請求項1に記載の発明は、金属板金で構成されたモジュールベースと、前記モジュールベースに設けられたドライブシャフト及びガイドシャフトと、前記モジュールベースに設けられ前記ドライブシャフトを回転駆動させるフィードモータと、前記フィードモータと前記ドライブシャフトの間に設けられ前記フィードモータの回転を前記ドライブシャフトに導くギヤと、前記ドライブシャフト及び前記ドライブシャフトの双方に移動自在に取り付けられたキャリッジと、前記キャリッジに搭載され異なる波長の光を記録媒体に導くとともに前記記録媒体で反射された光を所定の位置に導く光学系と、前記モジュールベースに設けられたスピンドルモータ部と、金属板金で構成されるとともに前記モジュールベースを覆い孔部を設けた保護カバーとを備え、前記孔部からスピンドルモータ部と前記キャリッジの一部が表出していることを特徴とする光ピックアップモジュールとしたことにより、放熱性を良好にできる。
請求項2に記載の発明は、前記モジュールベースと前記保護カバーとをFe,Ni,Co,Ti,Mg,Alの少なくとも1を含む金属材料若しくはそれらの合金材料で形成したことにより、放熱性及び剛性を高くでき、更に光ピックアップモジュールの軽量化を図ることができる。
請求項3に記載の発明は、前記モジュールベースを形成する材料の硬度を前記保護カバーを形成する材料の硬度と同等か小さくしたことにより、取り付け時の保護カバーの破損を防止することができる。
図1は本発明の実施の形態における光ピックアップ装置を示す図である。図1において、1はディスクで、本実施の形態においてはディスク1として、デジタルビデオディスク(以下DVDと略す)等の高密度ディスク1aまたはコンパクトディスク(以下CDと略す)等の低密度ディスク1bを用いている。ここで高密度ディスク1aとしては例えば、記録層を有する基板を2つ用意し、その2つの基板を張り合わせた構成のディスク等である。2はディスク1を回転させるスピンドルモータ部で後で詳述するが、ディスク1をクランプする機構も有する。3はディスク1に記録再生を行う光ピックアップ部で後で詳述する。4は光ピックアップ部3をディスク1を内周及び外周に移させるフィード部である。5はスピンドルモータ部及び光ピックアップ部及びフィード部を搭載するモジュールベースである。6、7はスピンドルモータ及び光ピックアップ部に電力を供給するフレキシ
ブル基板である。
以下、図2に本発明の実施の形態における光ピックアップ装置のスピンドルモータ部の詳細正面図、図3に同図2のAA断面図、図4に同詳細正面図、図5に同図4のBB断面図、図6に同図4のCC断面図を示す。
図2〜図3において、8はディスク1を精度良く位置決めする円盤状のターンテーブル、9はリング状の永久磁石で、永久磁石9は円周上にN磁極及びS磁極をそれぞれ交互に形成している。例えば、4つのN磁極の間にそれぞれS磁極を配置し、しかも各磁極間の角度はおよそ45度間隔で配置される。この場合、磁極としては8つで構成される。本実施の形態の場合、磁極数は8としたが、4〜16の範囲で構成する事が好ましい。磁極数が3以下であると、安定した回転を得ることができず、磁極数が13以上であると、着磁したときの磁力が小さくなりすぎて、やはり安定した回転は得る事は難しい。
10は板金で、板金10は永久磁石9のヨークとして用いられる。また、板金10はターンテーブル8に接着または一体成形等の手段で固定されている。この時板金10の代わりに、強磁性材料で構成された板状体を用いても良い。なお、本実施の形態の場合、永久磁石9の磁力を大きくするために、板金10を設けたが、それほど永久磁石9の磁力を必要としない場合には、板金10は設けなくても良い。
更に、永久磁石9と板金10を一体に形成しても良いし、ターンテーブル8,永久磁石9,板金10を一体に形成しても良い。このように3部材を一体にする事によって、部材の小型化を行うことができ、装置の薄型化を行うことができる。
11は複数のコイル群を環状に配置して構成されたスピンドルコイルで、スピンドルコイル11は永久磁石9に対向し、かつ永久磁石9の磁極数と異なる数のコイルで構成されている。この時、永久磁石9の磁極数よりもコイルの数を少なくすることが好ましい。また、コイル群それぞれは、略三角形状をなしており、しかも対向しているコイル同士は、直列に接続されている。本実施の形態の場合、永久磁石9の磁極数を8としているので、6つコイルを環状に配置することによって、スピンドルコイル11を構成している。なお、本実施の形態では、6つのコイルを環状に配置したが、4〜12の範囲で構成する事が好ましい。
12は永久磁石9の対向ヨークとして使用されるベース板金で、中央付近に一部テーパ面を有する絞りを設けている。また、絞りの部分にメタルハウジング13がカシメ等の手段で固定されており、しかもメタルハウジング13はベース板金12に対して垂直に立てられている。この時、ベース板金12は板金で構成したが、強磁性材料からなる板状体で構成しても良い。なお、ベース板金12状には図示していないフレキシブルプリント基板を介してスピンドルコイル11が配設されている。この図示していないフレキシブルプリント基板は、所定の配線構造を有しており、この配線とスピンドルコイル11は電気的に接続され、スピンドルコイル11にターンテーブル8が回転するように電流が流される。
14は含浸メタルで、含浸メタル14はメタルハウジング13の内部に厚入等の手段で固定されている。含浸メタル14は小型で非常に潤滑性がよく、しかも低摩擦であるので、特に薄型のドライブには好適に用いられる。本実施の形態では、メタルハウジング13の内部の両端部にそれぞれ含浸メタル14を配置したが、使用環境などを考慮して少なくとも一つの含浸メタルや3つ以上の含浸メタルをメタルハウジング13内に配置してもよい。更に、本実施の形態では、含浸メタルを用いたが、他の軸受けを用いても良い。
15はスピンドルシャフトで、スピンドルシャフト15は、端面が球面上で、他端面が
ターンテーブル8に厚入固定されている。
16はディスク1をクランプする変形ボールで、変形ボール16はクランプバネ17によって常にディスク1の外周方向に付勢されている。この付勢力によってディスク1は常にターンテーブル8側に応圧gaかかりクランプする機構になっている。また、ディスク1を取り外す際には変形ボール16はクランプバネ17をディスク1の内周側に圧縮させながら取り外す様になっている。
モジュールベース5にはベース板金12の絞り部分が挿入される略円形状のモジュールベース孔5aが形成されており、ベース板金12は、モジュールベース孔5aの範囲内においてモジュールベース孔5a内でタンジェンシャル及びラジアル方向にスキューできるようになっている。つまり、製造時にスピンドルシャフト15をモジュールベース5に対して所定の角度で立設するように構成されている。この様に構成することによって、ディスク1をタンジェンシャル及びラジアル方向にスキューできる様になる機構である。すなわち、以上の様な調整を行うことによって、ディスク1と光ピックアップの距離をほぼ一定にすることができ、良好な再生を行うことができる。
18はスキューバネ、19はスキューバネ18が挿入されているとともに、ベース板金5を貫通し、モジュールベース5に固定された固定ネジである。スキューバネ18はモジュールベース5とともにベース板金12を挟むよう固定ネジ19に固定されており、しかもスキューバネ18はベース板金12をモジュールベース5に付勢している。
20a,20bはベース板金12をモジュールベース5に対してラジアル方向及びタンジェンシャル方向にスキューさせるための調整ネジで、この調整ネジを締めたり緩めたりすることでスキュー調整を行う。この調整ネジ20a,20bはそれぞれモジュールベース5を貫通し、ベース板金12にねじ込まれている。スキュー調整は、まず、固定ネジ19にスキューバネ18を挿入し、そして固定ネジ19をベース板金12を貫通させて、固定ネジ19をモジュールベース5に固定する。この様に構成する事によって、前述の様に、スキューバネ18はベース板金12をモジュールベース5側に付勢する。次に調整ネジ20a,20bを回転させる事によって、モジュールベース5に対して板金ベース12をラジアル方向及びタンジェンシャル方向のスキューを調整する。この時、固定ネジ19でベース板金12はモジュールベース5に固定されているので、調整ネジ20a,20bを回転させることによって、ベース板金12は変位しないように思えるが、ベース板金12はスキューバネ18でモジュールベース5側に付勢されているだけであるので、ベース板金12は多少の範囲内では変位することができる。
以下本発明の光ピックアップの光学系について、高密度ディスク1aとしてDVDを、低密度ディスク1bとしてCDとを例に挙げて、種類の異なる複数のディスクを再生可能な光ピックアップについて説明する。
図4〜図6において、21は光学ユニットで、光学ユニット21は、高密度ディスク1aの再生を行う波長635〜650nmのレーザ光22を出射する半導体レーザと、高密度ディスク1aからの反射光を検出器に導く回折格子(図示せず)と、その回折格子からの光を受光する複数の受光素子とを備えた光検出器(図示せず)とを一体に構成したものである。
23もまた光学ユニットで、光学ユニット23は、低密度ディスク1bの再生を行う波長780nmのレーザ光24を出射する半導体レーザと、レーザ光24から3ビームを生成する回折格子と、低密度ディスク1bからの反射光を検出器に導く回折格子(図示せず)と、その回折格子からの光を受光する複数の受光素子を備えた光検出器(図示せず)と
を一体に構成したものである。
このように一体化された光学ユニット21及び光学ユニット23を光ピックアップに用いることにより、今まで各光学部材ごとに行っていた光軸調整等をユニット単位で行えるようになるので、調整に要する工程数及び時間を大幅に削減する事ができる。更に小さな光学部材の一つ一つを調整するのとは異なり、ユニット単位で調整できるので、調整時のハンドリング性が大幅に向上し、より正確な取り付けが行えるようになるとともに取り付け時の位置ズレの発生も大きく減少させることができる。
また各半導体レーザに対して1つの光学ユニットとしたことにより、各光学ユニット中において各半導体レーザに応じた最適な配置を行え、更に再生するディスクに適応した最適なフォーカス・トラッキングを行えるように各ユニットごとに形状の異なる別々の回折格子を設けることができ、加えて検出手段についてもディスクごとに最適な方法として用いられるRF信号及びフォーカス・トラッキング信号を形成することができる形状に予め形成することができるので、非常に高精度で信号の検知及びピックアップの制御を行うことができる性能の良い光ディスク装置を実現することができる。
そして光学ユニット21から出射されるレーザ光22の光軸と、光学ユニット23から出射されるレーザ光24の光軸とは互いにほぼ直交するように配置される。そしてレーザ光22をほぼ反射するとともにレーザ光24をほぼ透過するビームスプリッタ25の中心を前記光学ユニット21からのレーザ光22の光軸と光学ユニット23からのレーザ光24の光軸との交点を含む平面に配置し、異なる位置から出射された光をほぼ同一の光軸上に導くように構成されている。
このように異なる位置に配置された半導体レーザからの光を略同一光軸上に導くことにより、同一光軸上に導かれた後の光学部材を共有することができるので、対物レンズ等の光学部材の部品点数を削減することができ、生産性の向上及び生産コストの低減を図ることができる。また光路を共有するようにしたことにより、各半導体レーザから出射された光に発生する収差等の光学特性を悪化させる要因もほぼ共通に存在することになるので、各半導体レーザから出射されたそれぞれの光が対物レンズ29に入射する前に有している収差等の大きさをほぼ同等にすることができる。従って1つの対物レンズ29で複数の半導体レーザからの光をより容易にディスク1に収束させることができるようになる。
更にビームスプリッタ25の光出射面25a側には波長フィルタ26が配置されている。この波長フィルタ26は、何れの波長の光も透過する透過領域と特定の波長の光を遮蔽する選択透過領域とを有している。特に本実施の形態においては透過領域は、高密度ディスクに照射されるレーザ光22も低密度ディスクに照射されるレーザ光24も何れも透過させる領域であり、選択透過領域は高密度ディスク1aに照射されるレーザ光22をほぼ透過して、低密度ディスク1bに照射されるレーザ光24をほとんど透過しないもので、選択透過領域の形状は低密度ディスク24に照射されるレーザ光24が対物レンズ29に入射する際に要求される形状を実現できるように形成されている。本実施の形態においては、具体的には対物レンズの開口数が0.43〜0.45となるように形成されている。
この波長フィルタ26は、誘電体材料を用いて形成されており、高い屈折率を有する誘電体材料と低い屈折率を有する誘電体材料とを交互に組み合わせて、ビームスプリッタ25と別部材で形成する場合には、光学ガラス等のベース材料に形成されていることが多い。そしてビームスプリッタ25の光出射面25aには接着等の手段によって固定されている。またビームスプリッタ25に予め形成しておくことも考えられ、その場合にはビームスプリッタ25の光出射面25aを有するプリズムを形成する前の基板の段階において、その基板の光出射面25aとなる面にスパッタリングや蒸着等の方法により予め誘電体膜
を直接形成する。
特に予め形成していた場合には光学部材の取り付け工程を減少させることができるので生産性の高い光ピックアップとすることができるとともに、波長フィルタ26をビームスプリッタ25に設ける際に形成される接着層の存在による光学特性の劣化を抑制することができるので、特に良好な光学特性を実現することができる。
尚波長フィルタ26の配置位置はビームスプリッタ25と対物レンズ29の間にあれば何処に配置しても目的の効果は得ることができる。
波長フィルタ26を通過したレーザ光22及びレーザ光24は、必要に応じて設けられるコリメータレンズ27に入射し、発散光をより発散度の小さな光若しくは略平行光にされて、立ち上げミラー28によって光軸方向を変化させられ、対物レンズ29によりディスク1に集光される。ここで対物レンズ29は、レーザ光22が入射した場合にはその光を高密度ディスク1aの記録面に集光し、レーザ光24が入射した場合にはその光を低密度ディスク1bの記録面に集光するように形成されている。本実施の形態において対物レンズ29は、波長635〜650nmの波長を有するレーザ光22を基板厚み0.6mmで形成されているDVDの記録面に集光するように開口数0.6となるように設定されており、これによりレーザ光22は約1μm程度に集光させる。またこの対物レンズ29により、波長フィルタ26を透過した波長が略780nmのレーザ光24は、基板厚さ1.2mmで形成されているCDの記録面に集光するように設定されており、これによりレーザ光24は約1.2〜1.5μm程度に集光される。
この様に波長フィルタ26と対物レンズ29とを組み合わせて用いることにより、対物レンズ29での入射光の形状を最適化して、それぞれのディスク1に応じた集光位置と集光スポットの大きさを実現することができるので、複数の半導体レーザの光を一つの対物レンズを用いて、種類の異なるディスク1上に集光することが可能となる。
光学ユニット21の配置は、ユニットに設けられた高密度ディスク1aの再生に供される半導体レーザの位置が、コリメータレンズ27通過後に略平行光となるように設置され、光学ユニット23の配置は、波長780nmのレーザ光源が前記波長635〜650nmの半導体レーザよりも対物レンズ29に近くなる位置に配置する。例えば波長635〜650nmおよび波長780nmの半導体レーザと対物レンズ29の空気長での光路距離をそれぞれL1、L2とすると、0.55≦L2/L1≦0.75の範囲に波長780nmの半導体レーザ搭載の光学ユニット23の配置を設定する。
このような範囲に半導体レーザを配置することにより、対物レンズ29入射時にレーザ光22とレーザ光24とに発生している収差量を共に許容限界値以下とすることができるので、双方の光について良好な光学特性を得ることができ、高密度ディスク1aについても低密度ディスク1bについても良好な記録・再生特性を実現することができるので好ましい構成である。
ここで、図示していないが光学ユニット21の回折格子は3分割された領域、光学ユニット23の回折格子は2分割領域よりなる。また光学ユニット21は中心に4分割受光素子が配置され、その両側に受光素子を設けた構成の光検出器、光学ユニット23は5分割受光素子からなる光検出器で構成されている。また、光学ユニット21内の半導体レーザの方向は、レーザ光22のファーフィールドパターンの長軸方向が高密度ディスク1のラジアル方向と平行になるように取り付けてある。これにより隣接するピットとの間に発生するクロストークを効率良く防止することができる。また光学ユニット23の向きはトラッキング方法として3ビーム法を用いる場合には、その3ビームがディスク1のラジアル
方向と略直交するように配置してある。
本実施の形態で光学系に存在している2つの半導体レーザのいずれを発光させるかは、記録・再生するディスク1が高密度ディスク1aであるか低密度ディスク1bであるかに応じて切り換える。即ち高密度ディスク1aがディスク1として載置された場合には光学ユニット21に設けられている半導体レーザを動作させてレーザ光22を照射し、低密度ディスク1bがディスク1として載置された場合には光学ユニット23に設けられている半導体レーザを動作させてレーザ光24を照射する。
次に記録密度及び基板厚さの異なる光ディスクにおける再生動作について、特に基板厚み0.6mmのDVDと基板厚み1.2mmのCDを再生する場合の動作についてそれぞれ説明する。
厚み0.6mmの高密度ディスク1aの信号を再生する場合、光学ユニット21に設けられている半導体レーザからの波長635〜650nmのレーザ光22は回折格子を透過し、ビームスプリッタ25で反射された後、波長フィルタ26、コリメータレンズ27、立ち上げミラー28を透過し対物レンズ29へ入射する。対物レンズ29に入射したレーザ光22は対物レンズ29の集光作用で高密度ディスク1aの記録面(基板表面から略0.6mmに位置する)に結像される。高密度ディスク1aからの反射光は再び対物レンズ29、立ち上げミラー28、コリメータレンズ27、波長フィルタ26を透過し、ビームスプリッタ25で反射された後、回折格子に入射する。回折格子に入射した光は回折格子の3分割領域でそれぞれ回折され、光検出器に到達する。以上の動作において、RF信号は6分割受光素子で検出される電流出力を電圧信号に変換した総和より検出し、フォーカス誤差信号は回折格子の半円領域からの1次回折光を用いる、いわゆるホログラムフーコー法で検出する。トラッキング誤差信号は、回折格子の2分割領域の各々の1次回折光による電圧出力をそれぞれコンパレーターでディジタル波形に変換し、それらの位相差に応じたパルスを積分回路を通してアナログ波形に変換することで検出する。
低密度ディスク1bの信号を再生する場合、特にトラッキングエラー信号を3ビーム法で行う場合には、光学ユニット23に設けられている半導体レーザからの波長略780nmのレーザ光24が回折格子(図示せず)で3ビームに分離され回折格子を透過し、ビームスプリッタ25を透過し、波長フィルタ26の中心部分の略円形状部分を透過した後、コリメータレンズ27、立ち上げミラー28、対物レンズ29へ入射し対物レンズ29の集光作用で低密度ディスク1bの記録面(基板表面から略1.2mmに位置する)に結像する。
低密度ディスク1bからの反射光は再び対物レンズ29、立ち上げミラー28、コリメータレンズ27、波長フィルタ26の中心部分の略円形状部分、ビームスプリッタ25を透過し、回折格子に入射する。回折格子に入射した光は回折され、光検出器に到達し信号を検出する。RF信号は5分割受光素子で検出される電流出力を電圧信号に変換した総和より検出し、フォーカス誤差信号は回折格子の半分の領域からの1次回折光を用いるいわゆるホログラムフーコー法で検出する。トラッキング誤差信号は、3ビーム法で検出する。
以上が本実施の形態で用いた方法であるが、これに限定されるものではなくRF信号、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号のいずれについても既に知られている方法を用いることも可能である。
また本実施の形態においては半導体レーザを2つ用いた場合について説明してきたが、例えば高密度ディスク・中密度ディスク・低密度ディスクのように3つ以上の種類の異な
る複数のディスクを再生する場合には、3つ以上配置する場合も考えられる。その場合にはそれぞれの半導体レーザごとに光学ユニットを形成しても良いし、複数の半導体レーザを2つの光学ユニットに割り振るようにしても良い。またこの場合波長フィルタ26は透過領域と選択透過領域に加えて更にそれぞれの半導体レーザの波長に対応した第二・第三の選択透過領域を有していることが好ましい。
また使用する半導体レーザの波長は本実施の形態においては、DVDとCDを考えて635〜650nmのものと780nmのものを用いていたが、例えば400〜430nmと635〜650nmとしても良く、更に780nm、635〜650nm、400〜430nmの3つとしてもよく、更に必要に応じて増やすこともできる。
また光学ユニット21と光学ユニット23の配置は、前記0.55≦L2/L1≦0.75の範囲を満足した条件で交換してもよい。更に、ビームスプリッタ25の代わりに波長635〜650nmのレーザ光22のs偏向成分は反射し、波長780nmのレーザ光24のp偏向成分を透過する偏向ビームスプリッタを用いてもよい。また光学ユニット21のレーザ光波長は、高密度ディスクの録再に対応した短波長レーザ光に変更してもよい。
30は光学ユニット21内の半導体レーザのレーザ光量を調節するためのボリュームであり、31は光学ユニット23内の半導体レーザのレーザ光量を調節するためのボリュームである。この各々のボリューム30、31は逆に、ボリューム30側を光学ユニット23内の半導体レーザのレーザ光量を調節するためのボリュームにし、ボリューム31側を光学ユニット21内の半導体レーザのレーザ光量を調節するためのボリュームにしてもよい。また、ボリューム30、31は光学ユニット21と23の配置された面とは異なる面でかつ同一面上に配設されている。
次に対物レンズ29を駆動するアクチュエータ等について説明する。
33は対物レンズ保持筒で、対物レンズ29は接着等の手段によって対物レンズ保持筒33に固定している。34は対物レンズ29側にN極に着磁された永久磁石で、35は永久磁石34のヨークである。36は対物レンズ保持筒33をフォーカス方向に駆動するためのフォーカスコイルで、37は対物レンズ29をトラッキング方向に駆動するためのトラッキングコイルである。この各々のコイル36及び37は接着等の手段によって対物レンズ保持筒33に固定されている。この永久磁石34とフォーカスコイル36及びトラッキングコイル37に流す電流の大きさと方向で、ディスク1に対してフォーカス方向及びトラッキング方向に常に追従できるようになっている。38はフォーカスコイル36及びトラッキングコイル37に電力を供給する中継基板で、対物レンズ保持筒33をワイヤ39で中立位置に保持するためにも使用されている。ワイヤ39の一端は中継基板38に半田付け等の手段によって固定され、他端をサスペンションホルダー40の一端に接着等の手段によって固定されたフレキシブル基板上に半田付け等の手段によって固定されている。41はキャリッジで、対物レンズ29に対して光学ユニット23側にスクリューシャフト42、反対側にガイドシャフト43が構成され、キャリッジ41はスクリューシャフト42及びガイドシャフト43上をディスク1の内周から外周に移動できるようになっている。
図1及び図6において、光学ユニット21、23及び重畳回路32、フォーカスコイル36、トラッキングコイル37に電力を供給するためのフレキシブル基板7の引き回し状態は、キュリッジ41と保護カバー44間で、かつディスク1の外周方向にキャリッジ41から出され、ディスク1側に腕曲を持たせる用に引き回されて再度キュリッジ41と保護カバー44間を通過し、固定ブロック45とスラストバネ46によって固定され、モジ
ュールベース5から外部に出されている。ここで、フレキシブル基板7にはキャリッジ41以降引き回された部分において湾曲しない部分に補強板を接着等の手段によって固定され、保護カバーのキャリッジ41側面に密着し、キャリッジ側に垂れるようなことがないようにしている。また、フレキシブル基板7の補強板は、光ピックアップ3がディスク1の最外径位置に行ったときでも、キャリッジ41から補強板の先端が外れず、常にオーバラップしているようになっている。
次にフィード部4について図7を用いて詳細に説明する。
47はフィードモータで、フィードモータ47の回転軸は両軸になっており、一方にはフィードモーター47の動力を伝達するためのピニオンギア48、他端にはフィードモータ47の回転制御を行うため円周方向にスリットを切ったエンコーダ211が圧入等の手段によって取り付けられている。
212はモータブラケットで、モータブラケット212にはフィードモータ47が固定ネジ2本で固定支持されている。
50はトレインギアで、トレインギア50はフィードモータ47の動力を伝達しかつ回転を減速させるために用いられている。
214はトレインシャフトで、トレインシャフト214は、モーターブラケット212に圧入等の手段により取り付けられており、トレインギア50の回転軸になっている。また、トレインシャフト214の先端部はカットワッシャー215が取り付けられるよう段付きの溝が設けられトレインギア214の抜け止めになっている。
51はシャフトギアで、シャフトギア51はスクリューシャフト42が圧入により取り付けられている。シャフトギア51はフィードモータ47の動力を伝達しかつ回転を減速させるために用いられている。
スクリューシャフト42はフィードモータ47の動力を伝達しかつ回転数を減速させるために用いられている。スクリューシャフト42には螺旋上に溝が形成され、キャリッジ41にラックスプリング218を介して取り付けられたラック52と噛み合っている。この状態で、フィードモータ47を正逆に回転させることによってラック52はスクリューシャフト42上に形成された溝に沿うことで、キャリッジ41はディスクの外周側と内周側へ移動可能になっている。
221はスラストスプリングで、スラストスプリング221はスクリューシャフト42の端部を受け、スクリューシャフト42長手方向に自由度を持たせている。
222はフォトインタラプタで、基板223に半田で取り付けてあり、エンコーダー211のスリットによるLED光の受光の有無によりフィードモータ47の回転数を検知する。その情報をドライブ基板にフィードバックし光ピックアップの記録再生の情報と加味してフィードモータ47の回転数を制御し、ひいてはキャリッジ41の位置を制御する。
次にフィード部4について他の例を図8を用いて説明する。
図8に記載されている符号において図7の符号と同じものは同一の構成機能等を有する。図7に示されるフィード部は、回転検出手段として、エンコーダ211とフォトインタラプタ222を用いたが、図8に示すものは磁気的な検出手段を設けた。
図8において、224はフィードモータ9のピニオンギア48が設けられた側と反対側の回転軸に圧入等によって取り付けられたロータリーマグネットで、ロータリーマグネット224はフィードモーター9の回転制御を行うためのN極とS極を円周方向に多分割配置されている。
225はホール素子で、基板226に半田で取り付けてあり、ロータリーマグネット224の磁力を検出することによりフィードモータ47の回転数を感知する。その情報をドライブ基板にフィードバックし光ピックアップの記録再生の情報と加味してフィードモータ47の回転数を制御し、ひいてはキャリッジの位置を制御する。
以上の様にフィード部4を構成する事によって、キャリッジ41を移動させるための動力源となるフィードモータ47の回転軸が両軸になっており、一方に動力を伝達するためのピニオンギア48、他端にフィードモータ47の回転制御を行うエンコーダ211またはロータリーマグネット224が設けられていることにより、フィードモータ47部品配置の自由度が高まり光ピックアップの小型化が可能になる。また、モーター部品(ピニオンギア48等のギア類など)を均等位置に配置することが可能なため、フィードモータ47に取り付けられた部品(ギアなど)のわずかな質量バランスのズレによって発生する振動が増大されるのを抑えることができる。さらにフィードモータ47にエンコーダ222およびロータリーマグネット224を取り付けたユニット状態でモーターブラケット212への取り付けが可能なため生産性にも優れている。
また、以上の様な構成によって、モジュールベース5の投影面積を小さくすることができ、制御関係等の基板の面積を広くとれることができる。
次に、このモジュールベース5の投影面積について説明する。
図9及び図10はそれぞれ本発明の一実施の形態における光ドライブ装置を示す平面図及び斜視図である。
図9において、5はモジュールベースで、モジュールベース5は図1〜図8に示したものと同じである。300,301は基板で、この基板300,301には、制御関係や他の装置との電気的接続を行う回路が形成されている。この基板300,301には集積回路やチップ部品等が載置されており、前述の回路等を構成している。光ドライブ装置400では、前述の図示していない駆動装置によって、光ドライブ装置400のケース401から、前述のモジュールベース5,基板300,301をそれぞれ搭載したスライダー部材を外部に露出したり、前記スライダー部材をケース401内に収納したりする。402はスライダー部材の出し入れを行うスイッチである。このスイッチ402を押すことによって、スライダー部材を外部に露出させ、再度スイッチ402を押すことによって、スライダー部材をケース401内に収納する。
光ドライブ装置400は、薄型化が求められており、図9、図10に示すW3は11mm〜13.5mm(好ましくは12.7mm)に設定される。光ドライブ装置400の高さを前述の様に設定する事によって、ノートブックパソコン等に搭載が可能となる。
この様に光ドライブ装置400において、薄型化が求められてくると、図9に示す様に、モジュールベース5と基板300,301は積層状態にすることはできない。すなわち、モジュールベース5の上方や下方に基板300,301を配置することはできない。従って、図9に示す様にモジュールベース5の側方に配置されるようになる。この様に基板300,301をモジュールベース5の側方配置すると、モジュールベース5の投影面積S1(図9で示すモジュールベース5の斜線部の面積)が非常に重要になってくる。この
投影面積S1が大きいと、基板300,301の面積が小さくなってしまい下記の様な問題点が発生する。
(1)基板300,301上に形成される回路設計に制限が加えられることになり回路形成が非常に困難になる。
(2)基板300,301上に集積回路(ICやLSI等)やチップ抵抗等を密集して載置しなければならないので、各部品から放出される熱がうまく外部に逃げず、誤動作の原因となる。
そこで、モジュールベース5の投影面積S1について詳細に検討すると、ケース401の投影面積S2はW1×W2で表され、W1とW2はほぼ122mm〜140mmであるので、S2=14884mm2〜19600mm2である。この様な状況下で、上記2つの問題点を解決するためには、投影面積S1は4000mm2〜6000mm2(好ましくは4500mm2〜5500mm2であり、更に好ましくは4800mm2〜5200mm2)にすることが重要であることがわかった。投影面積S1が4000mm2以下であると、・モジュールベース5に搭載されるディスク1を回転させるモータ駆動系が小さくなり、十分にディスク1を高速にしかも安定して回転することができない。
すなわち図3に示すスピンドルコイル11及び永久磁石9の大きさが小さくなり、高速回転ができなくなることがあり、しかも永久磁石9に構成される磁極数が少なくなり、安定した回転を得ることができなくなる。
・また、図7及び図8に示す様にフィードモータ47を小さくしなければならず、キャリッジ41の高速移動をさせることができないので、ディスク1の所定に位置にキャリッジ41を移動させることができなくなるので、高速読み出し等を行うことは難しい。
・更に、光学ユニット22,23の配置間隔も非常に狭くなり、十分な熱放出を行うことができにくくなるので、光学ユニット22,23から安定した光放出を行うことができない。
等の問題が生じる。
また、投影面積S1が6000mm2を超えると、前述の課題(1)(2)が発生する。
また、投射面積S1と投射面積S2の比S1:S2=1:2.7〜4.9にする事が上記課題を解決する一つの見方である。
更に図7、図8の様にフィードモータ47を両軸にすることによって、図9で示すモジュールベース5の点線部分の投影面積を削除することができる。
次にフレキシブル基板7について図11〜図14を用いて詳細に説明する。
図11は本発明の光ピックアップ装置の内部構造を示した図である。図11において3は光ピックアップ部、41はキャリッジ、5はモジュールベース、2はスピンドルモータ部、7はフレキシブル基板、42はスクリューシャフト、221はスラストバネ、52はラック、48はピニオンギア、50はトレインギア、212はモータブラケット、43はガイドシャフト、47はフィードモーター、1はディスク、44は保護カバーで、これらは図1〜図10に示すものとほぼ同じである。また、603はバネ取り付け台である。
なお、保護カバー44は板金などで構成される。
上記のモジュールベース5はこの光ピックアップ装置全体を支持する。スピンドルモータ部2はディスク1をその回転中心で精度良く位置決めし、このディスク1を自己保持す
るターンテーブルとこれらを回転させるスピンドルモーターとユニットとなっており、ディスク1を必要に応じた速度で回転させるものである。フィードモータ47はそれ自身も固定しているモータブラケット212のギア列(ピニオンギア48及びトレインギア50等)を介してスクリューシャフト42を駆動する。スラストバネ221はスクリューシャフト42を片側方向に押さえることでスクリューシャフト42を安定させている。バネ取り付け台603はスラストバネ221とフレキシブル基板7を位置決めし、ネジなどの締結手段によって両者をモジュールベース5に固定する。スクリューシャフト42には螺旋状に溝が形成されており、キャリッジ41に板バネを介して付けられたラック52と噛み合っている。この状態で、フィードモータ47を正逆に回転させることによってラック52はスクリューシャフト42上に形成された溝に沿って動き、キャリッジ41をディスク1の外周側と内周側に移動させる。フレキシブル基板7は制御基板からの駆動電力や制御信号等の電気信号を光ピックアップに伝え、光ピックアップが読み取ったディスク1の情報を制御基板に伝える。
次にキャリッジ41がディスク1の内周と外周を移動する動作を図12を参照し説明する。図12は本発明の光ピックアップ装置におけるキャリッジ移動時の動作を示した図であり、キャリッジ41の動きがわかり易いようにモジュールベース5を断面図としている。図12(a)において、制御基板からフィードモータ47に電圧が印加されてキャリッジ41が内周から外周へと移動し始めたとき、フレキシブル基板7はモジュールベース5内のスペース全体を使って湾曲した状態になっており、湾曲の半径は大きい。図12(b)のようにキャリッジ41が外周側に進んでくるとき、フレキシブル基板7のたるんでいた部分は小さくなり、保護カバー44の開口部44tに湾曲部7tが掛かってくる。図12はこの状態の開口部44tをディスク1側から見た図である。図13に示すように、保護カバー44の開口部44tはフレキシブル基板7の曲げ方向に対して角度を付けた形状をしているので、フレキシブル基板7が自身の持つ弾性によって開口部44tの外に一気に出ることはなく、片側から徐々に開口部44tの外に出て行く構造になっているので、フレキシブル基板7の曲げ弾性による急激な荷重変化をキャリッジ41や駆動系に与えず滑らかにキャリッジ41移動が行われる。次に図12(c)に示すようにキャリッジ41が最も外周側に来た時点では、フレキシブル基板7の湾曲部7tは完全に保護カバー44の開口部44tから出て、保護カバー44とトレイ604のすき間に入ることで湾曲の寿命に影響のない十分な湾曲半径を保つ。図14は本発明の光ピックアップ装置におけるフレキシブル基板の補強部材の貼り付け位置を示した図である。ただし、構成をわかりやすくするためにフレキシブル基板のみを透過している。キャリッジ41が最外周の位置から内周側に移動する際にフレキシブル基板7には座屈方向の力が働くが、本発明では薄い補強部材601が接着等の方法でフレキシブル基板7に張り付けてあるため、この座屈方向の力によって柔軟なフレキシブル基板7が撓んでキャリッジ41とスピンドルモータ部2の間へ噛み込まない構造になっている。図14の斜線部に示すように、補強部材601のキャリッジ側の端はキャリッジ41がディスク1の最外周の位置にある場合でもキャリッジ41にオーバーラップする位置にあり、噛み込みを防止している。また、制御基板側はフレキシブル基板7のモジュールベース5側の固定部まで貼り付られる。フレキシブル基板7の位置決めは、バネ取り付け台603から突き出た位置決めボス602にフレキシブル基板7の位置決め穴605が入ることによっておこなわれ、さらにスラストバネ221でフレキシブル基板7を押さえ付けて共締めすることによって確実に位置決め及び固定がなされる構造となっている。
以上の様に本実施の形態において、キャリッジ41とディスク1の間にフレキシブル基板7を配置することによって、光ピックアップ装置の高さを薄くすることができ、ひいてはドライブ装置の薄型化(高さが11mm〜14mm,好ましくは12.7mmのドライブ装置)を行うことができる。キャリッジ41のディスク1側と反対側にフレキシブル基板7を配置して薄型化を行おうとすると、フレキシブル基板7の撓みなどによって、キャ
リッジ41を移動させる駆動手段等に咬み込んだりする等の悪影響を与えるので、不具合である。
本実施の形態では、キャリッジ41とディスク1の間に保護カバー44を配置し、この保護カバー44とキャリッジの間にフレキシブル基板7を配置しているので、フレキシブル基板7に急激な振動などが加わってもフレキシブル基板7は保護カバー44とディスク1との接触を防止できる。
本実施の形態では、保護カバー44を板金で形成したが、プラスチックなどの樹脂材料等で構成しても良い。
フレキシブル基板7の湾曲部7tをディスク1側に突出させることも光ピックアップ装置の高さを薄くできる。すなわち、ドライブ装置において、ディスク1が設けられる面には、からなず、ディスク1と他の部材が接触しないようにスペースが設けられる。光ピックアップ装置の薄型化を検討すると、キャリッジ41の移動によって生じる湾曲部7tをどの位置に持ってくるかが問題になってくる。この湾曲部7tを強制的に所定の場所に押し込もうとすると、湾曲部7tに大きな応力が係ることになり、それによってその湾曲部7tに形成された配線などに断線が生じ、さらに、湾曲部7tの応力によって、キャリッジ41に不要な力が生じることによって、キャリッジ41の精度良い位置決めに支障を来すことがある。そこで、キャリッジ41とディスク1の間に形成されるデッドスペースに着眼し、そのデッドスペースに湾曲部7tを突出させる構成とすることによって、前述の様に湾曲部7tに加わる応力を発生させず、フレキシブル基板7の断線やキャリッジ41の位置決めなどに支障をきたすことがない。
また、湾曲部7tはディスク1の外側に突出する方が好ましい。この様な構成によって、衝撃などによって湾曲部7tが仮に振動しても、湾曲部7tはディスク1と接触することがない。更にこの湾曲部7tのディスク1側に最大限突出している部分とディスク1の縁部との距離は2mm以上離れていることが好ましい。
また、補強部材601としては、フレキシブル基板7の構成材料と同じ材料で構成されたシート等を張り合わせたり、ポリイミドなどの樹脂材料で構成されたシート等を張り合わせても良い。また、補強部材601としてシートを張り付けるタイプ以外にもエポキシ樹脂など単に塗布して硬化させて補強部材601を構成させることもできる。また、補強部材601を用いなくて、フレキシブル基板7の補強部材601を設けていた部分を幅広にし、他の部分に切り欠きなどを設けて弾性を小さくすることによって、補強部材601を設けなくても同様の効果を得ることができる。
また、フレキシブル基板7は外部基板や外部装置等とキャリッジ41間の電気的信号のやり取り等を行う。例えば光学ユニット21,23を駆動するための電力や、前記光学ユニット21,23から出てくる再生信号のやりとり,対物レンズを動かすアクチュエータの電源やその制御信号のやり取り等を行う。フレキシブル基板7に形成される配線の数は、10〜40本程度である(好ましくは20〜30本)。
次に、フレキシブル基板7の湾曲部7tの突出する開口部44tについて説明する。この開口部44tのスピンドルモータ部2側は傾斜しているが、この傾斜角度α(図13に示す)は70度〜80度が好ましい(特に好ましくは73〜77度)。この角度に設定することによって、湾曲部7tを開口部44tから緩やかに突出させることができるので、キャリッジ41の急激な移動が発生しても湾曲部7tに振動等が発生せず、キャリッジ41の位置決めなどに悪影響を与えることはない。なお、開口部44tの傾斜している部分は、直線上でなくても良く、例えばディスク1の外周部の曲率に合わせた円弧状としても
同様の効果を得ることができる。
次に図15及び図16を用いて光ピックアップジュールの外装材の構成について説明する。図15は本発明の一実施の形態におけるモジュールベースの平面図、図16は本発明の一実施の形態における保護カバーの平面図である。
モジュールベース5は金属材料で形成された板金で構成されており、薄型化のために多くの穴部が形成されている。モジュールベース5を板金で形成することにより、従来の樹脂で構成されたものと比べて、放熱性が良好で内部に熱がこもらないので、モジュールベース5内に配置される半導体レーザや受光素子等が熱により劣化したり破壊されたりすることがほとんどなくなる。このことは特に高出力の半導体レーザを必要とする高密度ディスクを記録再生するドライブ装置においては特に有用である。また温度や湿度に対して強い耐性を有しているので、非常に高い耐環境性を実現することができる。従って車中等の過酷な環境で用いられるドライブ装置等において有用である。更に同じ強度でも樹脂に比べて肉厚を薄くすることができるので、ノートパソコンや携帯情報端末等に搭載されるドライブ装置の課題とされている薄型化を達成することができる。
更に板金の材料としては、各種金属及びその合金の中でもFe,Ni,Co,Mg,Ti,Al等の金属及びその合金材料を用いることができる。そしてこれらの中でも電気亜鉛メッキ鋼板やステンレス、Ti,Mg等の合金は軽量で強度も強く放熱性も良好であるので非常に適した材料である。
次にモジュールベース5に数多く設けられている穴部についてそれぞれ説明する。モジュールベース孔5aはスピンドルモータのベース板金12の絞り部分を収納する働きを有している。これによりモジュールベース5の底面からスピンドルモータの最上面までの距離を短くすることができ、光ピックアップモジュールを薄く形成することができる。
そしてフィードモータ47、ピニオンギア48、シャフトギア51に対してモジュールベース5の干渉する部分にベース孔5b、5cが設けられている。このベース孔5b,5cは、フィードモータ47、ピニオンギア48、シャフトギア51ベースの一部を収納することにより、光ピックアップモジュールの全高を低く抑えていているとともに、モータや各ギアで発生する熱を効率よく外部に放出することができるものである。
さらにキャリッジ41のディスク内外周への移動に対して干渉する部分には孔5dを設けている。
この様に多くの穴部を設けるために、上述したがモジュールベース5は金属板金で形成されている。
次に保護カバー44は金属材料で形成された板金で構成されており、薄型化のために多くの穴部が形成されている。保護カバー44を板金で形成することにより、従来の樹脂で構成されたものと比べて、放熱性が良好で内部に熱がこもらないので、保護カバー44で覆われる半導体レーザや受光素子等が熱により劣化したり破壊されたりすることがほとんどなくなる。このことは特に高出力の半導体レーザを必要とする高密度ディスクを記録再生するドライブ装置においては特に有用である。また温度や湿度に対して強い耐性を有しているので、非常に高い耐環境性を実現することができる。従って車中等の過酷な環境で用いられるドライブ装置等において有用である。更に同じ強度でも樹脂に比べて肉厚を薄くすることができるので、ノートパソコンや携帯情報端末等に搭載されるドライブ装置の課題とされている薄型化を達成することができる。
更に板金の材料としては、各種金属及びその合金の中でもFe,Ni,Co,Mg,Ti,Al等の金属及びその合金材料を用いることができる。そしてこれらの中でも電気亜鉛メッキ鋼板やステンレス、Ti,Mg等の合金は軽量で強度も強く放熱性も良好であるので非常に適した材料である。
ここでは特にモジュールベース5に対する取付を考慮して、バネ性を有するステンレスを用いている。
次にモジュールベース5に数多く設けられている穴部についてそれぞれ説明する。フィードモータ47、シャフトギア51及びエンコーダ211に対向する位置に孔44a、絞り上げ44b及び孔44gを設けることで高さ方向のスペースを確保している。孔44cはフレキシブル基板7の逃げ部になっている。以上のような構造により、光ピックアップモジュールの全高を低く抑えていているとともに、モータや各ギアで発生する熱を効率よく外部に放出することができるものである。更には光ピックアップモジュールの軽量化にもつながる。
ここでモジュールベース5と保護カバー44との取付について説明する。保護カバー44の周縁部には保護カバー44のカバー面にほぼ垂直に設けられている複数の突起部44dが形成されている。突起部44dはバネ性を有する板材44eと、板材44eの内側に設けられている突起44fを有している。そしてモジュールベース5の周縁部には複数の突起部44dに対向する位置し、前記突起部44dと嵌合する収納部5eが形成されている。更にモジュールベース5の外周形状は、保護カバー44の内周形状と同じかやや小さめに形成されている。
保護カバー44とモジュールベース5との取付は、保護カバー44に設けられている突起部44dをモジュールベース5の周縁部の収納部5e上に位置させる。そして保護カバー44にモジュールベース5に向けて力を加える。これにより保護カバー44はその突起部44dの板材44eを外側に撓ませながらモジュールベース5と嵌合していき、最後に突起部44dに設けられた突起44fがモジュールベース5の収納部5eと嵌合して固定される。
ここで保護カバー44を形成する材料の硬度は、モジュールベース5を形成する材料の硬度よりも大きい方が好ましい。この様に構成することにより、挿入嵌合時に突起44fが破損してしまって収納部5eとの嵌合が不充分になり、光ピックアップの動作中に余分な音が発生したり、保護カバー44が外れてしまうことを防止することができる。
この様な方法で保護カバー44とモジュールベース5とを取り付けることにより、取付に際してネジ等の部材を用いないので、部品点数を削減することができるとともにネジ締めの工程等の工程数を削減することができるので生産性の高い、低コストである光ピックアップモジュールを実現することができる。