JP3859809B2 - 内燃機関の吸入空気量制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関の主としてアイドリング時の吸入空気量を制御する吸入空気量制御装置であり、アイドリング運転時、もしくは減速運転時の吸入空気量を制御、即ちアイドリング回転数を制御する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の内燃機関のアイドル回転数制御装置としては、機関温度等の機関暖機状態に応じて目標回転数を定め、実際の回転数を目標回転数に一致させるように吸入空気量をフィードバック制御する装置が公知である。また、フィードバック制御とフィードバックしないオープンループ制御とを機関の各種運転条件に応じて切り換えて制御する吸入空気量制御装置においては、車両が減速走行中で、かつオープンループ制御中でスロットル弁が全閉状態となった瞬間にそのときの機関回転数に応じた吸入空気量の補正量を求め、その補正量だけ吸入空気量を増加させ、それ以降は補正量を徐々に減少させていく方法が例えば特公昭62−40536号公報などにより既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような装置において、機関を空吹かし(レーシング)したとき、あるいはスロットルを踏み込んだ負荷運転状態からスロットル開放エンジンブレーキ状態に移行したような供給吸入空気量の急変時は、吸気管内の負圧の急上昇に起因したオイル上がり、アフターバーンが発生する。
【0004】
また、フィードバック制御の制御遅れに起因して排気ガス浄化性能の一時的低下、機関回転不調、またはエンジンストール(いわゆるエンスト)を起こす可能性が大となり車両の運転フィーリングにも悪影響を与える。
【0005】
このような問題点を解決する方法として、従来は、機関のスロットル弁が全閉状態に変化した瞬間の機関回転数に応じて吸入空気量の補正量を規定し、この補正量分吸入空気量を増加するようにしている。
【0006】
しかしながら、このような従来の方法においても、例えば機関の構成上、スロットル弁からシリンダまでの流路体積が大きくなっている場合、例えばスロットル弁下流に過給機が設けられ流路経路が長くなったような場合には、流路体積が増加するのでスロットル弁の変化に対応した機関回転数の挙動が流路体積の小さいものに比べて鈍くなる。
【0007】
また、このような機関において、前記従来例のように減速判定前の機関運転状態を加味せず、減速判定時の機関回転数に応じて吸入空気補正量を増量する方法では、機関吸入空気量増量後の機関回転数の挙動が不安定となり、最悪の場合エンストを起こすという問題点があった。
【0008】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、車両減速時の吸入空気量制御装置による吸入空気量を適正化し、機関回転数の落ち込みや、車両に対する空走感が発生しない内燃機関の吸入空気量制御装置を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る内燃機関の吸入空気量制御装置は、内燃機関の吸入空気量を調節するための吸入空気量制御手段と、前記内燃機関のスロットル弁が開状態から略全閉状態へ移行したことを検出する全閉検出手段と、前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、前記回転数検出手段により検出された前記内燃機関の回転数が所定回転数以上から所定回転数以下へと減速したことを検出する回転数減速検出手段と、前記全閉検出手段より前記スロットル弁が略全閉状態となったと検出された瞬間に、吸入空気量を増加させるための第1の吸入空気補正量を演算する第1の吸入空気補正量演算手段と、前記全閉検出手段より前記スロットル弁が略全閉状態となったと検出された瞬間から、前記回転数減速検出手段より前記内燃機関の回転数が所定回転数以上から所定回転数以下へと減速したと検出するまでの、前記回転数検出手段より検出された回転数の最大値に対応した、吸入空気量を増加させるための第2の吸入空気補正量を演算する第2の吸入空気補正量演算手段と、前記第1及び第2の吸入空気補正量演算手段より求められた前記第1及び第2の吸入空気補正量に応じて前記内燃機関への吸入空気量を増加する吸気量増加手段とを備えたものである。
【0013】
請求項2の発明に係る内燃機関の吸入空気量制御装置は、前記全閉検出手段よりスロットル弁が略全閉状態となったと検出した瞬間に、前記第1の吸入空気補正量演算手段が前記第1の吸入空気補正量を第1の所定値に設定した後に、この第1の所定値を第1の所定期間保持した後、第1の所定タイミング毎に第1の所定減少量ずつゼロまで減少させるものである。
【0014】
請求項3の発明に係る内燃機関の吸入空気量制御装置は、前記全閉検出手段よりスロットル弁が略全閉状態となったと検出された瞬間に、前記第1の吸入空気補正量演算手段が前記第1の所定値、第1の所定期間、第1の所定タイミング及び第1の所定減少量の内少なくとも1つを前記回転数検出手段より検出された回転数に応じて変更するものである。
【0015】
請求項4の発明に係る内燃機関の吸入空気量制御装置は、前記第2の吸入空気補正量演算手段が、前記回転数減速検出手段より回転数が所定回転数以上から所定回転数以下へと減速したと判定した瞬間に、前記第2の吸入空気補正量を第2の所定値に設定し、この第2の所定値を第2の所定期間保持した後、第2の所定タイミング毎に第2の所定減少量ずつゼロまで減少させるものである。
【0016】
請求項5の発明に係る内燃機関の吸入空気量制御装置は、前記回転数減速検出手段よりの回転数が所定回転数以上から所定回転数以下へと減速したと判定した瞬間に、前記第2の吸入空気補正量演算手段が、前記第2の所定値、第2の所定期間、第2の所定タイミング及び第2の所定減少量の内少なくとも1つを前記回転数検出手段より検出された回転数に応じて変更するものである。
【0017】
請求項6の発明に係る内燃機関の吸入空気量制御装置は、前記内燃機関が無負荷運転中であるか負荷運転中であるかを検出する負荷検出手段をさらに設け、前記負荷検出手段は、前記内燃機関により駆動される負荷であるエアコンディショナのコンプレッサ動作信号、パワーステアリングの動作信号、車両に取り付けられている電気負荷動作信号、前記内燃機関により駆動される発電機の動作信号の内少なくとも1つを検出する信号検出機能、及び車両が走行中であるか、停車中であるかを判定する車両走行判定機能を有し、前記信号検出機能による検出信号、あるいは前記車両走行判定機能による車両走行判定結果に基づいて、前記第1の所定値、第1の所定期間、第1の所定タイミング及び第1の所定減少量の内少なくとも1つ変更するか、あるいは前記第2の所定値、第2の所定期間、第2の所定タイミング及び第2の所定減少量の内少なくとも1つ変更するものである。
【0018】
請求項7の発明に係る内燃機関の吸入空気量制御装置は、前記負荷検出手段の前記車両走行判定機能は、車両の走行速度を検出すると共に、変速機が前記内燃機関と車輪とのトルク伝達或いはトルク伝達を遮断していることを検出し、車速が所定値以上、かつ前記変速機が前記内燃機関と車輪とのトルク伝達検出時に負荷運転による車両走行中であると判定するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の一実施の形態を図について詳細に説明する。図1は、本実施の形態による内燃機関の全体構成を示す構成図である。図1において、1は周知の4サイクル火花点火式のエンジンであり、燃焼用空気をエアクリーナ2、吸気管3、スロットル弁7、サージタンク4、インテークマニホールドを介して主に吸入する。
【0021】
燃料は図示しない燃料系からインテークマニホールドに設けられたインジェクタ5を介して供給される。スロットル弁7のスロットル開度θはスロットルセンサ8で検出して、スロットル開度θに応じた信号を出力する。又、スロットル弁7の全閉はアイドルスイッチ9で検出してON/OFF信号を出力する。
【0022】
吸気管3にはスロットル弁7をバイパスするバイパスエア通路11が吸気管3のスロットル弁7より上・下流部に接続されている。このバイパスエア通路11にはバイパスエア通路11の開口断面積を制御するバイパスエア制御弁10が設けられている。このバイパスエア制御弁10により流量制御されたバイパスエアがバイパスエア通路11を通して燃焼用空気としてエンジン1に吸入される。
【0023】
6はエンジン1へ吸入される空気量を測定するため、サージタンク4に設けられた半導体型の圧力センサ、14はエンジン1の冷却水温を検出するサーミスタ型の水温センサ、15は排気管、12はエンジン1のクランクアングルに対応したパルス信号が出力されるクランク角センサ、16は車輪軸の回転速度に比例した周波数のパルス信号を出力する車速センサ、13は電子式制御ユニット19からの信号により制御され、エンジン1の各気筒毎に火花を飛ばすため設置された点火プラグ、17は電子式制御ユニット19に電圧を供給するバッテリ、18は電子式制御ユニット19に供給されるバッテリ電圧をオン/オフするイグニッションキースイッチ、19はエンジン1の駆動制御を行う電子式制御ユニットである。
【0024】
電子式制御ユニット19では、クランク角センサ12、圧力センサ6、水温センサ14、車速センサ16等からの各入力情報を用いて、周知の方法により、エンジン1の燃料噴射量やバイパスエア量、最適点火時期をそれぞれ計算し、計算された燃料噴射量に対応する所定時間だけ燃料を噴射するようにインジェクタ5を制御すると共に、計算されたバイパスエア量が得られるようにバイパスエア制御弁10を制御し、計算された最適点火時期が得られるように点火プラグ13を制御してエンジン1の駆動制御を行う。
【0025】
図2は電子式制御ユニット19の詳細なブロック図である。同図において、100はマイクロコンピュータであり、このマイクロコンピュータ100はエンジン1の回転周期を計測するためのカウンタ201、各種出力の駆動時間を計測するためのタイマ202、アナログ入力信号をデジタル信号に変換するA/D変換器203、デジタル信号を入力してCPU200に伝達するための入力ポート204、ワークメモリとしてのRAM205、図3〜6、図10に示したフローチャート等で示すプログラムを格納しているROM206、CPU200の指令信号を出力するための出力ポート207及びマイクロコンピュータ100の各構成要素を相互に接続してデータ授受を行なわすコモンバス208等から構成される。
【0026】
101〜103は各センサ6、8、9、12、14、16よりマイクロコンピュータ100に信号を入力させる第1〜第3入力インターフェイス、104はマイクロコンピュータ100によって演算された制御信号をインジェクタ5、バイパスエア制御弁10、点火プラグ13へ出力する出力インターフェイス回路、105はイグニッションキースイッチ18を通して入力されるバッテリ電圧を定電圧に変換してマイクロコンピュータ100に供給する第1電源回路。
【0027】
ここで、第1入力インターフェイス回路101に入力されたクランク角センサ12からの信号は、波形整形等されて割り込み信号に変えてマイクロコンピュータ100に入力される。そして、この割り込み信号が発生する毎に、マイクロコンピュータ100のCPU200はカウンタ201の値を読み取ると共に、この読み取った値と前回読み取った値との差からエンジン回転の周期を算出してRAM205へ記憶する。
【0028】
また、第2入力インターフェイス回路102は、入力された圧力センサ6やスロットルセンサ8、水温センサ14等からのアナログ出力信号のノイズ成分の除去や信号増幅等してA/D変換器203に出力するものである。
【0029】
第3入力インターフェイス回路103は、入力されたアイドルスイッチ9等のON/OFF信号や、車速センサ16からのパルス信号等のレベルをデジタル信号レベルに変換して入力ポート204へ出力するものである。
【0030】
出力インターフェイス回路104は、出力ポート207から入力された駆動出力を増幅等の処理を施してインジェクタ5、バイパスエア制御弁10、点火プラグ13等に出力するものである。第1電源回路105はキースイッチ18がON時にバッテリ17からの電圧を入力して定電圧に変換し、マイクロコンピュータ100に供給する。これによりマイクロコンピュータ100は動作を開始する。 尚、ここでマイクロコンピュータ100は吸入空気量制御手段、全閉検出手段、回転数検出手段、回転数減速検出手段、第1および第2の吸入空気補正量演算手段、吸気量増加手段、負荷検出手段をそれぞれ構成する。
【0031】
次に本実施の形態の動作を図3のフローチャートを参照して説明する。まず、マイクロコンピュータ100のRAM205、タイマ202、割込の設定等の初期設定を行った後、ステップS301に進む。ステップS301ではクランク角センサ12からのクランク角信号の割り込み処理にて既に検出したクランク角周期からエンジン回転数NEを表す回転数データNeを求める。
【0032】
ステップS302ではスロットルセンサ8により検出されたスロットル開度θを表すスロットル開度値TH、及び圧力センサ6により検出された吸気管圧力PBを表す吸気管圧力値Pb等を読み込む。ステップS303では、先に読み込んだデータ(Ne、TH、Pb等)に基づいて、後述以外のその他の制御(詳細は述べないが燃料供給、点火時期等の制御を行う。)の処理を行う。
【0033】
ステップS304では先に読み込んだデータ(Ne、アイドルスイッチ9のON/OFF信号、車速センサ16のパルス信号等)に基づいて図4のフローチャートにその詳細を示すバイパスエア制御弁10の制御量演算処理を行う。ステップS304の処理後にステップS301に戻って上記動作を繰り返す。
【0034】
次に図3中のステップS304におけるバイパスエア制御弁10の制御量演算処理の詳細な処理を図4を参照して説明する。まずステップS401ではエンジン1の運転状態(暖機状態等、詳細は述べず)に応じた目標回転数を維持するための基本バイパスエア量QBASEを設定し、ステップS402へ進み、アイドルスイッチ9がONであるか否か、即ちアイドル状態か否か判定する。
【0035】
ONであればステップS403に進み、前回同処理実行時にアイドルスイッチ9がONであったか否かを判定する。即ち、このステップS401,S402でアイドルスイッチ9の変化を判定している。前回アイドルスイッチ9がONであれば、即ちアイドル状態のまま変化がなかった場合はステップS404へ進む。
【0036】
また、前回のステップS403においてアイドルスイッチ9がOFFであれば、即ちアイドル以外からアイドル状態に変化したと判定された場合はステップS409へ進み、第1の所定値としての1段目のバイパスエア補正量(ダッシュポット量)QDP、第1の所定期間としての保持時間TDPを設定する。本実施の形態では一定値XQDP1(例えば12[l/min])、XTDP1(例えば8、本実施の形態では25msecのダウンカウンタを使用し、保持時間は2[sec]となる)を代入する。ステップS401〜ステップS409の処理は第1の吸入空気補正量演算手段の機能を果たすものである。
【0037】
次にステップS410では、次段のダッシュポット量に関係するエンジン回転数最大値NeMAXを現在のNeと初期化し、ステップS411へ進む。また、ステップS404では現在のNeとNeMAXとの比較を行い現在のNeがNeMAXより大きい場合、ステップS405へ進みNeMAXを更新し、ステップS406へ進む。また、現在のNeがNeMAXより小さい場合ステップS406へ進む。
【0038】
また、ステップS406では、回転数条件が成立しているかを判定、即ち現在のNeが所定値(例えば1500[rpm])以上か否かを判定し、条件成立時、即ち所定回転数以上の時は、ステップS411へ進む。また、条件不成立時は、ステップS407へ進み前回に回転数条件が成立しているかどうかを判定し、成立していればステップS408へ進む。
【0039】
このステップS406、S407では回転数が所定回転数以上から以下へと変化した事を判定している。ステップS408では第2の所定値としての2段目のダッシュポット量QDP、第2の所定期間としての保持時間TDPを設定する。本実施の形態では、回転数が所定回転数以上から以下へと変化するまでのNeMAXに対応した値XQDP2、XTDP2が設定される。ここでNeMAXとXQDP2、XTDP2との関係は図7、図8に示された通りである。ステップS404〜ステップS408の処理は第2の吸入空気補正量演算手段の機能を果たすものである。
【0040】
つまりアイドルスイッチ9がONとなってから回転数が所定回転数以下となるまでの間の回転数最大値NeMAXに応じたダッシュポット量XQPD2と保持時間XTDP2が設定され、ステップS411へ進む。また、ステップS407で前回に回転数条件が成立していなかったと判定された場合、ステップS411へ進む。
【0041】
次に、ステップS411では、前記ダッシュポット量以外の補正量Qetc(目標回転数と実回転数との差に応じたフィードバック量、エアコンディショナ接続時等の負荷補正等詳細は述べず)を求め、ステップS412へ進む。ステップS412では、基本バイパスエア量QBASEとダッシュポット量QDPとその他の補正量Qetcとを加算してバイパスエア量QISCを求め、ステップS414へ進む。
【0042】
一方、ステップS402にて、アイドルスイッチ9がOFFであると判定、即ちアイドル以外であると判定された場合、ステップS413へ進みバイパスエア量QISCを基本バイパスエア量QBASEとしてステップS414へ進む。また、本実施の形態ではステッパモータ式のバイパスエア制御弁10を用いているため、ステップS414では、前記バイパスエア量QISCに対応したバイパスエア制御弁10の制御量、つまり目標モータポジションPを求めるために図9に示すQISCマップより目標モータポジションPを求めて、バイパスエア制御弁10の制御量演算処理を終了する。
【0043】
また、図10は前記ルーチン内で演算されたバイパスエア制御弁10の制御量、即ち目標モータポジションPに応じたバイパスエア制御弁10の駆動処理ルーチンであり、例えば10msec毎に実行される。まずステップS1001ではバイパスエア制御弁10の実ポジションを読込み、ステップS1002へ進む。
【0044】
ステップS1002では、前記バイパスエア制御弁10の制御量演算ルーチンにて演算された目標ポジションPと前記実ポジションとの比較を行い、等しいと判定された場合は、そのままバイパスエア制御弁駆動ルーチンを終了する。ステップS1002で目標ポジションPが実ポジッションより小さいと判定された場合はステップS1003へ進み、バイパスエア制御弁10を1ステップだけ閉側へ駆動してバイパスエア制御弁駆動ルーチンを終了する。
【0045】
ステップS1002で目標ポジションPが実ポジッションより大きいと判定された場合はステップS1004へ進み、バイパスエア制御弁10を1ステップだけ開側へ駆動してエア制御弁駆動ルーチンを終了する。このようにバイパスエア制御弁10は、前記バイパスエア制御弁駆動ルーチンを実行する度に1ステップずつ開または閉側へ駆動されていく。そして、ステップS1002で目標ポジションPが実ポジッションと等しい判定された場合はバイパスエア制御弁駆動ルーチンを終了する。
【0046】
また、図5は前記の各種処理内で使用されるタイマ等(詳細は述べず)の処理を行うタイマ処理ルーチンであり、例えば第1および第2の所定タイミングである25msec毎に実行されるものである。まず、ステップS501では、タイマTDP(保持時間2sec:2000)より25msec毎に1を減算し、ステップS502へ進み零との比較を行う。ここで零以下と判定されればステップS503へ進みタイマTDPに零を代入して、タイマ処理を終了する。これにより、第1あるいは第2の吸入空気補正量(XQDP1,XQDP2)の保持経過時間を判定する。
【0047】
また、ステップS502でタイマTDPが零以上であると判定された場合、そこでタイマ処理ルーチンを終了し、次のタイマ処理ルーチンでタイマTDPより1を減算する。このように、この処理ルーチン内で前記タイマTDPの処理が行われる。
【0048】
このタイマ処理ルーチンを通して第1および第2の所定値である吸入空気補正量XQDP1,2(図4のステップS409,S408で設定)を保持する第1および第2の所定期間であるタイマTDPのカウントダウン動作を行う。
【0049】
また、図6は前記バイパスエア制御弁10の制御量演算処理ルーチン内で設定された第1または第2び吸入空気補正量である各ダッシュポット量の減算処理を行うルーチンであり、本実施の形態では第1または第2の所定タイミングである500msec毎に実行されるルーチンである。
【0050】
まず、ステップS601で前記タイマ処理ルーチンよりタイマTDPが零であるかどうかを判定、つまり保持時間が経過しているか否かを判定し、タイマTDPが零でなければ、そのままダッシュポット量減算ルーチンを終了し次のダッシュポット量減算ルーチンでタイマTDPが零になるのを待つ。また、ステップS601でタイマTDPが零であればステップS602へ進み、ダッシュポット量QDPを第1または第2の所定減少量である所定値だけ(本実施の形態では3[l/min])減算し、ステップS603へ進む。
【0051】
ステップS603では、ダッシュポット量QDPと零との比較を行い、零以上であると判定されれば、そのままダッシュポット量減算ルーチンを終了する。また、ステップS603でダッシュポット量QDPが零以下であると判定された場合、ステップS604へ進み、ダッシュポット量QDPに零を代入してダッシュポット量減算ルーチンを終了する。これによりステップS412(図4を参照)におけるバイパスエア量QISCは500msec毎に減少し、ステップS414において所定時間後にバイパスエア制御弁10の制御量を0に収束することができる。
【0052】
ここで、図11、12は、前記フローチャートによる車両減速時の動作を補足説明するタイムチャートで、時間軸に対するスロットル弁開度TH、アイドルスイッチ信号、エンジン回転数Ne、バイパスエア量QISC1,2の挙動を示したものである。
【0053】
まず図11は運転者がアクセルを踏込み状態から開放状態、つまり、スロットル弁7が一定開度から全閉状態に変化させたときのタイムチャートであり、回転数Neの挙動における点線はバイパスエア量を増量させなかった時の回転数挙動である。また、回転数Neの挙動における実線(丸1)、(丸2)はバイパスエア量を従来例(丸1)、本実施の形態(丸2)の様にそれぞれ増量を実施した時の回転数Neの挙動である。
【0054】
ここで、バイパスエア量を増量させなかった時の回転数Neの挙動は、一度大きく落ち込みその後、目標回転数(800rpm)になる。また、この時吸気管内負圧が急上昇し、オイル上がり、アフターバーン、排気ガス悪化等が発生する。この不具合を解消するため、従来例では、スルットル弁7が全閉状態、すなわち、アイドルスイッチ9がOFFからONへと変化した瞬間(時刻t1)に、その時の回転数Aに応じてバイパスエア量QISC1を図11中(丸1)のように増量している。そのため、回転数Neの挙動は図11中(丸1)に示すように、目標回転数(800rpm)を遥かに上回った値よりバイパスエア量QISC1の減少量に沿って目標回転数(800rpm)に推移する。
【0055】
しかし、本実施の形態によれば、スロットル弁7が全閉状態となった時刻t1と、回転数が所定回転数(1500rpm)以下になった瞬間(時刻t2)とに、それぞれ図11中(丸2),(丸b),丸cのようにバイパスエア量QISC2が増量され、回転数Neの挙動は、図11中(丸2)の様に(丸1)に比較して短時間に目標回転数へ収束する。
【0056】
また、図12では図11より早くスルットル弁7を全閉−全開−全閉へと変化させた場合であり、時刻t1、すなわち、アイドルスイッチ9がOFFからONへと変化した瞬間に、従来例では、図11と同様に、時刻t1での回転数Aに応じてバイパスエア量QISC1を図12中(丸1)のように増量するため、回転数Neは図12中(丸1)のように、一度落ち込んでから目標回転数(800rpm)を中心に回転数を±方向に変化させながら所定時間後に目標回転数に収束する。
【0057】
しかし本実施の形態の方法によれば、時刻t1でのバイパスエア量QISC2の増量分(丸a)は図11と同量となるが、回転数が所定回転数(1500rpm)以下になった瞬間(時刻t2)でのバイパスエア量QISC2の増量分(丸b)、図11とは違った回転数Bに対応した量となり、回転数Neの挙動は図12中(丸2)の様に短時間で目標回転数へ収束する。この様に、従来例では図11,12ともバイパスエア量QISC1を同一の補正しかできないため、図11では目標回転数への収束が遅くなり、図12では目標回転数より低下する現象が発生する。
【0058】
また、図12の(丸1)に示す現象はスロットル弁7からエンジン1のシリンダまでの流路体積が増加するに従って大きくなる。しかし、本実施の形態では吸気管内負圧の上昇を抑えつつ、その後の目標回転数への収束を正確に速く補正できるので、エンストの危険もなくなり、運転フィーリングも良好となる。
【0059】
また、本実施の形態ではスロットル弁7の全閉判定をアイドルスイッチ9にて判定しているが、本発明は全閉検出手段を限定するものではなく、スロットル弁7が略全閉であると判定できればよく、例えばスロットル開度センサ8の検出値にて判定する、または吸入空気量あるいは吸気管圧力の内いずれかの検出値を、予め定めた値と比較することで判定するようにしてもよい。
【0060】
また、本実施の形態はスロットル弁7の急変化に対する吸入空気量変化の補正について動作処理を説明したものであり、スロットル弁7の低開度からの全閉への変化を含む、単位時間当たりのスロットル弁7の変化が少ない場合、上記吸入空気量の補正を行わないようにしてもよい。
【0061】
また、本実施の形態では吸入空気量制御手段として、バイパスエア通路11の開口断面積を制御するステッパモータ式のバイパスエア制御弁10を用いているが、本発明はこの吸入空気量制御手段に限定するものでなく、例えば、入力電流に比例して流量が変化するリニアソレノイド式のバイパスエア制御弁、あるいは入力電流のON/OFFデューティ比で空気流量を制御する制御弁を用いてもよい。
【0062】
また、本実施の形態ではスロットル弁7が略全閉になってから、エンジン回転数が所定回転(1500rpm)以下に減速したかのエンジン回転数の挙動検出に、エンジン回転数が所定回転数以上から所定回転数以下へと減速傾向にあると判定されるまでの回転数最大値NeMAXに対応して第2のダッシュポット量QDP,第2のタイマ値TDPを設定した後に、第2の空気補正量Qetcを演算した。
【0063】
しかし、エンジン回転数の所定タイミング毎の偏差を演算してRAM205に記憶し、エンジン回転数が所定回転数以上から所定回転数以下へと減速傾向にあると判定された時に記憶された偏差をRAM205より読み出し、この偏差に対応して第2のダッシュポット量QDP,第2のタイマ値TDPを設定した後に、第2の空気補正量Qetcを演算してもよい。
【0064】
或いは回転数が減速傾向にあると判定された時に、今までRAM205に記憶された各偏差を読み出しこれら偏差の移動平均値を求め、この移動平均値に対応して第2のダッシュポット量QDP,第2のタイマ値TDPを設定した後に、第2の空気補正量Qetcを演算してもよい。
【0065】
さらに、エンジン回転数が所定回転数以上から所定回転数以下へと減速したと判定される時間にに対応して第2のダッシュポット量QDP,第2のタイマ値TDPを設定した後に、第2の空気補正量Qetcを演算してもよい。
【0066】
また、本実施の形態では第2段目のダッシュポット量を設定するタイミングを所定回転数(1500rpm)としたが、本発明はこのタイミングを所定回転数と限定するものではなく、エンジン回転数が目標回転数以下に落ち込まないように前以て吸入空気量を補正できるタイミングであればよい。例えばエンジンの少なくとも暖機状態に応じて目標回転数が設定される手段を有し、実回転数と前記目標回転数との偏差を求め、前記偏差が所定値以下となった瞬間に第2段目のダッシュポット量を設定するようにしてもよい。
【0067】
実施の形態2.
上記実施の形態1は、スロットル弁全閉時(第1段目)のダッシュポット量の設定値と保持時間とを、その時のエンジン運転状態に関係なく一定値XQDP、XTDPを設定するように構成し、一定値は吸気管内負圧の急上昇が防止でき、かつ、スロットル弁全閉後のエンジン回転数への影響が最小となる最低値となるように設定している。
【0068】
しかし、実施の形態1において、エンジン回転数低下時(第2段目)のダッシュポット量の設定値と保持時間はスロットル弁全閉後のエンジン回転数の減速度に応じて変化する様に構成しているので、高速回転からの減速時等のエンジン回転数の減速度が大きい場合では、吸入空気量を短時間に大量に補正することとなる。
【0069】
そのため、吸入空気量制御手段の最大流量や、動作速度等の要因により吸入空気量を短時間に大量に補正することができない場合、前記第2段目のダッシュポット量QDPの過不足が発生し、エンジン回転数の目標回転数への収束が悪くなるという問題が生じる。
【0070】
このような現象に対して、実施の形態1の構成において、図4のステップS409に記載した第1段目のダッシュポット量の設定値QDPと保持時間TDPとを、スロットル弁全閉時のエンジン回転数に応じた値、例えば図13、14に示すような値に設定すれよい。
【0071】
この結果、スロットル全閉時に補正される吸入空気量はスロットル全閉時の回転数に応じて適切に増加され、その増加分、第2段目のダッシュポット量の設定値と保持時間との設定を実施の形態1より少なく設定することで例えば図7(丸a)、図8(丸a)で示す破線の様に設定できる。従って、吸入空気量を短時間に大量に補正することができない場合でも、エンジン回転数の目標回転数への収束はすばやく正確に実施できる。
【0072】
本実施の形態は、スロットル全閉時の回転数に応じて変更する値を第1段目のダッシュポット量の設定値と保持時間としたが、本発明は変更する値を設定値と保持時間とに限定するものではなく、スロットル全閉後に補正される吸入空気量がスロットル全閉時の回転数に応じて増減できればよい。例えば実施の形態1に記載された図6のダッシュポット量減算処理を、500msec毎と規定しているところを、スロットル全閉時の回転数に応じて100msec、1secと変更するようにしてもよい。また、図6に示すダッシュポット量減算処理内のステップS602の所定減量を(前記実施の形態1.では3[l/min])スロットル全閉時の回転数に応じて変更するようにしてもよい。
【0073】
実施の形態3.
上記実施の形態1,2において、吸入空気量の補正はエンジン1の運転状態が無負荷であるかどうかが加味されていないため、例えばエアコンディショナのコンプレッサ負荷等がエンジンに接続され、前記負荷がエンジン1にて駆動されている場合、スロットル弁全閉後のエンジン回転数の減速度が無負荷時より増加する。
【0074】
従って、エンジン1に接続された負荷を加味せず、実施の形態1,2の構成で、吸入空気量の補正を実施した場合、エンジン回転数が目標回転数よりも低下することがある。このような現象に対して、実施の形態1,2の構成に負荷検出手段、例えば、エアコンディショナのコンプレッサの動作信号を図1、2に示す電子式制御ユニット19のマイクロコンピュータ100へ図2の第3の入力インターフェイス103、入力ポート204を通して入力させることで、コンプレッサの動作信号に応じて吸入空気補正量を切り換えることもできる。
【0075】
例えば前記コンプレッサが動作中であれば、第1段目のダッシュポット量の設定時に図4のフローチャートのステップS409で設定されるXQDP1の代わりに図13の(丸a)の特性で示され値を設定し、前記コンプレッサが動作中でなければ、図4のステップS409通りに設定するように構成すれば、更に正確な吸入空気量の補正を実施できる。
【0076】
また、本実施の形態では前記負荷検出に応じて変更する値を第1段目のダッシュポット量の設定値のみとしたが、本発明は変更する値を第1段目のダッシュポット量の設定値に限定するものではなく、吸入空気量補正実施中の機関の負荷状態に応じて吸入空気補正量が増減できればよい。
【0077】
例えば第1段目のダッシュポット量の保持時間、ダッシュポット量減算処理のタイミング、またダッシュポット量減算量、もしくは前記第2段目のダッシュポット量の設定値、保持時間、ダッシュポット量減算処理のタイミング、またダッシュポット量減算量の内いずれか、または複数を組み合わせて変更するようにしてもよい。
【0078】
また、本実施の形態は、負荷検出手段をエアコンディショナの動作信号に限定するものではなく、エンジン1に接続される負荷の有無が検出できれば良く、例えば、パワーステアリング装着車のパワーアシスト実施信号(例えば油圧式の場合の油圧回路内に設けられた油圧スイッチ、または電気式の場合のモーター駆動信号等)、車両に取り付けられている電気負荷(例えばヘッドライトやリアデフォッガ等)のスイッチ入力信号、もしくは車両に接続されている発電機の発電動作信号(フィールドコイルの励磁信号)などを取り込む方法を採っても前記同様の結果が得られる。
【0079】
また、車両走行時はエンジン1が負荷運転中と判定し、前記ダッシュポット量の変更を実施してもよい。エンジン1のトルクを駆動輪に伝達/遮断(ニュートラル)する変速機を備え、この変速機によりトルク伝達を遮断状態に選ばれている時、すなわちニュートラルにシフトされている時にON、ニュートラル以外にシフトされている時にOFFとなるスイッチを設けて、このスイッチの状態信号を第3の入力インターフェイス回路103、入力ポート204を通してCPU200に入力する。
【0080】
そして、OFFの状態信号が入力されている状態で車速センサ16からの信号を所定タイミング(600[msec])毎にモニタし、所定タイミング間一度でも車速センサ16から信号が入力された時、車両走行時と判定して前記同様ダッシュポット量の設定値、保持時間、ダッシュポット量減算処理のタイミング、またダッシュポット量減算量の内いずれか、または複数を組み合わせて変更する様にしても前記同様の結果が得られる。
【0081】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、内燃機関の吸入空気量を調節するための吸入空気量制御手段と、前記内燃機関のスロットル弁が開状態から略全閉状態へ移行したことを検出する全閉検出手段と、前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、前記回転数検出手段により検出された前記内燃機関の回転数が所定回転数以上から所定回転数以下へと減速したことを検出する回転数減速検出手段と、前記全閉検出手段より前記スロットル弁が略全閉状態となったと検出された瞬間に、吸入空気量を増加させるための第1の吸入空気補正量を演算する第1の吸入空気補正量演算手段と、前記全閉検出手段より前記スロットル弁が略全閉状態となったと検出された瞬間から、前記回転数減速検出手段より前記内燃機関の回転数が所定回転数以上から所定回転数以下へと減速したと検出するまでの、前記回転数検出手段より検出された回転数の最大値に対応した、吸入空気量を増加させるための第2の吸入空気補正量を演算する第2の吸入空気補正量演算手段と、前記第1及び第2の吸入空気補正量演算手段より求められた前記第1及び第2の吸入空気補正量に応じて前記内燃機関への吸入空気量を増加する吸気量増加手段とを備えたので、インマニ負圧の上がりすぎに起因する排出ガスの悪化、オイル上がり、アフターバーン等が防止でき、かつスムーズに機関回転数を目標回転数へ収束させることが出来るという優れた効果が得られる。
【0085】
請求項2の発明によれば、前記全閉検出手段よりスロットル弁が略全閉状態となったと検出した瞬間に、前記第1の吸入空気補正量演算手段が前記第1の吸入空気補正量を第1の所定値に設定した後に、この第1の所定値を第1の所定期間保持した後、第1の所定タイミング毎に第1の所定減少量ずつゼロまで減少させるようにしたので、内燃機関の回転数を目標回転数にスムーズに収束させることができるという効果がある。
【0086】
請求項3の発明によれば、前記全閉検出手段よりスロットル弁が略全閉状態となったと検出された瞬間に、前記第1の吸入空気補正量演算手段が前記第1の所定値、第1の所定期間、第1の所定タイミング及び第1の所定減少量の内少なくとも1つを前記回転数検出手段より検出された回転数に応じて変更するようにしたので、内燃機関の回転数を目標回転数によりスムーズに収束させることができるという効果がある。
【0087】
請求項4の発明によれば、前記第2の吸入空気補正量演算手段が、前記回転数減速検出手段より回転数が所定回転数以上から所定回転数以下へと減速したと判定した瞬間に、前記第2の吸入空気補正量を第2の所定値に設定し、この第2の所定値を第2の所定期間保持した後、第2の所定タイミング毎に第2の所定減少量ずつゼロまで減少させるようにしたので、内燃機関の回転数を目標回転数にスムーズにしかも短時間で収束させることができるという効果がある。
【0088】
請求項5の発明によれば、前記回転数減速検出手段よりの回転数が所定回転数以上から所定回転数以下へと減速したと判定した瞬間に、前記第2の吸入空気補正量演算手段が、前記第2の所定値、第2の所定期間、第2の所定タイミング及び第2の所定減少量の内少なくとも1つを前記回転数検出手段より検出された回転数に応じて変更させるようにしたので、内燃機関の回転数を目標回転数によりスムーズにしかも短時間で収束させることができるという効果がある。
【0090】
請求項6の発明によれば、前記内燃機関が無負荷運転中であるか負荷運転中であるかを検出する負荷検出手段をさらに設け、前記負荷検出手段に、前記内燃機関により駆動される負荷であるエアコンディショナのコンプレッサ動作信号、パワーステアリングの動作信号、車両に取り付けられている電気負荷動作信号、前記内燃機関により駆動される発電機の動作信号の内少なくとも1つを検出する信号検出機能、及び車両が走行中であるか、停車中であるかを判定する車両走行判定機能を設け、前記信号検出機能による検出信号、あるいは前記車両走行判定機能による車両走行判定結果に基づいて、前記第1の所定値、第1の所定期間、第1の所定タイミング及び第1の所定減少量の内少なくとも1つ変更するか、あるいは前記第2の所定値、第2の所定期間、第2の所定タイミング及び第2の所定減少量の内少なくとも1つ変更するようにしたので、機関負荷に応じて前記減速時の吸入空気補正量を設定する様にすれば更にスムーズに回転数を目標回転数まで低下させることができるという効果がある。
【0091】
請求項7の発明によれば、前記負荷検出手段の前記車両走行判定機能が、車両の走行速度を検出すると共に、変速機が前記内燃機関と車輪とのトルク伝達或いはトルク伝達を遮断していることを検出し、車速が所定値以上、かつ前記変速機が前記内燃機関と車輪とのトルク伝達検出時に負荷運転による車両走行中であると判定するようにしたので、車両の負荷運転時であってもスムーズに回転数を目標回転数まで低下させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施の形態による内燃機関の吸入空気量制御装置を示すシステム構成図である。
【図2】 この発明の電子式制御ユニットの構成図である。
【図3】 この発明の電子式制御ユニット内の処理内容を説明するためのフローチャートである。
【図4】 この発明のバイパスエア制御弁の制御量演算処理の内容を説明するためのフローチャートである。
【図5】 この発明のタイマ処理の内容を説明するためのフローチャートである。
【図6】 この発明のダッシュポット量減算処理の内容を説明するためのフローチャートである。
【図7】 この発明の一実施の形態のエンジン回転数最大値と2段目のダッシュポット設定値との関係を説明するための特性図である。
【図8】 この発明の一実施の形態のエンジン回転数最大値と2段目のダッシュポット保持時間との関係を説明するための特性図である。
【図9】 この発明の一実施の形態のバイパスエア制御弁の流量特性を示す特性図である。
【図10】 この発明のバイパスエア制御弁駆動処理の内容を説明するためのフローチャートである。
【図11】 この発明の一実施の形態の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図12】 この発明の一実施の形態の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図13】 この発明の一実施の形態のエンジン回転数最大値と1段目のダッシュポット設定値との関係を説明するための特性図である。
【図14】 この発明の一実施の形態のエンジン回転数最大値と2段目のダッシュポット保持時間との関係を説明するための特性図である。
【符号の説明】
1 内燃機関、6 圧力センサ、7 スロットル弁、9 アイドルスイッチ、10 バイパスエア制御弁、12 クランク角センサ、14 水温センサ、19
電子式制御ユニット。
Claims (7)
- 内燃機関の吸入空気量を調節するための吸入空気量制御手段と、
前記内燃機関のスロットル弁が開状態から略全閉状態へ移行したことを検出する全閉検出手段と、
前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、
前記回転数検出手段により検出された前記内燃機関の回転数が所定回転数以上から所定回転数以下へと減速したことを検出する回転数減速検出手段と、
前記全閉検出手段より前記スロットル弁が略全閉状態となったと検出された瞬間に、吸入空気量を増加させるための第1の吸入空気補正量を演算する第1の吸入空気補正量演算手段と、
前記全閉検出手段より前記スロットル弁が略全閉状態となったと検出された瞬間から、前記回転数減速検出手段より前記内燃機関の回転数が所定回転数以上から所定回転数以下へと減速したと検出するまでの、前記回転数検出手段より検出された回転数の最大値に対応した、吸入空気量を増加させるための第2の吸入空気補正量を演算する第2の吸入空気補正量演算手段と、
前記第1及び第2の吸入空気補正量演算手段より求められた前記第1及び第2の吸入空気補正量に応じて前記内燃機関への吸入空気量を増加する吸気量増加手段と
を備えたことを特徴とする内燃機関の吸入空気量制御装置。 - 前記第1の吸入空気補正量演算手段は、前記全閉検出手段より前記スロットル弁が略全閉状態となったと検出された瞬間に、前記第1の吸入空気補正量を第1の所定値に設定した後に、この第1の所定値を第1の所定期間保持した後、第1の所定タイミング毎に第1の所定減少量ずつゼロまで減少する
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置。 - 前記第1の吸入空気補正量演算手段は、前記第1の所定値、第1の所定期間、第1の所定タイミング及び第1の所定減少量の内少なくとも1つを、前記全閉検出手段より前記スロットル弁が略全閉状態となったと検出された瞬間に前記回転数検出手段より検出された回転数に応じて変更する
ことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置。 - 前記第2の吸入空気補正量演算手段は、前記回転数減速検出手段より前記内燃機関の回転数が所定回転数以上から所定回転数以下へと減速したと検出した瞬間に、前記第2の吸入空気補正量を第2の所定値に設定し、この第2の所定値を第2の所定期間保持した後、第2の所定タイミング毎に第2の所定減少量ずつゼロまで減少する
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置。 - 前記第2の吸入空気補正量演算手段は、前記第2の所定値、第2の所定期間、第2の所定タイミング及び第2の所定減少量の内少なくとも1つを、前記回転数減速検出手段より前記内燃機関の回転数が所定回転数以上から所定回転数以下へと減速したと検出した瞬間に前記回転数検出手段より検出された回転数に応じて変更する
ことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置。 - 前記内燃機関が無負荷運転中であるか負荷運転中であるかを検出する負荷検出手段をさらに備え、
前記負荷検出手段は、前記内燃機関により駆動される負荷であるエアコンディショナのコンプレッサ動作信号、パワーステアリングの動作信号、車両に取り付けられている電気負荷動作信号、前記内燃機関により駆動される発電機の動作信号の内少なくとも1つを検出する信号検出機能、及び車両が走行中であるか、停車中であるかを判定する車両走行判定機能を有し、前記信号検出機能による検出信号、あるいは前記車両走行判定機能による車両走行判定結果に基づいて、前記第1の所定値、第1の所定期間、第1の所定タイミング及び第1の所定減少量の内少なくとも1つ変更するか、あるいは前記第2の所定値、第2の所定期間、第2の所定タイミング及び第2の所定減少量の内少なくとも1つ変更する
ことを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の内燃機関の吸入空気量制御装置。 - 前記負荷検出手段の前記車両走行判定機能は、車両の走行速度を検出すると共に、変速機が前記内燃機関と車輪とのトルク伝達或いはトルク伝達を遮断していることを検出し、車速が所定値以上、かつ前記変速機が前記内燃機関と車輪とのトルク伝達検出時に負荷運転による車両走行中であると判定する
ことを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置。
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