直接供給して暖房運転を行うことができる。つまり、暖房運転時は、吸収冷凍機5や吸収式冷凍機5の動作に関わる機器類、例えば冷水用ポンプ39、冷却水用ポンプ53などを停止することができる。しかも、熱媒の温度は、熱媒温度調整手段、すなわち排熱回収器1、熱媒温度センサ13、制御部15などにより、冷房時の熱媒温度が暖房時の熱媒温度よりも高くなるように制御される。このため、暖房時に室内の快適性の低下や、空調装置の運転への支障、また、冷暖房効率の低下などを生じ難くできる。したがって、空気調和装置の省エネルギー性を向上できる。
【0035】
さらに、本実施形態の空気調和装置では、熱媒温度調整手段として、補助ボイラも備えており、熱媒の温度が所望の温度よりも低くなった場合、排熱回収器1の流路切換機構が、熱交換部25にエンジン21からの排ガスが流れるように切り換えられた状態、つまり排熱を熱媒に回収している状態で補助ボイラ3のバーナ31のオン、オフを制御している。このため、熱媒を所望の温度にするために、排熱の回収だけでは不足する熱量を補助ボイラ3が補うため、排熱を効率的に利用することができ、省エネルギー性をより向上できる。ただし、排熱源が常に十分な熱量を有している場合などには、補助ボイラ3は備えていなくてもよい。また、本実施形態では、補助加熱器として補助ボイラ3を備えているが、補助加熱器として、ヒータや熱交換により熱媒の加熱を行うような様々な補助加熱器を用いることもできる。
【0036】
また、本実施形態では、制御部15が、熱媒温度センサ13で検出した温度に応じて排熱回収器1の流路切換機構を制御しているが、排熱回収器1内に流路切換機構の制御部や温度センサなどを設け、制御部15からの冷房運転と暖房運転を識別する運転指令信号を受け、流路切換機構を制御することもできる。さらに、本実施形態では、熱媒及び冷媒に水を用いているが、熱媒及び冷媒は水に限らず様々な流体を用いることができる。
【0037】
また、本実施形態では、熱媒温度調整手段として流路切換機構を有する排熱回収器1などを用いているが、熱媒温度調整手段は、熱媒の温度を調整できれば様々な構成にすることができる。例えば、排熱回収器を熱媒温度調整手段とせず、往き側熱媒管路7aに大気などへ熱媒の熱を放熱する機器を備え、これにより熱媒の温度を調整する構成などにすることもできる。
【0038】
また、本実施形態では、排熱はエンジン21からの排ガスから回収し、室内機として室内機19を備えた構成の空気調和装置を例示している。しかし、本発明は、本実施形態の構成に限らず、様々な構成の空気調和装置、例えば、様々な排熱源を利用し、様々な構成の室内機などを備える空気調和装置に適用できる。排熱源としては、例えば、燃料電池、工業排熱、地熱、温泉などからの様々な排熱を利用できる。さらに、排熱は、排ガスに限らず、例えば、エンジンの冷却水などからも回収できる。
(第2の実施形態)
本発明を適用してなる空気調和装置の第2の実施形態について図4を参照して説明する。図4は、本発明を適用してなる空気調和装置の第2の実施形態の概略構成と動作を示す図である。なお、本実施形態では、第1の実施形態と同一のものには同じ符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と相違する構成及び特徴部などについて説明する。
【0039】
本実施形態が第1の実施形態と相違する点は、冷媒である水の温度を検出する冷水温度センサ67、熱媒が排熱回収器1を通らずに循環できるように配管された過熱防止管路73、図示しない制御部からの信号により熱媒を過熱防止管路73に通流させる熱媒過熱防止三方弁75などを設けた点である。
【0040】
本実施形態の空気調和装置は、図4に示すように、排熱回収器1、補助ボイラ3、吸収式冷凍機5、熱媒管路7、冷暖房切り換え三方弁9a、往き側バイパス管路11a、帰り側バイパス管路11b、熱媒温度センサ13、冷温水管路17、室内機19、熱媒用ポンプ37、冷水用ポンプ39、冷水温度センサ67、過熱防止管路73、そして熱媒過熱防止三方弁75などで構成されている。
【0041】
排熱回収器1は、図示しない排熱源、例えば、エンジンなどから供給された排ガスの熱を、熱媒管路7内を通流する熱媒である水に熱交換部25で回収する。補助ボイラ3は、例えば、図示しないバーナを備えており、このバーナの燃焼により熱媒を加熱する。吸収式冷凍機5は、熱媒の熱で吸収液を加熱する再生器69と、気化熱を利用して冷媒を冷却する蒸発器71とを有する熱媒駆動型の吸収式冷凍機である。なお、吸収式冷凍機5は、第1の実施形態と同様に冷却水管路を循環する冷却水を冷却するための冷却塔を備えているが、図4では省略している。
【0042】
熱媒管路7は、排熱回収器1から補助ボイラ3を介して吸収式冷凍機5に向かって熱媒が通流する往き側熱媒管路7aと、吸収式冷凍機5から排熱回収器1に向かって熱媒が通流する帰り側熱媒管路7bとからなり、往き側熱媒管路7aに排熱回収器1により加熱された熱媒を更に加熱する補助ボイラ3と、この補助ボイラ3の下流側に熱媒を循環させる熱媒用ポンプ37とが設けられている。また、熱媒の温度を検出する熱媒温度センサ13は、補助ボイラ3と熱媒用ポンプ37の間の往き側熱媒管路7aに設けられている。更に、熱媒管路7には、熱媒が排熱回収器1を通らずに循環できるように配管された過熱防止管路73が設けられている。過熱防止管路73は、帰り側熱媒管路7bから分岐し、排熱回収器1と補助ボイラ3の間の往き側熱媒管路7aに設けられた熱媒過熱防止三方弁75で往き側熱媒管路7aに合流している。
【0043】
冷温水管路17は、室内機19に向かって吸収式冷凍機5から冷媒としての水、または、往き側バイパス管路11aから供給される熱媒としての水が通流する往き側冷温水管路17aと、室内機19から吸収式冷凍機5方向に向かって冷媒としての水、または、熱媒としての水が通流する帰り側冷温水管路17bとからなり、往き側冷温水管路17aに冷媒である水の温度を検出する冷水温度センサ67が設けられ、帰り側冷温水管路17bに冷媒である水を循環させる冷水用ポンプ39が設けられている。
【0044】
往き側熱媒管路7aを通流する熱媒を往き側冷温水管路17aに流す往き側バイパス管路11aは、熱媒用ポンプ37と吸収式冷凍機5の間の往き側熱媒管路7aに設けられた冷暖房切り換え三方弁9aで往き側熱媒管路7aから分岐し、冷水温度センサ67と室内機19との間の往き側冷温水管路17aの部分に合流するように配管されている。帰り側冷温水管路17bを通流する熱媒を帰り側熱媒管路7bに流す帰り側バイパス管路11bは、冷水用ポンプ39と室内機19の間の帰り側冷温水管路17bで帰り側冷温水管路17bから分岐し、帰り側熱媒管路7aの、吸収式冷凍機5と過熱防止管路73の分岐する点との間の部分に合流するように配管されている。
【0045】
本実施形態の空気調和装置の図示しない制御部は、熱媒温度センサ13で検出した熱媒の温度が、設定された温度以上になると、熱媒が過熱防止管路73に流れるように熱媒過熱防止三方弁75を切り換えて、熱媒の加熱を停止することができる。
【0046】
このような構成の空気調和装置では、空調要求があり、例えば、図示しない運転切り換えスイッチにより冷房運転が選択されると、図示しない制御部は、熱媒及び冷媒である水が、各々吸収式冷凍機5を通って熱媒管路11及び冷温水管路17を循環するように冷暖房切り換え三方弁9aを切り換える。そして、往き側熱媒管路7aに設けられた熱媒用ポンプ37、帰り側冷温水管路17bに設けられた冷水用ポンプ39、図示していない冷却塔の冷却ファン、冷却水管路に設けられた冷却水用ポンプなどを作動させる。これにより、熱媒用ポンプ37により吐出された熱媒が、熱媒管路11を通流して、冷暖房切り換え三方弁9a、吸収式冷凍器5の再生器69、排熱回収器1、熱媒過熱防止三方弁75、補助ボイラ3、熱媒温度センサ13、熱媒用ポンプ37を循環する。熱媒管路7を循環する熱媒が、排熱回収器1で排熱を回収する。この排熱を回収する排熱回収器1で加熱された熱媒の熱により吸収式冷凍機5は、冷温水管路17を通流する冷媒である水を冷却する。冷水用ポンプ39により吐出された冷媒である水が、吸収式冷凍機5の蒸発器71に供給され冷却される。この吸収式冷凍機5で冷却された水が、冷温水管路17を通流して、冷水温度センサ67、室内機19、冷水用ポンプ39を循環する。冷温水管路17を循環する冷媒である水が室内機19に通流することにより室内機19から冷風が送出される。
【0047】
一方、空調要求があり、図示しない運転切り換えスイッチにより暖房運転が選択されると、図示しない制御部は、往き側熱媒管路7aを通流する熱媒が、往き側バイパス管路11aを通って往き側冷温水管路17aに流れるように冷暖房切り換え三方弁9aを切り換える。そして、図示しない制御部は、往き側熱媒管路7aに設けられた熱媒用ポンプ37のみを作動させ、帰り側冷温水管路17bに設けられた冷水用ポンプ39、図示しない冷却塔の冷却ファン、冷却水管路に設けられた冷却水用ポンプなどを停止する。これにより、熱媒用ポンプ37が吐出した熱媒は、吸収式冷凍機5に供給されず、冷暖房切り換え三方弁9aから往き側バイパス管路11aに供給され、往き側バイパス管路11a、帰り側バイパス管路11bを介して、排熱回収器1、熱媒過熱防止三方弁75、補助ボイラ3、熱媒温度センサ13、熱媒用ポンプ37、冷暖房切り替え三方弁9a、室内機19の順で循環するようになり、熱媒が室内機19に通流されることにより室内機19から温風が吹出される。
【0048】
このように、本実施形態の空気調和装置は、暖房時に熱媒が往き側バイパス管路11aに通流するように冷暖房切り換え三方弁9aを切り換えることにより、熱媒を室内機19に直接供給して暖房運転を行うことができる。このとき、省エネルギー向上のため、吸収冷凍機5や吸収式冷凍機5の動作に関わる機器類、例えば、冷水用ポンプ39などを停止する。このため、暖房運転時には、帰り側冷温水管路17bの帰り側バイパス管路11bとの分岐点から、往き側冷温水管路17aの往き側バイパス管路11aとの合流点までの吸収式冷凍機5側の冷温水管路17の内部の冷水が死水、つまり、ほとんど流動しない状態となる。同様に、往き側熱媒管路7aに設けられた冷暖房切り換え三方弁9aから、帰り側熱媒管路7bの帰り側バイパス管路11bとの合流点までの吸収式冷凍機5側の熱媒管路7の内部の熱媒である水が死水となる。死水は、周囲の気温が低下すると、凍結することがあり、この凍結により空気調和装置が破損する場合がある。
【0049】
特に、暖房運転停止後は、暖房運転中に加熱された水が通流していた管路に比べ、加熱された水がほとんど通流しなかった管路、つまり、帰り側冷温水管路17bと帰り側バイパス管路11bとの分岐点から吸収式冷凍機5までの帰り側冷温水管路17b、蒸発器71内の冷水の流路、吸収式冷凍機5から往き側冷温水管路17aと往き側バイパス管路11aとの合流点までの往き側冷温水管路17a、冷暖房切り換え三方弁9aから吸収式冷凍機5までの往き側熱媒管路7a、再生器69内の熱媒の流路、および、吸収式冷凍機5から帰り側熱媒管路7bと帰り側バイパス管路11bとの合流点までの熱媒管路7aの内部の死水の温度は、他の部分の水に比べて低い。このため、周囲の気温が低下した場合、死水は、他の管路内の水に比べ凍結しやすい。
【0050】
これに対し、本実施形態の空気調和装置では、往き側冷温水管路17aに設けられた冷水温度センサ67が死水である水の温度を検出して、この冷水温度センサ67が検出した水の温度が予め設定した温度、例えば、1℃以下になったら、暖房運転から冷房運転に切り換えて死水をなくして、死水の凍結による空気調和装置の破損を防止する。つまり、冷水温度センサ67が検出した水の温度が予め設定した温度以下になったら、冷暖房切り換え三方弁9aを切り換えて、往き側バイパス管路11aに供給されていた熱媒を再生器69に供給するとともに、冷水用ポンプ39を運転して、水を蒸発器71に供給する。このようにすることで、帰り側冷温水管路17bと帰り側バイパス管路11bとの分岐点から吸収式冷凍機5までの帰り側冷温水管路17b、蒸発器71および吸収式冷凍機5から往き側冷温水管路17aと往き側バイパス管路11aとの合流点まで往き側冷温水管路17aの内部の水と、冷暖房切り換え三方弁9aから吸収式冷凍機5までの往き側熱媒管路7a、再生器69および吸収式冷凍機5から帰り側熱媒管路7bと帰り側バイパス管路11bとの合流点までの帰り側熱媒管路7bの内部の熱媒である水とが、流水となり死水ではなくなる。また、熱媒用ポンプ37および冷水用ポンプ39の運転により、熱媒管路7内の熱媒と、冷温水管路11内の水とが流動して、水の温度が上昇し、冷水温度センサ67の検出する水の温度が、予め設定した温度より高くなれば、空気調和装置の冷暖房切り換え三方弁9aを切り換えて、冷房運転から暖房運転に戻す。これにより、熱媒管路7、冷温水管路11および吸収式冷凍機5内の水の凍結を防止して、空気調和装置の破損を防ぐことができる。
【0051】
また、空気調和装置の運転停止中に、水の凍結を防止するため熱媒用ポンプ37および冷水用ポンプ39を駆動させた場合、これら熱媒用ポンプ37および冷水用ポンプ39の駆動により、水の温度が上昇して、冷水温度センサ67の検出値が予め設定した温度より高くなれば、熱媒用ポンプ37および冷水用ポンプ39を停止して、空気調和装置の省エネルギー性を維持することもできる。仮に、熱媒用ポンプ37および冷水用ポンプ39の駆動させたにもかかわらず、水の温度が上昇しない場合、水の凍結防止のため、熱媒用ポンプ37および冷水用ポンプ39を駆動させ続けることもできる。
【0052】
このように、暖房運転中に限らず、空気調和装置内部の水が、周囲の気温の低下などにより凍結する可能性があるときに、冷水温度センサ67により水の温度を検出して、その検出した温度により熱媒用ポンプ37および冷水用ポンプ39を駆動させて、空気調和装置内の水の凍結を防止して、空気調和装置の破損を防ぐこともできる。このように、熱媒用ポンプ37および冷水用ポンプ39を運転することで、空気調和装置の水を流動させて、凍結を防止するため、ヒータ等で加熱することなく、水の凍結を防止することができる。
【0053】
また、図示しない制御部は、水の凍結防止を行う制御以外、第1の実施形態の制御部と同一の制御を行うことができる。また、第1の実施形態の空気調和装置では、2つの冷暖房切り換え三方弁9a、9bが設けられているが、第2の実施形態の空気調和装置のように、少なくとも1つの冷暖房切り換え三方弁9aが、熱媒用ポンプ37と吸収式冷凍機5の間の往き側熱媒管路7aにあればよい。
【0054】
また、本発明の凍結防止機能を有する空気調和装置の熱媒温度調整手段は、図4に示すような、第2の実施形態の空気調和装置における熱媒温度調整手段の構成に限らず、例えば、第1の実施形態の空気調和装置の熱媒温度調整手段とすることもできる。
【0055】
また、本発明の凍結防止機能を有する空気調和装置は、第2の実施形態の空気調和装置の構成に限らず、例えば、第1の実施形態の空気調和装置において、冷水温度センサを設け、この冷水温度センサが検出した水の温度に応じて、熱媒の温度調整を行うとともに、水の凍結防止のために温度検出も行うことにより、熱媒の加熱制御用の温度センサ、つまり冷水温度センサを用いて、死水の凍結を防止することができる。
【0056】
冷水温度センサ67は、死水が発生する帰り側冷温水管路17bと帰り側バイパス管路11bとの分岐点から吸収式冷凍機5までの帰り側冷温水管路17b、または、吸収式冷凍機5から往き側冷温水管路17aと往き側バイパス管路11aとの合流点までの往き側冷温水管路17aに設けられているのが好ましい。このようにすると、室内機19に供給する冷水の温度を制御するために、冷水温度センサ67が設けられている場合、新たに凍結防止用の温度センサを設けることなく、水の温度を検出して、熱媒用ポンプ37および冷水用ポンプ39を運転することで、空気調和装置の水の凍結を防止することができる。
【0057】
また、空気調和装置の運転条件などにより、熱媒用ポンプ37と冷水用ポンプのどちらか一方のポンプを駆動させるだけで、水の凍結を防止できる場合は、どちらか一方のポンプを駆動させればよく、必ずしも熱媒用ポンプ37と冷水用ポンプ39の両方を駆動させる必要はない。更に、冷水温度センサ67の検出値にかかわらず、一定周期で、熱媒用ポンプ37と冷水用ポンプ39を駆動させることもできる。これにより、冷水温度センサ67が検出できない場所の死水の温度が、冷水温度センサ67が検出した温度よりも低下して、熱媒用ポンプ37と冷水用ポンプ39を駆動させる前に、冷水温度センサ67が検出できない場所の死水が凍結するのを防ぐこともできる。
【0058】
また、バイパス管路11に流量調整弁を設け、往き側バイパス管路11a、帰り側バイパス管路11bを通流する熱媒の流量を調節することもできる。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、空気調和装置の省エネルギー性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる空気調和装置の第1の実施形態の概略構成と動作を示す図である。
【図2】冷房時の排熱回収器と補助加熱器の動作を示す図である。
【図3】暖房時の排熱回収器と補助加熱器の動作を示す図である。
【図4】本発明を適用してなる空気調和装置の第2の実施形態の概略構成と動作を示す図である。
【符号の説明】
1 排熱回収器
3 補助ボイラ
5 吸収式冷凍機
7 熱媒管路
7a 往き側熱媒管路
7b 帰り側熱媒管路
9a、9b 冷暖房切り換え三方弁
11 バイパス管路
11a 往き側バイパス管路
11b 帰り側バイパス管路
13 熱媒温度センサ
15 制御部
17 冷温水管路
17a 往き側冷温水管路
17b 帰り側冷温水管路
19 室内機

Claims (1)

  1. 排熱源からの排熱により熱媒を加熱するに熱交換器を備えた排熱回収器と、
    該排熱回収器で加熱された熱媒を熱源とする吸収式冷凍機と、
    該吸収冷凍機に接続された室内機と、
    前記吸収式冷凍機と前記排熱回収器の熱交換器との間で前記熱媒を循環する往き側及び帰り側の熱媒管路と、
    前記吸収冷凍機と前記室内機との間で冷水又は温水を循環する往き側及び帰り側の冷温水管路と、
    前記吸収冷凍機をバイパスして前記往き側熱媒管路と前記帰り側熱媒管路をそれぞれ前記往き側冷温水管路と前記帰り側冷温水管路に接続する往き側及び帰り側のバイパス管路と、
    前記往き側熱媒管路を前記往き側バイパス管路に接続する分岐部に設けられた冷暖房切り換え弁と、
    前記冷暖房切り換え弁の前記往き側熱媒管路側の上流側の熱媒の温度を検出する温度センサと、
    該温度センサの検出温度に基づいて前記排熱回収器を制御して熱媒の温度を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記冷暖房切り換え弁を切り換えて前記熱媒が前記吸収式冷凍機へ通流するとき、前記熱媒の検出温度が第1の温度範囲の最高温度で前記熱媒の加熱を停止し、最低温度で前記熱媒の加熱を開始し、前記冷暖房切り換え弁を切り換えて前記熱媒が前記バイパス管路へ通流するとき、前記熱媒の検出温度が第1の温度範囲よりも低い第2の温度範囲の最高温度で前記熱媒の加熱を停止し、最低温度で前記熱媒の加熱を開始するように構成されてなる空気調和装置。
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