JP2005085290A - 光ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光ピックアップにおけるフォーカスサーボの焦点補正距離及び加速度を大きくし、フォーカスサーボ性能の改善を図る。
【解決手段】 光ピックアップを支持する回動アームとして、集積光ピックアップユニットを保持した光ピックアップベースプレートと平行に支持バネとサスペンションを設けた構造を採用する。そして、集積光ピックアップユニットに光ピックアップから出射されたレーザ光の発散角を広げるための凹レンズを設け、支持バネに凹レンズからの光を平行光に変えるコリメータレンズを設け、さらに、サスペンションに対物レンズを組み込んだ浮上スライダを設ける。この構造により、コリメータレンズを自在に変位させることができる構造となり、フォーカスサーボの焦点補正距離及び加速度を大きくできる。
【選択図】 図2
【解決手段】 光ピックアップを支持する回動アームとして、集積光ピックアップユニットを保持した光ピックアップベースプレートと平行に支持バネとサスペンションを設けた構造を採用する。そして、集積光ピックアップユニットに光ピックアップから出射されたレーザ光の発散角を広げるための凹レンズを設け、支持バネに凹レンズからの光を平行光に変えるコリメータレンズを設け、さらに、サスペンションに対物レンズを組み込んだ浮上スライダを設ける。この構造により、コリメータレンズを自在に変位させることができる構造となり、フォーカスサーボの焦点補正距離及び加速度を大きくできる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、各種光ディスクに対する情報信号の記録や再生を行なうための光ピックアップを搭載した光ディスク装置に関する。
近年、光ディスクドライブの薄型化が進んでおり、現状では、10mm厚程度のものが商品化されている。光ディスクドライブの薄型化を図る上で最大の障害となるのは、キーデバイスである光ピックアップの厚みである。
したがって、この光ピックアップを薄型化することが、より薄い光ディスクドライブを作成するための鍵となる。最近では、より薄い、例えば5mm厚の光ディスクドライブを実現するために、新しい構造の光ピックアップが提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。
したがって、この光ピックアップを薄型化することが、より薄い光ディスクドライブを作成するための鍵となる。最近では、より薄い、例えば5mm厚の光ディスクドライブを実現するために、新しい構造の光ピックアップが提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。
図17は従来の光ピックアップの一例を示す断面図である。
図示の例は、バイモルフ型圧電素子1111を含むロードビーム1110によって支持した浮上スライダ1120内に全ての光学系を集積化し、全ての1パッケージにした例である。浮上スライダ1120は、外周に積層型圧電素子1121を設けたものであり、その内部に集積光学系(集積OP)1122やレーザ受発光ユニット1123等を配置し、さらに上部に光ディスク1130と対向する対物レンズ1124を配置したものである。
この浮上スライダ1120では、積層型圧電素子1121によって集積OP1122と対物レンズ1124との間の距離を変化させて、フォーカスサーボをとっている。また、ロードビーム1110に設けられたバイモルフ型圧電素子1111により、浮上スライダ1120に与えるロード圧をコントロールすることにより、浮上スライダ1120の浮上量を変化させて、フォーカスサーボを行なうこともできる。
図示の例は、バイモルフ型圧電素子1111を含むロードビーム1110によって支持した浮上スライダ1120内に全ての光学系を集積化し、全ての1パッケージにした例である。浮上スライダ1120は、外周に積層型圧電素子1121を設けたものであり、その内部に集積光学系(集積OP)1122やレーザ受発光ユニット1123等を配置し、さらに上部に光ディスク1130と対向する対物レンズ1124を配置したものである。
この浮上スライダ1120では、積層型圧電素子1121によって集積OP1122と対物レンズ1124との間の距離を変化させて、フォーカスサーボをとっている。また、ロードビーム1110に設けられたバイモルフ型圧電素子1111により、浮上スライダ1120に与えるロード圧をコントロールすることにより、浮上スライダ1120の浮上量を変化させて、フォーカスサーボを行なうこともできる。
また、図18は従来の光ピックアップの他の例を示す断面図である。
図示の例は、光ピックアップ本体1260の上方にサスペンション1261によって浮上スライダ1240を配置し、この浮上スライダ1240に設けた対物レンズ1241をMEMS(マイクロ−エレクトロ−メカニカル−システム)アクチュエータ1250により駆動し、光ディスク1270に対するフォーカスサーボを行なう例である。
特開2001−297457号公報
特開2002−008260号公報
特開2003−141765号公報
図示の例は、光ピックアップ本体1260の上方にサスペンション1261によって浮上スライダ1240を配置し、この浮上スライダ1240に設けた対物レンズ1241をMEMS(マイクロ−エレクトロ−メカニカル−システム)アクチュエータ1250により駆動し、光ディスク1270に対するフォーカスサーボを行なう例である。
しかしながら、上述した従来の光ピックアップでは、いずれも性能面でフォーカスサーボに問題がある。具体的には、フォーカスサーボの焦点移動距離が小さい、あるいは、加速度がでないといったことである。また、その他にも実用面で、駆動電圧に高電圧を必要としたり、高コスト等の問題もある。
例えば図17に示した例では、焦点の可動ストロークが小さいという問題がある。一般に積層型圧電素子1121のストロークは、スライダ1120のような薄い部分に使用する場合、大きくても2〜3μm以下程度である。また、ロードビーム1110によるフォーカスサーボも、浮上量で限界がくるので、±1μm以下程度と思われる。また、圧電素子を駆動するためには、30〜100V程度の大きな電圧を必要とする。しかし、光ディスクドライブは、通常、12Vあるいは5V駆動が一般的であるので、それ専用のDC−DCコンバータを設けなければならない。さらに、圧電素子自体のコストも高い。
例えば図17に示した例では、焦点の可動ストロークが小さいという問題がある。一般に積層型圧電素子1121のストロークは、スライダ1120のような薄い部分に使用する場合、大きくても2〜3μm以下程度である。また、ロードビーム1110によるフォーカスサーボも、浮上量で限界がくるので、±1μm以下程度と思われる。また、圧電素子を駆動するためには、30〜100V程度の大きな電圧を必要とする。しかし、光ディスクドライブは、通常、12Vあるいは5V駆動が一般的であるので、それ専用のDC−DCコンバータを設けなければならない。さらに、圧電素子自体のコストも高い。
また、図18に示した例では、一般にMEMSアクチュエータ1250は駆動力が弱いので、対物レンズ1241を駆動する時の加速度がでない。また、対物レンズ1241の可動ストロークもとれない。同じく、焦点ずれの補正量は2〜3μm以下程度である。また、加速度が出ないため高帯域のフォーカスサーボを行なうことができない。さらに、MEMSはアクチュエータの駆動力としては、未だに高コストである。
そこで本発明は、上述したフォーカスサーボ性能の改善を実現しつつ、薄型化を図ることが可能な光ピックアップを有する光ディスク装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明にかかる光ディスク装置は、光ディスクに対して光ビームによる信号の記録または再生を行なう光ピックアップと、前記光ピックアップを支持した回転アームユニットとを有し、前記回転アームユニットは、半導体レーザと光学系を含む集積光ピックアップユニットを保持した光ピックアップベースプレートと、前記光ピックアップベースプレートの光ディスク側の面に沿って平行に配置される板状の支持バネと、前記支持バネの光ディスク側の面に沿って平行に配置されるサスペンションとを有し、前記集積光ピックアップユニットに、光ピックアップから出射されたレーザ光の発散角を広げるための凹レンズを設け、前記支持バネに凹レンズからの光を平行光に変えるコリメータレンズを設け、さらに、前記サスペンションに対物レンズを組み込んだ浮上スライダを設けたことを特徴とする。
本発明にかかる光ディスク装置によれば、集積光ピックアップユニットを保持した光ピックアップベースプレートと平行に支持バネとサスペンションを設け、集積光ピックアップユニットに光ピックアップから出射されたレーザ光の発散角を広げるための凹レンズを設け、支持バネに凹レンズからの光を平行光に変えるコリメータレンズを設け、さらに、サスペンションに対物レンズを組み込んだ浮上スライダを設けたことにより、コリメータレンズを自在に変位させることができる構造となり、フォーカスサーボの焦点補正距離及び加速度を大きくでき、さらに簡単な構成で部品点数の減少やコストダウンを図ることも可能となる。
本例の光ディスク装置は、光ピックアップを支持する回動アームが、鉄合金または銅合金の薄い板材よりなる光ピックアップベースプレートを有するとともに、この光ピックアップベースプレートに設けた孔を、両側からシリコン基板とカバーガラスにより塞いで密閉された空間を形成し、この空間内にシリコン基板上に集積した半導体レーザと光学系を含む集積光ピックアップユニットを配置した。このような構造により、光ピックアップの薄型化、放熱性の向上、部品点数の減少、コストダウンを図ることができる。また、このカバーガラスがレンズ等の光学部品としての機能を有する場合に、鍍金厚を変えることにより、板材の厚みを調整し、光学部品の位置調整として機能させる。これにより、光学精度の確保できる。また、鍍金は銅鍍金やハンダ鍍金等のハンダがつく鍍金を使用する。これにより、各部品をハンダで固定でき、熱による位置ずれ防止を図ることができ、各部品とのアースがとれ、高い固着強度を得ることができる。
また、本例の光ディスク装置では、光ピックアップを支持する回動アームにおいて、その回動アームの回動中心の径方向の軸から傾きをもって配置した。これにより、アジマス角発生によるサーボエラー信号に振幅劣化を軽減できる。また、ここで回動アームの傾き角度を光ディスク上の光ピックアップ、アクセスエリアのほぼ中央でアジマス角が0度となる角度に設定することにより、アジマス角発生によるサーボエラー信号に振幅劣化を最小限にできる。さらに、アジマス角が変化してもトラッキングエラー信号の振幅が一定となる補償器を有するとともに、アジマス角が変化してもフォーカスエラー信号の振幅が一定となる補償器を有する。これらにより、アジマス角が発生してもトラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号の振幅を一定にできる。
また、本例の光ディスク装置は、上述のように回動アームの光ピックアップベースプレートに搭載された集積光ピックアップユニットに、この光ピックアップユニットから出射されたレーザ光の発散角を広げるための凹レンズを設け、光ピックアップベースプレートと平行に配置される板バネに凹レンズからの光を平行光に変えるコリメータレンズを設け、さらに、板バネと平行に配置されるサスペンションに対物レンズを組み込んだ浮上スライダを設け、上述したコリメータレンズを設けた板バネを駆動する駆動コイルと磁気回路からなるコリメータレンズアクチュエータを設けた。このような構成により、コリメータレンズを自在に変位させることができ、フォーカスサーボの焦点補正距離及び加速度を大きくできる。そして、コリメータレンズアクチュエータのロードビームのリブ部(曲げ部)の高さを、そのロードビームから光ピックアップベースプレート間に存在する光学部品の合計の厚みより高くすることにより、ストッパとして機能させることができ、光学部品の保護を図ることができる。
また、上述した浮上スライダを支持したサスペンションにコリメータレンズアクチュエータ用の磁気回路を通す孔を設ける。これにより、コリメータアクチュエータの加速度を向上でき、位置による推力変化を少なくすることができる。
また、上述した浮上スライダを支持したサスペンションにコリメータレンズアクチュエータ用の磁気回路を通す孔を設ける。これにより、コリメータアクチュエータの加速度を向上でき、位置による推力変化を少なくすることができる。
また、集積光ピックアップユニットと電気的な接続を行なうフレキシブル基板において、動作に必要な信号と調整にのみ必要な信号とを分けて、パターンの引き出しを行なう。ここで集積光ピックアップユニットの調整固着後、調整のみに必要な信号のパターンを切り取る。これにより、光ピックアップから引き出す信号線を最小にすることができる。
また、対物レンズ付き浮上スライダ用のサスペンションにおいて、浮上スライダをサスペンションに固着する際に、浮上スライダ貼り付け面と逆側から接着剤を塗布することが可能な孔を設ける。これにより、接着剤が光路を妨害する危険性を排除でき、組み立て作業性の改善を図ることができる。
また、対物レンズ付き浮上スライダを中心に対称の各2本×2方向のねじれヒンジ部により、スライダのロール、ピッチ方向の動きを吸収するフレクチュアを設け、スライダ接着部とヒンジ部中間リングの隙間に光ピックアップからの光を通す構造とする。これにより、フレクチュアのメカ共振性能を向上できるとともに、サスペンションを通過する光路の確保にも有効で、さらに対物レンズ位置の変更にも対応可能となる。
また、対物レンズ付き浮上スライダ用のサスペンションにおいて、浮上スライダをサスペンションに固着する際に、浮上スライダ貼り付け面と逆側から接着剤を塗布することが可能な孔を設ける。これにより、接着剤が光路を妨害する危険性を排除でき、組み立て作業性の改善を図ることができる。
また、対物レンズ付き浮上スライダを中心に対称の各2本×2方向のねじれヒンジ部により、スライダのロール、ピッチ方向の動きを吸収するフレクチュアを設け、スライダ接着部とヒンジ部中間リングの隙間に光ピックアップからの光を通す構造とする。これにより、フレクチュアのメカ共振性能を向上できるとともに、サスペンションを通過する光路の確保にも有効で、さらに対物レンズ位置の変更にも対応可能となる。
また、対物レンズ付き浮上スライダが固着されたサスペンションと、コリメータレンズが固着されたコリメータレンズアクチュエータ用板バネと、集積光ピックアップユニットが固着された鉄合金または銅合金の板材は、鉄合金または銅合金といったような同じ種類の材料を使用する。これにより、熱膨張係数の違いによる光学部品の位置ずれを防止できる。
また、対物レンズ付き浮上スライダを設けたサスペンションと、コリメータレンズを設けた板バネをカシメまたは溶接により固着し、それらのアセンブリ後、そのアセンブリ部品を集積光ピックアップユニットが設けられたベースプレートにハンダにて固着する。これにより、最終的なハンダによる固着熱に耐えることができ、アセンブリ部品の接合手段の機能を得ることができる。
また、対物レンズ付き浮上スライダにおいて、マウント部に2箇所のV字型切り欠き部を設けることにより、調整用のクランプ部を得ることができる。
また、対物レンズ付き浮上スライダを設けたサスペンションと、コリメータレンズを設けた板バネをカシメまたは溶接により固着し、それらのアセンブリ後、そのアセンブリ部品を集積光ピックアップユニットが設けられたベースプレートにハンダにて固着する。これにより、最終的なハンダによる固着熱に耐えることができ、アセンブリ部品の接合手段の機能を得ることができる。
また、対物レンズ付き浮上スライダにおいて、マウント部に2箇所のV字型切り欠き部を設けることにより、調整用のクランプ部を得ることができる。
図1は本発明の実施例1による光ディスクドライブ(光ディスク装置)の全体構成を示す斜視図である。図示の光ピックアップは、85.6mm(長さ)×54mm(幅)×5mm(厚さ)のサイズ(例えば、PCMCIAのタイプ2サイズ)の光ディスクを交換可能な光ディスクドライブの例であり、トップカバー12を外した状態を示している。
光ディスク1は、孔の開いた円盤状の鉄片が中央に接着されており、その鉄片によってスピンドルモータ軸との位置合わせや磁力による吸着を行なう。光ディスク1は、通常、カートリッジ2の内部に収められた状態で保管及び使用される。カートリッジ2の下面には、開閉可能はシャッタが取り付けられており、ドライブ内部にローディングされる際に、そのシャッタは開かれ、その開口部を通じて光ピックアップ8が情報の読み書きを行なう。光ディスク1は、図の矢印aの方向からドライブ内に挿入され、スピンドルモータ3に磁力でチャッキングされる。そして、スピンドルモータ3により回転し、使用される。
光ディスク1は、孔の開いた円盤状の鉄片が中央に接着されており、その鉄片によってスピンドルモータ軸との位置合わせや磁力による吸着を行なう。光ディスク1は、通常、カートリッジ2の内部に収められた状態で保管及び使用される。カートリッジ2の下面には、開閉可能はシャッタが取り付けられており、ドライブ内部にローディングされる際に、そのシャッタは開かれ、その開口部を通じて光ピックアップ8が情報の読み書きを行なう。光ディスク1は、図の矢印aの方向からドライブ内に挿入され、スピンドルモータ3に磁力でチャッキングされる。そして、スピンドルモータ3により回転し、使用される。
スピンドルモータ3はシャーシ4に固定されている。ベアアリング軸6はシャーシ4に対して垂直にネジ止めされている。また、ベアリング軸6には、2つのベアリングが取り付けられており、ベアリングユニット31を形成している。そのベアリングユニット31を介して回転アームユニット5がベアリング軸6の回りに回動可能に取り付けられている。回動アームユニット5の一端にはコイルが取り付けられており、マグネットによる磁気回路7とともに、ボイスコイルモータを形成している。そのボイスコイルモータにより、回動アームユニット5は回転方向の駆動力を得ている。また、回動アームユニット5のもう一方の端は、本発明の実施例1による光ピックアップ8が形成されている。光ピックアップ8は回転アームユニット5が回動することにより、光ディスクの内外周にアクセスすることができる。
光ピックアップ8には、後述する浮上スライダが取り付けてあり、浮上スライダはサスペンションバネにより、常に図の上方にバネ力(5gf以下)が働き、ディスク面に対して押し付ける力が働いている。ディスクがドライブ内にない時やスピンドルモータ3が止まっている時は、光ピックアップ8は図1に示すようにディスク外周よりさらに外側に待避している。その際、光ピックアップ8のサスペンションは、バネ押え9により高さ方向の位置が規制されている。この光ピックアップ8の構成については、後に詳述する。光ピックアップ8は、シャーシ4の下面にある電気回路基板11とフレキシブル基板10とを介して電気的に接続されている。そのフレキシブル基板10を通して、光ピックアップ8との信号の伝達やボイスコイルモータの駆動を行なっている。
光ピックアップ8には、後述する浮上スライダが取り付けてあり、浮上スライダはサスペンションバネにより、常に図の上方にバネ力(5gf以下)が働き、ディスク面に対して押し付ける力が働いている。ディスクがドライブ内にない時やスピンドルモータ3が止まっている時は、光ピックアップ8は図1に示すようにディスク外周よりさらに外側に待避している。その際、光ピックアップ8のサスペンションは、バネ押え9により高さ方向の位置が規制されている。この光ピックアップ8の構成については、後に詳述する。光ピックアップ8は、シャーシ4の下面にある電気回路基板11とフレキシブル基板10とを介して電気的に接続されている。そのフレキシブル基板10を通して、光ピックアップ8との信号の伝達やボイスコイルモータの駆動を行なっている。
図2は回動アームユニットの全体構成を示す斜視図である。また、図3及び図4は回動アームユニットを各構成ユニット毎に分解して示す斜視図であり、図3は上面方向から視た状態を示し、図4は下面方向から視た状態を示している。
光ピックアップは大きく分けて3つのユニットで構成されている。1つ目は光ピックアップベースプレート(以下、OPベースプレートという)22及び集積光ピックアップユニット(以下、集積OPユニットという)17を有するOPベース部であり、2つ目は支持バネ19、駆動コイル20、及びコリメータレンズ15を有するコリメータレンズアクチュエータ部であり、3つ目は対物レンズ付きスライダ13とサスペンション18を有するスライダサスペンション部である。
光ピックアップは大きく分けて3つのユニットで構成されている。1つ目は光ピックアップベースプレート(以下、OPベースプレートという)22及び集積光ピックアップユニット(以下、集積OPユニットという)17を有するOPベース部であり、2つ目は支持バネ19、駆動コイル20、及びコリメータレンズ15を有するコリメータレンズアクチュエータ部であり、3つ目は対物レンズ付きスライダ13とサスペンション18を有するスライダサスペンション部である。
ここで先に各構成ユニットの詳細について説明する。
図5はOPベース部の詳細を示す分解斜視図である。図示のように、このOPベース部は、OPベースプレート22に各部品が取り付けられることで構成される。
OPベースプレート22は鉄系または銅系の合金で形成された厚さ1mm以下の板金であり、銅メッキ(鉄系材料の場合)またはハンダメッキ等のハンダが良くつくメッキが施されている。これは後述するが、集積OPユニット17の固定、コリメータレンズアクチュエータ部との固定、マグネットヨークとの固定をハンダで行なうことによる。
また、これも後述するが、OPベースプレート22のメッキ厚をコントロールすることで、光学部品(集積OPユニット17と凹レンズ付きカバーガラス16)の距離をミクロンオーダーで管理することが可能となるからである。
図5はOPベース部の詳細を示す分解斜視図である。図示のように、このOPベース部は、OPベースプレート22に各部品が取り付けられることで構成される。
OPベースプレート22は鉄系または銅系の合金で形成された厚さ1mm以下の板金であり、銅メッキ(鉄系材料の場合)またはハンダメッキ等のハンダが良くつくメッキが施されている。これは後述するが、集積OPユニット17の固定、コリメータレンズアクチュエータ部との固定、マグネットヨークとの固定をハンダで行なうことによる。
また、これも後述するが、OPベースプレート22のメッキ厚をコントロールすることで、光学部品(集積OPユニット17と凹レンズ付きカバーガラス16)の距離をミクロンオーダーで管理することが可能となるからである。
図5において、OPベースプレート22の図中右端の四角孔22Aに対し、凹レンズ付きカバーガラス16と集積OPユニット17が各々上下から挟み込むように固着される。凹レンズ付きカバーガラス16は、3mm(横)×4mm(縦)×0.3mm(厚さ)程度のガラス板で、ほぼ中央に後述する方法で作られた凹レンズ53が作り込まれている。この実施例1において、凹レンズ53は直径φ0.3mm程度である。
次に、図8にも示したが、集積OPユニット17とは、予めフォトディテクタ(PD)29、30や電気回路が形成されたシリコン基板上に、半導体レーザ27、ビームスプリッタ(BS)28が実装されたものである。この実施例1では、3mm(横)×4mm(縦)×0.3mm(厚さ)程度のシリコン基板上に作り込まれている。これは、CDやDVDの光ピックアップでも商品化されており、レーザカプラ等の名称で呼ばれているものと同類のものである。
なお、通常のレーザカプラは集積OPユニット17のまわりにセラミック等でできた外筐パッケージに囲まれている。そして、このような外筐パッケージは、使い勝手の良さ、及び保護の目的以外に、ゴミの混入を防いだり、パッケージ内に不活性ガスを封入することで、半導体レーザ27の腐食を防ぐといった目的を持っているが、本例では、この外筐パッケージの役割をOPベースプレート22に一部担わせている。
OPベースプレート22の四角孔22Aに凹レンズ付きカバーガラス16と集積OPユニット17が上下から挟み込むことで、密閉された空間ができる。その空間に不活性ガスを封入することで、ゴミの混入と半導体レーザ27の腐食も防止することができる。集積OPユニット17は、ハンダによりOPベースプレート22に固着される。その後、不活性ガス中で凹レンズ付きカバーガラス16を位置調整し、OPベースプレート22に接着固定する。その際、凹レンズ53が集積OPユニット17から発光されるレーザ光の光軸に合うように調整される。
なお、通常のレーザカプラは集積OPユニット17のまわりにセラミック等でできた外筐パッケージに囲まれている。そして、このような外筐パッケージは、使い勝手の良さ、及び保護の目的以外に、ゴミの混入を防いだり、パッケージ内に不活性ガスを封入することで、半導体レーザ27の腐食を防ぐといった目的を持っているが、本例では、この外筐パッケージの役割をOPベースプレート22に一部担わせている。
OPベースプレート22の四角孔22Aに凹レンズ付きカバーガラス16と集積OPユニット17が上下から挟み込むことで、密閉された空間ができる。その空間に不活性ガスを封入することで、ゴミの混入と半導体レーザ27の腐食も防止することができる。集積OPユニット17は、ハンダによりOPベースプレート22に固着される。その後、不活性ガス中で凹レンズ付きカバーガラス16を位置調整し、OPベースプレート22に接着固定する。その際、凹レンズ53が集積OPユニット17から発光されるレーザ光の光軸に合うように調整される。
また、集積OPユニット17と凹レンズ53は、その間の距離精度も重要で、光学系にもよるが、数μm〜10μm程度の精度が要求される。この精度は、一般的な板金の板厚精度だけでは出せない値である。前述したように、OPベースプレート22にかけるメッキの厚さをコントロールすることで、この精度を実現している。
また、このOPベース部は、図中左端の孔48を中心に回転駆動されて使用するものであるが、集積OPユニット17は、孔48を中心とした径方向の軸から傾きをもって配置されている。これは後述するが、本例の光ピックアップは回動アームタイプのものであり、ディスクの内外周にアクセスすると、記録トラックに対してアジマス角が発生する。そして、アジマス角が発生すると、トラッキングエラー信号の感度が悪くなる。そこで、この悪化を最小限に抑えるために、アクセスエリアのほぼ中央でアジマス角が0度になるように、集積OPユニット17を角度をつけて配置してある。なお、本例で使用するレンズの製造方法と光学系については後述する。
また、このOPベース部は、図中左端の孔48を中心に回転駆動されて使用するものであるが、集積OPユニット17は、孔48を中心とした径方向の軸から傾きをもって配置されている。これは後述するが、本例の光ピックアップは回動アームタイプのものであり、ディスクの内外周にアクセスすると、記録トラックに対してアジマス角が発生する。そして、アジマス角が発生すると、トラッキングエラー信号の感度が悪くなる。そこで、この悪化を最小限に抑えるために、アクセスエリアのほぼ中央でアジマス角が0度になるように、集積OPユニット17を角度をつけて配置してある。なお、本例で使用するレンズの製造方法と光学系については後述する。
集積OPユニット17にはフレキシブル基板25が取り付けてある。このフレキシブル基板25には、ランド部(導体露出部)が設けられており、シリコン基板の裏面に導かれた電気端子と直接圧着することにより、電気的な導通をとっている。集積OPユニット17はフレキシブル基板25を通して電気回路11と電気的な導通をとっている。
図5に示したように、フレキシブル基板25は集積OPユニット17からの信号を2つに分けて引き出している。一方は光ピックアップ組み立ての際に光学的な位置調整にのみ使用する信号、もう一方は光ピックアップとして動作する際に必要な信号である。そして、図示のように、調整にしか使用しない線は調整後に切り取る。それにより、回動アームユニットを駆動する際に、不要なパターンの引き回しがなくなる。なお、フレキシブル基板10の引き回しは、回動アームユニット5に不要なトルクを与えているので、それを軽減することができる。また、同じ幅の引き回しなら、信号の線幅を広くとれる。他にも余分な信号線を無くすことで、電気的に不要なノイズを拾わないというメリットもある。
図5に示したように、フレキシブル基板25は集積OPユニット17からの信号を2つに分けて引き出している。一方は光ピックアップ組み立ての際に光学的な位置調整にのみ使用する信号、もう一方は光ピックアップとして動作する際に必要な信号である。そして、図示のように、調整にしか使用しない線は調整後に切り取る。それにより、回動アームユニットを駆動する際に、不要なパターンの引き回しがなくなる。なお、フレキシブル基板10の引き回しは、回動アームユニット5に不要なトルクを与えているので、それを軽減することができる。また、同じ幅の引き回しなら、信号の線幅を広くとれる。他にも余分な信号線を無くすことで、電気的に不要なノイズを拾わないというメリットもある。
OPベースプレート22には、後述するコリメータレンズアクチュエータ部の駆動用磁気回路も取り付けられている。コリメータレンズアクチュエータ部は位置調整して取り付けられるため、その位置調整が完了した後、駆動コイル22の位置に合わせて、この磁気回路も調整固定する。磁気回路は、マグネット24とマグネットヨーク23により構成される。マグネット24は表裏の2極着磁されており、マグネット24から出た磁束は、空間ギャップを通過し、対向するマグネットヨーク23を通って閉磁路を形成している。マグネットヨーク23は磁性をもつ鉄材でできており、これもまた銅メッキまたはハンダメッキ等のハンダが良くつくメッキが施されている。OPベースプレート22との固定はハンダまたは接着で行なわれる。なお、接着固定の場合は、このような銅メッキやハンダメッキは不要である。OPベースプレート22には、絞り部52があり、これもコリメータレンズアクチュエータ部との固定に使用する。
次に、図6に示すコリメータレンズアクチュエータ部について説明する。
まず、支持バネ19は支持バネマウント部47と支持バネロードビーム54と、それらをつなぐ板バネ55の3つの部品から構成されている。支持バネマウント部47は、0.3mm以下程度の鉄系または銅系の板金で形成されている。OPベースプレート22とハンダ固定するための4つの爪部(折り曲げ部)43をもっている。鉄系材料の場合は少なくとも爪部43に銅メッキまたはハンダメッキが施されている。支持バネロードビーム54も、0.3mm以下程度の鉄系または銅系の板金で形成されている。
板バネ55は、0.1mm以下の薄い鉄系材料または銅系のバネ材よりなり、支持バネマウント部47と支持バネロードビーム54にポイント溶接で固着されている。支持バネロードビーム54は板バネ55を介して上下に動くことができる。また、支持バネロードビーム54は、2つのリブ56(曲げ部)が設けられている。このリブ56は、光学部品の合計の厚みに対して高い位置に突出しており、支持バネロードビーム54の剛性を確保するとともに、OPベースプレート22とリブ56が衝突することにより、下方向の動きに対するストッパとしての機能を有する。このストッパ機能により、2つの光学部品(凹レンズ付きカバーガラス16とコリメータレンズ15)を衝突による破損から保護している。
まず、支持バネ19は支持バネマウント部47と支持バネロードビーム54と、それらをつなぐ板バネ55の3つの部品から構成されている。支持バネマウント部47は、0.3mm以下程度の鉄系または銅系の板金で形成されている。OPベースプレート22とハンダ固定するための4つの爪部(折り曲げ部)43をもっている。鉄系材料の場合は少なくとも爪部43に銅メッキまたはハンダメッキが施されている。支持バネロードビーム54も、0.3mm以下程度の鉄系または銅系の板金で形成されている。
板バネ55は、0.1mm以下の薄い鉄系材料または銅系のバネ材よりなり、支持バネマウント部47と支持バネロードビーム54にポイント溶接で固着されている。支持バネロードビーム54は板バネ55を介して上下に動くことができる。また、支持バネロードビーム54は、2つのリブ56(曲げ部)が設けられている。このリブ56は、光学部品の合計の厚みに対して高い位置に突出しており、支持バネロードビーム54の剛性を確保するとともに、OPベースプレート22とリブ56が衝突することにより、下方向の動きに対するストッパとしての機能を有する。このストッパ機能により、2つの光学部品(凹レンズ付きカバーガラス16とコリメータレンズ15)を衝突による破損から保護している。
支持バネロードビーム54の先端部には、1/4波長板14とコリメータレンズ15が重ねて貼り付けてある。この実施例において、1/4波長板14は、3mm(横)×3mm(縦)×0.1mm(厚さ)程度のサイズである。コリメータレンズ15は、外形が3mm(横)×3mm(縦)×0.3mm(厚さ)程度で、ほぼ中央のレンズ部が直径φ0.5mm程度の大きさである。レンズ製造方法と光学部品の機能については後述する。
支持バネロードビーム54には、駆動コイル20が接着固定されており、OPベースプレート22に取り付けられた磁気回路と組み合わせて、ボイスコイルモータを形成する。このボイスコイルモータにより、支持バネロードビーム54は上下に駆動することができる。必然的にコリメータレンズ15を上下に動かすアクチュエータとして機能する。駆動コイル20は、フレキシブル基板21を介して電気回路基板11と電気的につながっている。フレキシブル基板21は駆動コイル20だけでなく、回動アームユニット5の駆動用のコイルボビンユニット32についても電気回路基板11との導通を担っている。
支持バネロードビーム54には、駆動コイル20が接着固定されており、OPベースプレート22に取り付けられた磁気回路と組み合わせて、ボイスコイルモータを形成する。このボイスコイルモータにより、支持バネロードビーム54は上下に駆動することができる。必然的にコリメータレンズ15を上下に動かすアクチュエータとして機能する。駆動コイル20は、フレキシブル基板21を介して電気回路基板11と電気的につながっている。フレキシブル基板21は駆動コイル20だけでなく、回動アームユニット5の駆動用のコイルボビンユニット32についても電気回路基板11との導通を担っている。
次に、図7に示すスライダサスペンション部の構成について説明する。
このスライダサスペンション部は、サスペンション18と対物レンズ付きスライダ13で構成される。サスペンション18は、サスペンションマウント部45とサスペンションロードビーム62と、それらをつなぐ板バネ63の3つの部品によって構成されている。サスペンションマウント部45は、0.3mm以下程度の鉄系または銅系の板金よりなる。そして、その中央には、図7中下方向に打ち出し(バーリング)が施されており、支持バネマウント部47の孔42とのカシメまたは溶接による固着に使用される。
また、サスペンションマウント部45には、2箇所にV字形の切り欠き46が設けられている。これはコリメータレンズアクチュエータ部とアセンブリした後、OPベースプレート22に調整固定する際、治具により両側からピンでクランプするためのものである。サスペンションロードビーム62も0.3mm以下程度の鉄系または銅系の板金よりなる。板バネ63は、0.1mm以下の薄い鉄系材料または銅系のバネ材からなり、サスペンションマウント部45とサスペンションロードビーム62にポイント溶接で固着されている。サスペンションロードビーム62は板バネ63を中心に上下に動くようになっている。この板バネ63は、光ピックアップが使用状態の時、対物レンズ付き浮上スライダ13がディスクに対して5gf以下程度の押し付け力が働くように、予め曲げ加工が施してある。
このスライダサスペンション部は、サスペンション18と対物レンズ付きスライダ13で構成される。サスペンション18は、サスペンションマウント部45とサスペンションロードビーム62と、それらをつなぐ板バネ63の3つの部品によって構成されている。サスペンションマウント部45は、0.3mm以下程度の鉄系または銅系の板金よりなる。そして、その中央には、図7中下方向に打ち出し(バーリング)が施されており、支持バネマウント部47の孔42とのカシメまたは溶接による固着に使用される。
また、サスペンションマウント部45には、2箇所にV字形の切り欠き46が設けられている。これはコリメータレンズアクチュエータ部とアセンブリした後、OPベースプレート22に調整固定する際、治具により両側からピンでクランプするためのものである。サスペンションロードビーム62も0.3mm以下程度の鉄系または銅系の板金よりなる。板バネ63は、0.1mm以下の薄い鉄系材料または銅系のバネ材からなり、サスペンションマウント部45とサスペンションロードビーム62にポイント溶接で固着されている。サスペンションロードビーム62は板バネ63を中心に上下に動くようになっている。この板バネ63は、光ピックアップが使用状態の時、対物レンズ付き浮上スライダ13がディスクに対して5gf以下程度の押し付け力が働くように、予め曲げ加工が施してある。
サスペンションロードビーム62には対物レンズ付き浮上スライダ13が接着固定されている。対物レンズ付き浮上スライダ13は、その中心がちょうど接着孔57と合うように図中上側より置かれ、裏面より接着孔57に接着剤を流し込み、硬化させることで固着される。なお、接着孔がないと、2つの面同士の接着になり、接着剤がはみ出してしまう。そのはみ出した接着剤が対物レンズ付き浮上スライダ13を透過する光路を妨げる恐れがある。そこで本例の場合、接着部が囲まれており、接着剤がはみ出すことがない。
対物レンズ付き浮上スライダ13は、2.8mm(横)×2mm(縦)×0.6mm(厚さ)程度の大きさのガラス製で、図中上面には、ハードディスクドライブの浮上スライダと同様のエアベアリング用レール形状が形成されている。そのレール面とディスク表面間にエアベアリングを形成し、浮上スライダ(フライングヘッド)として機能する。本例では、ディスクの線速度にもよるが、0.1〜1μm程度の浮上量で飛ぶように設計されている。
対物レンズ付き浮上スライダ13の内部には、後述する製造方法による対物レンズ61が埋め込まれている。接着部59の回りには、フレクチュアと呼ばれるスライダのロール方向とピッチ方向の傾きを吸収できるような2本のヒンジバネ(2方向ねじれヒンジ)62Aが形成されている。このヒンジバネ62Aはサスペンションロードビーム62からエッチング及びハーフエッチング法により形成される。
光ピックアップとして機能する時、レーザ光は図中下側より入射され、このヒンジバネの隙間58を通って対物レンズ61に入射する。
対物レンズ付き浮上スライダ13は、2.8mm(横)×2mm(縦)×0.6mm(厚さ)程度の大きさのガラス製で、図中上面には、ハードディスクドライブの浮上スライダと同様のエアベアリング用レール形状が形成されている。そのレール面とディスク表面間にエアベアリングを形成し、浮上スライダ(フライングヘッド)として機能する。本例では、ディスクの線速度にもよるが、0.1〜1μm程度の浮上量で飛ぶように設計されている。
対物レンズ付き浮上スライダ13の内部には、後述する製造方法による対物レンズ61が埋め込まれている。接着部59の回りには、フレクチュアと呼ばれるスライダのロール方向とピッチ方向の傾きを吸収できるような2本のヒンジバネ(2方向ねじれヒンジ)62Aが形成されている。このヒンジバネ62Aはサスペンションロードビーム62からエッチング及びハーフエッチング法により形成される。
光ピックアップとして機能する時、レーザ光は図中下側より入射され、このヒンジバネの隙間58を通って対物レンズ61に入射する。
本例において、対物レンズ付き浮上スライダ13は、対物レンズの位置にもよるが、最大±20度程度のスキュー角(ここではサスペンション長手方向とスライダ長手方向のなす角度であり、平行ならばスキュー角=0度)をもって取り付けることも可能である。スキュー角をつけてもヒンジバネ62Aの隙間58を通る光が接着部59に干渉しないよう、ヒンジ部の形状を逃げ、接着部59の外形を円形にしてある。
また、ヒンジバネ部の両脇に、ヒンジ部と同じようなハーフエッチング部65を有する。これは外乱衝突等により、対物レンズ付き浮上スライダ13が、図7で言うと下方向に力を受けた時に、ヒンジバネ部が塑性変形しないよう、対物レンズ付き浮上スライダ13を止めるストッパとして機能する。
また、ヒンジバネ部の両脇に、ヒンジ部と同じようなハーフエッチング部65を有する。これは外乱衝突等により、対物レンズ付き浮上スライダ13が、図7で言うと下方向に力を受けた時に、ヒンジバネ部が塑性変形しないよう、対物レンズ付き浮上スライダ13を止めるストッパとして機能する。
図15は本例のヒンジバネを従来例と対比して示す平面図である。
従来例1は、ハードディスクドライブ等で一般的なヒンジバネ形状のもので、ヒンジバネ1310の端部をスライダ1311に接合した構造を有する。小型であるが、ヒンジバネを図中左側から片持ち構造で支持したことから、トラッキング方向のメカ共振が低い形状である。また、面同士の接着であるので、接着剤のはみ出しが光路を妨げる恐れもある。
また、従来例2はスライダ1321を中間リング部1320Aを設けたヒンジバネ1320によって両側から左右対称構造で支持するものである。したがって、従来例1に比べてメカ共振を高くする設計であるが、スライダのサイズ次第ではヒンジバネが大きい分、ヒンジ部分(特に中間リング部)自体の剛性があまり上げられず、そこのメカ共振がサーボ性能を限定してしまうこともある。さらに、面同士の接着であり、かつ、光路の通る部分だけに孔が開いているタイプであるので、はみ出した接着剤によって光路を妨げる可能性の最も高い形状である。
最後に本例は、従来例2と同じ両側支持であり、かつ、ヒンジバネ62Aが小型に作られているので、3つの例のうち、メカ共振が最も高くとれる。また、接着剤のはみ出しで光路を妨げる心配もない。また、スキュー角をつけた取り付けも可能である。
従来例1は、ハードディスクドライブ等で一般的なヒンジバネ形状のもので、ヒンジバネ1310の端部をスライダ1311に接合した構造を有する。小型であるが、ヒンジバネを図中左側から片持ち構造で支持したことから、トラッキング方向のメカ共振が低い形状である。また、面同士の接着であるので、接着剤のはみ出しが光路を妨げる恐れもある。
また、従来例2はスライダ1321を中間リング部1320Aを設けたヒンジバネ1320によって両側から左右対称構造で支持するものである。したがって、従来例1に比べてメカ共振を高くする設計であるが、スライダのサイズ次第ではヒンジバネが大きい分、ヒンジ部分(特に中間リング部)自体の剛性があまり上げられず、そこのメカ共振がサーボ性能を限定してしまうこともある。さらに、面同士の接着であり、かつ、光路の通る部分だけに孔が開いているタイプであるので、はみ出した接着剤によって光路を妨げる可能性の最も高い形状である。
最後に本例は、従来例2と同じ両側支持であり、かつ、ヒンジバネ62Aが小型に作られているので、3つの例のうち、メカ共振が最も高くとれる。また、接着剤のはみ出しで光路を妨げる心配もない。また、スキュー角をつけた取り付けも可能である。
次に、図7に戻って説明を続ける。
サスペンションロードビーム62の先端には、リフタ部64が設けられている。図1において、ディスク1がドライブ内にないときや、スピンドルモータ3が止まっている時は、光ピックアップ8はディスク外周よりさらに外側に待避していることは述べた。このリフタ部64は、その際、バネ押さえ9により対物レンズ付き浮上スライダ13をディスク面上から待避させたり、また、ディスク面上に降ろすことに使用される。他にサスペンションロードビーム62には、中央に孔60が開いている。これは図2を見ても分かるように、OPベースプレート22に取り付けてある磁気回路を逃げるための孔である。
サスペンションロードビーム62の先端には、リフタ部64が設けられている。図1において、ディスク1がドライブ内にないときや、スピンドルモータ3が止まっている時は、光ピックアップ8はディスク外周よりさらに外側に待避していることは述べた。このリフタ部64は、その際、バネ押さえ9により対物レンズ付き浮上スライダ13をディスク面上から待避させたり、また、ディスク面上に降ろすことに使用される。他にサスペンションロードビーム62には、中央に孔60が開いている。これは図2を見ても分かるように、OPベースプレート22に取り付けてある磁気回路を逃げるための孔である。
次に、この孔60の有無による効果について説明する。図14は孔の有無による違いを示した断面図である。なお、便宜的に同一の符号を用いて説明する。マグネット24とマグネットヨーク23による磁気回路の縦の長さを長くする効果がある。前述したように、使用しない時は光ピックアップ8は、ディスク外周よりさらに外側に待避している。その時、スライダ部をディスク1から高さ方向に遠ざけるため、サスペンションロードビーム62は図中の下方向へ押し下げられる。それゆえ孔無しの場合は、磁気回路の高さサスペンションロードビーム62の上下動ストロークを逃げるだけの隙間を確保しなければならない。そのため駆動コイル20に対して、十分な磁気回路の長さを確保することができない。
それに対して本例の孔ありロードビームの場合は、磁気回路がサスペンションロードビーム62の上下動ストロークによる隙間を確保する必要がなく、駆動コイル20に対して十分な長さの磁気回路を確保することができる。これにより、駆動コイル20の推力を大きくすることが可能となり、かつ、コリメータレンズアクチュエータ部が上下動した時の推力変化を小さく抑えることができる。
それに対して本例の孔ありロードビームの場合は、磁気回路がサスペンションロードビーム62の上下動ストロークによる隙間を確保する必要がなく、駆動コイル20に対して十分な長さの磁気回路を確保することができる。これにより、駆動コイル20の推力を大きくすることが可能となり、かつ、コリメータレンズアクチュエータ部が上下動した時の推力変化を小さく抑えることができる。
以上で各構成ユニットの説明を終了し、続いて図3、図4に戻って全体の組み立て構成について再び説明する。
スライダサスペンション部とコリメータレンズアクチュエータ部は、サスペンションマウント部45に設けられた打ち出し部41を孔42に挿入し、カシメまたは溶接によって固着されている。カシメまたは溶接前の打ち出し部41の外径と孔42の内径は、10μm以下程度のはめあい隙間でできている。スライダサスペンション部とコリメータレンズアクチュエータ部は、アセンブリされた後、サスペンションマウント部45の2箇所の切り欠き部46でクランプされ、調整治具上でXYZ軸及び傾き調整し、OPベースプレート22に固着される。OPベースプレート22との固着は、支持バネマウント部47に設けられた爪部43とOPベースプレート22に設けられた凸部44(各々4箇所ずつ)の隙間をハンダで埋めることにより行なう。また、OPベースプレート22の絞り部52とサスペンションマウント部45の打ち出し部42の隙間も剛性を高めるためにハンダで埋める。ハンダで埋める方法は接着剤でも可能であるが、剛性を高める、温度による位置ずれの信頼性を確保する、アースをとる等の理由により、ハンダを採用している。
また、支持バネマウント部47とOPベースプレート22には予め銅メッキ、ハンダメッキ等のハンダが良く付くメッキ処理が施されている。スライダサスペンション部とコリメータレンズアクチュエータ部の固着方法は、このハンダ熱に耐えられなくてはならない。それがカシメまたは溶接を用いた理由である。
スライダサスペンション部とコリメータレンズアクチュエータ部は、サスペンションマウント部45に設けられた打ち出し部41を孔42に挿入し、カシメまたは溶接によって固着されている。カシメまたは溶接前の打ち出し部41の外径と孔42の内径は、10μm以下程度のはめあい隙間でできている。スライダサスペンション部とコリメータレンズアクチュエータ部は、アセンブリされた後、サスペンションマウント部45の2箇所の切り欠き部46でクランプされ、調整治具上でXYZ軸及び傾き調整し、OPベースプレート22に固着される。OPベースプレート22との固着は、支持バネマウント部47に設けられた爪部43とOPベースプレート22に設けられた凸部44(各々4箇所ずつ)の隙間をハンダで埋めることにより行なう。また、OPベースプレート22の絞り部52とサスペンションマウント部45の打ち出し部42の隙間も剛性を高めるためにハンダで埋める。ハンダで埋める方法は接着剤でも可能であるが、剛性を高める、温度による位置ずれの信頼性を確保する、アースをとる等の理由により、ハンダを採用している。
また、支持バネマウント部47とOPベースプレート22には予め銅メッキ、ハンダメッキ等のハンダが良く付くメッキ処理が施されている。スライダサスペンション部とコリメータレンズアクチュエータ部の固着方法は、このハンダ熱に耐えられなくてはならない。それがカシメまたは溶接を用いた理由である。
次に、本例で使用する小型レンズの製造方法について説明する。
図9は小型レンズの製造方法を示す断面図である。これはモールド・プロセス・レンズと呼ばれる既存技術である。
一般的なガラスモールドによるレンズの製造と同様に、上下の金型100A、100Bによって板ガラス110を凹レンズ110Aに成形する。従来は、小型のモールドレンズを作る際に、金型を加工するバイトの大きさに限界があり、小型化の制約を受けていた。しかし、ここでは金型を凸形状にすることで、金型加工でバイトの大きさの制約を受け難いので、小型レンズの製造が可能になっている。その成形ガラスの凹部を埋めるほどの厚さに、酸化ニオブ等のガラスより高屈折率の材料120をスパッタリングにより膜付けする。
その後、ガラスの凹部にのみ高屈折率材料120が残るまで研磨を行なう。その際、ガラス面側も研磨を行ない、ガラスの厚みも調整する。以上により作成された高屈折材料部分が、ガラス面を透過する光に対して凸レンズ120Aとして機能する。コリメータレンズ15は、このような方法で製造する。
対物レンズ付き浮上スライダ13は同様にレンズを作った後、レンズの平坦面にガラスを貼り付ける。貼り付けたガラスの外面に、イオンミリング等のドライエッチング法により、浮上スライダとしてのレール面形状を作る。最後にスライダ形状に切り出すことで完成する。凹レンズ付きガラスプレートは、図9に示したプロセスで成形したガラスを用いる。
図9は小型レンズの製造方法を示す断面図である。これはモールド・プロセス・レンズと呼ばれる既存技術である。
一般的なガラスモールドによるレンズの製造と同様に、上下の金型100A、100Bによって板ガラス110を凹レンズ110Aに成形する。従来は、小型のモールドレンズを作る際に、金型を加工するバイトの大きさに限界があり、小型化の制約を受けていた。しかし、ここでは金型を凸形状にすることで、金型加工でバイトの大きさの制約を受け難いので、小型レンズの製造が可能になっている。その成形ガラスの凹部を埋めるほどの厚さに、酸化ニオブ等のガラスより高屈折率の材料120をスパッタリングにより膜付けする。
その後、ガラスの凹部にのみ高屈折率材料120が残るまで研磨を行なう。その際、ガラス面側も研磨を行ない、ガラスの厚みも調整する。以上により作成された高屈折材料部分が、ガラス面を透過する光に対して凸レンズ120Aとして機能する。コリメータレンズ15は、このような方法で製造する。
対物レンズ付き浮上スライダ13は同様にレンズを作った後、レンズの平坦面にガラスを貼り付ける。貼り付けたガラスの外面に、イオンミリング等のドライエッチング法により、浮上スライダとしてのレール面形状を作る。最後にスライダ形状に切り出すことで完成する。凹レンズ付きガラスプレートは、図9に示したプロセスで成形したガラスを用いる。
次に本例の光ピックアップの光学系について説明する。
図8は本例で用いる光学系の原理を示す説明図である。半導体レーザ27から出射された直線偏光のレーザ光は、ビームスプリッタ28の45度面により図の上方に反射される。レーザ光は凹レンズ53により発散角を拡大され、コリメータレンズ15へと入射する。凹レンズ53より発散角を大きくすることで、コリメータレンズ15と凹レンズ付きガラスプレート16の距離を短くでき、光ピックアップの薄型化に貢献している。
また、コリメータレンズの開口数を上げることができ、コリメータレンズ15の上下動ストロークが同じ場合、より大きな焦点位置補正が可能となる。レーザ光はコリメータレンズ15により平行光にされ、1/4波長板17を通過する。その際、偏光が直線偏光から円偏光に変化する。そして、対物レンズ61により集光され、ガラス製のスライダを透過し、ディスク1の記録面上で焦点を結ぶ。ディスク1の記録面から反射された光は、行と同様の光路を戻り、対物レンズ61で再び平行光にされる。
図8は本例で用いる光学系の原理を示す説明図である。半導体レーザ27から出射された直線偏光のレーザ光は、ビームスプリッタ28の45度面により図の上方に反射される。レーザ光は凹レンズ53により発散角を拡大され、コリメータレンズ15へと入射する。凹レンズ53より発散角を大きくすることで、コリメータレンズ15と凹レンズ付きガラスプレート16の距離を短くでき、光ピックアップの薄型化に貢献している。
また、コリメータレンズの開口数を上げることができ、コリメータレンズ15の上下動ストロークが同じ場合、より大きな焦点位置補正が可能となる。レーザ光はコリメータレンズ15により平行光にされ、1/4波長板17を通過する。その際、偏光が直線偏光から円偏光に変化する。そして、対物レンズ61により集光され、ガラス製のスライダを透過し、ディスク1の記録面上で焦点を結ぶ。ディスク1の記録面から反射された光は、行と同様の光路を戻り、対物レンズ61で再び平行光にされる。
その後、再度、1/4波長板17を通り、今度は円偏光から直線偏光に戻される。その際、直線偏光は先程の行きの偏光方向とは直角方向の直線偏光に変わっており、ビームスプリッタ28の45度面を通過する偏光方向になっている。ビームスプリッタ28の45度面を通過した光は、ガラスの屈折率により屈折し、図8に示すように、フォトディテクタ(PD)29上に投影される。また、その光は反射して、再度、ビームスプリッタ28の上面で反射後、再びフォトディテクタ(PD)30上に投影される。この光学系は、ディスクの記録面にちょうど焦点があった時に、ビームスプリッタ28の上面反射で焦点を結ぶように設計されている。その時、2つのフォトディテクタ(PD)29、30上に投影される光のスポットは、同じ光量になる。各フォトディテクタ29、30の受光面は4つに分割されており、フォーカスやトラッキングの誤差検出にも使用できるようになっている。なお、本例で使用する誤差検出方法としては、フォーカスがスポットサイズ法、トラッキングがプッシュプル法を用いるものとする。
次に本例の光ピックアップのトラッキングサーボとフォーカスサーボについて説明する。
まず、トラッキングサーボは、回動アームをボイスコイルモータにより駆動する方式を用いる。これはハードディスクドライブでは広く一般的な駆動方法である。次に、フォーカスサーボは、ハードディスクドライブで一般的に使用されている浮上スライダによるディスク面振れ追従を行なっている。ディスク1が回転することにより、その付近の空気も同時に回転し、対物レンズ付き浮上スライダ13とディスク1の間に入り込む。その空気の圧力で対物レンズ付き浮上スライダ13は浮上力を得、サスペンション18による荷重とちょうどつりあったところで、一定の浮上量を保つものである。本例では、0.1〜1μm程度の浮上量で設計されている。
まず、トラッキングサーボは、回動アームをボイスコイルモータにより駆動する方式を用いる。これはハードディスクドライブでは広く一般的な駆動方法である。次に、フォーカスサーボは、ハードディスクドライブで一般的に使用されている浮上スライダによるディスク面振れ追従を行なっている。ディスク1が回転することにより、その付近の空気も同時に回転し、対物レンズ付き浮上スライダ13とディスク1の間に入り込む。その空気の圧力で対物レンズ付き浮上スライダ13は浮上力を得、サスペンション18による荷重とちょうどつりあったところで、一定の浮上量を保つものである。本例では、0.1〜1μm程度の浮上量で設計されている。
しかし、ディスクの線速度の変化やスライダのトラックに対する角度ずれ、さらにはディスクの面振れ等により浮上量は変動してしまい、対物レンズにより絞られた焦点位置を変動させてしまう。対物レンズ自体の焦点位置精度やスライダ部のメカ精度も焦点位置をずらす要因となる。さらに、データ記録層は、ディスクの表面でなく、カバーコート層(保護膜層)に覆われている。よって、信号を記録/再生する場合、このカバーコート層の厚み誤差も焦点ずれを発生させる要因となる。
カバーコート層はデータ記録層の保護だけでなく、ディスク表面のゴミやキズに対して記録/再生エラーを発生させにくくする役割もあり、光ディスクには必須のものである。カバーコート層は本例の場合、20μm程度の厚みでスピンコート法により作られる。ディスク径にもよるが、ディスクの内〜外周で5〜10μm以下程度の厚みムラが生じる。一周内でも1μm以下程度の厚みムラが生じる。これら諸々の焦点誤差の合計がレーザスポットの焦点深度以内に収まっていれば、浮上スライダのみでフォーカスサーボを賄うことができるが、それは無理である(CDの光学系の焦点深度でも±1μmである)。したがって、それらを補正する別の手段が必要となり、それが本例のコリメータレンズアクチュエータである。
カバーコート層はデータ記録層の保護だけでなく、ディスク表面のゴミやキズに対して記録/再生エラーを発生させにくくする役割もあり、光ディスクには必須のものである。カバーコート層は本例の場合、20μm程度の厚みでスピンコート法により作られる。ディスク径にもよるが、ディスクの内〜外周で5〜10μm以下程度の厚みムラが生じる。一周内でも1μm以下程度の厚みムラが生じる。これら諸々の焦点誤差の合計がレーザスポットの焦点深度以内に収まっていれば、浮上スライダのみでフォーカスサーボを賄うことができるが、それは無理である(CDの光学系の焦点深度でも±1μmである)。したがって、それらを補正する別の手段が必要となり、それが本例のコリメータレンズアクチュエータである。
図16は本例のコリメータレンズアクチュエータの原理を示す説明図である。
このコリメータレンズアクチュエータは、集積光ピックアップユニット17に対してコリメータレンズ15を光軸方向に動かすことで、対物レンズ61により集光される焦点位置を動かすことが可能である。焦点位置の移動量は対物レンズ61の開口数とコリメータレンズ15の開口数による。本実施例の場合、対物レンズ61の開口数が0.9程度、コリメータレンズ15の開口数が0.3程度である。そこから計算すると、焦点位置を1μm動かすためには、コリメータレンズ15の移動量は8μm程度、コリメータレンズ15のストロークを±160μm確保できれば、焦点位置は±20μm程度動かすことも可能である。
このコリメータレンズアクチュエータは、集積光ピックアップユニット17に対してコリメータレンズ15を光軸方向に動かすことで、対物レンズ61により集光される焦点位置を動かすことが可能である。焦点位置の移動量は対物レンズ61の開口数とコリメータレンズ15の開口数による。本実施例の場合、対物レンズ61の開口数が0.9程度、コリメータレンズ15の開口数が0.3程度である。そこから計算すると、焦点位置を1μm動かすためには、コリメータレンズ15の移動量は8μm程度、コリメータレンズ15のストロークを±160μm確保できれば、焦点位置は±20μm程度動かすことも可能である。
次に、図17及び図18に示した従来例と対比して本実施例の光ピックアップを説明する。
上述のように、図17及び図18に示す光ピックアップは、フォーカスサーボにおける焦点位置の可動ストロークが小さいという問題やコスト高であるという問題があったが、本例の光ピックアップは、フォーカスサーボがボイスコイルモータ駆動でありコストも安く、かつ焦点位置の可動ストロークも大きくとれ、さらに高帯域サーボにも適している。なお、DVDの規格では記録層が2層のディスクも定義されており、それらの2層間の距離は約20μm程度ある。そして、従来例では、前述したように焦点位置の可動ストロークがせいぜい±3〜4μm以下であったが、本実施例では原理的に±20μm以上も可能である。したがって、本例の光ピックアップが2層ディスクにも対応可能であることを意味している。
上述のように、図17及び図18に示す光ピックアップは、フォーカスサーボにおける焦点位置の可動ストロークが小さいという問題やコスト高であるという問題があったが、本例の光ピックアップは、フォーカスサーボがボイスコイルモータ駆動でありコストも安く、かつ焦点位置の可動ストロークも大きくとれ、さらに高帯域サーボにも適している。なお、DVDの規格では記録層が2層のディスクも定義されており、それらの2層間の距離は約20μm程度ある。そして、従来例では、前述したように焦点位置の可動ストロークがせいぜい±3〜4μm以下であったが、本実施例では原理的に±20μm以上も可能である。したがって、本例の光ピックアップが2層ディスクにも対応可能であることを意味している。
図10は、フォトディテクタ29、30の受光領域パターンを示す説明図である。
図示のように、2つのフォトディテクタ29、30の受光領域はそれぞれ4分割されており、図示のようにA33〜H40まで定義する。フォトディテクタ29、30の中央にかかれている円形状は各フォトディテクタ上に投影された戻り光のスポットである。なお、図では円形にかかれているが、実際には楕円形状をしている。実際はフォトディテクタ29上のスポットは横長楕円、フォトディテクタ30上のスポットは縦長楕円形状である。また、円形のスポット内部に各2箇所ずつ、暗く影になっている場所がある。これはディスク上のピットによる1次回折光が0次回折光と干渉してできた影である。この影の有る無しでフォトディテクタ上の光量が変わり、信号を再生することができる。この影はトラッキングエラー信号の生成にも使用している。
図10に示すようなパターンの場合、トラッキングエラー信号はプッシュプル法で行っており、(A+B+G+H)−(C+D+E+F)という式で計算される。ここではA〜Hの記号は、分割された各フォトディテクタの光量を意味している。ちなみにフォーカスエラー信号はスポットサイズ法を使用しており、計算式は(A+D+F+G)−(B+C+E+H)で表される。
図示のように、2つのフォトディテクタ29、30の受光領域はそれぞれ4分割されており、図示のようにA33〜H40まで定義する。フォトディテクタ29、30の中央にかかれている円形状は各フォトディテクタ上に投影された戻り光のスポットである。なお、図では円形にかかれているが、実際には楕円形状をしている。実際はフォトディテクタ29上のスポットは横長楕円、フォトディテクタ30上のスポットは縦長楕円形状である。また、円形のスポット内部に各2箇所ずつ、暗く影になっている場所がある。これはディスク上のピットによる1次回折光が0次回折光と干渉してできた影である。この影の有る無しでフォトディテクタ上の光量が変わり、信号を再生することができる。この影はトラッキングエラー信号の生成にも使用している。
図10に示すようなパターンの場合、トラッキングエラー信号はプッシュプル法で行っており、(A+B+G+H)−(C+D+E+F)という式で計算される。ここではA〜Hの記号は、分割された各フォトディテクタの光量を意味している。ちなみにフォーカスエラー信号はスポットサイズ法を使用しており、計算式は(A+D+F+G)−(B+C+E+H)で表される。
本例の光ピックアップは回動アームタイプなので、内周から外周にアクセスする際、記録トラックに対してアジマス角が発生する。アジマス角が発生した時のフォトディテクタ上のスポット形状の変化を図11に示す。アジマス角が発生すると、前述した式で計算されるトラッキングエラー信号は、図12に示すように振幅WがW0からW1に小さくなってしまう。アクセスする場所によりトラッキングエラーの振幅が小さくなるということは、トラッキングエラー信号の感度が小さくなるということである。さらに信号のS/ N(Signal/Noise)比も悪化させる。これはアジマス角がつけばつく程、トラッキングのサーボ性能が劣化することを意味する。
そこで本例では、内周から外周にアクセスした際、発生するアジマス角を最小にするため、アクセスエリアのほぼ中央(=中周)でアジマス角が0度になるよう、集積OPユニット17を予め傾けて配置している。さらに、図13に示したように、アジマス角が発生した時に、そのトラッキングエラー振幅の劣化を補うように補正フィルタの演算を入れている。補正フィルタは横軸がアジマス角、縦軸が振幅の倍率で表される。補正フィルターグラフは実測により求める。
そこで本例では、内周から外周にアクセスした際、発生するアジマス角を最小にするため、アクセスエリアのほぼ中央(=中周)でアジマス角が0度になるよう、集積OPユニット17を予め傾けて配置している。さらに、図13に示したように、アジマス角が発生した時に、そのトラッキングエラー振幅の劣化を補うように補正フィルタの演算を入れている。補正フィルタは横軸がアジマス角、縦軸が振幅の倍率で表される。補正フィルターグラフは実測により求める。
補正フィルタの演算後は、トラッキングエラーの振幅がアジマス角によらず一定となるように作られている。発生するアジマス角と光ピックアップの位置(ディスク上の半径R)との関係は次の式で表される。
ここでAとXは設計上で予め決まった値である。また、Rはディスクより読み取ったアドレス信号から知ることができる。結果として、ディスクよりアドレス信号を読み取れば、トラッキングエラーの補正倍率が分かり、補正演算が可能になる。またフォーカスエラー信号についても、アジマス角による同様の信号劣化が生じるので、同じ手法で補正している。
1……ディスク、2……カートリッジ、3……スピンドルモータ、4……シャーシ、5……回動アームユニット、6……ベアリング軸、7……磁気回路、8……光ピックアップ、9……ばね押え、10……フレキシブル基板、11……電気回路基板、12……トップカバー、13……対物レンズ付き浮上スライダ、14……1/4波長板、15……コリメータレンズ、16……凹レンズ付きカバーガラス、17……集積光ピックアップユニット、18……サスペンション、19……支持ばね、20……駆動コイル。
Claims (14)
- 光ディスクに対して光ビームによる信号の記録または再生を行なう光ピックアップと、
前記光ピックアップを支持した回転アームユニットとを有し、
前記回転アームユニットは、半導体レーザと光学系を含む集積光ピックアップユニットを保持した光ピックアップベースプレートと、前記光ピックアップベースプレートの光ディスク側の面に沿って平行に配置される板状の支持バネと、前記支持バネの光ディスク側の面に沿って平行に配置されるサスペンションとを有し、
前記集積光ピックアップユニットに、光ピックアップから出射されたレーザ光の発散角を広げるための凹レンズを設け、前記支持バネに凹レンズからの光を平行光に変えるコリメータレンズを設け、さらに、前記サスペンションに対物レンズを組み込んだ浮上スライダを設けた、
ことを特徴とする光ディスク装置。 - 前記コリメータレンズを設けた支持バネを駆動するコリメータレンズアクチュエータを設けたことを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
- 前記コリメータレンズアクチュエータは、駆動コイルと磁気回路とを含んで構成されることを特徴とする請求項2記載の光ディスク装置。
- 前記コリメータレンズアクチュエータのロードビームに、前記ロードビームから光ピックアップベースプレートの間に存在する光学部品の合計の厚みより高く突出したストッパを設けたことを特徴とする請求項2記載の光ディスク装置。
- 前記浮上スライダを支持したサスペンションにコリメータレンズアクチュエータ用の磁気回路を通す孔を設け、前記コリメータアクチュエータの加速度を向上したことを特徴とする請求項3記載の光ディスク装置。
- 前記浮上スライダを支持したサスペンションに、浮上スライダをサスペンションに固着する際に、浮上スライダの貼り付け面と逆側から接着剤を塗布するための孔を設けたことを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
- 前記浮上スライダを中心とする対称構造で配置された2本の2方向ねじれヒンジ部により、浮上スライダのロール及びピッチ方向の動きを吸収するフレクチュアを設け、前記浮上スライダの接着部とヒンジ部との中間リングの隙間に前記光ピックアップからの光を通すようにしたことを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
- 前記浮上スライダを設けたサスペンションと、前記コリメータレンズを設けた支持バネと、前記集積光ピックアップユニットを設けた光ピックアップベースプレートが同じ種類の材料より形成されていることを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
- 前記材料が鉄合金または銅合金であることを特徴とする請求項8記載の光ディスク装置。
- 前記浮上スライダを設けたサスペンションと前記コリメータレンズを設けた支持バネとがカシメまたは溶接によりアセンブリ部品として接合され、前記アセンブリ部品が前記集積光ピックアップユニットを設けた光ピックアップベースプレートにハンダによって接合されていることを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
- 前記浮上スライダは、前記サスペンションに固着されるマウント部に調整用のクランプ部となる複数の切り欠き部を有することを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
- 前記回転アームユニットは、その回転中心から先端側にかけて所定の傾きをもって配置され、前記所定の角度が前記光ディスク上における光ピックアップアクセスエリアのほぼ中央でアジマス角が0度または0度に近い角度となるように設定されていることを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
- 前記アジマス角度の変化に対してトラッキングエラー信号の振幅が一定になるように補償する補償器を有することを特徴とする請求項12記載の光ディスク装置。
- 前記アジマス角度の変化に対してフォーカスエラー信号の振幅が一定になるように補償する補償器を有することを特徴とする請求項12記載の光ディスク装置。
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