JP3931209B2 - 加圧成形品の成形装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は加圧成形品の成形装置およびその成形方法に関し、例えば建築資材に使用する屋根瓦、外壁パネル、内壁パネル等、また土木資材に使用するセメントモルタル成形品やセラミック製品等を加圧成形するのに最適に使用される。
【0002】
【従来の技術】
従来、セメントモルタルを原料として加圧成形するためのセメントモルタル成形品の成形装置には、例えば図14に示すような上型aと下型bとよりなる上下の金型Kの一方、例えば上型aの成形面cに多数の通孔dを設け、この通孔dを装置外に設けた吸引手段としての真空ポンプP′と接続し、上型aの周囲に型枠fを上下方向に移動自在に設けた構造の発明がある。
そして真空ポンプP′に通じた通孔dを介して上型aと下型bとによるセメントモルタルの原料Gの加圧成形時に搾水を行ったり、または加圧成形後にセメントモルタル成形品A′を型枠fにより周囲を囲んだ状態で上型aに吸着して略水平方向に移動して運搬をしていた。
【0003】
また図15に示すものは上型aの成形面a1 に縦横に突条部gを設けるとともに型枠fを下型bの周囲に上下方向に移動可能に設けることにより、上型aと下型bとの加圧により成形されるセメントモルタル成形品A″の表面に凹条溝hを縦横に配したタイル模様等の複雑な模様を形成した建築資材としての外壁パネル等を加圧成形しようとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上型と下型とを備えたセメントモルタル成形品の成形装置は、原料の加圧成形時に搾水のため、吸引する水の排水経路を何処に設けるか、また原料内に含まれる空気の流通とその排気経路を何処に設けるか、さらには如何様に設けるかという問題がある。
【0005】
そして図14に示す上記構造のセメントモルタル成形品の成形装置は、上型aと下型bとによる加圧成形時に、原料Gに対する搾水を上型aを通じて行うことと、セメントモルタル成形品A′を上型aに吸着して運搬することと、上型aの周囲に型枠fを上下方向に移動自在に設けなかればならないという構造上の制約があるものであることの要請に答えなければなず、これらの問題を克服しなければならないので、金型の構造が複雑になり、金型全体が大型化し、しかも部品点数が増えて容易に金型を製作することができなかったり、また製作には高度の専門知識を要し、製作コストも高価になっていた。
【0006】
また図15に示すような複雑な形状のセメントモルタル成形品として、例えば上型aの成形面a1 に突条部gを縦横に設けることにより、製品としてのセメントモルタル成形品A″の表面に凹条溝hを縦横に配置したタイル模様のようなセメントモルタル成形品A″等の加圧成形品を成形することは容易ではなかった。すなわち、大気中で上型aおよび下型bにより加圧成形を行おうとすると、金型K内に部分的に空気が圧縮した状態で残留するので、セメントモルタル成形品A″は残留空気による気泡により所定形状に加圧成形できないとともに表面も綺麗な仕上りには成形できなかった。
また上型aおよび下型bと、型枠fとにより囲んで金型Kの内部を真空状態にして原料Gを加圧成形すれば成形できると考えられるが、一端、加圧成形過程に入ると、真空ポンプP′による吸引によって原料としてのセメントモルタル成形品A″が加圧時に多数の通孔d内に侵入するので、成形が困難であった。
特に図には示さないが、仮に下型bに吸引のための通孔dを設けることによって上型aとの加圧成形を真空状態下で行おうとすると、下型b上に原料Gが載置されて上型aと下型bとの加圧力が作用するので、通孔d内への原料Gの目詰まりが甚だしくなり、真空ポンプP′による真空吸引は困難になる。
また図15に示すように、上型aの下面に多数の通孔dを設けた構造の成形装置を使用してセメントモルタル成形品A″を上型aと下型bとの加圧によって真空状態下で加圧成形する場合に、上型aの下面の成形面a1 に縦横に交叉する突条部gを設けて加圧成形品A″の表面に凹条溝hを形成するのに原料Gを下型bの上面に投入すると、既に原料Gの下面には空気が閉じ込められた状態で上型aと下型bとにより原料Gは加圧されて圧縮されることになる。従って、凹条溝hが表面から深く形成される場合に、加圧成形品A″の表面には閉じ込められた空気により多数の気泡が露出することになる。このため、加圧成形品A″はカケが生ずる等、所定形状に成形できなかったり、表面が綺麗な仕上がりに成形されるのは困難であり、しかも引張強度および圧縮強度も低く、構造的に脆弱であり、製品の歩留りが良くなかった。
【0007】
そこで本発明は、原料を上型および下型と、上型または下型の周囲に設けた型枠とで囲まれる成形空間部内に原料を投入して下型上に載置されると、型枠の移動によって成形空間部を閉鎖すると同時に型枠内に設けた真空吸引用の孔部を成形空間部内に開口して吸引手段により内部空気を吸引し、排気することにより成形空間部内を真空状態する。そして上型と下型による加圧成形時に上型または下型により孔部が閉ざされることにより、原料の孔部への侵入を防いで上型と下型との加圧によって加圧成形品を成形することを特徴とする。
【0008】
そして本発明は、構造が簡素化されて部品点数が少なく製作が容易で金型全体が小型化し、また製作コストが安価であり、しかもタイル模様等の複雑な形状の加圧成形品を表面が綺麗な仕上がりにて引張強度および圧縮強度等が高く、歩留りの良い製品を加圧成形するのに最適な加圧成形品および成形方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は上記課題を解決するために、上型または下型の一方が他方に対向して移動可能に設けられ該上型または該下型の何れかの周囲に移動可能に設けた型枠と、前記上型と、前記下型とにより囲まれる成形空間部内に原料を投入して加圧成形する加圧成形品の成形装置において、前記型枠には前記上型または前記下型との何れか他方に衝合可能に設けられる衝合部と前記成形空間部と吸引手段とを接続可能になす孔部とが濾過部品を介して設けられ、該孔部は前記型枠内に横長にわたって穿設されるとともに、該孔部の前記上型または前記下型に対する摺動面に、該上型または該下型の移動方向に沿って前記型枠が前記上型または前記下型に衝合する開始時に前記成形空間部内にまれることにより該成形空間部と前記吸引手段とを前記孔部を通じて連通可能にするとともに原料の加圧成形時には前記下型または前記上型の側面により閉止可能となる縦状の開口部が設けられ、前記衝合部が前記上型または前記下型に衝合して密閉の上、前記成形空間部内の空気を吸引し、排気後に上型および下型にて加圧成形品内に含まれている残留空気を除き、加圧成形することを特徴とするという手段を採用した。
【0010】
そして、原料の成形時に、型枠を上型または下型に対して移動させてその衝合部を上型または下型に対して衝合させることにより成形空間部内を密閉する。そして型枠に設けた孔部から成形空間部内の空気を吸引手段により吸引して排気した後に、上型または下型の一方を他方に対して対向する方向に移動し、成形空間部内に投入した原料を上型および下型により加圧し、成形する。
【0011】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記上型の下面または前記下型の上面、もしくは前記上型の下面および前記下型の上面に離型ガスを噴出可能な所望数個のガス噴射手段を設け、該ガス噴射手段は、前記上型の下面または前記下型の上面に設けた通気孔を閉止可能になるとともに該通気孔に対して略直交して設けられる連通孔を開閉可能に昇降する小径ピストン部と、該小径ピストン部に同軸に形成された大径ピストン部とを有するピストン体と、該ピストン体を昇降可能に収容するシリンダとにより形成されることを特徴としたという手段を採用した。
【0012】
【作用】
上型および下型と、該上型または下型に移動可能に設けた型枠とにより囲まれる成形空間部内に原料を投入する。
そして型枠を上型または下型に対して移動させてその衝合部を上型または下型に対して衝合させることにより成形空間部内を密閉する。そして型枠に設けた孔部から成形空間部内の空気を吸引手段により吸引して排気した後に、上型または下型の一方を他方に対して対向する方向に移動し、成形空間部内に投入した原料を上型および下型により加圧し、成形する。その後、上型または下型に対して衝合していた型枠を旧位に移動させてから、加圧成形品を上型に吸着させたまま所望個所に運搬し、離型を行うことにより加圧成形品を成形する。
【0013】
【実施例】
以下、図1乃至図7に従って本発明の一実施例を説明する。
1は上型であり、この上型1は図2に示すように高圧のプレス用のシリンダC内を昇降自在になるピストンIの下端に設けた上型取付板1Aの下面に取付けられることにより後記下型10に対して対向して移動可能になる。

【0014】
2は上型1の下面の成形面1aに縦横に交叉して設けた突条部であり、この突条部2は後記加圧成形品Aの表面に縦横に配設されるタイル模様の目地凹部等に相当する凹条溝3を加圧することにより形成するためのものである。
前記成形面1aは図示では凹所として形成されるが、図には示さないが全面が平坦に形成される場合もある。しかも加圧成形品Aの表面に凹条溝3を形成しない場合には、成形面1aには前記突条部2を形成せずに平坦に形成することもある。
【0015】
4は前記上型1の内部に所望個数、図においては4個が設けられたガス噴射手段であり、このガス噴射手段4は縦横に交叉するように設けた前記突条部2の交叉個所に加圧成形品Aの離型時に、加圧成形品Aに対して離型ガスを噴出して離型を行うように設けた通気孔5を閉止可能にするとともに該通気孔5に対して略直交して上型1に設けた連通孔6を開閉可能に昇降する小径ピストン部7Aと、該小径ピストン部7Aに同軸に形成された大径ピストン部7Bとを設けたピストン体8と、該ピストン体8を昇降可能に収容するシリンダ9とにより形成される。
前記通気孔5から噴出される離型ガスとしては、例えば圧縮空気が使用される。
またこの通気孔5からは、前述のように加圧成形品Aの離型時に離型ガスを噴出して離型を行うほか、上型1に対して型枠12の衝合部13が衝合して成形空間部17を密閉後に、必要に応じて後記吸引手段14により吸引し、排気するのと協同して成形空間部17内の空気を図示しない吸引手段によって吸引することも考えられる。
【0016】
10は前記上型1が対向して移動可能に設けられた下型であり、この下型10は例えば脚台11上に固定され、前記上型1よりも平面の大きさが小さく形成される。
【0017】
12は前記下型10の周囲に移動可能に設けられた型枠であり、この型枠12は全体が平面枠状に形成され、その上面内側部分には前記上型1が衝合可能となる衝合部13が設けられ、また上下方向の略中間部には後記成形空間部17と吸引手段14とを接続可能になす横長の孔部15とが設けられている。
【0018】
15aは前記孔部15の内側端に上型1の移動方向に沿って縦状に設けられた開口部であり、この開口部15aは図3に示すように前記型枠12が前記上型10に衝合する開始時には成形空間部17内に臨まれることにより、該成形空間部17と吸引手段14とを該孔部15を通じて連通可能になって成形空間部17内の内部空気を吸引手段14による吸引により排気するとともに図5に示すように原料Gの加圧成形時には前記下型10の側面により閉止可能になって原料Gの成形空間部17からの流出を阻止するのと、成形空間部17から空気を吸引し、排気するのとを停止する。
【0019】
16は前記開口部15aの前記孔部15に対する接続個所付近に必要に応じて設けられる濾過部品であり、この濾過部品16としては例えば濾過布と金網とを重合するもの等が使用される。
【0020】
前記吸引手段14としては、例えば真空ポンプPが使用される。
【0021】
17は前記上型1および前記下型10と、該上型1または該下型10の周囲に上下方向に移動可能に設けた型枠12とにより囲まれる成形空間部であり、この成形空間部17内に原料Gは投入される。
この原料Gとしては、セメントモルタル、無機乃至有機の、または金属等の各種繊維入りのセメントモルタル、石膏、プラスチックのように粘性のある塑性物、セラミック、または押出成形等により前成形された固化前のセメント、石膏、プラスチック等があげられる。
【0022】
18は前記型枠12を昇降するための駆動手段であり、この駆動手段18は前記型枠12が上端に設けられたピストン19と、該ピストン19が昇降可能に収容されるシリンダ20とから形成される。ピストン19を昇降するための圧力源としては油圧または空圧の何れによってもよい。
【0023】
21、22は前記型枠12の上面および内側に装着されたパッキンであり、型枠12の衝合部13の上型1に対する衝合時に、上型1と下型10と型枠12とにより囲まれる前記成形空間部17を気密にするためのものである。
【0024】
本発明の一実施例は以上の構成からなり、加圧成形品Aを成形する場合を作用とともに以下工程順に説明する。
先ず第1工程として上型1および下型10と、下型10の周囲に上下方向に移動可能に設けた型枠12とにより囲まれる成形空間部17内に原料Gを投入する(図1参照)。
この際、投入される原料Gとしては、セメントモルタル、無機乃至有機の、または金属等の各種繊維入りのセメントモルタル、石膏、プラスチックのように粘性のある塑性物、セラミック、または押出成形物等により前成形された固化前のセメント、石膏、プラスチック等があげられる。
【0025】
次いで駆動手段18のシリンダ20内に入口側ポートから油圧または空圧をかけてピストン19を上昇することにより、下型10の周囲に上下方向に移動可能に設けた型枠12を上方に移動させて型枠12の上面内側部分に設けた衝合部13を、上型1の下面に衝合させて上型1と下型10と型枠12とにより囲まれる成形空間部17内の気密性をはかる(図3参照)。
それから、真空ポンプP等の吸引手段14を駆動させると、上型1および下型10と、衝合部13が上型1の下面に衝合している型枠12とにより囲まれる成形空間部17内の内部空気は、成形空間部17内に臨まれるように下型10より上方に位置する開口部15aを内側端に設けた孔部15を通じて吸引手段14により吸引されるので、成形空間部17内は真空にされる。そして原料G内に含まれる空気も孔部15を通じて吸引され、外部に排気される。
また前述の吸引手段14により成形空間部17内の内部空気を吸引し、排気するのは、必要に応じてこれと協同してシリンダ9内に油圧または空圧をかけてピストン体8を駆動させることにより小径ピストン部7Aを通気孔5から連通孔6まで引き上げて図には示さない吸引手段により成形空間部17内の内部空気を吸引して排気すれば、排気操作を効率的に行なえる。
この際、型枠12の上面にはパッキン21が装着されて上型1に密接するとともに型枠12の内側下方に装着されたパッキン22が下型10の外周に密接するので、成形空間部17内は高度に気密がはかられる。
【0026】
その後、図2示す高圧用のシリンダC内に油圧が圧入され、その下面に型枠12の衝合部13が衝合されている上型1が、下型10に対して降下することにより型枠12を駆動手段18のシリンダ20の押上力に抗して僅かに押下げるので、成形空間部17内に臨まれていた孔部15の縦状の開口部15aは、下型10の側面により閉塞される(図4参照)。この結果、加圧による成形空間部17からの原料Gの外部への流出は阻止されるとともに吸引手段14の吸引による型枠12の孔部15への侵入は阻止される。
【0027】
さらに高圧用のシリンダCが駆動し続けてピストンIが僅かに伸長することにより上型1が図4に示す位置よりも僅かに降下するので、成形空間部17内に投入されている原料Gは上型1と下型10とにより加圧成形される(図5参照)。
この時、上型1と下型10との加圧力が、型枠12に対して側圧として大きく働かないようにするために、下型10の上面に略一致する高さに型枠12の衝合面が位置するように設計することにより、金型自体の剛性を極度に高く製作する必要はなくなる。
そして、上型1の下面の成形面1aには縦横に交叉する突条部2が形成されているので、原料Gは上型1と下型10との加圧によって加圧成形品Aの表面には目地凹部に相当する凹条溝3が縦横に成形され、タイル模様のような複雑な模様が形成される。
この際、成形空間部17内は内部空気が吸引手段14によって完全に吸引されて真空状態にされ、しかも加圧成形品A内に含まれている空気も吸引手段14によって充分に吸引されて除かれるので、上型1と下型10との加圧により凹条溝3が深い場合にも残留空気が存在することによって気泡を生じて表面が荒れることなく綺麗な仕上がり面にてカケがなく所定形状の加圧成形品Aを加圧成形できるとともに加圧成形品Aは引張強度および圧縮強度が高く成形される。
【0028】
その後、駆動手段18のシリンダ20から出口側ポートから油圧や空圧が抜かれてシリンダ20に対してピストン19が縮むと、上昇していた型枠12は下型10に対して降下する。
それから、シリンダC内のピストンIが駆動して縮むと、下型10に対して上型1が加圧成形品Aを成形面1aに吸着したまま上昇する(図6参照)。
この際、加圧成形品Aが上型1の成形面1aに吸着しているのは、上型1と下型10とで加圧成形品Aを加圧成形する時の付着力と、吸引手段14による真空吸引力が凹所形状の上型1の成形面1aにおける加圧成形品Aの背面側に作用しているからである。
次いで図2の水平移動用のピストンI′が駆動して縮むと、加圧成形品Aを成形面1aに吸着したまま上型1は矢印イに示すように水平方向に受台Wまで移動する。
【0029】
そして受台Wまで加圧成形品Aが移動されて運搬されると、上型1内に所望個数、図では4個設けられたガス噴射手段4のピストン体8が、上昇して上型1の成形面1aに設けた通気孔5が小径ピストン部7Aの閉塞から解放されるので、連通孔6を経て離型ガスが、通気孔5から噴出される。
従って、上型1の成形面1aに吸着されている加圧成形品Aは、離型ガスの圧力を受けて上型1から離型され、受台W上に速やかに載置される。この際、ガス噴射手段4の通気孔5から離型ガスを噴出することにより加圧成形品Aは型離れが良く、カケがなく綺麗な表面の仕上がりにより容易に離型される。
また受台Wは、ピストンI″が伸びることにより図2に示すように、上昇位置に位置して加圧成形品Aの受渡しを容易になしている。
このようにして加圧成形品Aは加圧成形される。
【0030】
また上記操作を経て成形される加圧成形品Aの厚みtは、上型1の成形面1a等の凹所形状の深さを深くするほか、上型1に対する型枠12の駆動手段18による上下方向の移動ストロークと、型枠12内に設けた孔部15の内側端面に設けた開口部15aの衝合部13からの開口度合を長短加減することによっても厚薄を調整できる。
【0031】
図8乃至図13に示すものは本発明の第2実施例であり、この実施例においては前記実施例とは異なり、上型1のみならずに下型10に所望数個のガス噴射手段4′をガス噴射手段4と略対向して設けた構成を採用している。
この実施例に使用するガス噴射手段4′は、前記第1実施例のガス噴射手段4と同様、下型10の上面に設けた通気孔5′と閉止可能となるとともに該通気孔孔5′に対して略直交して下型10に設けられる連通孔6′を閉止可能に昇降する小径ピストン部7′Aと、該小径ピストン部7′Aに同軸に形成された大径ピストン部7′Bとによりなるピストン体8′と、該ピストン体8′を昇降可能に収容するシリンダ9′とにより形成される。
【0032】
そして、上型1と、下型10と、型枠12とによって形成される成形空間部17内に投入した原料Gから前記実施例と同様操作によって成形空間部17内に存在する内部空気を吸引手段14により吸引する(図9参照)。それから図11に示すように上型1および下型10と、下型10の周囲に上型1に対して上方へ移動して衝合部13を衝合させて加圧した後に、図12に示すように上型1が上昇して下型10から加圧成形品Aを離型する際に、ガス噴射手段4′のピストン体8′を駆動して小径ピストン部7′Aを通気孔5′から噴出して加圧成形品Aをカケや型くずれがなく容易且つ確実に下型10から離型して上型1に吸着して運搬するようになすものであり、そのほかの構成、作用は前記実施例と同様である。
【0033】
なお図示する上記各実施例においては、上型1が下型10に対向して移動可能になる下型10の周囲に、上型1の下面に衝合可能な衝合部13を有する型枠12を昇降可能に設けたことにより、上型1と、下型10と、型枠12とより囲まれる成形空間部17を形成して加圧成形品Aを成形するようにしているが、本発明は図示するものに限ることなく下型10に対して移動可能に設けられるか、または固定的に設けられる上型1の周囲に下型10の上面に衝合可能な衝合部を有する型枠を下方向に移動可能に設けることにより、上型1と、下型10と、型枠12とにより形成される成形空間部17内に原料Gを投入し、成形空間部17内の内部空気を吸引し、排気した後に加圧成形して加圧成形品Aを成形することもできる。この際、上型1と下型10とにより加圧成形品Aを加圧成形後に、下型10から加圧成形品Aを離型したり、または上型1から受台W上に加圧成形品Aを離型し易くするために、型枠12を上型1に対して上下方向に移動したり、または型枠12の周囲から加圧成形品Aの上面または下面に離型用のガスを流入することにより、加圧成形品Aを下型10または上型1から離型し易くすることも考えられる。
また下型10または上型1の形状は、図示するものに限らず、例えば板状体等、設計変更は容易である。
【0034】
また前記各実施例においては、型枠12に設けた孔部15を通じて吸引手段14により成形空間部17内の内部空気を吸引し、排気をする場合を説明したが、原料Gの相違に応じて必要がある場合には、吸引、排気とともに原料Gからの搾水を同時に行ってもよい。
【0035】
また前記各実施例においては、上型1の下面に縦横に突条部2を設けるとともに下型10の表面を平坦面となして加圧成形品Aの表面にのみに縦横に目地部に相当する凹条溝3を成形してタイル模様等を成形しているが、下型10の上面にも縦横に突条部2を設ける等して加圧成形品Aの下面にも凹条溝等を形成することもできる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明は、金型の構造が簡素化されて部品点数が少なく製作が容易で金型全体が小型化して製作コストが安価になり、しかも金型の成形空間部内の空気を完全に吸引手段によって吸引して除去できるので、例えば加圧成形品内から残留空気を除去して建築資材に使用する屋根瓦のほか、外壁パネル、内壁パネル、タイル模様等の複雑な形状の加圧成形品、または土木資材に使用するセメンモルタル成形品やセラミック製品等を表面が綺麗な仕上がりにて引張強度および圧縮強度等が高い歩留まりの良い製品を加圧成形できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であり、成形空間部内に原料を供給した状態を示す断面図である。
【図2】同じく全体構成を示す断面図である。
【図3】同じく成形空間部内の空気を吸引手段によって吸引し、排気する状態を示す断面図である。
【図4】同じく加圧成形する直前を示す断面図である。
【図5】同じく加圧成形状態を示す断面図である。
【図6】同じく加圧成形品を上型に吸着して下型から離型した状態の断面図である。
【図7】加圧成形品を上型に吸着して所定個所まで運搬後、上型から離型して受台上に載置する状態を示す断面図である。
【図8】本発明の第2実施例であり、成形空間部内に原料を供給した状態を示す断面図である。
【図9】同じく成形空間部内の空気を吸引手段によって吸引、排気する状態を示す断面図である。
【図10】同じく加圧成形する直前を示す断面図である。
【図11】同じく加圧成形する状態を示す断面図である。
【図12】同じく加圧成形品を上型に吸着して下型から離型した状態を示す断面図である。
【図13】同じく加圧成形品を上型に吸着して所定個所まで運搬後に受台に載置する状態を示す断面図である。
【図14】従来のこの種、セメントモルタル成形装置を示す断面図である。
【図15】同じく表面に凹凸部を有する等の複雑な形状のセメントモルタル成形品を成形する場合の従来の一例を示す説明的な断面図である。
【符号の説明】
1 上型
2 突条部
3 凹条溝
4 ガス噴射手段
5 通気孔
6 連通孔
7A 小径ピストン部
7B 大径ピストン部
9 シリンダ
10 下型
12 型枠
13 衝合部
14 吸引手段
15 孔部
15a 開口部
17 成形空間部
A 加圧成形品
G 原料

Claims (2)

  1. 上型または下型の一方が他方に対向して移動可能に設けられ該上型または該下型の何れかの周囲に移動可能に設けた型枠と、前記上型と、前記下型とにより囲まれる成形空間部内に原料を投入して加圧成形する加圧成形品の成形装置において、前記型枠には前記上型または前記下型との何れか他方に衝合可能に設けられる衝合部と前記成形空間部と吸引手段とを接続可能になす孔部とが濾過部品を介して設けられ、該孔部は前記型枠内に横長にわたって穿設されるとともに、該孔部の前記上型または前記下型に対する摺動面に、該上型または該下型の移動方向に沿って前記型枠が前記上型または前記下型に衝合する開始時に前記成形空間部内にまれることにより該成形空間部と前記吸引手段とを前記孔部を通じて連通可能にするとともに原料の加圧成形時には前記下型または前記上型の側面により閉止可能となる縦状の開口部が設けられ、前記衝合部が前記上型または前記下型に衝合して密閉の上、前記成形空間部内の空気を吸引し、排気後に上型および下型にて加圧成形品内に含まれている残留空気を除き、加圧成形することを特徴とする加圧成形品の成形装置。
  2. 前記上型の下面または前記下型の上面、もしくは前記上型の下面および前記下型の上面に離型ガスを噴出可能な所望数個のガス噴射手段を設け、前記ガス噴射手段は、前記上型の下面または前記下型の上面に設けた通気孔を閉止可能になるとともに該通気孔に対して略直交して設けられる連通孔を開閉可能に昇降する小径ピストン部と、該小径ピストン部に同軸に形成された大径ピストン部とを有するピストン体と、該ピストン体を昇降可能に収容するシリンダとにより形成されることを特徴とした請求項1に記載の加圧成形品の成形装置。
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