JP3743239B2 - スクータ型自動二輪車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクータ型自動二輪車に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、スクータ型の自動二輪車は車体およびエンジンの大型化により、従来からのエンジンと動力伝導部とを一体化したスイング式エンジンユニットを車体にスイング自在に取り付ける方法は適用が困難になってきている。その理由としては、エンジンの大型化に伴ってエンジンユニットが長くなり、車両の全長が長くなってしまうと共に、車両の重心が後方に寄ってしまい、前輪分担荷重が減って操舵性および走行安定性が低下するといった問題がある。
【0003】
そこで、近年、エンジン本体を車体側に固定し、動力伝導部のみを車体にスイング自在に取り付けることによりエンジン本体を車体の前方寄りに配置可能にしたものがある(例えば特開平11−129969号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スクータ型自動二輪車は運転シートの前方が下方に大きく略U字状に湾曲して車体の幅方向に延びる足通し空間を形成する独特の外観形状を有するため、エンジン本体を車体の前方寄りに配置するとこの足通し空間に干渉するおそれがある。
【0005】
特に、エンジンの大型化に伴ってシリンダを並列多気筒に配列した場合、足通し空間の底部に形成される、運転者が足を載せるためのライダ用フットレストフロアにまで干渉し、乗車フィーリングおよび操縦性に影響を与えると共に、前面投影面積が大きくなって空気抵抗が増えるおそれがある。
【0006】
また、エンジン本体を車体の前方寄りに配置すると吸気系の取り廻しが複雑になり、吸気通路が非直線状態となって出力アップの妨げになる。
【0007】
一方、エンジンはその内部にクランクシャフト以外に多くのシャフト類が設けられる。例えばVベルト式自動変速装置を有するエンジンは、クランクシャフト以外にドライブプーリを備えたドライブシャフトやドリブンプーリを備えたドリブンシャフトが設けられる。また、バランサ装置を有するエンジンは、クランクシャフト以外にバランサウェイト備えたバランサシャフトが設けられる。そして、これらの多くのシャフトを車体の前方寄りに配置されるエンジン内に設けるにはエンジンのクランクケースを三分割する必要があり、コストアップに繋がる。
【0008】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、エンジンの簡素化およびコンパクト化ならびに重量およびコストの削減を図ったスクータ型自動二輪車を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の他の目的は走行安定性の向上を図ったスクータ型自動二輪車を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスクータ型自動二輪車は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、前輪を左右に操舵可能に支持するヘッドパイプと乗員着座用の運転シートとの間の車体フレームおよび車体カバーを下方に略U字状に湾曲させて車体の幅方向に延びる足通し空間を形成したスクータ型自動二輪車において、上記車体フレームにエンジンを固定し、後輪を保持する伝導ユニットを上記エンジンの後部に配置して上記車体フレームにスイング自在に枢着すると共に、上記エンジンは上下に二分割されるクランクケースを有し、このクランクケースの合せ面に前方から順にバランサシャフト、クランクシャフト、ドライブシャフトおよびドリブンシャフトを略水平な一直線上に配置したものである。
【0011】
また、上述した課題を解決するために、請求項2に記載したように、上記クランクシャフトを上記運転シートの前端より後方寄りに配置したものである。
【0012】
さらに、上述した課題を解決するために、請求項3に記載したように、上記クランクケース上にシリンダアッセンブリを略上方に向かって立設し、このシリンダアッセンブリの後方、上記クランクケース上方の空間にエアクリーナを配置したものである。
【0013】
さらにまた、上述した課題を解決するために、請求項4に記載したように、上記シリンダアッセンブリのシリンダ軸を後方に向かって傾斜させたものである。
【0014】
そして、上述した課題を解決するために、請求項5に記載したように、上記伝導ユニットを支持するショックアブソーバを側面視で上記エンジン後部の上方、且つ平面視で上記伝導ユニットの上方に配置したものである。
【0015】
そしてまた、上述した課題を解決するために、請求項6に記載したように、上記伝導ユニットを車体の前後に延びる中心線から一側にオフセットして配置すると共に、マフラおよびバッテリを、上記中心線を挟んで上記伝導ユニットの反対側に配置する一方、上記バッテリを側面視で上記エアクリーナと、上記伝導ユニットと、上記マフラと、上記後輪とに囲まれた空間に配置したものである。
【0016】
さらに、上述した課題を解決するために、請求項7に記載したように、上記前輪と上記エンジンとの間にラジエターを配置すると共に、上記車体カバーの上記ラジエター直前に冷却風の取入口を形成し、上記ラジエター直上の配置物の下部と、上記冷却風の取入口に臨む上記車体カバーの底部とで冷却風の導風部を形成したものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、この発明を適用したスクータ型自動二輪車の一例を示す左側面図である。また、図2はこの自動二輪車の内部構造を示す左側面図である。図1および図2に示すように、このスクータ型自動二輪車1は車体フレーム2を有し、この車体フレーム2の前端にはヘッドパイプ3が設けられる。ヘッドパイプ3には前輪4を回動自在に支持するフロントフォーク5やハンドルバー6等が設けられ、このハンドルバー6により前輪4が左右に回動自在に操舵される。
【0019】
車体フレーム2の中央下部にはエンジン7が搭載される。また、エンジン7の後部には伝導ユニット8が配置され、この伝導ユニット8の前部が車体フレーム2に設けられたピボット部9にスイング自在に枢着される。
【0020】
この伝導ユニット8はスイングアームを兼ねており、ショックアブソーバ10により車体フレーム2に弾性的に且つ揺動可能に支持される。そして、伝導ユニット8の後端に駆動輪である後輪11が保持される。
【0021】
後輪11の上方には図示しないヘルメットや荷物、工具等の収納容器である物品収納室12が設けられる。さらに、物品収納室12の上方にはこの物品収納室12の蓋を兼ねた乗員着座用の運転シート13が開閉自在に設置される。そして、車体フレーム2はその廻りを例えば合成樹脂成形品である車体カバー14により覆われる。
【0022】
ヘッドパイプ3と運転シート13の前部との間の車体フレーム2および車体カバー14は下方に大きく略U字状に湾曲して車体の幅方向に延びる足通し空間15を形成し、その底部の左右に乗員である運転者が足を載せる低床のライダ用フットレストフロア16が形成される。また、この左右のライダ用フットレストフロア16の後方には他の乗員である同乗者が足を載せるピリオンライダ用フットレストフロア17が形成される。さらに、ライダ用フットレストフロア16の中央部には前後に延びて上方に突出するトンネル形状18が形成される。さらにまた、足通し空間15前方の車体カバー14内には燃料タンク19が配置される。
【0023】
図3は、図1および図2に示す自動二輪車1の概略平面図であり、エンジン7および伝導ユニット8は図2のIII−III線に沿う平断面図で示すと共に、他は想像線(二点鎖線)で示す。さらに、図4はエンジン7の拡大縦断面図であり、図5はエンジン7および伝導ユニット8の拡大平断面図である。
【0024】
図2〜図5に示すように、エンジン7は主にピリオンライダ用フットレストフロア17より下方においてアッパーケース20aおよびロアーケース20bの上下に二分割されたクランクケース20と、アッパーケース20a上に略上方に向かって立設されたシリンダアッセンブリ21とから構成され、車体フレーム2に固定される。
【0025】
このエンジン7は、シリンダアッセンブリ21を構成するシリンダ22内のピストン23の往復運動がコンロッド24を介してクランクケース20内を車幅方向に延びるクランクシャフト25を回転運動させる公知のものである。また、この自動二輪車1に搭載されるエンジン7は水冷式であって、前輪4とエンジン7との間の車体カバー14内にエンジン7冷却用の冷却水を冷却するラジエター26が配置される。
【0026】
さらに、車体カバー14のラジエター26直前には冷却風の取入口27が形成され、ラジエター26直上の配置物、本実施形態においては燃料タンク19、の下部と、冷却風の取入口27に臨む車体カバー14の底部とで冷却風の導風部28を形成する。
【0027】
そして、本実施形態に用いられるエンジン7は一本のクランクシャフト25を共有する二本のシリンダ22が左右に並設されたいわゆる並列二気筒エンジンである。また、二本のシリンダ22はそのシリンダ軸29がやや後方に向かって傾斜される。
【0028】
シリンダ22上のシリンダヘッド30には吸気ポート31および排気ポート32が形成される。吸気ポート31はシリンダヘッド30の後側に設けられ、例えば燃料噴射装置33を備えた吸気管34が接続される。さらに、シリンダアッセンブリ21の後方、クランクケース20の上方の空間にはエアクリーナ35が配置され、このエアクリーナ35は吸気管34の上流側に接続される。
【0029】
一方、排気ポート32はシリンダヘッド30の前側に設けられ、排気管36の基端部が接続される。排気管36はエンジン7の前部を回ってエンジン7の下部に導かれ、後方に向かって延設される。さらに、排気管36の下流端にはマフラ37が接続される。そして、マフラ37は車体の前後に延びる中心線38から一側、本実施形態においては進行方向に向かって右側にオフセットして配置される(図3参照)。
【0030】
このエンジン7のクランクシャフト25は上記運転シート13の前端より後方寄りに配置される。クランクシャフト25の一端にはエンジン始動装置であるスタータモータ39が連結されると共に、他端には充電装置40が設けられる。
【0031】
クランクケース20の前部にはバランサ室41が形成され、このバランサ室41内にバランサ装置42が配置される。このバランサ装置42はバランサウェイト43備えたバランサシャフト44を有し、このバランサシャフト44は上記クランクシャフト25の前方にこのクランクシャフト25と平行に配置される。
【0032】
クランクシャフト25の一端にはバランサドライブギヤを兼ねたプライマリドライブギヤ45が設けられると共に、バランサシャフト44の一端にはバランサドリブンギヤ46が設けられ、これらのバランサギヤ45,46は作動連結されてクランクシャフト25の回転がバランサシャフト44に伝達される。
【0033】
一方、クランクケース20の後部にはミッション室47が形成され、このミッション室47内にVベルト式自動変速装置48が配置される。この変速装置48はドライブプーリ49を備えたドライブシャフト50と、ドリブンプーリ51を備えたドリブンシャフト52とを有し、ドライブシャフト50はクランクシャフト25の後方にこのクランクシャフト25と平行に配置されると共に、このドライブシャフト50の後方にドリブンシャフト52がドライブシャフト50と平行に配置される。
【0034】
また、ドライブシャフト50およびドリブンシャフト52はベアリングBによってクランクケース20内に回転自在に軸支されると共に、両シャフト50,52に設けられたオイルシールSによってミッション室47内は液密に保たれる。
【0035】
クランクシャフト25の一端には上述したようにプライマリドライブギヤ45が設けられると共に、ドライブシャフト50の一端にはプライマリドリブンギヤ53が設けられ、これらのプライマリギヤ45,53は作動連結されてクランクシャフト25の回転がドライブシャフト50に伝達される。
【0036】
また、ドライブプーリ49とドリブンプーリ51との間にはVベルト54が張架され、このVベルト54を介してドリブンプーリ51にエンジン7の回転駆動力が伝達される。
【0037】
ドリブンシャフト52の略上方にはベアリングBによって回転自在に支持されたセカンダリシャフト55がドリブンシャフト52と平行に配置される。ドリブンシャフト52の一端にはセカンダリドライブギヤ56が設けられると共に、セカンダリシャフト55の一端にはセカンダリドリブンギヤ57が設けられ、これらのセカンダリギヤ56,57は作動連結されてエンジン7の回転駆動力がセカンダリシャフト55に伝達される。
【0038】
セカンダリシャフト55に伝達されたエンジン7の回転駆動力はプロペラシャフト58を介して後輪11のアクスルシャフト59に伝達される。プロペラシャフト58はベアリングBによって回転自在に支持されて前記伝導ユニット8内に収納され、この伝導ユニット8は車体の前後に延びる中心線38から一側、本実施形態においてはマフラ37とは反対側の進行方向に向かって左側にオフセットして配置される(図3参照)。また、プロペラシャフト58は前部シャフト58a、中間シャフト58b、後部シャフト58cに三分割され、前部シャフト58aはミッション室47上方のセカンダリシャフト55端部近傍に配置される。
【0039】
セカンダリシャフト55の回転はベベルギヤ60を介して90°変換されて前部シャフト58aに伝達される。一方、伝導ユニット8内の中間シャフト58bと後部シャフト58cとの連結部には図示しないクラッチ機構が配置される。このクラッチ機構は例えば電磁制御式湿式多板のものや遠心式のクラッチ機構が用いられる。
【0040】
ここで、電磁制御式湿式多板のクラッチ機構とは、詳細には図示しないが電気的に断続制御可能で伝達トルクの小さいパイロットクラッチと、このパイロットクラッチに比べて大きなトルクを伝達可能なメインクラッチとを備え、パイロットクラッチを接続することによりメインクラッチとの間に回転位相差が生じ、この回転位相差がパイロットクラッチに設けられたカム機構によりメインクラッチのプレッシャプレートの押圧力に変換されると共に増幅され、大きなトルクの伝達を可能にするものである。電磁制御のパイロットクラッチが小型に形成できることにより、クラッチのレスポンスが向上すると同時に、メインクラッチの小型化も可能となり、エンジン7全体の小型化にも繋がる。
【0041】
また、プロペラシャフト58の前部シャフト58aと中間シャフト58bとは例えばユニバーサルジョイント61で連結され、伝導ユニット8がピボット部9を中心に上下に揺動してもエンジン7回転力の伝達を妨げない。
【0042】
さらに、後部シャフト58cの後端部近傍にはベアリングBによって回転自在に支持された上記アクスルシャフト59が配置され、ベベルギヤ62を介してプロペラシャフト58の回転が90°変換されてアクスルシャフト59に伝達される。
【0043】
そして、バランサシャフト44、クランクシャフト25、ドライブシャフト50およびドリブンシャフト52は、図2および図4に示すように、アッパーケース20aとロアーケース20bとの合せ面に前方から上記順序で略水平な一直線上に配置される。
【0044】
ところで、プロペラシャフト58およびクラッチ機構を収納した伝導ユニット8は前述したように、スイングアームを兼ねており、ショックアブソーバ10により車体フレーム2に弾性的に且つ揺動可能に支持される。このショックアブソーバ10は、側面視でエンジン7の後部に配置されたVベルト式自動変速装置48の上方、且つ平面視で伝導ユニット8の上方に配置される。なお、ショックアブソーバ10は、側面視でプライマリギヤ45,53またはセカンダリギヤ56,57の上方でもよい。
【0045】
また、本発明に係るスクータ型自動二輪車1にはエンジン7始動時や停止中などのように充電装置40が働いていない時、スタータモータ39や灯火装置(図示せず)などに電気を供給するバッテリ63が備えられる。このバッテリ63は、前記マフラ37同様、車体の前後に延びる中心線38から一側、本実施形態においては進行方向に向かって伝導ユニット8とは反対側の右側にオフセットして配置される(図3参照)と共に、側面視でエアクリーナ35と、伝導ユニット8と、マフラ37と、後輪11とに囲まれた空間に配置される。
【0046】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0047】
クランクケース20内にバランサシャフト44、クランクシャフト25、ドライブシャフト50およびドリブンシャフト52を前からこの順序で略水平な一直線上に配置したことにより、クランクケース20をアッパーケース20aとロアーケース20bとの二分割に構成できる。その結果、クランクケース20の構造が簡素化されると共に、コンパクト化し、重量およびコストの削減が可能になる。
【0048】
また、クランクシャフト25を運転シート13の前端より後方寄りに配置し、このクランクシャフト25より前方にバランサシャフト44を配置したことにより、エンジン7の平面形が先細り形状になる。その結果、ライダ用フットレストフロア16中央部のトンネル形状18幅を狭くでき、乗車フィーリングが向上すると共に、車体カバー14の前面投影面積を小さくすることができる。
【0049】
さらに、上述したシャフト類は重量が嵩むため、これらの重量物をピリオンライダ用フットレストフロア17より下方のアッパーケース20aとロアーケース20bとの合せ面に配置すれば、車両の低重心化が可能になると共に、ピリオンライダ用フットレストフロア17の形状幅も狭くでき、乗車フィーリングが向上すると共に、車体カバー14の前面投影面積を小さくすることができる。
【0050】
一方、アッパーケース20a上にシリンダアッセンブリ21を略上方に向かって立設したことにより、シリンダアッセンブリ21の後方、クランクケース20の上方の空間にエアクリーナ35を配置可能になる。その結果、シリンダヘッド30の吸気ポート31とエアクリーナ35とを結ぶ吸気管34を直線的に配置でき、吸気抵抗が減ってエンジン7の出力アップが可能になる。
【0051】
また、シリンダアッセンブリ21のシリンダ軸29をやや後方に向かって傾斜させたことにより、クランクシャフト25をさらに前寄りに配置できる。その結果、前輪4の分担荷重が増えて操舵性および走行安定性が高まる。さらに、クランクシャフト25を前寄りに配置した分伝導ユニット8を長くできる。その結果、後輪11のショック吸収性能が向上して乗車フィーリングや走行安定性が向上する。
【0052】
ところで、本発明においては上記伝導ユニット8を弾性的、且つ揺動可能に支持するショックアブソーバ10を側面視でエンジン7の後部に配置されたVベルト式自動変速装置48の上方(またはプライマリギヤ45,53やセカンダリギヤ56,57の上方)、且つ平面視で伝導ユニット8の上方に配置している。
【0053】
例えば、仮にショックアブソーバ10をエンジン7の下部に配置すると、ショックアブソーバ10が路上の障害物と接触する場合を考慮して専用のプロテクタ等が必要になる。また、最低地上高を充分に確保するためにはショックアブソーバ10をある程度上方に配置しなければならず、その結果エンジン7全体が上方に移動して重心位置が高くなるといった不具合が生じる。
【0054】
しかしながら、本発明においてはショックアブソーバ10をエンジン7の上方に配置したので、エンジン7の重心位置が高くなることはなく、また、専用プロテクタも不要である。
【0055】
一方、伝導ユニット8を車体の前後に延びる中心線38から一側にオフセットして配置し、マフラ37およびバッテリ63を、上記中心線38を挟んで伝導ユニット8の反対側に配置したことにより、車体の左右の重量バランスが取れて走行安定性が高まる。また、バッテリ63を側面視でエアクリーナ35と、伝導ユニット8と、マフラ37と、後輪11とに囲まれた空間に配置したことにより、スペースが有効に利用できると共に、車体カバー14の不要な大型化を防止する。
【0056】
さらに、前輪4とエンジン7との間にラジエター26を配置すると共に、車体カバー14のラジエター26直前に冷却風の取入口27を形成し、ラジエター26直上の配置物、本実施形態においては燃料タンク19、の下部と、冷却風の取入口27に臨む車体カバー14の底部とで冷却風の導風部28を形成したことにより、走行風が効果的にラジエター26に導かれてエンジン7の冷却性能が向上すると共に、走行風の一部が直接エンジン7にも導かれ、エンジン7の冷却性能がさらに向上する。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るスクータ型自動二輪車によれば、前輪を左右に操舵可能に支持するヘッドパイプと乗員着座用の運転シートとの間の車体フレームおよび車体カバーを下方に略U字状に湾曲させて車体の幅方向に延びる足通し空間を形成したスクータ型自動二輪車において、上記車体フレームにエンジンを固定し、後輪を保持する伝導ユニットを上記エンジンの後部に配置して上記車体フレームにスイング自在に枢着すると共に、上記エンジンは上下に二分割されるクランクケースを有し、このクランクケースの合せ面に前方から順にバランサシャフト、クランクシャフト、ドライブシャフトおよびドリブンシャフトを略水平な一直線上に配置したため、クランクケースの構造が簡素化され、エンジンのコンパクト化、重量およびコストの削減が図れる。
【0058】
また、上記クランクシャフトを上記運転シートの前端より後方寄りに配置したため、エンジンの平面形が先細り形状になり、上記足通し空間下部のトンネル形状幅を狭くでき、乗車フィーリングの向上、車体カバーの前面投影面積の縮小が図れる。
【0059】
さらに、上記クランクケース上にシリンダアッセンブリを略上方に向かって立設し、このシリンダアッセンブリの後方、上記クランクケース上方の空間にエアクリーナを配置したため、上記エンジンとエアクリーナとを結ぶ吸気管を直線的に配置でき、エンジンの出力アップが図れる。
【0060】
さらにまた、上記シリンダアッセンブリのシリンダ軸を後方に向かって傾斜させたため、クランクシャフトを前寄りに配置でき、前輪の分担荷重が増えて操舵性および走行安定性が向上する。
【0061】
そして、上記伝導ユニットを支持するショックアブソーバを側面視で上記エンジン後部の上方、且つ平面視で上記伝導ユニットの上方に配置したため、ショックアブソーバの専用プロテクタが不要になると共に、エンジンの重心位置を低く維持できる。
【0062】
そしてまた、上記伝導ユニットを車体の前後に延びる中心線から一側にオフセットして配置すると共に、マフラおよびバッテリを、上記中心線を挟んで上記伝導ユニットの反対側に配置する一方、上記バッテリを側面視で上記エアクリーナと、上記伝導ユニットと、上記マフラと、上記後輪とに囲まれた空間に配置したため、車体の左右の重量バランスが取れて走行安定性が高まると共に、スペースが有効利用でき、車体カバーの不要な大型化が防止される。
【0063】
さらに、上記前輪と上記エンジンとの間にラジエターを配置すると共に、上記車体カバーの上記ラジエター直前に冷却風の取入口を形成し、上記ラジエター直上の配置物の下部と、上記冷却風の取入口に臨む上記車体カバーの底部とで冷却風の導風部を形成したため、エンジン冷却性能の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスクータ型自動二輪車の一実施形態を示す左側面図。
【図2】図1に示す自動二輪車の内部構造を示す左側面図。
【図3】図1および図2に示す自動二輪車の概略平面図(エンジンおよび伝導ユニットは図2のIII−III線に沿う平断面図)。
【図4】エンジンの拡大縦断面図。
【図5】エンジンおよび伝導ユニットの拡大平断面図。
【符号の説明】
1 スクータ型自動二輪車
2 車体フレーム
3 ヘッドパイプ
4 前輪
7 エンジン
8 伝導ユニット
10 ショックアブソーバ
11 後輪
13 運転シート
14 車体カバー
15 足通し空間
19 燃料タンク(ラジエター直上の配置物)
20 クランクケース
21 シリンダアッセンブリ
25 クランクシャフト
26 ラジエター
27 冷却風取入口
28 冷却風の導風部
29 シリンダ軸
35 エアクリーナ
37 マフラ
38 車体の前後に延びる中心線
44 バランサシャフト
50 ドライブシャフト
52 ドリブンシャフト
63 バッテリ

Claims (7)

  1. 前輪を左右に操舵可能に支持するヘッドパイプと乗員着座用の運転シートとの間の車体フレームおよび車体カバーを下方に略U字状に湾曲させて車体の幅方向に延びる足通し空間を形成したスクータ型自動二輪車において、上記車体フレーム2にエンジン7を固定し、後輪11を保持する伝導ユニット8を上記エンジン7の後部に配置して上記車体フレーム2にスイング自在に枢着すると共に、上記エンジン7は上下に二分割されるクランクケース20を有し、このクランクケース20の合せ面に前方から順にバランサシャフト44、クランクシャフト25、ドライブシャフト50およびドリブンシャフト52を略水平な一直線上に配置したことを特徴とするスクータ型自動二輪車。
  2. 上記クランクシャフト25を上記運転シート13の前端より後方寄りに配置した請求項1記載のスクータ型自動二輪車。
  3. 上記クランクケース20上にシリンダアッセンブリ21を略上方に向かって立設し、このシリンダアッセンブリ21の後方、上記クランクケース20上方の空間にエアクリーナ35を配置した請求項1または2記載のスクータ型自動二輪車。
  4. 上記シリンダアッセンブリ21のシリンダ軸29を後方に向かって傾斜させた請求項3記載のスクータ型自動二輪車。
  5. 上記伝導ユニット8を支持するショックアブソーバ10を側面視で上記エンジン7後部の上方、且つ平面視で上記伝導ユニット8の上方に配置した請求項1、2、3または4記載のスクータ型自動二輪車。
  6. 上記伝導ユニット8を車体の前後に延びる中心線38から一側にオフセットして配置すると共に、マフラ37およびバッテリ63を、上記中心線38を挟んで上記伝導ユニット8の反対側に配置する一方、上記バッテリ63を側面視で上記エアクリーナ35と、上記伝導ユニット8と、上記マフラ37と、上記後輪11とに囲まれた空間に配置した請求項3、4、または5記載のスクータ型自動二輪車。
  7. 上記前輪4と上記エンジン7との間にラジエター26を配置すると共に、上記車体カバー14の上記ラジエター26直前に冷却風の取入口27を形成し、上記ラジエター26直上の配置物19の下部と、上記冷却風の取入口27に臨む上記車体カバー14の底部とで冷却風の導風部28を形成した請求項1、2、3、4、5、または6記載のスクータ型自動二輪車。
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