JP3855481B2 - エンジンの診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンを診断する装置に関し、特に燃料を直接燃焼室内に噴射するいわゆる直噴エンジンや、希薄空燃比で燃焼を行うエンジンを診断するのに好適なエンジンの診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの燃費を低減させるために理論空燃比(以下ストイキと記す)よりも空気を過剰(以下リーンと記す)にして燃料を希薄燃焼させる技術が、環境保護の規制や気運の広がりとともに普及しつつある。ガソリンエンジンにおいては、吸気ポート部で燃料を噴射するいわゆるポート噴射方式で空燃比を20〜25程度の希薄燃焼を実現させる方式と、燃焼室内に直接燃料を噴射(以下筒内噴射方式と記す)して空燃比40〜50程度の極めて希薄な燃焼を実現させる方式とがある。これらの希薄燃焼(リーンバーン)では、ポンピング損失や熱拡散を低減することができるので、燃費を低減することができる。
【0003】
一方、希薄燃焼を安定して実現するために、例えばポート噴射方式ではスワール発生弁等の吸入空気流動強化手段により吸入空気により渦を積極的に発生させるなどして、燃料と空気との混合を強化している。筒内噴射方式においては燃料の噴射タイミングや、スワール制御弁,タンブル制御弁等の吸入空気流動強化手段やピストン上面のキャビティ形状等により空気流動を積極的に発生、利用して燃料の分布を一部(点火プラグ近傍)に偏らせることにより極めて希薄な燃焼 (以下成層燃焼と記す)を可能としている。
【0004】
なお、ポート噴射方式の希薄燃焼では、比較的出力を必要としない運転領域では希薄燃焼を行い、出力を必要とする運転領域や希薄燃焼が実現しにくい運転領域等では、ストイキや燃料過剰(以下リッチと記す)での燃焼を行っている。また、筒内噴射方式でも、成層燃焼は比較的出力を必要としない運転領域で行い、その他の運転領域では混合気を均質とし、空燃比が20〜25程度の希薄燃焼やさらにストイキやリッチでの燃焼を行っている。すなわち、ポート噴射方式にあっては、運転状態に応じて均質のリーンとストイキ等を切換えて燃料を供給している。また、筒内噴射方式にあっては、成層のリーンと均質のリーン,ストイキ等を切換えて燃料を供給している。
【0005】
希薄燃焼は、このように吸入空気流動強化手段と燃焼供給手段とからなる混合気供給手段等により実現されており、これらの手段に異常が発生した場合、燃焼が不安定となってしまう。その場合、燃料の一部が燃焼せずに排気されたりNOxやCO等有害ガスが発生し易くなってしまう。エンジンから排気されるこれらの有害ガスが通常より極端に増加すると、排気系に設けられている触媒等の排気浄化手段では浄化しきれなくなり、最終的には大気に放出される有害ガスが増大する。また、トルク変動が発生して振動を生じたり、未燃焼の燃料が触媒内で燃焼することにより触媒を焼損したり、燃料消費量が増えたりもする。特に有害ガスの増大を生じるような異常については、これを車載のコントロールユニットにて自己診断することが法規により求められている。この自己診断に関する法規は、米国で実施されており、欧州や日本でも実施が検討されている。
【0006】
一方、異常を検出する技術としては、例えば失火等の燃焼状態を診断する技術として第2559509 号特許に開示されている。この技術はエンジンの回転速度の変動から燃焼状態を判定するものである。
【0007】
また、これ以外にも燃焼室内に設けた電極間を流れるイオン電流により燃焼状態を判定する技術や、燃焼室付近に設けた燃焼圧力センサにより燃焼室内圧力を検出して燃焼状態を判定する技術、さらにエンジンの発生トルクにより燃焼状態を判定する技術等が数多く開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来技術では、例えば失火等のように燃焼状態が悪化したことは検出可能であるが、前述の吸入空気流動強化手段や燃焼供給手段等の異常を特定することができない。したがって、異常の原因特定のために新たな検出手段を付加するか、あるいは整備工場にて技術者が時間をかけて調べる必要がある。
【0009】
さらに、筒内噴射方式において成層運転を行っている場合に、燃料噴射弁から噴射される燃料の噴霧形状が設定した形状から大きく変化した場合や、吸入空気流動強化手段が異常となった場合には、燃料の分布が設定外となり、燃焼そのものは安定していても多量の未燃ガスが放出されることがある。このような異常が特定気筒に対して生じた場合には、他の気筒に対して発生する燃焼圧力やトルクが若干下がるので、従来技術でも検出できる可能性はある。しかし、もともと気筒毎の燃焼にバラツキがあるため正常と異常とを区別することは難しい。
【0010】
さらにエンジン毎のバラツキや、部品のバラツキ,経時変化等のため上述のような微妙な異常を検出することは困難である。
【0011】
本発明は、このような従来技術の問題点について着目してなされたもので、エンジン毎のバラツキや、部品のバラツキ,経時変化等の影響を受けずに、吸入空気流動強化手段や燃焼供給手段等の異常を検出し、異常部位を特定することができるエンジンの診断装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、エンジンの運転状態に応じてエンジンの混合気制御を第1の混合気制御と、
吸入空気の流動を強化する空気流動強化手段の状態が前記第1の混合気制御の際の前記空気流動強化手段の状態とは異なる第2の混合気制御とに切換える切換え手段と、エンジンの発生トルクまたは燃焼圧力に関する燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段と、前記切換え手段により前記混合気制御が前記第1の混合気制御となっている状態での前記燃焼状態検出手段の検出結果である第1の燃焼状態と、前記切換え手段により前記混合気制御手段が第2の混合気制御となっている状態での前記燃焼状態検出手段の検出結果である第2の燃焼状態との差が所定値以上の場合に、前記空気流動強化手段が異常であると判定する判定手段を有するエンジンの診断装置である。
【0013】
また本発明は、エンジンの運転状態に応じてエンジンの混合気制御を第1の混合気制御と、燃料噴射弁の噴射状態が前記第1の混合気制御の際の前記燃料噴射弁の噴射状態とは異なる第2の混合気制御とに切換える切換え手段と、エンジンの発生トルクまたは燃焼圧力に関する燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段と、前記切換え手段により前記混合気制御が前記第1の混合気制御となっている状態での前記燃焼状態検出手段の検出結果である第1の燃焼状態と、前記切換え手段により前記混合気制御手段が第2の混合気制御となっている状態での前記燃焼状態検出手段の検出結果である第2の燃焼状態との差が所定値以上の場合に、前記燃料噴射弁が異常であると判定する判定手段を有するエンジンの診断装置である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0025】
図1は本発明の一実施例に係わるエンジンの空燃比制御装置の構成図である。なお、本実施例は筒内噴射方式の例である。エンジン1の吸気系23には、エアクリーナ2,吸入空気量を検出するエアフローセンサ3,吸入空気量を調整するスロットル弁4,スロットル弁駆動手段5およびスロットル開度センサ5a,スワール制御弁6,スワール制御弁駆動手段7および吸気弁8を備えている。スワール制御弁6はそれぞれの気筒に対して吸気弁8の直前に設けられており、一体的に作動するように構成されている。エンジン1の燃焼室9には、燃料を直接燃焼室9内に噴射する燃料噴射弁10,点火プラグ11,筒内圧センサ12を備えている。エンジン1の排気系23には排気弁13,空燃比センサ14,触媒15を備えている。さらにエンジン1のクランク軸に取り付けられたセンシングプレート16とその突起部を検出することにより回転速度やクランク角度を検出するクランク角センサ17,アクセルペダル18の踏み込み量を検出するアクセルセンサ19とを備えている。
【0026】
それぞれセンサの検出値は電子制御回路(以下、ECUと記す)20に入力され、ECU20はアクセル踏み込み量,吸入空気量,回転速度,クランク角度,筒内圧,スロットル開度等を検出または計算する。そして、その結果に基づいてエンジン1に供給する燃料の量とタイミングとを計算し燃料噴射弁10に駆動パルスを出力したり、スロットル弁4開度を計算し絞り弁駆動手段5に制御信号を出力したり、点火時期等を計算し点火プラグ11に点火信号を出力したりする。燃料は図示しない燃料タンクから燃料ポンプで圧送され燃圧レギュレータにて所定の圧力(5〜15MPa程度)に保持され、燃料噴射弁10に供給される。ECU20により出力される駆動パルスにより所定のタイミングに所定量が燃焼室9に直接噴射される。均質運転時には吸気行程で燃料を噴射して空気との混合を行い、成層運転時には圧縮行程で燃料を噴射して、点火プラグ11近傍に燃料を集めるようにしている。
【0027】
スロットル弁4にて調整された吸入空気は、吸気弁8を通って燃焼室内に流入する。この際、スワール制御弁6によってスワール強度が制御される。通常、成層リーン運転時や均質リーン運転時にはスワール強度を高く、それ以外ではスワール強度を低くするように設定されている。特に成層運転時には、前述の燃料噴射タイミングとスワールによる空気流動およびピストン21の上面に設けたキャビティ22の形状により燃料を燃焼室9全体に広げることなく、点火プラグ11の近傍に集めている。
【0028】
燃料と吸入空気との混合気は点火プラグ9にて点火され燃焼する。燃焼後の排気ガスは排気弁13を通って排気系24に排出される。排気ガスはさらに触媒15に流入し、排気ガス中の有害成分が浄化される。触媒15は、ストイキ運転時での排気浄化性能を確保するためのいわゆる三元触媒性能と、リーン運転時でのNOx還元性能を確保するためのNOx吸着性能を併せ持つように構成されている。
【0029】
空燃比センサ14は、燃焼後の排気ガス中の酸素濃度に応じた信号を出力する。空燃比センサ14にて検出した実空燃比に基づいて、目標空燃比となるように供給する混合気の空燃比をフィードバック制御している。例えば空燃比センサ14がストイキ付近で2値的な値を出力するタイプの場合、ストイキ運転時のみ空燃比をフィードバック制御している。
【0030】
なお、排気系24から吸気系23には図示しない通路およびEGRバルブが設けられている。特に成層運転時には、NOxの発生を抑えるためと、速すぎる燃焼速度を抑えるために多量のEGRを導入している。
【0031】
図2にECU20の構成を示す。前述のエアフローセンサ3,スロットル弁開度センサ5a,筒内圧センサ12,空燃比センサ14,クランク角センサ17の信号3s,5s,12s,14s,17sおよび図示しない気筒判別センサ25の信号が入力回路31に入力される。CPU30はROM37に記憶されたプログラムや定数に基づいて、これらの入力信号を読み込み、演算処理を行う。さらに、演算処理の結果として点火時期,インジェクタ駆動パルス幅およびタイミング,スロットル弁開度指令,スワール制御弁開度指令がI/O32を介して点火出力回路33,燃料噴射弁駆動回路34,スロットル弁駆動回路35,スワール制御弁駆動回路36に出力され、点火,燃料噴射,スロットル弁開度制御,スワール制御弁開度制御が実行される。RAM38は、入力信号の値や演算結果等の記憶に用いられる。
【0032】
図3に本発明の機能構成ブロック図を示す。エンジン1等から検出された運転状態、例えば回転速度,アクセル開度,吸入空気量,車両速度に基づいて、切換え手段40にて運転領域の判断を行い燃料供給手段を切換える。例えば、比較的出力を必要とせず成層運転を実行し易い運転領域では成層運転,出力を必要とする運転領域や成層運転や希薄運転が実現しにくい運転領域では均質のストイキ運転やリッチ運転,中間的な領域では、均質のリーン運転を選択する。本実施例では、実質的に成層運転,均質リーン運転,均質ストイキ運転の3種類の混合気制御手段がある。本発明の本質は2つの異なった混合気制御手段における燃焼状態の比較をすることにより燃料供給手段の異常を判定するものなので、全体での混合気制御手段の種類を2つに限定するものではない。具体的手法については、後述する。次に切換え手段40より第1の混合気制御手段と第2の混合気制御手段の何れかが選択され切換えられ、エンジン1の混合気が制御される。なお、混合気制御手段とは燃料供給手段と空気流動強化手段等を含むことを記しておく。次に燃焼状態検出手段43がエンジン1の燃焼状態を検出し、切換え手段40によって選択された混合気制御手段に応じて、第1の燃焼状態または第2の燃焼状態を出力する。判定手段44は第1の燃焼状態と第2の燃焼状態とに基づいてエンジン1の異常を判定する。好ましくは、異常が検出された場合には、異常記憶手段45により異常の内容や異常が判定されたときの運転状態等が記憶されたり、異常警告手段46により運転者等に異常が警告される。また、好ましくは、異常が検出された場合には、切換え禁止手段47により切換え手段40による混合気制御手段の切換えが禁止され第1の混合気制御手段または第2の混合気制御手段の何れかに固定される。固定する混合気制御手段は、判定された異常によって決定する。例えば、空気流動強化手段が異常と判定された場合には、リーン運転を禁止しストイキ運転のみ実行する。また、好ましくは、切換え運転状態変更手段48により切換え手段40により混合気制御手段を切換える運転状態を変更する。例えば、空気流動強化手段が異常と判定された場合には、リーン運転する運転状態を通常より狭い領域に変更したり、空燃比を通常より小さい(濃い側)に変更したりする。なお、異常検出手段45,異常警告手段46,切換え禁止手段47,切換え運転状態変更手段48は好ましい形態として説明するもので、全てが必要ということではない。
【0033】
本実施例では、上述のように実質的に成層運転,均質リーン運転,均質ストイキ運転の3種類の燃料供給手段があるが、例えば、成層運転と均質リーン運転、または均質リーン運転と均質ストイキ運転、あるいは成層運転と均質ストイキ運転等をそれぞれ第1,第2の混合気制御手段として本発明を適用することができる。
【0034】
具体的には、成層運転と均質リーン運転とを比較する場合には、特に燃料噴射弁10の噴霧パターンの影響が表われやすい。さらにこれは、特定気筒の発生トルク(燃焼圧力)の差として表われる。他の要因としては、スワール制御弁の影響がある。この場合には、全体の気筒での発生トルク(燃焼圧力)の差や燃焼が不安定になり発生トルク(燃焼圧力)のバラツキが大きくなる。
【0035】
均質リーン運転と均質ストイキ運転とを比較する場合でも、同様にスワール制御弁の影響が表われやすい。ただし、燃料噴射弁10の噴霧パターンの影響は比較的表われにくいことを記しておく。
【0036】
さらに必要点火エネルギーは、均質ストイキ運転より均質リーン運転,均質リーン運転より成層運転の方が高い。したがって、異常により点火エネルギーが十分でなくなっている場合には、混合気制御手段を切換えたときに燃焼状態に影響する可能性がある。特定の気筒または全体に対して影響がでるかについては、点火システムの構成や異常の種類によって異なる。例えば、点火プラグ11のくすぶりの場合には、特定の気筒に対して影響がでやすい。
【0037】
処理のフローの例を図4で説明する。この処理は、例えば、所定時間毎(例えば2ms毎)か所定のクランク角度において実行される。
【0038】
まず、ステップS101で運転状態を検出し、ステップS102で第1と第2のどちらの混合気制御手段にするかを、現在の運転状態が予め設定されたどちらの運転領域に該当するかで選択する。第1の混合気制御手段の運転領域の場合には、ステップS103へ進み、以前の混合気制御手段が第1の混合気制御手段以外であれば、第1の混合気制御手段に切換える。次にステップS104へ進み、診断条件が成立しているかどうかを調べる。ここでは、例えば、筒内圧センサ等の燃焼状態を検出するためのセンサやエンジンの負荷等を検出するためのセンサ等に異常がないか、運転状態が安定しているか(例えば急加減速中、燃料カット制御中は以下の判定のためには燃焼状態を検出しない)等の燃焼状態検出条件を調べて、条件が成立していなければ本フローを終了する。条件が成立していれば、ステップS104へ進み、燃焼状態を検出して、結果を記憶する。結果の記憶は、例えば、負荷や回転速度に関する運転状態に応じて、記憶しておくことが好ましい。次のステップS106では、第2の混合気制御手段における燃焼状態検出がすでに終了しているかを調べる。ここでは、少なくとも燃料供給量や発生トルク等負荷に関する運転状態がほぼ等しい運転状態における第2の混合気制御手段における燃焼状態検出がすでに終了しているかを調べることが好ましい。さらに、後述する回転速度による燃焼状態検出手段を用いる場合には、回転速度に関する運転状態もほぼ等しい運転領域での燃焼状態検出が終了しているかを調べることが好ましい。第2の燃焼状態検出手段における燃焼状態検出がすでに終了していない場合には、本フローを終了する。終了している場合には、ステップS111へ進み、異常の判定を行う。判定の方法については、判定手段に関する説明において後述する。ここでは、前述したように負荷や回転速度に関する運転状態がほぼ等しい運転領域での2つの混合気制御手段における燃焼状態に基づいて判定することが、例えば、異常を判定すべき機能以外の影響を受け難いのと、燃焼状態を検出するための指標(後述する)のバラツキを小さくする意味で好ましい。なお、例えば、均質ストイキ運転,均質リーン運転と成層運転では燃料供給量がほぼ同じでも吸入空気流量が大きく異なることを記しておく。ステップS111における判定の結果をステップS112で調べ、異常がない場合には、本フローを終了し、異常がある場合には、ステップS113へ進む。ステップS113では異常の情報を記憶する。後で読み出すことにより修理を容易にすることができる。記憶する情報としては、例えば、故障の部位に関するコードや故障判定時の運転状態等がよい。さらに、ステップS114では異常が判定されたことを運転手に警告するための手段を作動させる。警告手段としては、例えば、警告ランプを点灯または、点滅させるのがよい。なお、以上では、異常が判定された場合に、すぐに異常を記憶および警告するように説明したが、これに限定する必要はない。後述する様に一旦仮の異常判定をした後に異常と想定される部位を作動させてみて、異常であることを確認してから異常を記憶および警告するようにしてもよい。また、何回か異常と判定されたときに異常を記憶および警告するようにしてもよい。異常の記憶と警告は何れかだけでもよい。ステップS102に戻り、第2の混合気制御手段が選択された場合には、ステップS107へ進む。ステップS107からS110については、ステップS103からS106と同様であるので、説明を略す。
【0039】
処理のフローの別の例を図5で説明する。この処理も、例えば、所定時間毎 (例えば2ms毎)か所定のクランク角度において実行される。
【0040】
ステップS201で運転状態を検出し、ステップS202で混合気制御手段を切換える運転状態であるかどうかを調べる。あるいは、通常は切換えなくとも切換えても跳ね返りがない運転状態であるかどうかを調べ強制的に切換えるようにしてもよい。切換える運転状態あるいは切換えてもよい運転状態の場合には、ステップS203へ進む。それ以外の場合には、本フローを終了する。ステップS203でまず現在の混合気制御手段における燃焼状態を検出する。次にステップS204で混合気制御手段を切換える。次のステップS205では切換え後の混合気制御手段における燃焼状態を検出する。次のステップS206では、ステップS203およびS205で燃焼状態を検出した時点での燃焼状態検出条件を調べる。前述同様に、センサ類の異常がないことは当然のこと、燃焼状態を検出していた間で運転状態が安定していたかどうかを調べる。なお、このような条件のチェックは、ステップS203およびS205で燃焼状態を検出する前および最中に行ってもよい。燃焼状態検出条件が成立していなければ、本フローを終了する。条件が成立していれば、ステップS207に進み混合気制御手段切換え前後の燃焼状態に基づき異常の判定を行う。異常と判定されなかった場合には、本フローを終了し、異常と判定された場合には、ステップS209で異常を記憶し、ステップS210で異常を警告して本フローを終了する。
【0041】
ところで、通常混合気制御手段切換え前後で燃料供給量等の負荷に関する運転状態はほとんど変化がないように制御している。その理由は、運転者に燃料供給手段切換えに伴うトルク変化によるショックを感じさせないようにする必要性があるからである。このため、混合気制御手段切換え前後の燃焼状態に基づき異常の判定を行うことは、前述同様に異常を判定すべき機能以外の影響を受け難いのと、燃焼状態を検出するための指標のバラツキを小さくできるという面で好ましい。さらに、短時間内で、2つの混合気制御手段における燃焼状態を検出しているので、種々の燃焼に影響を与えうる要因(大気圧力,湿度,燃料供給手段以外の異常等)の影響を受け難いという面でも好ましい。
【0042】
次に、筒内圧を用いた場合の燃焼状態検出手段の実施例について説明する。図6に機能ブロック図を示す。筒内圧センサ12により検出された筒内圧はまず、燃焼状態検出手段50の中の積分手段51に入力される。
【0043】
積分手段51について説明する。筒内圧センサ12により検出された筒内圧は、図7の様になる。爆発上死点(TDC)後所定のクランク角度C1からC2の間の筒内圧を積分する。積分の方法については、回路で実行してもソフトで実行してもよい。回路の場合には、積分器をC1のタイミングでクリアし、C2のタイミングで保持した後その値をA/D変換器を通して読み込めばよい。ソフトの場合には、C1からC2の間、所定の時間ごと、または、所定のクランク角度毎に筒内圧を読み込んで総和を計算すればよい。積分値をSP1とすると燃焼が良好な場合には大きな値、燃焼が悪い場合には小さな値となる。筒内圧センサ12が、絶対値の精度が低いタイプ(例えば、本実施例の図1に示すような、点火プラグ11の座金部に設けた圧電素子タイプ)の場合、図8に示すように爆発上死点前後の対称クランク角度位置に積分期間(−C2から−C1)および(C1からC2)を設け、それぞれの積分値AとBとを求めた後、SP2=B−Aを用いるとよい。なお、SP2は失火時にはほぼ0となるので、失火の検出には適しており、筒内圧センサのタイプによらず本方式を適用することは好ましい。
【0044】
次に、SP1,2は燃料供給量に対して比例的に変化するので、正規化手段52にて燃料供給量で割って正規化し、NSP1,2とする。これらの値は、燃焼が良好ならば大きい値、燃焼が悪化すれば小さな値となる。特に、前述したようにNSP2は失火時にはほぼ0となるので、失火の検出や燃焼状態の判定に適している。
【0045】
次に、平均値演算手段53,分散演算手段54,気筒別平均値演算手段55にてNSP1または2から所定時間または所定回数毎に、平均値,分散,気筒別平均値をそれぞれ演算する。平均値および気筒別平均値は大きいほど燃焼圧が高いことを示している。分散は小さいほど燃焼が安定していることを示している。
【0046】
それぞれの演算結果は判定手段44に入力され、切換え手段40による混合気制御手段の選択状態、および前記演算結果に基づきエンジンの異常が判定される。判定の手段は例えば下記の(1)と(2)の様になる。
【0047】
(1)均質ストイキ運転,均質リーン運転,成層運転それぞれの運転状態(混合気制御手段)における前述の平均値,分散,気筒別平均値から異常を判定する。平均値または、分散が所定範囲となったら、異常があると判定する。それぞれの気筒の気筒別平均値が所定範囲となったら、該当気筒に異常があると判定する。好ましくは、エンジンの回転速度,負荷,EGR量等の運転状態に基づいて、予め記憶しておいた平均値,気筒別平均値と分散それぞれに対する判定レベルを検索または計算し、平均値や気筒別平均値がそれぞれの判定レベルより低い場合や分散が分散の判定レベルより大きい場合に異常と判定する。ただし、この場合、異常部位の特定は難しい。また、成層運転時に燃料噴射弁から噴射される燃料の噴霧形状が設定した形状から大きく変化した場合には、燃焼は正常でも未燃ガスが排出されることもあり、このような異常は平均値,分散,気筒別平均値等だけでは検出できない。
【0048】
(2)均質ストイキ運転と均質リーン運転,均質リーン運転と成層運転との燃焼状態の比較を行う。前述の平均値または、分散の差が所定値以上の場合、スワール制御弁6等の空気流動強化手段に異常があると判定する。また、それぞれの気筒の気筒別平均値の差が所定値以上の場合、該当気筒の燃料噴射弁(例えば噴霧のパターン)に異常があると判定する。この場合も、好ましくは、エンジンの回転速度,負荷,EGR量等の運転状況から予め記憶しておいた平均値の差,気筒別平均値の差と分散の差それぞれに対する判定レベルを検索または計算し、判定に用いる。この方式は、2つの混合気制御手段の比較を行うので、エンジン毎のバラツキや、部品のバラツキ,経時変化等の影響を受け難いのが特徴である。
【0049】
なお、点火エネルギーが低くなった場合にも平均値,分散または気筒別平均値の差が所定値以上となる可能性もあるので、上述した異常部位の特定は、異常の可能性の高い部位としての判定となる。したがって、異常記憶の際に、例えば、異常発生という情報と異常である可能性の高い部位の情報として上述した異常部位判定を記憶することが好ましい。ただし、現実的には、点火エネルギーの低下時には、燃焼が相当悪化するので、(1)で述べた平均値または気筒別平均値に基づいて異常と判定できることが多いことを記しておく。
【0050】
さらに好ましい形態として、異常部位の特定を行った後に特定された部位に関する制御量を変化させたときの上記平均値,分散,気筒別平均値の変化から特定部位を確定する。
【0051】
例えば、上記の(2)で空気流動強化手段が異常であると判定した場合には、まず空気流動強化手段が異常であると仮の判定を行う。次に、空気流動強化手段を動かしてみて、分散が変化しないか変化量が所定値以下の場合には空気流動強化装置が異常であるとの確定判定を行う。逆に空気流動強化手段を動かしてみて、分散が所定値以上変化する場合には、点火系が異常(点火エネルギー低下等)であるとの確定判定を行う様にすることもできる。
【0052】
また、(2)で燃料噴射弁10が異常であると判定した場合には、例えば当該燃料噴射弁10の噴射時期を所定値だけ遅らせたり早めたりしてみる。このとき当該気筒の気筒別平均値が所定値以上変化する場合には、燃料噴射弁が異常であるとの確定判定を行う。さらに、この場合には、噴射時期を変えたときの気筒別平均値が所定値以上まで回復し、かつ、分散が所定値以内なら、その変えた噴射時期を当該気筒の制御値となるように補正を行い、かつ、異常判定を取り消してもよい。なお、噴射時期を変化させても当該気筒の気筒別平均値が所定値以上変化しない場合に、燃料噴射弁の異常ではないと断定できないので、当該気筒の異常と、燃料噴射弁の異常の可能性が高いことを示す情報を記憶することが好ましい。
【0053】
以上の説明で、分散はバラツキを表わす指標として用いているので、例えば最大値と最小値との差等を分散の代わりに用いることも可能である。また、NSP1,2の計算毎の値が所定の範囲外の頻度等を用いることも可能である。
【0054】
また、正規化した筒内圧積分値の平均値,分散,気筒別平均値全てを用いて判定することに限定するものではなく、さらに、他の指標(例えば、筒内圧のピーク位置等)を用いることも当然可能である。
【0055】
図9に均質ストイキ運転および均質リーン運転時のNSP1,2の分散の実験結果の一例を示す。異常の判定手段の実施例を図により説明する。
【0056】
通常は、均質ストイキ運転時に分散はAで示す値となり、均質リーン運転時には空気流動強化手段であるスワール制御弁が開くのでBで示す値となる。なお、曲線aは、スワール制御弁が開いたまま空燃比を変化させたときの分散の変化を示す。また、通常ストイキ運転ではスワール制御弁は閉じているが、分散はスワール制御弁が開いていてもほとんど差がないことを記しておく。一方、スワール制御弁が故障して、まったく開かない場合にはCで示す値となる。なお、曲線bは、スワール制御弁を閉じたまま空燃比を変化させたときの分散の変化を示す。このようにスワール制御弁が正常に動かない場合には、分散に変化があることがわかる。したがって、均質リーン運転時に分散が所定の値(エンジンの回転速度,負荷や空燃比等の運転状態に基づいて決定する。)以上の場合には、何らかの異常があると判定することができる。
【0057】
一方、エンジンの経時変化により燃焼が安定していない場合やスワール制御弁以外に異常がある場合には、例えスワール制御弁が開いていても分散が曲線cで示すような値となることがある。この場合には均質ストイキ運転時にA′で示す値,均質リーン運転時にはB′で示す値となる。さらにこの状態でスワール制御弁を閉じたままだと分散は曲線b′で示すような値となる。また、さらにスワール制御弁が中間開度で動かなくなってしまった場合には、分散は曲線b″で示すような値となり、均質リーン運転時にC″で示す値となる。この様な場合、単純に均質リーン運転時の分散でスワール制御弁の異常を判定しようとすると誤った判定をする可能性がある。このような場合であっても、均質ストイキ運転時と均質リーン運転時における分散を比較することによりスワール制御弁の異常を精度良く判定することが可能となる。
【0058】
なお、スワール制御弁が閉じた状態で、作動しなくなった場合には、分散はほとんど変化しないが、この場合には、吸入空気量が多い運転状態において通気抵抗が大きくなる。したがって、例えばスロットル開度センサ5aにより検出したスロットル弁4の開度と回転速度との関係および図示していないバイパス空気量制御弁の開度等から推定した吸入空気量とエアフローセンサ3により検出した吸入空気量との比較等により異常を検出することができる。例えば、均質ストイキ運転から均質リーン運転(均質ストイキ運転より吸入空気量が多い)に切り替えたときの空気量の変化が所定値以下の場合には異常と判定することにより精度良く異常を検出できる。あるいは、均質ストイキ運転時と均質リーン運転時とでNSP1,2の平均値を比較することにより精度良く異常を検出することができる。
【0059】
また、以上の説明は、均質ストイキ運転時と均質リーン運転時とについて説明したが、均質リーン運転時と成層運転時とについても、さらに均質ストイキ運転時と成層運転時とについても適用できる。通常、成層運転時には、均質リーン運転時よりも空気流動をさらに強化する必要があるため、それぞれの運転状態でスワール制御弁の開度を変えている。したがって、運転状態(混合気制御手段)を切り替えたときにスワール制御弁が所定の開度に開かないような場合には、Pの値を比較することによりスワール制御弁の異常を検出することができる。
【0060】
なお、以上の説明は、空気流動強化手段がスワール制御弁の場合について説明したが、これに限定するものではない。他には、例えばタンブル制御弁があるがこれについても適用できる。
【0061】
本実施例は、特に空気流動強化手段の異常判定に適していることを記しておく。
【0062】
次に、エンジンの回転速度を用いた場合の燃焼状態検出手段の実施例について説明する。図10に4気筒エンジンの回転変動の例を示す。図に示すように燃焼上死点(TDC)付近の回転速度N1,N2,…と上死点間の回転速度N12,N23,…を計測し、DN1=N12−(N1+N2)/2,DN2=N23− (N2+N3)/2,…を演算する。なお、回転速度は、例えば、所定のクランク角度間を回転するのにかかる時間を計測することにより計算で求めることができる。回転変動は、エンジンのピストン等の慣性力の影響(燃焼ガスによる発生トルクとほぼ逆の位相のトルクが発生し、高速程影響が大きくなる)と回転速度そのものの影響(高速程変動が小さくなる)とを受けるので、DN1,DN2,…をさらに回転速度に基づいて補正すると各々の気筒の発生トルクに応じた値、すなわち筒内圧に応じた値を求めることができる。筒内圧の場合と同様に、燃料供給量で正規化して、平均値,分散,気筒別平均値を求める。その後の判定の方法は筒内圧の場合とほぼ同じである。この実施例の本質的な部分は、回転速度から発生トルクや筒内圧に応じた値を求めることができるということである。したがって、方式を限定するものではない。
【0063】
次に、エンジンの回転速度を用いた場合の燃焼状態検出手段の別の実施例について説明する。図10での説明と同様に燃焼上死点(TDC)付近の回転速度N1,N2,…を計測し、dN1=N2−N1,dN2=N3−N2,…を計算する。先程と同様に回転速度で補正し、さらに燃料供給量で正規化する。さらに、この場合には回転速度が上昇や下降中つまり加減速中は、その影響を受けやすいので、その分を補正することが好ましい。以上により隣り合った気筒間の発生トルクや筒内圧に応じた値の差を求めることができる。この方式においては、全体の平均値はほぼ0となり、気筒間の相対的な値しか検出できない。したがって、全体の平均値は求めず、分散と気筒別平均値を求める。判定の方法は筒内圧の場合とほぼ同じであるが、気筒別平均値については以下を追加する。
【0064】
本実施例の場合には、気筒間の燃焼状態の相対値を用いているために図11に示すように例えば、一つの気筒(#2気筒)の燃焼が悪化している場合には実線aで示すようになり、二つの気筒(#2と#3気筒)で燃焼が悪化している場合には波線bで示すようになる。このままの値を用いると、異常を判断するための判定レベルを決定しにくく、また、混合気制御手段を切り替えたときの値の差に基づく判定を誤る可能性がある。このため、気筒別平均値については、最も値の大きな気筒を基準としてその基準からの差を改めて気筒別平均値として採用する。このようにして求めた気筒別平均値は図12の様になる。a′,b′は各々図11のa,bに対応する。
【0065】
さらに、エンジンの回転速度を用いた場合の燃焼状態検出手段の別の実施例について説明する。図10での説明と同様に所定のクランク角度毎、または所定の時間毎に回転速度を計測する。そして計測された回転速度の変動から所定の周波数成分を抽出し、そのパワーまたは大きさPを求める。抽出する周波数帯域は、例えば、3から8Hz程度が好ましい。この理由は、回転変動で燃焼のばらつきを検出する場合には、車両がバネマス系として作用するため、系の共振周波数帯である3から8Hz程度が特に強調されるからである。なお、回転の高次成分に該当する周波数成分は抽出する周波数帯に入れないようにすることが好ましい。抽出方法は、例えば、ソフトウエアによるデジタルフィルタを用いればよい。そして、2つの混合気制御手段それぞれにおいて上記のPを比較することにより異常を判定する。
【0066】
Pの値は、図9で説明した筒内圧に基づくNSP1,2の分散を用いた場合と同様の変化をする。したがってPを用いた異常判定の方法もNSP1,2の分散を用いた場合と同様である。
【0067】
以上、種々の実施例について説明したが、それぞれ別々に採用することに限定するものではなく、組み合わせて異常を判定することも可能である。
【0068】
また、以上の種々の実施例は、筒内圧噴射方式について説明したが、これに限定するものではない。例えば、ポート噴射方式で均質リーンと均質ストイキ等を切換える方式であっても適用できる。
【0069】
また、燃焼状態検出手段として、筒内圧に基づく例と回転速度に基づく例について説明したが、これに限定するものではない。一般的かつ通常の制御で使うためすでに付いていることの多いセンサで本発明を具現化できる、すなわちセンサを追加することなく具現化できることを示すため、筒内圧と回転速度それぞれに基づく実施例を説明したことを記しておく。すなわち、コスト上昇を最小限にして発明を具現化できるということも示している。
【0070】
他の燃焼状態検出手段としては、例えば、発生トルクやイオン電流等に基づく方法も有る。さらに、説明した方法やこれらの方法を組み合わせて異常の判定を行うことも可能である。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によるエンジンの診断装置によれば、2つの混合気制御手段における燃焼状態に基づいて異常を判定するので、エンジン毎のバラツキや、部品のバラツキ,経時変化等の影響を受けずに、吸入空気流動強化手段や燃焼供給手段等からなる混合気制御手段の異常を検出し、異常部位を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わるエンジンの構成図である。
【図2】ECUの構成図である。
【図3】本発明の機能構成ブロック図である。
【図4】本発明の一実施例の処理フローを示すフローチャートである。
【図5】本発明の別の一実施例の処理フローを示すフローチャートである。
【図6】本発明の判定手段の一実施例の機能構成ブロック図である。
【図7】筒内圧の挙動と燃焼状態検出手段の例を説明する図である。
【図8】筒内圧の挙動と燃焼状態検出手段の別の例を説明する図である。
【図9】筒内圧積分値の分散の挙動と判定手段の例を説明する図である。
【図10】回転変動と燃焼状態検出手段の例を説明する図である。
【図11】燃焼状態パラメータの挙動の例を説明する図である。
【図12】燃焼状態パラメータの補正方法の例を説明する図である。
【符号の説明】
1…エンジン、6…スワール制御弁、10…燃料噴射弁、12…筒内圧センサ、20…ECU。

Claims (12)

  1. エンジンの運転状態に応じてエンジンの混合気制御を第1の混合気制御と、吸入空気の流動を強化する空気流強化手段の状態が前記第1の混合気制御の際の前記空気流強化手段の状態とは異なる第2の混合気制御とに切換える切換え手段と、
    エンジンの発生トルクまたは燃焼圧力に関する燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段と、
    前記切換え手段により前記混合気制御が前記第1の混合気制御となっている状態での前記燃焼状態検出手段の検出結果である第1の燃焼状態と、前記切換え手段により前記混合気制御手段が第2の混合気制御となっている状態での前記燃焼状態検出手段の検出結果である第2の燃焼状態との差が所定値以上の場合に、前記空気流動強化手段が異常であると判定する判定手段を有するエンジンの診断装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンの診断装置であって、
    前記第1の混合気制御および前記第2の混合気制御は、均質ストイキ運転制御,均質リーン運転制御、または成層運転制御のうち少なくとも2つであるエンジンの診断装置。
  3. 請求項1に記載のエンジンの診断装置であって、
    前記判定手段は、少なくとも燃料供給量,発生トルク等の負荷に関する運転状態がほぼ同一な運転状態における、前記切換え手段により切換えられた前記第1の混合気制御と前記第2の混合気制御とになっている状態での燃焼状態に基づいて異常を判定するエンジンの診断装置。
  4. 請求項1に記載のエンジンの診断装置であって、
    前記判定手段は、前記切換え手段により前記第1の混合気制御と前記第2の混合気制御とが切換えられた前後における燃焼状態に基づいて異常を判定するエンジンの診断装置。
  5. 請求項1に記載のエンジンの診断装置であって、
    前記燃焼状態検出手段は、エンジンの回転速度に基づき燃焼状態を検出するエンジンの診断装置。
  6. 請求項1に記載のエンジンの診断装置であって、
    前記判定手段により異常が判定されたときに前記切換え手段による切換えを禁止し、前記混合気制御手段を前記第1の混合気制御または前記第2の混合気制御の何れかに固定する切換え禁止手段を有するエンジンの診断装置。
  7. 請求項1に記載のエンジンの診断装置であって、
    前記判定手段により異常が判定されたときに、前記切換え手段による運転状態の切り換え先を変更する切換え運転状態変更手段を有するエンジンの診断装置。
  8. 請求項1に記載のエンジンの診断装置であって、
    前記判定手段により異常が判定されたときに異常を記憶する異常記憶手段、または異常を警告する異常警告手段の少なくともいずれか一方の手段を有するエンジンの診断装置。
  9. 請求項1に記載のエンジンの診断装置であって、
    前記エンジンの運転状態は、目標空燃比であるエンジンの診断装置。
  10. 請求項1に記載のエンジンの診断装置であって、
    前記燃焼状態とは、エンジン回転数または燃焼圧力の分散であるエンジンの診断装置。
  11. 請求項1に記載のエンジンの診断装置であって、
    前記判定手段は、前記空気流動強化手段が異常であると判定した場合、前記切換え手段により再度混合気制御を切り換えることにより生じる前記燃焼状態の変化に基づいて前記空気流動強化手段の異常を再度判定するエンジンの診断装置。
  12. 請求項1に記載のエンジンの診断装置であって、
    前記判定手段は、前記空気流動強化手段が異常であると判定した場合、前記切換え手段により再度混合気制御を切り換えることにより生じる前記燃焼状態の変化に基づいて点火系が異常であると判定するエンジンの診断装置。
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