JP3773156B2 - ウェブ案内ローラ - Google Patents

ウェブ案内ローラ Download PDF

Info

Publication number
JP3773156B2
JP3773156B2 JP29088198A JP29088198A JP3773156B2 JP 3773156 B2 JP3773156 B2 JP 3773156B2 JP 29088198 A JP29088198 A JP 29088198A JP 29088198 A JP29088198 A JP 29088198A JP 3773156 B2 JP3773156 B2 JP 3773156B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
web
guide roller
outer peripheral
web guide
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29088198A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000118818A (ja
Inventor
伸輔 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP29088198A priority Critical patent/JP3773156B2/ja
Publication of JP2000118818A publication Critical patent/JP2000118818A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3773156B2 publication Critical patent/JP3773156B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Registering, Tensioning, Guiding Webs, And Rollers Therefor (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続的に移送される比較的広幅の可撓性帯状支持体(以下、ウェブと称する)を円筒状外周面で支持しながら、所定の搬送路に沿って走行案内するウェブ案内ローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
磁気テープや写真フィルムを製造する場合、一旦コイル状に巻回した原反ロールから前記ウェブを連続的に繰り出しながら、所望する厚さの磁性塗膜あるいは感光塗膜を前記ウェブの一方表面に塗着し、乾燥した後、再度コイル状に巻き取る工程を構成する前記ウェブの走行路、いわゆるウェブハンドリングラインの要部は、一般に図7に示したように、円筒状シェル部材と該シェル部材の両端部に嵌着されたジャーナル部を具備して成る複数本のウェブ案内ローラGRから成り、前記ウェブWの両面に対向して適宜配設した前記各ウェブ案内ローラGRによって前記ウェブWを矢印C方向に走行案内する。
【0003】
近年、所望するサイズにスリット加工された磁気テープや写真フィルムを収納するカートリッジの小型化や、単位面積当たりの記録密度の増加が強く要望されるに至り、前記ウェブWはその厚さの薄手化とともに表面粗さを一層平滑化して対応する必要性が増して来た。
しかしながら、このように薄手化と平滑化が促進されたウェブWは、従来のような前記円筒状シェル部材の単に平滑に仕上げられた外周面によって支持されながら所定の走行路に沿って走行案内されても、低いウェブ張力域と高速な走行速度域とのウェブハンドリング組合せ条件下で、前記円筒状シェル部材の良好なホールド力により品質上有害なスリキズや引きつれしわの発生が常に抑制される保証を得られなくなった。
【0004】
そこで、図8及び図9に示したようなアルミニウムシェル部材の円筒状外周面にランド部Lと分岐した圧縮室凹部Rを具備して成るウェブ案内ローラGRが特開昭57−51642号公報に提案されている。
前記ウェブ案内ローラGRは、前記円筒状外周面をサンドブラスト処理した後、クロムメッキ処理して分岐した前記圧縮室凹部Rを形成させ、その後クロムメッキ処理した前記円筒状外周面上に占有面積率が30〜40%で表面の粗面深さが3μm以下の前記ランド部L、及び前記圧縮室凹部Rの30〜80μmの深さがそれぞれ得られるまで前記クロムメッキ処理面を研削、研摩して成っていた。
【0005】
前記ウェブ案内ローラGRは、380m/分の速度で移送されるウェブWを、外径が70mmの円筒状外周面に1.5°のラップ角で支持しながら、15kg/幅のウェブ張力で走行案内しても、前記円筒状外周面の良好なホールド力により前記ウェブWの表面に品質上有害なスリキズや引きつれしわの発生を確実に抑制するとともに、前記円筒状外周面の清浄性も容易に得られるものであった。
【0006】
一方、図10及び図11に示したようなシェル部材の円筒状外周面にランド部LとV字状あるいはU字状の断面形状を有する多数本の細溝VGあるいはUGを具備して成るウェブ案内ローラGRが特開平4−365746号公報に提案されている。
前記ウェブ案内ローラGRは、前記ランド部Lが前記円筒状外周面上の占有面積率が50%以上で1.0〜3.0μmの表面粗さ(Ra)を有する一方、前記細溝VGあるいはUGが深さ0.25mm、幅が0.25mm、ピッチが1.5mmに刻設されて成っていた。
【0007】
前記ウェブ案内ローラGRは、100〜500m/分の速度で移送される0.005〜0.03μmの表面粗さ(Ra)で3〜15μmの厚さを有するウェブWを、外径が300mmの円筒状外周面に90°のラップ角で支持しながら、2〜15kg/幅のウェブ張力で走行案内しても、前記円筒状外周面の良好なホールド力により前記ウェブWの表面に品質上有害なスリキズの発生を確実に抑制するものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記ウェブの薄手化と平滑化が更に促進されるとともに該ウェブの走行速度も高速化されると、上述した特開昭57−51642号公報及び特開平4−365746号公報に開示された従来の各ウェブ案内ローラGRでも、前記ウェブの表面と前記ウェブ案内ローラの円筒状外周面との相対速度差が増してスリップによるスリキズ、及び前記ウェブの超平滑化表面の前記円筒状外周面に対する過剰な付着と急激な分離との繰り返しで発生するスティックスリップによるスリキズ、引きつれしわ、あるいは最悪の場合、前記ウェブの切断故障を招き易かった。
【0009】
本発明は、前述した従来技術の問題点を解消し、一層薄手化され、かつ超平滑化されたウェブを高速で搬送しても該ウェブの面質を良好に維持してその走行を案内可能なウェブ案内ローラを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
(1)表面粗さ(Ra)が0.5〜4.5nmで厚さが2〜4.5μmのウェブの表面を、ランド部とリセス部を有する円筒状外周面で支持しながら走行案内するウェブ案内ローラであって、前記ランド部が、円筒状外周面に0.1〜6.0μmの表面粗さ(Ra)で30〜50%の占有面積率を以て形成され、且つ前記リセス部が、略半球形状を有し、その直径が0.1〜0.5mmを以って形成されることを特徴とするウェブ案内ローラ。
(2)前記リセス部が、略半球形状を有し、その深さが直径に対し2〜25%を以って形成されることを特徴とするウェブ案内ローラ
(3)表面粗さ(Ra)が0.5〜4.5nmで厚さが2〜4.5μmのウェブの表面を、ランド部とリセス部を有する円筒状外周面で支持しながら走行案内するウェブ案内ローラであって、前記ランド部が、円筒状外周面に0.1〜6.0μmの表面粗さ(Ra)で30〜50%の占有面積率を以て形成され、且つ前記リセス部が、略多角錘形状を有し、その対角長が0.1〜0.5mmを以て形成されることを特徴とするウェブ案内ローラ
(4)前記リセス部が、略多角錘形状を有し、その深さが対角長に対し2〜25%を以って形成されることを特徴とするウェブ案内ローラ
【0011】
【作用】
前記(1)に記載の本発明のウェブ案内ローラは、前記表面粗さ(Ra)が0.5〜4.5nmで前記厚さが2〜4.5μmの前記ウェブの表面を、前記ランド部と前記リセス部(凹部)を有する前記円筒状外周面で支持しながら走行案内する前記ウェブ案内ローラであって、前記ランド部が、前記円筒状外周面に0.1〜6.0μmの前記表面粗さ(Ra)で30〜50%の前記占有面積率を以て形成されるので、前記円筒状外周面は前記ウェブの表面に対する良好なホールド力を維持して、前記ウェブの表面に品質上有害なスリキズや引きつれしわの発生を抑制する。
【0012】
更に、前記リセス部が略半球形状を有し、その直径が0.1〜0.5mmを以て形成されるので、前記円筒状外周面は前記ウェブの表面に対する良好なホールド力を維持して、前記ウェブの表面に品質上有害なスリキズや引きつれしわの発生を抑制するとともに、前記リセス部4の凹設パターンの写り跡の発生も抑制する。
【0013】
更に、前記(2)に記載の本発明のウェブ案内ローラは、前記リセス部が略半球形状を有し、その深さが直径に対し2〜25%を以て形成されるので、前記円筒状外周面は前記ウェブの表面から一部転着した塗膜の払拭、清浄性を良好に維持する。
【0014】
更に、前記(3)に記載の本発明のウェブ案内ローラは、前記リセス部が略多角錘形状を有し、その対角長が0.1〜0.5mmを以て形成されるので、前記円筒状外周面は前記ウェブの表面に対する良好なホールド力を維持して、前記ウェブの表面に品質上有害なスリキズや引きつれしわの発生を抑制するとともに、前記リセス部4の凹設パターンの写り跡の発生も抑制する。
【0015】
更に、前記(4)に記載の本発明のウェブ案内ローラは、前記リセス部が略多角錘形状を有し、その深さが対角長に対し2〜25%を以て形成されるので、前記円筒状外周面は前記ウェブの表面から一部転着した塗膜の払拭、清浄性を良好に維持する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のウェブ案内ローラの一実施態様について、添付した図面に基づいて以下に詳述する。図1は本発明のウェブ案内ローラ1における円筒部2の外周面を拡大して示した平面図であり、図2は図1のA−A線に沿って切断して示した縦断面図である。
本発明のウェブ案内ローラ1は、基本的には従来のウェブ案内ローラと同様に、円筒部2と該円筒部2の両端部に嵌着されたジャーナル部(図示せず)を具備して成り、ウェブWの両面に対向して適宜配設されて前記円筒部2の外周面によって前記ウェブWを支持しながら所定の方向に走行案内する。
【0017】
本発明におけるウェブWとは、一般に、その幅が0.3〜3m、長さが45〜10,000m、厚さが2〜200μm、表面粗さ(Ra)が0.5nm以上のポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド等のプラスチックフィルム;紙;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンブテン共重合体等の炭素数が2〜10のα−ポリオレフィン類を塗布又はラミネートした紙;アルミニウム、銅、錫等の金属箔;等から成る可撓性帯状物あるいは該帯状物を基材としてその表面に加工層を形成した帯状物が含まれる。
【0018】
前記円筒部2は一般に、所望する外径を有するアルミニウムシェル材から成り、更に前記円筒部2の外周面に厚さが50〜300μmのニッケルメッキを施した後、該ニッケルメッキ面を平均粒子径が500〜1500μmのガラスビーズによりブラスト処理して、略半球形状を有する多数個のリセス部4を凹設する。
その後、前記リセス部4を凹設した前記ニッケルメッキ面を、表面粗さ(Ra)が0.1〜6.0μmで、かつ占有面積率が30〜50%になるまで研削加工を施して多数個のランド部3を形成し、該研削加工した表面に厚さが5〜50μmのクロムメッキを施して前記外周面を仕上げる。
【0019】
約2μm程度まで薄手化され、かつ約0.5nm程度まで超平滑化された前記ウェブWを、前記円筒部2の外周面に沿って1.5〜270°のラップ角で支持しながら5〜30kgf/mのウェブ張力で最高600m/分の速度で連続走行させると、前記略半球形状を有する多数個のリセス部4は、前記ウェブWの表面に同伴して前記円筒部2の外周面上に導入される空気流をその内部に確実に捕捉し、一方の前記多数個のランド部3は、その表面粗さと前記リセス部4による同伴空気の排除作用との相乗効果により前記ウェブWに対するホールド力が良好に維持され、その結果、前記ウェブWの表面に品質上有害なスリキズや引きつれしわの発生を抑制する。
【0020】
本発明のウェブ案内ローラ1は、略半球形状を有する前記リセス部4の直径D1 を、前記ブラスト処理、研削加工あるいはクロムメッキの条件を調節して、0.1〜0.5mmに設定することにより、前記円筒部2の外周面は前記ウェブWの表面に対する良好なホールド力を維持して、前記ウェブWの表面に品質上有害なスリキズや引きつれしわの発生を抑制するとともに、前記リセス部4の凹設パターンの写り跡の発生も抑制する。
【0021】
更に、本発明のウェブ案内ローラ1は、略半球形状を有する前記リセス部4の深さdを、前記ブラスト処理、研削加工あるいはクロムメッキの条件を調節して、前記直径D1 に対し2〜25%に設定することにより、前記円筒部2の外周面は前記ウェブWの表面から一部転着した塗膜の払拭、清浄性を良好に維持する。
【0022】
図3は本発明の他のウェブ案内ローラ1aにおける円筒部2の外周面を拡大して示した平面図であり、図4は図3のA−A線に沿って切断して示した縦断面図である。
本発明の他のウェブ案内ローラ1aの円筒部2も、前述した本発明のウェブ案内ローラ1と同様に所望する外径を有するアルミニウムシェル材から成るが、次に前記円筒部2の外周面にローレット加工を利用した機械加工を施して略六角錐の断面形状を有する多数個のリセス部4aを凹設する。
【0023】
その後、前記リセス部4aを凹設した前記機械加工した面に、表面粗さ(Ra)が0.1〜6.0μmで、かつ占有面積率が30〜50%になるまで研削加工を施して多数個のランド部3を形成し、該研削加工した表面に、先ず厚さが50〜300μmのニッケルメッキを施し、次に該ニッケルメッキ面に厚さが5〜50μmのクロムメッキを施して前記外周面を仕上げる。
【0024】
前述した本発明のウェブ案内ローラ1と同様に、約2μm程度まで薄手化され、かつ約0.5nm程度まで超平滑化された前記ウェブWを、本発明の他のウェブ案内ローラ1aの前記円筒部2の外周面に沿って1.5〜270°のラップ角で支持しながら5〜30kgf/mのウェブ張力で最高600m/分の速度で連続走行させると、前記略六角錐の断面形状を有する多数個のリセス部4aは、前記ウェブWの表面に同伴して前記円筒部2の外周面上に導入される空気流をその内部に確実に捕捉し、一方の前記多数個のランド部3は、その表面粗さと前記リセス部4aによる同伴空気の排除作用との相乗効果により前記ウェブWに対するホールド力が良好に維持され、その結果、前記ウェブWの表面に品質上有害なスリキズや引きつれしわの発生を抑制する。
【0025】
本発明の他のウェブ案内ローラ1aは、略六角錐の断面形状を有する多数個のリセス部4aの対角長D2 を、前記機械加工、研削加工、ニッケルメッキあるいはクロムメッキの条件を調節して、0.1〜0.5mmに設定することにより、前記円筒部2の外周面は前記ウェブWの表面に対する良好なホールド力を維持して、前記ウェブWの表面に品質上有害なスリキズや引きつれしわの発生を抑制するとともに、前記リセス部4aの凹設パターンの写り跡の発生も抑制する。
【0026】
更に、本発明の他のウェブ案内ローラ1aは、略六角錐の断面形状を有する前記リセス部4aの深さdを、前記機械加工、研削加工、ニッケルメッキあるいはクロムメッキの条件を調節して、前記対角長D2 に対し2〜25%に設定することにより、前記円筒部2の外周面は前記ウェブWの表面から一部転着した塗膜の払拭、清浄性を良好に維持する。
【0027】
図5は本発明の別のウェブ案内ローラ1bにおける円筒部2の外周面を拡大して示した平面図であり、図6は図5のA−A線に沿って切断して示した縦断面図である。
本発明の別のウェブ案内ローラ1bの円筒部2も、前述した本発明のウェブ案内ローラ1と同様に所望する外径を有するアルミニウムシェル材から成るが、次に前記円筒部2の外周面にローレットによる機械加工によって略四角錐の断面形状を有する多数個のリセス部4bを凹設する。
【0028】
その後、前記リセス部4bを凹設した面に、表面粗さ(Ra)が0.1〜6.0μmで、かつ占有面積率が30〜50%になるまで研削加工を施して多数個のランド部3を形成し、該研削加工した表面に、先ず厚さが50〜300μmのニッケルメッキを施し、次に該ニッケルメッキ面に厚さが5〜50μmのクロムメッキを施して前記外周面を仕上げる。
【0029】
前述した本発明のウェブ案内ローラ1と同様に、約2μm程度まで薄手化され、かつ約0.5nm程度まで超平滑化された前記ウェブWを、本発明の別のウェブ案内ローラ1bの前記円筒部2の外周面に沿って1.5〜270°のラップ角で支持しながら5〜30kgf/mのウェブ張力で最高600m/分の速度で連続走行させると、前記略四角錐の断面形状を有する多数個のリセス部4bは、前記ウェブWの表面に同伴して前記円筒部2の外周面上に導入される空気流をその内部に確実に捕捉し、一方の前記多数個のランド部3は、その表面粗さと前記リセス部4bによる同伴空気の排除作用との相乗効果により前記ウェブWに対するホールド力が良好に維持され、その結果、前記ウェブWの表面に品質上有害なスリキズや引きつれしわの発生を抑制する。
【0030】
本発明の別のウェブ案内ローラ1bは、略四角錐の断面形状を有する多数個のリセス部4bの対角長D2 を、前記機械加工、研削加工、ニッケルメッキあるいはクロムメッキの条件を調節して、0.1〜0.5mmに設定することにより、前記円筒部2の外周面は前記ウェブWの表面に対する良好なホールド力を維持して、前記ウェブWの表面に品質上有害なスリキズや引きつれしわの発生を抑制するとともに、前記リセス部4bの凹設パターンの写り跡の発生も抑制する。
【0031】
更に、本発明の別のウェブ案内ローラ1bは、略四角錐の断面形状を有する前記リセス部4bの深さdを、前記機械加工、研削加工、ニッケルメッキあるいはクロムメッキの条件を調節して、前記対角長D2 に対し2〜25%に設定することにより、前記円筒部2の外周面は前記ウェブWの表面から一部転着した塗膜の払拭、清浄性を良好に維持する。
なお、ウェブ案内ローラ1a,1bにリセス部4a,4bを形成するのに、サンドブラスト処理や、ローレット等の機械加工に代えて、エッチング等の化学的処理によってもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上、記述した本発明の各ウェブ案内ローラは、次に記すような新規な効果を奏するものである。即ち、本発明のウェブ案内ローラは、前記表面粗さ(Ra)が0.5〜4.5nmで前記厚さが2〜4.5μmの前記ウェブの表面を、前記ランド部と前記リセス部を有する前記円筒状外周面で支持しながら走行案内する前記ウェブ案内ローラであって、前記ランド部が、前記円筒状外周面に0.1〜6.0μmの前記表面粗さ(Ra)で30〜50%の前記占有面積率を以て形成されるので、前記円筒状外周面は前記ウェブの表面に対する良好なホールド力を維持することが可能になり、その結果、前記ウェブの表面に品質上有害なスリキズや引きつれしわの発生を抑制することが可能になった。
【0033】
更に、本発明のウェブ案内ローラは、前記リセス部が略半球形状を有し、その直径が0.1〜0.5mmを以て形成されるので、前記円筒状外周面は前記ウェブの表面に対する良好なホールド力を維持することが可能になり、その結果、前記ウェブの表面に品質上有害なスリキズや引きつれしわの発生を抑制するとともに、前記リセス部の凹設パターンの写り跡の発生も抑制することが可能になった。
【0034】
更に、本発明のウェブ案内ローラは、前記リセス部が略半球形状を有し、その深さが前記直径に対し2〜25%を以て形成されるので、前記円筒状外周面は前記ウェブの表面から一部転着した塗膜の払拭、清浄性を良好に維持することが可能になった。
【0035】
更に、本発明のウェブ案内ローラは、前記リセス部が略多角錘形状を有し、その対角長が0.1〜0.5mmを以て形成されるので、前記円筒状外周面は前記ウェブの表面に対する良好なホールド力を維持することが可能になり、その結果、前記ウェブの表面に品質上有害なスリキズや引きつれしわの発生を抑制するとともに、前記リセス部の凹設パターンの写り跡の発生も抑制することが可能になった。
【0036】
更に、本発明のウェブ案内ローラは、前記リセス部が略多角錘形状を有し、その深さが前記対角長に対し2〜25%を以て形成されるので、前記円筒状外周面は前記ウェブの表面から一部転着した塗膜の払拭、清浄性を良好に維持することが可能になった。
【0037】
【実施例】
前述した本発明のウェブ案内ローラの新規な効果を各実施例によって一層明確にする。なお、各実施例におけるウェブは、表1に列挙した各種ウェブから適宜選択して使用した。
【0038】
【表1】
Figure 0003773156
【0039】
「実施例1」
1)ウェブ案内ローラの諸元
10cmの外径を有するアルミニウムシェル材から成る円筒部の外周面に厚さが100μmのニッケルメッキを施した後、該ニッケルメッキ面を平均粒子径が800〜900μmのガラスビーズによりブラスト処理して、略半球形状を有する多数個のリセス部を凹設した。その後、リセス部を凹設したニッケルメッキ面を、表面粗さ(Ra)が0.8μmで、かつ占有面積率が20〜80%になるまで研削加工を施して多数個のランド部を形成し、該研削加工した表面に厚さが40μmのクロムメッキを施して円筒部の外周面を仕上げた。
なお、リセス部の直径は0.1〜0.5mm、その深さは直径の10%とした。
2)ウェブの諸元
表1に列挙したウェブ試料No.1〜3を適用した。
3)ウェブハンドリング条件
ウェブ張力……15kgf/m
ウェブラップ角……30°
ウェブ走行速度……300m/分
上述したように準備した各ウェブ案内ローラによって各ウェブを搬送させ、各ウェブ案内ローラのウェブ搬送性(ウェブの面質)を観察、評価した。その評価結果は、表2の通り厚さが2〜15μmの各ウェブに対して、占有面積率が30〜50%のリセス部を有するウェブ案内ローラが、スリキズ及び引きつれしわに関して優れていることが確認された。
【0040】
【表2】
Figure 0003773156
【0041】
「実施例2」
1)ウェブ案内ローラの諸元
12cmの外径を有するアルミニウムシェル材から成る円筒部の外周面に厚さが100μmのニッケルメッキを施した後、該ニッケルメッキ面を平均粒子径が800〜900μmのガラスビーズによりブラスト処理して、略半球形状を有する多数個のリセス部を凹設した。その後、リセス部を凹設したニッケルメッキ面を、表面粗さ(Ra)が0.8μmで、かつ占有面積率が30%になるまで研削加工を施して多数個のランド部を形成し、該研削加工した表面に厚さが40μmのクロムメッキを施して円筒部の外周面を仕上げた。
なお、リセス部の直径は0.01〜1.5mm、その深さは直径の10%とした。
2)ウェブの諸元
表1に列挙したウェブ試料No.1及び2を適用した。
3)ウェブハンドリング条件
ウェブ張力……15kgf/m
ウェブラップ角……30°
ウェブ走行速度……400m/分
上述したように準備した各ウェブ案内ローラによって各ウェブを搬送させ、各ウェブ案内ローラのウェブ搬送性(ウェブの面質)を観察、評価した。その評価結果は、表3の通り厚さが5及び15μmの各ウェブに対して、直径が0.1〜0.5mmのリセス部を有するウェブ案内ローラが、スリキズ及び引きつれしわに関して優れていることが確認された。
【0042】
【表3】
Figure 0003773156
【0043】
「実施例3」
1)ウェブ案内ローラの諸元
10cmの外径を有するアルミニウムシェル材から成る円筒部の外周面に厚さが100μmのニッケルメッキを施した後、該ニッケルメッキ面を平均粒子径が800〜900μmのガラスビーズによりブラスト処理して、略半球形状を有する多数個のリセス部を凹設した。その後、リセス部を凹設したニッケルメッキ面を、表面粗さ(Ra)が0.8μmで、かつ占有面積率が30%になるまで研削加工を施して多数個のランド部を形成し、該研削加工した表面に厚さが40μmのクロムメッキを施して円筒部の外周面を仕上げた。
なお、リセス部の直径は0.1〜0.5mm、その深さは直径の2〜50%とした。 磁性塗布液をウェブ案内ローラの円筒部外周面に塗着し乾燥させ、メチルエチルケトンから成る有機溶媒で払拭して、ウェブ案内ローラのリセス部における磁性塗膜の残存有無に基づく清浄性を観察、評価した。その評価結果は、表4の通り深さが直径の2〜25%のリセス部を有するウェブ案内ローラが、ウェブ案内ローラの清浄性に関して優れていることが確認された。
【0044】
【表4】
Figure 0003773156
【0045】
「実施例4」
1)ウェブ案内ローラの諸元
10cmの外径を有するアルミニウムシェル材から成る円筒部の外周面にローレット加工を利用した機械加工を施して略六角錐の断面形状を有する多数個のリセス部を凹設し、その後、リセス部を凹設し機械加工した面に、表面粗さ(Ra)が0.8μmで、かつ占有面積率が30%になるまで研削加工を施して多数個のランド部を形成し、該研削加工した表面に、先ず厚さが50μmのニッケルメッキを施し、次に該ニッケルメッキ面に厚さが40μmのクロムメッキを施して外周面を仕上げた。
なお、リセス部の対角長は0.05〜0.7mm、その深さは対角長の10%とした。
2)ウェブの諸元
表1に列挙したウェブ試料No.2を適用した。
3)ウェブハンドリング条件
ウェブ張力……20kgf/m
ウェブラップ角……30°
ウェブ走行速度……200m/分
上述したように準備した各ウェブ案内ローラによって各ウェブを搬送させ、各ウェブ案内ローラのウェブ搬送性(ウェブの面質)を観察、評価した。その評価結果は、表5の通り厚さが5及び15μmの各ウェブに対して、直径が0.1〜0.5mmのリセス部を有するウェブ案内ローラが、スリキズ及び引きつれしわに関して優れていることが確認された。
【0046】
【表5】
Figure 0003773156
【0047】
「実施例5」
1)ウェブ案内ローラの諸元
10cmの外径を有するアルミニウムシェル材から成る円筒部の外周面にローレット加工を利用した機械加工を施して略四角錐の断面形状を有する多数個のリセス部を凹設し、その後、リセス部を凹設し機械加工した面に、表面粗さ(Ra)が0.8μmで、かつ占有面積率が30%になるまで研削加工を施して多数個のランド部を形成し、該研削加工した表面に、先ず厚さが50μmのニッケルメッキを施し、次に該ニッケルメッキ面に厚さが40μmのクロムメッキを施して外周面を仕上げた。
なお、リセス部の対角長は0.1〜0.5mm、その深さは対角長の2〜30%とした。
磁性塗布液をウェブ案内ローラの円筒部外周面に塗着し乾燥させ、メチルエチルケトンから成る有機溶媒で払拭して、ウェブ案内ローラのリセス部における磁性塗膜の残存有無に基づく清浄性を観察、評価した。その評価結果は、表6の通り深さが対角長の2〜25%のリセス部を有するウェブ案内ローラが、ウェブ案内ローラの清浄性に関して優れていることが確認された。
【0048】
【表6】
Figure 0003773156
【0049】
なお、上記実施例において、サンドブラスト処理や、ローレット加工によりリセス部を形成したが、エッチング加工によりリセス部を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウェブ案内ローラにおける円筒部の外周面を拡大して示した平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿って切断して示した縦断面図である。
【図3】本発明の他のウェブ案内ローラにおける円筒部の外周面を拡大して示した平面図である。
【図4】図3のA−A線に沿って切断して示した縦断面図である。
【図5】本発明の別のウェブ案内ローラにおける円筒部の外周面を拡大して示した平面図である。
【図6】図5のA−A線に沿って切断して示した縦断面図である。
【図7】ウェブハンドリングラインの要部を示す斜視図である。
【図8】従来のウェブ案内ローラにおける円筒部の外周面を拡大して示した平面図である。
【図9】図8のA−A線に沿って切断して示した縦断面図である。
【図10】従来の他のウェブ案内ローラにおける円筒部の外周面を拡大して示した平面図である。
【図11】図10のA−A線に沿って切断して示した縦断面図である。
【符号の説明】
GR 従来のウェブ案内ローラ
L ランド部
R リセス部
VG V字状細溝
UG U字状細溝
W ウェブ
1 本発明のウェブ案内ローラ
1a 本発明の他のウェブ案内ローラ
1b 本発明の別のウェブ案内ローラ
2 円筒部
3 ランド部
4 リセス部
4a リセス部
4b リセス部
1 直径
2 対角長
d 深さ

Claims (4)

  1. 表面粗さ(Ra)が0.5〜4.5nmで厚さが2〜4.5μmのウェブの表面を、ランド部とリセス部を有する円筒状外周面で支持しながら走行案内するウェブ案内ローラであって、
    前記ランド部が、円筒状外周面に0.1〜6.0μmの表面粗さ(Ra)で30〜50%の占有面積率を以て形成され、且つ前記リセス部が、略半球形状を有し、その直径が0.1〜0.5mmを以って形成されることを特徴とするウェブ案内ローラ。
  2. 前記リセス部が、略半球形状を有し、その深さが直径に対し2〜25%を以って形成されることを特徴とする請求項1に記載のウェブ案内ローラ
  3. 表面粗さ(Ra)が0.5〜4.5nmで厚さが2〜4.5μmのウェブの表面を、ランド部とリセス部を有する円筒状外周面で支持しながら走行案内するウェブ案内ローラであって、
    前記ランド部が、円筒状外周面に0.1〜6.0μmの表面粗さ(Ra)で30〜50%の占有面積率を以て形成され、且つ前記リセス部が、略多角錘形状を有し、その対角長が0.1〜0.5mmを以って形成されることを特徴とするウェブ案内ローラ
  4. 前記リセス部が、略多角錘形状を有し、その深さが対角長に対し2〜25%を以って形成されることを特徴とする請求項3に記載のウェブ案内ローラ
JP29088198A 1998-10-13 1998-10-13 ウェブ案内ローラ Expired - Fee Related JP3773156B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29088198A JP3773156B2 (ja) 1998-10-13 1998-10-13 ウェブ案内ローラ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29088198A JP3773156B2 (ja) 1998-10-13 1998-10-13 ウェブ案内ローラ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000118818A JP2000118818A (ja) 2000-04-25
JP3773156B2 true JP3773156B2 (ja) 2006-05-10

Family

ID=17761726

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29088198A Expired - Fee Related JP3773156B2 (ja) 1998-10-13 1998-10-13 ウェブ案内ローラ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3773156B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001310151A (ja) * 2000-05-01 2001-11-06 Yokoyama Seisakusho:Kk スリットコーター
JP2009192659A (ja) * 2008-02-13 2009-08-27 Oki Data Corp 無端状ベルト、転写ユニット及び画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000118818A (ja) 2000-04-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS629381B2 (ja)
US20080237390A1 (en) Web guide roller, web guide device, and method for guiding web
JP3773156B2 (ja) ウェブ案内ローラ
JP2003146505A (ja) ウェブ案内ローラ及びその製造方法
US5304254A (en) Method of removing dust from a web involving non-contact scraping and blowing
EP0673684B1 (en) Extrusion type coating head
JPH1135201A (ja) ベースフィルムの除塵方法及び装置
JPH03116524A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH05124761A (ja) ガイドロール装置
JPH0537959Y2 (ja)
JPH08134645A (ja) プラスチックフイルム用真空処理装置
JPH03256964A (ja) 薄手ウエブ搬送ロール
JP2007260558A (ja) グラビア塗布方法
JPH08259071A (ja) ウエブ搬送ローラ
JP2003181367A (ja) 塗布方法
JP4183981B2 (ja) カーテン塗布方法及び装置
JPH05213506A (ja) ウエブ除塵方法
US7597607B2 (en) Magnetic recording tape edge processing
JP2006264814A (ja) ウエブ巻取り交換方法及び装置
JP3180974B2 (ja) 塗布方法
JP2758480B2 (ja) 搬送マットロールの製造法
JP2005178996A (ja) ガイドロールおよび磁気テープ製造装置
JP3685611B2 (ja) 塗布液除去方法
JPS6261669A (ja) 塗膜平坦化装置
JP4217939B2 (ja) ロッド塗布方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040224

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051028

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051102

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090224

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090224

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090224

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090224

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100224

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100224

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110224

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120224

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120224

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130224

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140224

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees