JP3760480B2 - ディーゼルエンジンのegr制御装置および方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ディーゼルエンジンの車両において、加速時等における黒煙の発生を抑制するための、EGR制御方法に関するものである(EGR…Exhaust Gas Recirculation 、排気ガス再循環)。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンの排気ガス中の窒素酸化物(以下、「NOx」という)を低減するための装置としては、排気の一部を吸気系へ還流するEGR装置が知られている。EGR装置は、排気還流管の途中にEGRバルブを設け、還流する時は開き(ON)、還流しない時は閉じる(OFF)。
【0003】
排気を還流すると、NOxは低減されるものの、黒煙が増加するという難点がある。そのため、EGR制御は、エンジンの運転状態をみながら、NOx低減を重視すべき時か黒煙抑制を重視すべき時かを勘案しながら行われている。電子制御式燃料噴射を行っているディーゼルエンジンでの、通常のEGR制御は、燃料の噴射量制御マップと関係づけて定めたEGRバルブ制御マップに従って行われる。
【0004】
図5は、EGRバルブ制御マップの1例を示す図である。横軸はエンジン回転数(N)であり、縦軸は燃料噴射量(Q)である。曲線イは、アクセル全開時最大噴射量曲線であり、アクセル開度(K)が100%(アクセルペダルを一杯に踏み込んだ状態)の時の、エンジン回転数と燃料噴射量との関係を示している。曲線ニは、EGRバルブ動作境界線であり、これと曲線イとの間の領域は、EGRバルブOFF領域E1 である。曲線ニより内側の領域は、EGRバルブON領域E2 である。
なお、EGRバルブ動作境界線は、エンジン運転状態がどのような時に、EGRバルブをONした方がよいかOFFした方がよいかにより、適宜定められる。
【0005】
ところで、ディーゼルエンジンにおいては、加速時に排気還流を行うと黒煙が増えることが知られている。特に電子制御式燃料噴射が採用されているディーゼルエンジンにおいては、噴射量の変化にEGRバルブの開閉速度が追従できないために、黒煙の発生が更に増加するという傾向がある。なぜなら、加速のために噴射量は既に増加されているのに、EGRバルブの閉じる速度が遅いので閉じ切ることが出来ず、その間は依然として排気還流が行われるからである。
【0006】
そこで、特開平5−340310号公報には、加速時での黒煙発生を低減するための技術が提案されている。これは、エンジン回転数が所定の低回転数(NL 、例えば1000rpm)以下の場合に急加速した時は、その時から所定時間τだけEGRバルブをOFFする(閉じる)というものである。なお、急加速したかどうかの検出は、アクセル開度の変化率を算出し、それが所定値(DH )以上になったかどうかで行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記した特開平5−340310号公報の技術では、所定の低回転数での急加速時における黒煙の増加は抑制できるものの、その条件から外れた運転時には抑制できないという問題点があった。そのような運転時の例としては、例えば、中〜高速回転数からの加速時,あるいは比較的ゆるやかな加速を行った時等がある。
黒煙やNOxの低減に対する社会的要求や規制は、年々厳しさを増しており、特定の運転状態での低減だけでなく、どのような運転状態でも低減することが要求されて来ているが、前記従来技術では、そのような要求に応えることが出来ない。
【0008】
仮に、前記従来技術を中〜高速回転数からの加速時等にも適用しようとして、設定している回転数NL やアクセル開度変化率DH の値を変えて適用すると、こんどはNOx発生量が多くなり過ぎてしまうという別の問題点が出て来てしまう。 なぜなら、中〜高速回転数からの加速時,あるいは比較的ゆるやかな加速時等は、低回転数での急加速時に比べてもともと黒煙の発生量は少ないのに、低回転数での急加速時と同様に決められた所定時間だけEGRバルブがOFFされることになるが、それではOFF期間が長すぎてNOxが多くなるからである。かといって、高回転からの加速時に適するように所定時間を短くすると、低回転での加速時の黒煙が多くなってしまう。
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明では、エンジン回転数センサと、アクセル開度センサと、排気還流管の途中に設けたEGRバルブと、エンジン回転数と燃料噴射量との組み合わせに対応させて前記EGRバルブのON,OFFを定めたEGRバルブ制御マップを内蔵して前記EGRバルブのON,OFFを制御するコントローラとを具えたディーゼルエンジンのEGR制御装置において、エンジン回転数の小から大に至る範囲を複数に区分した区分範囲とアクセル開度変化率の小から大に至る範囲を複数に区分した区分範囲との組み合わせによりマップ上の領域を定め、各領域に対応させ、NOxの異常な増加を招くことなく黒煙を低減するという観点に立って前記EGRバルブを強制的にOFFする時間を個別に定めたEGRバルブ強制OFF時間マップを前記コントローラに更に内蔵させるよう構成し、前記EGRバルブ強制OFF時間マップより求められるOFF時間の値がゼロでない場合には、前記EGRバルブ制御マップによる制御よりも前記EGRバルブ強制OFF時間マップによる制御を優先してEGR制御することとした。
【0010】
また、本発明では、ディーゼルエンジンの排気還流管の途中に設けたEGRバルブの制御を、エンジン回転数と燃料噴射量との組み合わせに対応させて前記EGRバルブのON,OFFを定めたEGRバルブ制御マップに従って行うディーゼルエンジンのEGR制御方法において、エンジン回転数の小から大に至る範囲を複数に区分した区分範囲とアクセル開度変化率の小から大に至る範囲を複数に区分した区分範囲との組み合わせによりマップ上の領域を定め、各領域に対応させ、NOxの異常な増加を招くことなく黒煙を低減するという観点に立って前記EGRバルブを強制的にOFFする時間を個別に定めたEGRバルブ強制OFF時間マップを別途設け、前記EGRバルブ強制OFF時間マップより求められるOFF時間の値がゼロでない場合には、前記EGRバルブ制御マップによる制御よりも前記EGRバルブ強制OFF時間マップによる制御を優先してEGR制御することとした。
【0011】
【作 用】
通常のEGR制御に使用するEGRバルブ制御マップの他に、新たにEGRバルブ強制OFF時間マップを設定する。EGRバルブ強制OFF時間マップは、エンジン回転数とアクセル開度変化率との組み合わせに対応させて、黒煙の低減とNOxの増加抑制の立場から、EGRバルブを強制的にOFFする時間を定めたマップである。そして、EGRバルブ強制OFF時間マップの方を優先して適用し、強制OFF時間が0の時に、EGRバルブ制御マップの方を適用する。
これにより、低回転数での急加速時のみならず、中〜高速回転数からの加速時,あるいは比較的ゆるやかな加速時等でも、NOxの増加を抑制しつつ黒煙を低減することが可能となる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図2は、本発明の装置が適用されている電子制御式燃料噴射装置を示すブロック図である。1は噴射ポンプ、2はエンジン回転数センサ、3は燃料パイプ、4はエレクトリックガバナ、5はタイミングコントロールバルブ、6は燃料パイプ、7はコントローラ、7−1はタイマ、8はアクセル開度センサ、9はEGRバルブ、10はEGRバルブセンサ、12は吸気管、13は噴射ノズル、14はディーゼルエンジン、15は排気還流管、16は排気管、17はターボチャージャである。なお、EGRバルブセンサ10は、EGRバルブ9が閉じているか開いているかを検出するセンサである。
【0013】
エンジンは、ターボチャージャ付きのディーゼルエンジンであるが、それが付いていないエンジンでも勿論適用可能である。エンジン14への吸気は、ターボチャージャ17によって過給される。燃料は燃料パイプ3より噴射ポンプ1へ供給され、燃料パイプ6を通って噴射ノズル13へ送られ、ディーゼルエンジン14内に噴射される。噴射量はエレクトリックガバナ4によって制御され、噴射時期はタイミングコントロールバルブ5によって制御される。
【0014】
エレクトリックガバナ4やタイミングコントロールバルブ5への制御信号は、図示しない種々のセンサ等からの信号やコントローラ7内に予め設定されている制御マップに基づき、コントローラ7にて生成される。燃料噴射量は、エンジン回転数センサ2で検出したエンジン回転数、アクセル開度センサ8で検出したアクセル開度等を、コントローラ7内に設定してある噴射量制御マップに適用して求められる。コントローラ7には、計時を行うためのタイマ7−1が設けられるが、これはコントローラ7の外部に設けてもよい。
【0015】
EGR装置は、排気還流管15とその途中に設けられたEGRバルブ9とにより構成される。EGR制御は、コントローラ7からの制御信号で、EGRバルブ9を開閉制御することによって行われる。コントローラ7には、従来から用いられている通常のEGRバルブ制御マップ(図5参照)の他に、後で図6で説明するEGRバルブ強制OFF時間マップを、新たに設定しておく。これらのマップに基づいてEGRバルブ9に対する制御信号を生成する。マップの適用の順序については、後で説明する。
まず、それぞれのマップについて説明する。
【0016】
図4は、噴射量制御マップと共に描いたEGRバルブ制御マップを示す図である。符号は図5のものに対応している。曲線ロは、アクセル開度(K)が80%の時の噴射量を求める曲線であり、曲線ハは15%の時の噴射量を求める曲線である。因みに、検出されたエンジン回転数がNA でアクセル開度が15%である時(動作点がA点である時)には、噴射すべき燃料の量はQA と求められる。
このマップに従えば、動作点Aは、EGRバルブON領域E2 内に位置しているから、コントローラ7からEGRバルブ9に対しては、ON(開く)信号が発せられ、排気還流がなされる。動作点がCのようにEGRバルブOFF領域E1 内に位置している場合は、OFF(閉じる)信号が発せられ、排気還流は停止される。
【0017】
図6は、EGRバルブ強制OFF時間マップを示す図である。横軸はエンジン回転数(N)、縦軸はアクセル開度変化率(D)である。アクセル開度変化率Dとは、単位時間におけるアクセル開度の変化量である。例えば、Δt秒の間にアクセル開度がK1 →K2 へ変化したとすると、Dは次式で求められる。
D=(K2 −K1 )/Δt
【0018】
このマップは、エンジン回転数Nとアクセル開度変化率Dとで領域を分け、各領域の運転状況を考慮して、EGRバルブ9を強制的にOFFする時間を設定したものである。強制OFF時間の長さは、その領域に対応する運転状況を考慮に入れつつ、NOxの異常な増加を招くことなく黒煙を低減するという立場に立って設定する。
【0019】
例えば、領域イは、エンジン回転数が0〜N1 の範囲にあり且つアクセル開度変化率が0〜D1 の範囲にある運転状況に対応しているが、この時の強制OFF時間は0(ゼロ)と設定してある。即ち、強制OFFはしない。他方、領域ロは、エンジン回転数が0〜N1 の範囲にあり且つアクセル開度変化率がD3 〜D4 の範囲にある運転状況に対応しているが、この時の強制OFF時間はT3 と設定してある。
このように、T 3 は領域ロに対して設定された強制OFF時間を表しているわけであるが、T 1 ,T 2 ,T 4 〜T 12 も、同様にそれらが書き込まれている領域に対して設定された強制OFF時間を表している。
【0020】
図1は、本発明のディーゼルエンジンのEGR制御方法を説明するフローチャートである。本発明のEGR制御方法では、まずEGRバルブ強制OFF時間マップの方を優先して適用し、それで求めた強制OFF時間が0であった時に、EGRバルブ制御マップを適用する。
【0021】
ステップ1…まず、図2のアクセル開度センサ8で検出したアクセル開度を読み込む。この時のアクセル開度をK1 とする。
ステップ2…次に、エンジン回転数センサ2で検出したエンジン回転数Nを読み込む。
【0022】
ステップ3…タイマ7−1で計時を開始する。
ステップ4…予め定めてある時間Δt秒が、経過したかどうか調べる。Δt秒とは、例えば、20msec程度の時間である。なお、タイマ7−1は、時間Δtを計時したらリセットされる。
ステップ5…Δt経過時のアクセル開度K2 を読み込む。
ステップ6…アクセル開度変化率Dを、D=(K2 −K1 )/Δtで算出する。
【0023】
ステップ7…算出したアクセル開度変化率Dとステップ2で読み込んだエンジン回転数Nとを、図6のEGRバルブ強制OFF時間マップに当てはめて、EGRバルブ強制OFF時間Tを求める。
ステップ8…求めた時間Tが0より大かどうか調べる。0であれば、EGRバルブ制御マップによる通常のEGR制御を行うべく、ステップ13へ進む。
ステップ9…Tが0より大であれば、その時間TだけEGRバルブ9を強制的にOFFせよということであるから、EGRバルブ9に対してOFFせよとの制御信号を発する。
【0024】
ステップ10…EGRバルブ9がOFFとなったかどうかを、EGRバルブセンサ10からの検出信号によって調べる。
ステップ11…OFFになっていれば、タイマ7−1で時間Tの計時を開始する。(なお、EGRバルブ9がONからOFFになるまでに要する時間をT0 とすると、T0 はEGRバルブ9の機械的構造より決まる略一定時間であるから、タイマ7−1による計時をステップ9のOFF信号が出力された時から開始することとし、計時する時間の長さをT0 +Tとしてもよい。そのようにした場合は、EGRバルブセンサ10を設ける必要はなくなる。)
ステップ12…時間Tが経過したかどうか調べ、経過したら、EGRバルブ制御マップによる通常のEGR制御を行うべく、ステップ13へ進む。なお、タイマ7−1は、時間Tを計時したらリセットされる。
【0025】
ステップ13…アクセル開度を読み込む。
ステップ14…エンジン回転数を読み込む。
ステップ15…これらを図5のEGRバルブ制御マップに適用し、EGRバルブ9をONすべきかOFFすべきか決定する。動作点がEGRバルブOFF領域E1 内にあればOFFとし、EGRバルブON領域E2 内にあればONとする。
ステップ16…その決定に従い、EGRバルブ9に対して制御信号を発する。
【0026】
次に、本発明を適用した場合のエンジンに関係する各種の量の変化を、図3によって説明する。図3(イ)はアクセル開度の変化を示し、図3(ロ),(ハ),(ニ),(ホ),(ヘ)は、それぞれ燃料噴射量の変化,エンジン回転数の変化,EGRバルブのON,OFF変化,黒煙発生量の変化,NOx発生量の変化を示している。t0 〜t4 は時間であり、図3(ニ)のT0 は、EGRバルブ9がONからOFFするまでに要する時間であり、Tは強制OFF時間である。
【0027】
図3(イ)は、KA であったアクセル開度が、アクセルペダル踏み込みにより、時間t0 より増大され始めたことを示している。変化するアクセル開度は刻々と検出され、アクセル開度変化率Dの算出が繰り返される。そして、時間t1 で算出されたアクセル開度変化率(点Pのアクセル開度変化率)を基に、図6のマップより強制OFF時間Tを求めたところ、その値が0より大きい値であったとする。
すると、EGRバルブ9にOFFせよとの信号が発せられて、図3(ニ)に示すように、EGRバルブ9はOFFに向かって作動し始める。機械的なバルブが動作して閉じる関係上、完全にOFFするまでにはT0 の時間を要するが、OFFしてから強制OFF時間TだけOFFが継続される。その後は、EGRバルブ制御マップの通常の制御によって、ONとするかOFFとするかが決められる(図3(ニ)の一点鎖線参照)。
【0028】
アクセル開度KA =15%,エンジン回転数=NA であったとすると、図4での動作点は曲線ハ上のAとなり、噴射量はQA である。今回アクセルペダルが踏み込まれてアクセル開度がKC に増大され(例えば、95%程度に)、動作点がCに移るようなものであったとすると、噴射量は、最終的には動作点Cに対応したQC に増大される。
【0029】
図4では、動作点はA→P→B→Cというように移動する。図6のEGRバルブ強制OFF時間マップで求めた時間Tが、動作点Pのところで0より大となると、EGRバルブON領域E2 を抜け出す動作点Bを待つことなく、EGRバルブ9はOFFさせられ始める。
図3(ロ)は、これらの動作点と噴射量との関係を示したものであるが、噴射量が点Pに対応するQP となった時に、EGRバルブ9のOFFが開始される。
【0030】
この間は噴射量が急増されつつある期間なので、EGRバルブ9をONしておくと黒煙が増大するが、本発明では早めに(動作点Bではなく動作点Pで)OFFが指令され、しかもOFFした後も、運転状況を考慮しつつ噴射量の急増が続いていると思われる時間だけ強制的にOFFを継続するので、黒煙の発生が低減されると共に、NOxの増加も抑制される(図3(ホ),(ヘ)のt3 以降参照)。
動作点がPである場合、PはEGRバルブ動作境界線ニの内側にあるから、従来の制御ではEGRバルブはONされている。しかし、本発明では、上述したように所定時間だけ強制的にOFFされ、その後ONに戻るという具合に制御される。
【0031】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明のディーゼルエンジンのEGR制御装置および方法によれば、通常のEGR制御に使用するEGRバルブ制御マップの他に、EGRバルブ強制OFF時間マップを新たに設け、EGRバルブ強制OFF時間マップの方を優先して適用するようにしたので、低回転数での急加速時のみならず、中〜高速回転数からの加速時,あるいは比較的ゆるやかな加速時等でも、NOxの増加を抑制しつつ黒煙を低減することが出来るようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のディーゼルエンジンのEGR制御方法を説明するフローチャート
【図2】 本発明のディーゼルエンジンのEGR制御装置が適用されている電子制御式燃料噴射装置を示すブロック図
【図3】 本発明を適用した場合のエンジンに関係する各種の量の変化を示す図
【図4】 噴射量制御マップと共に描いたEGRバルブ制御マップを示す図
【図5】 EGRバルブ制御マップを示す図
【図6】 EGRバルブ強制OFF時間マップを示す図
【符号の説明】
1…噴射ポンプ、2…エンジン回転数センサ、3…燃料パイプ、4…エレクトリックガバナ、5…タイミングコントロールバルブ、6…燃料パイプ、7…コントローラ、7−1…タイマ、8…アクセル開度センサ、9…EGRバルブ、10…EGRバルブセンサ、12…吸気管、13…噴射ノズル、14…ディーゼルエンジン、15…排気還流管、16…排気管、17…ターボチャージャ
Claims (2)
- エンジン回転数センサと、アクセル開度センサと、排気還流管の途中に設けたEGRバルブと、エンジン回転数と燃料噴射量との組み合わせに対応させて前記EGRバルブのON,OFFを定めたEGRバルブ制御マップを内蔵して前記EGRバルブのON,OFFを制御するコントローラとを具えたディーゼルエンジンのEGR制御装置において、
エンジン回転数の小から大に至る範囲を複数に区分した区分範囲とアクセル開度変化率の小から大に至る範囲を複数に区分した区分範囲との組み合わせによりマップ上の領域を定め、各領域に対応させ、NOxの異常な増加を招くことなく黒煙を低減するという観点に立って前記EGRバルブを強制的にOFFする時間を個別に定めたEGRバルブ強制OFF時間マップを前記コントローラに更に内蔵させるよう構成し、
前記EGRバルブ強制OFF時間マップより求められるOFF時間の値がゼロでない場合には、前記EGRバルブ制御マップによる制御よりも前記EGRバルブ強制OFF時間マップによる制御を優先してEGR制御するようにした
ことを特徴とするディーゼルエンジンのEGR制御装置。 - ディーゼルエンジンの排気還流管の途中に設けたEGRバルブの制御を、エンジン回転数と燃料噴射量との組み合わせに対応させて前記EGRバルブのON,OFFを定めたEGRバルブ制御マップに従って行うディーゼルエンジンのEGR制御方法において、
エンジン回転数の小から大に至る範囲を複数に区分した区分範囲とアクセル開度変化率の小から大に至る範囲を複数に区分した区分範囲との組み合わせによりマップ上の領域を定め、各領域に対応させ、NOxの異常な増加を招くことなく黒煙を低減するという観点に立って前記EGRバルブを強制的にOFFする時間を個別に定めたEGRバルブ強制OFF時間マップを別途設け、前記EGRバルブ強制OFF時間マップより求められるOFF時間の値がゼロでない場合には、前記EGRバルブ制御マップによる制御よりも前記EGRバルブ強制OFF時間マップによる制御を優先してEGR制御するようにした
ことを特徴とするディーゼルエンジンのEGR制御方法。
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