JP4036906B2 - 筒内噴射内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、筒内に直接に燃料を噴射する筒内噴射内燃機関の制御装置に関し、特に圧縮行程噴射でのエンジン燃焼性を向上させた筒内噴射内燃機関の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図27は一般的な筒内噴射内燃機関の制御装置のシステム全体を示す構成図である。
図において、1は内燃機関の本体となる複数の気筒1a〜1dからなるエンジン、2はエンジン1の各気筒1a〜1dに空気を供給する吸気管、3は吸気管2の吸入口に設けられたエアクリーナ、4は吸気管2内に設置されて吸入空気量Qを調整するスロットル弁、5は吸気管2のインテークマニホールド部に形成されたサージタンクである。
【0003】
6はスロットル弁4の開度θを検出するスロットル弁開度センサ、7はスロットル弁4の開閉を行うスロットル弁アクチュエータ、8は各気筒1a〜1d内に直接に燃料を噴射する燃料噴射弁、9は各気筒1a〜1dに設けられた点火コイルユニット、10は点火コイルユニット9から印加される高電圧により放電駆動される各気筒1a〜1d内の点火プラグである。
【0004】
11は運転者により踏み込み操作されるアクセルペダル、12はアクセルペダル11の踏み込み量αを検出するアクセル踏み込み量センサ、13はエンジン1のクランク軸に設けられてクランク角信号SGTを出力するクランク角センサ、14はクランク軸と連動するカム軸に設けられて気筒識別信号SGCを出力する気筒識別センサである。
【0005】
15はエンジン1から排出される排気ガス中の酸素濃度Xを検出する酸素濃度センサ、16は排気ガスを浄化するための触媒である。
なお、各センサ6および13〜15は、運転情報を出力するための各種センサを構成しており、図示しないが、他のセンサとして、吸入空気量Qを検出するためのエアフローセンサや吸気管圧力センサ等が設けられているものとする。
【0006】
17はエンジン1の気筒1a〜1d内の圧力(以後、筒内圧と記す)Pを検出する筒内圧検出ユニット、18はエンジン1のノック振動Kを検出するノックセンサ、19は気筒1a〜1d内の燃焼度合いを示すイオン電流Cを検出するイオン電流検出ユニットである。
【0007】
20はマイクロコンピュータからなる電子制御ユニットであり、各種センサ6、13〜15および18ならびに検出ユニット17および19からの運転情報θ、SGT、SGC、X、K、PおよびCに基づいて各種制御量を演算し、制御量に応じた制御信号J、GおよびRによりエンジン1を制御する。
【0008】
たとえば、電子制御ユニット20は、アクセルペダル11の踏み込み量αからスロットル弁4の目標開度を演算し、開度制御信号Rによりスロットル弁アクチュエータ7を制御して、スロットル弁4の開度θが目標開度と一致するようにフィードバック制御を行う。
【0009】
また、電子制御ユニット20は、クランク角信号SGTからエンジン回転数Neを演算し、エンジン回転数Neおよびアクセル踏み込み量αから目標エンジントルクを演算し、エンジン回転数Neおよび目標エンジントルクToから目標燃料噴射量Foを演算し、目標燃料噴射量Foに応じた駆動時間の噴射信号Jにより燃料噴射弁8を駆動する。
【0010】
また、電子制御ユニット20は、クランク角信号SGTおよび気筒識別信号SGC等に基づいて各気筒1a〜1dの点火時期を演算し、点火信号Gにより点火コイルユニット9を駆動して点火プラグ10を放電させる。
【0011】
また、電子制御ユニット20は、ノック振動Kに基づいてノックの発生を検出し、ノック発生時には点火信号Gを遅角補正してノックを抑制する。
さらに、電子制御ユニット20は、筒内圧Pおよびイオン電流C等に基づいて各気筒1a〜1d内の燃焼状態を判定したり失火の発生を検出する。
【0012】
図28は図27内の電子制御ユニット20の具体的構成を詳細に示すブロック図である。
図28において、21は電子制御ユニット20内のマイクロコンピュータ、22および23は各種の運転情報をマイクロコンピュータ21内に取り込むための入力I/F、24はマイクロコンピュータ21に給電を行う電源回路、25はマイクロコンピュータ21からの制御信号R、JおよびGを出力するための出力I/Fである。26は車載のバッテリ、27は起動時にバッテリ26を電子制御ユニット20に接続するイグニションスイッチである。
【0013】
マイクロコンピュータ21は、所定のプログラムにしたがって燃料噴射弁8および点火プラグ9の制御等を行うCPU31と、クランク角信号SGTから回転周期を検出するためのフリーランニングのカウンタ32と、種々の制御用の計時を行うタイマ33と、入力I/F23からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器34と、CPU31のワークエリアとして使用されるRAM35と、CPU31の動作プログラムが記憶されているROM36と、各種の駆動制御信号J、RおよびG等を出力する出力ポート37と、CPU31と各構成要素32〜37とを結合するコモンバス38とを備えている。
【0014】
一方の入力I/F22は、クランク角信号SGTおよび気筒識別信号SGCを波形整形し、これを割り込み信号としてマイクロコンピュータ21に入力する。マイクロコンピュータ21内のCPU31は、入力I/F22から割り込み信号が発生すると、カウンタ32の値を読み取り、今回値と前回値との差からクランク角信号SGTのパルス周期を演算し、現在のエンジン回転数Neに相当する値としてRAM35内に記憶させる。
【0015】
また、CPU31は、上記割り込みの際に、気筒識別信号SGCの信号レベルを検出して、今回検出されたクランク角信号SGTの検出クランク角が、複数気筒1a〜1dのうちのどの気筒に相当するかを検出する。
【0016】
他方の入力I/F23は、スロットル弁開度θ、筒内圧P、アクセル踏み込み量αおよび酸素濃度X等の検出信号を、A/D変換器34を介してマイクロコンピュータ21内のCPU31に入力する。
【0017】
出力I/F25は、CPU31から出力ポート37を介して出力される各種の制御信号を増幅し、スロットル弁アクチュエータ7、燃料噴射弁8、点火コイルユニット9等に供給する。
【0018】
図29は電子制御ユニット20から生成される噴射信号Jおよび点火信号Gの制御タイミングを示すタイミングチャートであり、気筒識別信号SGCおよびクランク角信号SGTの各パルス波形と、燃料噴射弁8の燃料噴射時期および点火コイルユニット9の駆動電流との関係を示している。
【0019】
図29において、(a)は気筒識別信号SGCのパルス波形、(b)はクランク角信号SGTのパルス波形、(c)は各気筒(#1〜#4)の燃料噴射弁8に対する噴射信号J、(d)は各気筒(#1〜#4)の点火コイルユニット9に対する点火信号Gを示している。
【0020】
なお、クランク角信号SGTの各パルスは、たとえば、各気筒のイニシャル通電開始時期に対応したB75°(TDCの75°手前)で立ち上がり、各気筒のイニシャル点火時期に対応したB5°(TDCの5°手前)で立ち下がる。
【0021】
気筒識別信号SGCは、エンジン1の#1気筒が圧縮行程にあるときに出力され、電子制御ユニット20は、クランク角信号SGTの#1気筒を判別すれば、他のクランク角信号SGTのパルスがエンジン1のどの気筒(#1〜#4)に対応しているかを判別することができる。
【0022】
また、クランク角信号SGTの立ち上がりエッジが対応気筒のB75゜、立ち下がりエッジが対応気筒のB5゜を示していることから、電子制御ユニット20は、各エッジB75゜およびB5°をマイクロコンピュータ21の割り込み機能により検出し、燃料噴射時期や点火時期の基準位置として用いる。
【0023】
筒内噴射内燃機関の場合、エンジン1の燃焼状態は、噴射信号Jの立ち下がりタイミング(燃料噴射終了時期)および点火信号Gの立ち下がりタイミング(点火時期)に依存する。
【0024】
通常、最適燃費率を考慮して燃料噴射終了時期および点火時期を決定した場合、たとえば、燃料噴射終了時期は、クランク角信号SGTの立ち上がりエッジB75°よりもわずかに遅角側(たとえば、B60°程度)に制御され、点火時期は、クランク角信号SGTの立ち下がりエッジB5°よりもわずかに進角側(B15°程度)に制御される。
【0025】
電子制御ユニット20内のCPU31は、気筒識別信号SGCに基づいて、クランク角信号SGTがどの気筒に対応するかを判断し、制御対象に該当する気筒の燃料噴射弁8に対して、燃料噴射時期に応じた噴射信号Jを印加して所要量Foの燃料を噴射する。
【0026】
また、CPU31は、制御対象となる気筒の点火コイルユニット9に対して、点火時期に応じた点火信号Gを出力する。これにより、点火コイルユニット9は、バッテリ電圧を増幅して得られた高電圧を点火プラグ10に印加し、演算された制御タイミングで燃料を点火して燃焼させる。
以上の動作により、各気筒1a〜1dの筒内に直接に燃料が噴射され、噴射された燃料が燃焼してエンジン1が動作する。
【0027】
次に、図29のタイミングチャートとともに、図30〜図36の説明図および特性図を参照しながら、図27および図28のように構成された従来の筒内噴射内燃機関の制御装置の具体的な動作について説明する。
【0028】
図30はエンジン回転数Neおよび目標エンジントルクToに対する燃料噴射方式の関係を示しており、目標エンジントルクToがToA以下で、且つエンジン回転数NeがNeB以下の領域(図中に斜線で示す)は、エンジン1が1サイクル中に消費する燃料量が少ない領域を示している。
【0029】
したがって、上記領域においては、燃料噴射弁8の駆動時間(噴射信号Jのパルス幅)を短く設定することができ、エンジン1の圧縮行程中に燃料を噴射する圧縮行程噴射が行われる。圧縮行程噴射は、各気筒1a〜1d内の一部(点火プラグ10の近傍)で燃焼が行われ、筒内容積に対して燃料が少なくて済むので、経済性が向上するうえ、燃焼のための空燃比制御が容易になるという利点を有している。
【0030】
図31は空燃比A/Fとエンジン発生トルクTeとの関係を示す特性図であり、実線は圧縮行程噴射時の特性曲線、一点鎖線は吸気行程噴射時の特性曲線である。
図31から明らかなように、圧縮行程噴射によれば、理論空燃比(14.7)よりもリーン側においても、空燃比A/Fに応じたエンジン発生トルクTeの制御が可能である。
【0031】
一方、図30において、目標エンジントルクToがToAよりも大きくなるか、または、エンジン回転数NeがNeB以上になると、圧縮行程中に所要燃料量Foの噴射を終了させることができないので、吸入行程から圧縮行程までの間に燃料を噴射する吸気行程噴射が行われる。なお、比較基準値ToAおよびNeBは、必要に応じてあらかじめ設定された固定値か、または任意の変数であってもよい。
【0032】
このような吸気行程噴射は、吸気ポート付近に燃料を噴射するエンジン(図示せず)と同様の燃料噴射および燃焼状態となり、筒内容積のすべてを用いた燃焼が行われるので、高いエンジン出力が得られるという利点を有している。
【0033】
図32および図33は上記のような燃料噴射方式の違いによる燃焼状態を示す説明図であり、図32は圧縮行程噴射での燃焼状態、図33は吸気行程噴射での燃焼状態をそれぞれ模式的に示している。
各図において、40はエンジン1の気筒内の燃焼室、41は燃焼室40をサージタンク5に連通する吸気弁、42は燃焼室40を排気管に連通する排気弁、50は圧縮行程噴射での燃焼領域、51は吸気行程噴射での燃焼領域である。
【0034】
図32のように、圧縮行程噴射においては、燃焼室40内に少量の燃料を噴射して、点火プラグ10の近傍に燃料を集め、点火プラグ10の近傍のみを濃い混合気の層として燃焼させる(燃焼領域50参照)。
このとき、エンジン1の吸入空気量Qが同じであっても、点火プラグ10の近傍に噴射する燃料量によってエンジン1の発生トルクTeが変わるので、燃料噴射量Foは目標エンジントルクToに応じて変更される。
【0035】
一方、図33のように、吸気行程噴射においては、燃料が吸気行程で噴射されて筒内全体に拡散されるので、筒内全体で燃焼することになる(燃焼領域51参照)。
【0036】
一般に、混合気の空燃比A/Fが燃焼可能な理論空燃比(14.7)の近傍に設定されて燃料噴射量Foが多くなった場合、圧縮行程噴射では、圧縮行程中に燃料が噴射しきれないうえ燃料を筒内に十分に拡散させることができないので、図33のような吸入行程噴射が用いられる。
【0037】
ところで、図32のような圧縮行程噴射においては、噴射信号Jによる燃料噴射時期および点火信号Gによる点火時期が燃焼性に大きく影響し、燃料を噴射してから点火するまでの時間が短すぎた場合には、点火時に点火プラグ10の周辺に燃料が到達しておらず、最適な燃焼が行われない。
【0038】
また、逆に、燃料を噴射してから点火するまでの時間が長すぎた場合には、燃料が点火プラグ10を通過した後で点火することになり、やはり最適な燃焼が行われないことになる。
したがって、適正な燃料噴射時期および点火時期は、エンジン回転数Ne、目標エンジントルクTo等のパラメータによっても異なるが、たとえば以下のように決定される。
【0039】
図34〜図36は或る運転条件で燃料噴射時期(噴射終了時期)および点火時期を変更した場合のエンジン1の燃焼性を示す特性図であり、横軸は噴射終了時期(クランク角位置)、縦軸は点火時期(クランク角位置)、Wは燃費率が最大となる点(たとえば、噴射終了時期がB60゜且つ点火時期がB15゜)である。
【0040】
図34は噴射終了時期および点火時期に対するTHC(HCガス等)の排出量の増減関係を示しており、各曲線はTHC排出量の程度の遷移状態を示している。図34において、下辺中央の曲線aの内側は、THC排出量が最も小さい領域であり、THC排出量は、噴射終了時期および点火時期が曲線aから外側の曲線の領域に移るにつれて増加する。
【0041】
図35は噴射終了時期および点火時期に対する失火頻度の増減関係を示しており、図35内において、中央の曲線bの左側は、失火頻度が最も低い領域である。したがって、失火頻度は、噴射終了時期および点火時期が曲線bから右下側の曲線の領域に移るにつれて増加する。
【0042】
図36は噴射終了時期および点火時期に対する燃費率の良否関係を示しており、図36において、中央の曲線cの内側は、最も燃費率のよい領域である。したがって、燃費率は、曲線cから外側の曲線の領域に移るにつれて悪化する。
【0043】
燃料噴射時期および点火時期は、以上のようなエンジン1の燃焼性を考慮して決定されるが、たとえばその決定条件を、THC排出量および失火頻度が所定値以下であって、燃費率が最大の点Wであることを満たすものとする。
【0044】
一般に、吸気行程噴射(図33参照)による燃焼においては、前述したように筒内容積のすべてを用いて燃焼が行われるため、燃料噴射時期がエンジン1の燃焼性に与える影響は少ない。
しかしながら、圧縮行程噴射(図32参照)による燃焼においては、燃料噴射時期および点火時期の両方とも、エンジン1の燃焼性に影響を与える要素となり得る。
【0045】
このように、圧縮行程噴射においては、点火プラグ10の近傍の濃い混合気層の部分のみで燃焼が行われるが、すべての燃料が完全燃焼するわけではない。したがって、混合気層の中央部では混合気中の燃料が多く燃焼性がよいが、混合気層の外周部では、燃料の割合が低すぎて、完全燃焼できなかったり全く燃焼しない場合もある。
【0046】
このような不完全燃焼成分や未燃焼成分は、排出ポートから外気に排出されたり、または気筒1a〜1d内に留まり、ピストンや点火プラグ10に付着することになる。したがって、圧縮行程噴射においては、ピストンや点火プラグ10に燃料成分の一部が付着し易いことになる。
【0047】
もし、点火プラグ10に不完全燃焼成分や未燃焼成分が付着して付着量が増加すると、点火プラグ10の絶縁抵抗が低下し、点火プラグ10の中心電極から接地電極に正常な飛火が行われず、火花の一部または全部が点火プラグ10の接地電極よりも抵抗値の低い部分に飛火し易くなる。
【0048】
このように、点火プラグ10の絶縁抵抗が低下した場合には、点火エネルギが減少するため、燃料に正常に着火せず失火の発生する原因となる。
また、エンジン1の失火頻度が増加した場合には、未燃ガスがそのまま外気に排出されて排気ガス成分が悪化するとともに、燃料の燃焼エネルギが低下してエンジン1の出力トルクが減少し、且つエンジン1の回転トルクにむらが生じてドライバビリティが悪化することになる。
【0049】
【発明が解決しようとする課題】
従来の筒内噴射内燃機関の制御装置は以上のように、圧縮行程噴射(図32)において、点火プラグ10の近傍の混合気層の外周部で完全燃焼できない場合があり、不完全燃焼成分または未燃焼成分が気筒1a〜1d内のピストンや点火プラグ10に付着するおそれがある。
【0050】
もし、点火プラグ10に不完全燃焼成分や未燃焼成分が付着して絶縁抵抗が低下すると、点火プラグ10の中心電極から接地電極への火花の一部または全部が、接地電極よりも抵抗値の低い部分に飛火し易くなり、点火エネルギが減少して失火発生の原因になるという問題点があった。
【0051】
また、エンジン1の失火頻度が増加すると、未燃ガスが排出ポートからそのまま排出されるため排気ガス成分が悪化するとともに、燃料の燃焼エネルギが低下してエンジンの出力トルクが減少し、エンジン1の回転トルクにむらが生じてドライバビリティが悪化するという問題点があった。
【0052】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、エンジンの燃焼性が悪化したことを検出して、燃焼性を回復させることのできる筒内噴射内燃機関の制御装置を得ることを目的とする。
また、この発明は、エンジンの燃焼性の悪化を未然に防止することのできる筒内噴射内燃機関の制御装置を得ることを目的とする。
【0053】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る筒内噴射内燃機関の制御装置は、内燃機関の各気筒内に直接に燃料を噴射するための燃料噴射弁と、各気筒内の点火プラグを駆動するための点火コイルユニットと、内燃機関の運転状態に応じて各燃料噴射弁および点火コイルユニットを駆動するための電子制御ユニットと、圧縮行程噴射モードの運転時間が燃焼状態の悪化を招き得る所定時間だけ経過したか否かを判定する経過時間判定手段と、所定時間が経過した場合に、内燃機関の燃焼性を回復させるための燃焼性回復手段とを備えたものである。
これにより、燃焼性が低下する圧縮行程噴射モードでの運転が所定時間にわたって継続した場合には、燃焼性回復手段を適用して燃焼性を向上させる条件で運転することができる。
【0073】
また、この発明の請求項2に係る筒内噴射内燃機関の制御装置は、請求項1において、燃焼性回復手段は、燃料の噴射状態を圧縮行程噴射モードから吸気行程噴射モードに変更する噴射モード変更手段と、内燃機関の空燃比をリッチ側に変更する空燃比変更手段と、点火信号を点火制御対象気筒以外の気筒の点火コイルユニットにも印加するための点火制御変更手段と、噴射信号による燃料噴射時期および点火信号による点火時期の少なくとも一方を変更するための制御時期変更手段と、のうちの少なくとも1つにより構成されたものである。
【0074】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図について説明する。
なお、この発明の実施の形態1のシステム構成および通常の制御動作については、前述(図27、図28参照)と同様なので説明を省略する。
【0075】
この場合、電子制御ユニット20内のCPU31は、燃焼状態判定手段と、燃焼状態の悪化が判定されたときに燃焼性を回復させる燃焼性回復手段(噴射モード変更手段)とを備えている。
【0076】
まず、図1のタイミングチャートおよび図2のフローチャートを参照しながら、この発明の実施の形態1に関連した参考例1によるエンジン1の燃焼状態(失火)の検出処理動作について説明する。
【0077】
図1は参考例1においてエンジン1(図27参照)の回転変動からエンジン1の失火を検出するための処理動作を示すタイミングチャートである。
図1において、(a)および(b)は前述(図29参照)と同様の気筒識別信号SGCおよびクランク角信号SGTを示しており、T(i)(i=n、n−1、n−2、…)はクランク角信号SGTの各タイミング毎の周期である。
【0078】
また、(c)はエンジン1の回転変動Dを示しており、−dは失火判定基準となる所定値である。
各演算タイミング毎の回転変動D(i)(i=n、n−1、n−2、…)は、クランク角周期T(i)に対するクランク角周期T(i)およびT(i−1)の偏差の割合に基づいて、以下の(1)式のように求められる。
【0079】
D(i)={T(i−1)−T(i)}/T(i) …(1)
【0080】
図2はクランク角信号SGTの周期変動による失火判定処理を示すフローチャートであり、クランク角信号SGTの立ち下がりエッジB5°で割り込み処理される。
まず、電子制御ユニット20内のCPU31(図28参照)は、クランク角信号SGTの立ち下がりエッジの今回および前回の割り込み発生時刻から、クランク角信号SGTの周期T(i)を演算する(ステップS1)。
【0081】
すなわち、クランク角信号SGTのエッジ検出時刻をカウンタ32により検出してRAM35に記憶し、前回の立ち下がりエッジを検出してから今回の立ち下がりエッジを検出するまでの時間差を演算して、周期T(i)としてRAM35に記憶させる。
【0082】
通常、エンジン1は、燃料に着火および燃焼させることにより燃焼トルクを発生させ、連続的に燃焼トルクが発生することによってエンジン1を駆動している。
しかし、もし或る気筒が何らかの原因で正常に燃焼せず、たとえば失火が発生した場合には、燃焼トルクが発生せず、次回に燃焼トルクが発生するまではエンジン1の回転が落ち込み、クランク角信号SGTの周期T(i)は長くなる。
【0083】
したがって、上記(1)式に基づいて、周期T(i)の変動(周期T(i)に対する周期偏差{T(i−1)−T(i)}の割合)から、エンジン1の回転変動Dを演算する(ステップS2)。
たとえば、(1)式内のiをnとして、マイクロコンピュータ21内のRAM35に記憶された前回のクランク角周期T(n−1)を用いて、回転変動D(n)を演算する。
【0084】
続いて、演算された回転変動Dが所定値(−d)以上か否かにより、失火の判定を行う(ステップS3)。
もし、D(i)≧−d(すなわち、YES)であれば、エンジン回転数Neが失火発生時程度に減衰していないことから、失火なしと判断し(ステップS4)、D(i)<−d(すなわち、NO)であれば、エンジン回転数Neが十分に減衰していることから、失火発生と判断し(ステップS5)、図2の割り込み処理ルーチンを抜け出る。
【0085】
図3は失火頻度Erの時間変化に対する燃料噴射モードの変更動作を示す説明図であり、横軸は時間t、縦軸は失火頻度Er(1分間に検出した失火回数)を示している。
【0086】
図3において、M1およびM3は圧縮行程噴射モード、M2は吸気行程噴射モード、Eaは失火頻度Erの許容レベルとなる所定値、TAは失火頻度Erが所定値Eaを越えている期間、TBは吸気行程噴射モードM2に切り換えられている期間、t2は圧縮行程噴射モードM1から吸気行程噴射モードM2に切り換わる時刻、t3(=t1+TB)は吸気行程噴射モードM2から圧縮行程噴射モードM3に切り換わる時刻である。
【0087】
図4は図3内の圧縮行程噴射モードM1での制御処理内容を示すフローチャート、図5はエンジン1の燃焼状態を回復させる吸気行程噴射モードM2での制御内容を示すフローチャートである。
【0088】
次に、図3の説明図ならびに図4および図5のフローチャートを参照しながら、図2内のステップS3により失火の発生が判定された場合の対応処理動作(失火を低減して燃焼性を回復する処理動作)について説明する。
この場合、圧縮行程噴射モードM1において、失火頻度Erが所定値Ea以上に増大すると、エンジン1の運転状態を吸気行程噴射モードM2に変更し、失火頻度Erを低減するようになっている。
【0089】
図4において、CPU31は、まず、失火頻度Erが所定値Ea以下であるか否かを判定し(ステップS11)、もし、Er≦Ea(すなわち、YES)であれば、発生している失火頻度Erは許容レベル以下と判断して、図4の処理ルーチンを抜け出る。
【0090】
一方、Er>Ea(すなわち、NO)であれば、続いて、Er>Eaの状態が所定時間TA以上継続した(t≧t1+TA)か否かを判定する(ステップS12)。
もし、Er>Eaの継続時間が所定時間TA未満であって、t<t1+TA(すなわち、NO)であれば、圧縮行程噴射モードM1を継続するために、そのまま図4の処理ルーチンを抜け出る。
【0091】
また、Er>Eaの継続時間が所定時間TA以上(すなわち、YES)であれば、燃料噴射モードを、圧縮行程噴射モードM1から吸気行程噴射モードM2に変更する(ステップS13)。
【0092】
続いて、目標空燃比A/Foを、リーン運転状態からストイキオ(理論空燃比=14.7)運転状態に変更し(ステップS14)、運転状態を変更した時刻t2を記憶して(ステップS15)、図4の処理ルーチンを抜け出る。
このように、ステップS11において、失火発生により燃焼状態の悪化(失火頻度Erの増大)を検出した場合には、所定時間TA経過後に、ステップS13において、吸気行程噴射モードM2に切り換えてエンジン1を運転する。
【0093】
これにより、点火プラグ10の絶縁抵抗低下ひいては失火の要因となっていた点火プラグ10の付着物が燃焼するので、点火プラグ10の絶縁抵抗が回復し、失火状態が正常燃焼状態に回復する。
したがって、点火プラグ10の点火エネルギが上昇してエンジン1の燃焼性が向上し、エンジン1の燃焼状態を良好な状態に保持することができる。
【0094】
また、ステップS14において、エンジン1の運転状態をストイキオ状態に変更することにより、新たな装置を追加することなくエンジン1の燃焼性を回復させることができるので、コストアップを招くことがなく、システムを安価な構成で実現することができる。
【0095】
次に、エンジン1の燃焼状態を回復させる吸気行程噴射モードM2での制御内容について説明する。
図5において、CPU31は、まず、吸気行程噴射モードM2での滞在時間を演算するため、運転状態の変更時刻t2(ステップS15で記憶されている)から現在時刻tまでの滞在時間が所定時間TB未満(t<t2+TB)か否かを判定する(ステップS21)。
【0096】
ここで、所定時間TBは、吸気行程噴射モードM2において、点火プラグ10の付着物が燃焼され尽くすのに十分な時間にあらかじめ設定されており、点火プラグ10の付着物が燃焼されるまでは、吸気行程噴射モードM2による燃料制御状態が継続するようになっている。
【0097】
もし、燃料噴射モードが圧縮行程噴射モードM1から吸気行程噴射モードM2に移行した時刻t2から所定時間TBだけ経過しておらず、吸気行程噴射モードM2の滞在時間が所定時間TB未満であって、t<t2+TB(すなわち、YES)と判定されれば、吸気行程噴射モードM2を継続するために、そのまま図5の処理ルーチンを抜け出る。
【0098】
一方、ステップS21において、t=t2+TB(すなわち、NO)と判定されれば、吸気行程噴射モードM2での燃焼が所定時間TBだけ継続したので、点火プラグ10の付着物が燃焼され尽くして燃焼性が回復したものと判断し、燃料噴射モードを吸気行程噴射モードM2から圧縮行程噴射モードM3に変更する(ステップS22)。
【0099】
また、目標空燃比A/Foを、ストイキオ(理論空燃比)運転状態からリーン運転状態に変更し(ステップS23)、図5の処理ルーチンを抜け出る。
このように、燃料の噴射状態を吸気行程噴射モードM2にして燃焼性を回復させた後、圧縮行程噴射モードM3に復帰させる。
【0100】
すなわち、燃焼状態を失火状態から回復させるために吸気行程噴射モードM2にすると、燃料消費量が増加して燃費が悪化することになるが、燃焼性が回復した後に圧縮行程噴射モードM3に復帰させることにより、再び燃料消費量が少ない運転状態にすることができる。
【0101】
このとき、燃焼状態が回復しているので、初期の圧縮行程噴射モードM1での運転時よりも良好な状態でエンジン1を運転することができ、燃焼状態を回復させる前よりも排気ガスの有害成分排出量を低減させることができる。
さらに、エンジン1の燃焼トルクが安定しているので、圧縮行程噴射で運転中のドライバビリティを回復させることができる。
【0102】
なお、上記参考例1では、吸気行程噴射モードM2での運転状態が所定時間TBだけ継続すれば燃焼性が回復したものと判断したが、エンジン1のばらつきや経年変化等により、燃焼性が十分に回復できない場合もあり得る。
【0103】
そこで、圧縮行程噴射モードM3に復帰させた後に、燃焼性の回復状態を確認するために、モード復帰時刻t3から比較的短い所定時間TCの経過後に、さらに失火頻度Erが第2の所定値Eb(<Ea)以下であるか否かを判定してもよい。
これにより、所定時間TC以内に第2の所定値Ebを越えた場合に、再度失火状態(燃焼性の悪化)が判定される。
【0104】
図6はこの発明に関連した参考例2による燃料噴射モードの変更動作を示す説明図であり、横軸は時間t、縦軸は失火頻度Erを示しており、Ea、M1〜M3、t1〜t3、TAおよびTBは前述と同様のものである。ここでは、吸気行程噴射モードM2の運転によって燃焼性が回復しきれず、再度の吸気行程噴射モードM4に切り換えられた場合を示している。
【0105】
図6において、時刻0〜t2の期間(0〜t1+TA)は圧縮行程噴射モードM1、t2〜t3の期間TBは吸気行程噴射モードM2、t3〜t4の期間TC(一定時間)は圧縮行程噴射モードM3、t4〜t5の期間TDは吸気行程噴射モードM4、t5〜の期間は圧縮行程噴射モードM5による運転状態である。
また、時刻t3はt2+TB、t4はt3+TC、t5はt4+TD、t6はt5+TCで表わされる。
【0106】
この場合、時刻0〜t3の期間においては、前述(図3〜図5参照)と同様に、失火頻度Erが所定値Eaを越えてから所定時間TAの経過後に、圧縮行程噴射モードM1から吸気行程噴射モードM2(目標空燃比A/Foがリーンからストイキオ)に移行し、さらに所定時間TBの経過後に、吸気行程噴射モードM2から圧縮行程噴射モードM3(ストイキオからリーン)に復帰する。
【0107】
以下、図7のフローチャートを参照しながら、圧縮行程噴射モードM3に復帰した後の燃焼性の回復確認処理について説明する。
図7において、各ステップS33およびS34は、前述(図4参照)のステップS13およびS14に対応している。
【0108】
まず、圧縮行程噴射モードM3の滞在時間を演算するために、運転状態の復帰時刻t3から現在時刻tまでの滞在時間が所定時間TC未満(t<t3+TC)か否かを判定する(ステップS31)。
ここで、所定時間TCは、燃焼性の回復が十分か否かの確認のための期間であり、所定値Ebの大きさに応じて、比較的短い時間に設定することができる。
【0109】
もし、時刻t3から所定時間TCだけ経過しておらず、圧縮行程噴射モードM3の滞在時間が所定時間TC未満であって、t<t3+TC(すなわち、YES)と判定されれば、そのまま図7の処理ルーチンを抜け出る。
【0110】
一方、ステップS31において、t=t3+TC(すなわち、NO)と判定されれば、圧縮行程噴射モードM3での燃焼状態が確認用の所定時間TCだけ継続したので、失火頻度Erが十分抑制されていることを確認するために、失火頻度Erが所定値Eb以下であるか否かを判定する(ステップS32)。
【0111】
もし、Er≦Eb(すなわち、YES)であれば、燃焼性が十分に回復しているものと見なして、圧縮行程噴射モードM3を継続するために、そのまま図7の処理ルーチンを抜け出る。
【0112】
一方、Er>Eb(すなわち、NO)であれば、前回の吸気行程噴射モードM2で燃焼性が回復していないと判断し、燃料噴射モードを圧縮行程噴射モードM3から吸気行程噴射モードM4に変更する(ステップS33)とともに、目標空燃比A/Foをリーンからストイキオに変更し(ステップS34)、図7の処理ルーチンを抜け出る。
このとき、前述(ステップS15)と同様に、運転状態の変更時刻t4を記憶しておく。
【0113】
続いて、図8のフローチャートを参照しながら、2回目の吸気行程噴射モードM4での処理動作について説明する。
図8において、各ステップS41〜S43は、前述(図5参照)のステップS21〜S23に対応している。
【0114】
まず、吸気行程噴射モードM4の滞在時間を演算するために、運転状態の変更時刻t4から現在時刻tまでの滞在時間が所定時間TD未満(t<t4+TD)か否かを判定する(ステップS41)。
ここで、所定時間TDは、2回目のモード切り換え処理なので、前回の所定時間TBよりも短い時間に設定することができる。
【0115】
もし、時刻t4から所定時間TDだけ経過しておらず、ステップS41において、t<t3+TC(すなわち、YES)と判定されれば、吸気行程噴射モードM4を継続するために、そのまま図8の処理ルーチンを抜け出る。
【0116】
一方、t=t4+TD(すなわち、NO)と判定されれば、吸気行程噴射モードM4での燃焼が所定時間TDだけ継続したので、再度のモード切り換え処理により燃焼性が回復したものと判断し、燃料噴射モードを吸気行程噴射モードM4から圧縮行程噴射モードM5に変更する(ステップS42)。
【0117】
また、目標空燃比A/Foを、ストイキオからリーンに変更し(ステップS43)、図8の処理ルーチンを抜け出る。
このように、圧縮行程噴射モードM3に復帰後に、燃焼性が回復していないと判定された場合には、再び吸気行程噴射モードM4に変更することにより、燃焼性を確実に回復させることができる。
【0118】
以下、図7の処理動作と同様に、圧縮行程噴射モードM5での制御処理が繰り返される。
すなわち、図7内のステップS31において、時刻t3をt5に置き換え、同様の判定処理を行い、時刻t5から所定時間TCの経過後に失火頻度Erを判定する(ステップS32)。
【0119】
この場合、2回目の吸気行程噴射モードM4により、燃焼性が確実に回復しているので、Er≦Eb(すなわち、YES)と判定され、圧縮行程噴射モードM5の運転状態がそのまま継続することになる。
もし、燃焼性の回復がなおも不完全であると判定された場合には、図7および図8と同様に、3回目以降の吸気行程噴射モードが繰り返される。
【0120】
このように、燃料の噴射モードを吸気行程噴射モードM2から圧縮行程噴射モードM3に切り換えた際の燃焼状態(失火頻度Er)を検出して、燃焼性が良好でなかった場合に再び吸気行程噴射モードM4で運転することにより、燃焼性を確実に回復させることができ、燃焼状態が完全に回復していない状態で圧縮行程噴射モードM3による継続運転を回避することができる。
【0121】
また、圧縮行程噴射モードM3に復帰してから所定時間TCの経過後に、燃焼性が良好であった場合には、圧縮行程噴射モードM3の運転をそのまま継続するので、1回目の吸気行程噴射モードM2の滞在時間(所定時間TB)を必要最小限に設定しておけば、吸気行程噴射モードM2の運転期間を最小限に抑制することができる。
【0122】
すなわち、燃焼状態を完全に回復させるためには、2回目以降の吸気行程噴射モードの所定時間TDを必要なだけ繰り返せばよく、1回目の吸気行程噴射モードM2の所定時間TBを長く設定する必要はない。
したがって、燃料消費量が多い吸気行程噴射モードでの運転時間が短くて済むので、燃料消費量が少なくて済み、経済性が著しく向上する。
【0123】
なお、上記参考例1および2では、失火頻度が増加した場合に、エンジン1の運転状態を圧縮行程噴射モードM1から吸気行程噴射モードM2に変更したが、燃料噴射モードを圧縮行程噴射モードM1のままで変更せずに、目標空燃比A/Foを所定量ずつ段階的にリッチ化してもよい。
【0124】
図9はこの発明に関連した参考例3による失火頻度Erに対する目標空燃比A/Foの変更動作を示す説明図であり、(a)は横軸に時間t、縦軸に失火頻度Erを示し、(b)は横軸に時間t、縦軸に目標空燃比A/Foを示している。
図9において、Ea、t1、t2、TAおよびTBは前述と同様のものであり、所定時間TBは、燃焼性を回復させるのに十分な時間に設定されている。
【0125】
また、δは目標空燃比A/Foをリッチ化させる所定量(比較的小さい値)であり、失火状態が判定されたときに目標空燃比A/Foを段階的に低減させるようになっている。
t3aは1回目のリッチ化処理後に失火頻度Erが再び所定値Eaを越えた時刻、t4aは2回目のリッチ化処理を実行した時刻、t5aは通常制御に復帰した時刻である。
【0126】
ここでは、時刻t4aで2回目のリッチ化処理を行うことにより、Er≦Eaの状態が所定時間TBだけ継続し、これにより、燃焼性が回復したものと判断して、時刻t5aにおいて通常制御に復帰させた場合を示している。
【0127】
以下、図9とともに、図10および図11のフローチャートを参照しながら、参考例3による制御処理動作について説明する。
図10および図11において、S11、S12およびS15は前述(図4参照)と同様のステップである。
【0128】
まず、図10内のステップS11において、Er>Ea(すなわち、NO)と判定され、ステップS12において、Er>Eaの状態が所定時間TA以上継続した(すなわち、YES)と判定されれば、次回の目標空燃比A/Fo(n)を現在の目標空燃比A/Fo(n−1)から所定値δだけ減らして、リッチ側に変更する(ステップS53)。
また、このときの変更時刻t2を記憶して(ステップS15)、図10の処理ルーチンを抜け出る。
【0129】
こうして、目標空燃比A/Foを所定量δだけリッチ化させた場合、時刻t2以降においては、図11の処理ルーチンを実行する。
まず、失火頻度Erが所定値Ea以下か否かを判定し(ステップS11)、もし、Er>Ea(すなわち、NO)であれば、前述(図10)と同様に、時刻t3aから所定時間TA以上継続したか否かを判定する(ステップS12)。
【0130】
もし、時刻t3aから所定時間TAが経過すれば、さらに目標空燃比A/Foを所定量δだけリッチ化し(ステップS53)、このときの時刻t4aを記憶して(ステップS55)、図11の処理ルーチンを抜け出る。
【0131】
次の処理実行時に、ステップS11において、Er≦Ea(すなわち、YES)と判定されれば、2回目に目標空燃比A/Foをリッチ化した時刻t4aから所定時間TB以上経過したか否か判定する(ステップS56)。
もし、目標空燃比A/Foをリッチ化した時刻t4aからの経過時間が所定時間TB未満(すなわち、NO)であれば、リッチ化状態を継続するために、そのまま図11の処理ルーチンを終了する。
【0132】
一方、ステップS56において、時刻t4aから所定時間TB以上経過した(すなわち、YES)と判定されれば、目標空燃比A/Foをリーン化して通常制御に戻り(ステップS57)、図11の処理ルーチンを抜け出る。
【0133】
このように、失火頻度Erが増加したときに、目標空燃比A/Foを所定量δずつリッチ化することにより、点火プラグ10の汚れ等が燃焼して燃焼性が回復し、失火頻度Erを低減させることができる。
【0134】
この場合、目標空燃比A/Foがリーン状態である圧縮行程噴射モードを継続したままで、燃焼状態を回復させることができるので、参考例1および2の場合よりも燃料消費量が少なくて済み、経済的な運転状態を保持することができる。
【0135】
また、目標空燃比A/Foをリッチ化しても失火頻度Erが十分に低減しない場合に、さらに目標空燃比A/Foをリッチ化するようにしたので、必要最小限のリッチ化処理により、失火頻度Erを確実に低減させることができる。
また、目標空燃比A/Foが最もリーンの状態でエンジン1の燃焼状態を回復させることができるので、さらに燃料消費量が少なくて済み、経済的な運転状態を保持することができる。
【0136】
また、この場合、燃焼状態を回復させるための目標空燃比A/Foが一律に決まっていないので、たとえば、同一のエンジン1における運転条件や気候の違いなどによる種々のばらつき、または、エンジン1の個々のばらつきに対しても、臨機応変に対応することができる。
【0137】
さらに、CPU31内の燃焼状態判定手段は、前述の参考例2と同様に、空燃比のリーン復帰時刻から所定時間TC経過後に、第1の所定値Eaよりも小さい第2の所定値Ebと比較して、通常制御に復帰後の燃焼性の回復状態をチェックしてもよい。
【0138】
なお、参考例3では、失火頻度Erが増加した場合に、目標空燃比A/Foをリッチ側に変更したが、点火コイルユニット9(図27参照)に対する点火信号Gを変更してもよい。
以下、図12および図13を参照しながら、参考例4による変更処理動作について説明する。
【0139】
図12は参考例4による変更処理動作を示すタイミングチャートであり、(a)は気筒識別信号SGC、(b)はクランク角信号SGT、(c)は各気筒(#1〜#4)毎の燃焼噴射弁8に対する噴射信号、(d)は各気筒毎の点火コイルユニット9に対する点火信号である。
図12において、J1〜J4は各気筒(#1〜#4)毎の噴射信号、G1〜G4は各気筒毎の点火信号である。
【0140】
通常時において、たとえば#1気筒のクランク角信号SGTを検出したときには、#1気筒に対応する燃料噴射弁8を噴射信号J1により駆動し、#1気筒に対応する点火コイルユニット9のみを点火信号G1で駆動することにより、#1気筒の燃焼制御を行う。
【0141】
図13は参考例4による変更処理動作を示すフローチャートであり、S11およびS12は前述と同様のステップである。
まず、ステップS11において、失火頻度Er(図9参照)が所定値Ea以下か否かを判定し、もし、Er≦Ea(すなわち、YES)と判定されれば、図13の処理ルーチンを抜け出る。
【0142】
また、Er>Ea(すなわち、NO)であれば、Er>Eaの状態が所定時間TA以上継続したか否かを判定し(ステップS12)、もし、所定時間TAが経過すれば、点火信号Gを変更して点火コイルユニット9に対する駆動方法を変更し(ステップS63)、図13の処理ルーチンを抜け出る。
【0143】
すなわち、図12の(d)に示すように、クランク角信号SGTに対応する気筒(たとえば、#1気筒)のみならず、他の気筒(たとえば、#4気筒)の点火コイルユニット9を駆動するための点火信号G4′(破線参照)を出力する。
【0144】
このとき、たとえば、圧縮行程中の#1気筒と同時に点火駆動される気筒は、点火信号G1と同時に点火信号G4′が印加されても何ら悪影響のない(排気行程中の)#4気筒が対象となる。
以下、同様に、#3気筒に対する点火信号G3と同時に、#2気筒に対する点火信号G2′(破線参照)が印加される。
【0145】
このように、失火頻度Erが増加した場合に、点火を行うタイミング以外にも点火コイルユニット9に点火信号Gを印加することにより、絶縁抵抗の低下要因となっている点火プラグ10の付着物を燃焼させる機会が増えるので、付着物が減少して点火プラグ10の絶縁抵抗が回復し、燃焼性が向上することになる。
【0146】
また、この場合、燃料の噴射状態や目標空燃比A/Foを変更する必要がなく、筒内噴射エンジンの利点のひとつである圧縮行程噴射でのリーン運転を継続しながらエンジン1の燃焼性を回復させることができるので、燃費悪化に影響を及ぼすことがなく、経済的な運転状態を保持することができる。
【0147】
また、エンジン1の制御方法については、燃料の点火に関係のないタイミング(排気行程)で、点火コイルユニット9に追加の点火信号G1′〜G4′が印加される以外は、燃焼状態を回復させる前の制御状態と何ら変わらない。したがって、点火信号G1′〜G4′を印加している(燃焼状態を回復させている)状態と、点火信号G1′〜G4′が出力されない(燃焼状態を回復させていない)状態との間で、エンジン1の挙動に特に変化がなく、点火状態を切り換える際にもエンジン1の挙動変化によるショックが発生したり、ショックを低減する等の対策を講じる必要がない。
【0148】
さらに、CPU31内の燃焼状態判定手段は、前述の参考例2と同様に、通常制御に復帰した時刻から所定時間TC経過後に、第1の所定値Eaよりも小さい第2の所定値Ebと比較して、通常制御に復帰後の燃焼性の回復状態をチェックしてもよい。
【0149】
また、参考例4では、失火頻度Erが増加した場合に、点火信号Gを変更したが、噴射信号Jによる燃料噴射時期および点火信号Gによる点火時期を変更してもよい。
以下、図14〜図16を参照しながら、参考例5による変更処理動作について説明する。
【0150】
図14〜図16は前述(図34〜図36参照)と同様の説明図であり、或る運転条件での燃料噴射時期および点火時期によるエンジン1の燃焼性を示している。
各図において、W点(噴射終了時期=B60゜、点火時期=B15゜)は、前述と同様に、通常時でエンジン1を駆動しているときの噴射終了時期および点火時期である。
【0151】
この場合、失火頻度Er(図9参照)が所定値Eaを越える状態が所定時間TA以上継続すると、失火頻度Erが低減されるように、燃料噴射時期および点火時期をW点から変更する。
たとえば、燃料噴射時期および点火時期をW′点(燃料噴射時期=B62゜、点火時期=B17゜)に変更する。
【0152】
このように、失火頻度Erが増加した場合の回復手段として、燃料噴射時期および点火時期を変更する処理手段を適用すると、噴射時期および点火時期を変更した燃焼行程の時点から瞬時に燃焼性を向上させることができ、燃焼状態が良好でない状態での運転時間を短い時間で抑制することができる。
【0153】
また、参考例5と同様に、目標空燃比A/Foを変更する必要がないので、燃料消費量の少ない経済的な運転状態のまま燃焼性を回復することができる。
さらに、参考例5によれば、運転状態を変更するのみでよく、新たな追加システムが不要であり、コストアップを招くことはない。
【0154】
さらに、CPU31内の燃焼状態判定手段は、前述の参考例2と同様に、運転状態の復帰時刻から所定時間TC経過後に、第1の所定値Eaよりも小さい第2の所定値Ebと比較して、通常制御に復帰後の燃焼性の回復状態をチェックしてもよい。
【0155】
なお、上記参考例1では、失火発生の有無をエンジン1の回転変動D(図1および図2参照)に基づいて検出したが、イオン電流検出ユニット19(図27参照)からのイオン電流Cを用いて検出してもよい。
以下、図17および図18を参照しながら、この発明に関連した参考例6による失火検出動作について説明する。
【0156】
図17はイオン電流Cからエンジン1の失火を検出するための処理動作を示すタイミングチャートであり、(a)および(b)は前述(図1参照)と同様の気筒識別信号SGCおよびクランク角信号SGTを示しており、(c)はイオン電流Cの波形、(d)はイオン電流Cの波形面積((c)内の斜線部の積分値)Aをそれぞれ示している。
【0157】
イオン電流Cは、周知のように、燃料の燃焼過程に生じるイオン成分の量に相当し、燃焼の程度を示している。
また、A(i)(i=n−4、n−3、…、n、…)は、各演算タイミング(i)毎のイオン電流Cの波形面積Aである。
【0158】
図18はイオン電流Cの波形面積Aに基づく失火判定処理を示すフローチャートであり、S4およびS5は前述(図2参照)と同様のステップである。
まず、電子制御ユニット20内のCPU31(図28参照)は、クランク角信号SGTの立ち下がりエッジの割り込み発生により、イオン電流Cの波形面積Aを演算する(ステップS71)。
【0159】
続いて、イオン電流Cの波形面積Aが所定値β以下か否かにより失火の有無を判定し(ステップS72)、もし、A>β(すなわち、NO)であれば、ステップS4に進み、失火は発生していないと判断し、図18の処理ルーチンを抜け出る。
また、A≦β(すなわち、YES)であれば、ステップS5に進み、失火が発生したと判断し、図18の処理ルーチンを抜け出る。
【0160】
また、参考例6では、失火発生の有無をイオン電流Cに基づいて検出したが、酸素濃度センサ15(図27参照)により検出される排気ガス中の酸素濃度Xを用いて実際の空燃比A/Frを演算し、目標空燃比A/Foとの空燃比偏差ΔA/Fに基づいて失火を検出してもよい。
【0161】
この場合、CPU31は、酸素濃度Xから実際の空燃比A/Frを演算する手段と、目標空燃比A/Foと実際の空燃比A/Frとの空燃比偏差ΔA/Fを演算する手段とを備えている。
以下、図19および図20を参照しながら、参考例7による失火検出動作について説明する。
【0162】
図19はイオン電流Cからエンジン1の失火を検出するための処理動作を示すタイミングチャートであり、(a)および(b)は前述と同様の気筒識別信号SGCおよびクランク角信号SGTを示しており、(c)は酸素濃度Xから演算される実際の空燃比A/Frの時間変化を示している。
図19において、時刻t11〜t16に対応するIG(i)(i=n−3、n−2、…、n、…、n+2)は、各気筒毎の点火タイミングである。
【0163】
図20は酸素濃度Xから演算された実際の空燃比A/Frに基づく失火判定処理を示すフローチャートであり、S4およびS5は前述と同様のステップである。
まず、クランク角信号SGTの立ち下がりエッジの割り込み発生により、酸素濃度Xを検出し、各タイミング毎(n−5、n−4、…、n、n+1、…)の実際の空燃比A/Frを演算する(ステップS81)。
【0164】
このとき、或る気筒で燃焼を実行してから酸素濃度センサ15で該当気筒の排出ガスを検出するまでには、遅れ時間が存在する。
たとえば、時刻t13(点火タイミングIG(n−1))で#2気筒を点火した場合、#2気筒の状態は、時刻t13〜t4においては燃焼行程、時刻t14〜t15においては排気行程であり、時刻t14〜t15の期間中に#2気筒内の燃焼ガスが排出される。
【0165】
その後、#2気筒から排出されたガスが酸素濃度センサ15に到達した時刻t15〜16の期間において、酸素濃度センサ15は、排気ガス中の酸素濃度X(n−1)を検出して電子制御ユニット20内のCPU31に入力することになる。
【0166】
CPU31は、酸素濃度Xから実際の空燃比A/Frを検出すると、続いて、制御上の目標空燃比A/Foと実際の空燃比A/Frとの空燃比偏差△A/Fを演算し(ステップS82)、空燃比偏差ΔA/Fが所定値γ以下か否かを判定する(ステップS83)。
【0167】
もし、ΔA/F≦γ(すなわち、YES)であれば、酸素濃度センサ15により検出された酸素濃度Xが低い状態であることから、燃焼行程で消費された酸素量が多いこと(燃焼状態が良好なこと)を示している。
したがって、ステップS4に進み、失火が発生しなかったと判断し、図20の処理ルーチンを抜け出る。
【0168】
一方、ΔA/F>γ(すなわち、YES)であれば、酸素濃度Xが高い状態であることから、燃焼行程で消費された酸素量が少ないこと(燃焼状態が良好でないこと)を示している。
したがって、ステップS5に進み、失火が発生したと判断し、図20の処理ルーチンを抜け出る。
【0169】
また、参考例7では、酸素濃度Xに基づく実際の空燃比A/Frと目標空燃比A/Foとの偏差ΔA/Fに基づいて失火発生を検出したが、筒内圧検出ユニット17(図27参照)から検出される筒内圧Pに基づいて失火を検出してもよい。
【0170】
図21は筒内圧Pからエンジン1の失火を検出するための処理動作を示すタイミングチャートであり、(a)および(b)は前述と同様の気筒識別信号SGCおよびクランク角信号SGTを示しており、(c)は各気筒毎の点火タイミングに対応した圧縮行程〜燃焼行程での筒内圧Pの時間変化を示している。
【0171】
図21において、P(i)(i=n−4、n−3、…、n、…、n+2)は、各筒内圧Pのピーク値を示している。
また、Paはピーク値P(i)と比較される失火判定基準としての所定値である。
【0172】
図22は参考例8による失火検出処理を示すフローチャートであり、図22において、S4およびS5は前述と同様のステップである。
まず、燃焼行程にある気筒の筒内圧Pのピーク値P(i)を検出する(ステップS91)。
【0173】
一般に、筒内圧Pは、気筒1a〜1d内の混合気が圧縮および膨張することにより変化するモータリング圧と、気筒1a〜1d内の燃料が燃焼することにより発生する燃焼圧とによって決定するが、モータリング圧は、所定運転条件においてほぼ一定である。
したがって、筒内圧Pを検出することによって、制御対象気筒の燃焼圧の変動(燃焼状態)を検出することができる。
【0174】
そこで、次に、筒内圧Pのピーク値P(i)が所定値Pa以下か否かを判定し(ステップS92)、P(i)>Pa(すなわち、NO)であれば、ステップS4に進み、失火は発生していないと判断して、図22の処理ルーチンを抜け出る。
また、P(i)≦Pa(すなわち、YES)であれば、ステップS5に進み、失火が発生したと判断して、図22の処理ルーチンを抜け出る。
【0175】
また、参考例8では、筒内圧Pに基づいて失火発生を検出したが、ノックセンサ18(図27参照)から検出されるノック振動Kに基づいて失火を検出してもよい。
【0176】
図23は参考例9による失火検出処理動作を示すタイミングチャートであり、(a)および(b)は前述と同様の気筒識別信号SGCおよびクランク角信号SGTを示しており、(c)は各気筒の点火タイミング毎のノック振動K、(d)はノック振動Kのピークホールド値Kp(i)の時間変化を示している。
図23において、Kaはピークホールド値Kp(i)と比較される失火判定基準としての所定値である。
【0177】
図24は参考例9による失火検出処理を示すフローチャートであり、図24において、S4およびS5は前述と同様のステップである。
まず、ノックセンサ18は、燃焼行程にある気筒において、燃焼行程で燃料が爆発する際のエンジン1のノック振動Kを検出してCPU31に入力する。
【0178】
これにより、CPU31は、ノック振動Kに基づいて燃焼の程度を判定するために、燃焼行程にある気筒のノック振動Kのピークホールド値Kp(i)を検出する(ステップS91)。
【0179】
続いて、ノック振動Kのピークホールド値Kp(i)が所定値Ka以下か否かを判定し(ステップS102)、もし、Kp(i)>Ka(すなわち、NO)であれば、ステップS4に進み、失火は発生しなかったと判断して、図24の処理ルーチンを抜け出る。
また、Kp(i)≦Ka(すなわち、YES)であれば、ステップS5に進み、失火が発生したと判断して、図24の処理ルーチンを抜け出る。
【0180】
なお、上記各参考例では、失火頻度Erが増加した場合に、1つの失火低減処理により失火頻度Erを低減させていたが、任意の複数の処理を同時に併用することもできる。
【0181】
なお、上記参考例1、2では、燃焼性の劣化により失火頻度Erが増加したことを判定してから、失火頻度Erを低減させる処理を実行するようにしたが、圧縮行程の滞在時間により燃焼性の劣化が予測される場合に、運転状態を自動的に切り換えることが望ましい。
【0182】
図25はこの発明の実施の形態1による変更処理動作を示すタイミングチャートであり、(a)はエンジン1の運転モード(運転状態)、(b)は制御上の目標空燃比A/Foの時間変化を示している。
図25において、T1は燃焼性悪化を招くおそれが生じる所定時間、T2は燃焼性が回復するのに十分と思われる所定時間である。
【0183】
図26はこの発明の実施の形態1による運転状態変更処理を示すフローチャートであり、図26において、まず、現在のエンジン1の運転モードを判定し、圧縮行程噴射(リーン)モードか否かを判定する(ステップS111)。
もし、現在時刻がt12であれば、エンジン1の運転モードは圧縮行程噴射モード(すなわち、YES)と判定されるので、圧縮行程噴射モードでの運転時間を演算する(ステップS112)。
【0184】
続いて、圧縮行程噴射モードの滞在時間が所定時間T1だけ経過したか否かを判定し(ステップS113)、もし、経過していない(すなわち、NO)と判定されれば、そのまま図26の処理ルーチンを抜け出る。
また、時刻t22において、所定時間T1だけ経過した(すなわち、YES)と判定されれば、エンジン1の運転モードを吸気行程噴射モードに変更し(ステップS114)、図26の処理ルーチンを抜け出る。
【0185】
一方、ステップS111において、吸気行程噴射(ストイキオ)モード(すなわち、NO)と判定されれば、吸気行程噴射モードでの運転時間を演算し(ステップS115)、吸気行程噴射モードの滞在時間が所定時間T2だけ経過したか否かを判定する(ステップS116)。
【0186】
もし、吸気行程噴射モードの滞在時間が所定時間T2未満(すなわち、NO)であれば、図26の処理ルーチンを終了し、その後、時刻t23において、所定時間T2だけ経過した(すなわち、YES)と判定されれば、運転モードを圧縮行程噴射モードに変更し(ステップS117)、図26の処理ルーチンを抜け出る。
【0187】
なお、上記実施の形態1では、圧縮行程噴射モードが所定時間T1以上継続した場合に、運転状態を吸気行程噴射モードに変更したが、前述と同様に、圧縮行程噴射モードが所定時間T1以上継続した場合には、上記各参考例3〜5で示した失火低減処理のいずれかを実行してもよい。
【0188】
このように、圧縮行程噴射での運転の継続時間によって、燃焼状態を回復させる手段を適用すると、エンジン1の燃焼状態を判断する手段を設ける必要がないので、電子制御ユニット20内の処理を簡素化することができる。
また、失火頻度Erが増加したことを検出してから燃焼性を回復させるのではなく、燃焼状態が悪化が発生する前に燃焼状態を回復させるため、燃焼状態が悪化することがなく常に良好な燃焼状態で運転を行うことができる。
【0189】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、内燃機関1の各気筒1a〜1d内に直接に燃料を噴射するための燃料噴射弁8と、各気1a〜1d筒内の点火プラグ10を駆動するための点火コイルユニット9と、内燃機関1の運転状態に応じて各燃料噴射弁8および点火コイルユニット9を駆動するための電子制御ユニット20と、
圧縮行程噴射モードの運転時間が燃焼状態の悪化を招き得る所定時間T1だけ経過したか否かを判定する経過時間判定手段20と、所定時間T1が経過した場合に、内燃機関1の燃焼性を回復させるための燃焼性回復手段とを備えたので、燃焼性が低下する圧縮行程噴射モードでの運転が所定時間T1にわたって継続したときに自動的に燃焼性回復手段を適用することにより、燃焼性の悪化を未然に防止することのできる筒内噴射内燃機関の制御装置が得られる効果がある。
【0217】
また、圧縮行程噴射モードでの運転時間によって、燃焼性回復手段を適用するので、燃焼状態判定手段が不要となり制御手段の構成を簡素化することができるうえ、燃焼状態が悪化する前に燃焼状態を常に良好にすることができる。
【0218】
また、この発明の請求項2によれば、請求項1において、燃焼性回復手段を、燃料の噴射状態を圧縮行程噴射モードから吸気行程噴射モードに変更する噴射モード変更手段と、内燃機関の空燃比をリッチ側に変更する空燃比変更手段と、点火信号を点火制御対象気筒以外の気筒の点火プラグにも印加するための点火制御変更手段と、噴射信号による燃料噴射時期および点火信号による点火時期の少なくとも一方を変更するための制御時期変更手段と、のうちの少なくとも1つにより構成したので、確実に燃焼性を回復(失火頻度を低減)させることのできる筒内噴射内燃機関の制御装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に関連した参考例1による回転変動に基づく失火判定処理動作を示すタイミングチャートである。
【図2】 参考例1による回転変動に基づく失火判定処理を示すフローチャートである。
【図3】 参考例1による燃料噴射モードの変更処理動作を示す説明図である。
【図4】 参考例1による圧縮行程噴射モードでの変更処理を示すフローチャートである。
【図5】 参考例1による吸気行程噴射モードでの復帰処理を示すフローチャートである。
【図6】 この発明に関連した参考例2による燃料噴射モードの変更処理動作を示す説明図である。
【図7】 参考例2による復帰後の圧縮行程噴射モードでの変更処理を示すフローチャートである。
【図8】 参考例2による2回目の吸気行程噴射モードでの復帰処理を示すフローチャートである。
【図9】 この発明に関連した参考例3による空燃比の変更処理動作を示す説明図である。
【図10】 参考例3による空燃比の変更処理を示すフローチャートである。
【図11】 参考例3による空燃比の復帰処理を示すフローチャートである。
【図12】 参考例4による点火制御変更処理動作を示すタイミングチャートである。
【図13】 参考例4による点火制御変更処理を示すフローチャートである。
【図14】 参考例5によるTHC排出量に対する燃料噴射時期および点火時期の変更処理動作を示す説明図である。
【図15】 参考例5による失火頻度に対する燃料噴射時期および点火時期の変更処理動作を示す説明図である。
【図16】 参考例5による燃費率に対する燃料噴射時期および点火時期の変更処理動作を示す説明図である。
【図17】 参考例6によるイオン電流に基づく失火判定処理動作を示すタイミングチャートである。
【図18】 参考例6によるイオン電流に基づく失火判定処理を示すフローチャートである。
【図19】 参考例7による酸素濃度に基づく空燃比を用いた失火判定処理動作を示すタイミングチャートである。
【図20】 参考例7による酸素濃度に基づく空燃比を用いた失火判定処理を示すフローチャートである。
【図21】 参考例8による筒内圧に基づく失火判定処理動作を示すタイミングチャートである。
【図22】 参考例8による筒内圧に基づく失火判定処理を示すフローチャートである。
【図23】 参考例9によるノック振動に基づく失火判定処理動作を示すタイミングチャートである。
【図24】 参考例9によるノック振動に基づく失火判定処理を示すフローチャートである。
【図25】 この発明の実施の形態1による燃料噴射モードの変更処理動作を示す説明図である。
【図26】 この発明の実施の形態1による燃料噴射モードの変更処理を示すフローチャートである。
【図27】 一般的な筒内噴射内燃機関の制御装置のシステム全体を示す構成図である。
【図28】 図27内の電子制御ユニットの機能構成を具体的に示すブロック図である。
【図29】 一般的な気筒識別信号およびクランク角信号に対する噴射信号(燃料噴射弁の噴射時期)および点火信号(点火プラグの点火時期)の制御関係を示すタイミングチャートである。
【図30】 一般的なエンジン回転数および目標エンジントルクに対する燃料噴射方式の制御関係を示す説明図である。
【図31】 一般的な吸気行程噴射モードおよび圧縮行程モードでの空燃比とエンジントルクとの関係を示す特性図である。
【図32】 一般的な圧縮行程噴射モードでの燃焼状態を模式的に示す説明図である。
【図33】 一般的な吸気行程噴射モードでの燃焼状態を模式的に示す説明図である。
【図34】 従来の燃料噴射時期および点火時期に対するTHC排出量の関係を示す説明図である。
【図35】 従来の燃料噴射時期および点火時期に対する失火頻度の関係を示す説明図である。
【図36】 従来の燃料噴射時期および点火時期に対する燃費率の関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)、1a〜1d 気筒、4 スロットル弁、6 スロットル弁開度センサ、8 燃料噴射弁、9 点火コイルユニット、10 点火プラグ、11 アクセルペダル、12 アクセル踏み込み量センサ、13 クランク角センサ、14 気筒識別センサ、15 酸素濃度センサ、17 筒内圧検出ユニット、18 ノックセンサ、19 イオン電流検出ユニット、20 電子制御ユニット、A/Fo 目標空燃比、A/Fr 実際の空燃比、ΔA/F 空燃比偏差、A イオン電流の波形面積、C イオン電流、Ea 第1の所定値、Eb 第2の所定値、Er 失火頻度、G,G1〜G4 点火信号、G1′〜G4′ 燃焼性回復用の点火信号、J,J1〜J4 噴射信号、K ノック振動、M1,M3,M5 圧縮行程噴射モード、M2,M4 吸気行程噴射モード、P 筒内圧、SGC 気筒識別信号、SGT クランク角信号、t3 復帰時刻、T1 所定時間、TC 一定時間、W 通常時の制御点、W′ 変更時の制御点、X 酸素濃度、α アクセル踏み込み量、−d,Pa,β,γ 失火判定用の所定値、δ 所定量、θ スロットル弁開度、S2 回転変動を演算するステップ、S3,S72,S83,S92,S102 失火を判定するステップ、S11 失火頻度を第1の所定値と比較するステップ、S13,S14,S33,S34,S114 吸気行程噴射モードに変更するステップ、S22,S23,S42、S43 圧縮行程噴射モードに復帰させるステップ、S32 失火頻度を第2の所定値と比較するステップ、S53 空燃比をリッチ側に変更するステップ、S57 空燃比をリーンに復帰させるステップ、S63 点火信号を変更するステップ、S71 イオン電流の波形面積を演算するステップ、S81 実際の空燃比を演算するステップ、S82 空燃比偏差を演算するステップ、S91 筒内圧のピーク値を検出するステップ、S101 ノック振動のピークホールド値を検出するステップ、S113 所定時間の経過を判定するステップ。
Claims (2)
- 内燃機関の各気筒内に直接に燃料を噴射するための燃料噴射弁と、
前記各気筒内の点火プラグを駆動するための点火コイルユニットと、
前記内燃機関の運転状態に応じて前記各燃料噴射弁および前記点火コイルユニットを駆動するための電子制御ユニットと、
圧縮行程噴射モードの運転時間が燃焼状態の悪化を招き得る所定時間だけ経過したか否かを判定する経過時間判定手段と、
前記所定時間が経過した場合に、前記内燃機関の燃焼性を回復させるための燃焼性回復手段と
を備えた筒内噴射内燃機関の制御装置。 - 前記燃焼性回復手段は、
前記燃料の噴射状態を圧縮行程噴射モードから吸気行程噴射モードに変更する噴射モード変更手段と、前記内燃機関の空燃比をリッチ側に変更する空燃比変更手段と、前記点火信号を点火制御対象気筒以外の気筒の点火コイルユニットにも印加するための点火制御変更手段と、前記噴射信号による燃料噴射時期および前記点火信号による点火時期の少なくとも一方を変更するための制御時期変更手段と、のうちの少なくとも1つにより構成されたことを特徴とする請求項1に記載の筒内噴射内燃機関の制御装置。
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