JP3180974B2 - 塗布方法 - Google Patents

塗布方法

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JP3180974B2
JP3180974B2 JP12261392A JP12261392A JP3180974B2 JP 3180974 B2 JP3180974 B2 JP 3180974B2 JP 12261392 A JP12261392 A JP 12261392A JP 12261392 A JP12261392 A JP 12261392A JP 3180974 B2 JP3180974 B2 JP 3180974B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動中の可撓性の支持
体表面に向けて連続的に押出した塗布液を、該支持体表
面に均一な厚さをもって塗布するエクストルージョン型
ヘッドによる新規な塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から磁性分散液などの塗布液を塗布
するのに、これまで周知のように種々の塗布方法並びに
塗布装置が利用されている。そして、そのうちの一つの
塗布技術として、例えば特開昭61−139929号公
報や特開昭58−205561号公報等が挙げられる
が、これらの塗装方法及び装置では、上流側エッジ上が
プレコート層により液封されるため、塗布層への空気同
伴が遮断され、高速での薄層塗布を実現できる。しか
し、この種の塗布方法においては下流側エッジと支持体
との間が加圧状態となり、塗布層がスムージングされる
ため、支持体の幅方向不均一がある場合には、塗布膜厚
みも幅方向に不均一なものとなる。さらに、支持体上や
プレコート塗布層塗布液中に異物が混入していた場合、
下流側エッジ上にトラップされやすく、それによりスジ
が発生しやすい。なお、ここにいう塗布液としては、例
えば写真感光性塗布液、磁性塗布液、表面保護・帯電防
止あるいは滑性用塗布液等であり、その代表的な製品と
しては、各種写真フィルム、印画紙、磁気記録媒体等が
ある。
【0003】本出願人は先にこれらを改善して、スジ故
障や、支持体の厚み,ヤング率等の不均一に起因する塗
布膜厚みの変動を回避出来、さらには塗布液のスロット
通過時に圧力損失を少くすることのできる塗布装置とし
て、特開昭63−20069号公報に記載の塗布装置を
出願した。特開昭63−20069号公報には、図5に
示すように支持体1の塗布面にあらかじめ塗布された有
機溶剤等のプレコート層6によって液封された状態で磁
性塗布液7を塗布するが、支持体移動方向に対して上流
側に位置するフロントエッジ2と、支持体移動方向に対
して下流側に位置し、その先端が前記フロントエッジよ
りも段差をつけて反支持体方向に後退していて先端部が
鋭角なバックエッジ3とを有するエクストルージョン型
ヘッドにより支持体に塗布層を形成する塗布装置が開示
されている。なお、前記プレコート層6は一般的には
記磁性塗布液8の前記支持体1への接着をよくする所謂
下塗層である。また、図示しない給液系から磁性塗布液
7がポケット5に供給され、該塗布液7は前記ポケット
5に液溜めされてからスリット8に押し出されていく。
【0004】前記支持体1の塗布面には、まず有機溶剤
系の液が、グラビアコーター、ロールコーター、ブレー
ドコーター、エクストルージョンコーターなどの一般的
に用いられている公知の塗布装置により塗布され、この
層により、フロントエッジ上流側からの同伴空気の塗布
層への浸入が防止され、欠陥のない塗布状態が維持さ
れ、高速塗布特性が高められている。前記フロントエッ
ジ2は前記スリット8の出口から前記支持体1の上流側
に位置し、該支持体1に対向するエッジ面全域が支持体
側に膨らむように形成されている。支持体側に膨らむ形
態としては、一般的には曲率を持った湾曲面が用いられ
るが、同伴空気の巻き込みを防止できれば、その形状は
これには限らない。
【0005】前記バックエッジ3は、前記フロントエッ
ジ2のスリット8の出口部における接線よりも反支持体
方向にその先端部10およびバックエッジ面全体が後退
して位置している。これによって前記バックエッジ3と
前記支持体1との間において塗布時の加圧力が働かず、
同部での異物のトラップ等を防止でき、該異物による塗
布面の故障を少なくできるようになった。このように図
5に示す塗布装置によれば、異物がトラップされること
がなくスジの発生を極めて少なくすることができるが、
プレコート層の塗布条件によっては、幅方向の両縁部に
おいてフロントエッジ2の上流側からの同伴空気の進入
が起きたり、該両縁部で磁性塗布液の厚み不良が発生す
る問題があった。上述の同伴空気の問題は、塗布時にお
いて前記支持体1に塗布液を押しつけるようにしない所
謂液圧が小さい状態であるので、同伴空気が進入しやす
くなっていた。
【0006】又、図6及び図7に磁気記録媒体の断面を
拡大して示すように、前記支持体1に磁性層7を塗布す
るときは、通常は該磁性層7の支持体1からの剥離を防
止するために接着性のあるプレコート層6(下塗層)の
上に塗布する。ここで、前記磁性塗布層7を図5に示す
ように前記プレコート層6よりも塗布幅を狭く塗布する
、塗布後においてこの磁気記録媒体をロール状に巻き
取って搬送や保管を行うものであるから、前記プレコー
ト層6が前記磁性塗布層7から出た露出部20が隣合う
前記支持体1に接着する問題がある。この問題を解決す
るために、従来においては、図7に示すように前記磁性
塗布層7を前記プレコート層6に被せるように塗布する
ことが行われている。
【0007】しかしながら、前記磁性層7を前記プレコ
ート層6に被せるように塗布すると、その発生原因は定
かではないが、該プレコート層6の濡れ状態がない部分
で前記磁性塗布層7の伸展性が低下し、その上に塗布時
の塗布厚が小さいためか、前記プレコート層6のない両
縁部に乗った磁性層は所望とする厚みにならず図示の如
く盛り上がるような磁性層膨出部Pが形成されることが
判ってきた。敍上のように、前記支持体1の両縁部で製
品として失格して歩留りが低下するものであるだけでな
く、さらには後工程において、例えばカレンダー装置や
その他搬送系の各種装置を破壊し兼ねない重大な故障を
引き起こしたりする問題があった。また、プレコート層
6に接着性がない場合でも同様に、該図7の磁性層膨出
部Pが形成され、支持体1の両端部分が製品として使用
できない部分が多くなり、歩留りが低下する問題があっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、敍上の欠点
を解消せんとするもので、その目的とするところは、前
記下塗層の両縁部に生ずる前記磁性層膨出部Pをなくし
て、該磁性塗布層の有効利用率を大とし、その経済性を
向上せしめんとすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、可
撓性の支持体の塗布面に予め塗布された有機溶剤系の液
によって液封された状態で、該支持体移動方向に対して
上流側に位置するフロントエッジと、支持体移動方向に
対して下流側に位置し、その先端が前記フロントエッジ
よりも段差を付けて反支持体方向に後退していて先端部
が鋭角なバックエッジとを有するエクストルージョン型
塗布ヘッドにより、前記支持体上に所定の塗布層を形成
する塗布方法において、前記塗布層の下層側に形成する
両縁部プレコート層が非接着性のものからなり、前記塗
布層を塗布するときに前記両縁部プレコート層が少なく
とも該塗布層の幅方向縁部から露出するように塗布する
ことを特徴とする塗布方法によって解決される。又、上
記課題は、前記両縁部プレコート層のほかに接着性を有
する下塗層を前記塗布層の下層側に形成するときに、該
下塗層の塗布幅は前記塗布層の幅より小とし、前記下塗
層の幅と該下塗層の両端側に塗布する両縁部プレコート
層の幅との和が前記塗布層の幅より大きくなるように塗
布し、前記下塗層と前記両縁部プレコート層とを掻き落
としながら前記塗布層を塗布することを特徴とする塗布
方法によって解決することができる。
【0010】
【実施態様】以下、本発明の塗布方法を適用した塗布装
置に基づいて説明する。なお、図示の塗布装置は磁性塗
布液を塗布する装置である。先ず、図3に示す本実施態
様の塗布ヘッドの横断面図及び該塗布ヘッドによる塗布
状態を説明する。フロントエッジ2は、支持体1に対向
するフロントエッジ面2a全域が支持体側に膨らむよう
に形成されているが、支持体側に膨らむ形態としては、
一般的には曲率(R)をもった湾曲面が用いられるが、
支持体に同伴される空気の巻き込みを防止できれば、こ
れには限らず平坦な形状でもよい。また、バックエッジ
3の先端部10および該バックエッジ面全体は前記フロ
ントエッジ2の頂部よりも低く構成されている。すなわ
ち、前記バックエッジ3の先端部10が前記フロントエ
ッジ2の後端部9よりも段差をつけて前記支持体1に対
して後退するように構成されている。
【0011】スリット8はポケット5から前記支持体1
への塗布点に向けてテーパを有していても図示の如く平
行であっても構わない。本実施態様において、従来でい
うプレコート層に当たるのが下塗層6と両縁部プレコー
ト層11(図2参照)である。前記下塗層6と前記プレ
コート層11は図3に示す塗布装置の前においてそれぞ
れ塗布される。そして、前記下塗層6、前記プレコート
層11並びに磁性塗布液の塗布層7を形成する塗布ヘッ
ドは、所定の間隔をあけて適宜配置されるが、これらの
塗布装置は異なった二本のガイドロール間に別々に設置
してもよいし、二本のガイドロール間に同時に設置して
も構わない。なお、図示の磁性塗布液用の塗布ヘッドに
おける支持体のラップ角度は、一般に2°〜60°、塗
布液塗布ヘッドにおいてラップを形成するためのガイド
ロールのスパンは一般的には50〜300mmだがこれ
に限られるものではない。
【0012】次に、前記下塗層6及び前記両縁部プレコ
ート層11の塗布装置について述べる。この塗布装置は
特に限定するものではなく、例えばグラビアコーター、
ロールコーター、ブレードコーター、エクストルージョ
ンコーターなどの一般的に用いられている周知の塗布装
置により塗布される。この予め塗布される前記下塗層6
及び前記両縁部プレコート層11は、有機溶剤系の液で
あり前記磁性塗布液7に比べて低粘度の液であり、その
作用は後述する作用以外に、従来と同様に前記磁性塗布
液7が塗布されるときのフロントエッジ上流側での同伴
空気の巻き込みが防止され、好適な塗布状態が維持され
る。
【0013】また、本発明において前記塗布層7とは、
磁気記録媒体においては、磁性層のみの場合と、磁性層
が重層構造になっているものと、磁性層と非磁性層の組
み合わせで少なくとも磁性層を一層含む構成になってい
るものを含む。磁気記録媒体以外においても、同様に、
公知の層構成が可能である。プレコート液である前記下
塗層6および前記両縁部プレコート層11の塗布ヘッド
及び支持体幅方向の塗布幅規制は、特開昭62−152
563号公報、特開昭62−241574号公報、特願
昭63−257289号公報などの公知の技術を用いる
ことができる。
【0014】本実施態様においては、前記下塗層6は
接着性を有した組成であり、その両端側に塗布する前
記両縁部プレコート層11は前記両縁部プレコート層が
非接着性のものからなっている。そして、図1および図
2に示すように、接着性を有する前記下塗層6の塗布幅
bは前記塗布層7の幅aより小さく、前記下塗層6の幅
bと前記両縁部プレコート層11の幅dとの和(a+2
d)が前記塗布層7の幅aより大きくなっている。な
お、当然のことながら、前記支持体1の幅cは前述の幅
(a+2d)よりも大きい。
【0015】また、図3に示す如く前記下塗層6と前記
両縁部プレコート層11とを前記フロントエッジ2によ
って掻き落としながら前記塗布層7を塗布する。このよ
うな塗布方法によれば、前記塗布層7が塗布される範囲
にプレコート液の未塗布部分がないので、図6にて示し
た場合と同様に該塗布層7がその端部においても盛り上
がることなく良好に塗布できる。しかも、前記磁性層7
よりも両端側に露出した両縁部プレコート層11は非接
着性であることから、塗布後においてこの磁気記録媒体
をロール状に巻き取って搬送や保管を行っても、前記両
縁部プレコート層11が隣合う前記支持体1に接着する
トラブルは発生しない。磁性塗布液は以下のようになっ
ている。
【0016】本発明における下塗り液に使用する有機溶
剤を主体とする液体は、例えばトルエン、メチルエチル
ケトン、酢酸ブチル、シクロヘキサノン等の有機溶剤単
独あるいはこれらの組み合わせた有機溶剤のみでも、更
に有機溶剤以外の溶質を少量含んでいても構わず、但し
その粘度が20cp以下、さらに好ましくは5cp以下
の低粘度の液体である。そして、この液体に適当なバイ
ンダーを溶解させた液が接着性を有する前記下塗層6と
することができ、バインダーが含有されていない液が前
記両縁部プレコート層11及び接着性のない下塗層6
することができる。
【0017】なお、バインダーとしては従来公知の熱可
塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物
を使用することができる。本実施態様において図3に示
す塗布ヘッドの材質としては、ステンレス鋼、高速度鋼
等を用いることができるが、高精度な仕上げが必要な場
合には、超硬合金やセラミックが望ましい。磁性塗布液
の構成としては、後述する実施例に挙げるものを用いる
ことができるが、本発明においてはこれらに限られるも
のではない。また、本実施態様においては、図3に示す
ように単層の塗布装置について述べたが、本発明は2層
以上の塗布装置でもよく、例えば図4に示すような構成
でもよい。図4は、既述の図3図示のものと基本的には
同じであるが、この場合、中間ブロック4を配置したた
構成により、二つの塗布層を同時に塗布できるように構
成されている。すなわち、スリット8Aとスリット8B
からそれぞれ別の塗布層7Aと7Bが吐出される。
【0018】更に本発明の磁気記録媒体の磁性層には強
磁性微粉末が使用される。強磁性微粉末としては、γ−
Fe2 3 、Co含有のγ−Fe2 3 、Fe34
Co含有のFe3 4 、γ−FeOx、Co含有のγ−
FeOx(X=1.33〜1.50)、CrO2 、Co
−Ni−P合金、Co−Ni−Fe−B合金、Fe−N
i−Zn合金、Ni−Co合金、Co−Ni−Fe合金
など、公知の強磁性微粉末が使用でき、これら強磁性微
粉末の粒子サイズは約0.005〜1ミクロンの長さ
で、軸長/軸幅の比は、1/1〜50/1程度である。
又、これらの強磁性体微粉末の比表面積は、1m2 /g
〜70m2 /g程度である。また強磁性微粉末として、
板状六方晶のバリウムフェライトも使用できる。バリウ
ムフェライトの粒子サイズは約0.001〜1ミクロン
の直径で、厚みが直径の1/2〜1/20である。バリ
ウムフェライトの比重は4〜6g/ccで、比表面は1
2 /g〜70m2 /gである。
【0019】本発明において、磁性層には強磁性微粉末
と共にバインダーが使用される。使用されるバインダー
としては上記同様に従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が挙げられる。熱可
塑性樹脂としては軟化温度が150℃以下、平均分子量
が10,000〜300,000、重合度が約50〜
2,000程度のもので、例えば塩化ビニル酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル塩化ビニリデン共重合体、塩化ビ
ニルアクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステルア
クリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル塩化ビニ
リデン共重合体、アクリル酸エステルスチレン共重合
体、メタクリル酸エステルアクリロニトリル共重合体、
メタクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合体、メタク
リル酸エステルスチレン共重合体、ウレタンエラストマ
ー、ナイロン−シリコン系樹脂、ニトロセルロース−ポ
リアミド樹脂、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデンアク
リロニトリル共重合体、ブタジェンアクリロニトリル共
重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セル
ロース誘導体(セルロースアセテートブチレート、セル
ロースジアセテート、セルローストリアセテート、セル
ロースプロピオネート、ニトロセルロース等)、スチレ
ンブタジェン共重合体、ポリエステル樹脂、クロロビニ
ルエーテルアクリル酸エステル共重合体、アミノ樹脂、
各種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂及びこれらの混合物等
が使用される。
【0020】熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては、
塗布液の状態では200,000以下の分子量のもので
あり、磁性層形成用組成物を塗布し、乾燥させた後、加
熱すると、これらの樹脂が縮合、付加等の反応を生じて
分子量が無限大のものとなり得る。また、これらの樹脂
の中で、樹脂が熱分解するまでの問に軟化または溶融し
ないものであることが望ましい。具体的には、例えばフ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、硬化型ポリウレタン樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコ
ン樹脂、反応型アクリル系樹脂、エポキシポリアミド樹
脂、ニトロセルローズメラミン樹脂、高分子量ポリエス
テル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、メタ
クリル酸塩共重合体とジイソシアネートプレポリマーの
混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネート
との混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリ
コール/高分子量ジオール/トリフェニルメタントリイ
ソシアネートの混合物、ポリアミド樹脂及びこれらの混
合物などがある。
【0021】バインダー中に分散する強磁性微粉末、溶
剤、又、添加剤としての分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電
防止剤及び非磁性支持体等は従来使用されていたものが
同様に使用される。分散剤としてはカプリル酸、カプリ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リ
ノレン酸、ステアロール酸等の炭素数12〜18個の脂
肪酸(R1 COOH、R1 は炭素数11〜17個のアル
キルまたはアルケニル基):前記の脂肪酸のアルカリ金
属(Li,Na,K等)またはアルカリ土類金属(M
g,Ca,Ba)から成る金属石鹸:前記の脂肪酸エス
テルの弗素を含有した化合物:前記の脂肪酸のアミド:
ポリアルキレンオキサイドアルキルリン酸エステル:レ
ジチン:トリアルキルポリオレフィンオキシ第四アンモ
ニウム塩(アルキルは炭素数1〜5個、オレフィンはエ
チレン、プロピレンなど):等が使用される。この他に
炭素数12以上の高級アルコール、およびこれらの他に
硫酸エステル等も使用可能である。潤滑剤としては前述
の分散剤もその効果が認められるが、ジアルキルポリシ
ロキサン(アルキルは炭素数1〜5個)、ジアルコキシ
ポリシロキサン(アルコキシは炭素数1〜4個)、モノ
アルキルモノアルコキシポリシロキサン(アルキルは炭
素数1〜5個、アルコキシは炭素数1〜4個)、フェニ
ルポリシロキサン、フロロアルキルポリシロキサン(ア
ルキルは炭素数1〜5個)などのシリコンオイル、グラ
ファイトなどの導電性微粉末:二硫化モリブデン、二酸
化タングステンなどの無機微粉末:ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエチレン塩化ビニル共重合体、ポリテ
トラフルオロエチレンなどのプラスチック微粉末:α−
オレフィン重合物:常温で液状の不飽和脂肪族炭化水素
(二重結合が末端の炭素に結合したα−オレフィン、炭
素数約20):炭素数12〜20個の一塩基性脂肪酸と
炭素数3〜12個の一価のアルコールからなる脂肪酸エ
ステル類、フルオロカーボン類などが使用できる。
【0022】研磨剤としては溶融アルミナ、炭化ケイ
素、酸化クロム(Cr2 3 )、コランダム、人造コラ
ンダム、ダイアモンド、人造ダイアモンド、ザクロ石、
エメリー(主成分:コランダムと磁鉄鉱)等が使用され
る。帯電防止剤としてはカーボンブラック、カーボンブ
ラックグラフトポリマーなどの導電性微粉末:サポニン
などの天然界面活性剤:アルキレンオキサイド系、グリ
セリン系、グリシドール系などのノニオン界面活性剤:
高級アルキルアミン類、第4級アンモニウム塩類、ピリ
ジンその他の複素環類、ホスホニウム又はスルホニウム
類などのカチオン界面活性剤:カルボン酸基、スルホン
酸基、燐酸基、硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸
性基を含むアニオン界面活性剤:アミノ酸類、アミノス
ルホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステ
ル類等の両性活性剤などが使用される。塗布溶媒に使用
する有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン系:酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エ
チル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステル
系:ベンゼン、トルエン、キシレン等のタール系(芳香
族炭化水素):メチレンクロライド、エチレンクロライ
ド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリ
ン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素等がある。
【0023】溶剤の量は磁性微粉末の2〜3倍である。
バインダー100重量部に対して、分散剤は0.5〜2
0重量部、潤滑剤は0.2〜20重量部、研磨剤は0.
5〜20重量部、帯電防止剤として使用する導電性微粉
末は0.2〜20重量部、同じく帯電防止剤として使用
する界面活性剤は0.1〜10重量部である。磁性粉末
及び前述の結合剤、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止
剤、溶剤等は混練されて磁性塗料とされる。
【0024】これらの磁性層を設ける支持体の素材とし
てはポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタ
レートなどのごときポリエステル、ポリプロピレンのご
ときポリオレフィン、三酢酸セルローズや二酢酸セルロ
ーズのごときセルローズ誘導体、ポリ塩化ビニルのごと
きビニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド樹脂、
ポリスルホンなどのプラスチックのフィルム、アルミニ
ュウム、銅などの金属材料、ガラスなどのセラミックス
などがある。これらの支持体は、あらかじめコロナ放電
処理、プラズマ処理、下塗処理、熱処理、金属蒸着処
理、アルカリ処理などの前処理が施されていてもよい。
支持体は、種々所望の形状のものでよい。
【0025】又、本発明は図2の断面図にて示すような
上記実施態様に限るものではなく、下塗層6に接着性が
ない場合には、結果的には図6に示す構成でもよい。こ
の場合、下塗層6の塗布幅を広げて両端縁部プレコート
層の代わりとしてもよい。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の塗布方法に
よれば、磁性塗布液等の塗布層が塗布される範囲に下塗
り液の未塗布部分がなく、又、磁性塗布液の少なくとも
両端部分に両縁部プレコート層が形成されているので、
該塗布層がその端部においても従来のように盛り上がる
ことなく良好に塗布でき、しかも、前記磁性層よりも両
端側に露出した両縁部プレコート層は非接着性であるこ
とから、塗布後においてこの磁気記録媒体をロール状に
巻き取って搬送や保管を行っても、前記両縁部プレコー
ト層が隣合う前記支持体に接着するトラブルは発生しな
い。したがって、従来のように前記下塗り液の両縁部に
生ずる磁性層膨出部をなくして、品質の向上のみならず
該塗布層の有効利用率を大として経済性とともに生産性
を高めることができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の効果を磁気記録媒体に適用し
たときの実施例により更に明確にすることができる。磁
気記録媒体の磁性塗布液としては表1に示す組成であ
る。
【0028】 〔表1〕 (磁性塗布液の組成) ※ γ−Fe2 3 粉末(長径方向の平均粒径0.5μ の針状粒子、抗磁力320エルステッド) 300重量部 ※ 塩化ビニール酢酸ビニル共重合体 (共重合比87:13、重合度400) 30重量部 ※ 導電性カーボン 20重量部 ※ ポリアミド樹脂(アミン価300) 15重量部 ※ レシチン 6重量部 ※ シリコンオイル(ジメチルポリシロキサン) 3重量部 ※ キシロール 300重量部 ※ メチルイソブチルケトン 300重量部 ※ n−ブタノール 100重量部
【0029】上記組成の各成分をポールミルに入れて充
分に混合分散させた後、エポキシ樹脂(エポキシ当量5
00)を30重量部加えて均一に混合分散させて磁性塗
布液(磁性分散液)とした。また、プレコート液はメチ
ルイソブチルケトンを使用した。前記磁性塗布液を以下
に述べる塗布装置を用いて下記条件に基づき塗布を実施
した。
【0030】・支持体 材質: ポリエチレンテレフタレートフイルム 厚さ: 15μ 幅 : 500mm 張力: 10kg/全幅 塗布速度: 600m/分 ・下塗層と両縁部プレコート層の塗布 それぞれバーコーダ塗布方式で厚み4.0μm(wet
状態)に塗布した。塗布幅は、下塗層6の幅bが470
mmであり、両縁部プレコート層11の幅dが10mm
である。(a+2d)は490mmとなる。
【0031】・エクストルーダー 図3に示す塗布ヘッドを基にした構成で、フロントエッ
ジの幅0.6 mm,バックエッジの幅3mm,フロントエ
ッジ後端部とバックエッジの先端部との段差は0.05mm
である。磁性塗布液の厚み15.0μmに塗布、その塗
布幅aは480mmとした。この結果、前記両縁部プレ
コート層11を塗布しない場合、すなわち、下塗り液の
塗布幅が470mmのときは、下塗り液の未塗布部の付
近(左右それぞれ5mm程度)において厚塗り状態が発
生すると共に同伴空気が磁性層塗布部分まで到達し製品
にならない。
【0032】一方、前記両縁部プレコート層11を塗布
した場合においては、磁性塗布層7の両端部でも厚塗り
状態が発生せず、同伴空気を効果的に排除できかつ塗布
液の引き伸ばしが良好にできて盛り上がりがなく、良好
な塗布ができた。また、塗布後においても前記両縁部プ
レコート層11の露出部分の接着は全く発生しなかっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布方法により製造した磁気記録媒体
の平面図であり、支持体への塗布領域を示す平面図であ
る。
【図2】図1におけるA−A線に沿った部分の拡大断面
図である。
【図3】本発明を実施するためのエクストルージョン型
の塗布ヘッドの要部横断面図である。
【図4】本発明を実施するためのエクストルージョン型
の他の塗布ヘッドの要部横断面図である。
【図5】エクストルージョン型の塗布ヘッドの従来型式
の塗布方法を説明するための要部横断面図である。
【図6】従来の塗布方法の欠点を説明するために拡大し
て示した磁気記録媒体の横断面図である。
【図7】従来の塗布方法の欠点を説明するために拡大し
て示した磁気記録媒体の横断面図であって、磁性層の幅
方向両縁部に発生する膨出部を示す横断面図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 フロントエッジ 3 バックエッジ 4 中間ブロック 5 ポケット 6 下塗層(プレコート層) 7 塗布層 8 スリット 9 フロントエッジの後端部 10 バックエッジの先端部 11 両縁部プレコート層 a 磁性塗布部の幅 b 下塗層の幅 c 支持体の幅 d 両縁部プレコート層の幅 P 膨出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 都丸 美喜男 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富士写真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−20069(JP,A) 特開 平2−107381(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05D 1/26 B05D 1/36 B05C 5/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性の支持体の塗布面に予め塗布され
    た有機溶剤系の液によって液封された状態で、該支持体
    移動方向に対して上流側に位置するフロントエッジと、
    支持体移動方向に対して下流側に位置し、その先端が前
    記フロントエッジよりも段差を付けて反支持体方向に後
    退していて先端部が鋭角なバックエッジとを有するエク
    ストルージョン型塗布ヘッドにより、前記支持体上に所
    定の塗布層を形成する塗布方法において、前記塗布層の
    下層側に形成する両縁部プレコート層が非接着性のもの
    からなり、前記塗布層を塗布するときに前記両縁部プレ
    コート層が少なくとも該塗布層の幅方向縁部から露出す
    るように塗布することを特徴とする塗布方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の塗布方法において、前
    記両縁部プレコート層のほかに接着性を有する下塗層を
    前記塗布層の下層側に形成するときに、該下塗層の塗布
    幅は前記塗布層の幅より小とし、前記下塗層の幅と該下
    塗層の両端側に塗布する両縁部プレコート層の幅との和
    が前記塗布層の幅より大きくなるように塗布し、前記下
    塗層と前記両縁部プレコート層とを掻き落としながら前
    記塗布層を塗布することを特徴とする塗布方法。
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