JP3817152B2 - 日陰耐候性に優れた高強度・高靱性耐候性鋼 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、大気環境での耐候性が要求され、かつ、構造物としての安全性の確保の観点からは、優れた強度、靭性、溶接性が要求される橋梁、鉄塔などの鋼構造物に使用される鋼材に関するものである。特に、本発明は、従来、使用鋼材として、適切な耐候性を発現する鋼材を見い出すことが困難な海浜地区や、融雪塩を散布する高飛来塩粒子環境の日陰条件下においても、優れた耐候性を発現する鋼材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、鋼材自体が生成する、緻密な保護性を有する“保護性さび”あるいは“安定さび”により、大気環境での腐食減量を抑制し、重塗装やめっきをせずに、裸で、あるいは、“安定さび”の形成を補助するための表面処理のみで使用できる鋼材として、耐候性に有効なCu、Ni等を微量含有する耐候性鋼(例えば、JISG3114溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材)が、様々な鋼構造分野で使用されている。
【0003】
しかし、環境中に塩素イオンが存在すると、保護性を有する緻密なさびの形成が妨げられるため、耐候性鋼といえども、高飛来塩分環境において十分な耐候性を発揮することは困難であり、耐候性鋼の使用は、飛来塩分量が0.05mg/cm2/day(以下mddと略称)未満の環境に制限されているのが実状である。
【0004】
最近、従来の耐候性鋼を使用することが困難な高飛来塩分環境下でも、十分な保護性を有する"安定さび"を形成して、優れた耐候性を発現する、いわゆる、海浜あるいは海岸耐候性鋼が開発されつつある。例えば、特開平11−172370号公報には、鋼に、Cu及びNiを、特にNiを、従来の耐候性鋼の範囲からは予想できないような範囲で多量に添加すると、海浜地区においても優れた耐候性を発現することが開示されている。
【0005】
しかし、上記公報に記載の海浜耐候性鋼においては、Niを多量に含有するので、製造コストの上昇を招くという問題がある。また、上記海浜耐候性鋼は、付着塩分が降雨等によって洗い流される可能性が高く、かつ、鋼材表面が乾燥する期間が長い日照条件下では、十分な耐候性を発現するが、一方、一旦付着した塩分の減少が期待できず、かつ、乾燥期間も十分でない日陰環境下では、必ずしも良好な耐候性を発現しないという問題を抱えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の耐候性鋼が抱える課題を解決するため、飛来塩分量が多く、かつ、日陰環境であるような環境、即ち、耐候性の観点からは最も過酷な環境においても、十分な保護性を有する“安定さび"を形成して耐候性を発現する、日陰高耐候性に優れた高靱性・高強度鋼を、コスト増加と溶接性の劣化を招くような極端な合金元素の多量添加に頼ることなく提供することを課題とするものである。
【0007】
そして、本発明によれば、大気環境での耐候性が要求され、かつ、構造物としての安全性の確保の観点からは、優れた強度、靭性、溶接性が要求される橋梁、鉄塔などの鋼構造物に使用される鋼材、特に、従来、使用鋼材として、適切な耐候性を発現する鋼材を見い出すことが困難な海浜地区や、融雪塩を散布する高飛来塩粒子環境の日陰条件下においても、優れた耐候性を発現する鋼材を提供することが可能となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
日陰環境の下では、降雨の影響を受け難いので、鋼材表面には、一旦付着した飛来塩分が長期間留まり、鋼材表面での"安定さび"の形成が妨げられる。また、日陰環境は、日照環境に比べて湿潤期間が長いので、更に、"安定さび"の形成には不利に作用する。そのため、耐候性鋼といえども、飛来塩分量の多い日陰環境において、優れた耐候性を発現することは非常に困難である。
【0009】
本発明者は、まず、耐候性に有効と思われる合金元素、特に、特開平11−172370号公報に開示されているNi及びCuを中心に検討した。その結果、Ni及びCuを上記公報記載の含有量の上限を超えて添加すると、高飛来塩分環境下での日陰耐候性は確かに向上するが、その効果は、必ずしも十分ではないことが判明した。
【0010】
また、多量のNi及びCuの添加は、鋼片の割れの増加や溶接性の低下など、他の特性の劣化を招いてしまうので、単に、従来技術の延長上で合金元素を多量に添加しただけでは、構造材料として用いることが可能な日陰耐候性鋼を製造することは困難であるとの結論に至った。
そこで、本発明者は、全く新しい観点から耐候性の向上に取り組んだ。すなわち、本発明は、"安定さび"のに有効なNi及びCuの添加を基本とし、その上で、鋼組織を適正化することにより、耐候性の向上を図るという試みに取り組んだ。
具体的には、鋼組織を、フェライト以外の第二相の面積率を制限した超細粒フェライト組織とすることによって、従来は達成できなかった高飛来塩分環境下での日陰耐候性を、飛躍的に向上できることを知見し、本発明をなすに至った。
そして、本発明が要旨とするところは、以下のとおりである。
【0011】
(1) 質量%で、C:0.01〜0.2%、Si:0.01〜1%、Mn:0.1〜2%、P:0.001〜0.05%、S:0.015%以下、Ni:2.58〜9%、Cu:0.1〜1.5%、Al:0.001〜0.1%、N:0.001〜0.01%、を含有し、残部が鉄及び不可避不純物からなり、鋼板表裏面のそれぞれの面から板厚方向に板厚の10〜50%の範囲に、平均フェライト粒径が3μm以下で、組織に占めるフェライト以外の第二相の面積率が25%以下の超細粒フェライト組織を有することを特徴とする日陰耐候性に優れた高強度・高靭性耐候性鋼。
【0012】
(2) 質量%で、更に、Cr:0.01〜0.5%、Mo:0.01〜3%、Ti:0.003〜1%、V:0.005〜0.5%、Nb:0.003〜0.25%、Zr:0.003〜0.1%、Ta:0.005〜0.2%、W:0.01〜3%、B:0.0003〜0.002%の1種又は2種以上、を含有することを特徴とする前記(1)に記載の日陰耐候性に優れた高強度・高靱性耐候性鋼。
【0013】
(3) 質量%で、更に、Mg:0.0005〜0.01%、Ca:0.0005〜0.01%、REM:0.005〜0.1%の1種又は2種以上、を含有することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の日陰耐候性に優れた高強度・高靱性耐候性鋼。
(4) 質量%で、更に、Sb:0.01〜0.15%、Sn:0.01〜0.15%、Pb:0.01〜0.15%、Co:0.01〜1.5%の1種又は2種以上、を含有することを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の日陰耐候性に優れた高強度・高靱性耐候性鋼。
(5) 前記鋼板表裏面の少なくとも一つの面に、有機樹脂、金属又は無機物の防食被覆を有することを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の日陰耐候性に優れた高強度・高靱性耐候性鋼。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について詳細に述べる。
本発明は、化学組成を適正化した上で、鋼組織を超細粒化することによって、優れた日陰耐候性と、構造用材料として必要な基本特性を達成するものである。そこでまず、化学組成の限定理由とその作用を説明し、次いで、鋼組織の限定理由を説明する。なお、以下、「%」はすべて「質量%」のことである。
【0015】
Cは、鋼の強度を向上させる有効な成分として含有するが、0.01%未満の含有では、構造用鋼に必要な強度の確保が困難であり、一方、0.2%を超える過剰の含有は、母材及び溶接部の靭性や耐溶接割れ性を低下させるので、その含有量は、0.01〜0.2%の範囲とする。超微細フェライト組織を安定的に得るためには、0.1%を上限とすることが好ましい。また、大入熱溶接の溶接部靱性が求められる場合には、0.06%を上限とするのが好ましい。
【0016】
Siは、脱酸元素として、また、母材の強度確保に有効な元素であるが、0.01%未満の含有では脱酸が不十分となり、また、強度確保に不利である。逆に、1%を超える過剰の含有は、粗大な酸化物を形成せしめ、延性や靭性の劣化を招く。そこで、Siの含有量範囲は0.01〜1%とする。
Mnは、母材の強度、靭性の確保に必要な元素であり、最低限0.1%含有する必要があるが、過剰に含有すると、硬質相の生成や粒界脆化等により、母材靱性や溶接部の靭性、さらに、溶接割れ性などが劣化するので、材質上許容できる範囲で、含有量の上限を2%とする。
【0017】
Cuは、さび層の形成時にFeとともに溶出し、さび粒子の粗大化を抑制し、さび層の緻密さを保つことで耐候性を向上させるために必要な元素である。さび層を緻密化する効果を発揮するためには、0.1%以上の添加が必要である。一方、Cu量は多いほど耐候性の向上に有効であるが、1.5%を超えて添加しても、その効果は飽和し、また、熱間加工時の割れの問題が生じることから、Cu量の上限は1.5%とする。
【0018】
Niは、Cu以上にさび層の緻密化に有効な元素であり、Cuとともに必須の元素である。Niは、さび層中に含まれると、鋼中のFeとともに溶出し、さび層中にほぼ均一に含まれることにより、さび層の表面に付着した飛来塩分に由来するClイオンのさび層/地鉄界面への浸透を抑制し、さび層内部を低Clイオン環境とする。このように、Niは、高飛来塩分環境下において、さび粒子の緻密化を促進する。
【0019】
また、Niは、それ自体、Clイオンを含む水溶液中における乾湿繰り返し腐食環境での腐食速度を低減する効果を有し、この効果も、耐候性の向上に有効に寄与する。
【0020】
ただし、飛来塩分量あるいは日陰環境の具体的な条件にもよるが、塩分環境が過酷なほど、Ni量を高める必要がある。
Ni量は高いほど耐候性の向上に有効であり、Ni量の上限は、耐候性よりも他の特性からの要求で決定される。すなわち、溶接性、鋼材表面性状の確保の観点から、Niの上限は9%とする。超微細フェライト組織を安定的に得るには、5%を上限とすることが好ましく、さらに好ましくは、3.5%を上限とする。
【0021】
Alは、脱酸、オーステナイト粒径の細粒化等に有効な元素であるが、該効果を得るためには、0.001%以上含有する必要がある。一方、0.1%を超えて過剰に含有すると、粗大な酸化物を形成して延性を極端に劣化させるので、Al含有量は、0.001〜0.1%の範囲に限定する必要がある。
Pは、耐候性向上に有効な元素であり、その効果を明確に発揮するためには、0.001%以上の添加が必要である。ただし、多量の添加は、靭性や溶接性を劣化させるので、構造用鋼においては好ましくない。本発明においては、靭性、溶接性の劣化が許容できる範囲として、上限を0.05%に限定する。
【0022】
Nは、AlやTiと結びついてオーステナイト粒の微細化に有効に作用し、その微量の含有が、機械的特性の向上に有効に寄与する。また、工業的に鋼中のNを完全に除去することは不可能であり、必要以上に低減することは、製造工程に過大な負荷をかけることになるので、好ましくない。そのため、工業的に制御が可能で、製造工程への負荷が許容できる範囲として、N量の下限を0.001%とする。一方、過剰に含有すると、固溶Nが増加し、延性や靭性に悪影響を及ぼす可能性があるので、許容できる範囲として、上限を0.01%とする。
【0023】
Sは、不純物元素で、延性・靭性を劣化させる元素であり、極力低減することが好ましいが、材質劣化が大きくなく、許容できる量として、上限を0.015%とする。
以上が本発明の鋼材の基本成分の限定理由であるが、本発明においては、強度・靭性の調整のために、必要に応じて、Cr、Mo、Ti、V、Nb、Zr、Ta、W、Bの1種または2種以上を含有することができる。
【0024】
Crは、強度向上に有効な元素であり、該効果を発揮せしめるためには、0.01%以上必要であるが、CrはFeよりも卑な金属であり、塩分の多い環境での耐候性を阻害するので、耐候性に悪影響を及ぼさない範囲として、添加量の上限は0.5%とする。
Moは、強度向上に関してはCrと同等の効果を有するが、該効果が明確となるためには、0.01%以上必要である。一方、耐候性に関しては、MoとCrとは正反対の作用をなすもので、Moは耐候性向上に有効な元素である。
【0025】
Moは鋼中に含まれると、さびを形成するに際してモリブデン酸を生成し、さび粒子表面に吸着して凝集したさび粒子間で生じた空隙を負電荷過剰としてClイオンや硫酸イオンなどの陰イオンの地鉄界面への浸透を抑制することをとおして、安定さびが形成可能な限界飛来塩分量をさらに高めることを可能にする作用がある。その効果は3%で飽和するとともに、3%を超えると、機械的性質、特に、靭性と溶接性を阻害するようになるので、本発明においては、Moの含有量を0.01〜3%の範囲に限定する。
【0026】
Tiは、析出強化により母材強度向上に寄与するとともに、TiNの形成により加熱オーステナイト粒径微細化にも有効な元素であり、また、靭性向上にも有効な元素であるが、これらの効果を発揮せしめるためには、0.003%以上の含有が必要である。一方、1%を超えると、粗大な析出物や介在物を形成して、靭性や延性を劣化させるので、Ti量の上限を1%とする。
【0027】
Vも、V(C、N)を形成して強度向上に有効な元素であるが、過剰の含有では、析出脆化により靭性が劣化する。従って、靭性の大きな劣化を招かずに、効果を発揮せしめる範囲として、Vの含有量を0.005〜0.5%の範囲に限定する。
Nbは、Nb(C、N)を形成することで強度・靭性の向上に有効な元素であるが、過剰の含有では、析出脆化により靭性が劣化する。従って、靭性の劣化を招かずに、該効果を得る範囲として、Nbの含有量を0.003〜0.25%の範囲に限定する。
【0028】
Zrも、窒化物を形成する元素であり、Tiと同様の効果を有するが、その効果を発揮せしめるためには、0.003%以上の含有が必要である。一方、0.1%を超えると、Tiと同様に粗大な析出物や介在物を形成して靭性や延性を劣化させるので、Zrの含有量を0.003〜0.1%の範囲に限定する。
Taも、強度・靭性の向上に有効な元素であるが、効果を発揮せしめるためには、0.005%以上の含有が必要である。一方、0.2%を超えると、析出脆化や粗大な析出物や介在物による靭性劣化を生じるので、Ta量の上限を0.2%とする。
【0029】
Wは、強度向上、耐候性向上に関してMoとほぼ同等の効果を有する。該効果を発揮せしめるためには、最低限0.01%含有させる必要があるが、3%超で他の特性への悪影響が顕在化するので、本発明では、Wの含有量を0.01〜3%に限定する。
Bは、微量で確実にNと結びつくので、固溶Nの固定による靭性向上に有効であり、また、焼入性向上による強度・靭性の向上に有効な元素である。上記効果を発揮せしめるためには、0.0003%以上の添加が必要である。一方、0.002%を超えて過剰に含有すると、BNが粗大となり、延性や靭性に悪影響を及ぼし、また、溶接性も劣化させるので、B量の上限を0.002%とする。
【0030】
さらに、本発明においては、延性の向上、継手靭性の向上のために、必要に応じて、Mg、Ca、REMの1種または2種以上を含有することができる。
Mg、Ca、REMは、いずれも硫化物の熱間圧延中の展伸を抑制して、延性特性の向上に有効である。また、酸化物を微細化させて、継手靭性の向上にも有効である。その効果を発揮せしめるための含有量の下限は、Mg及びCaは0.0005%、REMは0.005%である。一方、過剰に含有すると硫量物や酸化物の粗大化を生じ、延性や靭性の劣化を招くので、Mg量及びCa量の上限は0.01%とし、REM量の上限は0.1%とする。
さらに、本発明においては、さらなる耐食性の向上のために、必要に応じて、Sb、Sn、Pb、Coの1種または2種以上を含有することができる。
Sb、Sn、Pb、Coは、いずれも母材の溶解そのものを抑制して、耐食性の向上に有効である。その効果を発揮するための含有量の下限は、それぞれ0.01%である。一方、Sb、Sn、Pb、Coを過剰に含有すると延性や靭性の劣化を招くので、含有量の上限は、Sb、Sn、Pbについては0.15%、Coについては1.5%とする。
【0031】
次に、本発明における組織要件について説明する。
すなわち、上記化学組成を有する鋼において、「鋼板表裏面のそれぞれの面から板厚方向に板厚の10〜50%の範囲に、平均フェライト粒径が3μm以下で、組織に占めるフェライト以外の第二相の面積率が25%以下の超細粒フェライト組織を有する」ことにより、飛来塩分量の高い日陰環境下において保護性の優れた安定さびを形成して、良好な耐候性を発揮することが可能となる。
【0032】
耐候性に対しては、通常範囲の細粒化ではほとんど効果がないが、平均粒径が3μm以下の超細粒組織とすることにより、安定さびの形成が均一化されて、耐候性が飛躍的に向上する。
特に、本発明の超細粒組織から形成される安定さびは、Clイオンの侵入抑制に効果があるので上記超細粒組織は、Clイオンにより安定さびの形成が大きく阻害される、飛来塩分量の多い日陰環境における耐候性を、通常粒径の場合に比べて、著しく向上させる。
【0033】
安定さびの均一形成に関しては、フェライト以外の第二相の存在も悪影響を及ぼす。安定さびの均一形成に悪影響を及ぼす第二相としては、パーライト、ベイナイト、マルテンサイト相があり、該第二相を抑制する必要がある。
本発明者の詳細な実験に基づけば、第二相の面積率が25%以下であれば悪影響はほとんど無視できる。それ故、本発明においては、パーライト、ベイナイト、マルテンサイト相からなる第二相の面積率を25%以下に限定する。
【0034】
なお、上記の第二相以外の金属相であるセメンタイトや炭窒化物などの微細析出物に関しては、そのサイズが、パーライト、ベイナイト、マルテンサイト相からなる第二相に比べて非常に微細であるので、耐候性に対してほとんど悪影響を及ぼさない。酸化物や硫化物などの介在物についてもサイズが小さければ問題ないが、長さが5μmを超えるような粗大介在物は、極力低減することが好ましい。
【0035】
鋼板において、このような、平均フェライト粒径が3μm以下で、組織に占めるフェライト以外の第二相の面積率が25%以下の超細粒フェライト組織を有すべき範囲は、鋼板表裏面のそれぞれの面から板厚方向に、板厚の10〜50%の範囲とする。ただし、これは安全代も考慮した範囲である。大気腐食による安定さびの形成は鋼板表面から進行するから、上記組織の厚さは、構造材料として強度を確保できる板厚減少分以上あればよい。
【0036】
本発明においては、上記組織要件が満足されていれば、その達成手段は問わないが、平均フェライト粒径が3μm以下で、フェライト以外の第二相の面積率が25%以下とするために好ましい方法として、フェライト単相域〜フェライト/オーステナイト二相域で熱間加工を行ってフェライトに加工歪を導入し、フェライトの再結晶を利用する方法が挙げられる。
【0037】
すなわち、この方法に従えば、フェライト単相域での加工であるために第二相を含まないか、もしくは、二相域加工であってもオーステナイトが大歪加工されるために、オーステナイトからパーライト、ベイナイト、及び/又は、マルテンサイトの相が形成されないで、フェライト相と微細なセメンタイト相が容易に形成される。
具体的には、例えば、特開平7−126798号公報や特開平7−126797号公報などに開示されているように、表層あるいは全厚超細粒鋼の製造方法を用いることによって、本発明の組織要件を得ることが可能である。
【0038】
なお、特開平7−126798号公報や特開平7−126797号公報に開示されているようなフェライトの加工・再結晶によって超細粒組織を有する鋼を製造するにあたって、パーライト、ベイナイト、及び/又は、マルテンサイトの相からなる第二相の抑制を確実にするためには、熱間加工後の冷却を、冷却速度が放冷の冷却速度以下である徐冷とするか、加速冷却をする場合には、加速冷却の停止温度を500℃以上とするか、600℃以上の焼戻し処理を施すことが好ましい。このようにすることによって、パーライト、ベイナイト、及び/又は、マルテンサイトの相からなる第二相が形成され難くなり、また、生成された第二相もフェライトと微細炭化物に分解されるので、本発明の組織要件を満足することが容易となる。
【0039】
以上が、本発明に関する要件の説明であるが、本発明においては、必要に応じて、鋼材の表面に、有機樹脂による塗装や金属または無機物の防食被覆を施すことも可能である。すなわち、本発明は、鋼材表面に黒皮が存在したままでの使用、あるいは、ショットブラスト等により黒皮を除去しただけの裸使用で、飛来塩分量の多い日陰環境下で十分優れた耐候性を示すが、さらに安定した耐候性を保証する場合、あるいは、初期のさび汁等の流出による景観の悪化を嫌う場合には、さらに、表面に有機樹脂による塗装や金属または無機物の防色被覆を施す。
【0040】
有機樹脂としては、エポキシ脂系、フタル酸系、ウレタン樹脂系、ビニルブチラール樹脂系及びその他の樹脂系であってよく、いずれも、塗装耐久性・耐候性が向上する。金属被覆では、Zn、Zn−Al、又は、Alめっき、あるいは、溶射などにより、耐候性の向上が期待できる。
いずれの場合も、本発明鋼と上記被覆との組み合わせにより、めっき、あるいは、溶射による被覆相に、微視的あるいは巨視的な欠陥が存在していて、該欠陥から地鉄の腐食が進行しても、その際に、Ni、Crなどを含有した緻密な"安定さび"が形成されるので、本発明鋼と上記被覆の組み合せは、本発明鋼のように極めて優れた耐候性を有しない鋼に上記被覆を施した場合に比べて、鋼材表面に対する保護性を格段に向上せしめる。
【0041】
また、特開昭55−97477号公報及び特開昭55−97478号公報等に開示されている耐候性鋼に係る、初期さび汁流出防止技術としてのさび安定化処理皮膜を本発明鋼に塗布することも、景観や安定さびの均一形成させる上で有効である。
【0042】
【実施例】
以上が本発明の要件についての説明であるが、さらに、実施例に基づいて本発明の効果を説明する。表1及び表2(表1の続き)に示す化学組成を有する鋼片を用いて、表3及び表4に示す製造条件a、b、又はc、及び、表5及び表6に示す製造条件d、e又はfに従って、超細粒鋼を製造した。なお、表1及び表2中には、化学組成、鋼組織の一方あるいは両方が本発明の要件を満足していない比較例も併せて示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
表1及び表2において、鋼片番号5〜8、10、16、18〜24は、その化学組成が本発明で規定する化学組成を満足している例(発明例)であり、鋼片番号26〜30は、その化学組成が本発明で規定する化学組成を満足していない例(比較例)である。
表7及び表8(表7の続き)に、製造された鋼板における超細粒層の割合、超細粒層のフェライト粒径、第二相の面積率、及び、鋼板の材質(強度、靭性)を示す。
超細粒層の割合は、鋼板の任意の10カ所における断面方向の光学顕微鏡組織観察により求めた平均値であり、粒径と第二相面積率は、表裏面の各々について超細粒層のほぼ中央(全厚が超細粒組織となっている場合は板厚の1/4t部と3/4部)を、倍率5000倍の走査型電子顕微鏡で5〜10視野観察して、各々、切断法、点算法により求めた値である。
【0050】
引張特性、2mmVノッチシャルピー衝撃特性は、圧延方向に直角な方向(C方向)の板厚中心部ついて測定した値である。
表7及び表8から、本発明の化学組成を有し、平均フェライト粒径が3μm以下の超細粒組織を、鋼板表裏面のそれぞれの面から板厚方向に板厚の10〜50%まで有する鋼板は、極めて良好な材質特性を有していることが解る。特に、靭性が優れていることが解る。
【0051】
【表7】
【0052】
【表8】
【0053】
【表9】
【0054】
【表10】
【0055】
表9及び表10(表9の続き)に、製造された鋼板の耐候性を評価した結果を示す。いずれも、黒皮を削除した後の鋼板の表面直下から、6×50×150mmのサイズの試験片を採取し、そのまま(裸材)か、安定化処理皮膜を施した後(表面処理材)に、千葉県富津市臨海部において、離岸距離によって飛来塩分量を変化させた3箇所で暴露試験を、日照及び日陰環境で1、3及び7年実施した。離岸距離は、50m、800m及び2000mの3種類としたが、各々の位置における飛来塩分量は、年間平均で、それぞれ、0.8mdd、0.2mdd及び0.1mddである。
【0056】
日照環境下の大気曝露試験は、試験片を南向き、水平に対し30°の傾斜で設置して行った。
日陰環境下の大気曝露試験は、図1に模式的に示す日陰大気曝露試験法で、試験片1を水平に設置し、試験片が雨に濡れないようアルミニウム板で覆い、水分は結露のみにより供給され、且つ、海風は試験片の面を通るようにして、試験を行った。
【0057】
耐候性の評価は、さび層の目視外観評価と腐食減量によって行った。
さび層の目視外観評価は、暴露期間が最も長い7年のものについて実施し、均一に安定さびが形成されて最も状態が良好と判断される場合を評点4とし、層状剥離さびや鱗状さび等の不均一な腐食形態が増加するにともなって評点を下げていき、全面に層状剥離さびが認められて、さびの安定化と腐食の進展防止が全く望めない状態を評点1とした。
【0058】
腐食減量は、各曝露期間での平均板厚減少量を測定し、平均板厚減少量と曝露期間との両対数プロットから外挿して50年後の推定板厚減少量を求めて評価した。
表9及び表10から、本発明である鋼板番号A5〜A8、A10、A12、A18、A20〜A26、A29、A30は、超細粒層を表裏各面で10〜50%有するので、構造材料として重要な強度・靭性が良好であるとともに、同じNi量で比較した場合に、本発明で規定する範囲を満足していない比較例の鋼板よりも、格段に耐候性が優れていることが解かる。
【0059】
特に、従来の海浜耐候性でも安定さびの形成が期待できなかった高飛来塩分かつ日陰環境においても、日照環境と同等の耐候性が達成されている。
一方、比較例である鋼板番号B1〜B10は、本発明の化学組成、組織要件のいずれか、あるいは、両方とも本発明で規定するそれら範囲を満足していないために、本発明と比較して耐候性が劣っており、特に、高飛来塩分環境での日陰耐候性については格段に劣っている。
【0060】
すなわち、鋼板番号B1は、耐候性に必須のNiが過小であるため超細粒組織を有しているものの、耐候性が日照、日陰とも本発明に比べて劣っている。
鋼板番号B2は、耐候性に必須のNi及びCuがともに過小であるため超細粒組織を有しているものの、耐候性が日照、日陰とも本発明に比べて劣っている。鋼板番号B3は、C量が過大なため靭性が本発明に比べて劣っているとともに、組織に占める第二相の面積率も多いために、日陰耐候性が劣っている。
【0061】
鋼板番号B4は、Mn量が過大なため靭性が本発明に比べて劣っている。
鋼板番号B5は、Crが過剰に添加されているため孔食状の腐食を呈して安定さびの均一形成が妨げられており、耐候性が日照、日陰環境とも劣っている。
鋼板番号B6、B8、及び、B9は、化学組成は本発明を満足しているものの通常の熱間圧延ままで超細粒組織となっていないため、日陰耐候性の改善が認められない。
【0062】
鋼板番号B7、及び、B10も、化学組成は本発明で規定する範囲を満足しているが、焼きならし処理により製造されているため超細粒組織となっておらず、やはり、日陰耐候性の改善が認められない。
以上の実施例からも、本発明によれば、構造材料として十分な強度、靭性を有し、かつ、高飛来塩分環境での耐候性が、日照、日陰ともに極めて優れていることが明らかである。
【0063】
【発明の効果】
本発明は、構造材料として極めて良好な強度、靭性を有するとともに、飛来塩分量が多く、かつ、日陰湿潤環境下であるような、耐候性の観点からは最も過酷な環境においても、十分な保護性を有する安定さびを形成して耐候性を発現する鋼を、コスト増加と溶接性の劣化を招くような極端な合金元素の多量添加に頼ることなく提供することを可能とした。
【0064】
本発明によれば、大気環境での耐候性が要求され、かつ、構造物としての安全性の確保の観点からは、優れた強度、靭性、溶接性が要求される橋梁、鉄塔などの鋼構造物に使用される鋼材、特に、従来、使用鋼材として、優れた耐候性を発現する鋼材を見い出すことが困難な海浜地区や、融雪塩を散布する高飛来塩粒子環境の日陰湿潤条件下においても、優れた耐候性を有する鋼材を提供することができる。それ故、本発明の産業上の効果は極めて顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における日陰環境下の大気曝露試験法を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1…試験片
2…アルミニウム板
Claims (5)
- 質量%で、
C :0.01〜0.2%、
Si:0.01〜1%、
Mn:0.1〜2%、
P :0.001〜0.05%、
S :0.015%以下、
Ni:2.58〜9%、
Cu:0.1〜1.5%、
Al:0.001〜0.1%、
N :0.001〜0.01%、
を含有し、残部が鉄及び不可避不純物からなり、
鋼板表裏面のそれぞれの面から板厚方向に板厚の10〜50%の範囲に、平均フェライト粒径が3μm以下で、組織に占めるフェライト以外の第二相の面積率が25%以下の超細粒フェライト組織を有することを特徴とする日陰耐候性に優れた高強度・高靭性耐候性鋼。 - 質量%で、更に、
Cr:0.01〜0.5%、
Mo:0.01〜3%、
Ti:0.003〜1%、
V :0.005〜0.5%、
Nb:0.003〜0.25%、
Zr:0.003〜0.1%、
Ta:0.005〜0.2%、
W :0.01〜3%、
B :0.0003〜0.002%の1種又は2種以上、
を含有することを特徴とする請求項1に記載の日陰耐候性に優れた高強度・高靱性耐候性鋼。 - 質量%で、更に、
Mg:0.0005〜0.01%、
Ca:0.0005〜0.01%、
REM:0.005〜0.1%の1種又は2種以上、
を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の日陰耐候性に優れた高強度・高靱性耐候性鋼。 - 質量%で、更に、
Sb:0.01〜0.15%、
Sn:0.01〜0.15%、
Pb:0.01〜0.15%、
Co:0.01〜1.5%の1種又は2種以上、
を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の日陰耐候性に優れた高強度・高靱性耐候性鋼。 - 前記鋼板表裏面の少なくとも一つの面に、有機樹脂、金属又は無機物の防食被覆を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の日陰耐候性に優れた高強度・高靱性耐候性鋼。
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