JP3767027B2 - 車両用内燃機関の冷却系装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの暖機促進を図る車両用内燃機関の冷却系装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの暖機促進を図る冷却系装置として、例えばSAE TECHNICAL PAPER SERIES 950994では、エンジンから流出する冷却水を保温貯蔵する蓄熱タンクを冷却水回路に配設し、蓄熱タンク内に貯蔵された高温の冷却水をエンジンに導入してエンジンの暖機促進を図るものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、発明者等は上記従来装置を検討したところ、十分に暖機促進効果を得ることができなかった。そこで、発明者等は引き続き検討を行ったところ、以下の述べる原因が判明した。
すなわち、上記考案の蓄熱タンクは、冷却水が流出入する開口部が蓄熱タンクの重力方向上方に形成されているため、蓄熱タンク内の冷却水のうち温度の高い冷却水が分布している蓄熱タンク上方部位と開口部との距離が小さくなってしまう。したがって、蓄熱タンクの熱が開口部から放熱し易くなってしまう。
【0004】
さらに、発明者等の試験検討によると、開口部からの放熱は、蓄熱タンクから放熱する熱量の多くを占めており、開口部が蓄熱タンクの重力方向上方に形成されていることと相まって、上記従来装置の蓄熱タンクの保温能力が低くなってしまう。
したがって、温度の高い冷却水をエンジンに供給することができず、十分な暖機促進効果を得ることができなかった。
【0005】
本発明は、上記点に鑑み、蓄熱タンクを有する冷却系装置において、蓄熱タンクの保温能力を向上させて暖機運転の促進を十分に図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の技術的手段を用いる。請求項1〜10に記載の発明では、第1に蓄熱タンク(9)の重力方向下方側に冷却水が流出入する開口部(94)が形成され、第2に水冷式内燃機関(3)の暖機運転時に蓄熱タンク(9)から流出する冷却水温度が所定温度を越えているときは、水冷式内燃機関(3)から流出した冷却水を蓄熱タンク(9)を経て水冷式内燃機関(3)に還流させるタンク水路(10a)を開き、水冷式内燃機関(3)の暖機運転時に蓄熱タンク(9)から流出する冷却水温度が所定温度以下のときは、タンク水路(10a)を閉じることを特徴とする。
【0007】
第1の特徴より、開口部(94)が重力方向上方側に形成されている蓄熱タンクに比べて、高温の冷却水が溜まっている重力方向上方側の蓄熱タンク(9)内の部位と開口部(94)との距離が大きくなる。つまり、蓄熱タンク(9)に蓄えられた熱が放熱し易い開口部(94)と高温の冷却水が溜まっている部位との距離が大きくなり、蓄熱タンク(9)の保温能力を向上を図ることができる。
【0008】
第2の特徴より、後述するように、水冷式内燃機関(3)から流出する冷却水のうち水冷式内燃機関(3)始動直後の低温の冷却水を、蓄熱タンク(9)内に一旦、貯蔵することができる。したがって、水冷式内燃機関(3)始動直後の低温の冷却水が水冷式内燃機関(3)内を循環することを防止することができるので、より暖機運転の促進を図ることができる。
【0009】
以上述べたように、本発明によれば、蓄熱タンク(9)の保温能力を向上させて暖機運転の促進を十分に図ることができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の車両用内燃機関の冷却系装置において、蓄熱タンク(9)の冷却水下流側に配設され、前記蓄熱タンク(9)から流出する冷却水温度を検出する温度検出手段(17)と、
前記タンク水路(10a)の連通状態を制御する制御バルブ(11)とを有しており、 水冷式内燃機関(3)の暖機運転時に温度検出手段(17)によって検出される冷却水温度が所定温度を越えているときは、制御バルブ(11)を開き、水冷式内燃機関(3)の暖機運転時に温度検出手段(17)によって検出される冷却水温度が所定温度以下のときは、制御バルブ(11)を閉じることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の車両用内燃機関の冷却系装置において、蓄熱タンク(9)を迂回するバイパス水路(10b)がタンク水路(10a)に接続しており、温度検出手段(17)は、バイパス水路(10b)とタンク水路(10a)との合流部位(117)に配設されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、請求項2に記載の車両用内燃機関の冷却系装置において、前記蓄熱タンク(9)を迂回するバイパス水路(10b)が前記タンク水路(10a)に接続しており、前記制御バルブ(11)は、前記タンク水路(10a)と前記バイパス水路(10b)との分岐部位に設けられ、
前記制御バルブ(11)は、前記タンク水路(10a)を開き前記バイパス水路(10b)を閉じた状態と、前記タンク水路(10a)を閉じ前記バイパス水路(10b)を開いた状態とを提供することを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、請求項2ないし4のいずれか1つに記載の車両用内燃機関の冷却系装置において、さらに、前記水冷式内燃機関(3)の暖機運転時に前記温度検出手段(17)によって検出される冷却水温度が前記所定温度を越えているときは、前記制御バルブ(11)により前記タンク水路(10a)を開き、前記水冷式内燃機関(3)の暖機運転時に前記温度検出手段(17)によって検出される冷却水温度が前記所定温度以下のときは、前記制御バルブ(11)により前記タンク水路(10a)を閉じる制御装置(18)を備えることを特徴とする。
請求項6に記載の発明では、請求項2ないし5のいずれか1つに記載の車両用内燃機関の冷却系装置において、前記制御バルブ(11)は、前記水冷式内燃機関(3)の暖機終了後は、前記タンク水路(10a)を開いた状態とすることを特徴とする。
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の車両用内燃機関の冷却系装置において、 前記制御バルブ(11)は、
前記水冷式内燃機関(3)が始動してから所定時間は前記タンク水路(10a)を開いた状態とし、
前記所定時間経過後、前記水冷式内燃機関(3)の暖機運転時に前記蓄熱タンク(9)から流出する冷却水温度が所定温度を越えているときは、前記タンク水路(10a)を開いた状態とし、前記水冷式内燃機関(3)の暖機運転時に前記蓄熱タンク(9)から流出する冷却水温度が前記所定温度以下のときは、前記タンク水路(10a)を閉じた状態とし、
さらに、前記蓄熱タンク(9)から流出する冷却水温度が、前記水冷式内燃機関(3)の暖機運転が終了したものとみなせる温度を越えると、前記タンク水路(10a)を開いた状態とすることを特徴とする。
請求項8に記載の発明では、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用内燃機関の冷却系装置において、前記タンク水路(10a)のうち前記蓄熱タンク(9)の冷却水下流側に配設され、空気を加熱するヒータコア(12)と、
前記ヒータコア(12)の空気上流側に配設され、車室内に吹き出す空気を送風する送風機(13)とを有し、
前記水冷式内燃機関(3)の暖機運転時には前記送風機(13)を停止することを特徴とする。
請求項9に記載の発明では、水冷式内燃機関(3)から流出した冷却水を保温貯蔵し、重力方向下方側に冷却水が流出入する開口部(94)を有する蓄熱タンク(9)を経由して、前記水冷式内燃機関(3)から流出した冷却水を前記水冷式内燃機関(3)に還流させるタンク水路(10a)に設けられた制御バルブ(11)であって、
前記水冷式内燃機関(3)の暖機運転時に前記蓄熱タンク(9)から流出する冷却水温度が所定温度を越えているときは、前記タンク水路(10a)を開いた状態とし、
前記水冷式内燃機関(3)の暖機運転時に前記蓄熱タンク(9)から流出する冷却水温度が前記所定温度以下のときは、前記タンク水路(10a)を閉じた状態とし、
前記水冷式内燃機関(3)の暖機終了後は、前記タンク水路(10a)を開いた状態と することを特徴とする。
請求項10に記載の発明では、請求項9に記載の制御バルブにおいて、前記水冷式内燃機関(3)が始動してから所定時間は前記タンク水路(10a)を開いた状態とし、
前記所定時間経過後、前記水冷式内燃機関(3)の暖機運転時に前記蓄熱タンク(9)から流出する冷却水温度が所定温度を越えているときは、前記タンク水路(10a)を開いた状態とし、前記水冷式内燃機関(3)の暖機運転時に前記蓄熱タンク(9)から流出する冷却水温度が前記所定温度以下のときは、前記タンク水路(10a)を閉じた状態とし、
さらに、前記蓄熱タンク(9)から流出する冷却水温度が、前記水冷式内燃機関(3)の暖機運転が終了したものとみなせる温度を越えると、前記タンク水路(10a)を開いた状態とすることを特徴とする。
【0011】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、水冷式内燃機関(以下、エンジンと呼ぶ。)の冷却水回路1(2点鎖線で囲まれた回路)と、車両用蓄熱式暖房装置の冷却水回路2(一点鎖線で囲まれた回路)とを示している。
【0013】
3は車両走行用のエンジンであり、4はエンジン3から駆動力を得てエンジン3に冷却水を循環させるウォータポンプである。エンジン3の熱を奪った冷却水の一部は、上述のエンジンの冷却水回路1に流れ込み、その他の冷却水は、車両用蓄熱式暖房装置の冷却水回路2に流れ込む。
5は、エンジンの冷却水回路1において、エンジン3の冷却水の冷却手段をなすラジエータである。また、この冷却水回路1には、ラジエータ5を流れる冷却水回路6をバイパスするバイパス回路7が設けられており、これら両冷却水回路1、7の切り換えは、サーモスタット8によって制御される。因みに、両冷却水回路1、7の切り換えは、通常、冷却水温度が80℃以上の場合にはラジエータ5に流れるように制御され、また、80℃以下の場合には、バイパス回路7に流れるように制御される。
【0014】
また一方、車両用保温式暖房装置の冷却水回路2において、エンジン3の冷却水下流側には、冷却水を保温貯蔵する蓄熱タンク9と、この蓄熱タンク9および後述するヒータコア12を経てエンジン3に還流するタンクヒータ水路(タンク水路)10aと、蓄熱タンク9を迂回するバイパス水路10bとが設けられている。そして、蓄熱タンク9の冷却水上流側であって、タンクヒータ水路10aとバイパス水路10bとの分岐部位には、両水路10a、10bに流れ込む冷却水量(連通状態)を制御する制御バルブ11が配設されている。なお、蓄熱タンク9および制御バルブ11の構造については後述する。
【0015】
そして、蓄熱タンク9の冷却水下流側には、空気加熱手段をなすヒータコア12が設けられており、ヒータコア12の空気上流側には、車室内に向けて空気を送風する送風機13が配設されている。そして、送風機13によって送風された空気は、ヒータコア12で加熱されてダクト(図示せず)を介して車室内に吹き出される。また、ヒータコア12の冷却水流入側には、ヒータコア12に流れ込む冷却水の冷却水回路14の開閉を行う電磁弁15が設けられている。この電磁弁15は、夏場等の暖房未使用時に、ヒータコア12にからの輻射熱を抑制するために、冷却水回路14を閉じるように、後述する制御装置18に制御される。
【0016】
また、この電磁弁15の冷却水上流側には、ヒータコア12を流れる冷却水回路14をバイパスするバイパス回路16が設けられている。そして、冷却水回路14およびバイパス回路16の下流はウォータポンプ4に接続され、車両用保温式暖房装置の冷却水回路2を形成している。
次に、蓄熱タンク9および制御バルブ11の構造について述べる。
【0017】
蓄熱タンク9は、図2に示すように、ステンレス製の内側タンク部91および外側タンク部92からなる二重タンク構造を有しており、両タンク部91、92間の空間93は、断熱性の向上を図るべく略真空となっている。また、94は冷却水が流出入するタンク開口であり、このタンク開口94は、重力方向下方に向けて開口した状態で重力方向下方に向けて突出して管状突出部95を形成している。
そして、管状突出部95内には、制御バルブ11のハウジング111の一部が挿入されており、このハウジング111の一部により蓄熱タンク9内に冷却水が流入する冷却水流入路112と、蓄熱タンク9内の冷却水が流出する冷却水流出路113とを形成している。
【0018】
なお、冷却水流入路112は、蓄熱タンク9内のうち重力方向下方部位で蓄熱タンク9内と連通しており、冷却水流出路113は重力方向上方部位で蓄熱タンク9内と連通している。因みに、114は蓄熱タンク9内の冷却水の対流を抑制する混合防止板である。
また、ハウジング111内にはバイパス水路10bが形成されており、バイパス水路10bと冷却水流入路112(タンクヒータ水路10a)との分岐部位には、制御バルブ11の弁体115が配設されている。この弁体115は、サーボモータ等のアクチュエータ116によって回転駆動されるロータリー式(回転式)の弁体であり、アクチュエータ116は、冷却水流出路113とバイパス水路10bとの合流部位117に配設された水温センサ(温度検出手段)17によって検出された冷却水温度に基づいて制御装置18によって制御されている(図3参照)。
【0019】
なお、制御装置18には、図3に示すように、ヒータコア12に流入する冷却水温度を検出する水温センサ19、および車室外温度センサや車室内温度センサ等の空調装置を制御するに必要な情報を検出する空調センサ20からの信号が入力されている。そして、制御装置18は、上記入力信号に基づいて予め設定されたプログラムに従ってアクチュエータ116と、送風機13および電磁弁15等の空調手段とを制御している。
【0020】
因みに、21は、エンジン3始動直後等の冷却水温度が低く、暖房運転を行うことができないときに、蓄熱タンク9内の高温の冷却水を用いて暖房を行う即効暖房スイッチであり、この即効暖房スイッチ21は、乗員の手動操作により投入されるものである。
次に、本実施形態の作動を図4のフローチャートに基づいて述べる。
【0021】
エンジン3のイグニッションスイッチ(図示せず)の状態、またはエンジン3の回転数などによりエンジン3が稼動中か否かを判定し(ステップ100)、エンジン3が稼動中であるときは、エンジン3が始動してから所定時間t(本実施形態では10秒間)は、冷却水流入路112(タンクヒータ水路10a)を開き続け、かつ、バイパス水路10bを閉じ続ける(ステップ110、120)。
【0022】
なお、このとき、電磁弁15は、即効暖房スイッチ21が乗員によって投入されないかぎり閉じている。これにより、蓄熱タンク9から流出した高温の冷却水は、バイパス回路16を経てエンジン3に還流してエンジン3の暖機を促進する。
一方、エンジン3が停止中であるときは、冷却水流入路112を閉じ、かつ、バイパス水路10bを開く(ステップ130)。
【0023】
そして、所定時間t経過後、水温センサ17によって検出された冷却水温度TW が所定温度(本実施形態では60℃)未満であるか否かを判定し(ステップ140)、冷却水温度TW が60℃以上であるときは、蓄熱タンク9内に貯蔵された高温の冷却水が蓄熱タンク9内に残存しているものとみなして、冷却水流入路112を開き続け、かつ、バイパス水路10bを閉じ続け(ステップ110)、蓄熱タンク9とエンジン3との間で冷却水を循環させる。
【0024】
そして、蓄熱タンク9から流出する冷却水の冷却水温度TW が60℃未満となったときに、蓄熱タンク9内に貯蔵された高温の冷却水が全て流出したものとみなして、冷却水流入路112を閉じ、かつ、バイパス水路10bを開く(ステップ160)。
なお、冷却水流入路112を閉じ、バイパス水路10bを開くことにより、水温センサ17は、バイパス水路10bを流通する冷却水、すなわちエンジン3を流出する冷却水の温度を検出することができる。
【0025】
そして、水温センサ17によって検出された冷却水温度TW が80℃になるまで、すなわち暖機運転が終了したものとみなせる状態になるまで冷却水流入路112を閉じ、かつ、バイパス水路10bを開き続ける(ステップ170)。
次に、冷却水温度TW が80℃を越えて暖機運転が終了すると、エンジン3が停止するまで、冷却水流入路112およびバイパス水路10bを開いて(ステップ180、190)、エンジン3から流出する高温の冷却水を蓄熱タンク9内に導入する。
【0026】
因みに、図2は冷却水流入路112を開き、かつ、バイパス水路10bを閉じた状態(図4のバルブ作動状態A)を示しており、図5は冷却水流入路112を閉じ、かつ、バイパス水路10bを開いた状態(図4のバルブ作動状態B)を示しており、図6は冷却水流入路112およびバイパス水路10bを開いた状態(図4のバルブ作動状態C)を示している。また、図7は、図4に示された制御弁11の作動状態を示す作動図表である。
【0027】
次に、本実施形態の特徴を述べる。
本実施形態によれば、エンジン3の暖機運転時に、蓄熱タンク9内に貯蔵された高温の冷却水をエンジン3内に循環させるので、暖機運転が促進される。延いては、排気ガスとともに排出される有害物質の低減および燃費の向上をより図ることができる。
【0028】
また、エンジン3の暖機運転時に蓄熱タンク9から流出する冷却水温度が所定温度(60℃)未満まで低下したときに、蓄熱タンク9内に貯蔵された高温の冷却水が全て流出したものとみなして、冷却水流入路112を閉じ、かつ、バイパス水路10bを開くので、エンジン3から流出する冷却水のうちエンジン3始動直後の低温の冷却水を、蓄熱タンク9内に一旦、貯蔵することができる。したがって、エンジン3始動直後の低温の冷却水がエンジン3内を循環することを防止することができるので、より一層暖機運転の促進を図ることができる。
【0029】
因みに、図8はエンジン3から流出した直後の冷却水温度と、エンジン始動時(t=0)からの時間との関係を示すグラフであり、破線は蓄熱タンク9を有していない冷却系装置の場合を示しており、一点鎖線は従来の技術に係る冷却系装置(蓄熱タンク9有)の場合を示しており、実線は本実施形態に係る冷却系装置の場合を示している。そして、図8から明らかなように、本実施形態に係る冷却系装置によれば、エンジン3始動直後の低温の冷却水がエンジン3内を循環することを防止しているので、蓄熱タンク9内の高温の冷却水が全て流出した後の冷却水温度の低下(A部)が抑制されている。
【0030】
なお、上記試験の試験条件は、以下の通りである。
エンジン排気量:1600cc、蓄熱タンク容量:3000cc、
エンジン内冷却水量:約1500cc、
ラジエータおよび配管内の冷却水量:約2000cc
また、本実施形態によれば、蓄熱タンク9の開口部94が重力方向下方側に形成されているので、開口部94が重力方向上方側に形成されている蓄熱タンクに比べて、高温の冷却水が溜まっている重力方向上方側の蓄熱タンク9内の部位と開口部94との距離が大きくなる。つまり、蓄熱タンク9に蓄えられた熱が放熱し易い開口部94と高温の冷却水が溜まっている部位との距離が大きくなり、蓄熱タンク9の保温能力を向上を図ることができる。
【0031】
以上述べたように、本実施形態によれば、蓄熱タンク9の保温能力を向上させて暖機運転の促進を十分に図ることができる。
ところで、上述実施形態では、エンジン3が停止時には冷却水流入路112(タンクヒータ水路10a)を閉じていたが、エンジン3が停止時には冷却水流入路112を開き、バイパス水路10bを閉じてもよい。
【0032】
また、上述実施形態では、ステップ100、190にエンジン3が稼動中か否かを判定する判定ステップを設けていたが、エンジン3が停止時には冷却水流入路112(タンクヒータ水路10a)を閉じるというサブルーチンを所定時間毎(例えば、3秒毎)に割り込ませる割り込み制御を行ってもよい。
また、本発明は 前述の如く、エンジン3の暖機運転時に蓄熱タンク9から流出する冷却水温度が60℃を越えているときは、冷却水流入路112(タンクヒータ水路10a)を開き、エンジン3の暖機運転時に蓄熱タンク9から流出する冷却水温度が60℃以下のときは、冷却水流入路112(タンクヒータ水路10a)を閉じるものであるから、図9〜図12に示される冷却水回路に対しても適用することができる。
【0033】
なお、図9〜図12中、22はエンジン3に吸入される空気と冷却水との間で熱交換を行う吸気熱交換器であり、この吸気熱交換器9は、吸入空気の脈動を取り除くサージタンク10内に配設されている。23はエンジン3から流出した冷却水とオートマチックトランスミッション(車両自動変速機)のミッションオイルとの間で熱交換を行うA/T熱交換器であり、24はエンジン1から流出した冷却水とエンジンオイルとの間で熱交換を行うE/O熱交換器である。また、25はエンジン3の負荷(エンジン3の吸入負圧)に応じて冷却水回路を切り換える負荷応答弁である。
【0034】
また、図13に示すように、バイパス回路16を廃止した場合には、エンジン3の暖機運転が終了するまで、電磁弁15を開くとともに送風機13を停止するように制御してもよい。
また、上述の実施形態では、ステップ140(図4参照)の判定条件として冷却水温度TW =60℃としたが、60℃に限定されるものではなく、エンジンの大きさ、蓄熱タンクの容量、およびエンジン始動直後、吸入空気の混合比が濃い状態から通常状態に移行する際のシリンダ温度または冷却水温度等を考慮して適宜決定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用蓄熱式暖房装置の温水回路と水冷エンジンの冷却回路を示す図である。
【図2】蓄熱タンクおよび制御弁の断面図である。
【図3】制御弁の制御系を示すブロック図である。
【図4】制御弁の作動を示すフローチャートである。
【図5】バルブ作動状態Bを示す断面図である。
【図6】バルブ作動状態Cを示す断面図である。
【図7】バルブ作動状態を示すバルブ作動図表である。
【図8】エンジン流出直後の冷却水温度と時間との関係を示すグラフである。
【図9】冷却水回路の変形例を示す回路図である。
【図10】冷却水回路の変形例を示す回路図である。
【図11】冷却水回路の変形例を示す回路図である。
【図12】冷却水回路の変形例を示す回路図である。
【図13】バイパス回路16を廃止した場合の回路図である。
【符号の説明】
3…エンジン(水冷式内燃機関)、4…ウォータポンプ、
5…ラジエータ、9…蓄熱タンク、
10a…タンクヒータ水路(タンク水路)、10b…バイパス水路、
11…制御弁、12…ヒータコア。
Claims (10)
- 水冷式内燃機関(3)の冷却水をポンプ(4)にて循環するように構成した車両用内燃機関の冷却系装置において、
前記水冷式内燃機関(3)から流出した冷却水を保温貯蔵し、重力方向下方側に冷却水が流出入する開口部(94)を有する蓄熱タンク(9)と、
前記水冷式内燃機関(3)から流出した冷却水を前記蓄熱タンク(9)を経て前記水冷式内燃機関(3)に還流させるタンク水路(10a)とを有し、
前記蓄熱タンク(9)から流出する冷却水温度が検出され、
前記水冷式内燃機関(3)の暖機運転時に前記蓄熱タンク(9)から流出する冷却水温度が所定温度を越えているときは、前記タンク水路(10a)を開き、
前記水冷式内燃機関(3)の暖機運転時に前記蓄熱タンク(9)から流出する冷却水温度が前記所定温度以下のときは、前記タンク水路(10a)を閉じることを特徴とする車両用内燃機関の冷却系装置。 - 前記蓄熱タンク(9)の冷却水下流側に配設され、前記蓄熱タンク(9)から流出する冷却水温度を検出する温度検出手段(17)と、
前記タンク水路(10a)の連通状態を制御する制御バルブ(11)とを有しており、
前記水冷式内燃機関(3)の暖機運転時に前記温度検出手段(17)によって検出される冷却水温度が前記所定温度を越えているときは、前記制御バルブ(11)を開き、
前記水冷式内燃機関(3)の暖機運転時に前記温度検出手段(17)によって検出される冷却水温度が前記所定温度以下のときは、前記制御バルブ(11)を閉じることを特徴とする請求項1に記載の車両用内燃機関の冷却系装置。 - 前記蓄熱タンク(9)を迂回するバイパス水路(10b)が前記タンク水路(10a)に接続しており、
前記温度検出手段(17)は、前記タンク水路(10a)と前記バイパス水路(10b)との合流部位(117)に配設されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用内燃機関の冷却系装置。 - 前記蓄熱タンク(9)を迂回するバイパス水路(10b)が前記タンク水路(10a)に接続しており、前記制御バルブ(11)は、前記タンク水路(10a)と前記バイパス水路(10b)との分岐部位に設けられ、
前記制御バルブ(11)は、前記タンク水路(10a)を開き前記バイパス水路(10b)を閉じた状態と、前記タンク水路(10a)を閉じ前記バイパス水路(10b)を開いた状態とを提供することを特徴とする請求項2に記載の車両用内燃機関の冷却系装置。 - さらに、前記水冷式内燃機関(3)の暖機運転時に前記温度検出手段(17)によって検出される冷却水温度が前記所定温度を越えているときは、前記制御バルブ(11)により前記タンク水路(10a)を開き、前記水冷式内燃機関(3)の暖機運転時に前記温度検出手段(17)によって検出される冷却水温度が前記所定温度以下のときは、前記制御バルブ(11)により前記タンク水路(10a)を閉じる制御装置(18)を備えることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1つに記載の車両用内燃機関の冷却系装置。
- 前記制御バルブ(11)は、前記水冷式内燃機関(3)の暖機終了後は、前記タンク水路(10a)を開いた状態とすることを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1つに記載の車両用内燃機関の冷却系装置。
- 前記制御バルブ(11)は、
前記水冷式内燃機関(3)が始動してから所定時間は前記タンク水路(10a)を開いた状態とし、
前記所定時間経過後、前記水冷式内燃機関(3)の暖機運転時に前記蓄熱タンク(9)から流出する冷却水温度が所定温度を越えているときは、前記タンク水路(10a)を開いた状態とし、前記水冷式内燃機関(3)の暖機運転時に前記蓄熱タンク(9)から流出する冷却水温度が前記所定温度以下のときは、前記タンク水路(10a)を閉じた状態とし、
さらに、前記蓄熱タンク(9)から流出する冷却水温度が、前記水冷式内燃機関(3)の暖機運転が終了したものとみなせる温度を越えると、前記タンク水路(10a)を開いた状態とすることを特徴とする請求項6に記載の車両用内燃機関の冷却系装置。 - 前記タンク水路(10a)のうち前記蓄熱タンク(9)の冷却水下流側に配設され、空気を加熱するヒータコア(12)と、
前記ヒータコア(12)の空気上流側に配設され、車室内に吹き出す空気を送風する送風機(13)とを有し、
前記水冷式内燃機関(3)の暖機運転時には前記送風機(13)を停止することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用内燃機関の冷却系装置。 - 水冷式内燃機関(3)から流出した冷却水を保温貯蔵し、重力方向下方側に冷却水が流出入する開口部(94)を有する蓄熱タンク(9)を経由して、前記水冷式内燃機関(3)から流出した冷却水を前記水冷式内燃機関(3)に還流させるタンク水路(10a)に設けられた制御バルブ(11)であって、
前記水冷式内燃機関(3)の暖機運転時に前記蓄熱タンク(9)から流出する冷却水温度が所定温度を越えているときは、前記タンク水路(10a)を開いた状態とし、
前記水冷式内燃機関(3)の暖機運転時に前記蓄熱タンク(9)から流出する冷却水温度が前記所定温度以下のときは、前記タンク水路(10a)を閉じた状態とし、
前記水冷式内燃機関(3)の暖機終了後は、前記タンク水路(10a)を開いた状態とすることを特徴とする制御バルブ。 - 前記水冷式内燃機関(3)が始動してから所定時間は前記タンク水路(10a)を開いた状態とし、
前記所定時間経過後、前記水冷式内燃機関(3)の暖機運転時に前記蓄熱タンク(9)から流出する冷却水温度が所定温度を越えているときは、前記タンク水路(10a)を開いた状態とし、前記水冷式内燃機関(3)の暖機運転時に前記蓄熱タンク(9)から流出する冷却水温度が前記所定温度以下のときは、前記タンク水路(10a)を閉じた状態とし、
さらに、前記蓄熱タンク(9)から流出する冷却水温度が、前記水冷式内燃機関(3)の暖機運転が終了したものとみなせる温度を越えると、前記タンク水路(10a)を開いた状態とすることを特徴とする請求項9に記載の制御バルブ。
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