JP3781460B2 - スクロール型圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車用空調装置に使用される冷媒圧縮機に適用するのに好適なスクロール型の圧縮機に係り、特に従動クランク機構を備えているスクロール型圧縮機において、実質的に流体(冷媒)を圧縮する実働運転を開始したり停止する時(ON/OFF時という)に発生する騒音を防止するために加えられた改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スクロール型圧縮機においては、一般に、ハウジング内に固定支持されている渦巻き形の羽根を有する固定スクロール部材と、それに係合する同様な渦巻き形の羽根を有する可動スクロール部材が、双方の渦巻き形の羽根の間に軸方向に見て三日月形をしている複数個の流体圧縮ポケットを形成するように、偏心した軸心上において回転方向に位相をずらして噛み合っており、可動スクロール部材が駆動軸の回転によってクランク機構を介して駆動されることにより、実質的に自転を伴わない公転運動をするようになっている。その結果、それぞれの流体圧縮ポケットがスクロール部材の外周部分から中心部分に向かって移動し、その間に各流体圧縮ポケットの容積が縮小するので、外周部分において流体圧縮ポケット内に取り込まれた流体が圧縮されて中心部分から吐出される。
【0003】
そのようなスクロール型圧縮機の改良型として、所謂「従動クランク機構」を有するスクロール型圧縮機が特開平2−176179号公報や特開平5−187366号公報に記載されている。これらの従動クランク機構は、駆動軸側と、それによって駆動される可動スクロール部材側との間に、一方が他方に対して半径方向に摺動可能なスライダ部を有しており、それによって固定スクロール部材の中心や駆動軸の軸心に対する可動スクロール部材の偏心量の大きさが変化するようになっていて、固定スクロール部材と可動スクロール部材の渦巻き形の羽根の間の流体圧縮ポケットのシール部を形成する接触個所における接触状態が、偏心量の変化と共に変化するようになっている。
【0004】
これは、可動スクロール部材に作用する圧縮反力の大きさ等に応じて、流体圧縮ポケットを形成する二つの渦巻き形の羽根の接触個所のシール性を調整して、シール性を十分に高めると共に、羽根の表面に摩耗を起こすような過大な接触状態が生じないようにするという相反する目的を同時に達成するために行われる場合や、停止時に可動スクロール部材の偏心量を小さくして、二つの渦巻き形の羽根の接触個所に故意に隙間を形成させることにより、次にスクロール型圧縮機が起動される際に、急激に駆動軸の負荷が増大して起動ショックが生じるのを防止するというような目的のもとに行われる場合等がある。
【0005】
具体的に、スクロール型圧縮機の起動ショックを軽減するための方法として、駆動軸と可動スクロール部材とを連結する従動クランク機構の内部に設けられる一方及び他方の部材、例えば、駆動軸に一体的に形成された実質的に半径方向の駆動キーと、可動スクロール部材の円筒形のボス部を軸受を介して支持するブッシュに形成された実質的に半径方向の溝とによってスライダ部を構成し、駆動キーの半径方向の一方の端面と、その端面に対応するブッシュの溝の端面との間にスプリングを設けて、その付勢によって、運転停止時や起動時に固定スクロール部材の羽根と可動スクロール部材の羽根との接触箇所に隙間を形成させるというように、スライダ部を単一の弾性部材によって付勢することは行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、従動クランク機構を有するスクロール型圧縮機においては可動スクロール部材の偏心量が可変となっているために、停止時に渦巻き形の羽根相互間の接触箇所に隙間を形成させることによって起動ショックを防止している場合には、次に運転を再開すると、流体圧縮ポケットにおける流体の圧縮反力によって可動スクロール部材の偏心量が増大し、可動スクロール部材の羽根が固定スクロール部材の羽根に押しつけられて隙間が閉じるが、その時に可動スクロール部材の渦巻き形の羽根が固定スクロール部材の渦巻き形の羽根に衝突することによって騒音が発生する。また、従動クランク機構の内部でスライダ部を構成する駆動キーがブッシュの溝の終端に衝突して騒音を発生させる場合もある。
【0007】
このような騒音は、スライダ部の駆動キーと溝の間の滑りを潤滑等の方法によって良くすることによって却って激しくなる傾向がある。また、渦巻き形の羽根相互間の接触が振動的に起こるハンチングの状態では、騒音がハンチングの起きている時間だけ継続する。更に、起動時だけではなく、スクロール型圧縮機が停止される時にも、例えば従動クランク機構のスライダ部を構成している駆動キーとそれを受け入れているブッシュの溝の、運転中には離れていた側の終端同士の衝突による衝撃が、可動スクロール部材の渦巻き形の羽根に伝わって、やはり騒音を発生する。また、急激な公転半径の変化に伴う自転による羽根同士の衝突によって騒音が発生する場合もある。
【0008】
本発明は、従来の従動クランク機構を有するスクロール型圧縮機におけるこのような問題に鑑み、スクロール型圧縮機の起動時及び停止時のいずれの場合であっても、渦巻き形の羽根の接触個所における騒音の発生を防止することができる構成が簡単で有効な手段を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、動力によって回転駆動される駆動軸と、渦巻き形の羽根を有し固定的に支持される固定スクロール部材と、前記固定スクロール部材の前記渦巻き形の羽根に対して噛み合う渦巻き形の羽根を有し、前記駆動軸に対して回転方向に位相がずれると共に偏心した状態で支持されて前記駆動軸によって駆動されることによって公転し、前記固定スクロール部材との間に形成される流体圧縮ポケットにおいて流体を圧縮する可動スクロール部材と、前記可動スクロール部材の公転のみを許し自転を阻止する自転防止機構と、前記駆動軸と前記可動スクロール部材との間に介在して駆動トルクに対応する力を伝達すると共に、前記可動スクロール部材を前記駆動軸に対する偏心量が変化し得る状態で支持する従動クランク機構からなり、前記従動クランク機構は、前記駆動軸側の端部と前記稼動スクロール部材を回転可能に軸支するブッシュとのいずれか一方に軸方向に突出して形成された少なくとも一つの平面と、基部の円柱状部とを有する駆動突起を備えていると共に、他方に前記駆動突起を受け入れるための半径方向の長さが前記駆動突起よりも長く、基部に環状の段差が形成された溝を備えていて、前記駆動突起の有する前記平面と前記溝の方向が前記駆動軸の中心と前記ブッシュの中心とを結ぶ直線に対して前記駆動軸の回転方向とは反対の方向へ傾斜していることによって、圧縮反力の大きさに応じて前記可動スクロール部材の偏心量を増大させて、前記可動スクロール部材の渦巻き形の羽根を、前記固定スクロール部材の渦巻き形の羽根に半径方向に押し付ける力が発生するように構成されており、前記駆動突起の円柱状部と前記溝の段部との間に二つの圧縮領域が相互に連結されることによって一体化された少なくとも一個の弾性体が装着されているスクロール型圧縮機であって、前記スクロール型圧縮機の起動時に、前記弾性体の一方の圧縮領域が半径方向に圧縮されることによる前記弾性体の反発力によって前記可動スクロール部材の渦巻き形の羽根との衝突を緩衝し、また、前記スクロール型圧縮機の停止時に、前記弾性体の他方の圧縮領域が半径方向に圧縮されることによる前記弾性体の反発力によって前記可動スクロール部材の渦巻き形の羽根と前記固定スクロール部材の渦巻き形の羽根との衝突を緩衝するようにしたことを特徴とするスクロール型圧縮機を提供する。
【0010】
本発明のスクロール型圧縮機も、固定スクロール部材の渦巻き形の羽根と可動スクロール部材の渦巻き形の羽根との間に形成される流体圧縮ポケットによって流体を取り込み、流体圧縮ポケットの連続的な縮小によってその流体を圧縮するという基本的な作動は従来のスクロール型圧縮機のそれと同じである。
【0011】
本発明のスクロール型圧縮機の特徴は、従動クランク機構のスライダ部を構成する駆動突起の半径方向の両端と、それらに対向する前記溝の両端内面との間に起こる双方向の衝突や、二つのスクロール部材の渦巻き形の羽根の間の衝突、或いはスクロール型圧縮機の起動時に起こる二つのスクロール部材の渦巻き形の羽根の間の衝突を緩衝して、それらによる騒音の発生を防止するために、駆動突起と溝との間に二つの圧縮領域を形成する少なくとも一個の弾性体を設けた点にある。
【0012】
スクロール型圧縮機が起動されるとき、従動クランク機構のスライダ部を構成する駆動突起或いは溝は増大する圧縮反力の分力等によって、相手方の溝或いは突起の平面に沿って摺動して突起と溝の互いの終端と衝突し、或いはその前後に可動スクロール部材の渦巻き形の羽根が固定スクロール部材の渦巻き形の羽根に衝突して流体圧縮ポケットのシール部を形成しようとするが、この衝突及びそれによる騒音が発生する前に、駆動突起と溝との間に装着された弾性体による二つの圧縮領域のいずれか一方が圧縮され、弾性体の反発力によって緩衝されて衝突や騒音の発生が防止される。
【0013】
スクロール型圧縮機が実働運転を停止するとき、圧縮反力の消滅によって従動クランク機構内の駆動突起或いは溝が、相手方の溝或いは突起の平面に沿って摺動して、起動時とは反対側の突起と溝の互いの終端に衝突し、或いは可動スクロール部材の渦巻き形の羽根が自転によって固定スクロール部材の渦巻き形の羽根に衝突して、それによって騒音が発生するが、この場合は、弾性体による二つの圧縮領域のうちで、起動時に作用したものとは反対側の圧縮領域が衝突に先立って圧縮されることになり、衝撃は弾性体の圧縮領域の反発力によって緩衝されて、衝突や騒音の発生が防止される。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の実施の形態としてのスクロール型圧縮機1の全体構造を示す。一部の横断面の構造は図2に示されている。このスクロール型圧縮機1は大部分は従来のものと同様な構造を有している。即ち、ハウジング2はボルトのような手段によって相互に一体化に締結された3つの部分、即ちセンターハウジング2a、フロントハウジング2b、及びリヤハウジング2cからなっている。センターハウジング2aの内部にはそれと一体的に固定スクロール部材3が形成され、フロントハウジング2b内にはそれを貫通するように軸受4によって支持された駆動軸5が延びている。
【0015】
軸受4によって回転自在に支持される駆動軸5は、図示しない内燃機関のような原動機(油圧モータや電動機でもよい)から伝達される回転動力をスクロール型圧縮機1内に導入する。駆動軸の拡径部5aの軸端には本発明の特徴を備えている従動クランク機構6が形成されており、その構造は後に詳しく説明する。従動クランク機構6には可動スクロール部材7が連結される。可動スクロール部材7の背後には、駆動の際に可動スクロール部材7の公転のみを許し自転を阻止すると共に、可動スクロール部材7に作用する軸方向の推力を支持する推力支持自転防止機構8が設けられる。
【0016】
固定スクロール部材3及び可動スクロール部材7は、実質的に同じ形をした渦巻き形の羽根3a及び7aを備えており、それらは軸方向に同じ長さ(幅)を有している。そして、それらが相対的に回転方向に180度位相がずれて、且つ偏心している状態で互いに噛み合うように組み合わされて支持されることにより、それらの羽根の間に流体を圧縮するための、軸方向に見た場合の形が三日月形をしている流体圧縮ポケットPが2個以上形成される。
【0017】
図1に示す実施の形態の場合、可動スクロール部材7は、渦巻き形の羽根7aと、それを一体的に取り付けている円板形の側板7bとからなっているが、側板7bの背後の中心には、軸方向左方へ突出する大径の中空円筒形状をしたボス部7cを一体的に形成されており、ボス部7cはニードル軸受9と、図3〜図6に詳細な構造が示されているような従動クランク機構6とを介して回転自由に駆動軸5に連結、支持されている。
【0018】
従動クランク機構6は、主として、駆動軸5の拡径部5aの軸端の面の偏心した位置から軸方向に突出するように一体的に形成された駆動キー10と、可動スクロール部材7のボス部7cを回転可能に支持している短い円柱形のブッシュ11と、本発明の特徴として駆動キー10とブッシュ11との間に挿入された環状のゴムのような弾性体12とからなっている。なお、ブッシュ11には、駆動軸5に対して偏心して公転する可動スクロール部材7に作用する遠心力の少なくとも一部を相殺するためのバランスウエイト13が一体的に取り付けられている。また、図3等に示す15はブッシュ11の抜け止め用のスナップリングで、駆動キー10の端部に形成された溝10dに嵌められる。15aはその際に補助的に使用されるワッシャーである。
【0019】
本発明の特徴とは直接の関係はないが、スクロール型圧縮機の基本的な構成の一部として、図1に示す実施形態における推力支持自転防止機構8は、フロントハウジング2bの内面に軸方向に取り付けられた複数本の自転阻止ピン8aと、それに係合するように可動スクロール部材7の側板7bの背面に軸方向に取り付けられた複数本の自転阻止ピン8bと、一対の自転阻止ピン8a,8bが緩く挿入される円形の孔を有するリング8cと、フロントハウジング2bの内面と可動スクロール部材7の側板7bの背面との間にスペーサーとして挿入される、概ね環状の耐摩耗性に優れた平滑なプレート14等からなっている。プレート14の表面に対して摺動接触する可動スクロール部材7の側板7bの背面には、耐摩耗性を与えるために硬質の金属のメッキが施されてもよい。
【0020】
また、図示実施形態のスクロール型圧縮機1においては、図1に示すように固定スクロール部材3の側板3bの中心に吐出ポート3cが開口しており、それを外側から閉塞するように、側板3bには弾性のある金属薄片からなる吐出弁16が片持式に取り付けられている。17は吐出弁16の過大な開弁を防止する弁ストッパである。なお、図1において18は駆動軸5とフロントハウジング2bの軸開口との間をシールするシャフトシール装置であり、19はフロントハウジング2bとセンターハウジング2aとの間をシールするOリングを例示し、20はセンターハウジング2aとリヤハウジング2cを締結するボルトを例示している。言うまでもなく、リヤハウジング2c内の空間2eは、圧縮された流体が吐出される高圧室、即ち吐出室となる。
【0021】
ところで、図示実施形態において駆動軸5の軸端に形成された駆動キー10は二面幅部とも呼ばれるもので、拡径部5aの偏心した位置から軸方向に突出している短い円柱軸を切削加工することにより、半径方向と平行な二面10a及び10bが形成されている。駆動キー10は、ブッシュ11に半径方向に或いは半径方向と平行に形成されている溝11aに対して摺動可能に係合している。溝11aの半径方向或いは半径方向と平行な方向における長さは、駆動キー10のそれよりも所定値だけ長くなっている。
【0022】
図示実施形態における従動クランク機構6が組み立てられたとき、本発明の特徴に対応する環状の弾性体12の内面は、駆動キー10の基部の円柱状部10cの外側に嵌まっていると共に、弾性体12の外面は、ブッシュ11の溝11aの基部(図1及び図3において左側の部分)に形成された環状の段部11bの内面に接触している。それによって溝11aを有するブッシュ11が、環状の弾性体12の少なくとも一部を圧縮変形させて、駆動キー10に対して相対的に移動することができる。この時に弾性体12は駆動キー10とブッシュ11の相対的な摺動を妨げる求心的な力を発生する。
【0023】
図示実施形態のスクロール型圧縮機1はこのように構成されているので、外部の原動機によって駆動軸5が回転駆動されると、スクロール型圧縮機の基本的な動作としては従来のものと同様に、従動クランク機構6の一部を構成するブッシュ11が駆動軸5に対して偏心して回転されるので、それに対してボス部7cにおいてニードル軸受9を介して係合している可動スクロール部材7も同様に回転しようとするが、推力支持自転防止機構8が設けられているために可動スクロール部材7の自転は阻止され、そのときの偏心量を半径とする公転運動だけをすることになる。
【0024】
それによって、固定スクロール部材3の渦巻き形の羽根3aと可動スクロール部材7の渦巻き形の羽根7aとの間に形成される三日月形の流体圧縮ポケットPが、スクロール部材3及び7の外周において吸入空間2fに開いている間に冷媒のような流体を吸入し、可動スクロール部材7の公転につれて流体圧縮ポケットPが閉じて、流体圧縮ポケットPが漸次中心に向かって移動する間に容積が縮小する。従って、流体圧縮ポケットP内の流体は圧縮されて、固定スクロール部材3の中心において流体圧縮ポケットPが開いた時に、吐出ポート3cから吐出弁16を押し開いて吐出室である空間2eへ吐出される。
【0025】
図示実施形態の場合、従動クランク機構6の駆動キー10とブッシュ11との間には環状のゴムのような弾性体12が介在するので、スクロール型圧縮機1が停止しているときは、弾性体12の周囲には部分的に偏って強く圧縮された部分が生じないように、換言すれば弾性体12に作用する部分的な圧縮応力が、駆動キー10の周囲においてバランスするようになる。それによってブッシュ11は駆動キー10の中心に向かって求心的に、平衡位置まで半径方向に摺動する。その結果、可動スクロール部材7は駆動軸5に対して所定の初期偏心量を有するようになる。従って、このときに可動スクロール部材7の渦巻き形の羽根7aが、固定スクロール部材3の渦巻き形の羽根3aに対するシール部である接触個所において僅かな隙間が生じるように設定することにより、次の再起動が起動ショックなしに円滑に行われるようになる。
【0026】
駆動キー10の面10aと10b及びブッシュ11の溝11aの方向を、駆動軸5の軸心線とブッシュ11の中心線を結ぶ面に対して所定の傾きを与えておくことにより、流体圧縮ポケットPにおける流体の圧縮による圧縮反力が、駆動キー10の面10a又は10bと、それに摺動接触しているブッシュ11の溝11aの面との間に作用して、その分力としてブッシュ11と可動スクロール部材7の偏心量を増大させるような半径方向の力を発生させる。この力が可動スクロール部材7に作用する遠心力のうちでバランスウエイト13によって相殺されない残余の遠心力と共に、ブッシュ11の偏心量を増大させて可動スクロール部材7を固定スクロール部材3に押しつける力を発生させ、二つの渦巻き形の羽根3a及び7aの接触個所における流体圧縮ポケットPのシール部を閉じさせる。
【0027】
もし、ブッシュ11及び可動スクロール部材7の偏心量の増大による、二つの渦巻き形の羽根3a及び7aの接触個所における接触が衝撃的に起こるとすれば前述の理由によって騒音が発生する筈であるが、本発明による実施の形態では駆動キー10とブッシュ11との間に環状の弾性体12を介在させているので、羽根の接触が起こるときに、まず弾性体12の一部が駆動キー10の基部の円柱状部10cとブッシュ11の環状の段部11bとの間で半径方向に圧縮されることになり、それによって接触の衝撃が緩和されて騒音の発生が防止される。この際に圧縮される環状の弾性体12の部分を圧縮領域12aと呼ぶことにする。
【0028】
本発明による実施の形態の場合、騒音防止の作用はスクロール型圧縮機1の起動の時だけでなく、停止の際にも生じる。即ち、停止の際は流体圧縮ポケットPにおける圧縮反力が消滅することによって、駆動軸5に対するブッシュ11と可動スクロール部材7の偏心量が減少しようとして、ブッシュ11は駆動キー10に対して半径方向に移動する。そして運転中は離れていたブッシュ11の溝11aの端部内面と駆動キー10の半径方向の端部が衝突することによって、衝撃がボス部7cを通じて可動スクロール部材7の渦巻き形の羽根7aに伝わって騒音を発生することになる。或いはまた、前述のように偏心量が急激に減少すると、自転防止機構8の自転拘束力が弱まるので、可動スクロール部材7が自転して渦巻き形の羽根7aが固定スクロール部材3の渦巻き形の羽根3aに再び衝突し、これも騒音発生の原因になるが、実施の形態では、環状の弾性体12において起動の場合とは反対側の部分が、駆動キー10の基部の円柱状部10cと、ブッシュ11の環状の段部11bとの間で半径方向に圧縮されることになり、それによって衝突が緩和されるので、この場合も騒音の発生が防止される。この際に圧縮される環状の弾性体12の部分を圧縮領域12bと呼ぶことにする。
【0029】
以上の説明から明らかなように、図示実施形態における環状の弾性体12は、スクロール型圧縮機1の起動時と停止時にそれぞれ半径方向に反対の位置にある二つの部分、即ち、圧縮領域12a及び12bが、駆動キー10の基部の円柱状部10cとブッシュ11の環状の段部11bとの間で圧縮されて、駆動キー10の前後の端部と、それに対向するブッシュ11の溝11aの内面の端部との衝突、或いは二つのスクロール部材3,7の渦巻き形の羽根3a,7aの間の衝突による衝撃を緩和する作用をするのであり、二つの圧縮領域12a及び12b以外の他の部分は、それら二つの圧縮領域を接続して一体の弾性体12とするための作用をしていることになる。従って、基本的には、二つの圧縮領域12a及び12bは相互に接続されていない独立した二個の弾性体によって構成されることが可能である。なお、二つの圧縮領域を相互に独立した二個の弾性体によって構成する場合には、それらの弾性体を図示実施形態の弾性体12のような位置に設けなくても、例えばブッシュ11の溝11a内において、駆動キー10の半径方向の両端部に装着することもできる。
【0030】
しかしながら一般的には、二つの圧縮領域を相互に独立している二つの弾性体によって構成するよりも、単一の弾性体によって一体的に形成した方が、それによって部品点数を減少させることができるし、組み付けが容易になり、組み付け後の弾性体の位置保持も確実になる等、考えられる色々な点で有利である。そこで次に、二つの圧縮領域12a及び12bを単一の弾性体によって構成する場合の弾性体の形状の好適な実施形態を、図4〜図6を用いて説明する。
【0031】
図4に示す環状の弾性体12’は、前述の実施形態における弾性体12に代わり得るものであって、全体が弾性のあるゴムのような材料で形成されており、二つの圧縮領域12a及び12bの部分において内側に突出した形状を有している。従って、断面形状は周上において一様ではないが、弾性体の二つの圧縮領域12a,12bと、それ以外の連結部12cが、それぞれの目的に合致した断面形状を与えられるという利点がある。二つの圧縮領域12a及び12bが二つの連結部12cによって連結されて一体的な環状体を構成しているため、前述のような単一の弾性体の利点も備えている。
【0032】
図5及び図6は図3等に示されている実施形態における環状の弾性体12だけを取り出して示したものである。図5は弾性体12の斜視図であり、図6は同じく正面図である。図示実施形態についての説明から明らかなように、環状の弾性体12はそれが取り付けられた場合の回転方向の位置によって、二つの圧縮領域12a及び12bになる部分と、それらを連結する連結部12cになる部分との区別が生じるが、一様な断面形状を有する環状体であるから組み付ける前はそれらの領域についての区別はない。
【0033】
弾性体12は、ゴムのような材料からなる円周方向に断面形状が一定の単純な環状体として容易、且つ安価に製造することができる。また、組み付けの時も回転方向には位置決めをする必要がないので、図4に示した弾性体12’の場合よりも組み付けが更に容易になる。組み付けた後は軸方向の位置保持の効果もあるが、回転方向には位置がずれて行く可能性がある。しかし、それによって何ら問題が生じないので、寧ろ局部的な材料の疲労が生じないという点で、より有利であるとも言える。但し、断面形状を二つの圧縮領域12a及び12bと連結部12cにそれぞれ最適の状態に設定するという点では弾性体12’に及ばない。
【0034】
一般的な弾性体21、即ち、一体的な弾性体12,12’や、二つの圧縮領域12a及び12bを構成する相互に独立している二つの弾性体等として使用することができる弾性体の断面形状についての好適な実施の形態としては、例えば図7に示したように、軸方向の長さXが半径方向(圧縮方向)の厚さYよりも大きな寸法を有する長方形であって、しかも四隅にコーナーRを有する形状とすることができる。弾性体21の断面形状をこのように設定することによって、スクロール型圧縮機1の半径方向の体格を比較的小さくしながら、弾性体21が圧縮された時に十分な大きさの反発力を発生させることが可能になる。また、四隅にコーナーRが形成されているので組み付けが容易になる。
【0035】
図8は、やはり一般的な弾性体21’について、断面形状の他の好適例を示したものである。この場合に、縦及び横の寸法比率によって生じる効果は図7に示した例と略同様であり、また、軸方向の両端面をいずれもR形状としていることから、弾性体21’の組み付けが図7の例よりも更に容易になる。
【0036】
図9は、更に他の一般的な弾性体21”について、好適な断面形状を例示したものである。この例では弾性体21”の半径方向の一方の面に突起21”aが形成されている。突起21”aの有益な作用は、それが当接する相手方の面、即ち図示実施形態に関連して説明した駆動キー10の基部の円柱状部10cや、ブッシュ11の環状の段部11bのような面に対する当接姿勢が均一になることであって、それによって個々のスクロール型圧縮機1毎の反発力特性のばらつきを抑えることができる。
【0037】
ところで、実施の形態について説明した駆動キー10の基部の円柱状部10cや、ブッシュ11の内面の環状の段部11bのような平滑な部分に、弾性体12や12’のような反発力を発生させるための弾性体がぴったりと接触する構成をとる場合には、その面に沿って冷凍機油のような潤滑油が流れるこができなくなるから、従動クランク機構6の摺動部分等の潤滑が不十分になる可能性がある。この問題の対策の一つが図10と図11に示されている。即ち、この例では対象となる面に軸方向の潤滑油溝22が形成され、この溝22は一般的な弾性体21等によっては閉塞されないようにする。
【0038】
更に、駆動軸5の拡径部5aの側面の一部が一般的な弾性体21等によって覆われて潤滑油溝22へ潤滑油が流入できなくなる場合には、拡径部5aの側面にも延長の潤滑油溝22’を形成して、潤滑油溝22へ潤滑油が流入し易くなるようにする。同様にして、ブッシュ11の内面の環状の段部11bに潤滑油溝22のようなものを形成することができることは言うまでもないが、常にこちらの側に潤滑油溝を形成する必要が生じるという訳ではない。
【0039】
図10及び図11に示されている実施形態においては、一般的な弾性体21,21’,21”によって潤滑油の流れが遮断される面に対して潤滑油溝22,22’のような潤滑油のためのバイパス通路を形成しているが、その反面において弾性体21等が潤滑油溝22或いは22’の縁部に接触する部分で異常に摩耗したり、最悪の場合は切断するというような恐れが生じる。そこでこのような懸念を全く排除するために、潤滑油溝22,22’を形成する代わりに、駆動キー10から駆動軸5の拡径部5aにかけて、それらの内部に潤滑油穴23を穿孔した実施形態を図12に示す。
【0040】
図12に示された実施形態の構造の大部分は先に説明した図1等に示されたものと同様であるが、この例では潤滑油溝22,22’等を形成することなく、駆動キー10の端面における駆動軸5の中心軸線付近の位置23aと、駆動軸の拡径部5aの外側端面の半径Rの位置23bとを結ぶように、斜めに潤滑油穴23を穿孔している。なお、図12の実施形態では、潤滑油穴23の位置23bに対応して、フロントハウジング2bの内面に滑らかな窪みからなる案内面24を形成して潤滑油の流れが円滑になるようにしている。
【0041】
駆動軸5の中心軸線に対する潤滑油穴23の傾斜の角度をθとし、駆動軸5が角速度ωで回転するとすれば、潤滑油穴23内にある潤滑油に作用する遠心力の値は、潤滑油穴23内を通過する潤滑油と被圧縮流体(冷媒)の混合物の単位体積の質量をmとして、潤滑油穴23の位置23b付近においてmRω2 であり、また位置23a付近において0であるから、クランク室25の下部に溜まる潤滑油が潤滑油穴23の位置23aから吸入されて、駆動軸5の回転によって位置23aから位置23bに向かって遠心力による送られる潤滑油の流れが発生する。その結果、環状の弾性体12のような潤滑油流路を遮るものがあっても、図12の中に矢印によって示したように潤滑油が強制的に循環するので、主たる軸受4や推力支持自転防止機構8、ニードル軸受9等が十分に潤滑されて、摩耗による耐久性の低下を防止することができ、信頼性が向上する。
【0042】
以上の実施形態では、可動スクロール部材7の側板7bに形成されたボス部7cの内部でニードル軸受9によって回転可能なブッシュ11に溝11aが形成されており、これに駆動軸5の拡径部5aから一体的に軸方向に突出して形成された駆動キー10が係合する構成を取っているが、駆動キー10と溝11aとの駆動−従動の関係は反対になっても実質的に同じ作用効果を奏することができる。即ち、駆動軸5の拡径部5aに溝11aのような溝が形成されると共に、それに係合して駆動されるものとして、ブッシュ11の側に駆動キー10のような軸方向のキーが形成されていてもよいことは明らかである。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、スクロール型圧縮機の起動時に発生しがちな、従動クランク機構の摺動部分の衝突や、スクロール部材の渦巻き形の羽根の衝突による騒音を防止することができる。そして、それに止まらず、実働運転の停止時に発生しがちな、従動クランク機構の摺動部分の起動時とは反対側の部分における衝突による騒音を防止することもできる。従って、これらの効果が加え合わされて、スクロール型圧縮機の騒音を著しく低減させることが可能になる
【0044】
更に、駆動突起の位置を駆動軸の中心により近づける構成とすれば、二つの圧縮領域における弾性体の圧縮応力がバランスする位置を、公転半径がより小さくなる位置とすることも容易になる。これによって、停止時は公転半径が安定的に小さい状態、即ち、二つのスクロール部材の渦巻き形の羽根の間に隙間がある状態となる。その結果、起動時には圧縮仕事及び起動トルクが小さくなって、起動ショックを低減することができるという効果をも得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態としてのスクロール型圧縮機の全体構造を示す縦断正面図である。
【図2】図1のII−II線における横断側面図である。
【図3】実施形態の要部を拡大して示す分解斜視図である。
【図4】弾性体の具体例を示す正面図である。
【図5】弾性体の他の具体例を示す斜視図である。
【図6】図5に示す弾性体の正面図である。
【図7】弾性体の断面形状を例示する断面図である。
【図8】他の弾性体の断面形状を例示する断面図である。
【図9】更に他の弾性体の断面形状を例示する断面図である。
【図10】従動クランク機構における潤滑油溝の設置例を示す斜視図である。
【図11】図10に示す従動クランク機構の一部の側面図である。
【図12】従動クランク機構に潤滑油穴を備えたスクロール型圧縮機の部分構造を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
1…スクロール型圧縮機
2…ハウジング
3…固定スクロール部材
3a…渦巻き形の羽根
5…駆動軸
5a…駆動軸の拡径部
6…従動クランク機構
7…可動スクロール部材
7a…渦巻き形の羽根
7c…ボス部
8…推力支持自転防止機構
9…ニードル軸受
10…駆動キー
10a,10b…面
10c…駆動キーの基部の円柱状部
11…ブッシュ
11a…溝
11b…環状の段部
12…環状の弾性体
12a,12b…二つの圧縮領域
13…バランスウェイト
16…吐出弁
21,21’,21”…一般的な弾性体
21”a…突起
22,22’…潤滑油溝
23…潤滑油穴
24…案内面
25…クランク室

Claims (9)

  1. 動力によって回転駆動される駆動軸と、
    渦巻き形の羽根を有し固定的に支持される固定スクロール部材と、
    前記固定スクロール部材の前記渦巻き形の羽根に対して噛み合う渦巻き形の羽根を有し、前記駆動軸に対して回転方向に位相がずれると共に偏心した状態で支持されて前記駆動軸によって駆動されることによって公転し、前記固定スクロール部材との間に形成される流体圧縮ポケットにおいて流体を圧縮する可動スクロール部材と、
    前記可動スクロール部材の公転のみを許し自転を阻止する自転防止機構と、
    前記駆動軸と前記可動スクロール部材との間に介在して駆動トルクに対応する力を伝達すると共に、前記可動スクロール部材を前記駆動軸に対する偏心量が変化し得る状態で支持する従動クランク機構からなり、
    前記従動クランク機構は、前記駆動軸側の端部と前記可動スクロール部材を回転可能に軸支するブッシュとのいずれか一方に軸方向に突出して形成された少なくとも一つの平面と、基部の円柱状部とを有する駆動突起を備えていると共に、他方に前記駆動突起を受け入れるための半径方向の長さが前記駆動突起よりも長く、基部に環状の段部が形成された溝を備えていて、
    前記駆動突起の有する前記平面と前記溝の方向が前記駆動軸の中心と前記ブッシュの中心とを結ぶ直線に対して前記駆動軸の回転方向とは反対の方向へ傾斜していることによって、圧縮反力の大きさに応じて前記可動スクロール部材の渦巻き形の羽根を、前記固定スクロール部材の渦巻き形の羽根に半径方向に押し付ける力が発生するように構成されており、
    前記駆動突起の円柱状部と前記溝の段部との間に二つの圧縮領域が相互に連結されることによって一体化された少なくとも一個の弾性体が装着されているスクロール型圧縮機であって、
    前記スクロール型圧縮機の起動時に、前記弾性体の一方の圧縮領域が半径方向に圧縮されることによる前記弾性体の反発力によって前記可動スクロール部材の渦巻き形の羽根と前記固定スクロール部材の渦巻き形の羽根との衝突を緩衝し、
    また、前記スクロール型圧縮機の停止時に、前記弾性体の他方の圧縮領域が半径方向に圧縮されることによる前記弾性体の反発力によって前記可動スクロール部材の渦巻き形の羽根と前記固定スクロール部材の渦巻き形の羽根との衝突を緩衝するようにしたことを特徴とするスクロール型圧縮機。
  2. 定常的な運転状態にあるとき、前記二つの圧縮領域においてそれらの圧縮領域を形成する前記弾性体によってそれぞれ発生する前記駆動突起と前記ブッシュとの間の反発力が、相互に拮抗することによって実質的に打消し合うように設定されていることを特徴とする請求項1に記載されたスクロール型圧縮機。
  3. 前記二つの圧縮領域が一体化された前記弾性体が単一の環状体として形成されると共に、その断面形状が実質的に一様であるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載されたスクロール型圧縮機。
  4. 前記弾性体の断面形状において、半径方向の厚さよりも軸方向の長さが大きく設定されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載されたスクロール型圧縮機。
  5. 前記弾性体の断面形状において、少なくとも一方の軸方向端面がR形状或いはコーナーR形状を与えられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載されたスクロール型圧縮機。
  6. 弾性体の断面形状において、半径方向の少なくとも一方の面が突起を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載されたスクロール型圧縮機。
  7. 駆動突起側又はブッシュ側の面のうちで前記弾性体が当接する部分に、前記弾性体を迂回する潤滑油溝が形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載されたスクロール型圧縮機。
  8. 駆動突起の端面から駆動軸の拡径部分の端面にかけて斜めに潤滑油穴が穿孔されている請求項1ないし6のいずれかに記載されたスクロール型圧縮機。
  9. 前記スクロール型圧縮機の停止時に、前記二つの圧縮領域においてそれらの圧縮領域を形成する前記弾性体によってそれぞれ発生する前記駆動突起と前記ブッシュとの間の反発力が、相互に拮抗して打ち消しあうことによって前記ブッシュと前記駆動突起との間に求心的な力が作用し、運転状態にあるときよりも、停止状態にあるときの前記ブッシュ及び前記可動スクロール部材の公転半径が小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載されたスクロール型圧縮機。
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