JP3839074B2 - 逆流洗浄式フィルタ - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、逆流洗浄式フィルタであって、フィルタケーシング内に互いに円形に配置されて長手方向に汚濁液によって貫流されるフィルタエレメントを有しており、フィルタエレメントがフィルタ入口と接続されていて、かつ個別若しくはグループ毎に逆流洗浄するために一方の端部で、ろ滓流出部に接続され回転駆動部によって駆動可能な洗浄部材に接続されるようになっている形式のものに関する。
【０００２】
【従来の技術】
前記形式の公知の逆流洗浄式フィルタ（ドイツ連邦共和国特許出願公開第４０３００８４号公報）において使用されるフィルタエレメントは、一方の端部で汚濁液側に対して開いていて、かつ他方の端部で１つのリング溝を介して互いに接続されるようになっている。このような公知の逆流洗浄式フィルタのフィルタエレメントは、ろ過運転時に、開いた端部からリング溝に向かって流過されるようになっている。逆流洗浄運転時には少なくとも１つのフィルタエレメントが洗浄部材に接続され、その結果、リング溝内に達する汚濁液が残りのフィルタエレメントから大きな速度でろ過方向に対して逆流して、ろ過しようとするフィルタエレメントを通ってろ滓流出口へ流れて、分離された汚れをフィルタ内側から連行する。
【０００３】
然し乍ら前記公知の逆流洗浄式フィルタにおいては欠点として、圧力損失が特に、小さいフィルタエレメントの使用に際して比較的に大きい。さらに、フィルタエレメントの、リング溝の範囲を汚れでふさいでしまうおそれがあり、それというのは前記範囲で汚濁液の流速が小さいからである。個々のフィルタエレメントの逆流洗浄のために汚濁液が用いられ、このような汚濁液は特に汚されていて、それというのは別のフィルタエレメントを通して導かれるからであり、従って汚れ濃度が流入液体に比べて高まっている。効果のある逆流洗浄を行うために比較的多量の汚濁液が必要である。
【０００４】
【発明の課題】
本発明の課題は、冒頭に述べた形式の逆流洗浄式フィルタを改善して、小さいフィルタ寸法で高いろ過能力並びに個々のフィルタエレメントの特に効果的な逆流洗浄を可能にし、かつ汚れの堆積に基づくフィルタエレメントの閉塞のおそれを避けることである。
【０００５】
【発明の構成】
前記課題を解決するために本発明の構成では、フィルタエレメントが逆流洗浄に際して洗浄部材と逆の側の入口端部を単数若しくは複数の絞り部材で被われて、該入口端部から、ろ過しようとする汚濁液は前記絞り部材による絞りに基づき圧力の低下された状態で前記フィルタエレメント内に流入し、かつ該フィルタエレメントを取り囲むろ液室からろ液が前記フィルタエレメントの内部に流れるようになっている。
【０００６】
【発明の利点】
本発明の前記構成により、逆流洗浄しようとするフィルタエレメント内の圧力レベルが正確に調節でき、その結果、汚濁液によって流過されるフィルタエレメントの内部の圧力がフィルタエレメントの全長に亙って、フィルタエレメントを取り囲むろ液室内の圧力よりも確実に低くなる。従って、逆流洗浄に際してフィルタエレメントのどの箇所でも汚れがろ過方向でフィルタエレメントを通して押し通されるのではなく、ろ液がフィルタエレメントの内部へ逆流される。洗浄部材と１つのフィルタエレメントの一方の端部との接続によって、該フィルタエレメントが乱流から成る横流の形で、即ちろ過方向に対して横方向にフィルタエレメントを通って流れるまだろ過されない液体によって特に効果的に洗浄される。逆流洗浄に際してフィルタエレメントの内部に生じる低い圧力レベルに基づき、フィルタエレメントの、横流として流れる汚濁液によるクリーニングがさらにフィルタエレメント内部に逆流するろ液によって改善される。従って、フィルタエレメントの著しく効果的な逆流洗浄がわずかな逆流洗浄液量でも可能である。
【０００８】
絞り部材が有利には絞り円板から成っており、絞り円板がフィルタエレメントの、洗浄部材と逆の側の入口端部に対する所定の距離に位置していて該入口端部と一緒にリング間隙を形成している。このような構成は構造が特に簡単でかつ整備が不要である。絞り円板から成る絞り部材がフィルタエレメントの入口端部に対する所定の距離に位置しているので、この箇所での費用のかかるシール面若しくは類似のものが省略される。特に有利には、絞り部材がフィルタエレメントの入口端部に対する所定の距離を調節できるようになっている。これによって、流入横断面及び圧力レベルが正確に調節できる。絞り部材と洗浄部材とが有利には一緒に、フィルタケーシングの内部に配置された共通の１つの回転軸に取り付けられている。従って、洗浄部材と絞り部材とが互いに一緒に回転され、かつ洗浄しようとするフィルタエレメントに対して調節される。
【０００９】
フィルタエレメントが互いに同心的な少なくとも２つの円上に配置されている場合には、多数のフィルタエレメントを比較的小さいスペースに配置することができ、これによってその都度、大部分のフィルタエレメントがろ過作用を生ぜしめ、即ちろ過運転されるのに対して、１つ若しくは少数のフィルタエレメントのみが常に逆流洗浄される。従って、逆流洗浄による大きな圧力崩壊が避けられ、逆流洗浄のために必要な液体の量がフィルタの全通過量に比べてわずかに維持される。
【００１０】
特に有利な構成では、フィルタケーシングが第１の流入室及び該流入室に接続管路を介して接続された第２の流入室を有している。接続管路は有利には、フィルタエレメントによって描かれた円の中心に配置されており、これによって特にコンパクトなフィルタ構造が得られる。さらに有利にはフィルタエレメントが直線的に延びる両側の開かれたフィルタキャンドルから成っており、フィルタキャンドルが第１の孔付きリングプレートと第２の孔付きリングプレートとの間に配置されており、孔付きリングプレートが各フィルタキャンドルに対して汚濁液流出のための１つの孔を有している。このような構成においては、フィルタエレメントがフィルタケーシングカバーの取り外しの後に孔付きリングプレートのそれぞれの孔から長手方向に引き抜くことによって容易に交換できる。フィルタキャンドルのユニット全体を孔付きリングプレートと一緒にフィルタから取り出して、フィルタキャンドルの新たなユニットと交換することも可能である。一方の孔付きリングプレートが有利には１つの孔付きリングプレートが洗浄部材のための制御鏡面を形成しており、洗浄部材が制御鏡面上を滑動する少なくとも１つの接続片を備えており、孔付きリングプレートの孔が洗浄部材の回転運動中に交互にろ滓流過通路（回転軸又は中空軸）に接続されるようになっている。このような構成は、洗浄しようとするそれぞれのフィルタエレメントと洗浄部材との間の密接な接続を簡単な形式で可能にしていて、特に摩耗が少なくかつ保守が不要である。
【００１１】
洗浄部材が半径方向の少なくとも２つの洗浄アームを有している場合には、一方の洗浄アームが逆流洗浄のために外側の円上のフィルタキャンドルを制御しかつ他方の洗浄アームが内側の円上のフィルタキャンドルを制御するようになっており、これによって内側の円及び外側の円上の個々のフィルタエレメントがもっぱら１つの逆流洗浄装置によって逆流洗浄できる。この場合、内側の円上のフィルタエレメント及び外側の円上のフィルタエレメントを同時にクリーニングすることも有利である。洗浄部材のための回転軸が有利には中空軸として構成されてろ滓流過通路を形成している。これによって、所要スペースがわずかになり、回転可能な洗浄部材と定置のろ滓捕集流過通路との間の費用のかかるシール接続が避けられる。ろ滓流過通路がろ滓捕集室内で後置接続フィルタ若しくはフィルタメッシュに向かって開口しており、逆流洗浄の後にろ滓内にある粗い汚れ、例えば粗い繊維が後置接続フィルタ若しくはフィルタメッシュによって引き留められ、ろ滓が後方に接続されたろ滓処理装置に導かれる。後置接続フィルタ若しくはフィルタメッシュはが円筒形のフィルタ面を有しており、該フィルタ面が内側から外側へ流過されるようになっている。有利にはフィルタ面の内側にクリーニング装置を配設してあり、クリーニング装置が洗浄部材の回転軸に回動不能に結合されている。洗浄部材の回転に際してクリーニング装置がフィルタ面の内側に沿って走行して、フィルタ面から粗い汚れを離し、次いで離された粗い汚れがセパレートな粗粒子排出装置を介してろ滓捕集室から除去される。この場合に特に有利には、クリーニング装置がろ滓洗浄ノズルを備えており、ろ滓洗浄ノズルがろ滓流過通路に接続されていて、ろ滓によって負荷されるようになっている。ろ滓洗浄ノズルは円筒形のフィルタ面に対してほぼ接線方向に向けられており、従ってフィルタ面が付着する汚れをクリーニング装置によって機械的にもかつ液力的にもクリーニングして除去される。
【００１２】
本発明に基づく逆流洗浄式フィルタのためのフィルタエレメントとして、それ自体公知のプレート形フィルタキャンドル(Spaltfilterkerze)も用いられる。然し乍ら特に有利には、長手方向に延びる支持部材を備えたフィルタキャンドルが用いられ、支持部材が有利には互いに平行に延びる少なくとも３つの支持縁部及び、支持部材を取り囲み支持縁部にのみ接するフィルタエレメントを備えている。このようなフィルタキャンドルの利点は、フィルタエレメントがフィルタキャンドルの内部でもほぼ平らな面を形成しており、汚濁液の流過方向で汚れ粒子を堆積してフィルタエレメントを閉塞させてしまうような障害物が存在しないことにある。この場合、逆流洗浄を乱流(turbulente Stroemung)で行うことも可能であり、流速度がフィルタエレメントの近くまで極めて高く、障害物に起因して発生して汚れの堆積を助成するような渦流(Wirbel)若しくは類似の流れは生じない。全長に亙って平らでかつ中断されることのないフィルタ面によって、フィルタキャンドルの閉塞の傾向が小さくなるだけではなく、フィルタキャンドルが特に簡単にかつ少ない液体で洗浄される。
【００１３】
支持部材がほぼ星形の横断面形状を有していてよく、該横断面形状の星形の先端が支持縁部を形成している。プラスチック若しくはメタルから成っていてよい支持部材は、フィルタキャンドルを個々の複数の横断面ほぼ三角形のフィルタ室に仕切っており、フィルタ室は互いに接続されておらず、フィルタ室の１つの側はフィルタエレメントによって形成されており、フィルタエレメントが支持縁部に支えられて支持部材の周囲に張設されている。フィルタ室の所望の流過横断面の大きさに応じて、支持部材はほぼ４つ乃至６つの支持縁部を有している。寸法の大きなフィルタにおいては、有利には６つ若しくはそれより多い数の支持縁部が設けられ、これによって支持縁部間の支持幅が狭く維持される。
【００１４】
フィルタエレメントが有利には製織物チューブから成っており、製織物チューブが両端の開いたストッキングのように支持部材に被せはめられる。５０μｍ、特殊な場合には２５μｍの目の細かい製織物が用いられてよい。このような目の細かい製織物によっては、液体内の著しく小さい粒子も引き留められる。
【００１５】
フィルタ部材のための支持部材が複数、有利には６つの支持ロッドから成っていてもよく、支持ロッドが支持縁部を形成していて、かつ中央の少なくとも１つの補強部材に支えられており、補強部材が横断面ほぼ円形の螺旋部材から成っている。このような構成は、フィルタキャンドルの内部を個別の複数の室に仕切ることが不都合であり、液体流内に個別の大きな汚れ粒子が見込まれて、フィルタキャンドル内の個別の室の流過横断面の狭いことに基づき個別の室内に付着して容易に離れないような場合に有利である。フィルタエレメントは、フィルタキャンドルの長手方向に延びるわずかな支持縁部にのみ接していて、そのほかの部分ではフィルタ内部の側に平らなフィルタ面を形成しており、このようなフィルタ面に沿って汚濁液が大きな乱流速度の洗浄に際して流れて、汚れ粒子を連行する。螺旋部材が有利には圧縮コイルばねの形の鋼線材から成っており、該鋼線材に支持ロッドが外側から正多角形に配置してろう付け、溶着若しくはほかの形式で取り付けられている。フィルタキャンドルのさらに有利な構成が請求項２５乃至２７に記載してある。
【００１６】
本発明に基づく逆流洗浄式フィルタの駆動装置は、例えば電気的な回転駆動装置であってよく、このような回転駆動装置はフィルタ外側に配置されていて、伝動装置を介してフィルタ内側の洗浄部材の回転軸に連結されている。然し乍ら連続的な洗浄を行う場合に有利には、駆動装置が液力駆動装置であり、液力駆動装置が液体流路内に配置されたタービン車及び減速伝動装置を備えており、減速伝動装置が洗浄部材の回転軸に連結されている。別のタイプのフィルタにも使用可能なこのような液力駆動装置の利点は、電気的に駆動する構成部分を完全に省略でき、汚濁液内の液力が洗浄装置の駆動のために用いられる。
【００１７】
液力駆動装置のタービン車、例えばアキシャルタービンが有利には逆流洗浄式フィルタの汚濁液流入口内に配置されている。この場合、減速伝動装置が有利にはフィルタケーシングの最初の流入室内で洗浄部材の近くに配置されている。ろ過しようとする汚濁液内に含まれる汚れ粒子が強い摩耗作用を生ぜしめ、タービン車若しくは伝動装置が損傷されるおそれのある場合には、タービン車が逆流洗浄式フィルタのろ液流出口内に配置されている。
【００１８】
タービン車をろ滓流出口に配置して洗浄液体によって駆動することも考えられる。減速伝動装置が有利にはウォーム歯車装置を有しており、従って高いタービン回転数から洗浄部材の低い回転数への必要な減速が少ない段で行われ、伝動装置が相応にコンパクトに構成できる。
【００１９】
【実施例】
図面に示す洗浄式フィルタ１０は、ほぼ円筒形のフィルタケーシング１１、及び該フィルタケーシングの上側を閉じるケーシングカバー１２を有しており、ケーシングカバーはねじ１３を用いてフィルタケーシングに取り外し可能に結合されている。フィルタケーシング１１は下側の範囲に縦軸線に対して横方向に配置されたフィルタ入口１４を有しており、フィルタ入口１４は流入室１５に開口している。フィルタケーシング１１は中央の範囲にフィルタ出口１６を有しており、フィルタ出口は流入室の上側のろ液室１７に接続されており、ろ液室は流入室に対して孔付きリングプレート１８によって仕切られている。フィルタケーシング１１内でろ液室１７の上側に、上側の流入室１９を配置してあり、この流入室は上側の第２の孔付きリングプレート２０を介してろ液室１７に対してシールされていて、中央の接続管路２１を介して下側の流入室１５に接続されている。
【００２０】
孔付きリングプレート１８，２０は互いに合致する複数の孔２２を備えており、これらの孔は孔付きリングプレート中心点を中心とした互いに同心的な２つの円２３，２４上に配置されている。上側及び下側の孔付きリングプレート２０，１８のそれぞれ互いに合致する孔２２間に、ろ液室内を延びるフィルタエレメント（フィルタキャンドル）２５が配置されており、フィルタエレメントの上側及び下側の端部２６，２７が接続スリーブ２８を用いて密接に固定されている。
【００２１】
流入室１５の下側でフィルタケーシング１１にろ滓捕集ケーシング（ろ滓捕集室）２９をフランジ接続してあり、ろ滓捕集ケーシングは１つの室を形成していて、ろ滓排出接続部（ろ滓排出接続片）３０を有しており、このろ滓排出接続部の端部にはろ滓排出のためのろ滓流出弁（図示せず）がフランジ接続されていてよい。ろ滓捕集ケーシング２９は下側の入口室１５に対してシールされていて、滑り支承部３１内に回転可能に支承された中空軸３２を介して洗浄部材３３に接続されており、洗浄部材は下側の入口室１５内に配置されていて、横方向に向けられた２つのアーム３４，３５を有しており、アームは中空アームとして構成されている。アーム３４，３５は自由な端部にばね負荷された中空ピストン３７の形の接続片３６を有しており、中空ピストンは下側から、制御鏡面３８を形成する下側の孔付きプレート１８に向かって押圧している。この場合、中空軸３２の回転に際して一方のアーム３４の接続片３６が外側の円２３の孔２２上に合致し、かつ他方のアーム３５の接続片が内側の円の孔と合致するようになっており、その結果、個別のフィルタエレメント２５と洗浄部材３３との間の流体接続が達成される。中空ピストン３７は、有利には耐摩耗性のプラスチックから成るリング状の滑りライニングを有していて、該滑りライニングを介して制御鏡面３８に対してシール接触している。
【００２２】
中空軸３２は上側の端部３９で接続軸４０に回動不能に結合されており、接続軸はフィルタケーシング１１の中央で接続管路２１及び上側の流入室１９を通して導かれていて、ケーシングカバー１２のヘッド支承部４１内に回転可能に支承されている。ヘッド支承部４１のわずかに下側で接続軸４０に締め付けクリップ４３を用いて絞り装置４２を取り付けてあり、絞り装置は２腕のアームロッド４４及び該アームロッドに取り付けられた絞り円板４５，４６から成っている。この場合、一方の絞り円板４５が洗浄部材の第１のアーム３４の接続片３６に合致しており、他方の絞り円板４６が洗浄部材の第２のアーム３５の接続片に合致しており、その結果、絞り円板は軸３２，４０の回転に際して上側の孔付きリングプレート２０の孔円周２３，２４上を移動する。絞り円板４５，４６は調節ねじ４７を用いてアームロッド４４に取り付けられていて、上側の孔付きリングプレート２０に対する位置及び距離ａを調節可能である。
【００２３】
前述の逆流装置を駆動するために洗浄式フィルタ１０の下側の流入室１５内に液力駆動装置４８を設けてあり、液力駆動装置がタービン軸４９、及びフィルタ入口１４内に配置されたアキシャルタービン車５０並びに減速ウオーム伝動装置５１から成っており、減速ウオーム伝動装置の被駆動軸５２が減速の歯車伝動装置５３を介して中空軸３２に連結されている。
【００２４】
中空軸３２はろ滓捕集ケーシング２９内に突入する端部５５で以てろ滓分配器５６に開口していて、該ろ滓分配器に回動不能に結合されている。ろ滓分配器５６はろ滓捕集ケーシング２９の底部５７の中央に回転可能に支承されていて、軸線方向孔５８及び該軸線方向孔に接続された半径方向孔５９を有しており、半径方向孔が支持管６０に開口しており、支持管にはフィルタメッシュ（後置接続フィルタ）６２のためのクリーニング装置６１が取り付けられており、フィルタメッシュ６２はろ滓捕集ケーシング２９内の円筒形のフィルタ面若しくはフィルタ面６３を形成している。クリーニング装置６１は上側及び下側の閉じられた横断面正方形の管片６４から成っており、この管片にろ滓スプレーノズル６５が取り付けられており、ろ滓スプレーノズルのスプレー方向がフィルタメッシュ６２に対してほぼ接線方向に向けられている。
【００２５】
前述の洗浄式フィルタは次のように作動する：
汚れ粒子を含む汚濁液がフィルタ入口１４を通ってフィルタケーシング１１内に流入して、同時に下側の流入室１５を満たし、かつ中央の接続管路２１を介して上側の流入室１９を満たす。流入する汚濁液がアキシャルタービン車５０を駆動して、減速伝動装置５１，５２を介して洗浄部材３３、絞り装置４２、及びクリーニング装置６１のための回転軸を回転させる。
【００２６】
逆流洗浄されないフィルタエレメントは同じように上側及び下側の端部から汚濁液によって貫流され、この場合、ろ液がろ液室１７内に捕集されてフィルタをフィルタ出口１６から流出する。そのつど逆流洗浄位置にあるフィルタエレメント−図１では左のフィルタ側の外側のフィルタエレメント及び右のフィルタ側の内側のフィルタエレメント−が下側の端部２７で洗浄部材３３に接続されていて、上側の端部２６で絞り円板４５，４６によってリング間隙６６を形成した状態で覆われている。洗浄部材と絞り装置との合致するこの位置では、汚濁液は上側の流入室１９からクリーニングしようとするフィルタエレメント２５内に流入するが、リング間隙６６の流過の際に汚濁液の圧力が消滅し、その結果クリーニングしようとするフィルタエレメントの内部の液体圧力がフィルタエレメント２５を取り囲むろ液室１７内の圧力よりも小さくなる。このような圧力差によって、フィルタエレメントが上側から下側へ高い速度及び渦流の液体で流過されるのではなく、図１に符号６７の矢印で示すように、付加的にろ液がフィルタエレメントの全長に亙ってろ液室１７からフィルタエレメントの内部に流れる。これによって、フィルタエレメントの内側のフィルタ網が特に効果的にクリーニングされる。
【００２７】
ろ過ろ滓が洗浄部材３３及び中空軸３２を介してろ滓分配器５６内に導かれ、そこからクリーニング装置６５に導かれ、かつろ滓スプレーノズル６５を介してほぼ接線方向に内側から円筒形のフィルタメッシュ６２に吹き付けられる。フィルタメッシュは比較的に粗い目であり、特にあらい汚れを引き留めるために用いられ、粗い汚れはフィルタメッシュに沿って回転するクリーニング装置６１によってフィルタメッシュから掻き落とされて、ろ滓捕集ケーシング２９の底部５７に捕集され、そこで排出装置（図示せず）を介して洗浄式フィルターから除去される。粗い汚れから分離されたろ滓はろ滓排出接続部３０を介して洗浄式フィルタから離れる。
【００２８】
洗浄部材は絞り装置と一緒に連続的に回転させられ、回転中にすべてのフィルタエレメントを順次にクリーニングする。
【００２９】
図５乃至図９に示したフィルタエレメントは横断面星形の支持部材７０から成っており、支持部材の６つの尖端リブが自由端部に製織物チューブ７３から成るフィルタエレメント７４のための支持縁部７２を形成しており、フィルタエレメントはストッキングのように支持部材に被せはめられている。フィルタエレメント２５は上側及び下側の端部にほぼ円形の流入横断面７５の接続スリーブ２８を備えており、尖端リブ７１に差しはめられている。製織物チューブ７３は接続スリーブ２８の外周を被っていて、そこで緊定クリップ７６を用いて締め付け固定されている。特に図６から明らかなように、フィルタエレメントは横断面でほぼ三角形のろ液室７７を有しており、このろ液室は一方では尖端リブ７１によってかつ他方では製織物チューブ７３によって制限されている。この場合、製織物チューブは平らな面７８を形成しており、このような面には汚濁液の流過方向で汚れ粒子の渦流及び堆積を生ぜしめるような障害は存在しない。むしろ汚濁液若しくは洗浄液体がフィルタエレメント（製織物チューブ）に沿って乱流の範囲まで流れ、その結果、逆流によるフィルタエレメントの特に良好なクリーニングが行われる。
【００３０】
図７に示す実施例はフィルタエレメントの特に小さい直径に適している。この場合、支持部材７０は４つの尖端リブ７１を有しており、尖端リブ上に製織物チューブ７３が被せはめられて尖端リブの支持縁部７２に支持される。
【００３１】
図８及び図９はフィルタエレメントの特に有利な実施例を示している。この場合には、支持部材７０が横断面円形の６つの支持ロッド７９から成っており、支持ロッドは内側８０でコイルばねの形状に構成された補強部材８１に結合されている。補強部材８１も支持ロッド７９も鋼線材から成っていて、互いに簡単に溶接され、若しくはろう付けされていてよい。支持ロッド７９は外側８２でフィルタ製織物のための支持縁部を形成しており、フィルタメッシュは線材製織物チューブから成っていて支持部材上に被せはめられて、適当な形式で接続スリーブ２８に取り付けられている。この場合、フィルタエレメントの内側は平らな面７８を形成していてよい。
【００３２】
本発明は図示の実施例に限定されるものではない。例えば、洗浄部材のための液力駆動装置をろ液出口若しくはろ滓流出部に配置することも可能である。液力モータの代わりに電気的なモータ駆動部を設けてよく、このことはフィルタエレメントの逆流洗浄を不連続的、即ち断続的に行う場合に有利である。排出しようとするろ滓は直接に、即ちろ滓排出室を介することなしに洗浄式フィルタから除去されてよい。絞り円板の代わりに別の絞り部材、例えば絞りブラインド若しくは類似のものが用いられてよい。大きなフィルタ出力のためにフィルタエレメントが互いに同心的な３つ若しくはそれ以上の円に配置されていてよい。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に基づく逆流洗浄式フィルタの縦断面図
【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線に沿った横断面図
【図３】図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿った横断面図
【図４】図１のＩＶ−ＩＶ線に沿った横断面図
【図５】本発明に基づく逆流洗浄式フィルタに使用されるフィルタキャンドルを部分破断した側面図
【図６】図５のＶＩ−ＶＩ線に沿った横断面図
【図７】本発明に基づく逆流洗浄式フィルタに使用されるフィルタキャンドルの別の実施例の、図６に対応する横断面図
【図８】本発明に基づく逆流洗浄式フィルタに使用されるフィルタキャンドルのさらに別の実施例の部分側面図
【図９】図８の実施例の横断面図
【符号の説明】
１０ 洗浄式フィルタ、 １１ フィルタケーシング、 １２ ケーシングカバー、 １３ ねじ、 １４ フィルタ入口、 １５ 流入室、、 １６ フィルタ出口、 １７ ろ液室、 １８ 孔付きリングプレート、１９ 流入室、 ２０ 孔付きリングプレート、 ２１ 接続管路、 ２２ 孔、 ２３，２４ 円、 ２５ フィルタエレメント、 ２６，２７ 端部、 ２８ 接続スリーブ、 ２９ ろ滓捕集ケーシング、 ３０ ろ滓排出接続部、 ３１ 滑り支承部、 ３２ 中空軸、 ３３ 洗浄部材、 ３４，３５ アーム、 ３６ 接続片、 ３７ 中空ピストン、 ３８ 制御鏡面、 ３９ 端部、 ４０ 接続軸、 ４１ ヘッド支承部、 ４２ 絞り装置、 ４３ 締め付けクリップ、 ４４ アームロッド、 ４５，４６ 絞り円板、 ４７ 調節ねじ、 ４８ 液力駆動装置、 ４９ タービン軸、 ５０ アキシャルタービン車、 ５１ 減速ウオーム伝動装置、 ５２ 被駆動軸、 ５３ 歯車伝動装置、 ５５端部、 ５６ ろ滓分配器、 ５７ 底部、 ５８ 軸線方向孔、 ５９ 半径方向孔、 ６０ 支持管、 ６１ クリーニング装置、６２ 後置接続フィルタ、 ６３ フィルタ面、 ６４ 管片、 ６５ ろ滓スプレーノズル、 ６７ 符号、 ７０ 支持部材、 ７１ 尖端リブ、 ７２ 支持縁部、 ７３ 製織物チューブ、 ７４ フィルタエレメント、７５ 流入横断面、 ７６ 緊定クリップ、７７ ろ液室、７８ 面、７９ 支持ロッド、８０ 内側、８１ 補強部材、８２ 外側

Claims (18)

1. 逆流洗浄式フィルタであって、フィルタケーシング内に互いに円形に配置されて長手方向に貫流されるフィルタエレメントを有しており、フィルタエレメントがフィルタ入口と接続されていて、かつ個別若しくはグループ毎に逆流洗浄するために一方の端部で、ろ滓流出部に接続され回転駆動部によって駆動可能な洗浄部材に接続されるようになっている形式のものにおいて、
   フィルタエレメント（２５）が逆流洗浄に際して洗浄部材（３３）と逆の側の入口端部（２６）を単数若しくは複数の絞り部材（４５，４６）で被われて、該入口端部から、ろ過しようとする汚濁液は前記絞り部材による絞りに基づき圧力の低下された状態で前記フィルタエレメント内に流入し、かつ該フィルタエレメントを取り囲むろ液室（１７）からろ液が前記フィルタエレメントの内部に流れるようになっていることを特徴とする、逆流洗浄式フィルタ。
2. 絞り部材（４５，４６）が絞り円板から成っており、絞り円板がフィルタエレメントの、洗浄部材と逆の側の入口端部（２６）に対する所定の距離（ａ）に位置していて該入口端部と一緒にリング間隙（６６）を形成している請求項１記載の逆流洗浄式フィルタ。
3. 絞り部材（４５，４６）がフィルタエレメントの、洗浄部材と逆の側の入口端部に対する所定の距離（ａ）を調節できるようになっている請求項１又は２記載の逆流洗浄式フィルタ。
4. 絞り部材（４５，４６）と洗浄部材（３３）とが、フィルタケーシングの内部に配置された共通の１つの回転軸（３２，４０）に取り付けられている請求項１から３のいずれか１項記載の逆流洗浄式フィルタ。
5. フィルタエレメント（２５）が、互いに同心的な少なくとも２つの円（２３，２４）上に配置されている請求項１から４のいずれか１項記載の逆流洗浄式フィルタ。
6. フィルタケーシング（１１）が、第１の流入室（１５）及び該流入室に接続管路（２１）を介して接続された第２の流入室（１９）を有している請求項１から５のいずれか１項記載の逆流洗浄式フィルタ。
7. 接続管路（２１）が、フィルタエレメント（２５）によって描かれた円（２３，２４）の中心に配置されている請求項６記載の逆流洗浄式フィルタ。
8. フィルタエレメント（２５）が、直線的に延びる両側の開かれたフィルタキャンドルから成っており、フィルタキャンドルが第１の孔付きリングプレート（１８）と第２の孔付きリングプレート（２０）との間に配置されており、孔付きリングプレートが各フィルタキャンドル（２５）に対して汚濁液流出のためのそれぞれ１つの孔（２２）を有している請求項１から７のいずれか１項記載の逆流洗浄式フィルタ。
9. 一方の孔付きリングプレート（１８）が洗浄部材（３３）のための制御鏡面（３８）を形成しており、洗浄部材が制御鏡面（３８）上を滑動する少なくとも１つの接続片（３６）を備えており、孔（２２）が洗浄部材の回転運動中に交互にろ滓流出部に接続されるようになっている請求項８記載の逆流洗浄式フィルタ。
10. 洗浄部材（３３）が半径方向の少なくとも２つの洗浄アーム（３４，３５）を有しており、一方の洗浄アーム（３４）が逆流洗浄のために外側の円（２３）上のフィルタキャンドル（２５）を制御し、かつ他方の洗浄アーム（３５）が内側の円（２４）上のフィルタキャンドル（２５）を制御するようになっている請求項５記載の逆流洗浄式フィルタ。
11. 洗浄部材（３３）のための回転軸が、中空軸（３２）として構成されてろ滓流過通路を形成している請求項１から１０のいずれか１項記載の逆流洗浄式フィルタ。
12. ろ滓流過通路（３２）がろ滓捕集室（２９）内で後置接続フィルタ若しくはフィルタメッシュ（６２）に向かって開口している請求項１１記載の逆流洗浄式フィルタ。
13. 後置接続フィルタ若しくはフィルタメッシュ（６２）が円筒形のフィルタ面（６３）を有しており、該フィルタ面が内側から外側へ流過されるようになっている請求項１２記載の逆流洗浄式フィルタ。
14. フィルタ面（６３）の内側にクリーニング装置（６１）を配設してあり、クリーニング装置が洗浄部材（３３）の回転軸としての中空軸（３２）に回動不能に結合されている請求項１３記載の逆流洗浄式フィルタ。
15. クリーニング装置（６１）がろ滓洗浄ノズル（６５）を備えており、ろ滓洗浄ノズルがろ滓流過通路（３２）に接続されていて、ろ滓によって負荷されるようになっている請求項１４記載の逆流洗浄式フィルタ。
16. ろ滓洗浄ノズル（６５）が円筒形のフィルタ面（６３）に対してほぼ接線方向に向けられている請求項１５記載の逆流洗浄式フィルタ。
17. 回転可能な洗浄部材のための回転駆動部が液力駆動装置（４８）であり、液力駆動装置（４８）が、液体流路内に配置されたタービン車（５０）及び減速伝動装置（５１，５３）を備えており、減速伝動装置が洗浄部材（３３）の回転軸に連結されている請求項１から１６のいずれか１項記載の逆流洗浄式フィルタ。
18. タービン車（５０）が逆流洗浄式フィルタ（１０）の汚濁液流入口（１４）内に配置されている請求項１７記載の逆流洗浄式フィルタ。

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