JP3840773B2 - 通風路切替装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的に言って、空気が流れる通風路の切替装置に関するもので、例えば、車両用空調装置の吹出モード切替装置に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用空調装置等に用いられる通風路切替装置において、空気流れを切り替えるドアとしてバタフライドアを用いるタイプのものでは、ドア本体部の側面端部の中央部に回転軸を備え、通風路を形成するケースに対してドア本体部を前記回転軸により回転可能に支持する構成となっている。
【0003】
このようなバタフライドアの回転軸回りにおける風洩れを防ぐためのシール手段として、実用新案登録第2505278号公報、米国特許第4、402、486号明細書に記載されたものがある。
前者の従来技術では、ドア本体部の周縁部に設けられたゴム等の弾性材からなるシール材に上記回転軸回りで鍔状に突出する突出部を形成して、この突出部をケース内壁面に押し当てて、回転軸回りのシールを行うようにしている。また、後者の従来技術では、ドア本体部の周縁部に設けられたゴム等の弾性材からなるシール材に、上記回転軸回りで先細りの円筒形状をなす円筒部を形成して、この先細り円筒部の先端小径部をケース内壁の円筒突出部の外周面に嵌合し圧着して、回転軸回りのシールを行うようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の従来技術では、シール材の鍔状突出部が常時ケース内壁面に押し当てられて摺動するとともに、シール材がゴムのような摩擦係数の大きい弾性体から構成されているので、摺動摩擦力が大きくなって、ドア操作力が増大するという不具合がある。また、ドア軸方向の全長寸法とケース寸法との間の製造公差等によるドア軸方向の寸法ガタにより鍔状突出部のケース内壁に対する接触不良(シール不良)が発生して、回転軸回りで風洩れが発生する場合があった。
【0005】
また、後者の従来技術でも、シール材の先細り円筒部の先端小径部がケース内壁の円筒突出部の外周面に圧着して摺動するので、やはりドア操作力が増大するという不具合がある。また、後者の従来技術では弾性材からなるシール材に先細り円筒部を形成しているが、この先細り円筒部がゴム等の弾性材であるため、円筒部を真円形状に保持することが困難であり、その結果、先細り円筒部をケース内壁の円筒突出部の外周面に嵌合する作業が困難となり、組付作業性が悪いという不具合がある。
【0006】
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、バタフライドアを用いる通風路切替装置において、ドア本体部の回転軸回りのシール機能の確保と、ドア操作力の低減とを両立させることを目的とする。
また、本発明は通風路切替装置における組付作業性の向上を図ることを他の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1〜3記載の発明では、バタフライドア(19、20)の回転軸(101)の一端部に、回転軸(101)に操作力を加えるための操作部材(116)を連結するとともに、バタフライドア(19、20)のドア本体部(100)のうち、回転軸(101)の一端部(107)の外周側の部位に、同心状に第1円筒部(110)を設け、ケース(11)には、ドア本体部(100)側へ向かって突出する第2円筒部(113)を設け、この第2円筒部(113)を、第1円筒部(110)の内周側およびシール材(102)の端部(102c)に対して微小隙間(X)を介して嵌合させることを特徴としている。
【0008】
これによると、微小隙間(X)を介在した無接触の嵌合シール機構にて、回転軸(101)の一端部(107)周囲のシール作用を発揮できる。そのため、バタフライドア(19、20)の操作時に、摩擦係数の大きい弾性体による摺動摩擦力が発生せず、バタフライドア(19、20)の操作力を低減できる。
しかも、第1円筒部(110)と第2円筒部(113)との軸方向の嵌合長さを所定長さに設定することにより、組付の寸法公差の存在にかかわらず、嵌合シール機構によるシール作用を確実に確保できるので、従来技術のような寸法公差によるシール不良が発生しない。
【0009】
さらに、ゴムのような弾性体からなる円筒形状の嵌合部を備えていないので、従来技術に比して組付作業性も向上できるという利点がある。
請求項2記載の発明では、回転軸(101)の一端部を、連結穴(109)を有する凹状端部(107)として構成し、操作部材(116)に軸部(117)を設け、この軸部(117)を連結穴(109)に挿入して凹状端部(107)に操作部材(116)を連結するとともに、操作部材(116)には、軸部(117)の外周側に同心状に突出する第3円筒部(118)を設け、この第3円筒部(118)をケース(11)に設けた軸受手段(120、121)により回転可能に嵌合支持することを特徴としている。
【0010】
これによると、請求項2記載の発明では、回転軸(101)の一端部に構成した凹状端部(107)に操作部材(116)を連結するタイプのものにおいて、請求項1による作用効果を良好に発揮できる。
また、請求項3記載の発明では、回転軸(101)の一端部を、軸部(125)を有する凸状端部(108)として構成し、軸部(125)をケース(11)に設けた軸受手段(120、121)により回転可能に嵌合支持するとともに、操作部材(116)に連結穴(127)を設け、この連結穴(127)に、凸状端部(108)の軸部(125)の先端側に位置する連結部(126)を挿入して凸状端部(108)に操作部材(116)を連結することを特徴としている。
【0011】
これによると、請求項3記載の発明では、回転軸(101)の一端部に構成した凸状端部(108)に操作部材(116)を連結するタイプのものにおいて、請求項1による作用効果を良好に発揮できる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
最初に、本発明を適用する車両用空調装置の概要を図1により説明すると、図1は車両の車室内前方部に配置される計器盤(図示せず)の車両幅方向の略中央位置に配置されるセンタ置きの空調ユニット10部を示しており、車両の上下、前後に対して図示の形態で空調ユニット10が搭載される。
【0013】
車室内の助手席側にオフセット配置された送風機ユニット(図示せず)の出口部が空調ユニット10の樹脂製ケース11の最前部の空気入口部11aに接続されるので、送風機ユニットからの送風空気はこの空気入口部11aに流入する。そして、この流入空気は冷凍サイクルの冷房用蒸発器12で冷却された後に、温水(エンジン冷却水)を熱源とする暖房用ヒータコア13で再加熱されて温度調整される。
【0014】
ここで、板状のエアミックスドア15は回転軸15aにより回転可能となっており、このエアミックスドア15の回動位置の選択により、暖房用ヒータコア13を通過する温風と、バイパス路14を通過する冷風との風量割合を調整することができ、これにより、上記の温度調整を行うことができる。そして、この温度調整された空気は、乗員頭部への空気吹出のためのフェイス吹出開口部16と、車両窓ガラス内面への空気吹出のためのデフロスタ吹出開口部17と、乗員足元部への空気吹出のためのフット吹出開口部18のいずれか1つまたは複数に流入する。
【0015】
これらの各吹出開口部16〜18への空気流れの切替は、それぞれ吹出モードドア19〜21により行う。この吹出モードドア19〜21のうち、フェイス、デフロスタ用のドア19、20は以下説明する図2(または後述の図11)に示すバタフライドアから構成されている。
図2〜図8は第1実施形態によるシールリブタイプのバタフライドア19、20を示すものであって、ドア19、20は、長方形の平面形状を持つドア本体部100を有し、このドア本体部100は樹脂等の材料からなる剛性の高い部分(換言すると、非弾性体部分)を構成する。そして、ドア本体部100の短辺方向(図3参照)の中央部に回転軸101を一体に成形している。
【0016】
ドア本体部100の外周縁部に図3に示すようにゴム等の弾性体からなるシール材102を額縁状に固着している。ここで、ドア本体部100とシール材102との固着は、例えば、次のごとき一体成形で行うことができる。ドア本体部100を成形する成形型内の所定部位に、シール材102を構成するゴム材料を前もって挿入しておき、その後に、成形型内に樹脂材料を射出して成形することにより、ドア本体部100とシール材102とを一体成形にて固着できる。
【0017】
なお、ドア19、20のドア本体部100を構成する樹脂材料としては、ポリプロピレン、ナイロン、ABS等の樹脂が好適であり、ガラス繊維等のフィラーを混入して強度アップを図るようにしてもよい。また、シール材102の材質としては、ゴム、シリコンゴム、サーモプラスティクエラストマー(TPE)等の弾性体が好適である。また、ケース11の樹脂材料としては、上記ドア本体部100と同種の樹脂を用いることができる。
【0018】
一方、ケース11の吹出開口部16、17には、鋭角状の傾斜面103、104を持つドア当たり面105、106を突出形成している。このドア当たり面105、106の傾斜面103、104に、それぞれドア本体部100のシール材102の外周部分102aを圧着することにより、ドア本体部100の外周部分をケース11に対してシールすることができる。
【0019】
なお、図4は、図2のA部拡大図で、シール材102の外周部分102aが傾斜面104に圧着した状態を示す。傾斜面103、104の形成は、シール材102の接触部の面圧を高めてシール効果を高めるためである。
また、ドア本体部100の側面端部においても、中央部の回転軸101周囲を除く他の部位では、シール材102の側面部分102b(図3参照)がケース11の吹出開口部16、17の側壁部のドア当たり面114、115(後述の図6参照)に圧着することにより、ドア本体部100の側面端部をシールする。
【0020】
バタフライドア19、20のドア本体部100の回転軸101は、本例では、図3に示すように一端側Bに凹状端部107を有し、他端側Cに凸状端部108を有している。この回転軸101の凹状端部107側のシール構造を本実施形態では特徴としており、この凹状端部107側のシール構造を図5〜7に拡大図示している。
【0021】
図5〜7において、回転軸101の凹状端部107は他の部位より外径を大きくして連結穴109を形成している。この連結穴109は回転軸101の軸方向の一端側Bに開口し、所定深さの位置に底部を持つ形状で、かつ、円形の円周方向の一部に平坦面を持つ断面D形状になっている。
そして、凹状端部107の開口端面部には外周側と内周側の2重の円筒部110、111を形成して、この両円筒部110、111の間に環状凹溝112を形成している。
【0022】
一方、ケース11の吹出開口部16、17の側壁部には、内側へ突出する円筒部113が一体成形されており、この円筒部113の径方向の左右両側にはケース内側へ突出するドア当たり面114、115が一体成形されている。なお、図6の断面図において、t0 はケース11の側壁部の肉厚を示し、t1 はドア当たり面114、115のケース内側への突出量を示している。
【0023】
このドア当たり面114、115は、図6の断面図示から理解されるように、シール材102の側面部分102bに対して互い違いに配置されている。すなわち、図6の左側のドア当たり面114はシール材102の側面部分102bの下側に位置し、右側のドア当たり面115はシール材102の側面部分102bの上側に位置するように配置されている。また、この両ドア当たり面114、115にも、図2の傾斜面103、104と同様の傾斜面を形成してシール効果を高めるようにしてある。
【0024】
上記ケース11の円筒部113の先端部は、回転軸101の環状凹溝112内に嵌入するようになっている。この際、ケース11の円筒部113の内径は、図6、7に示すように、回転軸101の内周側円筒部111の外径との間には十分大きな隙間を介在するように設定してある。これに対し、ケース11の円筒部113の外径は、図7に示すように、回転軸101の外周側円筒部110の内径およびシール材102の側面部分102bの端部102cとの間に微小隙間Xを常に保持するように設定してある。
【0025】
このためには、各部品の製造上の寸法公差を考慮して、微小隙間Xの大きさを設定する必要があり、本発明者の検討によると、微小隙間Xは0.1〜0.4mm、好ましくは、0.1〜0.2mm程度にするのがよい。また、この微小隙間Xによる、円筒部113と外周側円筒部110との嵌合部の軸方向長さLは、シール効果確保のために1〜4mm、好ましくは、2〜3mm程度にするのがよい。
【0026】
一方、図6、7において、116はドア駆動用リンク機構のリンク部材(操作部材)であり、ポリアセタール等の樹脂で成形されており、軸部117が一体成形されている。この軸部117の形状は回転軸101の凹状端部107の連結穴109の断面形状に対応した断面D形状に成形されており、そして、軸部117を連結穴109内に圧入することにより、リンク部材116を凹状端部107に回り止めして連結できる。
【0027】
また、リンク部材116のうち、軸部117の外周側の部位に同心状に円筒部118が成形され、さらにこの円筒部118の先端側に弾性変形可能な係止片119が複数個(例えば4個)に分割して一体成形されている。ケース11の円筒部113の根元部にはこの円筒部113より小径の軸受穴120を持つ軸受部121が形成してある。そして、この軸受穴120によりリンク部材116の円筒部118を回転自在に嵌合支持するとともに、軸受部121の端面部(段差面)に係止片119の爪部を係止している。
【0028】
これにより、回転軸101の凹状端部107をリンク部材116を介してケース11の軸受部121により回転自在に支持するとともに、リンク部材116をケース11の軸受部121の端面部に抜け止め係止できる。なお、リンク部材116は、図示しないリンク機構等を介して車両用空調装置の操作パネルの手動操作機構またはモータ等によるアクチュエータ機構に連結されて、回転駆動される。
【0029】
図8は、ドア本体部100の回転軸101の他端側Cに形成された凸状端部108の支持機構を示すもので、ケース11の吹出開口部16、17の側壁部に外方へ円筒状に突出する軸受部122を一体成形しており、この円筒状の軸受部122は底部を持った形状であるから、ケース11の側壁部は閉じたままであり、外部への開口部はない。そして、この軸受部122内に回転軸101の凸状端部108を挿入して回転自在に支持している。
【0030】
また、ケース11の吹出開口部16、17の側壁部には、軸受部122の径方向の左右両側にケース内側へ突出するドア当たり面123、124が一体成形されている。このドア当たり面123、124は、前述の凹状端部107側のドア当たり面114、115と同様に、シール材102の側面部分102bに対して互い違いに配置されている。
【0031】
すなわち、図8の右側のドア当たり面123はシール材102の側面部分102bの下側に位置し、左側のドア当たり面124はシール材102の側面部分102bの上側に位置するように配置されている。また、この両ドア当たり面123、124にも、図2の傾斜面103、104と同様の傾斜面を形成してシール効果を高めるようにしてある。
【0032】
なお、シール材102の側面部分102bはドア本体部100だけでなく、回転軸101の凸状端部108の外周面上にも一体に固着されている。
次に、上記構成において作動を説明する。図2はバタフライドア19、20の開放状態を示しており、いま、この開放状態からリンク部材116によって回転軸101に回転方向の操作力を加えて、バタフライドア19、20を図2の反時計方向に所定角度回転させる。これにより、バタフライドア19、20のシール部材102の外周部分102aがケース11の吹出開口部16、17のドア当たり面105、106の傾斜面103、104に圧着することにより、ドア本体部100の外周部分をケース11に対してシールすることができる。
【0033】
また、バタフライドア19、20のシール部材102の側面部分102bがケース11の吹出開口部16、17の側壁部のドア当たり面114、115に圧着することにより、ドア本体部100の側面端部をシールすることができる。
さらに、回転軸101の周囲においては、ケース11の円筒部113の先端部を、回転軸101の環状凹溝112内に嵌入するとともに、ケース11の円筒部113の外径と、回転軸101の外周側円筒部110の内径およびシール材102の側面部分102bの端部102cとを、微小隙間Xを介在して、嵌合している。ここで、微小隙間Xは、前述したように、0.1〜0.4mm程度の微小なものであり、かつ、この微小隙間Xによる、円筒部113と外周側円筒部110との嵌合部の長さLは1〜4mm程度の長さに設定しているので、この微小隙間Xにおける風洩れはほとんどない。
【0034】
従って、リンク部材116の設置に伴ってケース11の側壁部に軸受穴120による開口部が形成されていても、上記微小隙間Xによる嵌合部のシール効果によりケース11内外の間の風洩れを良好に防止できる。
しかも、ゴム等の弾性体からなるシール材102がケース11側に接触しながら摺動することがないいため、摩擦係数の大きい弾性体の摺動によるドア操作力の増大という不具合が発生しない。
【0035】
なお、ケース11の円筒部113の軸受穴120によりリンク部材116の円筒部118を回転自在に嵌合支持しているので、この嵌合支持部では摺動摩擦が発生するが、この嵌合支持部では、摩擦係数の小さい非弾性体同志の摺動であるから、ドア操作力の増大は僅少値に抑えることができる。同様に、回転軸101の凸状端部108と、軸受部122との間も摩擦係数の小さい非弾性体同志の摺動であるから、ドア操作力の増大は僅少値に抑えることができる。
【0036】
(第2実施形態)
図9、図10は第2実施形態であり、第1実施形態では、回転軸101の一端側Bに凹状端部107を形成して、この凹状端部107の連結穴107にリンク部材116の軸部117を連結しているが、第2実施形態では、回転軸101の他端側Cだけでなく、一端側Bでも凸状端部108とし、回転軸101の一端側Bの凸状端部108に円柱状の軸部125を設けて、この軸部125をケース11の円筒部113の根元部に形成した軸受部121の軸受穴120により回転自在に嵌合支持するとともに、この一端側Bの凸状端部108の先端部をケース11の外部へ突出させている。
【0037】
一端側Bの凸状端部108において、この外部への突出部分には平坦面126a(図9)を持つ断面D状の連結部126を形成している。一方、ドア駆動用リンク機構のリンク部材116には、連結部126の断面形状に対応した断面D形状の連結穴127が形成してあり、この連結穴127に断面D状の連結部126を圧入することにより、リンク部材116を凸状端部108に回り止めして連結している。
【0038】
図10の断面図には図示していないが、第2実施形態においても、ケース11の円筒部113の内径を、凸状端部108の軸部125の外径との間に十分大きな隙間を介在するように設定する一方、ケース11の円筒部113の外径は、回転軸101の円筒部110の内径およびシール材102の側面部分102bの端部102cとの間に微小隙間X(図7参照)を常に保持するように設定してある。この微小隙間Xの大きさ、および微小隙間Xによる、円筒部113と円筒部110との嵌合部の長さLは前述の第1実施形態と同じでよい。
【0039】
第2実施形態によると、リンク部材116の連結穴127と回転軸101の凸状端部108とを連結する連結構造を構成しているが、ケース11の円筒部113の外径と、回転軸101の円筒部110の内径およびシール材102の側面部分102bの端部102cとの間に微小隙間X(図7参照)を常に保持する非接触のシール機構を構成することにより、前述の第1実施形態と同じ作用効果を発揮できる。
【0040】
なお、上記以外の点では、第2実施形態は第1実施形態と同じであるので、説明を省略する。
(第3実施形態)
図11は第3実施形態によるシールリブタイプのバタフライドアであって、ドア19、20は、平板状のドア本体部100を有し、このドア本体部100は樹脂等の材料からなる剛性の高い部分(非弾性体部分)を構成し、そして、ドア本体部100の中央部に回転軸101を一体に成形するとともに、この回転軸101の両端部をドア本体部100の側面端部から突出させている。
【0041】
さらに、回転軸101部分を境として、ドア本体部100の一面側の半分と他面側の半分にそれぞれゴム等の弾性体からなるシール材102、102を固着している。
一方、ケース11の吹出開口部16、17には、鋭角状の突起からなるシールリブ128、129を逆方向に突出させたドア当たり面130、131を形成している。このドア当たり面130、131のシールリブ128、129に、それぞれドア本体部100の一面側のシール材102と他面側のシール材102を圧着することにより、ドア本体部100とドア当たり面130、131との間のシールを確保する。
【0042】
本発明はこのようなシールリブタイプのバタフライドアにも適用可能であり、このシールリブタイプのバタフライドアにおいて、回転軸101のうち、リンク部材116と連結される凹状端部107もしくは凸状端部108に円筒部110を形成し、この円筒部110およびシール材102の側面部分102bの端部102cと、ケース11に形成した円筒部11の外径との間に、微小隙間X(図7参照)を常に保持する非接触のシール機構を構成すればよい。
【0043】
なお、本発明は、車両用空調装置以外の用途においても、通風路切替装置として広く適用可能であることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する車両用空調装置の概略構成を示す破断斜視図である。
【図2】図1におけるバタフライドアを例示する要部断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態によるバタフライドアの平面図である。
【図4】図2のA部拡大図である。
【図5】本発明の第1実施形態の要部の分解斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態の要部断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態の要部の拡大断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態の要部断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態の要部の分解斜視図である。
【図10】本発明の第2実施形態の要部断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態によるバタフライドアを示す要部断面図である。
【符号の説明】
11…ケース、19、20…バタフライドア、100…ドア本体部、
101…回転軸、102…シール材、107…凹状端部、108…凸状端部、
110、113、118…円筒部、116…リンク部材(操作部材)、
120…軸受穴、121…軸受部、X…微小隙間。
Claims (3)
- 通風路を形成するケース(11)と、
このケース(11)内に回転可能に配設され、空気流れを切り替えるドア(19、20)とを備え、
このドア(19、20)を、空気流れの切替作用を果たすドア本体部(100)と、このドア本体部(100)の中央部に設けられた回転軸(101)と、前記ドア本体部(100)に設けられ、弾性体からなるシール材(102)とを有するバタフライドアにより構成する通風路切替装置において、
前記回転軸(101)の一端部(107)に前記回転軸(101)に操作力を加えるための操作部材(116)を連結し、
前記ドア本体部(100)のうち、前記回転軸(101)の一端部(107)の外周側の部位に、同心状に第1円筒部(110)を設け、
前記ケース(11)には、前記ドア本体部(100)側へ向かって突出する第2円筒部(113)を設け、
この第2円筒部(113)を、前記第1円筒部(110)の内周側および前記シール材(102)の端部(102c)に対して微小隙間(X)を介して嵌合させることを特徴とする通風路切替装置。 - 前記回転軸(101)の一端部を、連結穴(109)を有する凹状端部(107)として構成し、
前記操作部材(116)に軸部(117)を設け、この軸部(117)を前記連結穴(109)に挿入して前記凹状端部(107)に前記操作部材(116)を連結するとともに、
前記操作部材(116)には、前記軸部(117)の外周側に同心状に突出する第3円筒部(118)を設け、この第3円筒部(118)を前記ケース(11)に設けた軸受手段(120、121)により回転可能に嵌合支持することを特徴とする請求項1に記載の通風路切替装置。 - 前記回転軸(101)の一端部を、軸部(125)を有する凸状端部(108)として構成し、前記軸部(125)を前記ケース(11)に設けた軸受手段(120、121)により回転可能に嵌合支持するとともに、
前記操作部材(116)に連結穴(127)を設け、この連結穴(127)に、前記凸状端部(108)の軸部(125)の先端側に位置する連結部(126)を挿入して前記凸状端部(108)に前記操作部材(116)を連結することを特徴とする請求項1に記載の通風路切替装置。
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