JP2894390B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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JP2894390B2
JP2894390B2 JP4002978A JP297892A JP2894390B2 JP 2894390 B2 JP2894390 B2 JP 2894390B2 JP 4002978 A JP4002978 A JP 4002978A JP 297892 A JP297892 A JP 297892A JP 2894390 B2 JP2894390 B2 JP 2894390B2
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scroll
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flat plate
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正彦 大井手
正浩 杉原
昌晃 須川
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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C29/00Component parts, details or accessories of pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C18/00 - F04C28/00
    • F04C29/0042Driving elements, brakes, couplings, transmissions specially adapted for pumps
    • F04C29/005Means for transmitting movement from the prime mover to driven parts of the pump, e.g. clutches, couplings, transmissions
    • F04C29/0057Means for transmitting movement from the prime mover to driven parts of the pump, e.g. clutches, couplings, transmissions for eccentric movement

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、揺動スクロールの径
方向のスライダー機構を備えたスクロール圧縮機に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】図11は出願人が先に出願した特願平2
−29127号明細書に示された従来のスクロール圧縮
機を示す縦断面図、図12は図11における要部断面図
であり、運転時に要部に作用する力の関係を表わしてい
る。図11において、1は固定スクロール、2は揺動ス
クロール、2aは揺動スクロール2の台板、2bは台板
2aの反圧縮室側中央に設けられた揺動軸受、3は固定
スクロール1とボルトなどで固定されたフレーム、4は
揺動スクロール2の自転を防止し、かつ半径方向に公転
運動を行なうようにフレーム3に連結するためのリング
状のオルダムリング、5は主軸でその上端部には偏心し
た状態で主軸5の軸線と平行な平坦面(A)6aと平坦
面(B)6bを有するスライダー装着軸6が形成されて
おり、該スライダー装着軸6には、スライダー7が主軸
5の軸線と直角な面内にスライド可能に、かつ回転しな
いよう装着され、主軸5の軸線より偏心した状態で揺動
軸受2bに嵌合される。8は密閉容器である。
【0003】また、図12において、rは主軸5の軸心
(固定スクロール1の中心)から揺動軸受2bの軸心
(揺動スクロール2の中心)との距離すなわち偏心量で
ある。FC は揺動スクロール2の公転運動時に発生する
揺動スクロール2とスライダー7との遠心力、Fgoは遠
心力FC と直角な方向に揺動スクロール2に作用する圧
縮負荷、Fgrは遠心力FC と反対方向に揺動スクロール
2に作用する圧縮負荷、Fn 、μn はそれぞれスライダ
ー7とスライダー装着軸6の平坦面(A)6a間の接触
力と摩擦係数であり、FR 、μR はそれぞれ固定スクロ
ール1と揺動スクロール2の両渦巻体側面間の接触力
(押し付け力)、と摩擦係数である。Cは固定スクロー
ル1と揺動スクロール2両渦巻体の半径方向のすきまで
あり、θはスライダー7のスライド方向と、揺動スクロ
ール2の偏心方向とのなす角度であり、偏心方向に対し
て主軸5の反回転方向に傾けている。本来遠心力FC
重心に、FgoおよびFgrは主軸5の軸心と揺動軸受2b
の軸間の中点に作用するが、これらの力の位置のずれに
よるモーメントはオルダムリング4が拘束し、このオル
ダムリング4からの反力をこの系に入れないことで、こ
れらの力はすべて、揺動軸受2bの軸心すなわちスライ
ダー7の中心に作用していると考える。なお図12にお
いて、7aはスライダー7に形成されたスライダー装着
軸6が収納される溝、7bはスライダー7の接触平坦
面、7cは反接触平坦面、7dはスライダーの偏心方向
側溝端面部である。
【0004】次に動作について説明する。主軸5が回転
すると、揺動スクロール2はオルダムリング4にガイド
されながら、主軸5の軸線を中心に公転運動を行ない、
良く知られた圧縮原理によって圧縮作用が行なわれる。
定常運転時においては、遠心力FC と圧縮負荷Fgo、F
grの合力のスライド方向への分力によって、スライダー
7はスライド方向へ、揺動スクロール2が固定スクロー
ル1に接触する位置、すなわち両スクロールによって決
定される偏心量rまで可変し、揺動スクロール2を固定
スクロール1に押し付け、両スクロールの渦巻体間の半
径方向すきまCを0として、圧縮作用が行なわれる。ま
た、スライダー7は偏心量rまでスライドした状態より
更に、スライド方向に前後にスライド可能なため、固定
スクロール1と揺動スクロール2との渦巻体の形状が所
定の寸法よりずれている場合でも両スクロールが接触す
るまでスライドするため、1回転中の半径方向すきまC
は常にゼロとすることができる。
【0005】ここにスライダー7と揺動スクロール2に
作用する力は、図12に示すように遠心力FC 、ガス負
荷Fgo、Fgr、固定スクロール1と揺動スクロールの接
触力(の反力)FR およびFR による摩擦力μRR
スライダー7と平坦面A6aの接触力(の反力)Fn
よびFn による摩擦力μnn であり、図12におい
て、μnn は、渦巻体の形状のずれ(側面の凹凸)に
よって偏心量rの状態から偏心量が増加する方向にスラ
イダー7がスライドしているときに発生する向きで示さ
れている。スライダー7のスライド方向とこれと直角方
向の力のつりあいを考えれば次式が導かれる。 (FC−Fgr−FR)cosθ+(Fgo+μRR)sinθ=μRμn…(1) (FC−Fgr−FR)sinθ−(Fgo+μRR)cosα=−Fn …(2) 式(1)、(2)よりFn を消去し、FR について解け
ば、固定スクロール1と揺動スクロール2間の接触力F
R は次式で表される。 FR ={(FC −Fgr)(cosθ+μn sinθ)+Fgo(sinθ−μ n cosθ)}/{(μR μn +1)cosθ+(μn −μR )si nθ} …(3) なお(3)式において、μR =μn =0とし、スライダ
ー7と揺動スクロール2に作用する力を簡略化し、モデ
ル化すれば次式が導かれる。 FR=(FC−Fgr)+Fgotanθ …(4) 一般的なスクロール圧縮機の特性としてFgo》Fgrであ
るため、(3)式あるいは(4)式に示されるように、
前述してきたようなスライダー機構の場合Fgoが大きけ
れば大きいほどFR が大となる。
【0006】一般に冷媒が液となって、圧縮室内に寝込
んだ状態での起動すなわち、寝込み起動や多量の液とな
って、吸入管から冷媒が流入してくる液バック運転など
で、冷媒の液のまま圧縮してしまう液圧縮が、冷凍、空
調用の圧縮機では良く起こる。この場合、スクロール圧
縮機の構造上複数個の圧縮室で、最内圧縮室では圧力は
吐出孔から洩れるため、圧力はさほど増加しないが、中
間圧縮室あるいは最外圧縮室にて何らかの方法によっ
て、圧力の逃げ場を設けない場合、著しい圧力の増加が
起こる。このような状態では、Fgoは著しく増加する。
しかし、Fgrは、スクロール圧縮機の構造上、吐出圧力
と吸入圧力の差によって決まる負荷であり、吐出圧力は
凝縮温度で決定されるものなので、Fgrは増加しない。
したがって、前述してきたような従来のスライダー機構
においては、(3)、(4)式より液圧縮時には、FR
は大きくなる一方で、これはすなわち両スクロールの半
径方向すきまは液圧縮時でもゼロとなっているというこ
とで、中間圧縮室あるいは最外圧縮室(特に中間圧縮
室)にて、圧力の逃げ場がないため著しく圧力が大きく
なり、その圧力によって、あるいは両スクロール接触点
で同じく著しく大きくなるFR によって、両スクロール
の渦巻体が損するという状況が起こり易い。
【0007】また、別のスライダー機構として、スライ
ダー7のスライド方向を偏心方向に一致させるものが考
えられるが、この場合は固定スクロール1と揺動スクロ
ール2の接触力FR はFn =Fgoであるので、 FR =FC −Fgr±μngo …(5) で示される。なお符号は下段が両スクロールの渦巻側面
の凹凸によって偏心量rの状態から偏心量が増加する方
向にスライダー7がスライドしているときで、上段が逆
に減少する方向にスライドしているときである。(5)
式からFgoが液圧縮によって著しく増大した場合、偏心
量が増加する方向にスライダー7がスライドしていると
きにFR <0となり、スライダー7は後退しようとする
が、それはスライダー7が偏心量が減少する方向にスラ
イドすることになるので、そのときは(5)式からFR
>0となる。結局スライダー7は摩擦力μngoとのつ
りあいで、その状態で安定してしまうことになり、両ス
クロールの渦巻体側面のミクロンオーダーの凹凸の差だ
けの極めて小さな半径方向すきましか生じず、中間圧縮
室や最外圧縮室では、液圧縮によって著しく圧力が大き
くなり、ミクロンオーダーのすきまでは圧力をリリーフ
させることができないので、その圧力によって両スクロ
ールの渦巻体が損するという状況が起こり易い。
【0008】次にさらに別のスライダー機構として、前
述の従来例とは逆にスライダー7のスライド方向を偏心
方向に対して主軸5の回転方向にθ傾けたものが考えら
れるが、この場合の固定スクロール1と揺動スクロール
2の接触力FR は(4)式と照らし合わせ単純化モデル
では、 FR=(FC−Fgr)+Fgotanθ …(6) で示される。この方法では液圧縮時のFgoの増大によっ
てFR <0、すなわちスライダー7が後退し、両スクロ
ールに半径方向のすきまが生じ、中間圧縮室および最外
圧縮室には圧力の逃げ場でき、リリーフすることができ
るが、通常のガス圧縮時において、半径方向すきまをゼ
ロとして圧縮するすなわちFR >0とするためには、
(6)式より、 FC >Fgr+Fgotanθ …(7) の条件を満足しなければならない。しかしユニット上で
のすべての運転条件に対して(7)式の条件を満足する
ことは難しく、ガス圧縮時にもFR <0となり、スライ
ダー7が後退し、両スクロールに半径方向のすきまが生
じてしまい圧縮作用が行なわれなくなる運転条件も存在
する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のスクロール圧縮
機のスライダー機構は、以上のように構成されているの
で、スライダーのスライド方向を揺動スクロールの偏心
方向かあるいは揺動スクロールの偏心方向に対して、主
軸の反回転方向にθ傾けた場合には、液圧縮時に両スク
ロールの渦巻体間の半径方向すきまはミクロンオーダー
のきわめて小さなすきまか全くのゼロであり、圧力のリ
リーフができないために渦巻体が液圧縮によって生じる
高い圧力によって損することがあり、また、スライダ
ーのスライド方向を揺動スクロールの偏心方向に対して
主軸の回転方向にθ傾けた場合には、通常のガス圧縮時
において、FC >Fgr+Fgotanθの条件が満足でき
ない運転条件では両スクロールの渦巻体間に半径方向す
きまが生じ、圧縮作用が行なわれなくなるなどの問題点
があった。
【0010】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、ユニット上でのすべての運転条
件に対して、通常のガス圧縮時においては、揺動スクロ
ールを固定スクロールに押し付け、両スクロールの渦巻
体間の半径方向すきまを0とし、圧縮作用を行ない、液
圧縮時のような圧縮室の圧力が増大するようなときはス
ライダーが偏心量が小さくなる方向へスライドして両ス
クロールの渦巻体間に半径方向のすきまを生じせしめ
て、圧力をリリーフさせることができるスライダー機構
を有するスクロール圧縮機を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
わるスクロール圧縮機は、スライダーのスライド方向を
揺動スクロールの偏心方向に対して、主軸の回転方向に
所定量傾斜させるとともに、スライダーに形成されたス
ライダー装着軸を収納する溝の揺動スクロール偏心方向
側の溝端面部に段を設け、またスライダー装着軸の揺動
スクロール偏心方向側端面部には曲面を形成し、該スラ
イダーの偏心方向側溝端面部とスライダー装着軸の偏心
方向側端面部の間に、前記段に対して両端支持状態とな
るような弾性体の平板を介在させ、該平板と前記スライ
ダー装着軸の偏心方向側端面部の曲面が接触し、平板が
変形しない状態での主軸中心とスライダー中心の距離は
両スクロールによって決定される偏心量rより大きく、
平板を所定寸法だけ変形させたときに固定スクロールお
よび揺動スクロールの渦巻体側面が接触するよう、すな
わち所定の偏心量rと等しくなるように構成したもので
ある。
【0012】請求項2記載の発明に係わるスクロール圧
縮機は、スライダーのスライド方向を揺動スクロールの
偏心方向に対して、主軸の回転方向に所定量傾斜させる
とともに、スライダー装着軸の揺動スクロール偏心方向
側の端面部に段を設け、またスライダーのスライダー装
着軸を収納する溝の揺動スクロール偏心方向側溝端面部
には曲面を形成し、該スライダー装着軸の偏心方向側端
面部とスライダーの偏心方向側溝端面部の間に、前記段
に対して両端支持状態となるような弾性体の平板を介在
させ、該平板と前記スライダーの偏心方向側溝端面部の
曲面が接触し、平板が変形しない状態での主軸中心とス
ライダー中心の距離は両スクロールによって決定される
偏心量rより大きく、平板を所定寸法だけ変形させたと
きに固定スクロールおよび揺動スクロールの渦巻体側面
が接触するよう、すなわち所定の 偏心量rと等しくなる
ように構成したものである。
【0013】請求項3記載の発明に係わるスクロール圧
縮機は、請求項1または請求項2記載のスクロール圧縮
機において、別体のキー等により平板と接触する曲面を
形成したものである。
【0014】請求項4記載の発明に係わるスクロール圧
縮機は、請求項1から請求項3記載のいずれかのスクロ
ール圧縮機において、段が形成される端面部がスライダ
ーのスライド方向とは直交せず、主軸の回転方向に所定
量傾斜しているものである。
【0015】
【作用】請求項1および2記載の発明におけるスクロー
ル圧縮機は、揺動スクロールと固定スクロールを正規に
組み合わせた状態で、両スクロールの渦巻体が半径方向
に接触し、平板が所定寸法変形するところまでスライダ
ーがスライドし、所定の偏心量rの状態にて、平板の変
形によって揺動スクロールを固定スクロールに押し付け
ようとするバネ力が発生されることによって、通常のガ
ス圧縮時には、両スクロールの渦巻体側面が接触(接触
力FR >0)したまま、すなわち両スクロールの渦巻体
間の半径方向すきまが常にゼロで洩れのない圧縮作用が
行なわれ、液圧縮時のように圧縮室内の圧力が増大し、
偏心方向と直角な方向の圧縮負荷Fgoが増大した場合に
は、スライダーを偏心量が小さくなる方向へスライドさ
せようとする力が大きくなり、スライダーが偏心量が小
さくなる方向にスライドし、両スクロールの渦巻体間に
半径方向すきまが生じ、圧力をリリーフさせることがで
きる。
【0016】請求項3記載の発明におけるスクロール圧
縮機は、平板の所定の変形量を得るための寸法管理や調
整が容易になる。
【0017】請求項記載の発明におけるスクロール圧
縮機は静止時にスライダーがスライド方向と直角方向に
平行移動し、スライダーの反接触平坦面と、スライダー
装着軸が接触し、確実に平板の変形をゼロ、すなわちバ
ネ力をゼロとすることができるので、固定スクロールの
装着はバネ力をゼロの状態で行なうことができる。
【0018】
【実施例】実施例1. 以下、この発明の実施例1を図について説明する。図1
はこの発明における実施例1のスライダー機構を有する
スクロール圧縮機の縦断面図、図2は図1の要部断面図
であり、スライダー7および揺動スクロール2に作用す
る力の関係を表わしており、従来例と同様あるいは相当
する部分については同一符号を付し、その説明は省略す
る。図2において、7はスライダーで、そのスライド方
は揺動スクロール2の偏心方向に対して、主軸5の回
転方向にθ傾けた方向であり、9はスライダー7の偏心
方向側溝端面部7dに設けられた段である。10は弾性
体の平板で段9に対して両端支持状態で挿入され、平板
10が変形しない状態で挿入したときの主軸5の中心と
スライダー7の中心の距離は両スクロールによって決定
される所定の偏心量rよりも大きくなっているが、両ス
クロールを組み合わせることによって平板10が所定量
ε* 変形し、両スクロールの渦巻体側面が半径方向に接
触するよう構成している。11は平板10と接触してい
る台座であり、スライダー7の偏心方向側溝端面部7d
は段9と台座11より成り立ち、接触平坦面7bおよび
反接触平坦面7cと直交している。6はスライダー装着
軸で、6cはスライダー装着軸6の偏心方向側端面部で
あって、円弧状に曲面が形成されており、その曲面が平
板10と段9のほぼ中央にて、接触していて、その接触
状態は線接触となる。また平板10は複数枚使用しても
良い。なお、スライダー装着軸6の平坦面(B)6bと
スライダー7の反接触平坦面7cの間には運転時にすき
まξがあくようにしておく。図1において、フレーム3
は密閉容器8に焼嵌め固定され、固定スクロール1はフ
レーム3にボルトによって固定されている。また、揺動
軸受2bは揺動スクロールの台板2aの反圧縮側の中央
に突設されている。
【0019】次に運動時の動作について説明する。固定
スクロール1と揺動スクロールを組み合わせることによ
り平板10が所定量ε* 変形して、両スクロールの渦巻
体が半径方向に接触する主軸5の中心とスライダー7
の中心の距離が両スクロールによって決定される偏心量
rとなるよう構成しているので、平板10が板バネとし
て作用し、FS なるバネ力を発生する。図1において、
運転時のスライダー7および揺動スクロール2に作用す
る力のバランスから次式が得られる。 (FC −Fgr−FR )+FS cosθ−Fn sinθ−(±μnn cos θ)=0 …(8) (Fgo+μRR )−FS sinθ−Fn cosθ±μnn sinθ=0 …(9) なお、符号は上段が両スクロールの渦巻側面の凹凸等に
よって、偏心量rの状態から偏心量が増加する方向にス
ライダー7がスライドしているときで、下段が逆に減少
する方向にスライドしているときであり、図2におい
て、μnn は偏心量が増加する方向にスライダー7が
スライドしているときに発生する向きで示されている。
(8)、(9)式より次の2式が導かれる。 FS =−(FC −Fgr−FR )cosθ+(Fgo+μRR )sinθ±μ nn …(10) Fn =(FC −Fgr)sinθ+Fgocosθ−FR (sinθ−μR co sθ) …(11) (11)式を(10)式へ代入して、 FR =[FS +(FC −Fgr){cosθ−(±μn sinθ)}−Fgo( sinθ±μn cosθ)]/[cosθ+μR sinθ−{± μn(sinθ−μR cosθ)}] …(12) 但し、(12)式はFR >0のみで成立し、FR <0の
領域はFR =0であり、スライダー7が偏心量が小さく
なる方向へ後退し、両スクロールの渦巻体間に半径方向
すきまが生じることを意味する。
【0020】(12)式から、FR とFgoの関係を図示
すると、θ>tan-1μn の場合図3に示すようにな
る。図3において、偏心量増加中でFR =0となるFgo
をFgo+ *減少中でFR =0となるFgoをFgo- *、スライ
ダー7に作用する摩擦力μnn がない場合、すなわち
渦巻側面に凹凸がなく、スライダー7がスライド方向に
対して安定している状態でFR =0となるFgoをFgo0 *
とする。(12)式にてFR =0とすることによって、
それらは次の様に求められる。 Fgo+ *={FS +(FC −Fgr)(cosθ−μn sinθ)}/(sin θ+μn cosθ) …(13) Fgo- *={FS +(FC −Fgr)(cosθ−μn sinθ)}/(sin θ+μn cosθ) …(14) Fgo0 *={FS +(FC −Fgr)cosθ}/sinθ …(15) ここで、図3に示すように、a.Fgo≦Fgo+ * b.Fgo+ *<Fgo≦Fgo0 * c.Fgo0 *<Fgo<Fgo- * d.Fgo- *≦Fgo と4つの領域に分けると、Fgoの値によって、スライダ
ー7は次の様な作動を行なうことになる。 a.スライダー7が、偏心量rの状態から偏心量が増加
しようが減少しようが常に揺動スクロール2が固定スク
ロール1を押し付ける力FR がFR >0であるので、両
スクロールの渦巻体側面が接触し、半径方向すきまはゼ
ロである。すなわちスライダー7は両スクロールの渦巻
体に対して完全な追従運動を行なっている。 b,c.スライダー7が、両スクロールの渦巻体側面の
接触位置のうち、渦巻体側面の凹凸で最も偏心量が小さ
いところまでスライドし、そこで、bの場合はもとに戻
ろうとする力すなわち、偏心量が大きくなる方向へスラ
イドしようとする力、cの場合はさらに偏心力が小さく
なる方向へスライドしようとする力と、摩擦力μnn
がつりあって安定する。すなわち、両スクロールの渦巻
体側面の加工精度から凹凸の差分のすきまがあくことに
なる。 d.常にFR <0となって、スライダー7は後退する。
すなわち、両スクロールの渦巻体間に半径方向すきまが
生じ、リリーフすることが可能となる。ただし、スライ
ダー7が偏心量が小さくなる方向へと後退したときは、
平版9の変形はε* より大きくなるので、バネ力FS
大きくなり、スライダー7はそのバネ力とつりあう所ま
での後退となる。以上からわかるように、両スクロール
損してしまうような液圧縮時の著しく大きいFgo
なわち、両スクロールが強度的に危険な状態になってし
まうFgoをFgomax とすると、 Fgo- *≦Fgomax …(16) また、通常のガス圧縮におけるユニット運転中での最大
のFgoをFgon とすると、 Fgo+ *≧Fgon …(17) の両式の関係を満足するようθおよびFS を与えれば、
通常のガス圧縮時には半径方向すきまを常にゼロとし圧
縮作用を行ない、液圧縮時のように圧縮内の圧力が増大
し、Fgoが両スクロールが強度的に危険な状態となるま
で増大しようとした場合には、スライダー7は偏心量が
小さくなる方向へ後退し、半径方向にすきまが生じ、圧
力をリリーフさせることができる。
【0021】なお、Fgon とFgomax の間は、少量の液
バック運転時等の両スクロールが強度的には問題となら
ない程度のFgoであるが、ガス圧縮時よりは大きなFgo
が存在する。(16)式の条件は(14)式を代入する
と、 FS ≦Fgomax sinθ−μn cosθ)−(FC −Fgr)(cosθ +μn sinθ)≡FS1 …(16)’ (17)式の条件は(13)式を代入すると、 FS ≧Fgon (sinθ−μn cosθ)−(FC −Fgr)(cosθ+μ n sinθ)≡FS2 …(17)’ (16)’(17)’式よりFS の条件は、FS1≧FS
≧FS2となるので、FS1≧FS2が成立しなければなら
ず、その条件を満足するためにはスライダーのスライド
方向の偏心方向に対しての傾斜θは、 θ≧tan-1[μn (Fgomax +Fgon)/{(Fgomax −Fgon )−2 μn (FC −Fgr)}] …(18) となる。よって(16)および(17)式を満足するた
めには、(18)式から θ=tan-1[μn (Fgomax gon )/{(Fgomax −Fgon )−2 μn (FC −Fgr)}] …(19) (19)式を(17)’式に代入し、 FS =Fgon (sinθ−μn cosθ)−(FC −Fgr)(cosθ+μ n sinθ) …(20) あるいは(19)を(16)’に代入し、 FS =Fgomax (sinθ−μn cosθ)−(FC −Fgr)(cosθ +μn sinθ) …(21) とすれば良い。(20)、(21)式の値は、当然一致
する。(20)あるいは(21)式から得られるF S
なるように平板10の所定変形量ε* を決定することに
なるが、平板10の強度や形状的な問題からε* は必ず
しも任意に設定することはできない。
【0022】ここで、板バネとして作用させる平板10
について詳細に述べる。平板10は図4に示すように、
スライダーの偏心方向側溝端面部7dに挿入される。段
9の幅を、平板10の厚さをt、高さをhとすると、
台座11の角部に対して、両端自由支持のはりとみなさ
せるので、変位ε、応力σは次式で求められる。 ε=F 3 /(4Eht3 ) …(22) ここでEは平板10のヤング率である。 σ=(3/2)・F/(ht2 ) …(23) よって、 σ/ε=6tE/ 2 …(24) (22)式より荷重Fは、 F=(4Eht3 3 )・ε …(25) が得られる。応力σは平板10の材料から強度的な制限
があり、εはスライダー7と、スライダー装着軸6の寸
法公差や揺動軸受2bや主軸5の軸受の軸受すきまを考
慮すると、ある値以上確保しておかないと、両スクロー
ルを組み合わせても、変形しない状況が起こり得る。よ
ってσ/εの値は設定値として、与えることが一般的な
設計法であり、ここで平板10の所定変形量をε* を設
定値として与える。σ/εの値を設定目標値以下にする
ためには、を大きくするかtを小さくすれば良いが、
は形状的に制限があり、tを小さくすると、所定量ε
* 変形させたときの荷重Fが小さくなる。そのため、実
設計にあたっては、を可能な限り大きく設計し、tを
求めることとし、もし求めたFがFS よりも小さい場合
は平板10の枚数nを増して、FS =nFとすれば良
い。すなわち、(20)あるいは(21)式から得られ
たFS となるように、平板10の板厚tと枚数nで調整
する。あるいは異なるtの平板10を組合せ、Fの合計
がFS となるようにすれば良い。また、段9の深さdは
平板10の最大許容応力をσ a とすれば(24)式か
ら、 d=σ a 2 /(6tE) …(26) と設定すれば、平板10の最大変位量がdと決定される
ので、スライダー7の偏心量が小さくなる方向へスライ
ドしようとする力が平板10がd変形した時のバネ力F
S MAX とつりあわず、さらにスライドしようとしても、
段8の端面がストッパーとなって、平板10の変形を規
制するので平板10の応力は最大許容応力σ a を越える
ことはない。これによってリリーフしたときの両スクロ
ール渦巻体間の最大の半径方向すきまも決定される。す
なわち、最大リリーフ量δmax は、 δmax =r−{r2 −2r(d−ε* )cosθ+(d−ε*21/2 ( 27) となる。
【0023】次にこのスライダー機構を有するスクロー
ル圧縮機の両スクロールの組み合わせの方法について述
べる。本実施例のスクロール圧縮機は、密閉容器8に焼
嵌め固定されたフレーム3の上側にて、突出したスライ
ダー装着軸6にスライダー7と平板10を装着し、フレ
ーム3にオルダムリング4を装着後、揺動軸受2とスラ
イダー7、又オルダムリング4と揺動スクロールの台板
2aに設けられたオルダム溝を嵌合させて、揺動スクロ
ールを装着する。そして最後に揺動スクロール2と渦巻
体を組み合わせて固定スクロール1をフレーム3にボル
ト締めによって装着するものである。しかし、その固定
スクロール1を装着することによって、平板10を所定
量ε* 変形させてばね力F S を発生させるため、直接両
スクロールの渦巻体を通常運転時と同じように組み合わ
せるためには、ばね力FS を打ちまかして固定スクロー
ル1を装着しなければならない。すなわち、FS なる力
で固定スクロール1をε* ずらして(それによって平板
10をε* 変形させて)フレーム3に固定スクロール1
をボルト締めしなければならないことになる。しかし、
大型の圧縮機では、FS は数百kgf にもなるために、固
定スクロール1を装着するには、特定の治具を用いない
限り不可能である。そこで両スクロールを組み合わせた
ときのスクロール圧縮機の静止時のスライダー7および
揺動スクロール2に作用する力の関係を考えてみる。図
5は静止時のスライダー7および揺動スクロール2に作
用する力の関係図であるが、図5に示すように、静止時
であるので、図2と異なり運転時にのみ作用する。
go、FC 、Fgrおよび摩擦力μnn 、μRR は作
用しない。図5において、力のバランスから次の2式が
得られる。 FS cosθ−FR −Fn sinθ=0 …(28) −FS sinθ−Fn cosθ=0 …(29) (28)、(29)式より次式が導かれる。 FR =FS /cosθ …(30) Fn =−Fr sinθ=−FS tanθ …(31) よって(31)式から静止時にはFn <0となり、スラ
イダー7とスライダー装着軸6の接触面が運転時と逆に
なることになる。すなわち、運転時には、スライダーの
接触平坦面7bとスライダー装着軸の平坦面A6aが接
触し、スライダーの反接触平坦面7cとスライダー装着
軸の平坦面B6bの間には、ξなるすきまが存在してい
たものが、静止時になると、スライダー7がスライド方
向と直角方向に平行移動し、逆に反接触平坦面7cと平
坦面B6bが接触し、接触平坦面7bと平坦面A6aの
間にξなるすきまがあくことになる。図6に静止時にス
ライダー7が移動した後の断面図を示す。図7に示すよ
うに移動後には主軸5の中心とスライダー7の中心との
距離すなわち、偏心量r’は運転時のときの偏心量rよ
りも小さくなる。スライダー7がスライド方向に平行に
偏心量が小さくなる方向にスライドする場合、すなわ
ち、リリーフする場合には、平板10がε* よりも変形
することになるわけであるが、静止時にはスライド方向
とは直角方向に平行移動して、偏心量が運転時の偏心量
rよりも小さくなるので、平板10の変形はε* よりも
小さくなる。ただし、スライダー7がスライド方向直角
方向に平行移動するためには、スライダー装着軸6の偏
心方向側端面部6cに形成された円弧状の曲面とそれと
接触する平板10との間の摩擦係数をμS とすると、摩
擦力μSS よりも(31)式より得られるFn の絶対
値が大きくなければならないが、この条件は次式で表示
できる。 |Fn |>μSS (31)式より FS tanθ>μSS よって、 θ>tan-1μS …(32) となるが、この値は(19)式で得られるθの値であれ
ば、摩擦係数μS が通常の値の場合必ず満足される。移
動後の偏心量r’は、 r’={(r−ξ)2 +2rξ(1−sinθ)}1/2 …(33) であり、偏心量の減少分△r=r−r’である。したが
って、△r≧ε* が満足されるようなξを与えれば、平
板10は全く変形していないことになる。すなわち、静
止時にはばね力がゼロとなっている。よって固定スクロ
ール1を装着するときに、スライダーの反接触平坦面7
cとスライダー装着軸の平坦面B6bが接触するように
揺動スクロール2をスライダー7といっしょに平行移動
させておけば、ばね力をゼロとして固定スクロール1を
装着でき、運転時には主軸5が回転し、接触平坦面7b
と平坦面A6aが接触し、正規の偏心量rとなり、平板
10がε* 変形し、ばね力FS を発生させることかでき
る。ただし、図7に示すようにスライダー7の移動後の
偏心量r’には最小値が存在する。スライダー7の中心
が主軸5の中心から運転時の偏心方向に対してθの方向
を結ぶ線上に平行移動したとき、すなわちξ=rsin
θのときに、偏心量は最小値rmin となり、 rmin =rcosθ である。よって偏心量の減少分の最大値△rmax は、 rmax =r(1−cosθ) …(34) となる。よって、△rmax ≧ε* ならば、静止時にばね
力を、ゼロとすることが可能なすなわち、固定スクロー
ル1を力を加えることなくスムースに装着することが可
能なξが必ず存在するわけであるが、(19)式によっ
て得られたθと両スクロールの渦巻体によって決定され
る正規の偏心量rの値によっては△r<ε* なる状況も
起こり得る。△r<ε* となった場合、ξ=rsinθ
でも静止時には平板10は(ε* −△rmax )変形する
ことになり、ばね力をゼロとすることができず、固定ス
クロール1の装着がスムースにできない。
【0024】実施例2. そこで、確実に静止時に平板10の変形すなわち、ばね
力をゼロとさせることを目的にこの発明の実施例2をこ
こで説明する。図8はこの発明の実施例2を示すスクロ
ール圧縮機の静止時に要部に作用する力の関係図であ
り、図2と同様あるいは相当する部分については同一符
号を付し、その説明は省略する。また図8以外の全体的
な構成については図1と同様である。図8において、ス
ライダーの偏心方向側溝端面部7dすなわち、段9と台
座11は接触平坦面7bおよび反接触平坦面7cと直交
せず、反接触平坦面7c側に開くかたちで、すなわち主
軸5の回転方向にα傾斜している。よって平板10も当
然α傾斜する。ただし、この場合でも前述の実施例1と
同様にスライダー装着軸6の偏心方向側端面部6cに形
成された円弧状の曲面は、運転時すなわち、スライダー
の接触平坦面7bとスライダー装着軸の平坦面(A)6
aが接触し、スライダーの反接触平坦面7cをスライダ
ー装着軸の平坦面(B)6bの間にξなるすきまが存在
しているときは、段9の中央にて平板10と線接触す
る。段9および台座11をα傾斜させたことによって、
静止時のスライダー7および揺動スクロール2に作用す
る力から、(30)、(31)式に相当する関係を求め
ると、 FR =FS cosα/cosθ …(35) Fn =−FR sin(θ+α)/cosα=−FS sin(θ+α)/ cosθ …(36) となり、実施例1同様Fn <0となり、スライダー7は
ξだけスライダー7のスライド方向と直角方向と直角方
向に平行移動を行なうが、移動後の偏心量r’は図9か
らわかるように、 r’=[(r−ξ)2 +2rξ{1−sin(θ+α)}]1/2 …(37) となり、ξ=rsin(θ+α)のときに偏心量は最小
値rmin となって、 rmin =rcos(θ+α) よって、偏心量の減少分の最大値△rmax は △rmax =r{1−cos(θ+α)} …(38) となる。したがって、αの値を調整することによって、
必ず△rmax =εとすることができる。すなわち、静止
時には平板10の変形をゼロ、つまりばね力をゼロとす
ることができ、固定スクロール装着時には、スライダー
の反接触平坦面7cとスライダー装着軸の平坦面B6b
が接触するように揺動スクロール2をスライダー7とい
っしょに平行移動させておけば、スムースに装着でき
る。なお、段9および台座11それにともなって平板1
0がα傾斜することによって、運転時のスライダー7お
よび揺動スクロール2に作用する力のバランスから得ら
れる式が実施例1の(8)、(9)式に対して以下のよ
うに変化する。 (FC −Fgr−FR )+FS cos(θ+α)−Fn sinθ±μnn co sθ)=0 …(8)’ (Fgo+μRR )−FS sin(θ+α)−Fn cosθ±μnn sin θ=0 …(9)’ この方程式から実施例1同様に半径方向すきまを常にゼ
ロとしたい最大のガス負荷Fgon とリリーフをさせたい
圧縮負荷Fgomax 用いてスライダー7が希望の作動をす
るようなθおよびFS を導き出せば良い。(8)’、
(9)’からわかるように、αの影響は比較的小さく、
α=0すなわち、実施例1の場合とαを傾斜場合では、
θおよびFS はあまり変化なく、運転特性に影響を及ぼ
すことなく、固定スクロール1の装着性を良くするため
の調整用として使用することが可能である。
【0025】実施例3.なお、上記実施例では、スライダー7の偏心方向側溝端
面部7dに段9および台座11を設け、スライダー装着
軸6の偏心方向側端面部6cに平板10と接触する曲面
を形成していたが、図10に示すようにスライダー7の
偏心方向側溝端面部7dに平板10と接触する曲面を形
成し、スライダー装着軸6の偏心方向側端面部6cに段
9および台座11を設けても同様な効果を奏する。
【0026】実施例4.また、実施例1および2の場合には、スライダー装着軸
6の偏心方向側端面部6cに、また実施例3の場合には
スライダー7の偏心方向側溝端面部7dにキー溝を形成
し、そのキー溝に曲面を有する別体のキー等を嵌入さ
せ、そのキーの曲面が平板10と接触するように構成し
ても同様な効果を奏するとともに、寸法調整のための加
工が容易に実施できるキーの寸法調整により、平板10
の所定の変形量ε * を得るための寸法管理が容易に行う
ことができ、組立精度が向上できる。
【0027】実施例5. 最後に、上記実施例はいずれも段9を設け、平板10を
変形させてばね力を発生させていたが、スライダーの偏
心方向側溝端面部7dとスライダー装着軸6の偏心方向
側端面部6cともに平坦に形成し、その間に皿バネや圧
縮コイルバネなどの弾性体を挿入しても同様な効果を奏
する。
【0028】
【発明の効果】請求項1および2記載のスクロール圧縮
機によれば、揺動スクロールと固定スクロールを正規に
組み合わせた状態で、両スクロールの渦巻体側面が接触
し、平板が所定寸法変形するところまでスライダーがス
ライド移動し、両スクロールで決定される偏心量rの状
態にて、平板の変形によって揺動スクロールの渦巻体側
面を固定スクロールの渦巻体側面に押し付けようとする
ばね力が発生されることによって、通常のガス圧縮時に
は、両スクロールの渦巻体側面が接触(接触力F R
0)したまま、すなわち常に両スクロール渦巻体間の半
径方向のすきまがゼ ロで洩れのない圧縮作用が行われ、
液圧縮時のように圧縮室内の圧力が増大し、揺動スクロ
ールの偏心方向と直角な方向の圧縮負荷F go が増大した
場合には、スライダーを偏心量が小さくなる方向へスラ
イドさせようとする力が大きくなり、スライダーが偏心
量が小さくなる方向にスライド移動し、両スクロールの
渦巻体間に半径方向のすきまが生じ、圧縮室内の圧力を
リリーフさせ、両スクロールの渦巻体の折損が確実に防
止できる高効率で信頼性の高いスクロール圧縮機が得ら
れる効果がある。
【0029】請求項3記載のスクロール圧縮機によれ
ば、請求項1および2の効果と併せて寸法調整のための
加工が容易に実施できるキーの寸法調整により、平板の
所定の変形量ε * を得るための寸法管理が容易に行うこ
とができ、高効率で信頼性が高く、しかも組立精度が向
上できるスクロール圧縮機種が得られる効果がある。
【0030】請求項4記載のスクロール圧縮機によれ
ば、請求項1および2の効果と併せて固定スクロールを
確実にばね力をゼロの状態で装着でき、高効率で信頼性
が高くしかも組立作業性の極めて高いスクロール圧縮機
が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1によるスクロール圧縮機を
示す縦断面図である。
【図2】図1の要部断面図および運転時に作用する力の
関係図である。
【図3】この発明の実施例1によるスクロール圧縮機の
R とFgoの関係を示すグラフ図である。
【図4】この発明の実施例1によるスクロール圧縮機の
平板の状態図である。
【図5】この発明の実施例1によるスクロール圧縮機の
要部の静止時に作用する力の関係図である。
【図6】この発明の実施例1によるスクロール圧縮機の
静止時にスライダーが平行移動した後の要部断面図であ
る。
【図7】この発明の実施例1によるスクロール圧縮機の
静止時にスライダーが平行移動したときの偏心量の変化
の説明図である。
【図8】この発明の実施例2によるスクロール圧縮機の
要部断面図および静止時に作用する力の関係図である。
【図9】この発明の実施例2によるスクロール圧縮機の
静止時にスライダーが平行移動したときの偏心量の変化
の説明図である。
【図10】この発明の実施例3によるスクロール圧縮機
の要部断面図である。
【図11】従来のスクロール圧縮機を示す縦断面図であ
る。
【図12】図11の要部断面図および運転時に作用する
力の関係図である。
【符号の説明】
1 固定スクロール 2 揺動スクロール 2b 揺動軸受 5 主軸 6 スライダー装着軸 6c スライダー装着軸の偏心方向側端面部 7 スライダー 7 スライダーの偏心方向側溝端面部 9 段 10 平板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須川 昌晃 和歌山市手平6丁目5番66号 三菱電機 株式会社 和歌山製作所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04C 18/02 311

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれの台板上に渦巻体を突設させ、
    互いに位相を180°ずらして偏心させて組み合わせる
    ことにより圧縮室を形成する固定スクロールおよび揺動
    スクロールと、該揺動スクロールの反圧縮室側に設けら
    れた揺動軸受と、主軸の一端のスライダー装着軸に該主
    軸の軸線と直角な面内にスライド可能にかつ回転しない
    ように装着されたスライダーとを備え、該スライダーを
    前記揺動軸受に嵌合したスクロール圧縮機において、前
    記スライダーのスライド方向を前記揺動スクロールの偏
    心方向に対して、前記主軸の回転方向に所定量傾斜させ
    るとともに、該スライダーに形成された前記スライダー
    装着軸を収納する溝の揺動スクロール偏心方向側の溝端
    面部に段を設け、また前記スライダー装着軸の揺動スク
    ロール偏心方向側端面部には曲面を形成し、該スライダ
    ーの偏心方向側溝端面部とスライダー装着軸の偏心方向
    側端面部の間に、前記段に対して両端支持状態となるよ
    うな弾性体の平板を介在させ、該平板と前記スライダー
    装着軸の偏心方向側端面部の曲面が接触し、平板が所定
    量変形して前記固定スクロールおよび揺動スクロールの
    渦巻体側面が接触するよう構成したことを特徴とするス
    クロール圧縮機。
  2. 【請求項2】 それぞれの台板上に渦巻体を突設させ、
    互いに位相を180°ずらして偏心させて組み合わせる
    ことにより圧縮室を形成する固定スクロールおよび揺動
    スクロールと、該揺動スクロールの反圧縮室側に設けら
    れた揺動軸受と、主軸の一端のスライダー装着軸に該主
    軸の軸線と直角な面内にスライド可能にかつ回転しない
    ように装着されたスライダーとを備え、該スライダーを
    前記揺動軸受に嵌合したスクロール圧縮機において、前
    記スライダーのスライド方向を前記揺動スクロールの偏
    心方向に対して、前記主軸の回転方向に所定量傾斜させ
    るとともに、前記スライダー装着軸の揺動スクロール偏
    心方向側の端面部に段を設け、また前記スライダーのス
    ライダー装着軸を収納する溝の揺動スクロール偏心方向
    側溝端面部には曲面を形成し、該スライダー装着軸の偏
    心方向側端面部とスライダーの偏心方向側溝端面部の間
    に、前記段に対して両端支持状態となるよ うな弾性体の
    平板を介在させ、該平板と前記スライダーの偏心方向側
    溝端面部の曲面が接触し、平板が所定量変形して前記固
    定スクロールおよび揺動スクロールの渦巻体側面が接触
    するよう構成したことを特徴とするスクロール圧縮機。
  3. 【請求項3】 別体のキー等により前記平板と接触する
    曲面を形成したことを特徴とする請求項1または2記載
    のスクロール圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記段が形成される端面部がスライダー
    のスライド方向とは直交せず、前記主軸の回転方向に所
    定量傾斜していることを特徴とする請求項1から3記載
    のいずれかのスクロール圧縮機。
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