JP4119493B2 - セメントモルタル成形品の成形装置およびその成形方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はセメントモルタル成形品の成形装置およびその成形方法に関し、例えば建築資材に使用する屋根瓦、外壁パネル、内壁パネルや土木資材に使用するセメントモルタル成形品を加圧成形するのに最適に使用される。
【0002】
【従来の技術】
従来、屋根瓦、建築の外壁パネル、内壁パネル等のセメントモルタル成形品を圧縮成形し、搾水する場合の成形装置には、例えば図4に示すものがあった。
すなわち、真空ポンプP′等の吸引手段に接続された複数の搾水孔9″を下型14に対向する上型1の下面の成形面1aに設け、且つプレス用の第1のシリンダ2によって下型14に対して上下方向に移動可能に設けられるとともに移送用の第2のシリンダ10によって水平方向に移動可能に設けた上型1と、前記下型14の外周に型枠用の第3のシリンダ16にて摺動可能に設けた型枠15とで金型を形成し、第4のシリンダ20によって移動可能になる原料投入板19を設けた構造である。
【0003】
そしてセメントモルタル成形品を加圧成形するのには、先ずシリンダ20を駆動して原料投入板19を可動することにより、前記下型14と、前記型枠15とで囲まれる成形空間部18内にセメントモルタルの原料Gを投入する。次いでプレス用のシリンダ2を駆動することにより上型1を下型14に対して下方向に移動し、成形空間部18内に投入された原料Gを加圧、成形する。この際、吸引手段によって下型14と、型枠15と、上型1とで囲まれる成形空間部18内を吸引し、減圧することにより真空状態にしながら原料Gを加圧し、搾水孔9″を通じて搾水をし、加圧成形品としてのセメントモルタル成形品A′を成形する。
【0004】
その後、プレス用の第1のシリンダ2を駆動することにより下型14に対して上型1を上昇し、次いでシリンダ16を駆動して型枠15を下型14に対して降下する。そして、移送用のシリンダ10を駆動することにより、吸引手段によってセメントモルタル成形品A′は上型1に吸引された状態で水平方向に移送され、その後受台12に載置されることにより、セメントモルタル成形品A′の運搬と離型とが行われる。
【0005】
図5に示すものは上型1の下方の成形面1aに凹凸部1bを設けることにより、上型1と下型14との加圧により成形されるセメントモルタル成形品A′が、表面にタイル模様等の複雑な模様を形成した建築資材としての外壁パネル等を加圧成形する場合である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら図4に示す上記従来のセメントモルタル成形品の成形装置においてセメントモルタル成形品A′を加圧成形する場合に、上型1と、下型14と、型枠15とで囲まれる成形空間部18内は、プレス用のシリンダ2による原料Gへの加圧の進行状態にかかわらず、上型1と、下型14とによって原料Gを加圧し、成形する当初から離型に到るまで、一様に吸引手段により減圧して高真空にされることにより原料Gから真空吸引孔5を通じて搾水を行うものである。
従って原料Gに水分が充分な量、含まれている加圧成形当初においては、一度に多量に吸引手段によって搾水が行われるが、ある程度の原料Gへの加圧が進行すると、それ以上、搾水は緩慢になり、その搾水量も少量になる。
しかもプレス用のシリンダ2は、上型1と下型14との加圧当初から加圧終わりまで、一様に高圧力で運転されることになり、不経済になっていた。
【0007】
また図4に示す上記成形装置は、セメントモルタル成形品A′が上型1と下型14とにより加圧成形されると、上型1と下型14との成形面1a,14aにセメントモルタルが付着し易いので、離型時にセメントモルタル成形品A′が上型1または下型14から容易且つ確実に離型されない。従ってセメントモルタル成形品A′は、綺麗な仕上がり面に形成されず、成形が困難であった。
【0008】
しかも、上型1と下型14とによる加圧時に、原料G中に含まれる空気が、セメントモルタル成形品A′内に残留するので、セメントモルタル成形品A′は構造的に脆弱であり、もろくカケ易いとともに綺麗な仕上面に製品は成形されなかった。
特にセメントモルタル成形品A′の表面に形成される模様が、建築資材に使用される外壁パネルのように、タイル模様等の複雑で緻密な模様である場合には、加圧時にセメントモルタル成形品A′の表面の凹凸部の内部に空気が残存し易くなり、タイル模様となるべき、表面の凹凸面が離型する際に、残留空気によりもろくカケたりして綺麗は仕上がり面のセメントモルタル成形品A′を成形することはできなかった。
【0009】
そこで本発明は、原料の搾水の実情を考慮して、その進行状況に伴って加圧を行うようになして全体的に搾水時間や脱気時間を短縮化し、経済的で効率的な加圧成形を行い、またセメントモルタル成形品の離型が容易且つ確実に行えるとともに内部に空気が残存せずに綺麗な仕上がり面にて構造堅牢に形成され、製品の歩留りを良くすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、一方が他方に対して対向して移動可能に設けた上型および下型と、該上型または下型の何れかの外周に摺動可能に設けた型枠と、で囲まれた原料の成形空間部を有する金型が設けられ、前記上型または下型の成形面の少なくとも一方に多数の通孔が設けられ、かつ、前記通孔が吸引手段に接続されたセメントモルタル成形品の成形装置において、
(イ)前記通孔を臨む上型または下型の成形面の全面に前記通孔を覆う脱水布と金網とを重合した通水・通気手段が設けられ、
(ロ)原料の加圧時に前記成形空間部の内圧力を検知する検知手段が設けられ、
(ハ)前記通孔を通じて前記吸引手段により吸引されて前記成形空間部内の内圧力が大気圧に近いか、または、低真空になっている搾水当初では、前記金型内の原料を大気圧により加圧し、そして、
(ニ)前記原料に対する搾水が進行して前記成形空間部の内圧力が高真空の所定圧になるのを前記検知手段が検知すると、該検知手段からの信号により、前記金型内の原料に対する加圧力を増強して前記大気圧より高くするように、制御しながら加圧成形する
ことを特徴とする。
【0011】
また本発明の請求項2の発明は、上型または下型の一方を他方に移動し、その後、前記上型または下型の何れかの外周に設けた型枠を摺動させて原料を金型の成形空間部内に投入することによりセメントモルタル成形品を加圧成形する方法において、
(a)原料の加圧時に、前記上型または前記下型の成形面の少なくとも一方に設けた多数の通孔を臨む前記上型または前記下型の成形面の全面に前記通孔を覆う脱水布と金網とを重合した通水・通気手段を介して吸引手段により前記成形空間部内を吸引しながら、前記成形空間部内の内圧力が大気圧に近いか、または、低真空になっている搾水当初では、前記金型内の原料を大気圧により加圧し、そして、
(b)前記原料に対する搾水が進行して前記成形空間部の内圧力が高真空の所定圧になるのを検知手段が検知すると、前記検知手段からの信号により、前記金型内の原料に対する加圧力を増強して前記大気圧より高くするように、制御しながらセメントモルタル成型品を加圧成形する、
ことを特徴とする。
【0012】
【作用】
上型と下型とによる原料の加圧成形時に、上型と、下型と、上型または下型の何れか一方に摺動可能な型枠とで囲まれる成形空間部の内圧力を少なくとも上型または下型の成形面の何れかに設けた通孔を介して減圧し、調整しながら検知手段により検知し、上型と下型とによる原料に対する加圧力を高低制御して加圧成形する。
【0013】
【実施例】
以下、図1乃至図3に従って本発明の一実施例を説明する。
1は上型であり、この上型1は高圧のプレス用のシリンダ2内を昇降自在になるピストン3の下端に設けた上型取付板4の下面に取付けられる。
【0014】
5は第1の真空吸引孔であり、この真空吸引孔5は上型1内に内部が連通するように設けられ、真空ポンプP1 のような吸引手段に接続される。
【0015】
6は上型1の下面に設けた第1の通水・通気手段であり、この通水・通気手段6は加圧、吸引時に原料Gとしてのセメントモルタルが流れ出すのを防止するためと、離型時にセメントモルタル成形品Aが容易且つ確実に上型1または下型14に付着することなく円滑に離型するためとから、脱水布7と、この脱水布7に重合される金網8とによって形成される。そしてこの通水・通気手段6は、上型1の下面の成形面1aに有した多数の第1の通孔9を介して前記真空吸引孔5に連通され、前記吸引手段により吸引される。
【0016】
10は前記上型取付板4にピストン11が接続された移送用のシリンダであり、このシリンダ10が駆動すると、上型1は略水平方向に移動自在になり、加圧成形後のセメントモルタル成形品Aを吸着しながら、受台12まで移動する。そしてこの受台12は受台用のシリンダ13によって昇降自在になる。
【0017】
14は前記上型1の下方に設けられた下型であり、この下型14の上面の成形面14aには多数の第2の通孔9′を介して第2の真空吸引孔5′に連通され、真空ポンプP2 のような吸引手段により吸引される。6′は前記通水・通気手段6と同様構造の第2の通水・通気手段であり、この通水・通気手段6′は通孔9′が臨まれる前記下型14の上面の成形面14aに取付けられる。
【0018】
15は下型14の外周に摺動自在に設けた型枠であり、この型枠15は型枠用のシリンダ16内に昇降自在に設けた型枠用のピストン17によって昇降自在になる。
【0019】
18は前記上型1と、前記下型14と、前記型枠15とで囲まれる成形空間部であり、この成形空間部18内に原料Gが投入されることにより、原料Gは上型1と下型14とで加圧成形されてセメントモルタル成形品Aが形成される。
【0020】
19は原料投入板であり、この原料投入板19はシリンダ20によって駆動され、前記成形空間部18内へ原料Gとしてのセメントモルタルを投入するためのものである。
【0021】
前記原料Gとしては、例えば屋根瓦、建築資材としての外壁パネル、内壁パネル、土木資材としてのブロックや基礎等の成形物を形成するためのセメントモルタルがあげられる。
【0022】
21はシリンダ2のピストン3を昇降動作させるための油圧回路であり、この油圧回路21はオイルタンク22から前記シリンダ2の入力側2a1 に接続される通路23に設けたパイロット弁24と、またオイルタンク22からシリンダ2の出力側2bに接続される通路25に設けた逆止弁26とにより形成される。
この油圧回路21はさらに前記シリンダ2の入力側2a2 と前記出力側2bとに接続される通路27,28に設けた切換弁29と、該切換弁29に接続されたポンプP3 と、ポンプP3 を駆動するためのモータMとから形成される。
30は前記切換弁29と前記ポンプP3 に接続されたオイルタンクである。
【0023】
Sは上型1と、下型14と、該下型14の外周に摺動可能に設けた型枠15とに囲まれた成形空間部18内の内圧力を検知するための検知手段としてのセンサーであり、このセンサーSは成形空間部18内に設けられ、搾水の進行状況に応じてプレス用のシリンダ2によるセメントモルタル成形品Aに対する加圧力を制御するために、例えばセンサーSからの信号によりモータMを駆動してポンプP3を回動し、前記切換弁29、通路27を経てオイルタンク30から前記シリンダ2の入力側2a2に油を送込むことにより油圧をかけてセメントモルタル成形品Aに加圧力をかけるようになっている。またセンサーSとしては圧力センサーが使用される。
【0024】
本発明の一実施例は以上の構成からなり、以下関連発明である方法発明の一例を作用とともに工程順に説明する。
先ず第1工程として下型14に対してその外周の型枠15を上昇させた状態で、シリンダ20を駆動することにより、原料Gとしてのセメントモルタルを下型14と型枠15とによる凹部内に投入する。
【0025】
次いでパイロット弁24が開かれてオイルタンク22から油をプレス用のシリンダ2の入力側2a1 に移送することにより、シリンダ2を駆動して上型1を下型14に対して降下し、上型1と、下型14と、該下型14の外周に摺動可能に設けた型枠15とにより原料Gが圧縮されるような成形空間部18を形成する。
【0026】
而して真空ポンプP1 ,P2 を駆動し、上型1の下面および下型14の上面に設けた第1、第2の通水・通気手段6,6′の脱水布7と金網8、さらには上型1の下面および下型14の上面に設けた通孔9,9′とを通じて加圧時に原料Gから押出される水分は、真空ポンプP1 ,P2 によって上下から真空吸引孔5,5′により吸引されて搾水が行われる。
【0027】
このような搾水とともに原料G中に含まれる空気も上型1と下型14との成形面1a,14aに設けた通孔9,9′を通して吸引手段による吸引により搾り取られ、原料G中に空気が残存するのが防止される。従ってセメントモルタル成形品Aの表面にタイル模様等の如き凹凸部を有する複雑な模様や緻密な模様を形成する場合に構造的に堅牢になり、表面が綺麗に仕上がる。
【0028】
しかも通孔9,9′を臨む上型1と下型14との成形面1a,14aには脱水布7を有する第1および第2の通水・通気手段6,6′が設けられているので、セメントモルタルが成形空間部18内から流れ出すのを防止できるとともに後記のように上型1または下型14からの離型が容易且つ確実になり、セメントモルタル成形品Aはその表面にカケ等がない綺麗な仕上がり面になる。
【0029】
この際、成形空間部18の内圧力は、セメントモルタル成形品Aを形成すべき原料Gに応じて真空ポンプP1 ,P2 の吸引を大気圧から低真空、さらには高真空までの範囲において経時に調整されるが、上型1と下型14とによるプレス用のシリンダ2の油圧による原料Gへの加圧力も成形空間部18の内圧力の高低の変化による原料Gからの搾水状況の変化に応じて制御される。
【0030】
そして、プレス用のシリンダ2の原料Gに対する加圧力は、成形空間部18内の内圧力が大気圧に近いか、または低真空であって搾水当初である場合には、搾水工程が進行された高真空である場合に較べて高圧力にて原料Gに圧力をかけることになる。また搾水工程が進行して成形空間部18内の内圧力が高真空である場合には、そのピストン3が降下する際の抵抗がなくなり、加圧用シリンダ2の駆動を停止してもピストン3および上型1等の自重によって上型1は下型14に向かって自然に降下するので、それほど大きなプレス用のシリンダ3からの加圧力を加えなくても原料Gとしてのセメントモルタルを充分に加圧してセメントモルタル成形品Aを形成することができる。
【0031】
すなわち、上型1と下型14とに接続した真空ポンプP1 ,P2 を駆動して成形空間部18の内圧力が真空になり、上型1の下面の通孔9と、下型14の上面の通孔9′とを通じて搾水が行われる初期の搾水工程時には、パイロット弁24が開かれてオイルタンク22からの油がシリンダ2の入力側2a1 に供給されることにより、ピストン3が駆動し、上型1が下型14に向かって移動して原料Gを加圧し、成形がなされる。
しかながら原料Gからの搾水と、上型1と下型14とによる原料Gへの加圧がある程度進行すると、シリンダ2のピストン3の自重および大気圧による今までの一定の加圧力ではもはやそれ以上の原料Gの加圧も進行しなくなる。それ故、搾水にも時間がかかり、非能率的である。
【0032】
従って成形空間部18の内圧力が所定圧になると、センサーSがその圧力を検知し、その信号により切換弁29の油圧通路の方向が切換わるので、オイルタンク30内の油はポンプP3 に吸引され、切換弁29を介してシリンダ2の入力側2a2 に油が移送されることにより、ピストン3への加圧力は増強され、原料Gへの加圧力が増大されて圧縮が効率的に行われる。そして上型1と下型14とによって原料Gから水が押出されて搾水が効率良く行われる。
しかもセンサーSによる検知からのシリンダ2の駆動時間はタイマーによる設定時間を加減して長短調整できる。
【0033】
例えば具体的に屋根瓦をセメントモルタルを圧縮して成形する場合には、先ず成形材料を下型1に載せ、プレス用のシリンダ2を駆動し、上型1と型枠5を接触させて真空ポンプ等の吸引により成形空間部18の空気を排出すると同時に大気圧により加圧する。そして成形空間部18内の内圧力が略2cm/Hg 程度になり、シリンダ2の圧力によっては搾水がそれ以上、顕著に進行しなくなる場合には、それをセンサーSによって検知してモータMを駆動し、ポンプP3 を回動する。そして切換弁29を介してシリンダ2の入力側2a2 に油圧タンク30から油を移送し、ピストン3にて圧縮力が20〜100kg/cm2程度に増加され、原料Gとしてのセメントモルタルをおよそ3〜20秒程度、加圧して搾水を続け、セメントモルタル成形品Aとしての屋根瓦を成形する。
こうして原料Gにセメントモルタルを使用して屋根瓦を加圧して成形する場合に、図4に示す従来の装置に較べて搾水工程として全体的におよそ10〜15秒ほどに時間が短縮される。
【0034】
そして原料Gへの所望の加圧と搾水とが行われると、型枠用のシリンダ16が駆動して型枠15が下型14から降下し、次いで切換弁29の油圧通路の方向が切換わることによりポンプP3 にてオイルタンク30から油がシリンダ2の出力側2bに供給され、入力側2a2 からは油が排出されることにより、ピストン3は上昇し、セメントモルタル成形品Aの離型が行われる。
この際、上型1と下型14との通孔9,9′を臨む成形面1a,14aには、脱水布7を金網8と重合した通水・通気手段6,6′が設けられているので、セメントモルタル成形品Aは下型14の通孔9′から圧縮空気を僅かな量、吹き出す等することもあって下型14に対する離型が容易且つ確実に行なえる。
【0035】
その後、移送用のシリンダ10が縮むことにより上型1にセメントモルタル成形品Aは吸着されたままで受台12まで水平方向に搬送され、離型が終わる。
この際、真空ポンプP2 の駆動は停止されて下型14によるセメントモルタル成形品Aへの吸引は止み、上型1によるセメントモルタル成形品Aによる吸着と運搬とが速やかに行われるようになっている。
【0036】
上記実施例においては上型1が下型14に向かって移動する形式のものを代表的な実施例として説明したが、反対に下型14が上型1に対して移動するものでも良い。また上記実施例とは異なり下型14に対して型枠15が上下動するものに代えて上型1に対して型枠15が上下動するもので金型を形成してもよい。さらには上型1と下型14との成形面の双方に多数の通孔9,9′および通水・通気手段6,6′を設ける必要はなく、上型1または下型14の何れか一方の成形面に通孔と通水・通気手段とを設けるものであっても本発明の範囲である。
【0037】
なお上記実施例においては上型1と下型14との加圧により真空吸引孔5,5に連通する通孔から搾水する場合を説明したが、必ずしも通孔9,9′は搾水することに使用するのに限らず、加圧成形後にセメントモルタル成形品Aを吸着し、搬送する場合に使用することもできる。
【0038】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1では、一方が他方に対して対向して移動可能に設けた上型および下型と、該上型または下型の何れかの外周に摺動可能に設けた型枠と、で囲まれた原料の成形空間部を有する金型が設けられ、前記上型または下型の成形面の少なくとも一方に多数の通孔が設けられ、かつ、前記通孔が吸引手段に接続されたセメントモルタル成形品の成形装置において、前記通孔を臨む上型または下型の成形面の全面に前記通孔を覆う脱水布と金網とを重合した通水・通気手段が設けられ、原料の加圧時に前記成形空間部の内圧力を検知する検知手段が設けられ、前記通孔を通じて前記吸引手段により吸引されて前記成形空間部内の内圧力が大気圧に近いか、または、低真空になっている搾水当初では、前記金型内の原料を大気圧により加圧し、そして、前記原料に対する搾水が進行して前記成形空間部の内圧力が高真空の所定圧になるのを前記検知手段が検知すると、該検知手段からの信号により、前記金型内の原料に対する加圧力を増強して前記大気圧より高くするように、制御しながら加圧成形するのと、また、請求項2では、上型または下型の一方を他方に移動し、その後、前記上型または下型の何れかの外周に設けた型枠を摺動させて原料を金型の成形空間部内に投入することによりセメントモルタル成形品を加圧成形する方法において、原料の加圧時に、前記上型または前記下型の成形面の少なくとも一方に設けた多数の通孔を臨む前記上型または前記下型の成形面の全面に前記通孔を覆う脱水布と金網とを重合した通水・通気手段を介して吸引手段により前記成形空間部内を吸引しながら、前記成形空間部内の内圧力が大気圧に近いか、または、低真空になっている搾水当初では、前記金型内の原料を大気圧により加圧し、そして、前記原料に対する搾水が進行して前記成形空間部の内圧力が高真空の所定圧になるのを検知手段が検知すると、前記検知手段からの信号により、前記金型内の原料に対する加圧力を増強して前記大気圧より高くするように、制御しながらセメントモルタル成型品を加圧成形するので、原料に対する搾水の進行状況に伴って原料に対する上型と下型とによる加圧成形力を大気圧に近いか、または低真空圧から高真空圧へと、高低制御して全体的に搾水時間や脱気時間を制御できるため、経済的で効率的な加圧成形を行うことができる。また、加圧成形後は吸引手段の吸着により金型の前記成形面にセメントモルタル成形品を吸着して加圧成形位置から運搬を行うことができ、さらには原料の加圧成形後には通水・通気手段を介して前記通孔から圧縮気体をセメントモル成形品に吹き出すことによりセメントモルタル成形品の離型を容易かつ迅速に行うことができ、セメントモルタル成形品を金型への原料投入から、搾水、吸引、加圧成形、成形後の運搬、離型等の各工程を連続して一貫して効率的に成型することができる。
【0039】
またセメントモルタル成形品の離型が容易且つ確実に行なえるとともに内部に空気が残留せずに綺麗な仕上がり面にて構造堅牢なセメントモルタル成形品が形成され、製品の歩留りは良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】同じくセメントモルタル成形品を移送する場合の断面図である。
【図3】同じくセメントモルタル成形品を受台上に載置した状態を示す断面図である。
【図4】従来のセメントモルタル成形品の成形装置の一例を示す断面図である。
【図5】同じく表面に凹凸部を有するセメントモルタル成形品を成形する場合の一例を示す説明的な断面図である。
【符号の説明】
1 上型
1a 成形面
2 シリンダ
3 ピストン
5 真空吸引孔
5′ 真空吸引孔
6 通水・通気手段
6′ 通水・通気手段
9 通孔
9′ 通孔
14 下型
15 型枠
18 成形空間部
A セメントモルタル成形品
G 原料
P1 真空ポンプ
P2 真空ポンプ
Claims (2)
- 一方が他方に対して対向して移動可能に設けた上型および下型と、該上型または下型の何れかの外周に摺動可能に設けた型枠と、で囲まれた原料の成形空間部を有する金型が設けられ、前記上型または下型の成形面の少なくとも一方に多数の通孔が設けられ、かつ、前記通孔が吸引手段に接続されたセメントモルタル成形品の成形装置において、
(イ)前記通孔を臨む上型または下型の成形面の全面に前記通孔を覆う脱水布と金網とを重合した通水・通気手段が設けられ、
(ロ)原料の加圧時に前記成形空間部の内圧力を検知する検知手段が設けられ、
(ハ)前記通孔を通じて前記吸引手段により吸引されて前記成形空間部内の内圧力が大気圧に近いか、または、低真空になっている搾水当初では、前記金型内の原料を大気圧により加圧し、そして、
(ニ)前記原料に対する搾水が進行して前記成形空間部の内圧力が高真空の所定圧になるのを前記検知手段が検知すると、該検知手段からの信号により、前記金型内の原料に対する加圧力を増強して前記大気圧より高くするように、制御しながら加圧成形する
ことを特徴とするセメントモルタル成形品の成形装置。 - 上型または下型の一方を他方に移動し、その後、前記上型または下型の何れかの外周に設けた型枠を摺動させて原料を金型の成形空間部内に投入することによりセメントモルタル成形品を加圧成形する方法において、
(a)原料の加圧時に、前記上型または前記下型の成形面の少なくとも一方に設けた多数の通孔を臨む前記上型または前記下型の成形面の全面に前記通孔を覆う脱水布と金網とを重合した通水・通気手段を介して吸引手段により前記成形空間部内を吸引しながら、前記成形空間部内の内圧力が大気圧に近いか、または、低真空になっている搾水当初では、前記金型内の原料を大気圧により加圧し、そして、
(b)前記原料に対する搾水が進行して前記成形空間部の内圧力が高真空の所定圧になるのを検知手段が検知すると、前記検知手段からの信号により、前記金型内の原料に対する加圧力を増強して前記大気圧より高くするように、制御しながらセメントモルタル成型品を加圧成形する、
ことを特徴とするセメントモルタル成形品の成形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32721893A JP4119493B2 (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | セメントモルタル成形品の成形装置およびその成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32721893A JP4119493B2 (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | セメントモルタル成形品の成形装置およびその成形方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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