JP3930233B2 - 光情報記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
本発明は、レーザ光源からのレーザ光により光ディスクなどの記録媒体上に情報を記録する光情報記録装置に関する。
【従来の技術】
【0003】
マルチメディアの普及に伴い音楽用CD(Compact Disk),CD−ROM、最近ではDVD(Digital Video又はVersatile Disk)−ROMなどの再生専用メディア(記録媒体)や情報再生装置が実用化されている。また、最近では、色素メディアを用いた追記型光ディスクや、光磁気(MO)メディアを用いた書き換え可能なMOディスクの他に相変化型メディアも注目されており、これらの記録媒体を用いた情報記録再生装置が実用化されている。特に書き換え可能なDVDメディアは次世代のマルチメディア記録媒体及び大容量ストレージ媒体として大いに注目されている。なお、相変化型メディアは記録材料を結晶相とアモルファス相とに可逆的に相変化させて情報を記録するものである。また、相変化型メディアは、MOメディアなどと異なり外部磁界を必要とせず半導体レーザからなるレーザ光源からのレーザ光だけで情報の記録、再生ができ、かつ、情報の記録と消去がレーザ光により一度に行われるオーバーライト記録が可能である。
【0004】
相変化型メディアに情報を記録するための一般的な記録波形としては、例えば、8−16変調コードなどに基づいて生成した単パルスの半導体レーザ発光波形があるが、この記録波形による単パルス記録では、畜熱のため記録マークが涙状に歪みを生じたり、冷却速度が不足してアモルファス相の形成が不十分となり、レーザ光に対して低反射の記録マークが得られないなどの問題がある。
【0005】
このため、相変化型メディアに情報を記録する従来の記録方式では、図5(c)に示すように多段の記録パワーを用いたマルチパルス波形のレーザ光により相変化型メディアにマークを形成することで上述の問題を防止している。このマルチパルス波形のマーク部は、相変化型メディアの記録膜を融点以上に十分に予備加熱するための先頭加熱パルスAと、後続する複数個の連続加熱パルスBと、それらの間の連続冷却パルスCからなっており、先頭加熱パルスA、加熱パルスBの発光パワー(ピークパワー)をPw、冷却パルスCの発光パワー(ボトムパワー)をPb、リードパワーをPrとすれば、各々の発光パワーは
Pw>Pb≒Pr
に設定されている。また、マルチパルス波形のスペース部はイレースパルスDからなり、その発光パワー(消去パワー)Peは
Pw>Pe>Pb
に設定されている。
【0006】
このように記録波形をマルチパルス発光波形とすることで、相変化型メディアのマーク部は加熱パルスA,Bと冷却パルスCによる加熱→冷却の急冷条件によりアモルファス相が形成され、スペース部はイレースパルスDによる加熱のみの徐冷条件により結晶相が形成されるため、アモルファス相と結晶相とで十分な反射率差が得られる。
【0007】
ところで、相変化メディアに記録する際には、記録発光パワーの制御を正しく行なうことが必要である。半導体レーザは自己発熱などにより駆動電流−発光パワー特性が簡単に変動してしまうので、発光パワーを安定化させる手段として一般的にAPC(Automatic Power Control=オートパワー制御)が行なわれる。これは、半導体レーザの出射光の一部をモニタ用のフォトディテクタに入射させ、半導体レーザの発光パワーに比例して発生するモニタ電流を用いて半導体レーザに対する駆動電流を負帰還ループにより制御するというものである。
【0008】
情報再生のみを考慮した場合は、一般的に半導体レーザの駆動電流はノイズ抑制のために高周波電流が重畳されるが、直流的には一定電流であるため、比較的低帯域の帰還ループを構成することで容易にAPCを実現することができる。ところが、記録時にAPCを行なう場合は、マーク/スペースを形成するために記録パワーが高速で変化するため、制御に工夫が必要がある。例えば、CD系やDVD系では記録データのDSV(Digital Sum Value)がゼロになることを利用して、低帯域の帰還ループを構成すれば、再生時と同様に簡易な構成で記録パワーを制御することができるが、正確なパワー制御をすることはできない。
【0009】
この点、例えば、CD−R(色素系)メディアに対して図12(c)に示すような単パルスによるストラテジで記録を行なう場合であれば、最長データ長である11Tの長さのマーク或いはスペースのデータを記録する際にマーク/スペース各々で発光パワーをサンプル/ホールドするようにすれば、ディスク回転数を4倍速程度に高速化した場合でも制御帯域は数MHzでよく、比較的安価な構成で正確な記録パワーを制御することができる。
【0010】
ところが、DVD系メディアの場合は、単パルスではなく、上述したようなマルチパルス発光波形を用いて記録することが望ましく、ピークレベルのパワー検出を行うには単純なサンプルホールド回路では受光系やその後段の回路で非常に高速な制御帯域が必要になり、現実的でない。
【0011】
そこで、ロングスペースデータが出力される際にサンプルホールドするようにすれば、イレースパワーの検出を行うことができる。記録時のボトムパワー或いはピークパワーを制御するには、記録開始前に予め半導体レーザの微分効率特性を算出しておき、イレースパワーを駆動する電流に微分効率から算出された電流を加算/減算することでピークパワーの駆動電流とする手法がある。しかし、この手法は、半導体レーザの微分効率が変動しないことが前提となっており、微分効率が変動してしまうとピークパワーを駆動する電流に誤差が生じてしまう。
【0012】
このような課題を解決する手段として、例えば、特開平9−171631号公報によれば、ピークパワーを非パルス状態で発光させることでピークパワーの出射光量を正確に検出できるようにしている。また、非パルス状態で発光させることで検出したピークパワーと、スペース出力時に検出したイレースパワーとにより、ボトムパワーを補正するようにしている。
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
再生時のジッタ特性が良好となるような光波形とするには、記録時におけるピークパワー、イレースパワー及びボトムパワーの3点を各々最適なパワーに保つ必要がある。この点、上述のような特開平9−171631号公報に示される非パルス状態の発光を利用する技術を用いることで、ピークパワーとスペースパワーを正確に検出することができ、また、この2つのパワーよりボトムパワーを補正することもできる。
【0014】
しかしながら、特開平9−171631号公報に示される技術を図5(c)に示すようなDVD相変化系メディアに対するマルチパルス発光波形の記録ストラテジのピークパワー制御に応用しようとした場合、非パルス状態で記録した箇所は本来の発光波形とは異なるため、連続加熱により記録マークがうまく形成されず欠損箇所となってしまうという不具合がある。
【0015】
そこで、本発明は、マルチパルス発光波形の記録ストラテジを用いて記録を行う上で、検出帯域の限られたモニタ素子を使用してもピークパワー、イレースパワー及びボトムパワーを正確に制御することができ、かつ、記録マークを欠損させない記録が可能な光情報記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1記載の発明は、所定の記録変調方式に基づいた、チャネルクロック周期TのN倍(Nは1以上の正の整数)のデータ長からなる情報に応じてレーザ光源を所定の発光規則でパルス発光させて記録媒体上にレーザ光を照射して情報の記録を行なう光情報記録装置において、前記レーザ光源の発光パワーに対応した電流をモニタ信号として出力するモニタ素子と、前記レーザ光源に対して、バイアスレベル電流を印加するバイアスレベル電流印加手段と、前記バイアスレベル電流にイレースレベル電流を重畳するイレースレベル電流重畳手段と、前記バイアスレベル電流にピークレベル電流を重畳するピークレベル電流重畳手段と、前記イレースレベル電流重畳手段中に設けられて、電流源切替信号により前記イレースレベル電流を複数レベルに切り替えるイレースレベル電流切替手段と、通常記録動作中に前記イレースレベル電流を前記バイアスレベル電流に重畳させた印加電流に基づいて前記レーザ光源を発光させたときのレーザ光の発光パワーを取得する通常記録動作用サンプルホールド手段と、前記イレースレベル電流を前記イレースレベル電流切替手段により切り替えて前記レーザ光源を発光させたときのレーザ光の発光パワーを取得する微分効率算出用サンプルホールド手段と、演算手段と、を備え、前記微分効率算出用サンプルホールド手段は、異なるタイミングで複数の発光レベルが設定され、ロングスペースデータが出力されたときに前記複数の発光レベルの発光パワーを取得し、取得された夫々の前記発光パワーと該発光パワーを生じさせた各印加電流とに基づいて前記演算手段により前記レーザ光源の微分効率を算出し、算出された微分効率に基づいて記録時における前記バイアスレベル電流又は前記ピークレベル電流を決定するようにしたことを特徴とする。
【0017】
従って、ロングスペースデータの出力時にサンプリングしたイレースレベルと、演算手段により算出された微分効率とを元にボトムレベル/ピークレベルのパワーを算出することで低帯域の回路構成でも各レベルのパワー補正を行うことができる。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光情報記録装置において、前記ロングスペースデータは、データの長さが10T以上であることを特徴とする。
【0019】
従って、通常記録時のAPC動作を行う時間間隔は、微分効率算出シーケンス動作の時間間隔に比べて比較的短い間隔とすることができる。
【0020】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の光情報記録装置において、前記通常記録動作用サンプルホールド手段は、発光パワーが一定となるように前記モニタ素子を含む負帰還ループで構成されたオートパワー制御回路の一部として動作することを特徴とする。
【0021】
従って、オートパワー制御回路を用いる通常記録時のAPC動作と微分効率算出時のシーケンス動作とで個別にイレースレベルの発光レベルを取得することができるため、マルチパルス発光波形の記録ストラテジを用いて記録を行う上で、検出帯域の限られたモニタ素子を使用しても正確にピークパワー、イレースパワー及びボトムパワーを制御することができる上に、非パルス状態にする必要がないため、記録マークを欠損させない記録が可能となる。
【0022】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のうち何れか一に記載の光情報記録装置において、前記通常記録動作用サンプルホールド手段と前記微分効率算出用サンプルホールド手段とは、前記電流源切替信号に対応してそのサンプル/ホールド動作のイネーブル/ディスエーブルが制御されることを特徴とする。
【0023】
従って、例えば微分効率算出時のシーケンス動作に通常記録時APC動作用のサンプルホールド値を適正レベルに保持しておくことができる。
【0024】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4のうち何れか一に記載の光情報記録装置において、前記通常記録動作用サンプルホールド手段と前記微分効率算出用サンプルホールド手段のうち前記電流源切替信号により選択されたサンプルホールド手段は、記録データとして所定長以上のイレース情報が出力された時にアクティブになるイレースレベルサンプル信号に応じてサンプル/ホールドし、選択されていない残りのサンプルホールド手段はホールド状態を維持するようにしたことを特徴とする。
【0025】
従って、例えば微分効率算出時のシーケンス動作に通常記録時APC動作用のサンプルホールド値を適正レベルに保持しておくことができ、再び通常のAPC動作に復帰した時に速やかに通常記録動作を行わせることができる。
【0026】
請求項6記載の発明は、請求項5に記載の光情報記録装置において、前記電流源切替信号の動作タイミングは、前記イレースレベルサンプル信号のサンプル開始タイミング直前及びホールド開始タイミング直後であることを特徴とする。
【0027】
従って、所定長以上のイレース情報が短い間隔で発生した場合でも正確に通常のAPC動作とデジタルサンプル動作とを切り替えることができる。
【0028】
請求項7記載の発明は、請求項5又は6に記載の光情報記録装置において、前記通常記録動作用サンプルホールド手段と前記微分効率算出用サンプルホールド手段とが連続して前記イレースレベルサンプル信号に対してホールド状態とならないように動作させるようにしたことを特徴とする。
【0029】
従って、特定のサンプルホールド手段が長期間ホールド状態になっているとドループの影響により通常のAPC動作が不安定になってしまう可能性があるが、連続してホールド状態とならないように動作させることにより、ドループの影響により通常のAPC動作が不安定になるのを防ぐことができる。
【0030】
請求項8記載の発明は、請求項3に記載の光情報記録装置において、前記微分効率算出用サンプルホールド手段で取得した発光パワーをデジタル化して出力するA/Dコンバータを備えることを特徴とする。
【0031】
従って、演算手段による微分効率の算出をCPUなどによりデジタル的に処理させることができる。
【0032】
請求項9記載の発明は、請求項8に記載の光情報記録装置において、前記微分効率算出用サンプルホールド手段によるサンプル動作を数回繰り返し行わせ、各々前記A/Dコンバータによりデジタル化されたデジタル値の平均値を用いて前記演算手段により前記微分効率を算出させるようにしたことを特徴とする。
【0033】
従って、A/Dコンバータの出力はノイズ等の影響で設定分解能以上の検出誤差を有しているが、サンプル動作を繰り返して行わせ、デジタル値を平均化することで検出誤差をキャンセルさせることができる。
【発明の実施の形態】
【0034】
本発明の一実施の形態を図1ないし図11に基づいて説明する。本実施の形態では、DVDフォーマットのコードデータを、相変化メディア(例えば、相変化ディスク)に記録(オーバーライト)する光情報記録装置への適用例を示し、データ変調方式(記録変調方式)として8−16変調コードを用いてマークエッジ(PWM:Pulse Width Modulation)記録を行うものとする。本実施の形態では、このようなメディアと記録データとを用いて、記録に際して所定の発光規則によりレーザ光源としての半導体レーザをマルチパルス発光させてマーク/スペースを記録するものである。
【0035】
図1にこのような記録再生可能な光情報記録装置の基本的な全体構成例を示す。本実施の形態の光情報記録装置1においては、スピンドルモータ(図示せず)により回転駆動される例えばDVD−RWによる記録媒体2に対して再生動作又は記録動作のために照射するレーザ光を発するレーザ光源としての半導体レーザ(LD)3が設けられている。この半導体レーザ3から発せられたレーザ光はコリメータレンズ4により平行光束に変換された後、偏光ビームスプリッタ5、λ/4板6及び対物レンズ7を経て記録媒体2上に集光照射される。記録媒体2から反射された戻り光は再び対物レンズ7及びλ/4板6を経て偏光方向が90°回転されて再び偏光ビームスプリッタ5に入射することにより、入射光と分離されるように反射されて、検出レンズ8により受光領域が4分割された分割受光素子(PD)9に入射して受光される。この分割受光素子9により受光された各分割領域の受光信号は情報信号となるRF信号、フォーカシング用のサーボ信号Fo及びトラッキング用のサーボ信号Trの基となるもので、RF信号はRF信号復調回路10に入力されて再生信号としての再生データの出力に供される。一方、フォーカシング用のサーボ信号Fo及びトラッキング用のサーボ信号Trは、Fo/Trサーボ制御装置11に入力されて対物レンズ7に対するフォーカシング/トラッキング用のアクチュエータ12のサーボ制御に供され、記録媒体2に対するレーザ光が合焦状態で正しくトラック上をトラッキングするように制御される。
【0036】
一方、RF信号復調回路10からの再生データを取り込むとともに、各種の演算処理及び制御処理を実行し演算手段として機能するCPU13が設けられている。このCPU13には再生データや記録データ、その他の信号の授受を行うホスト14が接続されている。このCPU13には制御信号や記録データに基づき半導体レーザ3の発光パワーや発光状態等を制御するLDパワー制御装置15が接続されている。また、半導体レーザ3から出射されて偏光ビームスプリッタ5によりその一部が反射されて分岐されたモニタ光を集光レンズ16を介して受光しその発光パワーに対応した電流をモニタ信号としてCPU13に出力するモニタ素子としての前方フォトディテクタ(PD)17が設けられている。
【0037】
このような基本的な構成において、本実施の形態では、LDパワー制御装置15は、例えば図2に示すように構成されている。まず、半導体レーザ3を実際に駆動させるための駆動電流を流すLD駆動装置18が設けられている。ここに、情報記録時は、図5(c)に示すようなマルチパルス発光波形でマークを形成するためのピークパワーPp/バイアスパワー(ボトムパワー)Pb、スペースを形成するためのイレースパワーPeの3種類の記録パワーが必要となる。このため、LD駆動装置18の前段側にはその駆動電流をCPU13に基づき各々制御するバイアスレベル電流駆動装置(バイアスレベル電流印加手段)19、イレースレベル電流駆動装置(イレースレベル電流駆動手段)20、ピークレベル電流駆動装置(ピークレベル電流駆動手段)21が設けられている。
【0038】
バイアスレベル電流駆動装置19は後述するような回路構成により、LD駆動装置18に対してバイアスレベル駆動電流信号を出力する。イレースレベル電流駆動装置20は後述するような回路構成によりLD駆動装置18に対してバイアスレベル電流に重畳すべきイレースレベル重畳電流信号を出力する。ピークレベル電流駆動装置21は具体的にはD/Aコンバータ構成であり、CPU13によりデジタル的に設定されたLD駆動電流情報に基づきアナログ信号であるピークレベル重畳電流信号をLD駆動装置18に対して出力する。
【0039】
また、フォトディテクタ17から出力されるパワーモニタ電流を電圧信号に変換するI/V変換回路22が設けられ、この電圧信号はパワーモニタ信号としてバイアスレベル電流駆動装置19に入力されている。
【0040】
ここで、バイアスレベル電流駆動装置19の構成例を図3に基づいて説明する。このバイアスレベル電流駆動装置19はパワーモニタ信号が入力される2系統に分岐されたアンプ23,24が設けられている。これらのアンプ23,24の出力側にはアナログスイッチ25,26を介して各々サンプルホールド回路(サンプルホールド手段)27,28が別個に設けられている。アンプ23、アナログスイッチ25及びサンプルホールド回路27は、通常記録動作を行なう場合に用いられてバイアス電流を制御する負帰還ループにより構成されたAPC回路29の一部を構成している。このAPC回路29はこれらのサンプルホールド回路27等とともに、CPU13からD/Aコンバータ30を介して入力される目標発光パワーに相当する目標電圧値の反転アンプ31による反転値とサンプルホールド回路27の出力電圧との加算信号を基準電圧Vrefと比較する積分回路構成の電流制御アンプ32と、この電流制御アンプ32からの出力電圧値に基づき実際に半導体レーザ3に供給する駆動電流値を設定しその駆動電流を半導体レーザ3に供給するLD駆動装置18とフォトディテクタ17とI/V変換回路22とにより構成されている。
【0041】
一方、アンプ24、アナログスイッチ26及びサンプルホールド回路28は、本実施の形態で特に設けられて後述する微分効率算出シーケンス用のものであり、このサンプルホールド回路28の出力はA/Dコンバータ33によりデジタル化してCPU13にデジタルイレースパワー信号として出力される。
【0042】
アナログスイッチ25,26はCPU13からのイレースレベル切替信号(電流源切替信号)とイレースレベルサンプル信号とに基づき各々AND回路34,35により開閉制御される。通常記録動作時であれば、イレースレベル切替信号が“L”レベルであり、アナログスイッチ25側はAND回路34を介して、イレースレベルサンプル信号が“H”レベルであればオンし(サンプル動作=エーブル状態)、イレースレベルサンプル信号が“L”レベルであればオフ(ホールド状態=ディスエーブル状態)となるが、アナログスイッチ26側はAND回路35を介して常にオフ(ホールド状態=ディスエーブル状態)となる。逆に、後述する微分効率算出シーケンスにおいて、イレースレベル切替信号が“H”レベルになった場合には、アナログスイッチ26側はAND回路35を介して、イレースレベルサンプル信号がHレベルであればオン(サンプル動作=エーブル状態)する状態を取り得る。
【0043】
また、イレースレベル電流駆動装置20は、図4に示すようにイレースレベル電流切替手段としての2つのD/Aコンバータ36,37とスイッチ38とにより構成されている。イレースレベル切替信号に基づきスイッチ38により選択されたD/Aコンバータ36,37よりLD駆動装置18に対してイレースレベル重畳電流が出力される。一方のD/Aコンバータ36はCPU13からの通常イレースレベル制御信号によりイレースレベルが通常イレースレベルPeとなるように設定され、通常のイレースレベル発光を行っている場合はイレースレベル切替信号によりスイッチ38はL側に設定されている。他方のD/Aコンバータ37はCPU13からの微分効率ηイレースレベル制御信号によりイレースレベルが後述する所定のイレースレベルとなるように設定され、イレースレベル切替信号によりスイッチ38がHレベル側に切り替えられた場合に設定されている。
【0044】
このような構成において、まず、記録時における通常のAPC動作について説明する。CPU13から出力されるイレースレベル制御信号(通常又はη算出時)/ピークレベル制御信号によりイレースレベル電流駆動装置20、ピークレベル電流駆動装置21の出力電流が各々設定される。ピークレベル電流駆動装置21は、CPU13によりデジタル的に設定されたLD駆動電流情報を基にアナログ信号であるピークレベル重畳電流信号をLD駆動装置18に出力する。イレースレベル電流駆動装置20は、イレースレベル重畳電流をLD駆動装置18に出力する。バイアスレベル電流駆動装置19はバイアスレベル駆動電流信号をLD駆動装置18に出力する。
【0045】
LD駆動装置18では、バイアスレベル駆動電流信号、イレースレベル重畳電流信号、ピークレベル重畳電流信号に応じてバイアスパワー(ボトムパワー)Pb/イレースパワーPe/ピークパワーPwの駆動電流量を決定する。
【0046】
また、CPU13は、記録する情報を周期Tのチャンネルクロックに応じて図5(b)に示すような8−16変調信号に変換し、さらに図5(c)に示すようなマルチパルス発光波形を生成し、その波形に応じてイレースパワーイネーブル信号及びピークパワーイネーブル信号をLD駆動装置18に供給する。LD駆動装置18ではこれらのイレースパワーイネーブル信号及びピークパワーイネーブル信号が“H”レベルのときに対応する各レベルの重畳電流信号をバイアスレベル駆動電流信号に適宜重畳して半導体レーザ3に駆動電流を供給する。
【0047】
具体的には、図6(b)(c)に示すように、イレースレベルで発光する場合は、イレースパワーイネーブル信号が“H”レベルになり、LD駆動装置18はバイアスレベル駆動電流信号にイレースレベル重畳電流信号を重畳して半導体レーザ3の駆動電流とする。ピークレベルで発光する場合は、ピークパワーイネーブル信号を“H”レベルとし、LD駆動装置18はバイアスレベル駆動電流信号にピークレベル重畳電流信号を重畳して半導体レーザ3の駆動電流とする。
【0048】
LD駆動装置18より半導体レーザ3に駆動電流が供給されると、半導体レーザ3からレーザが出射されて記録媒体2を照射し、情報の記録を行なう。その際、出射光の一部がフォトディテクタ17に入射され、発光パワーに比例したパワーモニタ電流がI/V変換回路22に出力される。I/V変換回路22により電流−電圧変換されたパワーモニタ信号を利用することで、APCを行なうことができる。
【0049】
バイアスレベル電流駆動装置19に出力されたパワーモニタ信号は、分岐されてアンプ23,24に出力され、各々増幅されてサンプルホールド回路27,28でサンプル/ホールドされる。通常記録動作時は、イレースレベル切替信号は“L”レベルとなっており、AND回路35によりη算出時用のサンプルホールド回路28側は常にホールド状態(ディスエーブル状態)となっている。
【0050】
そこで、通常記録動作時は、パワーモニタ信号はロングスペースデータ出力時(例えば、10T以上の連続スペースデータ)にCPU13から出力されるイレースレベルサンプル信号が“H”→“L”の期間で、アナログスイッチ25のオン・オフに伴い通常記録時用のサンプルホールド回路27によりサンプル/ホールドされ、電流制御アンプ32に出力される。
【0051】
一方、CPU13から出力される目標パワー値信号は、D/Aコンバータ30によりアナログ化された後、反転アンプ31により基準値電圧(Vref)を基準に反転され、サンプルホールド回路27の出力と加算されて電流制御アンプ32の反転端子に出力される。
【0052】
この電流制御アンプ32は、前述したように具体的には積分回路であり、出力信号はバイアスレベル駆動電流信号としてLD駆動装置18に出力されて、APC帰還ループを構成する。電流制御アンプ32は、サンプルホールド回路27の出力と反転アンプ31の出力との加算信号が基準電圧Vrefと等しくなるように(即ち、サンプルホールド回路27の出力と目標パワー値信号とが等しくなるように)出力信号を制御する。
【0053】
このようにして、ロングスペースデータをサンプルホールド回路27によりサンプル/ホールドすることでバイアスレベルの駆動電流を制御している。図7には、半導体レーザ3のLD駆動電流−LD発光パワー特性を示している。イレースレベル重畳電流ΔIe、ピークレベル重畳電流ΔIe+ΔIpはCPU13により制御された一定の電流が重畳されているが、イレースレベルの変動に応じてバイアスレベル電流Ibを変化させているので、イレースレベルは常にアナログ的にパワー制御されている。イレースレベル重畳電流とピークレベル重畳電流は、レーザの微分効率ηとイレースレベルとより求めることができる。
【0054】
即ち、微分効率ηは、図7に示すような半導体レーザのlD駆動電流−LD発光パワー特性の傾きΔP/ΔIとして定義される。ボトムパワーPb/イレースパワーPe/ピークパワーPpに対応する半導体レーザ3の駆動電流を各々Ib,Ie,Ipとすると、ボトムパワーPb/ピークパワーPpは各々次のような関係になる。
Pb=Pe−η(Ie−Ib)=Pe−η・ΔIe
Pp=Pe+η(Ip−Ie)=Pe+η・ΔIp
上記式より、イレースレベル重畳電流ΔIe、ピークレベル重畳電流ΔIe+ΔIpは次のように求めることができる。
ΔIe=(Pe−Pb)/η
ΔIe+ΔIp=(Pb−Pe)/η
このような通常記録時のAPC動作を行う時間間隔は、後述する微分効率算出シーケンス動作の時間間隔に比べて比較的短い間隔とする。例えば、10T以上のロングスペースデータが出力されたときにイレースレベルをサンプリングするようにする。
【0055】
このように、ロングスペースデータ出力時にサンプリングしたイレースレベルとCPU13により算出された微分効率ηとを元にボトムレベル/ピークレベルのパワーを算出することで低帯域の回路構成でも各レベルのパワー補正を行うことができる。
【0056】
しかし、このような通常のAPC動作だけであると、図8に示すように記録動作中に微分効率ηが変動してしまうと、バイアスレベル電流Ib、ピークレベル重畳電流Ipの算出に誤差が生じ、ボトムパワー/ピークパワーの補正が正確に行えなくなる。記録動作中に微分効率ηを再算出する方法として、前述した特開平9−171631号公報に示されるように、非パルス状態としたイレースレベル/ピークレベルの2点でパワーをサンプルする手法があるが、この方式だと非パルス状態となったマーク部分のデータが欠損となってしまう。
【0057】
この点、本実施の形態では、通常記録時のAPC動作とは別個の系統として、微分効率算出シーケンスを用い、イレースレベルを適宜複数レベルに切り替えられるような構成とし、複数のイレースレベルでのパワーをサンプルホールド回路28でサンプル/ホールドして微分効率ηを算出するものである。
【0058】
以下、本実施の形態による微分効率算出シーケンスについて説明する。前述したように、イレースレベル電流駆動装置20は2つのD/Aコンバータ36,37とスイッチ38とにより構成されており、スイッチ38により選択された方のD/Aコンバータ36又は37からイレースレベル重畳電流がLD駆動装置18に出力される。
【0059】
D/Aコンバータ36は通常イレースレベル制御信号により、イレースレベルが通常イレースレベルPeとなるように設定され、通常のイレースレベル発光を行っている場合はイレースレベル切替信号によりスイッチ38はL側に設定されている。
【0060】
ここで、CPU13では、通常記録時のAPC動作の間隔よりも低頻度で微分効率算出シーケンスを始動させる(頻度は、半導体レーザ3の微分効率ηの時間的変動によって決まり、実験的に予め求めておくものとする)。
【0061】
CPU13は、まず、η算出時イレースレベル制御信号により、半導体レーザ3がPe+αのレベルで発光するようにイレースレベル電流駆動装置20中のD/Aコンバータ37を設定しておく(図9中の状態遷移(1)→(2)、図10参照)。このシーケンス状態で、記録情報として10T以上のロングスペースデータが出力される際に、CPU13はイレースレベル切替信号を“H”レベルにしてイレースレベルの重畳電流がD/Aコンバータ37出力となるようにスイッチ38を切り替える。すると、半導体レーザ3がPe+αのレベルで発光する。
【0062】
このとき、バイアスレベル電流駆動装置19側では以下のような動作を行う。まず、サンプルホールド回路28はイレースレベル切替信号が“H”レベルでイレースレベルサンプル信号が“H”レベルになるとアナログスイッチ26がオンしてサンプル状態となり、Pe+αとなっているイレースレベルをサンプルする。サンプルホールド回路28の出力はA/Dコンバータ33に出力され(デジタルサンプル)、デジタルイレースパワー信号としてCPU13に出力される。この期間、他方のサンプルホールド回路27はAND回路34の出力が“L”レベルとなっておりアナログスイッチ25がオフしているのでホールド状態となっており、再び通常のAPC動作に復帰した時に速やかに通常記録動作を行うことができる。
【0063】
そして、CPU13は図9中に示すような状態遷移(2)と状態遷移(3)とを数回(例えば、8回)繰り返し、Peレベルでの発光による通常のAPC動作とPe+αでの発光によるデジタルサンプル動作とを交互に行い、CPU13は8回取得したPe+αの検出値を平均して微分効率ηの算出に用いる。一般的にA/Dコンバータ33の出力はノイズ等の影響で設定分解能以上の検出誤差を有しているが、繰り返し動作を行い、平均化することで誤差をキャンセルさせることができる。また、サンプルホールド回路27が長期間ホールド状態になっているとドループの影響により通常のAPC動作が不安定になる可能性があるが、本実施の形態では、通常のAPC動作とデジタルサンプル動作とを交互に行っているため、このような不具合を回避できる。
【0064】
また、イレースレベル切替信号はイレースレベルサンプル信号が“H”レベル(サンプル状態)になる直前に“H”レベルとなり、イレースレベルサンプル信号が“L”レベル(ホールド状態)となった直後に“L”レベルとなるように切替のタイミング制御することで、ロングスペースデータが短い間隔で発生した場合でも正確に通常のAPC動作とデジタルサンプル動作とを切り替えることができる。
【0065】
このような第一段階の動作が終了すると、CPU13は半導体レーザ3が今度はPe−αのレベルで発光するようにD/Aコンバータ37を設定する(図9中の状態遷移(4)→(5)、図10参照)。このシーケンス状態で、記録情報として10T以上のロングスペースデータが出力される際に、CPU13はイレースレベル切替信号を“H”レベルにしてイレースレベルの重畳電流がD/Aコンバータ37出力となるようにスイッチ38を切り替える。すると、半導体レーザ3がPe−αのレベルで発光する。そして、Pe+αレベルの出力時と同様に、このPe−αレベルのパワーがサンプルされてCPU13に出力される。CPU13は図9中に示すような状態遷移(5)と状態遷移(6)とを数回(例えば、8回)繰り返し、Peレベルでの発光による通常のAPC動作とPe−αでの発光によるデジタルサンプル動作とを交互に行い、CPU13は8回取得したPe−αのデジタル検出値を平均して微分効率ηの算出に用いる。
【0066】
即ち、演算手段として機能するCPU13は、取得した2レベルのパワー(Pe+α,Pe−α)と、各々の半導体レーザ3のLD駆動電流Ie',Ie''を元に、下記の式で微分効率ηを算出する(図11参照)。
η={(Pe+α)−(Pe−α)}/(Ie''−Ie')
=2α/(Ie''−Ie')
なお、本実施の形態では、通常記録動作用サンプルホールド回路(27に相当)及びデジタルサンプル用サンプルホールド回路(28に相当)を一つずつ用いた回路構成で説明したが、各々の系統のサンプルホールド回路を各々複数具備するような構成でももちろんよい。
【発明の効果】
【0067】
請求項1記載の発明によれば、所定の記録変調方式に基づいた、チャネルクロック周期TのN倍(Nは1以上の正の整数)のデータ長からなる情報に応じてレーザ光源を所定の発光規則でパルス発光させて記録媒体上にレーザ光を照射して情報の記録を行なう光情報記録装置において、前記レーザ光源の発光パワーに対応した電流をモニタ信号として出力するモニタ素子と、前記レーザ光源に対して、バイアスレベル電流を印加するバイアスレベル電流印加手段と、前記バイアスレベル電流にイレースレベル電流を重畳するイレースレベル電流重畳手段と、前記バイアスレベル電流にピークレベル電流を重畳するピークレベル電流重畳手段と、前記イレースレベル電流重畳手段中に設けられて、電流源切替信号により前記イレースレベル電流を複数レベルに切り替えるイレースレベル電流切替手段と、通常記録動作中に前記イレースレベル電流を前記バイアスレベル電流に重畳させた印加電流に基づいて前記レーザ光源を発光させたときのレーザ光の発光パワーを取得する通常記録動作用サンプルホールド手段と、前記イレースレベル電流を前記イレースレベル電流切替手段により切り替えて前記レーザ光源を発光させたときのレーザ光の発光パワーを取得する微分効率算出用サンプルホールド手段と、演算手段と、を備え、前記微分効率算出用サンプルホールド手段は、異なるタイミングで複数の発光レベルが設定され、ロングスペースデータが出力されたときに前記複数の発光レベルの発光パワーを取得し、取得された夫々の前記発光パワーと該発光パワーを生じさせた各印加電流とに基づいて前記演算手段により前記レーザ光源の微分効率を算出し、算出された微分効率に基づいて記録時における前記バイアスレベル電流又は前記ピークレベル電流を決定するようにしたので、ロングスペースデータの出力時にサンプリングしたイレースレベルと、演算手段により算出された微分効率とを元にボトムレベル/ピークレベルのパワーを算出することで低帯域の回路構成でも各レベルのパワー補正を行うことができる。
【0068】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の光情報記録装置において、前記ロングスペースデータは、データの長さが10T以上であるため、通常記録時のAPC動作を行う時間間隔は、後述する微分効率算出シーケンス動作の時間間隔に比べて比較的短い間隔とすることができる。
【0069】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の光情報記録装置において、前記通常記録動作用サンプルホールド手段は、発光パワーが一定となるように前記モニタ素子を含む負帰還ループで構成されたオートパワー制御回路の一部として動作するので、オートパワー制御回路を用いる通常記録時のAPC動作と微分効率算出時のシーケンス動作とで個別にイレースレベルの発光レベルを取得することができるため、マルチパルス発光波形の記録ストラテジを用いて記録を行う上で、検出帯域の限られたモニタ素子を使用しても正確にピークパワー、イレースパワー及びボトムパワーを制御することができる上に、非パルス状態にする必要がないため、記録マークを欠損させない記録を行わせることができる。
【0070】
請求項4記載の発明によれば、請求項1ないし3のうち何れか一に記載の光情報記録装置において、前記通常記録動作用サンプルホールド手段と前記微分効率算出用サンプルホールド手段とは、前記電流源切替信号に対応してそのサンプル/ホールド動作のイネーブル/ディスエーブルが制御されるので、例えば微分効率算出時のシーケンス動作に通常記録時APC動作用のサンプルホールド値を適正レベルに保持しておくことができる。
【0071】
請求項5記載の発明によれば、請求項1ないし4のうち何れか一に記載の光情報記録装置において、前記通常記録動作用サンプルホールド手段と前記微分効率算出用サンプルホールド手段のうち前記電流源切替信号により選択されたサンプルホールド手段は、記録データとして所定長以上のイレース情報が出力された時にアクティブになるイレースレベルサンプル信号に応じてサンプル/ホールドし、選択されていない残りのサンプルホールド手段はホールド状態を維持するようにしたので、例えば微分効率算出時のシーケンス動作に通常記録時APC動作用のサンプルホールド値を適正レベルに保持しておくことができ、再び通常のAPC動作に復帰した時に速やかに通常記録動作を行わせることができる。
【0072】
請求項6記載の発明によれば、請求項5に記載の光情報記録装置において、前記電流源切替信号の動作タイミングは、前記イレースレベルサンプル信号のサンプル開始タイミング直前及びホールド開始タイミング直後としたので、所定長以上のイレース情報が短い間隔で発生した場合でも正確に通常のAPC動作とデジタルサンプル動作とを切り替えることができる。
【0073】
請求項7記載の発明によれば、請求項5又は6に記載の光情報記録装置において、前記通常記録動作用サンプルホールド手段と前記微分効率算出用サンプルホールド手段とが連続して前記イレースレベルサンプル信号に対してホールド状態とならないように動作させるようにしたので、特定のサンプルホールド手段が長期間ホールド状態になっているとドループの影響により通常のAPC動作が不安定になってしまう可能性があるが、連続してホールド状態とならないように動作させることにより、ドループの影響により通常のAPC動作が不安定になるのを防ぐことができる。
【0074】
請求項8記載の発明によれば、請求項3に記載の光情報記録装置において、前記微分効率算出用サンプルホールド手段で取得した発光パワーをデジタル化して出力するA/Dコンバータを備えるので、演算手段による微分効率の算出をCPUなどによりデジタル的に処理させることができる。
【0075】
請求項9記載の発明によれば、請求項8に記載の光情報記録装置において、前記微分効率算出用サンプルホールド手段によるサンプル動作を数回繰り返し行わせ、各々前記A/Dコンバータによりデジタル化されたデジタル値の平均値を用いて前記演算手段により前記微分効率を算出させるようにしたので、A/Dコンバータの出力はノイズ等の影響で設定分解能以上の検出誤差を有しているが、サンプル動作を繰り返して行わせ、デジタル値を平均化することで検出誤差をキャンセルさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す光情報記録装置の基本的な全体構成例を示すブロック的正面図である。
【図2】そのLDパワー制御装置等の構成例を示すブロック図である。
【図3】そのバイアスレベル電流駆動装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】そのイレースレベル電流駆動装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】記録変調方式及びマルチパルス発光波形例を示す波形図である。
【図6】通常のAPC動作を示すタイムチャートである。
【図7】半導体レーザの駆動電流−発光パワー特性図である。
【図8】微分効率ηの変動の様子を示す駆動電流−発光パワー特性図である。
【図9】デジタルサンプル動作例を示すタイムチャートである。
【図10】そのイレースレベル切替の様子を示すタイムチャートである。
【図11】微分効率ηの算出のための駆動電流−発光パワー特性図である。
【図12】CD−Rの場合の単パルス発光波形例を示す波形図である。
【符号の説明】
2 記録媒体
3 レーザ光源
13 演算手段
17 モニタ素子
19 バイアスレベル電流駆動手段
20 イレースレベル電流駆動装置
21 ピークレベル電流駆動装置
27,28 サンプルホールド手段
29 オートパワー制御回路
33 A/Dコンバータ
36,37 イレースレベル電流切替手段
Claims (9)
- 所定の記録変調方式に基づいた、チャネルクロック周期TのN倍(Nは1以上の正の整数)のデータ長からなる情報に応じてレーザ光源を所定の発光規則でパルス発光させて記録媒体上にレーザ光を照射して情報の記録を行なう光情報記録装置において、
前記レーザ光源の発光パワーに対応した電流をモニタ信号として出力するモニタ素子と、
前記レーザ光源に対して、バイアスレベル電流を印加するバイアスレベル電流印加手段と、
前記バイアスレベル電流にイレースレベル電流を重畳するイレースレベル電流重畳手段と、
前記バイアスレベル電流にピークレベル電流を重畳するピークレベル電流重畳手段と、前記イレースレベル電流重畳手段中に設けられて、電流源切替信号により前記イレースレベル電流を複数レベルに切り替えるイレースレベル電流切替手段と、
通常記録動作中に前記イレースレベル電流を前記バイアスレベル電流に重畳させた印加電流に基づいて前記レーザ光源を発光させたときのレーザ光の発光パワーを取得する通常記録動作用サンプルホールド手段と、
前記イレースレベル電流を前記イレースレベル電流切替手段により切り替えて前記レーザ光源を発光させたときのレーザ光の発光パワーを取得する微分効率算出用サンプルホールド手段と、
演算手段と、を備え、
前記微分効率算出用サンプルホールド手段は、異なるタイミングで複数の発光レベルが設定され、ロングスペースデータが出力されたときに前記複数の発光レベルの発光パワーを取得し、取得された夫々の前記発光パワーと該発光パワーを生じさせた各印加電流とに基づいて前記演算手段により前記レーザ光源の微分効率を算出し、算出された微分効率に基づいて記録時における前記バイアスレベル電流又は前記ピークレベル電流を決定するようにしたことを特徴とする光情報記録装置。 - 前記ロングスペースデータは、データの長さが10T以上であることを特徴とする請求項1に記載の光情報記録装置。
- 前記通常記録動作用サンプルホールド手段は、発光パワーが一定となるように前記モニタ素子を含む負帰還ループで構成されたオートパワー制御回路の一部として動作することを特徴とする請求項1又は2に記載の光情報記録装置。
- 前記通常記録動作用サンプルホールド手段と前記微分効率算出用サンプルホールド手段とは、前記電流源切替信号に対応してそのサンプル/ホールド動作のイネーブル/ディスエーブルが制御されることを特徴とする請求項1ないし3のうち何れか一に記載の光情報記録装置。
- 前記通常記録動作用サンプルホールド手段と前記微分効率算出用サンプルホールド手段のうち前記電流源切替信号により選択されたサンプルホールド手段は、記録データとして所定長以上のイレース情報が出力された時にアクティブになるイレースレベルサンプル信号に応じてサンプル/ホールドし、選択されていない残りのサンプルホールド手段はホールド状態を維持するようにしたことを特徴とする請求項1ないし4のうち何れか一に記載の光情報記録装置。
- 前記電流源切替信号の動作タイミングは、前記イレースレベルサンプル信号のサンプル開始タイミング直前及びホールド開始タイミング直後であることを特徴とする請求項5に記載の光情報記録装置。
- 前記通常記録動作用サンプルホールド手段と前記微分効率算出用サンプルホールド手段とが連続して前記イレースレベルサンプル信号に対してホールド状態とならないように動作させるようにしたことを特徴とする請求項5又は6に記載の光情報記録装置。
- 前記微分効率算出用サンプルホールド手段で取得した発光パワーをデジタル化して出力するA/Dコンバータを備えることを特徴とする請求項3に記載の光情報記録装置。
- 前記微分効率算出用サンプルホールド手段によるサンプル動作を数回繰り返し行わせ、各々前記A/Dコンバータによりデジタル化されたデジタル値の平均値を用いて前記演算手段により前記微分効率を算出させるようにしたことを特徴とする請求項8に記載の光情報記録装置。
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