JPH09310687A - スクロール型圧縮機 - Google Patents

スクロール型圧縮機

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JPH09310687A
JPH09310687A JP12480596A JP12480596A JPH09310687A JP H09310687 A JPH09310687 A JP H09310687A JP 12480596 A JP12480596 A JP 12480596A JP 12480596 A JP12480596 A JP 12480596A JP H09310687 A JPH09310687 A JP H09310687A
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JP
Japan
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scroll
end plate
movable scroll
thrust load
groove portion
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Withdrawn
Application number
JP12480596A
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English (en)
Inventor
Kazuhide Uchida
和秀 内田
Mikio Matsuda
三起夫 松田
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Soken Inc
Original Assignee
Nippon Soken Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクロール型圧縮機のスラスト荷重支持面の
摩耗を、低コストの手段によって確実に防止する。 【解決手段】 可動スクロール6に作用するスラスト荷
重の支持面の一方である端板部6bの背面の円周上に溝
部6dを設けると共に、この溝部6dへ中心部の高圧作
動室8aから、端板部6bを貫通して最短距離となるよ
うに設けた連通孔6eによって加圧された流体を導入
し、支持面の他方であるフロントハウジング3の平坦な
端面部3aとの間に背圧空間を形成して、可動スクロー
ル6のスラスト荷重を支持する。溝部6dの加圧された
流体は薄い膜となって吸入室7fへ流出するから、流体
によって浮遊的に支持される低摩擦のスラスト荷重支持
手段が実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用の
空調装置における冷媒圧縮機として使用するのに好適な
スクロール型圧縮機に係り、特にスクロール型圧縮機に
おけるスラスト荷重支持手段の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】スクロール型圧縮機においては、その構
造上の特徴から必然的に運転時において可動スクロール
にスラスト荷重が作用する。このスラスト荷重を支持す
るために、可動スクロールの端板部の背面と、それに対
向するハウジングの一部の平坦な端面部とを摺動面とし
て、それらを摺動係合させているのが普通である。そし
てこのようなスラスト荷重支持面における摺動の摩擦を
軽減するために、例えばスラスト荷重支持面の摺動部分
に潤滑油を供給したり、場合によっては多数の小さなボ
ールをスラスト荷重支持面間に介在させて、摺動摩擦を
転がり摩擦に転換するようにしている。
【0003】しかしながらこのような対策を講じても、
スクロール型圧縮機が例えば空調装置の冷媒圧縮機とし
て使用されている場合には、冬季において空調装置を起
動する際に起こりやすい液圧縮や、潤滑不足の状態にな
ると、スラスト荷重支持面に過大なスラスト荷重が作用
したり、潤滑油切れの状態で面の摩擦摺動やボールの転
動が始まるために、スラスト荷重支持面が過酷な荷重を
受けることになって、摺動或いは転動面間に大きな摩擦
力が作用するために、大量の摩耗や表面荒れ等を生じる
結果、スラスト荷重支持面、ひいてはスクロール型圧縮
機の信頼性が低下するという問題があった。
【0004】なお、実開平1−95584号公報に記載
されているように、可動スクロールの端板部の背面と対
向する位置のハウジング側に平坦な摺接面を形成し、こ
の摺接面に周溝を設けると共に、この周溝に吐出口側か
ら取り出した圧縮された気体の一部を、ハウジング側に
設けた通路を介して導入することにより、周溝に供給さ
れた圧縮気体によって可動スクロールに押圧力を与える
手段が提案されているが、この例では周溝をハウジング
側に設けているため、その周溝に圧縮気体を供給するた
めの通路が長くなるだけでなく、色々な部品を貫通する
複雑な経路をとる必要があるので、スクロール型圧縮機
の製造コストが嵩む結果を招くという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける前述のような問題に対処して、液圧縮や、潤滑不
足の状態においてもスクロール型圧縮機を円滑に始動す
ることができると共に、スラスト荷重支持面における摩
耗や表面荒れの問題を解消して、スクロール型圧縮機の
信頼性を高めることができるような、改良されたスクロ
ール型圧縮機のスラスト荷重支持手段を提供することを
目的としている。本発明は更に、前述の目的を達成する
際に、スラスト荷重支持手段を設けることによる製造コ
ストの上昇を可及的に抑えることができ、或いは、スク
ロール型圧縮機の体格の大型化を避けることができる手
段を提供することをも目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項
に記載されたスクロール型圧縮機を提供する。
【0007】請求項1記載のスクロール型圧縮機におい
ては、スラスト荷重支持面を構成する一方の面である可
動スクロールの端板部の背面において、中心の周りの円
周上に溝部が形成されていると共に、この溝部と高圧作
動室が可動スクロールの端板部を貫通する連通孔によっ
て接続されていて、運転中には高圧作動室から圧縮され
た流体の一部が溝部に供給されている。従って、圧縮さ
れた流体は端板部を貫通する連通孔によって最短距離で
溝部に導入されて、溝部と他方のスラスト荷重支持面と
してハウジングの内部に設けられた平坦な端面部とによ
って形成される空間において背圧を発生することによっ
て、スラスト荷重に対抗して可動スクロールを軸方向に
押し戻す作用をして、可動スクロールに作用するスラス
ト荷重を支持する。また、溝部の空間内から圧縮された
流体が吸入室へ流出するが、その際にスラスト荷重支持
面間に薄い流体の膜を形成するので、この流体の膜によ
ってスラスト荷重支持面が金属摩擦を起こすことがな
く、可動スクロールがハウジングによってスラスト荷重
に関して浮動的に支持されるために摩擦力がきわめて小
さくなり、スラスト荷重支持面の摩耗や荒れが確実に防
止される。
【0008】この場合、作動室において圧縮された流体
を可動スクロールの端板部の背面に設けられた溝部に導
く連通孔が、可動スクロールの端板部を貫通して形成さ
れるので、連通孔の長さが最短となるだけでなく、連通
孔を設けるための加工が非常に簡単になり、その工程に
よるコストの上昇が僅かなものになる。しかも、連通孔
が他の部品を貫通することがないから、他の部品の配置
等に影響を及ぼすことがなく、スクロール型圧縮機の設
計の自由度が連通孔の設置によって制限を受けるような
恐れがない。
【0009】請求項2のスクロール型圧縮機において
は、可動スクロールの端板部の背面に設けられる溝部が
複数個の円弧状のものとして形成されていると共に、自
転防止機構が溝部と実質的に同じ円周上において円弧状
の溝部の間に設けられているので、溝部を設けるために
スクロール型圧縮機の胴径を増大させる必要がなく、全
体を小型化することができる。
【0010】請求項3に記載されたスクロール型圧縮機
においては、溝部が単一の円環状のものとして形成され
ているので、その溝部と中心部の高圧作動室とを接続す
る連通孔も1本にすることが可能になる。従って、溝部
及び連通孔を切削或いは穿孔する加工工程が簡単になる
から、製造のコストが低減する。
【0011】請求項4に記載されたスクロール型圧縮機
においては、可動スクロールの端板部の背面に設けられ
る溝部によって形成される空間のシール性を高めるため
に、溝部の周縁に沿ってシールリングのようなシール材
が設けられるので、スクロール型圧縮機としての体積効
率が向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】図1及び図2に本発明の第1実施
形態であるスクロール型圧縮機の全体構造を示す。1は
図示しないエンジンによって回転駆動されるシャフトで
あって、その一端にはクランク部1aが形成されてい
る。クランク部1aの軸心はそれ以外のシャフト1の回
転軸部1bの軸心に対して所定量だけ偏心している。シ
ャフト1はその回転軸部1bをラジアルベアリング2を
介してフロントハウジング3によって回転自由に支持さ
れている。フロントハウジング3は右端側に平坦な端面
部3aを形成されており、また、圧縮すべき流体を受け
入れる吸入ポート3bが、ラジアルベアリング2を収容
している中央の空間3cに開口している。
【0013】中央の空間3cの内部において、シャフト
1のクランク部1aには、スプラインのような手段によ
って動力伝達機構部4が取り付けられる。動力伝達機構
部4はバランスウエイト部4aと円筒状のブッシュ部4
bからなっている。ブッシュ部4bはニードルベアリン
グ5を介して可動スクロール6を相対回転可能に支持し
ている。可動スクロール6は、渦巻き状の羽根部6a
と、それに一体化された円板状の端板部6bと、端板部
6bの背後に軸方向に突出するように形成された円筒状
のボス部6cとからなっており、ボス部6cは前述のよ
うにブッシュ部4bによって相対回転可能に支持されて
いる。
【0014】本発明の特徴に対応して、可動スクロール
6の端板部6bの背面には、ボス部6cを中心とする仮
想の円の円周上の少なくとも一部に溝部6dが形成され
ており、溝部6dはフロントハウジング3の平坦な端面
部3aによって実質的に閉じられて溝の形の空間を形成
すると共に、端板部6bに穿孔して形成された連通孔6
eを通じて、圧縮機自体によって圧縮された流体の一部
の供給を受けるようになっており、それによって可動ス
クロール6の端板部6bの背面と、フロントハウジング
3の平坦な端面部3aとの間に、可動スクロール6に作
用するスラスト荷重を支持する流体軸受を形成する。第
1の実施形態においては、溝部6dは図2に示すように
円周を幾つかの部分に分割した円弧状のものとして設け
られ、それぞれの円弧状空間に連通孔6eが開口してい
る。
【0015】通常のスクロール型圧縮機と同様に、この
場合も可動スクロール6に対して偏心した位置で対向し
て、回転方向に位相を180度ずらして噛み合う固定ス
クロール7が設けられる。固定スクロール7は、可動ス
クロール6と同様な形状の渦巻き状の羽根部7aと、そ
れと一体化された端板部7bとを備えている。端板部7
bには、その外周の一部に圧縮された流体を外部へ導出
するための吐出ポート7cと、中心に開口する吐出弁口
7dが形成される。また固定スクロール7は、その外周
部に図示しない手段によってフロントハウジング3に対
して一体的に連結されるハウジング部7eを備えてお
り、更に、ハウジング部7eの内側で2つの渦巻き状の
羽根部6a,7aの外周側に吸入室7fを形成してお
り、吸入室7fはフロントハウジング3の中央の空間3
cと、吸入ポート3bに対して常時連通している。
【0016】可動スクロール6の渦巻き状の羽根部6a
と、固定スクロール7渦巻き状の羽根部7aが噛み合う
ことによって、それらの渦巻き状の羽根部6a,7aの
間に流体を取り込んで圧縮する三日月状の作動室8が複
数個形成されるが、2つのスクロール6及び7の共通の
中心部領域には、圧縮された流体の圧力が最も高くなる
高圧作動室8aが1つだけ形成される。固定スクロール
7の端板部7bに形成される吐出弁口7dは、この高圧
作動室8aに開口し得るように位置決めされている。な
お、固定スクロール7の端板部7bの背後にはボルト9
によってリアハウジング10が一体的に取り付けられ
る。リアハウジング10の内部には吐出室10aが形成
されて前述の吐出ポート7cと常時連通している。
【0017】その他、図1において、11はシャフト1
の回転軸部1bとフロントハウジング3との間に設けら
れてフロントハウジング3の中央の空間3cから外部へ
圧縮すべき流体が漏れるのを防止する軸シール装置、1
2は前述の吐出弁口7dを吐出室10a側から閉塞する
リード状の逆止弁13を、その開弁量を制限するための
板状のストッパ13aと共に端板部7bに取り付けるボ
ルト、14は可動スクロール6の公転を許すが自転を阻
止する自転防止機構を例示している。この場合の自転防
止機構14は、図2に示すように、可動スクロール6の
端板部6bの背面とフロントハウジング3の端面部3a
からそれぞれ軸方向に突出するピンが相互に係合する対
を複数組用いる形式のものであって、このピンの対を、
可動スクロール6の端板部6bに形成された溝部6dの
位置を避けて、略同じ円周上の4箇所に設けられてい
る。
【0018】第1実施形態のスクロール型圧縮機はこの
ように構成されているので、通常のものと同様に、シャ
フト1がエンジンによって回転駆動されると、可動スク
ロール6は固定スクロール7に対して自転を伴わない公
転をする。従って、2つのスクロール6及び7の渦巻き
状の羽根部6a,7aの間に形成される作動室8が吸入
室7fに開口したときに吸入室7fから冷媒のような圧
縮すべき流体を取り込み、更に可動スクロール6が公転
することによって作動室8が閉じて、2つのスクロール
6及び7の中心に向かって移動する間に作動室8の容積
が次第に小さくなるので作動室8内の流体が徐々に圧縮
される。そして作動室8の容積が最も小さくなって中心
部の高圧作動室8aに開口するときに、作動室8内で圧
縮された流体が高圧作動室8a及び吐出弁口7dから逆
止弁13を押し開けて吐出室10aへ流出し、吐出ポー
ト7cから外部へ導かれる。
【0019】このようにして2つのスクロール6及び7
の渦巻き状の羽根部6a,7aの間に形成される作動室
8内で流体が圧縮されるときには、可動スクロール6に
は軸方向の所謂スラスト荷重Fs が図1に示すように作
用するが、従来のスクロール型圧縮機においては、可動
スクロール6の端板部6bの背面とフロントハウジング
3の平坦な端面部3aとを摺動面として、それらの摺動
係合によってスラスト荷重Fs を支持するのが普通であ
る。そしてこのようなスラスト荷重支持面における摺動
の摩擦を軽減するために潤滑油を供給したり、場合によ
っては多数の小さなボールをスラスト荷重支持面間に介
在させて摺動摩擦を転がり摩擦に転換するようにしてい
る。
【0020】しかし、スクロール型圧縮機が例えば空調
装置の冷媒圧縮機として使用された場合に、前述のよう
に、冬季において空調装置を起動する際に起こりやすい
液圧縮や、潤滑不足の状態においては、スラスト荷重支
持面に過大なスラスト荷重が作用したり、潤滑油切れの
状態で面の摩擦摺動やボールの転動が始まるために、ス
ラスト荷重支持面が過酷な荷重状態となって大量の摩耗
や表面荒れ等を生じるために、スラスト荷重支持面の信
頼性が著しく低下するという問題があった。
【0021】しかし、本発明の第1の実施形態において
は、このような条件下でも、高圧作動室8aに発生する
圧縮された流体が、連通孔6eを通って、スラスト荷重
支持面である端板部6bの背面と平坦な端面部3aとの
間に形成された溝部6dに導かれるので、圧縮された流
体が溝部6dから吸入室7f又はフロントハウジング3
の中央空間3cへ流出する際に、スラスト荷重支持面間
に流体の薄い膜が形成されると共に、溝部6d内の空間
に背圧Pf を発生させるので、フロントハウジング3の
平坦な端面部3aは、所謂流体軸受と同様に、可動スク
ロール6をスラスト荷重Fs に関して浮遊状態で支持す
ることになるから、スラスト荷重支持面間に作用する摩
擦が大きく軽減され、スラスト荷重支持面の摩耗や荒れ
が確実に防止される。従って、スラスト荷重支持面の信
頼性が著しく向上する。
【0022】本発明のスクロール型圧縮機においては、
このようにスラスト荷重支持面間に圧縮された流体の一
部を供給することによって、一方を他方に対して浮遊状
態で支持するので、2つのスクロール6及び7の間で圧
縮された流体の一部がスラスト荷重支持面において消費
されることになるが、そのためのエネルギー損失は僅か
であって無視することができる程度の大きさである。何
故ならば、スラスト荷重支持面へ供給される圧縮された
流体の一部は外部へ放出されるのではなく、直ちに吸入
室7fへ戻るので、作動室8においては予め圧縮された
流体を加圧することになるためである。第1実施形態に
おけるスラスト荷重Fs の低減量と、デッドボリューム
の増加による体積効率の低下を試算した結果を図3に示
す。
【0023】図3に示した例では、常用運転の状態で可
動スクロール6に300kgfのスラスト荷重Fs が作
用した場合に、全てのスラスト荷重Fs を背圧Pf によ
って釣り合わせることによって金属面間の摺動摩擦が全
くない状態としても、本発明の実施による体積効率の低
下は、およそ3%程度に止まる。また、第1の実施形態
においては、可動スクロール6の端板部6bにおいて円
弧状の4つの溝部6dを自転防止機構14と略同じ円周
上に配置しているので、溝部6dを設けるためにスクロ
ール型圧縮機の胴径を増大させる必要がない。可動スク
ロール6をスラスト荷重Fs に対してバランス良く支持
するには、3〜4個の円弧状の溝部6dをボス部6cの
周りに均等に分配して配置するのがよい。
【0024】従って、本発明の第1の実施形態によれ
ば、空調装置の冬季の始動時のように液圧縮や潤滑不足
の状態が生じる過酷な運転状態でも、スラスト荷重支持
面の信頼性を十分に確保することができる小型のスクロ
ール型圧縮機を提供することが可能になる。
【0025】図4に本発明の第2の実施形態としてのス
クロール型圧縮機の要部を示す。第1の実施形態では、
スラスト荷重支持面の一方である可動スクロール6の端
板部6bの背面と、他方であるフロントハウジング3の
平坦な端面部3aとの間において、端板部6bの背面に
形成された円弧状の溝部6dの周囲のシールとして特別
のものを設けておらず、圧縮される冷媒のような流体中
に含まれている冷凍機油のような潤滑油成分に依存して
いると言ってもよいが、第2の実施形態では、溝部6d
によって形成される空間15のシール性を向上させるた
めに、合成樹脂のような材料から成形したシールリング
16を、円弧状の溝部6dの周縁に沿って嵌め込むよう
にして設けた点に特徴がある。これによって第1の実施
形態と同様な効果を得ることができると共に、スクロー
ル型圧縮機としての体積効率を更に高めることができ
る。
【0026】図5に本発明の第3の実施形態としてのス
クロール型圧縮機の要部を示す。この実施形態は、前述
の各実施形態よりもコストを低減することに重点をおい
たもので、可動スクロール6の端板部6bの背面に形成
する溝部6dを、図2や図4に示したように複数個の円
弧状部分に分割することなく、単一の円環状のものとす
ると共に、高圧作動室8aに通じる連通孔6eも簡単に
1本だけとした点に特徴がある。それによって溝部6d
や連通孔6eを切削或いは穿孔するための加工コストを
他の実施形態に比べて低減することが可能になる。な
お、図5における破線の円17は可動スクロール6の外
周を示している。
【0027】しかしながら、このように溝部6dを連続
した円環状のものとすると、前述の各実施形態のように
溝部6dを自転防止機構14と実質的に同じ円周上に設
けることができなくなるので、図5に例示したように、
自転防止機構14を溝部6dの内側へ移動させて設ける
か、或いは自転防止機構14を溝部6dの外側の適所に
設けることが必要になる。それによって、スクロール型
圧縮機の胴径を増大させる必要が生じる場合もあり得
る。従って、この面で多少不利ではあっても、低コスト
で第1の実施形態の場合と同様な効果を得ることができ
る。更に、自転防止機構14として他の適当な形式のも
のを用いることにより、可動スクロール6のボス部6c
に近い位置に自転防止機構を設けることも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態としてのスクロール型
圧縮機の全体構成を示す縦断正面図である。
【図2】第1実施形態の横断側面図である。
【図3】本発明の実施による体積効率の低下を試算した
結果を例示する線図である。
【図4】第2の実施形態の要部を示す横断側面図であ
る。
【図5】第3の実施形態の要部を示す横断側面図であ
る。
【符号の説明】
3…フロントハウジング 3a…平坦な端面部 3b…吸入ポート 3c…中央の空間 4b…ブッシュ部 5…ニードルベアリング 6…可動スクロール 6a…渦巻き状の羽根部 6b…端板部 6c…ボス部 6d…溝部 6e…連通孔 7…固定スクロール 7a…渦巻き状の羽根部 7b…端板部 7c…吐出ポート 7d…吐出弁口 7f…吸入室 8…作動室 8a…高圧作動室 10…リアハウジング 10a…吐出室 13…逆止弁 15…空間 16…シールリング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内にそれぞれ形成された吸入
    室及び吐出室と、固定の端板部上に形成された渦巻き状
    の羽根部を有し前記ハウジングの一部を構成する固定ス
    クロールと、可動の端板部上に形成された渦巻き状の羽
    根部を有し前記固定スクロールと噛み合うことによって
    それらの渦巻き状の羽根部の間に流体を圧縮するための
    複数個の作動室を形成する可動スクロールと、前記2つ
    のスクロールの中心部に共通に形成される高圧作動室と
    前記吐出室との間に設けられる吐出弁としての逆止弁
    と、前記可動スクロールの公転を許すと共に自転を阻止
    するために前記ハウジングと前記可動スクロールとの間
    に設けられる自転防止機構と、前記可動スクロールの前
    記端板部の背面及び前記ハウジングの内部に形成される
    平坦な端面部からなるスラスト荷重支持面と、前記可動
    スクロールの前記端板部の背面において前記可動スクロ
    ールの中心の周りに形成された溝部と、前記溝部と前記
    高圧作動室とを最短距離で接続するために前記端板部を
    貫通して形成された連通孔とを備えていることを特徴と
    するスクロール型圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記溝部が複数個の円弧状のものとして
    形成されており、前記自転防止機構が前記溝部と実質的
    に同じ円周上において円弧状の溝部の間に設けられてい
    ることを特徴とする請求項1記載のスクロール型圧縮
    機。
  3. 【請求項3】 前記溝部が単一の円環状のものとして形
    成されており、前記自転防止機構が前記溝部に対して半
    径方向に異なる位置に設けられていることを特徴とする
    請求項1記載のスクロール型圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記溝部によって形成される空間のシー
    ル性を高めるために前記溝部の周縁に沿ってシール材が
    設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれかに記載のスクロール型圧縮機。
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