本発明は、例えばDVD等の情報記録媒体に、例えば、半導体レーザ等の光源から出射されたレーザ光等のレーザ出力を制御する電圧レベル検出装置及び方法、並びに、レーザ出力制御装置及び方法の技術分野に関する。
例えば、DVD−RW等の相変化型情報記録媒体や、DVD−R等の色素型情報記録媒体に記録を行う際には、レーザ光の発光パワー(記録パワー)の制御を適切に行う必要がある。このレーザ光を同一の発光パワーで発光させるために、半導体レーザ(Laser Diode:以下、適宜「LD」と称す)を駆動させる電流(以下、適宜「LD駆動電流」と称す)と、発光パワーとの相関的特性は、LDの自己発熱等により、容易に変動してしまう。このため、発光パワーを安定化させる手段として一般的にAPCが行われる。ここに、「APC(Automatic Power Control)」とは、LDから出射されるレーザ光の一部をフォトディテクタ(PD:Photo Detector)に入射させ、発光パワーに比例して発生するモニタ電流(監視電流)に基づいて、LD駆動電流の制御を行い、発光パワーの制御を行うという負帰還(NFB:Negative Feed Back)制御手法の一種である。再生時においては、一般的にLD駆動電流はノイズ抑制のために高周波電流が重畳されるが、DC的には一定電流であるため、比較的に低帯域の帰還ループを構成することで容易にAPCを実現することができる。
他方、記録時にAPCを行う場合、マーク又はスペースを形成するために、発光パワーが高速で変化するため、一定のLD駆動電流が印加される再生時と比較して高度な制御が必要となる。
より詳細には、例えば、DVD−R等の色素型情報記録媒体に対して、例えば、バイアスパワー、ライトパワー、及び、ピークパワー等の2値以上の発光パワーによって構成されているLD発光波形規則、所謂、「ストラテジ」(図3又は図9を参照)により記録を行う場合、以下の様にして、バイアスパワーが検出される。即ち、例えば、最長データ長であるチャンネルクロックが11Tのスペースデータ(又は、14Tのシンクパターンデータ)が記録される際に、バイアスパワーで発光させるLD駆動電流が、サンプルホールド回路等を備えて構成されるAPCを実現する回路(以下、適宜「APC回路」と称す)により検出される。この検出された、バイアスパワーでレーザ光を発光させるLD駆動電流を基準にして、他のレベルのパワーでレーザ光を発光させるLD駆動電流を制御するようにすれば、比較的低コストの構成要素によって、正確な発光パワーの制御を行うことが可能となる。
近年では、記録速度(書込み速度)の高速化(例えば、16倍速、24倍速、又は、それ以上)に伴い、APC回路において、高速化処理が要求されている。より詳細には、記録速度が高速になるにつれて、マーク、及び、スペースを記録するための発光パワーの切替え時間の短縮化が要求されている。より具体的には、DVD−Rに対して8倍速で記録を行った場合、数十nsec程度の時間間隔で発光パワーの切替えを行わなくてはならない。
しかしながら、APC回路に含まれるサンプルホールド回路においては、記録速度が高速になるにつれて、サンプル時からホールド時へ切替わる時に発生するデジタルノイズ(所謂、リンギング成分)の出現頻度が増加してしまう。このデジタルノイズの影響により、バイアスパワーでレーザ光を発光させるLD駆動電流の値に、直流成分としてのオフセット(所謂、DCオフセット)が付加されてしてしまう。従って、バイアスパワー、及び、他のレベルのパワーでレーザ光を発光させるLD駆動電流の正確な制御を行うことができなくなってしまうという技術的な問題点がある。
以上のように、記録速度の高速化に伴う、デジタルノイズの影響により、正確なAPCを実現することができなくなってしまうという技術的な問題点がある。
そこで本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、例えば、レーザ光の発光パワーを高速に切替える場合であっても、レーザ光を、所定の発光パワーで発光させ、適正な負帰還制御を行うための所望の電圧レベルを検出することが可能な電圧レベル検出装置及び方法、並びに、レーザ出力制御装置及び方法を提供することを課題とする。
本発明の請求項1に記載の電圧レベル検出装置は上記課題を解決するために、電圧レベルが2値レベル以上に階段状に変化する電圧信号における所望となる所定電圧レベルを検出する電圧レベル検出装置であって、前記電圧信号が低電圧レベル側に変化する際に、ピークホールドの終了時における前記ピークホールドされた電圧信号の電圧レベルが前記所定電圧レベルとなるようにホールド時間が設定されたピークホールド回路と、前記電圧信号が高電圧レベル側に変化する際に、ボトムホールドの終了時における前記ボトムホールドされた電圧信号の電圧レベルが前記所定電圧レベルとなるようにホールド時間が設定されたボトムホールド回路とを備える。
本発明の請求項4に記載のレーザ出力制御装置は上記課題を解決するために、情報記録媒体(DVD−R/RW)に対して照射される記録用のレーザ光を発光させる光源(半導体レーザ)と、前記レーザ光を、2つのパワー以上に階段状に変化するように発光させ、パルス出力させるように前記光源を駆動させるレーザ駆動装置(LDドライバ)と、前記レーザ光を受光する受光素子と、前記受光されたレーザ光の発光出力が低いパワー側に変化する際に前記発光出力のピークホールドを開始し、該ピークホールドの終了時における前記ピークホールドされた発光出力のパワーが所望となる所定パワーとなるようにホールド時間が設定されたピークホールド回路と、前記受光されたレーザ光の発光出力が高いパワー側に変化する際に前記発光出力のボトムホールドを開始し、該ボトムホールドの終了時における前記ボトムホールドされた発光出力のパワーが前記所定パワーとなるようにホールド時間が設定されたボトムホールド回路と、前記所定パワーを基準として、前記レーザ光を発光させるように前記レーザ駆動装置を負帰還制御する制御手段とを備える。
本発明の請求項7に記載の電圧レベル検出方法は上記課題を解決するために、電圧レベルが2値レベル以上に階段状に変化する電圧信号における所望となる所定電圧レベルを検出する電圧レベル検出装置における電圧レベル検出方法であって、前記電圧信号が低電圧レベル側に変化する際に、ピークホールドの終了時における前記ピークホールドされた電圧信号の電圧レベルが前記所定電圧レベルとなるようにホールド時間が設定されたピークホールド工程と、前記電圧信号が高電圧レベル側に変化する際に、ボトムホールドの終了時における前記ボトムホールドされた電圧信号の電圧レベルが前記所定電圧レベルとなるようにホールド時間が設定されたボトムホールド工程とを備える。
本発明の請求項8に記載のレーザ出力制御方法は上記課題を解決するために、情報記録媒体(DVD−R/RW)に対して照射される記録用のレーザ光を発光させる光源(半導体レーザ)を備えたレーザ出力制御装置におけるレーザ出力制御方法であって、前記レーザ光を、2つのパワー以上に階段状に変化するように発光させ、パルス出力させるように前記光源を駆動させるレーザ駆動工程と、前記レーザ光を受光する受光工程と、前記受光されたレーザ光の発光出力が低いパワー側に変化する際に前記発光出力のピークホールドを開始し、該ピークホールドの終了時における前記ピークホールドされた発光出力のパワーが所望となる所定パワーとなるようにホールド時間が設定されたピークホールド工程と、前記受光されたレーザ光の発光出力が高いパワー側に変化する際に前記発光出力のボトムホールドを開始し、該ボトムホールドの終了時における前記ボトムホールドされた発光出力のパワーが前記所定パワーとなるようにホールド時間が設定されたボトムホールド工程と、前記所定パワーを基準として、前記レーザ光を発光させるように前記レーザ駆動工程を負帰還制御する制御工程とを備える。
本発明の作用及び他の利得は、次に説明する発明を実施するための最良の形態から明らかにされよう。
(電圧レベル検出装置に係る実施形態)
以下、本発明の実施形態に係る電圧レベル検出装置について説明する。
本発明の電圧レベル検出装置に係る実施形態は、電圧レベルが2値レベル以上に階段状に変化する電圧信号における所望となる所定電圧レベルを検出する電圧レベル検出装置であって、前記電圧信号が低電圧レベル側に変化する際に、ピークホールドの終了時における前記ピークホールドされた電圧信号の電圧レベルが前記所定電圧レベルとなるようにホールド時間が設定されたピークホールド回路と、前記電圧信号が高電圧レベル側に変化する際に、ボトムホールドの終了時における前記ボトムホールドされた電圧信号の電圧レベルが前記所定電圧レベルとなるようにホールド時間が設定されたボトムホールド回路とを備える。
本発明の電圧レベル検出装置に係る実施形態によれば、電圧信号として、例えば、相対的に高い電圧レベルと、相対的に低い電圧レベルとの2値レベル以上に階段状に変化するように出力される。この電圧信号は、パルス形状をなすようにしてもよい。
本実施形態によれば、例えばピークホールド回路によって、電圧信号のピーク値(最大値)が、ピークホールドされる、即ち、検出されると共に保持される。特に、このピークホールド回路のホールド時間は、ピークホールドの終了時におけるピークホールドされた電圧信号の電圧レベルが所定電圧レベルとなるように設定されている。このピークホールド回路は、例えば、電圧信号の出力速度に応じた所定のホールド時間に設定されていてもよい。ピークホールドにおける出力速度に応じた所定のホールド時間は、実験的、経験的又は理論的若しくはシミュレーション等により求めることが可能である。
例えば前述したピークホールドと同時に又は相前後して、ボトムホールド回路によって、電圧信号のボトム値(最小値)がボトムホールドされる、即ち、検出されると共に保持される。特に、このボトムホールド回路のホールド時間は、ボトムホールドの終了時におけるボトムホールドされた電圧信号の電圧レベルが所定電圧レベルとなるように設定されている。このボトムホールド回路は、例えば、電圧信号の出力速度に応じた所定のホールド時間に設定されていてもよい。ボトムホールドにおける出力速度に応じた所定のホールド時間は、実験的、経験的又は理論的若しくはシミュレーション等により求めることが可能である。
本発明の電圧レベル検出装置に係る実施形態の一の態様では、前記ピークホールド回路は、前記電圧信号が第1電圧レベルから、該第1電圧レベルよりも低電圧レベルである第2電圧レベル側に変化する際に前記電圧信号の前記ピークホールドを開始し、該ピークホールドの終了時における前記電圧レベルが前記第2電圧レベルとなるようにホールド時間が設定され、前記ボトムホールド回路は、前記ピークホールドされた電圧信号をボトムホールドする。
この態様によれば、電圧信号として、例えば、相対的に高い第1電圧レベルと、相対的に低い第2電圧レベルとの2値レベル以上に階段状に変化するように出力される。
この態様では、先ずピークホールド回路によって、電圧信号のピーク値(最大値)が、ピークホールドされる、即ち、検出されると共に保持される。特に、このピークホールド回路のホールド時間は、電圧信号が第1電圧レベルから低電圧レベル側に変化する際に電圧信号のピークホールドを開始し、該ピークホールドの終了時におけるピークホールドされた電圧信号の電圧レベルが第2電圧レベルとなるように設定されている。より詳細には、ピークホールド回路は、例えば、NPN型トランジスタや、コンデンサや、定電流源等を備えて構成されていてもよい。
次に、ボトムホールド回路によって、ピークホールド回路によりピークホールドされた電圧信号のボトム値(最小値)がボトムホールドされる、即ち、検出されると共に保持される。より詳細には、ボトムホールド回路は、例えば、PNP型トランジスタや、コンデンサや、定電流源等を備えて構成されていてもよい。
本発明の電圧レベル検出装置に係る実施形態の他の態様では、前記ボトムホールド回路は、前記電圧信号が第2電圧レベルから、該第2電圧レベルよりも高電圧レベルである第1電圧レベル側に変化する際に前記電圧信号の前記ボトムホールドを開始し、該ボトムホールドの終了時における前記電圧レベルが前記第1電圧レベルとなるようにホールド時間が設定され、前記ピークホールド回路は、前記ボトムホールドされた電圧信号をピークホールドする。
この態様によれば、電圧信号として、例えば、相対的に高い第1電圧レベルと、相対的に低い第2電圧レベルとの2値レベル以上に階段状に変化するように出力される。
この態様では、先ずボトムホールド回路によって、電圧信号のボトム値(最小値)が、ボトムホールドされる、即ち、検出されると共に保持される。特に、このボトムホールド回路のホールド時間は、電圧信号が第2電圧レベルから高電圧レベル側に変化する際に電圧信号のボトムホールドを開始し、該ボトムホールドの終了時におけるボトムホールドされた電圧信号の電圧レベルが第1電圧レベルとなるように設定されている。
次に、ピークホールド回路によって、ボトムホールド回路によりボトムホールドされた電圧信号のピーク値(最大値)がピークホールドされる、即ち、検出されると共に保持される。
(レーザ出力制御装置に係る実施形態)
以下、本発明の実施形態に係るレーザ出力制御装置について説明する。
本発明のレーザ出力制御装置に係る実施形態は、情報記録媒体(DVD−R/RW)に対して照射される記録用のレーザ光を発光させる光源(半導体レーザ)と、前記レーザ光を、2つのパワー以上に階段状に変化するように発光させ、パルス出力させるように前記光源を駆動させるレーザ駆動装置(LDドライバ)と、前記レーザ光を受光する受光素子と、前記受光されたレーザ光の発光出力が低いパワー側に変化する際に前記発光出力のピークホールドを開始し、該ピークホールドの終了時における前記ピークホールドされた発光出力のパワーが所望となる所定パワーとなるようにホールド時間が設定されたピークホールド回路と、前記受光されたレーザ光の発光出力が高いパワー側に変化する際に前記発光出力のボトムホールドを開始し、該ボトムホールドの終了時における前記ボトムホールドされた発光出力のパワーが前記所定パワーとなるようにホールド時間が設定されたボトムホールド回路と、前記所定パワーを基準として、前記レーザ光を発光させるように前記レーザ駆動装置を負帰還制御する制御手段とを備える。
本発明のレーザ出力制御装置に係る実施形態によれば、例えば、LDドライバ等のレーザ駆動装置の制御下で、例えば、半導体レーザ等の光源によって、例えば、DVD−R/RW等の追記型又は書換型の情報記録媒体に対して、記録用のレーザ光が照射される。このレーザ光は、例えば、記録マークの形成のために、発光パワーとして、例えば、相対的に高いパワー(即ち、ライトパワー、又は記録パワー)と、相対的に低いパワー(即ち、バイアスパワー、又は再生パワー)との2つのパワー以上に階段状に変化するように発光される。このレーザ光は、例えば、フォトディテクタ(PD:Photo Detector)等の受光素子によって受光されてもよい。この受光されたレーザ光の発光出力は、パルス形状をなすようにしてもよい。この発光出力は、負帰還制御を行うために、モニタ(監視)されることが可能である。
本実施形態によれば、例えば、ピークホールド回路によって、モニタされた発光出力のピーク値(最大値)が、ピークホールドされる、即ち、検出されると共に保持される。特に、このピークホールド回路のホールド時間は、モニタされた発光出力が、例えば相対的に低いパワー側に変化する際に発光出力のピークホールドを開始し、該ピークホールドの終了時におけるピークホールドされた発光出力のパワーが所望となる所定パワーとなるように設定されている。
例えば前述したピークホールドと同時に又は相前後して、ボトムホールド回路によって、モニタされた発光出力のボトム値(最小値)がボトムホールドされる、即ち、検出されると共に保持される。特に、このボトムホールド回路のホールド時間は、モニタされた発光出力が、例えば相対的に高いパワー側に変化する際に発光出力のボトムホールドを開始し、該ボトムホールドの終了時におけるボトムホールドされた発光出力のパワーが所望となる所定パワーとなるように設定されている。
続いて、制御手段の制御下で、レーザ駆動装置は、ボトムホールドされた発光出力に基づいて、レーザ光を、例えばバイアスパワーである所定パワーで発光させるように光源を駆動する。と共に、レーザ駆動装置は、この所定パワーを基準として、一定のパワー量が加算された記録パワー(ライトパワー)で、例えば、記録マークの長さに応じて所定時間だけ発光させるように光源を駆動する。
仮に、ピークホールド回路及びボトムホールド回路の代わりに、サンプルホールド回路を使用した場合、記録速度(書込み速度)の高速化(例えば、16倍速、24倍速、又は、それ以上)に対応することが困難である。より詳細には、記録速度が高速になるにつれて、マーク、及び、スペースを記録するための第1パワーと第2パワーとの切替え時間の短縮化が要求される。より具体的には、DVD−Rに対して8倍速で記録を行った場合、数十nsec程度の時間間隔で第1パワーと第2パワーとの切替えを行わなくてはならない。しかしながら、APC回路に含まれるサンプルホールド回路においては、記録速度が高速になるにつれて、サンプル時からホールド時へ切替わる時に発生するデジタルノイズ(所謂、リンギング成分)の出現頻度が増加してしまう。このデジタルノイズの影響により、バイアスパワーでレーザ光を発光させるように、例えば、半導体レーザ等の光源を駆動させるLD駆動電流の値に、直流成分としてのオフセット(所謂、DCオフセット)が付加されてしてしまう。従って、レーザ光を、所定のバイアスパワー、及び、他のレベルのパワーで発光させる適正な負帰還制御を行うことができなくなってしまう。このように、記録速度の高速化に伴う、デジタルノイズの影響により、発光パワーの適正な負帰還制御を実現することができなくなってしまう。
これに対して、本実施形態によれば、例えば、NPN型トランジスタや、コンデンサや、定電流源等を含むピークホールド回路を備えて構成されている。特に、このピークホールド回路は、例えば、記録速度に応じた所定のホールド時間に設定されている。この記録速度に応じた所定のホールド時間は、実験的、経験的又は理論的若しくはシミュレーション等により求めることが可能である。と共に、例えば、PNP型トランジスタや、コンデンサや、定電流源等を含むボトムホールド回路を備えて構成されている。これら両回路によって、アナログ処理のみ行われるので、サンプルホールド方式で発生していた記録速度の高速化に伴って頻繁に出現するデジタルノイズに影響されることなく、発光パワーの適正な負帰還制御を実現することが可能となる。
本発明のレーザ出力制御装置に係る実施形態の一の態様では、前記ピークホールド回路及び前記ボトムホールド回路のうち少なくとも一方は、前記ホールド時間を設定するホールド時間設定手段を有し、前記ホールド時間設定手段は、前記情報記録媒体の記録速度に基づいて、前記ホールド時間を設定する。
この態様によれば、記録速度に対応して、ホールド時間が適切に設定される。よって、記録速度の高速化に対応して、発光パワーの適正な負帰還制御を実現することが可能となる。
更に、このホールド時間設定手段に係る態様では、前記ホールド時間設定手段は、前記ピークホールド回路及び前記ボトムホールド回路のうち少なくとも一方を流れる電流を、前記記録速度に対応した所定値にすることによって、前記ホールド時間を設定するように構成してもよい。
このように構成すれば、例えば、DVDレコーダー等の情報記録装置において、固有の機能を付加したり、固有の性能をチューニングしたりする等の特別な調整が殆ど又は完全に必要ない。よって、各種様々な情報記録装置に適用させることが可能となる。
(電圧レベル検出方法に係る実施形態)
本発明の電圧レベル検出方法に係る実施形態は、電圧レベルが2値レベル以上に階段状に変化する電圧信号における所望となる所定電圧レベルを検出する電圧レベル検出装置における電圧レベル検出方法であって、前記電圧信号が低電圧レベル側に変化する際に、ピークホールドの終了時における前記ピークホールドされた電圧信号の電圧レベルが前記所定電圧レベルとなるようにホールド時間が設定されたピークホールド工程と、前記電圧信号が高電圧レベル側に変化する際に、ボトムホールドの終了時における前記ボトムホールドされた電圧信号の電圧レベルが前記所定電圧レベルとなるようにホールド時間が設定されたボトムホールド工程とを備える。
本発明の電圧レベル検出方法に係る実施形態によれば、上述した本発明の電圧レベル検出装置に係る実施形態が有する各種利益を享受することが可能となる。
尚、本発明の電圧レベル検出方法に係る実施形態においても、上述した電圧レベル検出装置に係る実施形態についての各種態様と同様の態様を適宜採用することが可能である。
(レーザ出力制御方法に係る実施形態)
本発明のレーザ出力制御方法に係る実施形態は、情報記録媒体(DVD−R/RW)に対して照射される記録用のレーザ光を発光させる光源(半導体レーザ)を備えたレーザ出力制御装置におけるレーザ出力制御方法であって、前記レーザ光を、2つのパワー以上に階段状に変化するように発光させ、パルス出力させるように前記光源を駆動させるレーザ駆動工程と、前記レーザ光を受光する受光工程と、前記受光されたレーザ光の発光出力が低いパワー側に変化する際に前記発光出力のピークホールドを開始し、該ピークホールドの終了時における前記ピークホールドされた発光出力のパワーが所望となる所定パワーとなるようにホールド時間が設定されたピークホールド工程と、前記受光されたレーザ光の発光出力が高いパワー側に変化する際に前記発光出力のボトムホールドを開始し、該ボトムホールドの終了時における前記ボトムホールドされた発光出力のパワーが前記所定パワーとなるようにホールド時間が設定されたボトムホールド工程と、前記所定パワーを基準として、前記レーザ光を発光させるように前記レーザ駆動工程を負帰還制御する制御工程とを備える。
本発明のレーザ出力制御方法に係る実施形態によれば、上述した本発明のレーザ出力制御装置に係る実施形態が有する各種利益を享受することが可能となる。
尚、本発明のレーザ出力制御方法に係る実施形態においても、上述したレーザ出力制御装置に係る実施形態についての各種態様と同様の態様を適宜採用することが可能である。
本実施形態のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から明らかにされる。
以上説明したように、本発明の電圧レベル検出装置及び方法に係る実施形態によれば、ピークホールド回路及び工程と、ボトムホールド回路及び工程とを備えることにより、所望の電圧信号を適切に検出することが可能となる。本発明のレーザ出力制御装置及び方法に係る実施形態によれば、光源と、レーザ駆動装置及び工程と、受光素子及び工程と、ピークホールド回路及び工程と、ボトムホールド回路及び工程と、制御手段及び工程とを備えることにより、サンプル方式で発生していた記録速度の高速化に伴って頻繁に出現するデジタルノイズに影響されることなく、発光パワーの適正な負帰還制御を実現することが可能となる。
(電圧レベル検出装置及びレーザ出力制御装置の第1実施例)
以下、図1から図8を参照しながら、本発明の電圧レベル検出装置、及び、レーザ出力制御装置に係る第1実施例について説明する。尚、以下の説明においては、例えば、DVDレコーダー等の情報記録装置に含まれるAPC(Automatic Power Control)回路を、本発明の電圧レベル検出装置、及び、レーザ出力制御装置に係る一実施例として説明する。
(1)基本構成
先ず、図1及び図2を参照して、APC回路の基本構成について説明する。ここに、図1は、本発明の電圧レベル検出装置、及び、レーザ出力制御装置の実施例に係るAPC回路の基本構成を図式的に示すブロック図である。図2は、本発明のピークホールド回路、及び、ボトムホールド回路の基本構成を図式的に示すブロック図(図2(a))、該ピークホールド回路の定電流源の一具体例を示した図式的な回路図(図2(b))、並びに該ボトムホールド回路の定電流源の一具体例を示した図式的な回路図(図2(c))である。
図1に示されるように、APC回路100は、本願発明に係る「光源」の一例を構成するLD(半導体レーザ)101、本願発明に係る「受光素子」の一例を構成するPD(フォトディテクタ)102、I/V変換器(電流電圧変換器)103、オペアンプ(Operational Amplifier:演算増幅器)104、本願発明に係るピークホールド回路200、本願発明に係るボトムホールド回路300、オペアンプ105、加算器107、及び、本願発明に係る「レーザ駆動装置」の一例を構成するLDドライバ108を備えて構成されている。
更に、図2(a)に示されるように、ピークホールド回路200は、NPN型トランジスタ201、コンデンサ202、及び、定電流源203を備えて構成されている。ボトムホールド回路300も同様に、PNP型トランジスタ301、コンデンサ302、及び、定電流源303を備えて構成されている。
(2)動作原理
次に、図3から図5に加えて、前述した図1及び図2を適宜参照して、APC回路の動作原理について詳細に説明する。ここに、図3は、本発明の第1実施例に係るピークホールド回路及びボトムホールド回路において、所定のホールド時間が設定された場合の各種動作が行われる前後の電圧信号の波形を図式的に示す波形図である。図4は、本発明の第1実施例に係るピークホールド回路及びボトムホールド回路において、所定のホールド時間より短く設定された場合の各種動作が行われる前後の電圧信号の波形を図式的に示す波形図である。図5は、本発明の第1実施例に係るピークホールド回路及びボトムホールド回路において、所定のホールド時間より長く設定された場合の各種動作が行われる前後の電圧信号の波形を図式的に示す波形図である。
図1に示されるように、先ず、LD101が照射したレーザ光LBの一部(前方光でも後方光でもよい)が、PD102によって、直接的又は間接的に受光される。このPD102からは、PD102に入射される発光パワーに比例した電流信号が出力される。
PD102から出力された電流信号は、その後の処理を簡単にするため、I/V変換器103により電圧信号に変換される。尚、全て電流で処理する場合は、電圧に変換されなくてもよい。図1の「A点」における電圧信号の波形は、例えば、DVD−R等の追記型情報記録媒体の場合、図3(a)に示されるように、4つの値を示す。より詳細には、レーザ光LBのバイアスパワー(再生パワー)に対応する電圧であるバイアス電圧Vb、レーザ光LBのピークパワーに対応する電圧であるピーク電圧Vp、レーザ光LBのライトパワーに対応する電圧であるライト電圧Vw、及び、グラウンド電圧GNDを示す。尚、電圧が、グラウンド電圧GNDを維持する区間は、レーザ光LBのオフパルス区間Toffに相当する。
再び、図1に戻る。図1の「A点」を通過した電圧信号は、オペアンプ104で増幅されて、ピークホールド回路200へ出力される。ピークホールド回路200において、電圧信号のピーク値(最大値)が、所定のホールド時間HTで、ピークホールドされる、即ち、検出されると共に保持される。言い換えると、例えば、電圧信号の出力速度(即ち、記録速度に対応される)に応じた所定のホールド時間HT(図3(b)中の黒丸の点線を参照)で、ピークホールド回路200が設定されている。従って、図1の「B点」を通過した電圧信号は、図3(b)に示されるように、電圧信号がピーク電圧Vpから低電圧レベル側に変化する際に電圧信号のピークホールドが開始され、該ピークホールドの終了時におけるピークホールドされた電圧信号、即ち、ピークホールド後の電圧信号のボトム値(最小値)がバイアス電圧Vbとなる。この出力速度に応じた所定のホールド時間HTは、実験的、経験的又は理論的若しくはシミュレーション等により求めることが可能である。詳細には、定電流源203の電流を調節することによって、所定のホールド時間に設定することが可能である。より詳細には、定電流源203の電流値を変化させることによって、コンデンサの放電量を変化させる。従って、電圧信号が示す電圧値の減少の割合(傾き)を変化させ、所定のホールド時間に設定することが可能となる。
仮に、前述した所定のホールド時間より短いホールド時間HT(図4(b)中の黒丸の点線を参照)で、ピークホールド回路200が設定されている場合について考察する。この場合、図1の「B点」を通過した電圧信号は、図4(b)に示されるように、電圧信号がピーク電圧Vpから低電圧レベル側に変化する際に電圧信号のピークホールドが開始され、該ピークホールドの終了時におけるピークホールドされた電圧信号がグラウンド電圧GNDとなってしまう。従って、図4(c)に示されるように、後述されるボトムホールド回路300によって、バイアス電圧Vbより低いグラウンド電圧GNDでボトムホールドされてしまう。よって、適正な負帰還制御を実現できなくなってしまう。或いは、仮に、前述した所定のホールド時間HTより長いホールド時間(図5(b)中の黒丸の点線を参照)で、ピークホールド回路200が設定されている場合について考察する。この場合、図1の「B点」を通過した電圧信号は、図5(b)に示されるように、電圧信号がピーク電圧Vpから低電圧レベル側に変化する際に電圧信号のピークホールドが開始され、該ピークホールドの終了時におけるピークホールドされた電圧信号がバイアス電圧Vbより高くなってしまう。従って、図5(c)に示されるように、後述されるボトムホールド回路300によって、バイアス電圧Vbより高い電圧でボトムホールドされてしまう。よって、適正な負帰還制御を実現できなくなってしまう。
これに対して、例えば、電圧信号の出力速度に応じた所定のホールド時間HT(図3(b)中の黒丸の点線を参照)で、ピークホールド回路200が設定されている。従って、ピークホールドされた電圧信号のボトム値(最小値)がバイアス電圧Vbとなる。従って、後述されるように、適正な負帰還制御を実現することが可能となる。
再び、図1に示されたピークホールド回路200の説明に戻る。ピークホールド回路200について、より詳細には、図2(b)に示されるように、オペアンプ104bに入力される電圧を調節することで、一定の抵抗を保持する定電流源203の電流を調節することが可能である。例えば、出力速度が基準速度の8倍であれば、オペアンプ104bに入力される電圧の基準値をV1(電流:I1)、出力速度が基準速度の16倍であれば、オペアンプ104bに入力される電圧の基準値をV2(電流:I2)、並びに、出力速度が基準速度の24倍であれば、オペアンプ104bに入力される電圧の基準値をV3(電流:I3)とするように構成してもよい。他方、図2(c)に示されるように、オペアンプ104cに入力される電圧を調節することで、一定の抵抗を保持する定電流源303の電流を調節することが可能である。例えば、出力速度が基準速度の8倍であれば、オペアンプ104cに入力される電圧の基準値をV1’(電流:I1’)、出力速度が基準速度の16倍であれば、オペアンプ104cに入力される電圧の基準値をV2’(電流:I2’)、並びに、出力速度が基準速度の24倍であれば、オペアンプ104cに入力される電圧の基準値をV3’(電流:I3’)とするように構成してもよい。このように構成すれば、例えば、DVDレコーダー等の情報記録装置において、固有の機能を付加したり、固有の性能をチューニングしたりする等の特別な調整が殆ど又は完全に必要ない。よって、各種様々な情報記録装置に適用させることが可能となる。
再び、図1に戻る。図1の「B点」を通過した電圧信号は、ボトムホールド回路300へ出力される。ボトムホールド回路300において、電圧信号のボトム値(最小値)が、ボトムホールド時間BHTで、ボトムホールドされる、即ち、検出されると共に保持される。言い換えると、例えば、少なくとも1倍速の電圧信号の出力速度に応じたボトムホールド時間(図3(c)中の黒丸の点線を参照)で、ボトムホールド回路300が設定されている。従って、図1の「C点」を通過した電圧信号は、図3(c)に示されるように、ボトムホールドされた電圧信号がバイアス電圧Vbとなる。
再び、図1に戻る。図1の「C点」を通過した電圧信号は、オペアンプ105で増幅される。そして、加算器107において、この増幅された電圧信号に、他のレベルのパワーでレーザ光を発光させるための記録信号が加算重畳される。LDドライバ108は、電圧信号と、記録信号とに基づいて、例えば、バイアスパワーや、ピークパワーで、レーザ光LBを発光させるように、LD101を駆動させる。尚、電圧から電流への変換は、このLDドライバ108において行われるように構成してもよい。
以上のような動作原理に基づいて、電圧信号が変換された基準電流信号、及び、記録信号に基づいて、駆動されるLD101が照射したレーザ光LBがPD102に戻されるため、系全体で適正な負帰還制御を実現することが可能となる。
(電圧レベル検出装置及びレーザ出力制御装置の第1実施例の作用効果の検討)
次に、図6から図8を参照して、本発明の電圧レベル検出装置、及び、レーザ出力制御装置に係る第1実施例の作用効果について検討する。ここに、図6は、比較例に係るAPC回路の基本構成を図式的に示すブロック図である。図7は、比較例に係るサンプルホールド回路において、サンプルホールド等の各種動作が行われる前後の電圧信号の波形を図式的に示す波形図である。図8は、比較例に係るサンプルホールド回路において、出力速度が増加するに従って、デジタルノイズが、バイアスパワーでレーザ光を発光させる基準電流信号に大きく影響を与えることを図式的に示す波形図である。
図6に示されるように、比較例に係るAPC回路においては、ピークホールド回路200及びボトムホールド回路300の代わりに、サンプルホールド回路400を備えて構成されている。図6及び図7(b)に示されるように、サンプルパルスが、電圧信号が、例えば、バイアス電圧Vbである区間において、サンプルが行われる。他方、電圧信号が、例えば、ピーク電圧Vp又はライト電圧Vwである区間において、ホールドが行われる。そして、図7(c)に示されるように、サンプルされたバイアス電圧Vbに基づいて、バイアスパワーでレーザ光を発光させる基準電流信号の値が求められる。
しかしながら、このサンプルホールド回路400において、図8(a)から図8(c)に示されるように、出力速度(記録速度)が高速になるにつれて、サンプル時からホールド時へ切替わる時に発生するデジタルノイズ(所謂、リンギング成分)の出現頻度が増加してしまう。このデジタルノイズの影響により、バイアスパワーでレーザ光を発光させる基準電流信号の値に、直流成分としてのオフセット(所謂、DCオフセット)が付加されてしてしまう。従って、バイアスパワー、及び、他のレベルのパワーでレーザ光を発光させるLD駆動電流の正確な制御を行うことができなくなってしまう。
これに対して、本発明の電圧レベル検出装置、及び、レーザ出力制御装置に係る第1実施例によれば、例えば、NPN型トランジスタ201や、コンデンサ202や、定電流源203等を含むピークホールド回路200を備えて構成されている。特に、このピークホールド回路200は、例えば、記録速度に応じた所定のホールド時間に設定されている。と共に、例えば、PNP型トランジスタ301や、コンデンサ302や、定電流源303等を含むボトムホールド回路300を備えて構成されている。これら両回路によって、アナログ処理のみ行われるので、サンプルホールド方式で発生する記録速度の高速化に伴って頻繁に出現するデジタルノイズに影響されることなく、発光パワーの適正な負帰還制御を実現することが可能となる。
(電圧レベル検出装置及びレーザ出力制御装置の第2実施例)
以下、図9から図11に加えて前述した図1を適宜参照しながら、本発明の電圧レベル検出装置、及び、レーザ出力制御装置に係る第2実施例について説明する。ここに、本発明の電圧レベル検出装置、及び、レーザ出力制御装置に係る第2実施例の基本構成及び動作原理は、第1実施例と概ね同様である。図9は、本発明の第2実施例に係るピークホールド回路及びボトムホールド回路において、所定のホールド時間が設定された場合の各種動作が行われる前後の電圧信号の波形を図式的に示す波形図である。図10は、本発明の第2実施例に係るピークホールド回路及びボトムホールド回路において、所定のホールド時間より短く設定された場合の各種動作が行われる前後の電圧信号の波形を図式的に示す波形図である。図11は、本発明の第2実施例に係るピークホールド回路及びボトムホールド回路において、所定のホールド時間より長く設定された場合の各種動作が行われる前後の電圧信号の波形を図式的に示す波形図である。
第2実施例においては、例えば、DVD−RW等の書換型情報記録媒体の場合におけるレーザ光の発光パワーのように、3つの値をとる電圧信号から、所望のイレーズ電圧Veを検出することが可能となる。
具体的には、図1の「A点」における電圧信号の波形は、例えば、DVD−RW等の書換型情報記録媒体の場合、図9(a)に示されるように、3つの値を示す。より詳細には、レーザ光LBのバイアスパワー(再生パワー)に対応する電圧であるクーリング電圧Vc、レーザ光LBのライトパワーに対応する電圧であるライト電圧Vw、及び、レーザ光LBのイレーズパワーに対応する電圧であるイレーズ電圧Veを示す。尚、電圧が、パルス出力の最後において、クーリング電圧Vcを維持する区間は、レーザ光LBのクーリングパルス区間に相当する。
再び、図1に戻る。図1の「A点」を通過した電圧信号は、オペアンプ104で増幅されて、ピークホールド回路200へ出力される。ピークホールド回路200において、電圧信号のピーク値(最大値)が、所定のホールド時間HTで、ピークホールドされる、即ち、検出されると共に保持される。言い換えると、例えば、電圧信号の出力速度(即ち、記録速度に対応される)に応じた所定のホールド時間(図9(b)中の黒丸の点線を参照)で、ピークホールド回路200が設定されている。従って、図1の「B点」を通過した電圧信号は、図9(b)に示されるように、電圧信号がライト電圧Vwから低電圧レベル側に変化する際に電圧信号のピークホールドが開始され、該ピークホールドの終了時におけるピークホールドされた電圧信号、即ち、ピークホールド後の電圧信号のボトム値(最小値)がイレーズ電圧Veとなる。
仮に、前述した所定のホールド時間より短いホールド時間HT(図10(b)中の黒丸の点線を参照)で、ピークホールド回路200が設定されている場合について考察する。この場合、図1の「B点」を通過した電圧信号は、図10(b)に示されるように、電圧信号がライト電圧Vwから低電圧レベル側に変化する際に電圧信号のピークホールドが開始され、該ピークホールドの終了時におけるピークホールドされた電圧信号がイレーズ電圧Veより低くなってしまう。従って、図10(c)に示されるように、ボトムホールド回路300によって、イレーズ電圧Veより低い値でボトムホールドされてしまう。よって、適正な負帰還制御を実現できなくなってしまう。或いは、仮に、前述した所定のホールド時間より長いホールド時間HT(図11(b)中の黒丸の点線を参照)で、ピークホールド回路200が設定されている場合について考察する。この場合、図1の「B点」を通過した電圧信号は、図11(b)に示されるように、電圧信号がライト電圧Vwから低電圧レベル側に変化する際に電圧信号のピークホールドが開始され、該ピークホールドの終了時におけるピークホールドされた電圧信号がイレーズ電圧Veより高くなってしまう。従って、図11(c)に示されるように、ボトムホールド回路300によって、イレーズ電圧Veより高い電圧でボトムホールドされてしまう。よって、適正な負帰還制御を実現できなくなってしまう。
これに対して、例えば、電圧信号の出力速度に応じた所定のホールド時間HT(図9(b)中の黒丸の点線を参照)で、ピークホールド回路200が設定されている。従って、ピークホールドされた電圧信号のボトム値(最小値)がイレーズ電圧Veとなる。従って、適正な負帰還制御を実現することが可能となる。
本実施例では、電圧レベル検出装置の一具体例として、例えば、DVD−R又はDVD−RW等の記録型光ディスクのレコーダー等の情報記録装置に含まれるAPC回路について説明したが、本発明は、例えば、全てのCD、DVD、及び、Blu-rayディスクの大容量記録媒体等の光学式情報記録媒体の情報記録装置含まれるAPC回路においても使用可能である。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電圧レベル検出装置及び方法、レーザ出力制御装置及び方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の電圧レベル検出装置、及び、レーザ出力制御装置の実施例に係るAPC回路の基本構成を図式的に示すブロック図である。
本発明のピークホールド回路、及び、ボトムホールド回路の基本構成を図式的に示すブロック図(図2(a))、該ピークホールド回路の定電流源の一具体例を示した図式的な回路図(図2(b))、並びに該ボトムホールド回路の定電流源の一具体例を示した図式的な回路図(図2(c))である。
本発明の第1実施例に係るピークホールド回路及びボトムホールド回路において、所定のホールド時間が設定された場合の各種動作が行われる前後の電圧信号の波形を図式的に示す波形図である。
本発明の第1実施例に係るピークホールド回路及びボトムホールド回路において、所定のホールド時間より短く設定された場合の各種動作が行われる前後の電圧信号の波形を図式的に示す波形図である。
本発明の第1実施例に係るピークホールド回路及びボトムホールド回路において、所定のホールド時間より長く設定された場合の各種動作が行われる前後の電圧信号の波形を図式的に示す波形図である。
比較例に係るAPC回路の基本構成を図式的に示すブロック図である。
比較例に係るサンプルホールド回路において、サンプルホールド等の各種動作が行われる前後の電圧信号の波形を図式的に示す波形図である。
比較例に係るサンプルホールド回路において、出力速度が増加するに従って、デジタルノイズが、バイアスパワーでレーザ光を発光させる基準電流信号に大きく影響を与えることを図式的に示す波形図である。
本発明の第2実施例に係るピークホールド回路及びボトムホールド回路において、所定のホールド時間が設定された場合の各種動作が行われる前後の電圧信号の波形を図式的に示す波形図である。
本発明の第2実施例に係るピークホールド回路及びボトムホールド回路において、所定のホールド時間より短く設定された場合の各種動作が行われる前後の電圧信号の波形を図式的に示す波形図である。
本発明の第2実施例に係るピークホールド回路及びボトムホールド回路において、所定のホールド時間より長く設定された場合の各種動作が行われる前後の電圧信号の波形を図式的に示す波形図である。
符号の説明
100…APC回路、101…LD(半導体レーザ)、102…PD(フォトディテクタ)、103…I/V変換器、104(105)…オペアンプ、107…加算器、108…LDドライバ、200…ピークホールド回路、300…ボトムホールド回路、201…NPN型トランジスタ、202(302)…コンデンサ、203(303)…定電流源、301…PNP型トランジスタ