JP3850856B2 - Plo装置 - Google Patents
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Description
技術分野
本発明は、PLO(Phase Locked Oscillator)装置に関し、特に入力信号からクロックの再生を行うPLO装置に関する。
【0002】
背景技術
PLOは、外部からの入力信号と、ループ内の発振器からの出力と、の位相差が一定になるようにフィードバック制御をかけて発振させて、入力信号に同期した発振出力を得るための回路である。PLOは、光通信や移動体通信、ディジタルオーディオなど多様な分野で使用され、近年その重要性が増してきている。
【0003】
図41は従来のPLO回路の構成を示す図である。PLO回路8は、判別器(コンパレータ)81、D型フリップフロップ(FF)82、排他論理和素子(EOR)83、ループフィルタ84、VCO(Voltage Controlled Oscillator)部85から構成される。
【0004】
まず、各素子の接続関係を記す。判別器81の出力は、FF82のD端子と、EOR83の一方の入力端子と接続する。FF82のQ端子は、EOR83の他方の端子と接続し、EOR83の出力は、ループフィルタ84へ入力する。また、ループフィルタ84の出力は、VCO部85へ入力し、VCO部85からの出力は、FF82のクロック入力端子と接続する。
【0005】
ここで、判別器81は、入力信号D0の“0”、“1”の判別を行う。FF82は、入力データD1を、1タイムスロットの半分の時間シフトさせてシフトデータD2を出力する。EOR83は、位相シフト前後の2信号間の位相差を検出して差分データD3を出力する。ループフィルタ84は、差分データD3から交流成分を除去して直流の制御電圧D4を出力する。VCO部85は、制御電圧D4に比例した出力周波数(FF82の入力クロックとなる)を発振する。
【0006】
図42はPLO回路8の動作を示すタイムチャートである。図の“0”、“1”のパターンを例にして、入力データD1、シフトデータD2、差分データD3、制御電圧D4の波形をそれぞれ示している。
【0007】
入力データD1とシフトデータD2の位相差φにより、差分データD3のパルス幅は変化する。すなわち、位相差φが小さければパルス幅は小さくなり、位相差φが大きければパルス幅は大きくなる。
【0008】
制御電圧D4は、直流電圧(実線)であり(点線矩形波は差分データD3)、位相差φが小さくなって、シフトデータD2の波形が、入力データD1に対して前側に移動すれば、差分データD3のパルス幅は細くなるので、制御電圧D4はゼロに近づく。
【0009】
また、位相差φが大きくなって、シフトデータD2の波形が、入力データD1に対して後側に移動すれば、差分データD3のパルス幅は広くなるので、制御電圧D4はゼロから大きくなってくる。
【0010】
PLO回路8では、VCO部85に、発振出力を元にした制御電圧D4によるフィードバックが掛かる。このため、発振出力が遅れていれば発振周波数を上げて位相を進め、発振出力が進んでいれば発振周波数を下げて位相を遅らせるといった制御を行うことになるので、入力信号に同期した発振周波数を出力することができる。
【0011】
しかし、上記のような従来のPLO回路8は、遷移率が平均的なパターン(例えば、PN(Pseudo-Noise)パターン等)を持つ入力信号D0からクロック再生を行うように調整される場合が多く、遷移率が大きいまたは小さいパターンの信号が入力すると、クロック位相が変化したり、同期外れが生じるといった問題があった。
【0012】
ここで、遷移とは、入力信号D0の“0”から“1”または“1”から“0”へのレベル変化のことを指し、遷移率とは、単位時間当たりのレベル変化の個数のことを意味する。
【0013】
図43は制御電圧D4と位相差φの関係を示す図である。縦軸に制御電圧D4、横軸に位相差φをとる。制御電圧D4(実線)は、入力信号D0に対するものであり、制御電圧D4−1(点線)は、“0”、“1”が交互に連続してくるような連続パターン(遷移率が大きいパターン)を持つ入力信号(以下、連続パターン信号と呼ぶ)に対するものである。
【0014】
いずれの制御電圧の場合も、位相差φが0及びnπ(n=±2、±4、…)のときにはゼロとなり、1周期内では制御電圧は1次関数的に上昇する(1周期内で位相差φが大きくなると制御電圧が上昇し、1周期が終わるとゼロに落ちるといったことが繰り返される)。
【0015】
連続パターン信号は、“0”から“1”または“1”から“0”へのレベル変化の頻度が多いので、入力信号D0よりも遷移率が大きい。したがって、この連続パターン信号を図41のPLO回路8に入力すると、回路内で生成される位相比較後の差分データの高周波成分も大きくなるので、ループフィルタ84からは入力信号D0のときの制御電圧D4よりも値の大きい制御電圧D4−1が出力される。
【0016】
図44はクロック位相変化及び同期外れが生じる様子を示す図である。入力信号D0のときの制御電圧D4に対して、制御電圧D4の傾斜直線の中心付近に、しきい値であるVCO部85のリファレンス電圧Vrefがくるように設定し、基準点が位置P1(正常にロックできる箇所)にあるものとする。
【0017】
また、PLO回路8の引き込み範囲(位相制御が可能な範囲)Hを図に示す範囲とする。制御電圧D4の変動ポイントが、引き込み範囲H内にあればPLO回路8は正常にロックする。
【0018】
一方、PLO回路8に連続パターン信号が入力して、制御電圧D4が制御電圧D4−1aに変わったとすると、基準点が位置P1から位置P2へ移動する。この場合、引き込み範囲H内に基準点は存在するのでロックはするが、位相が前方によった位置でロックするので、クロック位相が変化してしまうことになる。
【0019】
また、制御電圧D4−1bのように、さらに電圧値が大きくなって、基準点が位置P3まで移動したとする。この場合には、基準点は引き込み範囲Hから、はみ出てしまうために、ロックせずに同期外れが生じてしまう。
【0020】
このように、遷移率の平均的なパターンの入力を対象に設計したPLO回路8に、遷移率の大きい連続パターンを入力すると誤動作を生じてしまう。すなわち、制御電圧は遷移率に依存しているため、遷移率が変化すると、従来の回路では安定した動作を行うことができない。
【0021】
ここで、制御電圧は遷移率に依存するということを前提にして、遷移率の変化により、誤動作が生じる場合について上述したが、実際には制御電圧は遷移率だけでなく、S/N(Signal Noise Ratio)にも依存している。したがって、S/Nが良好状態のときに使用できるPLO回路を、S/Nが悪化する状態で使用すると、正常に動作せずに、クロック位相が変化したり、同期外れが生じるなど、同様の誤動作が発生するといった問題があった。
【0022】
発明の開示
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、制御電圧から遷移率及びS/Nのパラメータを取り除いて、高精度、高品質なクロック再生を行うPLO装置を提供することを目的とする。
【0023】
本発明では上記課題を解決するために、図1に示すような、入力信号からクロックの再生を行うPLO装置1において、入力データA1を再生クロックCKでシフトしてシフトデータA2を生成するシフトデータ生成部11と、入力データA1とシフトデータA2との位相比較を行って、第1の差分データA3を出力する第1の位相比較部12と、第1の差分データA3から交流成分を除去して入力データA1とシフトデータA2との位相差のパラメータを含み、かつ遷移率及びS/Nのパラメータを含む第1の検出電圧V1を出力する第1のフィルタ13と、から構成される第1の電圧検出部10と、入力データA1に対し、1タイムスロットの半分の時間をアナログ遅延素子により遅延させることで、S/Nのパラメータを含む遅延データA4を出力する遅延部21と、入力データA1と遅延データA4との位相比較を行って、第2の差分データA5を出力する第2の位相比較部22と、第2の差分データA5から交流成分を除去して遷移率及びS/Nのパラメータを含む第2の検出電圧V2を出力する第2のフィルタ23と、から構成される第2の電圧検出部20と、第1の検出電圧V1を第2の検出電圧V2で割り算して、遷移率及びS/Nのパラメータを除去し、遷移率及びS/Nのパラメータに依存しない制御電圧V0を生成する演算部30と、制御電圧V0にもとづいて発振周波数を変えて、再生クロックCKを出力するクロック発振部40と、を有することを特徴とするPLO装置1が提供される。
【0024】
ここで、シフトデータ生成部11は、入力データA1を再生クロックCKでシフトしてシフトデータA2を生成する。第1の位相比較部12は、入力データA1とシフトデータA2との位相比較を行って、第1の差分データA3を出力する。第1のフィルタ13は、第1の差分データA3から交流成分を除去して入力データA1とシフトデータA2との位相差のパラメータを含み、かつ遷移率及びS/Nのパラメータを含む第1の検出電圧V1を出力する。遅延部21は、入力データA1に対し、1タイムスロットの半分の時間をアナログ遅延素子により遅延させることで、S/Nのパラメータを含む遅延データA4を出力する。第2の位相比較部22は、入力データA1と遅延データA4との位相比較を行って、第2の差分データA5を出力する。第2のフィルタ23は、第2の差分データA5から交流成分を除去して遷移率及びS/Nのパラメータを含む第2の検出電圧V2を出力する。演算部30は、第1の検出電圧V1を第2の検出電圧V2で割り算して、遷移率及びS/Nのパラメータを除去し、遷移率及びS/Nのパラメータに依存しない制御電圧V0を生成する。クロック発振部40は、制御電圧V0にもとづいて発振周波数を変えて、再生クロックCKを出力する。
【0025】
本発明の上記および他の目的、特徴および利点は本発明の例として好ましい実施の形態を表す添付の図面と関連した以下の説明により明らかになるであろう。
【0026】
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明のPLO装置の原理図である。PLO装置1は、第1の電圧検出部10、第2の電圧検出部20、演算部30、クロック発振部40から構成される。
【0027】
第1の電圧検出部10は、シフトデータ生成部11、第1の位相比較部12、第1のフィルタ13から構成される。シフトデータ生成部11は、入力データA1の位相を再生クロックCKでシフトして(標準状態で1タイムスロットの半分の時間シフトさせる)シフトデータA2を生成する。
【0028】
第1の位相比較部12は、入力データA1とシフトデータA2との位相比較を行って、第1の差分データ(以下、差分データA3)を出力する。第1のフィルタ13は、ローパスフィルタであり、差分データA3から交流成分を除去して第1の検出電圧(以下、検出電圧V1)を出力する。
【0029】
第2の電圧検出部20は、遅延部21、第2の位相比較部22、第2のフィルタ23から構成される。遅延部21は、入力データA1に対し、1タイムスロットの半分の時間をアナログ遅延素子により遅延させて遅延データA4を出力する。第2の位相比較部22は、入力データA1と遅延データA4との位相比較を行って、第2の差分データ(以下、差分データA5)を出力する。第2のフィルタ23は、差分データA5から交流成分を除去して第2の検出電圧(以下、検出電圧V2)を出力する。
【0030】
演算部30は、検出電圧V1を検出電圧V2で割り算して制御電圧V0を生成する。クロック発振部40は、VCO機能を有し、制御電圧V0にもとづいて発振周波数を変えて、再生クロックCKを出力する。なお、詳細なPLO装置1の構成及び動作については後述する。
【0031】
次に本発明のPLO装置1の設計手順について、本発明が解決したい問題点の内容を含めながら、段階的に詳しく説明する。図41〜図44で上述したように、従来のPLO回路8は、VCOに与える制御電圧が、入力信号の遷移率に依存しているため、遷移率が変化すると制御電圧も変化し、これにより誤動作を引き起こすものであった。したがって、まず、制御電圧から遷移率のパラメータを取り除くことを考える。
【0032】
図2はPLO回路の概略構成を示す図である。PLO回路7は、制御電圧から遷移率のパラメータを取り除いた際の回路である。最初に、各素子の接続関係を記す。
【0033】
判別器71の出力は、FF72のD端子と、EOR73の一方の入力端子と接続する。FF72のQ端子は、FF76のD端子と、EOR73の他方の端子と、EOR77の一方の端子と接続する。FF76のQ端子は、EOR77の他方の端子と接続する。
【0034】
EOR73の出力は、ローパスフィルタ74に入力し、ローパスフィルタ74の出力は、割り算器79へ入力する。EOR77の出力は、ローパスフィルタ78へ入力し、ローパスフィルタ78の出力は、割り算器79へ入力する。割り算器79の出力は、VCO部75へ入力し、VCO部75の出力は、FF72とFF76のクロック入力端子と接続する。
【0035】
ここで、判別器71は、入力信号B0の“0”、“1”の判別を行う。FF72は、入力データB1を、1タイムスロットの半分の時間シフトさせてシフトデータB2−1を出力する。EOR73は、位相シフト前後の2信号間の位相差を検出して差分データB3を出力する。ローパスフィルタ74は、差分データB3から交流成分を取り除いて直流の検出電圧Va1を出力する。
【0036】
FF76は、シフトデータB2−1を、1タイムスロットの時間シフトさせて、シフトデータB2−2を出力する。EOR77は、位相シフト前後の2信号間の遷移を検出して差分データB4を出力する。ローパスフィルタ78は、差分データB4から交流成分を取り除いて直流の検出電圧Va2を出力する。
【0037】
割り算器79は、検出電圧Va1を検出電圧Va2で割り算して制御電圧Va0を生成する。VCO部75は、制御電圧Va0に比例した出力周波数(FF72、FF76の入力クロックとなる)を発振する。
【0038】
図3はPLO回路7の動作を示すタイムチャートである。図の“0”、“1”のパターンを例にして、入力データB1、シフトデータB2−1、差分データB3、検出電圧Va1、シフトデータB2−2、差分データB4、検出電圧Va2の波形をそれぞれ示している。
【0039】
タイムチャートの上から4つ目までの波形は、図42と同じである。なお、検出電圧Va1は、位相差φと遷移率の両方のパラメータを含んでいる(検出電圧Va1は、位相差φと遷移率の関数である)。
【0040】
一方、PLO回路7では、制御電圧から遷移率のパラメータを取り除くために、入力データB1の遷移率のパラメータ情報を含む波形を生成するための回路構成になっている。すなわち、シフトデータB2−1をクロックで再度シフトして、シフトデータB2−2を生成し、シフトデータB2−1とシフトデータB2−2の排他論理和をとっている。
【0041】
すると、図3からわかるように、入力データB1の遷移に比例して“H”となる波形(差分データB4)が得られる。この差分データB4をフィルタリングして生成した検出電圧Va2は、遷移率のパラメータを含んでいることになる(検出電圧Va2は、遷移率の関数である)。
【0042】
したがって、検出電圧Va1を検出電圧Va2で割り算すれば、遷移率のパラメータを消去することができる。すなわち、割り算器79からの出力信号には遷移率のパラメータが含まれていないので、これをVCO部75の制御電圧として用いれば、遷移率の変化に影響しない位相同期ループをかけることができる。
【0043】
このように、PLO回路7は、制御電圧から遷移率を消去したので、従来のように遷移率の大きい連続パターンを入力しても誤動作はしなくなる。そして、このことは、S/Nが良好状態のときにPLO回路7を使用する分には問題はない。
【0044】
ところが、S/Nが悪化する状態でPLO回路7を使用すると、同期外れなどの誤動作が即座に生じてしまう。なぜなら、制御電圧は遷移率だけではなく、S/Nのパラメータにも依存しているからである。したがって、低S/N状態(S/Nの悪化する状態)の環境では、PLO回路7をそのまま使用することはできない。
【0045】
次に低S/N状態でも正常に動作するPLO装置の必要性について説明する。近年、大規模LSIの導入が可能になり、10Gb/sの光伝送に誤り訂正符号(以下、FEC:Forward Error Correction)が用いられている。また、ITU−TにおいてFECを用いた方式が勧告化され(G.709勧告)、今まで海底通信のみを対象にしてきたFECが、陸上の通信でも用いられるようになった。
【0046】
また、誤り訂正特性として、例えば、1×10-2のエラーレートを1×10-15のエラーレートに訂正するLSIが開発されている。このように、訂正能力の高いFECが付加された情報を、受信側で識別再生するためには、受信側では1×10-2のエラーレートの低S/N状態でも、正常にクロックを再生することが求められる。
【0047】
なぜなら、FECを用いる送受信装置は、伝送距離を伸ばすことができるので、低S/N状態で情報の送受信を行うことになり、このため、受信側の装置では、この低S/N状態でも正常にクロックを再生する必要があるからである。
【0048】
したがって、例えば、光受信装置のO/E変換部でデータの識別再生をするために使用されているPLO回路は、低S/N状態(例えば、エラーレートが1×10-2、1×10-3)でも十分耐えうるように設計しなければならない。
【0049】
次に低S/N状態でも良好に動作する本発明のPLO装置1を設計する際に行った動作測定の内容について説明する。まず、図4〜図6を用いてPLO回路7の詳細な回路構成を示す。図に示す回路は−5.2V〜GNDの電源電圧を基準にして、ディスクリート素子や、−0.8V〜−1.6Vで動作するECL素子等で構成されている(演算増幅器及び割り算器(MPY634)には−15V、+15Vが電源電圧である)。
【0050】
各素子の接続関係を記す。抵抗R1の一端はGNDに、抵抗R1の他端は信号入力端子とコンデンサC1の一端と接続する。抵抗R2、R3の一端はGNDに接続する。コンデンサC1の他端は抵抗R2、R3の他端と、抵抗R4の一端と、論理素子IC2の一方の入力端子と、FF−IC1のD端子と、抵抗R6の一端と接続する。抵抗R4の他端は抵抗R5の一端と接続し、抵抗R5、R6の他端は−5.2Vと接続する。
【0051】
FF−IC1のQ端子は、FF−IC0のD端子と、論理素子IC2、IC3の一方の端子と、抵抗R50の一端と接続する。FF−IC0のQ端子は、抵抗R51の一端と、論理素子IC3の他方の入力端子と接続する。抵抗R50、R51の他端は−5.2Vと接続する。
【0052】
論理素子IC2の出力端子は、抵抗R13、R14の一端と接続し、論理素子IC3の出力端子は、抵抗R23、R24の一端と接続する。抵抗R13の他端は−5.2Vと接続し、抵抗R14の他端は、トランジスタTr1のベースと接続する。抵抗R15の一端はGNDと接続し、抵抗R15の他端はトランジスタTr1のコレクタと接続する。トランジスタTr1のエミッタは抵抗R16の一端と、トランジスタTr2のエミッタと接続し、抵抗R16の他端は−5.2Vと接続する。抵抗R17の一端はGNDと接続し、抵抗R17の他端はトランジスタTr2のコレクタと、コンデンサC7の一端と抵抗R21の一端と接続する。コンデンサC7の他端はGNDと接続し、トランジスタTr2のベースは抵抗R18と接続する。
【0053】
抵抗R18の他端は、抵抗R19、20の一端と、コンデンサC3の一端と接続し、抵抗R19の他端は−5.2Vと接続し、コンデンサC3の他端はGNDと接続し、抵抗R20の他端はGNDと接続する。抵抗R21の他端は、アンプIC4の(−)端子と抵抗R22の一端と接続し、アンプIC4の(+)端子はGNDと接続し、抵抗R22の他端はアンプIC4の出力端子と割り算器IC6のZ2端子と接続する。
【0054】
抵抗R23の他端は−5.2Vと接続し、抵抗R24の他端は、トランジスタTr3のベースと接続する。抵抗R25の一端はGNDと接続し、抵抗R25の他端はトランジスタTr3のコレクタと接続する。トランジスタTr3のエミッタは抵抗R26の一端と、トランジスタTr4のエミッタと接続し、抵抗R26の他端は−5.2Vと接続する。抵抗R27の一端はGNDと接続し、抵抗R27の他端はトランジスタTr4のコレクタと、コンデンサC4の一端と抵抗R31の一端と接続する。コンデンサC4の他端はGNDと接続し、トランジスタTr4のベースは抵抗R28と接続する。
【0055】
抵抗R28の他端は、抵抗R29、30の一端と、コンデンサC5の一端と接続し、抵抗R29の他端は−5.2Vと接続し、コンデンサC5の他端はGNDと接続し、抵抗R30の他端はGNDと接続する。抵抗R31の他端は、アンプIC5の(−)端子と抵抗R32の一端と接続し、アンプIC5の(+)端子はGNDと接続し、抵抗R32の他端はアンプIC5の出力端子と割り算器IC6のX1端子と接続する。
【0056】
割り算器IC6には、駆動電圧−15V、+15Vがパスコンを介して接続し、Z1、X2、Y1端子はGNDと接続する。Y2端子はVOUT端子と抵抗R33の一端と接続する。抵抗R33の他端は、アンプIC7の(−)端子と抵抗R34の一端と接続し、アンプIC7の(+)端子はGNDと接続する。抵抗R34の他端はアンプIC7の出力端子と抵抗R35の一端と接続する。
【0057】
抵抗R35の他端は、アンプIC8の(−)端子と抵抗R36の一端と接続し、アンプIC8の(+)端子は抵抗R37の可変抵抗値を得るための端子に接続する。抵抗R37の一端はGNDと接続し、抵抗R37の他端は抵抗R38の一端と接続し、抵抗R38の他端は−15Vと接続する。抵抗R36の他端はアンプIC8の出力端子と抵抗R39の一端と接続する。
【0058】
VCO−IC9には、駆動電圧として、GND、−5.2Vが接続し、抵抗R39の他端はVCO−IC9の入力端子と接続し、VCO−IC9の出力端子は抵抗R43の一端と、FF−IC10、IC11のクロック入力端子と接続し、抵抗R43の他端は−5.2Vと接続する。
【0059】
FF−IC10のD端子は論理素子IC12の出力端子と抵抗R42の一端と接続し、抵抗R42の他端は−5.2Vと接続する。FF−IC10のQN端子は論理素子IC12の一端の入力端子と、抵抗R41の一端と、FF−IC11のD端子と接続する。抵抗R40の一端は−5.2Vと接続し、抵抗R40の他端は論理素子IC12の他方の入力端子と、FF−IC11のQ端子と接続する。
【0060】
FF−IC11のQN端子は同軸ケーブルK2の一方と接続する。同軸ケーブルK2の他方は、FF−IC1、IC0のクロック入力端子と、抵抗R11の一端と接続し、抵抗R11の他端は抵抗R12の一端とコンデンサC2の一端と接続し、抵抗R12の他端は−5.2Vと接続し、コンデンサC2の他端はGNDと接続する。
【0061】
図4〜6で示したPLO回路7に対し、伝送速度52.84Mb/sの入力データを、信号入力端子からπ相の外部クロック(ループは開いておく)で入力し、図7に示す測定系でOSNR(Optical Signal Noise Ratio:光領域のS/N)を変えることにより、入力信号のS/Nを変化させて、PLO回路7の波形を観測する。
【0062】
図7は測定システムの構成を示す図である。PPG(パルス・パターン・ジェネレータ)101、E/O102、光アッテネータ103、112、光カプラ113、光バンドパス・フィルタ104、O/E105(PLO回路7を含む)、エラー検出器106、ASE(Amplified Spontaneous Emission)光源部111、光スペクトラム・アナライザ114から構成される。なお、電気信号を伝送する箇所には同軸ケーブル、光信号を伝送する箇所には光ファイバケーブルを使用して、各構成要素を接続している。
【0063】
PPG101は、クロックと共にテストパターンの信号(ここでは52.84Mb/s)を出力する。E/O102は、受信した信号を光に変換し、光アッテネータ103はその光を減衰させる。
【0064】
ASE光源部111は、雑音光であるASEを放射する。光アッテネータ112は、ASEを減衰させる。また、ASE光を信号光のまわりに極在させるために、光バンドパスフィルタを光アッテネータ112の後段に設ける。光カプラ113は、光アッテネータ103からの出力光と、光アッテネータ112からの出力光とを結合して、光バンドパス・フィルタ104へ送信する。また、光カプラ113は、結合された光を、光スペクトラム・アナライザ114へ送信する。
【0065】
光カプラ113の一方の光は、O/E105で電気信号に変換される。O/E105は、データと、PLO回路7で再生されたクロックとをエラー検出器106へ送信し、エラー検出器106は、エラーレートを検出する。
【0066】
図8はPLO回路7の検出電圧及び制御電圧の測定値を示す図である。外部よりクロックをπ相で入れて、図7で示した測定系を用いて測定した際のPLO回路7の検出電圧Va1、Va2と制御電圧Va0の測定値を示している。左の縦軸は検出電圧Va1、Va2の電圧値(mV)、右の縦軸は制御電圧Va0の電圧値(mV)であり、横軸はOSNR(dB/ビットレート)である。
【0067】
OSNRがある程度良い状態(20dB以上の範囲)の場合は、制御電圧Va0は、一定(フラット)なので、PLO回路7は正常動作可能である。ところが、OSNRが悪くなると(20db以下の範囲)、検出電圧Va1は下がり始める。また、(制御電圧Va0)=(検出電圧Va1)÷(検出電圧Va2)の関係であるから、このとき、制御電圧Va0は上がり始める。すなわち、OSNRが悪くなると、制御電圧Va0が一定値から上昇に向かい、PLO回路7では同期外れ等の誤動作が生じる。
【0068】
したがって、OSNRが悪い状態でも正常に動作させるためには、OSNRが悪い状態のときでも制御電圧Va0がフラットになればよい。この場合、OSNRが20db以下の範囲において、検出電圧Va1を上昇させて、検出電圧Va1をフラットにするか、または検出電圧Va2を検出電圧Va1と同様な下降する曲線の形になるようにすればよい(なぜなら、制御電圧Va0は、検出電圧Va1と検出電圧Va2の割り算の結果であるから、上記のいずれか一方を実現すればよい)。
【0069】
この場合、前者の方針よりも、後者の“検出電圧Va2を検出電圧Va1と同様な下降する曲線の形にする”方針の方が実行しやすいので、本発明では後者の方を選択して設計する。
【0070】
ここで、PLO回路7の観測波形について説明する。検出電圧Va1が生成される手前の差分データB3(図4に示した回路の論理素子IC2の出力信号に該当)と、検出電圧Va2が生成される手前の差分データB4(図4に示した回路の論理素子IC3の出力信号に該当)と、の波形をオシロスコープを使って観測すると、アイパターンが観測される。
【0071】
信号に波形劣化がなければアイパターンの開口度は大きくなるが、雑音により波形が劣化すると、アイパターンの傾斜と角に丸みが生じ、また、ジッタにより時間軸にずれを生じるために、アイパターンの開口度は小さくなる。
【0072】
差分データB3のアイパターンは、OSNRが良好のときには、開口度は大きいが、OSNRを悪くすると、開口度は小さくなる波形が観測される。また、差分データB4は、FF−IC1、IC0を通過したデータの論理をとったものであるから、OSNRの状態にかかわらず、開口度が大きい波形が観測される。
【0073】
図9〜図23にPLO回路7の観測波形を示す。電圧のディビジョンは200mV、時間のディビジョンは10nsである。図9〜図13は入力データB1(図4に示した回路の信号入力端子から入力するデータに該当)、図14〜図18は差分データB3(論理素子IC2の出力信号)、図19〜図23は差分データB4(論理素子IC3の出力信号)のアイパターンの波形である。
【0074】
図9〜図13に示す入力データB1及び図14〜図18に示す差分データB3は、OSNRが16.1dBから24.2dBへ良好な状態になるにつれて開口度が大きくなっていることがわかる。また、図19〜図23は差分データB4は、FFを通過してきた信号なのでS/Nパラメータを含まず、OSNRの値に依存せずに開口度は大きくなっている。
【0075】
次に図8で示したそれぞれの電圧の曲線を式で表した場合について説明する。検出電圧Va1は、遷移率、位相差、S/Nの3つのパラメータを含む関数であり、検出電圧Va2は、遷移率のパラメータを含む関数である。このことを式で表現すると式(1)、式(2)のようになる。なお、式(1)中のf(S/N)とはS/N依存の関数を示している。
【0076】
(検出電圧Va1)=(遷移率)・(位相差)・f(S/N) ・・・(1)
(検出電圧Va2)=(遷移率)・2π ・・・(2)
このため、割り算処理後の制御電圧Va0は、式(3)となる。
【0077】
(制御電圧Va0)=((位相差)・f(S/N))/2π ・・・(3)
式(3)からわかるように、制御電圧Va0は、S/Nのパラメータを含んでいるため、S/Nが悪くなると、制御電圧Va0が変化し、あるS/Nに達すると同期が保てなくなり、クロックの同期外れが生じることになる。
【0078】
ここで、式(3)から、S/Nに関する項を取り除くためには、式(2)にS/Nのパラメータを含ませるようにすればよい((検出電圧Va2)∝(遷移率)・f(S/N)となればよい)。
【0079】
次に(検出電圧Va2)∝(遷移率)・f(S/N)の関係を組み込んだ、本発明のPLO装置1の構成及び動作について説明する。図24はPLO装置の構成を示す図である。PLO装置1aは、第1の電圧検出部10、第2の電圧検出部20、演算部30、VCO部40(クロック発振部40に該当)、判別器50、ローパスフィルタ60から構成される。
【0080】
第1の電圧検出部10は、FF11(シフトデータ生成部11に該当)、EOR12(第1の位相比較部12に該当)、ローパスフィルタ13(第1のフィルタ13に該当)から構成され、第2の電圧検出部20は、遅延部21、EOR22(第2の位相比較部22)、ローパスフィルタ23(第2のフィルタ23)から構成される。
【0081】
各素子の接続関係を記す。判別器50の出力は、FF11のD端子と、EOR12の一方の入力端子と、EOR22の一方の端子と、遅延部21と接続する。FF11のQ端子は、EOR12の他方の端子と接続する。EOR12の出力は、ローパスフィルタ13へ入力し、ローパスフィルタ13の出力は、演算部30へ入力する。
【0082】
遅延部21からの出力は、EOR22の他方の入力端子と接続し、EOR22の出力は、ローパスフィルタ23へ入力し、ローパスフィルタ23の出力は、演算部30へ入力する。演算部30の出力は、ローパスフィルタ60へ入力し、ローパスフィルタ60の出力はVCO部40へ入力し、VCO部40の出力は、FF11のクロック入力端子と接続する。
【0083】
ここで、判別器50は、入力信号A0の“0”、“1”の判別を行う。FF11は、入力データA1を、1タイムスロットの半分の時間シフトさせてシフトデータA2を出力する。EOR12は、位相シフト前後の2信号間の位相差を検出して差分データA3を出力する。ローパスフィルタ13は、差分データA3から交流成分を取り除いて直流の検出電圧V1を出力する。
【0084】
遅延部21は、入力データA1を、アナログ遅延素子(例えば、同軸ケーブル)を用いて、1タイムスロットの半分の時間(=T0/2)シフトさせて遅延データA4を出力する。
【0085】
EOR22は、位相シフト前後の2信号間の位相差を検出して差分データA5を出力する。ローパスフィルタ23は、差分データA5から交流成分を取り除いて直流の検出電圧V2を出力する。
【0086】
演算部30は、検出電圧V1を検出電圧V2で割り算して制御電圧V0を生成する。ローパスフィルタ60は、制御電圧V0の高周波成分を除去する。VCO部40は、高周波成分を除去された制御電圧V0に比例した出力周波数(FF11の入力クロックとなる)を発振する。
【0087】
ここで、図2のPLO回路7と図24のPLO装置1aを見比べてみると、PLO装置1aでは検出電圧V2にS/Nのパラメータを含ませるために、第2の電圧検出部20で、フリップフロップを用いずに、アナログ遅延素子を使用して、入力データA1を遅延させていることがわかる。
【0088】
すなわち、図2のPLO回路7では、フリップフロップで遅延させて、差分データB4を生成しているために、差分データB4はS/Nに依存しないデータとなっている。このことから、フリップフロップを用いずに遅延させれば、S/Nのパラメータを含ませることができるものとして、図24のPLO装置1aでは、フリップフロップを用いずにアナログ遅延素子を使用して、S/Nに依存した差分データA5を生成している。
【0089】
次にPLO装置1aの具体的な回路構成について説明する。図25〜図27はPLO装置1aの回路構成を示す図である。図に示す回路は−5.2V〜GNDの電源電圧を基準にして、ディスクリート素子や、−0.8V〜−1.6Vで動作するECL素子等で構成されている(演算増幅器及び割り算器(MPY634)には−15V、+15Vが電源電圧である)。
【0090】
FF−IC1はFF11に該当し、論理素子IC2、IC3はそれぞれEOR12、22に該当する(図の場合はネガで出力しており、また後段のトランジスタTr1とトランジスタTr2、トランジスタTr3とトランジスタTr4でそれぞれレベル変換されている)。同軸ケーブルK1は、遅延部21に該当し、ケーブル長は2mで、10ns遅延させている(20cmで1ns遅延する)。
【0091】
抵抗R17、コンデンサC7から構成されるローパスフィルタ13aは、ローパスフィルタ13に該当し、抵抗R27、コンデンサC4から構成されるローパスフィルタ23aは、ローパスフィルタ23に該当する(また、ローパスフィルタ13a、23aの出力信号はアンプIC4、IC5で増幅されている)。
【0092】
割り算器IC6は演算部30に該当し、割り算器IC6からの出力は、ローパスフィルタ60の処理を兼ねる直流レベル変換部60aで直流レベルに変換されている。VCO−IC9は、VCO部40に該当する(VCO−IC9は155.52MHzを発振する素子を使用したので、後段に割り算(÷3)を行う回路40aを設けて、52.84Mb/sの再生クロックCKを出力している)。
【0093】
各素子の接続関係を記す。抵抗R1の一端はGNDに、抵抗R1の他端は信号入力端子とコンデンサC1の一端と接続する。抵抗R2の一端はGNDに接続する。コンデンサC1の他端は、抵抗R2の他端と、抵抗R4の一端と、論理素子ICbの入力と接続する。論理素子ICbの出力は、論理素子IC2の一方の入力端子と、FF−IC1のD端子と、論理素子IC3の一方の入力端子と、同軸ケーブルK1の一方と接続する。抵抗R4の他端は抵抗R5の一端と接続し、抵抗R5の他端は−5.2Vと接続する。FF−IC1のQ端子は、論理素子IC2の他方の入力端子と、抵抗R7の一端と接続し、抵抗R7の他端は−5.2Vと接続する。
【0094】
同軸ケーブルK1の他方は抵抗R9の一端と、論理素子IC3の他方の入力端子と接続し、抵抗R9の他端は抵抗R10の一端と、コンデンサC6の一端と接続し、抵抗R10の他端は−5.2Vと接続し、コンデンサC6の他端はGNDと接続する。
【0095】
論理素子IC2の出力端子は、抵抗R13、R14の一端と接続し、論理素子IC3の出力端子は、抵抗R23、R24の一端と接続する。抵抗R13の他端は−5.2Vと接続し、抵抗R14の他端は、トランジスタTr1のベースと接続する。抵抗R15の一端はGNDと接続し、抵抗R15の他端はトランジスタTr1のコレクタと接続する。トランジスタTr1のエミッタは抵抗R16の一端と、トランジスタTr2のエミッタと接続し、抵抗R16の他端は−5.2Vと接続する。抵抗R17の一端はGNDと接続し、抵抗R17の他端はトランジスタTr2のコレクタと、コンデンサC7の一端と抵抗R21の一端と接続する。コンデンサC7の他端はGNDと接続し、トランジスタTr2のベースは抵抗R18と接続する。
【0096】
抵抗R18の他端は、抵抗R19、20の一端と、コンデンサC3の一端と接続し、抵抗R19の他端は−5.2Vと接続し、コンデンサC3の他端はGNDと接続し、抵抗R20の他端はGNDと接続する。抵抗R21の他端は、アンプIC4の(−)端子と抵抗R22の一端と接続し、アンプIC4の(+)端子はGNDと接続し、抵抗R22の他端はアンプIC4の出力端子と割り算器IC6のZ2端子と接続する。
【0097】
抵抗R23の他端は−5.2Vと接続し、抵抗R24の他端は、トランジスタTr3のベースと接続する。抵抗R25の一端はGNDと接続し、抵抗R25の他端はトランジスタTr3のコレクタと接続する。トランジスタTr3のエミッタは抵抗R26の一端と、トランジスタTr4のエミッタと接続し、抵抗R26の他端は−5.2Vと接続する。抵抗R27の一端はGNDと接続し、抵抗R27の他端はトランジスタTr4のコレクタと、コンデンサC4の一端と抵抗R31の一端と接続する。コンデンサC4の他端はGNDと接続し、トランジスタTr4のベースは抵抗R28と接続する。
【0098】
抵抗R28の他端は、抵抗R29、30の一端と、コンデンサC5の一端と接続し、抵抗R29の他端は−5.2Vと接続し、コンデンサC5の他端はGNDと接続し、抵抗R30の他端はGNDと接続する。抵抗R31の他端は、アンプIC5の(−)端子と抵抗R32の一端と接続し、アンプIC5の(+)端子はGNDと接続し、抵抗R32の他端はアンプIC5の出力端子と割り算器IC6のX1端子と接続する。
【0099】
割り算器IC6には、駆動電圧−15V、+15Vがパスコンを介して接続し、Z1、X2、Y1端子はGNDと接続する。Y2端子はVOUT端子と抵抗R33の一端と接続する。抵抗R33の他端は、アンプIC7の(−)端子と抵抗R34の一端と接続し、アンプIC7の(+)端子はGNDと接続する。抵抗R34の他端はアンプIC7の出力端子と抵抗R35の一端と接続する。
【0100】
抵抗R35の他端は、アンプIC8の(−)端子と抵抗R36の一端と接続し、アンプIC8の(+)端子は抵抗R37の可変抵抗値を得るための端子に接続する。抵抗R37の一端はGNDと接続し、抵抗R37の他端は抵抗R38の一端と接続し、抵抗R38の他端は−15Vと接続する。抵抗R36の他端はアンプIC8の出力端子と抵抗R39の一端と接続する。
【0101】
VCO−IC9には、駆動電圧として、GND、−5.2Vが接続し、抵抗R39の他端はVCO−IC9の入力端子と接続し、VCO−IC9の出力端子は抵抗R43の一端と、FF−IC10、IC11のクロック入力端子と接続し、抵抗R43の他端は−5.2Vと接続する。
【0102】
FF−IC10のD端子は論理素子IC12の出力端子と抵抗R42の一端と接続し、抵抗R42の他端は−5.2Vと接続する。FF−IC10のQN端子は論理素子IC12の一端の入力端子と、抵抗R41の一端と、FF−IC11のD端子と接続する。抵抗R40の一端は−5.2Vと接続し、抵抗R40の他端は論理素子IC12の他方の入力端子と、FF−IC11のQ端子と接続する。
【0103】
FF−IC11のQN端子は同軸ケーブルK2の一方と接続する。同軸ケーブルK2の他方は、FF−IC1のクロック入力端子と、抵抗R11の一端と接続し、抵抗R11の他端は抵抗R12の一端とコンデンサC2の一端と接続し、抵抗R12の他端は−5.2Vと接続し、コンデンサC2の他端はGNDと接続する。
【0104】
図28はPLO装置1aの検出電圧及び制御電圧の測定値を示す図である。図7で示した測定系を用いて測定した際のPLO装置1aの検出電圧V1、V2と制御電圧V0の測定値を示している。左の縦軸は検出電圧V1、V2の電圧値(mV)、右の縦軸は制御電圧V0の電圧値(mV)であり、横軸はOSNR(dB/ビットレート)である。入力データをπ相で入力し、OSNRを変えることにより、入力信号のS/Nを変化させて、PLO装置1aの波形を観測する。
【0105】
図に示すように、検出電圧V2は、OSNRが20dB以下の範囲で、検出電圧V1と同様な下降する曲線の形になっている。また、差分データA5(図25に示した回路の論理素子IC3の出力信号に該当)は、式(1)で位相差φをπ固定にした波形が出力されるから、検出電圧V2を式で表すと式(4)となる。
【0106】
(検出電圧V2)=(遷移率)・π・f(S/N) ・・・(4)
このように、検出電圧V2に遷移率だけでなくS/Nのパラメータも含ませることができたので、検出電圧V1を検出電圧V2で割り算した結果である制御電圧V0には、遷移率とS/Nのパラメータが取り除かれることになる。したがって、低S/N状態のときでもクロック位相変化や同期外れといった誤動作を防止することができる。
【0107】
ここで、PLO装置1aの観測波形について説明する。検出電圧V1が生成される手前の差分データA3(図25に示した回路の論理素子IC2の出力信号に該当)と、検出電圧V2が生成される手前の差分データA5(論理素子IC3の出力信号)と、の波形をオシロスコープを使って観測する。
【0108】
差分データA3のアイパターンは、OSNRが良好のときには、開口度は大きいが、OSNRを悪くすると、開口度は小さくなる波形が観測される。また、差分データA5は、フリップフロップを用いずにアナログ遅延素子(図25に示した回路の同軸ケーブルK1に該当)で遅延したデータにもとづくものであるから、差分データA3と同様に、OSNRが良好のときには、開口度は大きいが、OSNRを悪くすると、開口度は小さくなる波形が観測される。
【0109】
図29〜図33にPLO装置1aの観測波形を示す。電圧のディビジョンは500mV、時間のディビジョンは10nsであり、差分データA5(論理素子IC3の出力信号)のアイパターンの波形を示している。図29〜図33に示すように、差分データA5は、OSNRの値に応じて開口度も変化していることがわかる(図19〜図23で示した差分データB4のアイパターンとは異なり、本発明のPLO装置1aの差分データA5には、S/Nのパラメータを含ませたから)。
【0110】
一方、PLO装置1aを用いた場合、ループを閉じた状態(VCO部40からの再生クロックCKをFF11(図25のFF−IC1)に入力する状態)で、1×10-1の誤り率までクロック同期が取れることを確認した。図34はOSNRを変化させた場合のQ値を示す図である。縦軸はQ(dB)、横軸はOSNR(dB/ビットレート)である。PLO装置1aを用いてOSNRを変化させた場合のQ値を示している。
【0111】
図35はQ値とエラーレートの換算表を示す図である。縦軸は誤り率、横軸はQ(dB)を示している。図34に示す測定結果から、OSNR=16のときに、Q=3であり、これは図35から誤り率=1×10-1である。
【0112】
なお、Q値とエラーレートPeの関係は、以下の式(5)のようになり(erfcは、誤差関数(erf)の補数(complimentaly)である)、式(5)に対して、Qを指数表示してグラフにしたものが図35である。
【0113】
【数1】
【0114】
次にPLO装置1aの変形例について説明する。図36はPLO装置1aの変形例を示す図である。変形例であるPLO装置1bは、演算部30−1において、検出電圧V1から検出電圧2を減算して制御電圧V0を生成する。なお、その他の構成については、PLO装置1aと同じなので説明は省略する。
【0115】
以上説明したように、本発明のPLO装置1は、小さな回路規模で、遷移率及びS/Nのパラメータに依存しない制御電圧V0を生成することを実現した。これにより、低S/N状態のときでも正常に動作することが可能になる。したがって、高性能のFECを用いる伝送システムに適用することができ、高品質な通信を実現することが可能になる。
【0116】
次に本発明のPLO装置1を適用した応用装置について説明する。図37は光受信装置を示す図である。光信号の受信を行う光受信装置200は、PLO部201(PLO装置1aに該当)、フォトダイオード202、バッファ203、識別・再生部204から構成される。識別・再生部204は、判別器204a、FF204bを含む。
【0117】
フォトダイオード202は、光信号を電気信号に変換する。PLO部201は電気信号からクロックを再生する。判別器204aは、バッファ203を介して送信された電気信号の“0”、“1”の判別を行い、FF204bは、再生クロックで判別器204aからの出力信号を識別する。
【0118】
図38はクロックデータリカバリ装置を示す図である。入力したデータから、タイミング情報であるクロックを抽出してデータ再生を行うクロックデータリカバリ装置(CDR装置)300は、PLO部301(PLO装置1aに該当)、識別・再生部302、バッファ303から構成される。識別・再生部302は、判別器302a、FF302bを含む。
【0119】
PLO部301はアナログデータからクロックを再生する。再生クロックは、FF302bへ送信され、またバッファ303を介して外部へ出力される。判別器302aは、アナログデータの“0”、“1”の判別を行い、FF302bは、再生クロックで判別器302aからの出力信号を識別する。
【0120】
図39はS/P機能を付加したCDR装置を示す図である。CDR装置300−1は、CDR装置300にS/P機能を付加したものである(16パラレルの場合を示している)。CDR装置300−1は、PLO部301、識別・再生部302、シフトレジスタ(16段)304、FF305、分周回路(1/16)306から構成される。
【0121】
PLO部301はアナログデータからクロックを再生する。再生クロックは、FF302b、シフトレジスタ304へ送信される。判別器302aは、アナログデータの“0”、“1”の判別を行い、FF302bは、再生クロックで判別器302aからの出力信号を識別する。
【0122】
シフトレジスタ304は、再生クロックを受信して、判別器302aからの出力データを16パラレルにし、FF305は分周回路(1/16)306からの分周クロック(再生クロックを1/16にしたもの)より、16パラレルデータを識別して出力する。
【0123】
図40はFECデコーダを示す図である。入力データの誤り訂正処理を行うFECデコーダ400は、図39で上述したCDR装置300−1とFEC部401から構成される。FEC部401は、CDR装置300−1から出力される16パラレルデータと1/16クロックを受信し、データの誤り訂正を行う。
【0124】
なお、本発明のPLO装置1は、低S/N状態でも正常に動作可能であるため、上記で説明した応用装置以外にも、帯域変換を行うトランスポンダや、測定装置、観測装置等、多様な分野に適用することが可能である。
【0125】
以上説明したように、本発明のPLO装置は、第1の電圧検出部に対し、入力データと、入力データを再生クロックでシフトしたシフトデータとによる第1の差分データに関する第1の検出電圧を生成し、第2の電圧検出部に対し、入力データと、入力データを1タイムスロットの半分の時間遅延させた遅延データとによる第2の差分データに関する第2の検出電圧を生成する。そして、第1の検出電圧を第2の検出電圧で割り算して制御電圧を生成し、制御電圧にもとづいて再生クロックを出力する構成とした。これにより、遷移率及びS/Nのパラメータを取り除くことができるので、高精度、高品質なクロック再生を行うことが可能になる。
【0126】
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明のPLO装置の原理図である。
図2は、PLO回路の概略構成を示す図である。
図3は、PLO回路の動作を示すタイムチャートである。
図4は、PLO回路の構成を示す図である。
図5は、PLO回路の構成を示す図である。
図6は、PLO回路の構成を示す図である。
図7は、測定システムの構成を示す図である。
図8は、PLO回路の検出電圧及び制御電圧の測定値を示す図である。
図9は、PLO回路の観測波形を示す図である。
図10は、PLO回路の観測波形を示す図である。
図11は、PLO回路の観測波形を示す図である。
図12は、PLO回路の観測波形を示す図である。
図13は、PLO回路の観測波形を示す図である。
図14は、PLO回路の観測波形を示す図である。
図15は、PLO回路の観測波形を示す図である。
図16は、PLO回路の観測波形を示す図である。
図17は、PLO回路の観測波形を示す図である。
図18は、PLO回路の観測波形を示す図である。
図19は、PLO回路の観測波形を示す図である。
図20は、PLO回路の観測波形を示す図である。
図21は、PLO回路の観測波形を示す図である。
図22は、PLO回路の観測波形を示す図である。
図23は、PLO回路の観測波形を示す図である。
図24は、PLO装置の回路構成を示す図である。
図25は、PLO装置の回路構成を示す図である。
図26は、PLO装置の回路構成を示す図である。
図27は、PLO装置の構成を示す図である。
図28は、PLO装置の検出電圧及び制御電圧の測定値を示す図である。
図29は、PLO装置の観測波形を示す図である。
図30は、PLO装置の観測波形を示す図である。
図31は、PLO装置の観測波形を示す図である。
図32は、PLO装置の観測波形を示す図である。
図33は、PLO装置の観測波形を示す図である。
図34は、OSNRを変化させた場合のQ値を示す図である。
図35は、Q値とエラーレートの換算表を示す図である。
図36は、PLO装置の変形例を示す図である。
図37は、光受信装置を示す図である。
図38は、クロックデータリカバリ装置を示す図である。
図39は、S/P機能を付加したCDR装置を示す図である。
図40は、FECデコーダを示す図である。
図41は、従来のPLO回路の構成を示す図である。
図42は、PLO回路の動作を示すタイムチャートである。
図43は、制御電圧と位相差の関係を示す図である。
図44は、クロック位相変化及び同期外れが生じる様子を示す図である。
Claims (5)
- 入力信号からクロックの再生を行うPLO装置において、
入力データを再生クロックでシフトしてシフトデータを生成するシフトデータ生成部と、前記入力データと前記シフトデータとの位相比較を行って、第1の差分データを出力する第1の位相比較部と、前記第1の差分データから交流成分を除去して、前記入力データと前記シフトデータとの位相差のパラメータを含み、かつ遷移率及びS/Nのパラメータを含む第1の検出電圧を出力する第1のフィルタと、から構成される第1の電圧検出部と、
前記入力データに対し、1タイムスロットの半分の時間をアナログ遅延素子により遅延させることで、S/Nのパラメータを含む遅延データを出力する遅延部と、前記入力データと前記遅延データとの位相比較を行って、第2の差分データを出力する第2の位相比較部と、前記第2の差分データから交流成分を除去して、遷移率及びS/Nのパラメータを含む第2の検出電圧を出力する第2のフィルタと、から構成される第2の電圧検出部と、
前記第1の検出電圧を前記第2の検出電圧で割り算して、遷移率及びS/Nのパラメータを除去し、遷移率及びS/Nのパラメータに依存しない制御電圧を生成する演算部と、
前記制御電圧にもとづいて発振周波数を変えて、前記再生クロックを出力するクロック発振部と、
を有することを特徴とするPLO装置。 - 光信号の受信を行う光受信装置において、
光信号を電気信号に変換する光/電気変換部と、
前記電気信号である入力データを再生クロックでシフトしてシフトデータを生成するシフトデータ生成部と、前記入力データと前記シフトデータとの位相比較を行って、第1の差分データを出力する第1の位相比較部と、前記第1の差分データから交流成分を除去して、前記入力データと前記シフトデータとの位相差のパラメータを含み、かつ遷移率及びS/Nのパラメータを含む第1の検出電圧を出力する第1のフィルタと、から構成される第1の電圧検出部と、前記入力データに対し、1タイムスロットの半分の時間をアナログ遅延素子により遅延させることで、S/Nのパラメータを含む遅延データを出力する遅延部と、前記入力データと前記遅延データとの位相比較を行って、第2の差分データを出力する第2の位相比較部と、前記第2の差分データから交流成分を除去して、遷移率及びS/Nのパラメータを含む第2の検出電圧を出力する第2のフィルタと、から構成される第2の電圧検出部と、前記第1の検出電圧を前記第2の検出電圧で割り算して、遷移率及びS/Nのパラメータを除去し、遷移率及びS/Nのパラメータに依存しない制御電圧を生成する演算部と、前記制御電圧にもとづいて発振周波数を変えて、前記再生クロックを出力するクロック発振部と、から構成されるPLO部と、
前記再生クロックにもとづいて、前記電気信号のデータ情報を識別・再生する識別・再生部と、
を有することを特徴とする光受信装置。 - 入力データから、タイミング情報であるクロックを抽出してデータ再生を行うクロックデータリカバリ装置において、
入力データを再生クロックでシフトしてシフトデータを生成するシフトデータ生成部と、前記入力データと前記シフトデータとの位相比較を行って、第1の差分データを出力する第1の位相比較部と、前記第1の差分データから交流成分を除去して、前記入力データと前記シフトデータとの位相差のパラメータを含み、かつ遷移率及びS/Nのパラメータを含む第1の検出電圧を出力する第1のフィルタと、から構成される第1の電圧検出部と、前記入力データに対し、1タイムスロットの半分の時間をアナログ遅延素子により遅延させることで、S/Nのパラメータを含む遅延データを出力する遅延部と、前記入力データと前記遅延データとの位相比較を行って、第2の差分データを出力する第2の位相比較部と、前記第2の差分データから交流成分を除去して、遷移率及びS/Nのパラメータを含む第2の検出電圧を出力する第2のフィルタと、から構成される第2の電圧検出部と、前記第1の検出電圧を前記第2の検出電圧で割り算して、遷移率及びS/Nのパラメータ を除去し、遷移率及びS/Nのパラメータに依存しない制御電圧を生成する演算部と、前記制御電圧にもとづいて発振周波数を変えて、前記再生クロックを出力するクロック発振部と、から構成されるPLO部と、
前記再生クロックにもとづいて、前記入力データを識別・再生する識別・再生部と、
を有することを特徴とするクロックデータリカバリ装置。 - 入力データの誤り訂正処理を行うFECデコーダにおいて、
入力データを再生クロックでシフトしてシフトデータを生成するシフトデータ生成部と、前記入力データと前記シフトデータとの位相比較を行って、第1の差分データを出力する第1の位相比較部と、前記第1の差分データから交流成分を除去して、前記入力データと前記シフトデータとの位相差のパラメータを含み、かつ遷移率及びS/Nのパラメータを含む第1の検出電圧を出力する第1のフィルタと、から構成される第1の電圧検出部と、前記入力データに対し、1タイムスロットの半分の時間をアナログ遅延素子により遅延させることで、S/Nのパラメータを含む遅延データを出力する遅延部と、前記入力データと前記遅延データとの位相比較を行って、第2の差分データを出力する第2の位相比較部と、前記第2の差分データから交流成分を除去して、遷移率及びS/Nのパラメータを含む第2の検出電圧を出力する第2のフィルタと、から構成される第2の電圧検出部と、前記第1の検出電圧を前記第2の検出電圧で割り算して、遷移率及びS/Nのパラメータを除去し、遷移率及びS/Nのパラメータに依存しない制御電圧を生成する演算部と、前記制御電圧にもとづいて発振周波数を変えて、前記再生クロックを出力するクロック発振部と、から構成されるPLO部と、前記再生クロックにもとづいて、前記入力データを識別・再生する識別・再生部と、から構成されるクロックデータリカバリ部と、
識別・再生されたデータの誤り訂正処理を行うFEC部と、
を有することを特徴とするFECデコーダ。 - 入力信号からクロックの再生を行う位相同期ループ方法において、
入力データを再生クロックでシフトしてシフトデータを生成し、
前記入力データと前記シフトデータとの位相比較を行って、第1の差分データを生成し、
前記第1の差分データから交流成分を除去して、前記入力データと前記シフトデータとの位相差のパラメータを含み、かつ遷移率及びS/Nのパラメータを含む第1の検出電圧を生成し、
前記入力データに対し、1タイムスロットの半分の時間をアナログ遅延素子により遅延させることで、S/Nのパラメータを含む遅延データを生成し、
前記入力データと前記遅延データとの位相比較を行って、第2の差分データを生成し、
前記第2の差分データから交流成分を除去して、遷移率及びS/Nのパラメータを含む第2の検出電圧を生成し、
前記第1の検出電圧を前記第2の検出電圧で割り算して、遷移率及びS/Nのパラメータを除去し、遷移率及びS/Nのパラメータに依存しない制御電圧を生成し、
遷移率及びS/Nのパラメータに依存しない前記制御電圧にもとづいて発振周波数を変えて、前記再生クロックを生成することを特徴とする位相同期ループ方法。
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