JP3833790B2 - 実体顕微鏡の光路切換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、実体顕微鏡の光路切換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、実体顕微鏡の光路切換装置に関しては、「双眼顕微鏡」として、特公昭53−39773号公報所載の技術(従来技術1)が開示されている。図10を用いてこの従来技術1を説明する。この双眼顕微鏡は、主要対物レンズ101と、この主要対物レンズ101を経て双眼観察するように配置された可変倍率の双子光学系統102、103;102′、103′とを備えている。双子光学系統102、103;102′、103′の上方には、正立用プリズム104、104′および接眼レンズ106が配設されている。主要対物レンズ101の光軸A1−A1が、双子光学系統102、103;102′、103′の光軸A2−A2、A3−A3の中間の位置にあるときは、偏心光学系光路を形成している。また、主要対物レンズ101の光軸A1−A1が、双子光学系統102、103の光軸A2−A2と一致するように移動すると、共軸光学系光路を形成する。すなわち、主要対物レンズ101は、双子光学系統102、103の光軸A2−A2に対し垂直な平面内を移動できる装置を備えている。また、主要対物レンズ101の下方には、対象物平面105が配置されている。共軸光学系光路は偏心光学系光路に比べ、収差が少なく写真撮影や測定に優れている。
【0003】
また、「双眼筒を有する顕微鏡」として、特開昭61−63816号公報所載の技術(従来技術2)が開示されている。この従来技術2を図11(a)、(b)を用いて説明する。この双眼筒を有する顕微鏡では、可変倍率の双子光学系統102、103;102′、103′より上方の光学系および対象物平面105が、従来技術1と同一のため、異なる部分のみ示し、同一の部材には同一の符号を付し説明を省略する。偏心光学系装置107と共軸光学系装置108とが一体に形成され、双子光学系統102、103;102′、103′の下方に配設されている。偏心光学系装置107と共軸光学系装置108とは、双子光学系統102′、103′の光軸A3−A3に対し垂直な平面内または傾斜した平面内でシフトすることができる。偏心光学系装置107内には、主要対物レンズ101が内蔵され、図11(a)に示すように、主要対物レンズ101の光軸A1−A1は、双子光学系統102、103;102′、103′の光軸A2−A2、A3−A3の中間の位置にあるときは、偏心光学系光路を形成する。また、共軸光学系装置108内には、光学プリズム109と共軸光学系用対物レンズ110とが内蔵され、図11(b)に示すように、共軸光学系用対物レンズ110の光軸B1−B1が双子光学系統102′、103′の光軸A3−A3と合致したとき、共軸光学系光路を形成する。
【0004】
さらに、「双眼筒を有する顕微鏡」として、特開昭61−112116号公報所載の技術(従来技術3)が開示されている。この従来技術3を図12(a)、(b)を用いて説明する。この双眼筒を有する顕微鏡では、主要対物レンズ101は変位せず、可変倍率の双子光学系統102、103;102′、103′より上方の光学系全体を双子光学系保持部111内に内蔵し、双子光学系保持部111が主要対物レンズ101に対し変位するものである。従って、双子光学系保持部111以外の部材は、従来技術1と同一のため、同一の部材には同一の符号を付し、説明を省略する。主要対物レンズ101と双子光学系保持部111との間には、主要対物レンズ101の光軸A1−A1に垂直な平面内でシフト可能なガイドが形成されている。双子光学系保持部111が移動し、図12(a)に示すように、主要対物レンズ101の光軸A1−A1に、双子光学系統102、103;102′、103′の光軸A2−A2、A3−A3の距離の中点の位置が合致したときは、偏心光学系光路を形成する。また、図12(b)に示すように、主要対物レンズ101の光軸A1−A1に、双子光学系統102′、103′の光軸A3−A3が合致したときは、共軸光学系光路を形成するというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記従来技術には、つぎのような問題点があった。即ち、従来技術1では、写真撮影や測定に有利な共軸光学系光路へ、対物レンズを固定する機構を有しないので、写真の解像度や測定精度には限界があった。また、従来技術2においては、偏心光学系光路で観察している像をそのまま写真撮影や測定などをすると、偏心光学系特有の収差により、写真の解像度や測定精度が低下した。もし、観察像を収差の影響がない共軸光学系光路で撮影するには、対物レンズを付け替えるか、同じ対物レンズを複数用意しなければならなかった。さらに、従来技術3においては、対物レンズの変換機構を有しないので、ズーム倍率以内での撮影または測定しかできなかった。
【0006】
本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、請求項1または2に係る発明の課題は、簡単な構成で、写真撮影の解像度や測定精度を向上し得る実体顕微鏡の光路切換装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1または2に係る発明は、左右の観察光軸を有し、複数の対物レンズを切り換える実体顕微鏡の光路切換装置において、左右の前記観察光軸から等距離で、かつ各光軸と平行な回転軸を有し、前記回転軸に対して回転することにより任意の1つの対物レンズを左右の前記観察光軸の中間位置である偏心光学系光路にする対物レンズ切換手段を備え、前記対物レンズ切換手段により、前記回転軸を回転中心として、前記回転軸の中心と前記対物レンズの光軸中心を結んだ直線が、前記偏心光学系光路の位置から左右の一方の前記観察光軸の中心位置と略合致するように回転させて共軸光学系光路にすることを特徴とする。
【0008】
請求項1または2に係る発明の作用では、対物レンズ切換手段により、任意の1つの対物レンズを左右の観察光軸の中間位置である偏心光学系光路にするともに、対物レンズ移動手段により、前記偏心光学系光路の位置から左右の一方の観察光軸の中心位置と略合致するように回転させて共軸光学系光路にする。これにより、偏心光学系光路と共軸光学系光路との双方での切り換え位置で、対物レンズを停止し、固定する。請求項2に係る発明の作用では、上記作用に加え、前記対物レンズ切換手段および前記対物レンズ移動手段は、クリック機構により、偏心光学系光路の位置と、共軸光学系光路の位置に位置決めされるので、光路の切り換え位置での停止、固定が迅速に行われる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態では、偏心光学系光路と共軸光学系光路との切り換え位置での対物レンズの停止、固定手段にボールとV溝の組み合わせによるクリック機構を用いている。しかし、停止、固定手段は、このクリック機構に限定されるものではなく、これに類似、例えば円錐状の棒部材を角溝に嵌入させる機構であってもよい。以下、具体的な実施の形態について説明する。
【0010】
(実施の形態1)
図1〜図4は実施の形態1を示し、図1は実体顕微鏡の正面図、図2は実体顕微鏡の側面図、図3は偏心光学系光路の状態を示す回転型光路切換装置の下面図、図4は共軸光学系光路の状態を示す回転型光路切換装置の下面図である。
【0011】
まず、実体顕微鏡の光学系について説明する。図1において、対物レンズ1の上方には、それぞれレンズ2、3および2′、3′よりなる可変倍率双子光学系が配設されている。これらの双子光学系は、対物レンズ1を経て入射する光線を幾何学的に分配し、そして両光束を正立用プリズム4、4′を経て、それぞれ中間映像面(図示省略)に結像させる。正立用プリズム4、4′が設けられているので、対象物平面6に横たわる被観察対象物の横にも縦にも反転されない単眼映像が作られる。対物レンズ1の光軸A1−A1は、レンズ2、3の光軸A2−A2とレンズ2′、3′の光軸A3−A3との距離の中点に位置し、偏心光学系光路を形成している。接眼レンズ7、7′は、それぞれ中間映像面(図示省略)に投影された単眼映像を見るのに役立てられる。
【0012】
対物レンズ1の位置は、後述する回転型光路切換装置により、次のように変位する。双子光学系の光軸の一つとしてのレンズ2、3の光軸A2−A2に、対物レンズ1の光軸A1−A1が一致させられる。図1の鎖線で示されている位置(1a)まで対物レンズ1が移動させられるときは、対物レンズ1を通過して対象物平面6から入射する中心光線、即ち主要光線は、レンズ2、3の中心を通りさらに垂直に進行する光線となり、これで、レンズ1、2および3の各光軸が一致したことになり、共軸光学系光路を形成する。
【0013】
つぎに、実体顕微鏡の構成について説明する。図1および図2において、基台18にはガイド13が立設され、ガイド13には焦準部17が取着されている。焦準部17には、鏡体14が上下動自在に装着されている。鏡体14には、焦準ハンドル16が装備され、これを回動することによって鏡体14が上下駆動され、焦準操作を行うことができる。また、鏡体14には、変倍ハンドル15が装備され、これを回動することによって、鏡体14内に内蔵されたレンズ2、3および2′、3′を上下移動させて変倍操作を行うことができる。鏡体14の上面には、接眼レンズ7、7′を内蔵した双眼鏡筒12が装着されている。
【0014】
鏡体14の下面には、回転型光路切換装置が装着されている。この回転型光路切換装置について説明する。回転型光路切換装置は固定部19を有し、この固定部19が鏡体14の下面に固着されている。固定部19の下面に回転部20が回転軸21によって支持され、回転軸21を回転中心として回転する。図3および図4に示すように、回転部20には、対物レンズ1、1′を内蔵した対物22、22′を螺着するための対物取付けネジ27、27Aが螺刻されている。固定部19の右端には、板バネ23が取着され、板バネ23の先端には、クリックボール24が転動自在に保持されている。一方、回転部20の左右両端面には、V型のクリック溝25、25A、26、26Aが刻設されている。回転部20の回転方向停止位置は、クリックボール24とクリック溝25、25A、26、26Aの1ヶ所とが嵌入した位置により決められる。板バネ23、クリックボール24、およびクリック溝25、25A、26、26Aにより、クリック機構を構成している。
【0015】
つぎに、上記回転型光路切換装置を用いた光路切り換え方法について説明する。図3に示すように、回転部20を回転させて、クリック溝25にクリックボール24が嵌入したときは、対物取付けネジ27の中心28(対物レンズ1の光軸A1−A1)は、双子光学系の2つの光軸29(レンズ2、3の光軸A2−A2)、29A(レンズ2′、3′の光軸A3−A3)の距離の中点に位置し、偏心光学系光路を形成する。
【0016】
また、図4に示すように、回転部20を矢印θの方向に若干回転させると、クリック溝26にクリックボール24が嵌入し、対物取付けネジ27の中心28(対物レンズ1の光軸A1−A1)は、双子光学系の一方の光軸29(レンズ2、3の光軸A2−A2)に最も近接した位置で停止し、見かけ上共軸光学系光路を形成する。同様に、クリック溝25A、26Aにクリックボール24が嵌入したときは、対物取付けネジ27Aの中心28A(対物レンズ1′の光軸A1−A1)が変位し、それぞれ偏心光学系光路、共軸光学系光路を形成する。以上説明したように、偏心光学系光路と共軸光学系光路との切り換えを容易に行うことができる。また、2つの対物22、22′を装備しているので、変倍操作も同時に行うことができる。
【0017】
本実施の形態によれば、クリック機構を回転型光路切換装置に備えているので、対物レンズを僅かに回転移動させる操作のみで、偏心光学系光路と共軸光学系光路との切り換えが迅速かつ容易に行うことができ、さらにその位置が固定される。これにより、写真撮影の解像度や測定精度を向上させることができる。また、2つの対物レンズが切り換え可能となるので、マクロおよびミクロの観察、写真撮影、測定という用途を迅速に選択することができる。
【0018】
本実施の形態では、対物が2つの場合を説明したが、3つ以上であっても、本実施の形態1を適用することができる。
【0019】
(実施の形態2)
図5〜図6は実施の形態2を示し、図5は共軸光学系光路の状態を示す回転型光路切換装置の上面図、図6は共軸光学系光路の状態を示す回転型光路切換装置の下面図である。本実施の形態2は、回転型光路切換装置の一部が異なるのみで、実体顕微鏡の本体は実施の形態1と同一のため、異なる部分のみ示し、同一部分の図と説明を省略する。
【0020】
図5および図6において、回転型光路切換装置の固定部30は、実体顕微鏡の鏡体14(図1および図2参照)の下面に固着されている。固定部30の下面に回転部31が回転軸32によって支持され、回転軸32を回転中心として回転する。回転部31には、対物レンズ1、1′を内蔵した対物22、22′を螺着するための対物取付けネジ27、27Aが螺刻されている。固定部30の右端には、偏心光学系光路を位置決めするためのクリックボール34と、共軸光学系光路を位置決めするためのクリックボール35とを、転動自在に保持したクリックバネ33が取着されている。一方、回転部31の左右両端面には、V型のクリック溝36、36A、が刻設されている。回転部31の回転方向停止位置は、クリックボール34、35の1ヶ所とクリック溝36、36Aの1ヶ所とが嵌入した位置により決められる。クリックバネ33、クリックボール34、35、およびクリック溝36、36A、により、クリック機構を構成している。
【0021】
つぎに、上記回転型光路切換装置を用いた光路切り換え方法について説明する。回転部31を回転させて、クリック溝36にクリックボール34が嵌入したときは、対物取付けネジ27の中心28(対物レンズ1の光軸A1−A1)は、双子光学系の2つの光軸29(レンズ2、3の光軸A2−A2)、29A(レンズ2′、3′の光軸A3 −A3 )間の距離の中点に位置し、偏心光学系光路を形成する(図示省略)。
【0022】
また、図6に示すように、回転部31を矢印θの方向に若干回転させると、クリック溝36にクリックボール35が嵌入し、対物取付けネジ27の中心28(対物レンズ1の光軸A1−A1)は、双子光学系の一方の光軸29(レンズ2、3の光軸A2−A2)に最も近接した位置で停止し、見かけ上共軸光学系光路を形成する。同様に、クリック溝36Aにクリックボール34、35が嵌入したときは、対物取付けネジ27Aの中心28A(対物レンズ1′の光軸A1−A1)が変位し、それぞれ偏心光学系光路、共軸光学系光路を形成する。以上説明したように、偏心光学系光路と共軸光学系光路との切り換えを容易に行うことができる。また、2つの対物レンズ1、1′を装備しているので、変倍操作も同時に行うことができる。
【0023】
本実施の形態によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0024】
本実施の形態においても、実施の形態1で示した変形例はそのまま適用することができる。
【0025】
(参考例)
図7〜図9は参考例を示し、図7は実体顕微鏡の正面図、図8は偏心光学系光路の状態を示すスライド型光路切換装置の斜視図、図9は共軸光学系光路の状態を示すスライド型光路切換装置の斜視図である。本参考例は、光路切換装置が異なるのみで、実体顕微鏡の本体は実施の形態1と同一のため、光路切換装置のみ説明し、同一の部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0026】
図7において、実体顕微鏡の鏡体14の下面には、スライド型光路切換装置が装着されている。このスライド型光路切換装置について説明する。スライド型光路切換装置は固定部41を有し、この固定部41が鏡体14の下面に固着されている。図8に示すように、固定部41には、ガイド溝41a、41bが、双子光学系の光軸A2−A2、A3−A3に垂直な矢印Xの方向に凹設されている。このガイド溝41a、41bには、切換部42が嵌装されている。切換部42には、対物レンズ1、1′を内蔵した対物22、22′を螺合するための対物取付けネジ50、52が螺刻されている。
【0027】
固定部41のガイド溝41aの中央で、双子光学系の光軸A2−A2、A3−A3間の距離の中点に相当する位置には、穴43が穿設され、その内部にコイルバネ44およびクリックボール45が装着されている。クリックボール45は転動自在に装着されるとともに、コイルバネ44の弾発力により切換部42に付勢されているが、ガイド溝41aの底面より所定の突出高さに制限されて保持されている。一方、ガイド溝41aに嵌装している切換部42の側面には、切り欠き46、46A、47、47Aが4ヶ所に刻設されている。切り欠き46は、対物取付けネジ50の中心51(対物レンズ1の光軸A1−A1)を通り、矢印Xの方向に垂直な位置に刻設され、切り欠き46Aは、切り欠き46から、双子光学系の光軸A2−A2、A3−A3間の距離の1/2だけ矢印Xとは逆方向に寄った位置に刻設されている。また、切り欠き47は、対物取付けネジ52の中心53(対物レンズ1′の光軸A1−A1)を通り、矢印Xの方向に垂直な位置に刻設され、切り欠き47Aは、切り欠き47から、双子光学系の光軸A2−A2、A3−A3間の距離の1/2だけ矢印Xの方向に寄った位置に刻設されている。コイルバネ44、クリックボール45、および切り欠き46、46A、47、47Aによりクリック機構を構成している。
【0028】
つぎに、上記スライド型光路切換装置を用いた光路切り換え方法について説明する。図8に示すように、クリックボール45は切り欠き46に嵌入し、切換部42が位置決めされている。このとき、対物レンズ1の光軸A1−A1は、双子光学系の光軸A2−A2、A3−A3間の距離の中点にあり、偏心光学系光路を形成する。また、図9に示すように、切換部42を矢印Xの方向に双子光学系の光軸A2−A2、A3−A3間の距離の1/2だけ移動すると、クリックボール45は切り欠き46Aに嵌入し、位置決めされる。このとき、対物レンズ1の光軸A1−A1は、双子光学系の一方の光軸A2−A2に合致し、共軸光学系光路を形成する。さらに、切換部42を矢印Xの方向に移動すると、クリックボール45は、クリック溝47Aに嵌入し位置決めされる。このとき、対物レンズ1′の光軸A1−A1は、双子光学系の一方の光軸A3−A3に合致し、共軸光学系光路を形成する。さらにまた、切換部42を矢印Xの方向に移動すると、クリックボール45は、クリック溝47に嵌入し位置決めされる。このとき、対物レンズ1′の光軸A1−A1は、双子光学系の光軸A2−A2、A3−A3間の距離の中点にあり、偏心光学系光路を形成する。以上説明したように、偏心光学系光路と共軸光学系光路との切り換えを容易に行うことができる。また、2つの対物レンズ1、1′を装備しているので、変倍操作も同時に行うことができる。
【0029】
本参考例によれば、クリック機構をスライド型光路切換装置に備えているので、対物レンズを僅かに平行移動させる操作のみで、偏心光学系光路と共軸光学系光路との切り換えが迅速かつ容易に行うことができ、さらにその位置が固定される。これにより、写真撮影の解像度や測定精度を向上させることができる。また、2つの対物レンズが切り換え可能となるので、マクロおよびミクロの観察、写真撮影、測定という用途を迅速に選択することができる。
【0030】
本参考例においても、実施の形態1で示した変形例はそのまま適用することができる。
【0031】
なお、上述の具体的実施の形態から次のような構成の技術的思想が導き出される。
(付記)
(1)切換時に、任意の1つの対物レンズが、少なくとも2つの位置で観察可能な機構を有することを特徴とする実体顕微鏡の光路切換装置。
対物レンズの光軸を少なくとも2つの位置に移動できるので、1つの位置が双子光学系の2つの光軸の中間に位置させれば偏心光学系光路となり、他の位置が双子光学系の2つの光軸の一方に合致させれば、共軸光学系光路とすることができる。これにより、写真撮影の解像度や測定精度を向上させることができる。
(2)切換時に、任意の1つの対物レンズを偏心光学系光路を形成する位置と、共軸光学系光路を形成する位置とに停止させるクリック機構を備えたことを特徴とする実体顕微鏡の光路切換装置。
クリック機構により、偏心光学系光路と共軸光学系光路とを迅速に切換るとともに、写真撮影の解像度や測定精度を向上させることができる。
(3)切換時に、任意の1つの対物レンズを偏心光学系光路を形成する位置と、共軸光学系光路を形成する位置とに停止させるクリック機構を備えたことを特徴とする実体顕微鏡の回転型光路切換装置。
(2)の効果に加え、切換運動が回転運動となるため、円滑な切換が可能となる。また、光路切換装置をコンパクトに構成することができる。
【0032】
【発明の効果】
請求項1または2に係る発明によれば、偏心光学系光路と共軸光学系光路との双方での切り換え位置で、対物レンズを停止し固定するので、簡単な構成で、写真撮影の解像度や測定精度を向上させることができる。
請求項2に係る発明によれば、上記効果に加え、クリック機構により、光路の切り換え位置での停止、固定が迅速に行われるので、偏心光学系光路と共軸光学系光路との切換操作を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の実体顕微鏡の正面図である。
【図2】実施の形態1の実体顕微鏡の側面図である。
【図3】実施の形態1の偏心光学系光路の状態を示す回転型光路切換装置の下面図である。
【図4】実施の形態1の共軸光学系光路の状態を示す回転型光路切換装置の下面図である。
【図5】実施の形態2の共軸光学系光路の状態を示す回転型光路切換装置の上面図である。
【図6】実施の形態2の共軸光学系光路の状態を示す回転型光路切換装置の下面図である。
【図7】参考例の実体顕微鏡の正面図である。
【図8】参考例の偏心光学系光路の状態を示すスライド型光路切換装置の斜視図である。
【図9】参考例の共軸光学系光路の状態を示すスライド型光路切換装置の斜視図である。
【図10】従来技術1の双眼顕微鏡の概略構成図である。
【図11】従来技術2の双眼筒を有する顕微鏡の概略構成図である。
【図12】従来技術3の双眼筒を有する顕微鏡の概略構成図である。
Claims (2)
- 左右の観察光軸を有し、複数の対物レンズを切り換える実体顕微鏡の光路切換装置において、
左右の前記観察光軸から等距離で、かつ各光軸と平行な回転軸を有し、前記回転軸に対して回転することにより任意の1つの対物レンズを左右の前記観察光軸の中間位置である偏心光学系光路にする対物レンズ切換手段を備え、
前記対物レンズ切換手段により、前記回転軸を回転中心として、前記回転軸の中心と前記対物レンズの光軸中心を結んだ直線が、前記偏心光学系光路の位置から左右の一方の前記観察光軸の中心位置と略合致するように回転させて共軸光学系光路にすることを特徴とする実体顕微鏡の光路切換装置。 - 前記対物レンズ切換手段は、クリック機構により、偏心光学系光路の位置と、共軸光学系光路の位置に位置決めされることを特徴とする請求項1記載の実体顕微鏡の光路切換装置。
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