JP3829695B2 - 画像定着装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真方式を利用した画像形成装置において未定着トナー像を加熱定着する画像定着装置に係り、特にベルトニップ方式の画像定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図12は、この発明の出願人が提案し、特開平5−150679号公報に開示された画像定着装置を示す。図において、符号101は回転可能に配置された加熱定着ロールを示す。この加熱定着ロール101は、アルミニウムなどの熱伝導率の高い金属で形成された円筒状のコア103を有し、その表面に弾性体からなる被覆層104を形成したものである。被覆層104は、コア103の表面に直接被覆されたHTV(High Temperature Vulcanization)シリコーンゴムからなる下地層120と、その外側に被覆されたRTV(Room Temperature Vulcanization)シリコーンゴムからなるトップコート層121とを積層したものである。
【0003】
コア103の内部には、加熱源としてハロゲンランプ105が配置されている。また、加熱定着ロール101の表面には温度センサ106が配置され、この表面の温度を計測する。そして、温度センサ106の計測信号により、図示しない温度コントローラが作動されハロゲンランプ105の点滅が制御されて、加熱定着ロール101の表面が所定の温度に調節されるようになっている。また、加熱定着ロール101の表面には、オイル供給装置109によって離型剤であるシリコンオイルが供給されており、これによりシート107に未定着のトナー108の像を定着する際に、トナー108の一部が加熱定着ロール101にオフセットするのを防止するようになっている。
【0004】
さらにこの定着装置においては、圧力ロール125が、圧縮コイルスプリング126によって加熱定着ロール101に対して押圧されている。また、加熱定着ロール101に向けて圧力補助ロール129が押圧されている。そして、圧力ロール125および圧力補助ロール129の周囲には、ロール122,123,124が配置されており、ロール122,123,124、圧力ロール125、圧力補助ロール129の周囲にはエンドレスベルト115が巻回されている。
【0005】
圧力ロール125および圧力補助ロール129が加熱定着ロール101に対して圧接させられていることによって、エンドレスベルト115は加熱定着ロール101に接触して、加熱定着ロール101とエンドレスベルト115との間が、シート107を通過させるためのニップ(ベルトニップ)となる。そして加熱定着ロール101およびエンドレスベルト115が、矢印に示すように回転すると共に、シート7が回転する加熱定着ロール101とエンドレスベルト115との間に搬送され、このシート107がベルトニップを通過する際に、ベルトニップに作用する圧力とハロゲンランプ105から加熱定着ロール101を通じて与えられる熱により未定着のトナー108がシート107上に定着されるようになっている。
【0006】
このようなベルトニップ方式の構成を採用することにより、シート107がベルトニップの幅(図示の例では圧力ロール125と圧力補助ロール129で押さえられているベルトの長さ)に対応する時間加熱されるようになるので、加熱定着ロール101と圧力ロールのみを圧接させてエンドレスベルト115を使用しない場合に比べると、シート107の搬送速度を大きくしても十分な定着時間を確保することが可能になるという利点がある。また、同じ搬送速度であれば、ベルトニップ方式の方が、エンドレスベルト115を使用しない方式よりも加熱時間が長くなり、トナーにより多量の熱を与えることができるため、ベルトニップ方式は特に多層のトナーを所望の色に発色させるカラー複写機の定着に適している。
【0007】
また、この画像定着装置においては、加熱定着ロール101の表面に弾性体であるシリコーンゴムからなる被覆層104が形成されており、この被覆層104が圧力ロール125の圧接力を受けて圧接領域において局所的に歪むようになっている。すなわち、被覆層104の表面速度が局所的に大きくなるため、圧力ロール125の圧接領域においてシートと被覆層104との間に微小なズレが生じる。また、高温状態のトナー108は被覆層104へ付着しようとする傾向があるが、このときのズレによってトナー108と被覆層104との界面に微小なスリップが生じ、その付着が防止されていると考えられる。
【0008】
これによって、シート107はトナー108と加熱定着ロール101との付着力に抗して加熱定着ロール101から剥離される。溶融されたトナーと加熱定着ロール101との表面の付着力は、両者の界面化学的な材料物性値にも左右されるので、シート107が剥離する挙動はトナーの種類や被覆層104の材質に応じて異なるが、この画像定着装置によると、剥離爪などの剥離手段を使用しなくても、シート107を加熱定着ロール101から剥離することができる(以下、これをセルフストリッピングという)。このため、腰が弱くて剥離しにくい薄紙や、多量のトナーが付着した用紙でも、セルフストリッピングさせることができる。
【0009】
その他、ベルトニップ方式を採用した画像定着装置としては、特開昭52−69337号公報、特開昭60−151677号公報、特開昭60−151681号公報、特開昭62−14675号公報、特開平2−222982号公報、特開平2−308287号公報、特開平4−50885号公報、特開平4−115279号公報、実開昭60−104852号公報、実開平2−30961号公報、実開平3−86374号公報、実開平3−92661号公報および実開平4−50864号公報に記載されたものがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のベルトニップ方式の画像定着装置には、次のような問題がある。すなわち、現在主流となっている熱融着式のトナー108を利用した場合には、シート107を必ず加熱してトナー108をシート107に融着させなければならないが、この加熱の際には暖まったシート107の繊維の間隙やトナー粒子の間隙から空気が熱膨張したり水蒸気が蒸発してくる。このような空気や水蒸気は、シート107がベルトニップ内で加熱されることにより発生し、シート107がベルトニップを通過するまでベルトニップ内、具体的にはシート107と加熱定着ロール101またはエンドレスベルト115との間に気泡となって介在し、シート107がベルトニップを通過し終えると同時に外部に排出される。このベルトニップ内では、図13に示すように、圧力ロール125による押圧部と圧力補助ロール129による押圧部との間に、圧接力の小さい領域が広く存在しており、この領域に気泡が介在すると、加熱定着ロール101とエンドレスベルト115との間にギャップが生じることがある。このようなギャップが生じると、ベルトニップ内にあるシート107上のトナー108がまだすべて定着していない状態では、未定着のトナー108が、気泡が動き回ることによって移動してしまうことがある。このため、画像のニジミやズレ、乱れなどが発生するという問題点がある。
【0011】
図14は、図11に示す装置で未着のトナー108の像を定着する際に、ベルトニップの中央すなわち圧力ロール125と圧力補助ロール129との中間で、加熱定着ロール101とエンドレスベルト115との間に生じたギャップを計測した結果を示す。なお、使用したシートは富士ゼロックス社製のA3サイズのJ紙であり、ギャップは加熱定着ロールとエンドレスベルト間の間隔を測定し、この値から紙の厚さを差し引いたものである。図14の結果からも明らかなように、定着ロール温度がほぼ環境温度の場合にはギャップはないが、定着ロール温度を高くすると、加熱定着ロール101とエンドレスベルト115との間に生じるギャップが大きくなっていく。これは、空気や水蒸気が熱膨張するためであると考えられる。つまり、ベルト張力によるエンドレスベルトの加熱定着ロールへの押圧力は小さいため、空気や水蒸気の熱膨張を押さえきれずギャップが生じるものと考える。
【0012】
したがって、圧力ロールおよび圧力補助ロールは、この空気や水蒸気の熱膨張を押さえてギャップが生じないだけの荷重を加えなければならない。
しかし、圧接力の小さい部分、すなわち圧力ロール125と圧力補助ロール129との中間においては、加熱定着ロール101とエンドレスベルト115との間にギャップが生じやすく、未定着のトナー108が移動するのを防止できる十分な圧力が与えられないことになる。加熱定着ロールおよび加圧定着ロールを使用し、エンドレスベルトを使用しない方式では、圧力が大きいために、このような不具合は少ないが、ベルトニップ方式では、圧力を小さくしているだけに、気泡によりトナー108の像が乱される可能性も大きく、実際に使用した場合にも、気泡が原因と考えられる画像のニジミやズレ、乱れなどが発生している。
【0013】
この発明は前記の課題を考慮してなされたものであり、その目的は、いわゆるベルトニップ内の空気の膨張や水蒸気の発生によるトナー像の乱れを防止しながら、トナー像を定着させることができる画像定着装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願発明に係る画像定着装置は、 表面付近に弾性体層を有し、回転可能に支持された加熱定着ロールと、 前記加熱定着ロールの外周面に沿って湾曲するように接触し、トナー像を担持した記録シートが前記加熱定着ロールとの間に挟み込まれるニップを形成するエンドレスベルトと、 前記エンドレスベルトの内面側に当接され、前記加熱定着ロールの表面に沿って前記エンドレスベルトをほぼ均等な圧力分布で押圧するパッド状の圧力付与部材と、 前記加熱定着ロールの回転方向における前記圧力付与部材の押圧位置より下流側で前記エンドレスベルトを前記加熱定着ロールに押圧し、該加熱定着ロールの前記弾性体層に変形を生じさせる加圧部材とを有し、 前記圧力付与部材による圧接部と前記加圧部材による圧接部との間に、前記エンドレスベルトと前記加熱定着ロールとの接触圧が、前記圧力付与部材の圧接範囲より小さくなる部分が生じないように設定されているものとする。
【0015】
このような構成の画像定着装置では、圧力付与部材の圧接面が、加熱定着ロールの表面にエンドレスベルトを介して押圧され、エンドレスベルトは加熱定着ロールの周方向に広く圧接されている。この圧力付与部材の圧接面に作用する圧力により、ベルトニップ内での気泡の発生および成長を抑制でき、熱膨張した気泡によって未定着のトナーが攪乱されるのを防止することができる。
【0016】
また、加熱定着ロールの回転方向における圧力付与部材よりも下流側に、エンドレスベルトを加熱定着ロールに押圧する加圧部材を配設し、該加熱定着ロールの弾性体層を変形させるようにする。これにより、弾性体層の表面速度が局所的に大きくなり、シート上のトナーと弾性体層との界面に微小なスリップが生じてトナーの付着を防止することができる。したがって、シートは加熱定着ロールから容易に剥離される。
【0017】
そして、この加圧部材は、圧力付与部材と一体に支持させ、該加圧部材が加熱定着ロールに圧接される範囲と、圧力付与部材が加熱定着ロールに圧接される範囲とを、加熱定着ロールの周方向に近接させることができる。これにより、ベルトニップ域の押圧部を周方向に幅広く形成することが可能となり、ニップ域で圧接力が小さくなる部分をなくすことができる。したがって、シートやトナー粒子間に含まれる空気や水蒸気の熱膨張による画像の乱れが抑制される。
【0018】
このようにエンドレスベルトと加熱定着ロールとの間のギャップの発生を防止するためには、圧力付与部材によってベルトを加熱定着ロールに押え付け、ベルトニップ内の圧力Pnを上昇させて、空気又は水蒸気の体積の増大を抑止するものであり、この圧力Pnは、具体的には式(1)に示すように設定することが望ましい。
Pn ≧ Po(Tn/To−1) (1)
ここで、Tnは加熱定着ロールの温度、Toは加熱定着ロールから十分離れた位置における空気の温度(環境温度とする)、Poは大気圧である。
【0019】
式(1)は、次のように導かれる。まず、理想気体の状態方程式(2)は次の通りである。
PV = nRT (2)
したがって、式(3)(4)が導かれる。
(Po+Pn)Vn = nRTn (3)
PoVo = nRTo (4)
ここで、Vnはベルトニップ内の空気の体積、Voはベルトニップ外の空気の体積である。ベルトニップ内の空気の膨張を抑制するには、Vn≦Voでなければならない。このことから、式(5)が導かれる。
Tn/(Po+Pn) ≦ To/Po (5)
そして式(5)を変形すると、式(1)が導かれる。
【0020】
また、上記発明にあって、エンドレスベルトは、複数のロールに張架されている構成や周方向に無張力状態に支持される構成等を適宜に設定することができる。エンドレスベルトを無張力状態に支持することにより、支持ロールなどの張架手段が不要となるという利点がある。
また、圧力付与部材の圧接面は好適な材料を設定することが望ましい。例えば、圧接面が耐熱性を有する材料からなり、ほぼ全面に微小な凹凸が形成されているものや、耐熱性の繊維からなる布に耐熱性樹脂を含浸させた部材で形成されているもの等を選択できる。そして、加熱定着ロールとエンドレスベルトとの間の摩擦係数μ1 よりも、圧力付与部材とエンドレスベルトとの間の摩擦係数μ2 が小さくなっていることが望ましい。これにより、エンドレスベルトは、圧力付与部材によって停止されずに、加熱定着ロールの回転に追随して走行可能となる。従って、例えば、加熱定着ロールのみが回転してシート上のトナーが加熱定着ロールに擦られて画像が乱れてしまうような不都合を抑制することができる。
【0021】
一方、圧力付与部材がベルトニップの一部に圧接されるときの周方向の範囲は、エンドレスベルトが加熱定着ロールと当接された位置から、トナーの粘性がガラス状からゴム状流動を生じる状態へ転移する温度に加熱される位置までに設定することもできる。
【0022】
シート上に担持されたトナーはニップ内に入ると加熱定着ロールによって加熱され温度が上昇する。そして、ある温度に達するとトナーの粒子はガラス状からゴム状流動が生じる状態に転移し、この状態となるとトナー粒子相互間の付着力が発生して容易にはトナー粒子の移動が起こらない。したがって、この温度に加熱されるまでが画像の乱れを生じやすい領域であり、この部分に圧力付与部材を圧接することによって有効に画像の乱れを防止することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本願発明と同様にパッド状となった圧力付与部材を使用した画像定着装置を参考例として示す概略構成図である。
この画像定着装置は、加熱源を内蔵した加熱定着ロール1と、3つの支持ロール12,13,14に張架され上記加熱定着ロール1に圧接されるエンドレスベルト15と、このエンドレスベルトの内面側に当接され、加熱定着ロール1の表面に沿ってエンドレスベルト15を押圧する圧力付与部材11とで主要部が構成されている。
【0024】
上記加熱定着ロール1は、内部に円筒状のコア2を有しており、モータ6によって周方向に回転駆動されるものである。このコア2は、外径47mm、内径42mm、長さ350mmのアルミニウムで形成されている。コア2の表面には、下地層3aとして硬度45°(JIS−A)のHTVシリコーンゴムが厚さ2mmで直接被覆され、さらにその上にトップコート層3bとしてRTVシリコーンゴムが厚さ50μmでディップコートされている。これにより被覆層3が形成されており、被覆層3は鏡面状態に近い表面に仕上げられている。下地層3aのゴムの硬度は、Teclock社製のスプリングタイプのA型硬度計により、JIS K6301に準拠して、荷重1,000gfを付加して計測した結果である。なお、コア2としてはアルミニウムでなくても熱伝導率の高い金属製のものを使用することができ、被覆層3としては耐熱性の高い弾性体であれば他の材料を使用することができる。
【0025】
コア2の内部には、加熱源として出力850wのハロゲンランプ5が配置されている。また、加熱定着ロール1の表面には温度センサ10が配置され、この表面の温度を計測する。そして、温度センサ10の計測信号により、図示しない温度コントローラによってハロゲンランプ5がフィードバック制御されて、加熱定着ロール1の表面が150℃に調節されるようになっている。
【0026】
また、加熱定着ロール1の近傍にはオイル供給装置9が配設されている。オイル供給装置9は、離型剤を貯蔵するタンク9aからスポンジ状の吸上げ部材9b、ロール9c,9dを通じて加熱定着ロール1の表面に離型剤を常に一定量供給する。これによりシート7に未定着のトナー8の像を定着する際に、トナー8の一部が加熱定着ロール1にオフセットするのが防止されている。オイル供給装置9によって供給される離型剤としては、粘度1000csのジメチルシリコンオイル(商品名「KF−96」:信越化学株式会社製)が使用される。
【0027】
上記圧力付与部材11は、ベースプレート11aの表面に弾性層11bと低摩擦層11cとを積層して形成したものであり、ベースプレート11a側に配置された圧縮コイルスプリング16によって加熱定着ロール1に向けて押圧されている。ベースプレート11aは、幅(ベルトの走行方向)20mm、長さ(紙面の垂直方向)320mm、厚さ5mmのステンレス鋼製のものである。また、弾性層11bは、ゴム硬度23°のシリコーンスポンジ(シリコーンゴムの発泡体)からなる厚さ5mmのものである。なお、ここでゴム硬度は、高分子科学社製のアスカーCタイプのスポンジ用ゴム硬度計により、荷重300gfを付加して計測した結果である。さらに、低摩擦層11cとしては、ポリテトラフルオロエチレンを含浸させたガラス繊維シートである中興化成製の「FGF−400−4」(商品名)を用いている。
【0028】
ここで弾性層11bが設けられていることにより、低摩擦層11cのエンドレスベルト15と接触する接触面は、加熱定着ロール1の外周面と整合可能になっている。すなわち、一定以上の荷重によって圧力付与部材11を加熱定着ロール1に向けて押圧すれば、弾性層11bが変形し、低摩擦層11cの接触面が加熱定着ロール1の外周面に沿って圧接されるように変形するようになっている。したがって、圧力付与部材11が圧縮コイルスプリング16によって加熱定着ロール1に押圧されると、エンドレスベルト15は加熱定着ロール1に隙間なく圧接される。
【0029】
また、低摩擦層11cの表面には、粘度1000csのジメチルシリコンオイル(商品名「KF−96」:信越化学株式会社製)が塗布されており、これによってエンドレスベルト15と圧力付与部材11との間の摩擦係数が小さくなるようになされている。そして、ジメチルシリコンオイルを塗布した状態では、エンドレスベルト15と加熱定着ロール1との間の摩擦係数μ1よりも、圧力付与部材11とエンドレスベルト15との間の摩擦係数μ2は小さくなっている。このように、エンドレスベルト15の両面における摩擦係数を設定することによって、エンドレスベルト15は、加熱定着ロール1の回転に伴って、圧力付与部材11上を滑りながら走行が可能となる。
【0030】
上記エンドレスベルト15は、ポリイミドフィルムにより厚さ75μm、幅300mm、周長188mmに形成されている。このエンドレスベルト15は、加熱定着ロール1と離れた位置に配置された支持ロール12,13,14の周囲に約8kgfの張力で巻回されている。支持ロール12,13,14はステンレスによって形成されており、その直径は、それぞれ18mm,18mm,23mmである。
【0031】
このエンドレスベルト15は、圧力付与部材11が加熱定着ロール1に向けて押圧されていることにより、加熱定着ロール1に隙間なく圧接される。このとき、圧力付与部材11の接触圧力は、約0.56kgf/cm2 に設定されている。また、加熱定着ロール1が、モータ27により周速度V=220mm/secで回転しており、この回転によりエンドレスベルト15も速度220mm/secで従動回転するようになっている。
【0032】
次に、上記画像定着装置の動作について説明する。
上記画像定着装置では、図1中の右側において、図示しない転写装置によりシート7の上にトナー8の像が転写され、ベルトニップに向けてこのシート7が搬送されてくる。シート7は、ベルトニップの圧力付与部材11の配置されている位置に侵入する。そして、ベルトニップに作用する圧力とハロゲンランプ5によって加熱定着ロール1を通じて与えられる熱により、トナー8の像がシート7上に定着される。
【0033】
ここで、従来技術のようにベルトニップ内の圧力が十分でない場合には、ベルトニップを通過中にシート7が加熱されることにより、シート7の繊維間およびトナー8の粒子間に含まれていた空気や水蒸気が膨張又は蒸発して、シート7と加熱定着ロール1との間に侵出してくる。そして、この空気や水蒸気がベルトニップ内で気泡となって、未定着のトナー8を攪乱することになる。
【0034】
しかし、本例の画像定着装置では、エンドレスベルト15を圧力付与部材11の接触面によって加熱定着ロール1に向けて押し付けており、この接触面が加熱定着ロール1の外周面とほぼ整合可能になっている。したがって、図2に示すように、エンドレスベルト15を加熱定着ロール1に対して隙間なく圧接することができ、これによってシート7やトナー8から空気や水蒸気が膨張してくるのを抑制することができる。このため、ベルトニップ内での気泡の発生および成長を抑制でき、成長した気泡によって未定着のトナー8が攪乱されるのを防止することができる。
【0035】
これと同時に、圧力付与部材11の接触面で大きな面積にわたって、エンドレスベルト15と加熱定着ロール1との間に作用する圧接力を与えることができるので、ベルトニップ間を通過するシート7上のトナー8をエンドレスベルト15と加熱定着ロール1とで確実に押さえて定着させることが可能である。このようにして、トナー像の乱れを防止しながら、トナー像を定着させることができる。すなわち、定着された画像にニジミやズレなどの乱れが生じるのを防止することが可能である。
【0036】
図3は、本願発明と同様の圧力付与部材を用いた画像定着装置の他の参考例を示す概略構成図である。
この画像定着装置では、エンドレスベルト35、および圧力付与部材31の支持の仕方が図1に示す画像定着装置と異なっている。すなわち、図1に示す画像定着装置では、3本の支持ロール12,13,14によってエンドレスベルト15を張架していたが、ここでは、エンドレスベルト35は無張力状態で圧力付与部材31によって加熱定着ロールに押圧されている。この圧力付与部材31は支持部材32に取り付けられ、これらがスプリング36によって加熱定着ロール21に押圧されており、支持部材32上に取り付けられた弾性層31aとその表面の低摩擦層31bとからなるものである。
【0037】
また、支持部材32にはエンドレスベルト35を案内するためのガイド部材33が取り付けられ、その表面に周方向に沿って突起部34が形成されている。エンドレスベルト35には、ニップ領域外で張力は働いておらず、加熱定着ロール21の回転に伴ってエンドレスベルト35がガイド部材33の周囲を走行するようになっている。エンドレスベルト35は、厚さ30μmのニッケル製のものであり、加熱定着ロール1と圧力付与部材31とで挟まれるベルトニップの部分では、両者の圧接面の形状に応じて変形するようになっている。ただし、適当な可撓性を有していれば、他の金属でエンドレスベルト35を形成することも可能である。
【0038】
上記ガイド部材33はエンドレスベルト35の形状に合わせたほぼ円形となっているが、エンドレスベルト35の走行を妨げるものでなければ、他の形状であってもよい。例えば、楕円形などであってもよい。また、ガイド部材33の材質も、ある程度の剛性を有し、ベルトニップから熱を奪い過ぎず、エンドレスベルト35の走行を阻害しなければ、様々なものを使用することができる。例えば、金網や樹脂などでガイド部材33を形成することができる。
なお、この画像定着装置の他の構成は図1に示す画像定着装置と同じである。
【0039】
このような画像定着装置では、エンドレスベルト35は加熱定着ロール21の回転に伴って回転する。エンドレスベルト35は金属によって形成されており、図1中に示すエンドレスベルト15のようなポリイミドフィルム製のものよりも高い剛性を有している。このため、ロールによって張力を与えなくても、波打ちやしわなどが発生することがない。したがって、従来エンドレスベルトの張架に用いられてきたロールを排除することができ、装置の大幅な簡素化、小型化および費用の低減を達成することが可能である。
【0040】
また、圧力付与部材31の接触面は加熱定着ロール21の外周面に合わせて変形し、これにより図4に示すようにエンドレスベルト35が加熱定着ロール21に隙間なく広い範囲で圧接される。このとき、圧力付与部材31による接触圧力は、0.56kgf/cm2 に設定されており、これによってベルトニップ内の圧力Pnも0.56kgf/cm2 となる。従って、ベルトニップ内において低圧部分が生じることがなく、空気や水蒸気の熱膨張を抑制してトナー像のずれや乱れを防止することができる。
【0041】
図5は、請求項2、請求項3、請求項5、請求項6、請求項7又は請求項8に記載の発明の一実施形態である画像定着装置を示す概略構成図である。
この画像定着装置では、エンドレスベルト55を支持するロールの構成が図1に示す画像定着装置と異なっている。図1に示す画像定着装置では、3本の支持ロール12,13,14によってエンドレスベルト15を張架していたが、ここでは、該支持ロール12に代えて、加圧部材である圧力ロール52が配設され、エンドレスベルト55を加熱定着ロール41に圧接するようになっている。
【0042】
この圧力ロール52は、加熱定着ロール41の回転方向における圧力付与部材51の下流側に設けられており、コイルスプリング57によって加熱定着ロール41に約16kgfの荷重で押圧されている。これにより、加熱定着ロール41の弾性層43に局部的に変形を生じさせるようになっている。この圧力ロール52および圧力付与部材51によって、エンドレスベルト55が加熱定着ロール41に圧接されており、これらの配置により、加熱定着ロール41へのエンドレスベルト55の巻付角度は45°となっている。この場合ベルトニップの幅は20mmとなる。
【0043】
上記圧力付与部材51は、ベルトの走行方向の幅が15mmのベースプレート51a上に弾性層51bと低摩擦層51cとを積層したものであり、ベルトニップにおける低摩擦層51cの接触面の幅(ベルトの走行方向で計って)が約12mmとなっている。ここで加熱定着ロール41とエンドレスベルト55とが接触する軸方向の長さは300mmである。また、圧力付与部材51の接触荷重は20kgfに設定されており、接触面の幅が12mmであることから、圧力付与部材51の接触圧力は、0.56kgf/cm2 となっている。
【0044】
また、圧力付与部材51とエンドレスベルト55との間の摩擦係数μ2は、エンドレスベルト55と加熱定着ロール41との間の摩擦係数μ1よりも小さく設定されている。これにより、エンドレスベルト55は、加熱定着ロール41の回転に伴って、圧力付与部材51上を滑りながら走行可能となる。この摩擦係数μ1と摩擦係数μ2との間の差Δμは、大きい方が好適であり、この差Δμについては後述する。
なお、この画像定着装置の他の構成は図1に示す画像定着装置と同じである。
【0045】
このような画像定着装置では、加熱定着ロール41が回転駆動されることによってエンドレスベルト55もこれに従って周回移動する。そして、ベルトニップに未定着のトナー48を担持したシート47が送り込まれる。このとき、加熱定着ロール41及びエンドレスベルト55の周速は220mm/secとなっている。ベルトニップ内では、圧力付与部材51と圧力ロール52とが圧接されることにより、圧力分布は図6に示すようになっており、圧力付与部材51によって押圧される領域を通過した後に圧接力が小さくなる範囲が生じている。
【0046】
シート47上のトナー48は、このようなベルトニップ内を通過する間に以下のような挙動を示す。すなわち、図7(a)に示すように、シート47上のトナー48はベルトニップ内を通過する間に加熱され、ベルトニップの中央部付近(ニップ入口から約10mmの位置)で、トナー48はガラス状からゴム状流動が生じる状態への転移温度付近まで加熱される。このため、図7(b)に示すようにトナーの粘性率が急激に減少し、トナーはゴム状流動を生じる状態となる。したがって、この後エンドレスベルトの圧接力が小さい領域を通過してもトナーは移動することなく画像の乱れ等を生じない。そして、ベルトニップ内でトナー48は更に加熱され、ベルトニップに作用する圧力により、トナー48はシート47上に融着される。
【0047】
また、圧力ロール52との対向位置では、加熱定着ローラ41が局所的に変形しており、その変形部での表面速度が局所的に大きくなるため、シート47と加熱定着ローラ41との間にズレが生じる。このズレによって、トナー48と加熱定着ローラ41との界面に微小なスリップを生じて、トナー48が加熱定着ローラ41に付着することなく、シート41上に定着される。
【0048】
このような画像定着装置において、エンドレスベルト55と加熱定着ロール41との間の隙間の発生を防止するためには、圧力付与部材51によってベルトニップに与える圧力Pnが(1)に示す条件を満足すればよいと考えることができる。
Pn ≧ Po(Tn/To−1) (1)
【0049】
ベルトニップ内での定着温度Tnを150℃とし、環境温度Toを20℃とすると、上記式(1)より圧力Pnを0.44kgf/cm2 以上にすることが必要となる。本例では、圧力付与部材51の接触圧力は、0.56kgf/cm2 としており、これによってベルトニップ内の圧力Pnも0.56kgf/cm2 となって隙間の発生が防止される。
【0050】
ただし、圧力付与部材51でエンドレスベルト55を押圧する領域が短すぎれば、トナー48がゴム状流動状態となる以前にシート47がベルトニップの圧力付与部材51で押圧されている部分を抜け出してしまい、ベルトニップ内の後続の部分でシート47やトナー48から膨張した空気や水蒸気が侵出して気泡を形成することになる。
【0051】
そこで、圧力付与部材51でエンドレスベルト55を押圧する長さ(圧力付与部材51で押圧するニップ幅)を変更して、画像のズレやニジミといった画像の乱れの発生の有無を調べる実験を行った。この実験結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
表1において、記号×はシート7上に目視で認識できる画像の乱れが発生したことを示し、△は目視では分からないが拡大すると認識できる画像の乱れが発生したことを示し、○は拡大しても画像の乱れが発見されず最も良好であったことを示す。この実験では、まず、前記のように、画像の乱れを防止するには、ベルトニップ内の圧力Pnが0.44kgf/cm2 以上であると効果的であることが判明した。
【0054】
また、ベルトニップ内の圧力Pnが0.44kgf/cm2 以上の条件においては、圧力付与部材51でエンドレスベルト55の走行方向においてエンドレスベルト55を押圧する長さは、6mmでは十分ではなく、10mm以上必要であることが分かる。前記のように、本例でのベルトニップの全幅(エンドレスベルト55の走行方向におけるベルトニップの長さ)は、20mmであるから、画像の乱れを防止するには、圧力付与部材51が、エンドレスベルト55の走行方向におけるベルトニップの長さの1/2以上にわたって、エンドレスベルト55を押圧しなければならないことになる。
【0055】
さらに、定着速度を220mm/secから300mm/secに高速化した場合、記録シート上のトナー像を定着するためには、加熱定着ロールの温度を170°Cにする必要がある。この条件で表1と同様の実験を行い、その実験結果を表2に示す。
【表2】
【0056】
ここで、表1の結果よりも画像乱れが起こりやすくなる傾向がある。これは加熱定着ロールの温度が高いことに起因すると考えられ、式(1)に基づいて導かれるニップ圧力Pnの下限値は0.52kgf/cm2 となる。一方、上記表2に示される実験結果では、ニップ圧力Pnが0.55kgf/cm2 以上で画像乱れが有効に防止されており、式(1)によって導かれる条件を満足することによって画像乱れが防止されることが解る。
【0057】
次に、図8は、エンドレスベルト55と加熱定着ロール41との間の摩擦係数μ1と、圧力付与部材41とエンドレスベルト55との間の摩擦係数μ2との差Δμを変更して、加熱定着ロール41の回転にエンドレスベルト55が追随して走行することができるか否かを調べた実験結果を示す。同図中、点線は加熱定着ロール41の周速度Vを示し、実線はエンドレスベルト55の走行速度を示す。なお、加熱定着ロール1の周速度Vは、前記の通り220mm/secとした。
【0058】
前述のように、エンドレスベルト55が、加熱定着ロール41の回転に伴って圧力付与部材51上を滑りながら走行するためには、摩擦係数μ2が摩擦係数μ1よりも小さくなければならない。また、図8より明らかなように、摩擦係数μ1と摩擦係数μ2の差Δμが小さいときには、圧力付与部材51との摩擦によってエンドレスベルト55の速度が低下させられ、加熱定着ロール1とエンドレスベルト55との間に滑りが生じてしまう。そして、エンドレスベルト55が加熱定着ロール41の周速度Vと等しい速度で走行するためには、摩擦係数μ1と摩擦係数μ2との差Δμが0.5以上であることが好ましい。
【0059】
図9は、請求項1、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7又は請求項8に記載の発明の一実施形態である画像定着装置を示す概略構成図である。
この画像定着装置では、図3に示す画像定着装置と同様にエンドレスベルト75が周方向に無張力状態で支持されているが、圧力付与部材71と加圧部材76とが支持部材72上に一体形成されており、この支持部材72の背面側からスプリング76によって加熱定着ロール61に押圧されている。
この加圧部材76は、ロール状の部材であるが非回転の状態で用いられており、加圧部材76の押圧力によって加熱定着ロール61の弾性層63に変形を生じるようになっている。また、このような変形を生じさせることができるものであれば、ロール状の部材に限らず、エッジあるいは曲率を持った部材を押圧してもよい。
【0060】
また、上記支持部材72にはエンドレスベルト75を案内するためのガイド部材73が設けられており、図10に示すようにその表面には、エンドレスベルトの周回移動方向に沿った突起部74がほぼ等間隔で設けられている。これにより、エンドレスベルト75の内周面との接触面積が少なくなり、エンドレスベルト75の走行時の摩擦が小さくなるようにされている。また、ガイド部材73の両端部には、フランジ77が設けられており、これによってエンドレスベルト75が加熱定着ロール61の軸線方向の片側に寄ったり、ガイド部材73から外れたりすることが防止されている。
なお、この画像定着装置の他の構成は図3に示す画像定着装置と同じである。
【0061】
このような画像定着装置では、圧力付与部材71と加圧部材76とが一体として支持されており、圧力付与部材71による圧接部と、加圧部材76による圧接部とが、加熱定着ロール61の周方向に近接している。このため、図11に示すように、圧力付与部材71と加圧部材76との間に圧接力の小さい部分が生じないようにニップ圧力分布を設計することが可能となり、より効率的にトナー像のズレや乱れを防止することができる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本願に係る発明によれば、ベルトニップにおいてエンドレスベルトを加熱定着ロールに対してギャップが生じることなく押さえ付けることが可能であり、これによってシートの繊維間やトナー粒子間から膨張した空気や水蒸気が侵出してくるのを抑制することができる。このため、ベルトニップ内での気泡の発生および成長を抑制でき、成長した気泡によって未定着のトナーが攪乱されるのを防止することができる。さらに、圧力付与部材でエンドレスベルトと加熱定着ロールとの間の圧接力を大きな面積にわたって与えることができるので、ベルトニップ間を通過するシート上のトナーをエンドレスベルトと加熱定着ロールとで確実に押さえて定着させることが可能である。このようにして、トナー像の乱れを防止しながら、トナー像を定着させることができるため、定着した画像にニジミやズレなどの乱れが生じるのを防止できる。
特に、ベルトニップ内の圧力Pnと、ベルトニップ内部の温度Tnと、環境温度Toと、大気圧Poとの間に、
Pn ≧ Po(Tn/To−1)
の関係が成立するようにしたことによって、前記の効果をさらに確実に達成することができる。
【0063】
このような画像定着装置で、ベルトの張力によってエンドレスベルトを加熱定着ロールに押圧してもよいが、エンドレスベルトを無張力状態で支持することも可能である。エンドレスベルトに張力が働かなくなるようにすることにより、その張架手段が不要となり、コストダウンが可能となる。
【0064】
また、圧力付与部材の押圧面を摩擦係数が小さくなる材料で構成することにより、エンドレスベルトが、圧力付与部材によって停止されずに、加熱定着ロールの回転に追随して走行可能となる。このため、例えば、加熱定着ロールのみが回転してシート上のトナーが加熱定着ロールに擦られて画像が乱れてしまうような不都合を抑制することが可能である。すなわち、圧力付与部材の押圧面の材質を適切に設定することにより、エンドレスベルトの走行速度を加熱定着ロールの回転速度に一致させることが可能となり、上記のような効果をさらに確実にすることができる。
【0065】
また、加熱定着ロールに押圧する加圧部材によって加熱定着ロールとシートとの間にズレを生じさせることができ、シートは容易に剥離されて、いわゆるセルフストリッピングが可能となる。
【0066】
さらに、圧力付与部材をベルトニップの上流部に設けると、画像乱れの生じない温度にトナーが加熱されるまでの範囲を圧力付与部材で押圧することにより、シートがベルトニップの圧力付与部材で押圧されている部分を抜け出した後のベルトニップ内の低圧の部分で、シートやトナーからの空気や水蒸気が気泡となっても画像の乱れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明と同様の圧力付与部材を用いた画像定着装置を参考例として概略構成図である。
【図2】 図1に示す画像定着装置のベルトニップ領域に作用する圧力分布を示す図である。
【図3】 本願発明と同様の圧力付与部材を用いた画像定着装置の他の参考例を示す概略構成図である。
【図4】 図3に示す画像定着装置のベルトニップ領域に作用する圧力分布を示す図である。
【図5】 本願発明に係る第1の実施形態である画像定着装置を示す概略構成図である。
【図6】 図5に示す画像定着装置のベルトニップ領域に作用する圧力分布を示す図である。
【図7】 図5に示す画像定着装置におけるベルトニップ内のトナーの温度及び粘性率を示すグラフである。
【図8】 図5に示す画像定着装置において、エンドレスベルトと加熱定着ロールとの間の摩擦係数μ1と、圧力付与部材とエンドレスベルトとの間の摩擦係数μ2との差Δμを変更して、加熱定着ロールの回転にエンドレスベルトが追随して走行することができるか否かを調べた実験結果を示すグラフである。
【図9】 本願発明に係る第2の実施形態である画像定着装置を示す概略構成図である。
【図10】 図9中に示すA−Aでの矢視図である。
【図11】 図9に示す画像定着装置のベルトニップ領域に作用する圧力分布を示す図である。
【図12】 従来の画像定着装置の一例を示す概略構成図である。
【図13】 従来の画像定着装置のベルトニップ領域に作用する圧力分布を示す図である。
【図14】 従来の画像定着装置における定着温度と、ベルトニップに生じるスペースとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1,21,41,61 加熱定着ロール、
5,25,45,65 ハロゲンランプ、
6,26,46,66 モータ、
7,27,47,67 シート、
8,28,48,68 未定着トナー像、
9,29,49,69 オイル供給装置、
10,30,50,70 温度センサ、
11,31,51,71 圧力付与部材、
12,13,14,53,54 支持ロール、
15,35,55,75 エンドレスベルト、
16,36,56,76 圧縮コイルスプリング、
32,72 支持部材、
33,73 ガイド部材、
34,74 突起部、
52 圧力ロール、
57 コイルスプリング、
76 加圧部材、
77 フランジ
Claims (8)
- 表面付近に弾性体層を有し、回転可能に支持された加熱定着ロールと、
前記加熱定着ロールの外周面に沿って湾曲するように接触し、トナー像を担持した記録シートが前記加熱定着ロールとの間に挟み込まれるニップを形成するエンドレスベルトと、
前記エンドレスベルトの内面側に当接され、前記加熱定着ロールの表面に沿って前記エンドレスベルトを押圧するパッド状の圧力付与部材と、
前記加熱定着ロールの回転方向における前記圧力付与部材の押圧位置より下流側で前記エンドレスベルトを前記加熱定着ロールに押圧し、該加熱定着ロールの前記弾性体層に変形を生じさせる加圧部材とを有し、
前記圧力付与部材による圧接部と前記加圧部材による圧接部との間に、前記エンドレスベルトと前記加熱定着ロールとの接触圧が、前記圧力付与部材の圧接範囲より小さくなる部分が生じないように設定されていることを特徴とする画像定着装置。 - 表面付近に弾性体層を有し、回転可能に支持された加熱定着ロールと、
前記加熱定着ロールの外周面に沿って湾曲するように接触し、トナー像を担持した記録シートが前記加熱定着ロールとの間に挟み込まれるニップを形成するエンドレスベルトと、
前記エンドレスベルトの内面側に当接され、前記加熱定着ロールの表面に沿って前記エンドレスベルトを押圧するパッド状の圧力付与部材と、
前記加熱定着ロールの回転方向における前記圧力付与部材の押圧位置より下流側で前記エンドレスベルトを前記加熱定着ロールに押圧し、該加熱定着ロールの前記弾性体層に変形を生じさせる加圧部材とを有し、
前記圧力付与部材が前記エンドレスベルトの周方向において、前記エンドレスベルトが前記加熱定着ロールと当接された位置から、トナーの粘性がガラス状からゴム状流動を生じる状態へ転移する温度に加熱される位置までに圧接されていることを特徴とする画像定着装置。 - 前記加圧部材が、軸線回りに回転が可能に支持されたロールであり、
前記エンドレスベルトは、前記加圧部材を含む複数のロールに張架されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像定着装置。 - 前記エンドレスベルトは、周方向に無張力状態で、前記圧力付与部材及び前記加圧部材によって支持され、該加圧部材の押圧位置から圧力付与部材の押圧位置までの、加熱定着ロールに当接されていない部分は、内周面と対向するように配置されたガイド部材によって案内されるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像定着装置。
- 前記圧力付与部材の押圧面は、耐熱性を有する材料からなり、ほぼ全面に微少な凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像定着装置。
- 前記圧力付与部材の押圧面は、耐熱性の繊維からなる布に耐熱性樹脂を含浸させた部材で形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像定着装置。
- 前記繊維は、ガラス繊維であり、前記耐熱性樹脂は、フッ素樹脂であることを特徴とする請求項6に記載の画像定着装置。
- 前記加熱定着ロールと前記エンドレスベルトとの間の摩擦係数μ1よりも、前記圧力付与部材と前記エンドレスベルトとの間の摩擦係数μ2 が小さくなっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像定着装置。
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