JP3747623B2 - 車両の挙動制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の挙動制御装置に関するものであり、特に、走行時における車両のドリフトアウトやスピン等の異常な車両挙動を抑制するための車両の挙動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両のドリフトアウトやスピン等の不安定状態の発生を検出して該ドリフトアウトやスピンを抑制するように車両の挙動を制御する従来の制御装置は、該挙動制御を行う際の基準となる基準値を、車速、操舵角、路面μ又は挙動制御の開始頻度に応じて可変していた。例えば、特開平6−115418号公報では、旋回状態量の実際値と目標値との差が基準値より大きくなると車両の駆動・制動力の配分を制御する配分制御において、上記基準値を車速に応じて可変するようにした駆動・制動力配分制御装置が開示されている。
【0003】
また、特開平7−215190号公報では、車速、操舵角及び操舵角速度等の車両の走行状態、走行路面の摩擦係数等の走行環境、車両状態の不安定領域内への侵入度合に応じて車両の挙動修正制御を変更することにより車両の挙動修正制御を的確に行うようにした車両の挙動制御装置が開示されている。更に、特開平8−80823号公報では、車両の挙動制御の作動頻度に応じて挙動制御開始のしきい値を制御したり、スピン状態量の変化に応じて挙動制御量を制御する車両の挙動制御装置が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、車両の挙動制御開始のしきい値を、車速、操舵角、路面μ又は挙動制御の作動頻度で可変していたが、挙動制御が実施されているときと実施されていないときとではしきい値が同じであり、オーバステアからアンダステア、アンダステアからオーバステアの切り替わり時、又はステアリングの操舵により、オーバステアから逆旋回方向のオーバステアへの切り替わり時において、挙動制御の開始が遅れるという問題があった。また、ABS制御又はトラクションコントロールシステムによる制御(以下、TCS制御と呼ぶ)が行われているか否かにかかわらず挙動制御開始のしきい値が同じであるため、ABS制御やTCS制御が行われ車両が安定限界付近にある場合に、挙動制御の開始が遅れるという問題があった。
【0005】
一方、ドライバによる操舵操作が加味されていないため、ドライバの意志とは逆に挙動制御が不要に開始されるという問題があった。更に、センサノイズ等によって偏差が擬似的に大きくなった場合に、不要に挙動制御が開始されるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、車両の挙動制御開始の遅れを改善することができると共に、ノイズ等によって不要な挙動制御が開始されることを防止し、ドライバの意志とは逆に不要な挙動制御が開始されることを防止することができる車両の挙動制御装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る車両の挙動制御装置は、各種センサから得られるデータを基にして算出される目標ヨーレートとヨーレートセンサから得られる車両のヨーレートとの偏差から、車両のオーバステア又はアンダステアの判定を行い、オーバステア又はアンダステア状態であると判定すると、オーバステア又はアンダステア状態を解消するために、それぞれ所定の制動力制御及び駆動力制御を行って車両の挙動制御を行う挙動制御装置において、
上記偏差を算出すると共に該算出した偏差と車両の状態を判定するための各しきい値とを比較し、車両のオーバステア及びアンダステアを判定する車両状態演算部を備え、
該車両状態演算部は、上記各しきい値を、過去所定時間内に車両のTCS制御が開始された場合、該TCS制御が開始されていないときよりも、上記挙動制御が開始されるタイミングを早めるように変えるものである。
【0010】
また、この発明に係る車両の挙動制御装置は、各種センサから得られるデータを基にして算出される目標ヨーレートとヨーレートセンサから得られる車両のヨーレートとの偏差から、車両のオーバステア又はアンダステアの判定を行い、オーバステア又はアンダステア状態であると判定すると、オーバステア又はアンダステア状態を解消するために、それぞれ所定の制動力制御及び駆動力制御を行って車両の挙動制御を行う挙動制御装置において、
上記偏差を算出すると共に該算出した偏差と車両の状態を判定するための各しきい値とを比較し、車両のオーバステア及びアンダステアを判定する車両状態演算部を備え、
車両状態演算部は、ステアリングの操舵角を検出する舵角センサよりステアリングの切り戻しを検出すると、該切り戻しを検出しなかったときよりも、アンダステアの判定に使用するしきい値を、上記挙動制御が開始されるタイミングを遅くするように変えるものである
【0011】
また、この発明に係る車両の挙動制御装置は、各種センサから得られるデータを基にして算出される目標ヨーレートとヨーレートセンサから得られる車両のヨーレートとの偏差から、車両のオーバステア又はアンダステアの判定を行い、オーバステア又はアンダステア状態であると判定すると、オーバステア又はアンダステア状態を解消するために、それぞれ所定の制動力制御及び駆動力制御を行って車両の挙動制御を行う挙動制御装置において、
上記偏差を算出すると共に該算出した偏差と車両の状態を判定するための各しきい値とを比較し、車両のオーバステア及びアンダステアを判定する車両状態演算部を備え、
車両状態演算部は、ステアリングの操舵角を検出する舵角センサよりステアリングの切り増しを検出すると、該切り増しを検出しなかったときよりも、オーバステアの判定に使用するしきい値を、上記挙動制御が開始されるタイミングを遅くするように変えるものである
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、図面に示す実施の形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における車両の挙動制御装置の例を示した概略のブロック図である。
【0013】
図1において、車両の挙動制御装置1は、各車輪の車輪速度を検出する車輪速センサ2、ステアリングの操舵角を検出する舵角センサ3、車両に発生しているヨーレートを検出するヨーレートセンサ4、スロットル開度を検出するスロットルセンサ6及び車両の横方向の加減速度を検出する横加速度センサ7の各種センサと、該各センサからの入力信号より車両の状態を判定するための様々なデータを算出すると共に該算出したデータからABS(アンチロックブレーキシステム)制御、TCS(トラクションシステム)制御、オーバステア状態を解消するように行われる制御であるオーバステア制御及びアンダステア状態を解消するように行われる制御であるアンダステア制御の実施判定を行う車両状態演算部8とを備えている。
【0014】
更に、車両の挙動制御装置1は、車両状態演算部8からの様々なデータ及び各種判定から各車輪に対する制動力の制御量を算出する制動力演算部9と、車両状態演算部8からの各データ及び各種判定から駆動力の制御量を算出する駆動力演算部10と、制動力演算部9で算出された制動力の制御量から各車輪のブレーキ制御を行うブレーキアクチュエータ11と、駆動力演算部10で算出された駆動力の制御量からスロットルの制御を行うスロットルアクチュエータ12とを備えている。
【0015】
車輪速センサ2、舵角センサ3、ヨーレートセンサ4、スロットルセンサ6及び横加速度センサ7は、それぞれ車両状態演算部8に接続され、該車両状態演算部8は制動力演算部9及び駆動力演算部10にそれぞれ接続され、制動力演算部9はブレーキアクチュエータ11に、駆動力演算部10はスロットルアクチュエータ12に接続されている。
【0016】
このような構成において、車両状態演算部8は、車輪速センサ2からの入力信号より得られた各車輪の車輪速度から車体速度Vを算出すると共に、舵角センサ3からの入力信号よりステアリング舵角δを、ヨーレートセンサ4からの入力信号より実ヨーレートωrを、スロットルセンサ6からの入力信号よりスロットル開度を、横加速度センサ7からの入力信号より横方向減速度Gyをそれぞれ得る。車両状態演算部8は、これら各センサからのそれぞれの入力信号から得られた各値より、車両の状態を判定するための様々なデータの算出を行い、該算出した各データからABS制御、TCS制御、オーバステア制御及びアンダステア制御の実施判定を行う。
【0017】
制動力演算部9は、車両状態演算部8で算出された各データ及び制御実施判定から各車輪の制動力の制御量を算出してブレーキアクチュエータ11の制御を行う。また、駆動力演算部10は、車両状態演算部8で算出された各データ及び制御実施判定から駆動力の制御量を算出してスロットルアクチュエータ12の制御を行う。
【0018】
次に、車両状態演算部8によるオーバステア制御及びアンダステア制御からなる車両の挙動制御の実施判定方法について説明する。なお、車両状態演算部8によるABS制御及びTCS制御の実施判定方法については公知であるのでその説明を省略する。
車両状態演算部8は、上記各センサから得られた値の内、車体速度V及びステアリング舵角δから公知の車両モデルを用いて目標ヨーレートωtを算出する。
【0019】
車両状態演算部8は、目標ヨーレートωtとヨーレートセンサ4から得られた実ヨーレートωrとの偏差であるヨーレート偏差Δωを算出する。ヨーレート偏差Δωは下記(1)式より算出される。
Δω=ωr−ωt ……………………………………(1)
【0020】
例えば、ヨーレートセンサ4の極性が左回りのときに正、右回りのときに負とすると、車両状態演算部8は、車両が左旋回を行っている場合、算出したヨーレート偏差Δωが、正の値であるオーバステアしきい値Thosを超えるとオーバステア制御開始判定を行い、ヨーレート偏差Δωが、負の値であるアンダステアしきい値Thus未満であるとアンダステア制御開始判定を行う。また、車両が右旋回を行っている場合、車両状態演算部8は、算出したヨーレート偏差Δωが、負の値であるオーバステアしきい値Thos未満であるとオーバステア制御開始判定を行い、ヨーレート偏差Δωが、正の値であるアンダステアしきい値Thusを超えるとアンダステア制御開始判定を行う。
【0021】
制動力演算部9及び駆動力演算部10は、ブレーキアクチュエータ11及びスロットルアクチュエータ12に対して、車両状態演算部8がオーバステア制御開始判定を行うと所定のオーバステア制御を行わせ、車両状態演算部8がアンダステア制御開始判定を行うと所定のアンダステア制御を行わせる。
【0022】
オーバステア制御として、制動力演算部9は、オーバステア状態を解消するために外前輪に付加する制動力制動量を算出する。該制動力制御量は、ヨーレート偏差Δωが大きい、すなわちオーバステアの度合いが大きいときほど大きい値が、ヨーレート偏差Δωが小さい、すなわちオーバステアの度合いが小さいときほど小さい値が算出される。同時に、駆動力演算部10は、所定の方法で駆動力制御量を算出し、例えば駆動力を減少させるようにする。
【0023】
また、アンダステア制御として、制動力演算部9は、アンダステア状態を解消するために内後輪に付加する制動力制動量を算出する。該制動力制御量は、ヨーレート偏差Δωが大きい、すなわちアンダステアの度合いが大きいときほど大きい値が、ヨーレート偏差Δωが小さい、すなわちアンダステアの度合いが小さいときほど小さい値が算出される。同時に、駆動力演算部10は、所定の方法で駆動力制御量を算出し、例えば駆動力を減少させるようにする。
【0024】
一方、車両状態演算部8は、車両がオーバステア又はアンダステアになりやすい状態にあるか否かによって、オーバステアしきい値Thos及びアンダステアしきい値Thusを可変する。例えば、すでにオーバステア制御又はアンダステア制御が行われている場合及びABS制御又はTCS制御が行われている場合、それぞれ車両は安定限界領域の近くにあり、このような場合、車両はオーバステアとなってスピンしたり、アンダステアとなってドリフトアウトしやすくなっている。このことから、車両状態演算部8は、所定時間内に、オーバステア制御、アンダステア制御、ABS制御又はTCS制御のいずれかが実施されている場合は、実施されていない場合よりもオーバステアしきい値Thos及びアンダステアしきい値Thusの絶対値をそれぞれ小さく設定する。
【0025】
また、車両状態演算部8は、車体速度Vが大きいときは小さいときに比べて車両が不安定になりやすくなっていることから、車体速度Vが所定値V1を超えているときは車体速度Vが所定値V1以下のときよりもオーバステアしきい値Thos及びアンダステアしきい値Thusの絶対値をそれぞれ小さく設定する。更に、車両状態演算部8は、横方向の減速度Gyが大きいほど路面の摩擦係数μが大きく車両の横滑りは起きにくいことから、横方向の減速度Gyの微分値ΔGyが所定値dGy1以上のときは所定値dGy1未満のときよりもオーバステアしきい値Thos及びアンダステアしきい値Thusの絶対値をそれぞれ大きく設定する。
【0026】
一方、ノイズによってヨーレートセンサ4からの入力信号が大きく変化する場合があり、このようなノイズの影響を受けないようにするため、車両状態演算部8は、実ヨーレートωrの微分値Δωrが所定値dω1以上のときは所定値dω1未満のときよりもオーバステアしきい値Thos及びアンダステアしきい値Thusの絶対値をそれぞれ大きく設定する。
【0027】
また、ステアリング切り増し時に誤ってオーバステア状態であると判定しないように、車両状態演算部8は、ステアリング切り増し時にはステアリング切り増しを行っていないときよりもオーバステアしきい値Thosの絶対値をそれぞれ大きく設定する。更に、ステアリング切り戻し時に誤ってアンダステア状態であると判定しないように、車両状態演算部8は、ステアリング切り戻し時にはステアリング切り戻しを行っていないときよりもアンダステアしきい値Thusの絶対値をそれぞれ大きく設定する。
【0028】
次に、図2は、図1で示した車両の挙動制御装置1の動作例を示したフローチャートであり、図3は、図2におけるしきい値設定のルーチンを示したフローチャートである。図2及びを用いて車両の挙動制御装置1の動作についてもう少し詳細に説明する。
【0029】
図2において、ステップS1で、車両状態演算部8は、車輪速センサ2からの入力信号より得られる各車輪の車輪速度から車体速度Vを算出すると共に、舵角センサ3からの入力信号よりステアリング舵角δを、ヨーレートセンサ4からの入力信号より実ヨーレートωrを、スロットルセンサ6からの入力信号よりスロットル開度を、横加速度センサ7からの入力信号より横方向減速度Gyをそれぞれ得る。次に、車両状態演算部8は、ステップS2で、上記車体速度Vとステアリング舵角δから目標ヨーレートωtを算出し、ステップS3において、ステップS1で得た実ヨーレートωr及びステップS2で算出した目標ヨーレートωtからヨーレート偏差Δωを算出する。次に、ステップS4で、車両状態演算部8は、オーバステアしきい値Thos及びアンダステアしきい値Thusの各しきい値を算出して設定する。
【0030】
ここで、上記ステップS4で示した車両状態演算部8によるしきい値Thos及びThusの算出設定例を、図3のフローチャートを用いて説明する。なお、特に明記しない限り、図3で行われる処理はすべて車両状態演算部8で行われるものである。
【0031】
図3において、最初にステップS11で、車体速度V、横加速度Gy及びステアリング舵角δに応じてあらかじめ設定されたオーバステアしきい値テーブルから、オーバステアしきい値Thosの絶対値C1を読み込むと共に、車体速度V、横加速度Gy及びステアリング舵角δに応じてあらかじめ設定されたアンダステアしきい値テーブルから、アンダステアしきい値Thusの絶対値C2を読み込む。次に、ステップS12で、過去所定時間内に、オーバステア制御、アンダステア制御、ABS制御又はTCS制御が実施されたか否かを調べ、実施された場合(YES)はステップS14に進み、実施されなかった場合(NO)は、ステップS13に進む。
【0032】
ステップS13において、ステップS11のオーバステアしきい値Thosの絶対値を所定値k1(k1>0)大きくした値、すなわち所定値C1に所定値k1を加算した値にオーバステアしきい値Thosの絶対値を設定すると共に、アンダステアしきい値Thusの絶対値を所定値m1(m1>0)大きくした値、すなわち所定値C2に所定値m1を加算した値にアンダステアしきい値Thusの絶対値を設定して、ステップS14に進む。ステップS14で、実ヨーレートωrの微分値Δωrを算出する。次に、ステップS15で、実ヨーレートωrの微分値Δωrが所定値dω1未満であるか否かを調べ、所定値dω1未満であれば(YES)、ステップS17に進み、所定値dω1未満でなければ(NO)、ステップS16に進む。
【0033】
ステップS16で、オーバステアしきい値Thosの絶対値を所定値k2(k2>0)大きくした値にオーバステアしきい値Thosの絶対値を設定すると共に、アンダステアしきい値Thusの絶対値を所定値m2(m2>0)大きくした値にアンダステアしきい値Thusの絶対値を設定して、ステップS17に進む。ここで、ステップS16における所定値k2及びm2は、例えばΔωrに比例して大きくなるように設定してもよい。また、ステップS16における所定値k2及びm2を一定値にしてもよい。
【0034】
次に、ステップS17で、舵角センサ3から得られるステアリング舵角δより、ステアリングの切り増し及び切り戻しの判定を行う。ステップS18で、ステアリングの切り増しが行われたか否かの判定を行い、切り増しが行われたと判定すると(YES)、ステップS19に進み、オーバステアしきい値Thosの絶対値を所定値k3(k3>0)大きくした値にオーバステアしきい値Thosの絶対値を設定して、本フローは終了し図2のステップS5に進む。
【0035】
また、ステップS18で、切り増しが行われていないと判定すると(NO)、ステップS20に進み、ステアリングの切り戻しが行われたか否かの判定を行い、切り戻しが行われていないと判定すると(NO)、本フローは終了し図2のステップS5に進む。また、ステップS20で、切り戻しが行われたと判定すると(YES)、ステップS21に進み、アンダステアしきい値Thusの絶対値を所定値m3(m3>0)大きくした値にアンダステアしきい値Thusの絶対値を設定して、本フローは終了し図2のステップS5に進む。
【0036】
なお、図3で示したように、算出されるオーバステアしきい値Thos及びアンダステアしきい値Thusの各絶対値において、オーバステアしきい値Thosの絶対値に加算される所定値k1〜k3の総和、及びアンダステアしきい値Thusの絶対値に加算される所定値m1〜m3の総和をそれぞれ制限するようにしてもよい。すなわちオーバステアしきい値Thos及びアンダステアしきい値Thusの各絶対値を所定の上限値よりも大きくならないように制限してもよい。
【0037】
次に、図2に戻り、ステップS5で、車両状態演算部8は、ステップS3で算出したヨーレート偏差ΔωとステップS4で設定されたオーバステアしきい値Thosとの比較を行い、オーバステア制御を開始するか否かの判定を行う。例えば、ヨーレートセンサ4の極性が左回りのとき正、右回りのときに負であるとすると、左旋回時においては、オーバステアしきい値Thosは正の値となり、ヨーレート偏差Δωがオーバステアしきい値Thosを超えているか否かを調べ、ヨーレート偏差Δωがオーバステアしきい値Thosを超え、オーバステア制御を開始する判定を行うと(YES)、ステップS6に進む。
【0038】
ステップS6で、車両状態演算部8のオーバステア制御開始判定により、制動力演算部9は外前輪制動力の制御量の算出を行い、駆動力演算部10は駆動力の制御量を算出する。なお、制動力及び駆動力の制御量は、例えばヨーレート偏差Δωに比例した値として設定される。また、該制御量に上限値を設けてもよい。次に、ステップS7で、制動力演算部9は該算出した制動量の外前輪制動力制御の実施をブレーキアクチュエータ11に実行させ、駆動力演算部10は駆動量の駆動制御の実施をスロットルアクチュエータに実行させて本フローは終了する。
【0039】
また、ステップS5で、例えばヨーレート偏差Δωがオーバステアしきい値Thos以下であって、オーバステア制御開始の判定が行われなかった場合(NO)、ステップS8に進む。ステップS8で、車両状態演算部8は、ステップS3で算出したヨーレート偏差ΔωとステップS4で設定されたアンダステアしきい値Thusとの比較を行い、アンダステア制御を開始するか否かの判定を行う。例えば、ヨーレートセンサ4の極性が左回りのとき正、右回りのときに負であるとすると、左旋回時においては、アンダステアしきい値Thusは負の値となり、ヨーレート偏差Δωがアンダステアしきい値Thos未満であるか否かを調べ、ヨーレート偏差Δωがアンダステアしきい値Thus未満であり、アンダステア制御を開始する判定を行うと(YES)、ステップS9に進む。
【0040】
ステップS9で、車両状態演算部8のアンダステア制御開始判定により、制動力演算部9は内後輪制動力の制動量の算出を行い、駆動力演算部10は駆動力の制御量を算出した後、ステップS7の処理を行ってステップS1に戻る。なお、制動力及び駆動力の制御量は、例えばヨーレート偏差Δωに比例した値として設定される。また、該制御量に上限値を設けてもよい。また、ステップS8で、例えばヨーレート偏差Δωがアンダステアしきい値Thus以上であって、アンダステア制御開始の判定が行われなかった場合(NO)、ステップS1に戻る。
【0041】
このように、本実施の形態1における車両の挙動制御装置は、車両状態演算部8が、車両がオーバステア又はアンダステアになりやすい状態となりにくい状態とで、オーバステアしきい値Thos及びアンダステアしきい値Thusの値を変えるようにし、オーバステア又はアンダステアが起きやすい状態にあるときは各しきい値Thos及びThusの絶対値を小さくして、オーバステア制御及びアンダステア制御が開始されやすいようにした。
【0042】
具体的には、車両状態演算部8は、オーバステア制御、アンダステア制御、ABS制御又はTCS制御が過去所定時間内に行われている場合、該各制御が行われていなかったときよりも小さくなるように各しきい値Thos及びThusの絶対値をそれぞれ設定した。このことから、車両の不安定状態を予測して車両の挙動制御であるオーバステア制御及びアンダステア制御が開始されやすくするようにしたため、車両の挙動制御開始の遅れによるドリフトアウトやスピンの発生を防止することができる。
【0043】
また、車両状態演算部8は、実ヨーレートωrの微分値Δωrが大きいときは該微分値Δωrが小さいときよりも大きくなるように各しきい値Thos及びThusの絶対値をそれぞれ設定した。これらのことから、ノイズ等によって発生する、実ヨーレートωrの急激な変化による不要な挙動制御の開始を防止することができる。
【0044】
一方、車両状態演算部8は、ステアリングの切り増し及び切り戻しの検出を行い、ステアリングの切り増しを検出すると切り増しを検出しなかったときよりも大きくなるようにオーバステアしきい値Thosの絶対値を設定する。更に、車両状態演算部8は、ステアリングの切り戻しを検出すると切り戻しを検出しなかったときよりも大きくなるようにアンダステアしきい値Thusの絶対値を設定する。これらのことから、ステアリング切り増し及び切り戻し時における不要な挙動制御の開始を防止することができる。
【0045】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、本発明の車両の挙動制御装置によれば、車両状態演算部は、車両がオーバステア又はアンダステアになりやすい状態と、なりにくい状態とで、オーバステア及びアンダステアの判定に使用する各しきい値を変え、過去所定時間内にオーバステア若しくはアンダステアの判定に伴う所定の挙動制御、又は車両のTCS制御が実施されて、車両がオーバステア又はアンダステアを起こしやすい状態にあるとき、オーバステア又はアンダステアの判定に使用する各しきい値を、オーバステア又はアンダステアに伴って行われる所定の挙動制御が開始されやすくなるように変える。このことから、車両がオーバステア又はアンダステアになりやすい状態にあるときは、オーバステア又はアンダステア状態時に対して行われる所定の挙動制御が開始されやすくしたため、車両の挙動制御開始の遅れによるドリフトアウトやスピンの発生を防止することができる。
【0046】
また、車両状態演算部は、ヨーレートセンサから得られる車両のヨーレートの変化が急激に大きくなったときは、オーバステア又はアンダステアの判定に使用する各しきい値を、オーバステア又はアンダステアに伴って行われる所定の挙動制御が開始されにくくなるように変える。これらのことから、ノイズ等によって発生する、ヨーレートセンサから得られる車両のヨーレートの急激な変化による不要な挙動制御の開始を防止することができる。
【0047】
また、車両状態演算部は、ステアリングの切り戻しの検出を行い、ステアリングの切り戻しを検出すると切り戻しを検出しなかったときよりもアンダステアの判定に使用するしきい値を、アンダステアに伴って行われる所定の挙動制御が開始されにくくなるように変える。このことから、ステアリングの切り戻し時における不要な挙動制御の開始を防止することができる。
【0048】
また、車両状態演算部は、ステアリングの切り増しの検出を行い、ステアリングの切り増しを検出すると切り増しを検出しなかったときよりもオーバステアの判定に使用するしきい値を、オーバステアに伴って行われる所定の挙動制御が開始されにくくなるように変える。このことから、ステアリングの切り増し時における不要な挙動制御の開始を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1における車両の挙動制御装置の例を示した概略のブロック図である。
【図2】 図1で示した車両の挙動制御装置1の動作例を示したフローチャートである。
【図3】 図2におけるしきい値設定のルーチンを示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 車両の挙動制御装置
2 車輪速センサ
3 舵角センサ
4 ヨーレートセンサ
6 スロットルセンサ
7 横加速度センサ
8 車両状態演算部
9 制動力演算部
10 駆動力演算部
11 ブレーキアクチュエータ
12 スロットルアクチュエータ

Claims (3)

  1. 各種センサから得られるデータを基にして算出される目標ヨーレートとヨーレートセンサから得られる車両のヨーレートとの偏差から、車両のオーバステア又はアンダステアの判定を行い、オーバステア又はアンダステア状態であると判定すると、オーバステア又はアンダステア状態を解消するために、それぞれ所定の制動力制御及び駆動力制御を行って車両の挙動制御を行う挙動制御装置において、
    上記偏差を算出すると共に該算出した偏差と車両の状態を判定するための各しきい値とを比較し、車両のオーバステア及びアンダステアを判定する車両状態演算部を備え、
    該車両状態演算部は、上記各しきい値を、過去所定時間内に車両のTCS制御が開始された場合、該TCS制御が開始されていないときよりも、上記挙動制御が開始されるタイミングを早めるように変えることを特徴とする車両の挙動制御装置。
  2. 各種センサから得られるデータを基にして算出される目標ヨーレートとヨーレートセンサから得られる車両のヨーレートとの偏差から、車両のオーバステア又はアンダステアの判定を行い、オーバステア又はアンダステア状態であると判定すると、オーバステア又はアンダステア状態を解消するために、それぞれ所定の制動力制御及び駆動力制御を行って車両の挙動制御を行う挙動制御装置において、
    上記偏差を算出すると共に該算出した偏差と車両の状態を判定するための各しきい値とを比較し、車両のオーバステア及びアンダステアを判定する車両状態演算部を備え、
    該車両状態演算部は、ステアリングの操舵角を検出する舵角センサよりステアリングの切り戻しを検出すると、該切り戻しを検出しなかったときよりも、アンダステアの判定に使用するしきい値を、上記挙動制御が開始されるタイミングを遅くするように変えることを特徴とする車両の挙動制御装置。
  3. 各種センサから得られるデータを基にして算出される目標ヨーレートとヨーレートセンサから得られる車両のヨーレートとの偏差から、車両のオーバステア又はアンダステアの判定を行い、オーバステア又はアンダステア状態であると判定すると、オーバステア又はアンダステア状態を解消するために、それぞれ所定の制動力制御及び駆動力制御を行って車両の挙動制御を行う挙動制御装置において、
    上記偏差を算出すると共に該算出した偏差と車両の状態を判定するための各しきい値とを比較し、車両のオーバステア及びアンダステアを判定する車両状態演算部を備え、
    車両状態演算部は、ステアリングの操舵角を検出する舵角センサよりステアリングの切り増しを検出すると、該切り増しを検出しなかったときよりも、オーバステアの判定に使用するしきい値を、上記挙動制御が開始されるタイミングを遅くするように変えることを特徴とする車両の挙動制御装置。
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