JP3735666B2 - 糖類混合物の同時分析方法及びそれに用いる分析装置 - Google Patents

糖類混合物の同時分析方法及びそれに用いる分析装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速液体クロマトグラフィー法により、単糖類及び少糖類を含む糖類混合物から各成分を分離して同時に分析する方法及び装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
単糖類や少糖類などの糖質を分析する方法として、ゲルろ過クロマトグラフィー法や順相クロマトグラフィー法が知られている。これらの方法においては、蛍光や紫外部吸収、可視部吸収がない試料の検出には示差屈折計を用いるのが常套手段であり、単糖類や少糖類の検出も示差屈折計によっている。
【0003】
しかしながら、ゲルろ過クロマトグラフィー法では単糖類と少糖類との分離は可能であっても、単糖類相互の分離や同じ分子量を有する少糖類相互の分離を行うことは困難である。また順相クロマトグラフィー法の場合も、示差屈折計によって検出を行う場合には移動相が均一組成に制限されるため、少糖類の完全溶出か、単糖類相互の分離のいずれかを犠牲にしなければならないという欠点がある。
【0004】
また、試料を前処理して各成分の誘導体を形成させることにより各成分に蛍光特性や紫外部吸収特性を付与した後、高速液体クロマトグラフィーを用いて分離し、蛍光検出器や紫外部吸収検出器により検出する方法が知られている。この方法によれば移動相の組成を変化させて溶離を行うことができ、均一組成の移動相を用いる場合に比べて単糖類や少糖類の各成分相互を分離することも可能となるが、還元糖の誘導体化反応収率に影響を及ぼす物質が分析試料中に混入していると正確な分析値が得られなくなるため、この方法を食品等多成分混合試料中の還元糖の高感度同時分析に応用する際には定量的な面では必ずしも満足できるものではない。
【0005】
そのほか、2種類以上の異なる移動相を用いて糖質の分離を行った後に、各成分の誘導体化を行い、この誘導体を検出器で検出する方法(特開平5−113439号公報)、[「食品衛生学雑誌」,第39巻,第5号,第333〜340ページ(1998年)]が知られている。
【0006】
しかしながら、これらの方法においては、分析カラムで糖質を分離した後にオンラインで糖質と反応試薬を混合し、誘導体に変換し検出器で検出するという分析方法を採用しているために分析操作中に反応混合物や反応試薬液が検出器セルを通過することにより検出器セルが汚染され、この結果として分析回数の増加と共に誘導体化物の検出感度(検出される蛍光強度)が低下するという欠点がある。
【0007】
この欠点を克服するには、検出器セルをその都度洗浄することが考えられるが、検出器セルを洗浄するには、分析カラムを取り外して検出器とポンプを直結して洗浄溶媒を送液するか、分析カラムを連結したままで移動相送液ポンプから洗浄溶媒を送液するか、分析カラム溶出液出口以降で接続した別のポンプから洗浄溶媒を送液することが必要である。しかしながら、分析カラムを取り外す方法では移動相送液ポンプが一旦停止することになり、ポンプの停止は流量精度低下、それによる分析値の精度低下などの欠点があり、分析カラムを連結したままで移動相送液ポンプから洗浄溶媒を送液する方法では、分析カラムに充填された分離剤により洗浄溶媒が限定されるという欠点があり、分析カラム溶出液出口以降で接続したポンプから洗浄溶媒を送液する方法では、移動相送液ポンプを止めない限り洗浄溶媒に移動相溶媒が混入するという欠点がある。
【0008】
また、使用する溶媒由来の気体(例えば空気)が発生し、ポンプ内に留まり、ポンプの流量精度を低下させ、分析再現性を低下させる原因になったり、あるいは発生した空気が検出器セル内に入り検出を妨害したりする問題が知られている。これは、特に有機溶媒含有溶媒を使用して連続して分析を行う場合に多い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、連続的に分析を行っても、分析回数の増加と共に各成分の誘導体の検出感度(検出される蛍光強度)や、ポンプの送液流量精度が低下せず、再現性のよい分析結果を得ることが可能な糖類混合物の同時分析方法及び同時分析装置を提供することを目的としてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、糖類混合物の同時分析方法について種々研究を重ねた結果、2種類以上の異なる移動相を用いて液体クロマトグラフィー用分析カラムによって各成分に分離を行った後で、分離した各成分の誘導体化を行い、この誘導体を検出器で検出して、糖類中の各成分を同時に分析する際に、1つの検体の分析が終了するごとに分析カラム溶出液流路と検出器セルを結んだ流路を切り離し、洗浄溶媒を用いた検出器セル洗浄と分析カラム平衡化移動相(分析開始時の移動相)を用いた分析カラムの再平衡化を行い、検出器セル洗浄処理の終了後から次の分析試料添加までの間に分析カラム溶出液流路を元に戻す処理を挿入することにより、前記した欠点を克服しうることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、単糖類及び少糖類を含む糖類混合物を、2種類以上の異なる移動相を用いた液体クロマトグラフィー法により各成分に分離したのち、分離された各成分ごとに反応試薬を反応させてその誘導体を形成させ、この誘導体をセルに収容して検出する糖類混合物の同時分析方法において、分析カラムと検出用セルを連絡する流路を遮断し、洗浄溶媒を用いた検出用セル洗浄処理と、分析カラム平衡化移動相を用いた再平衡化処理を行い、検出用セル洗浄処理終了後から次に分析すべき糖類混合物の導入までの間に分析カラム溶出液流路を復元することにより、分析カラムへの送液を中断することなく、検出処理ごとに検出用セルを洗浄処理することを特徴とする分析方法、及び糖類混合物を各成分に分離するための液体クロマトグラフィー用分析カラム、分離された各成分をそれぞれ誘導体化するための反応器、各成分の誘導体を収容する検出器セル、検出器セルを装着して検出処理するための検出器、検出終了後に検出用セルに洗浄溶媒を供給するための溶媒供給機構、分析カラムを再平衡化するための再生機構、及び分析カラム溶出液の流路切り替え機構を包含してなる糖類混合物の同時分析装置を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明方法は、リボース、フルクトース、グルコースなどの単糖類と、ラミナリビオース、ラミナリトリオース、ラミナリテトラオース、ラミナリペンタオース、ラミナリヘキサオース、ラミナリヘプタオースなどの少糖類とを含む糖類混合物から、これらの各成分を相互に分離して分析する方法であるが、このような単糖類と少糖類とを含む糖類混合物としては、例えば、麦芽飲料、ジュースなどの飲料類、水飴、ゼリーなどの菓子類、ハチミツ、しょうゆなどの食品類、ガラクトース転化糖を含んだオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖を含んだオリゴ糖などのオリゴ糖製品類などを挙げることができる。ここで少糖類とは分子量5000以下のものをいう。
【0013】
次に、本発明方法において、糖類混合物を2種類以上の異なる移動相を用いた液体クロマトグラフィー法により各成分に分離したのち、分離された各成分ごとに反応試薬を反応させて、その誘導体を形成させ、この誘導体をセルに収容して検出するまでの方法は、これまで知られている方法、例えば特開平5−113439号公報に記載された方法によって行うことができる。
【0014】
図1は、上記の方法を実施するのに好適な装置を示す工程図の1例であって、糖類混合物を各成分に分離するための高速液体クロマトグラフィー法は、吸着材料を充填した液体クロマトグラフィー用分析カラム及び2種以上の異なる移動相を用いて行われる。
【0015】
この図1において、1、2は移動相液溜、5,6は定流速送液ポンプ、7はミキサーで、グラエント溶離法の場合には該ミキサー7において移動相液溜1からポンプ5によって送液される溶離液1aと、移動相液溜2からポンプ6によって送液される溶離液2aが混合される。試料注入バルブ8より注入された試料は溶離液によって保護用のプレカラム9´を経て分析カラム9に導入され各成分に分離される。プレカラム9´、分析カラム9は恒温槽10内で一定温度に保持されている。14、15は分離した各成分を誘導体化するための反応試薬液溜、18、19は各反応試薬液溜14、15内の反応試薬14a、15aを送液するための定流速送液ポンプである。反応試薬液溜は反応試薬を誘導体化すべき成分の違いに応じて適宜交換しうるように通常複数設けられる。分析カラム9において分離された各成分は反応試薬と混合され、反応槽12の反応コイル20内を通過する間に誘導体化され、冷却コイル22内で冷却された後、検出器23において検出されるように構成されている。なお、上記の例では移動相液溜、反応試薬液溜をそれぞれ2つ設けた場合について示したが、3つ以上の移動相液溜、反応試薬液溜を設け3種以上の溶離液や反応試薬を用いうるように構成することもできる。
【0016】
上記の液体クロマトグラフィー用分析カラムとして、イオン交換クロマトグラフィー用分析カラム、逆相クロマトグラフィー用分析カラム、順相クロマトグラフィー用分析カラムなどを用いることができるが、糖の保持力が分子量に比例している傾向がある点や、分子量の大きな糖(分子量5000〜10000程度)まで分析できる点で特に順相クロマトグラフィー用分析カラムが好ましい。例えば順相クロマトグラフィー用分析カラム用吸着材料としては、市販ゲル吸着剤「ティー・エス・ケイ・ジェルアミド−80(TSKgel Amide−80、東ソー社製、商品名)」が好ましい。
【0017】
本発明方法において、移動相として使用する溶媒は流速0.2〜1.6ml/分で送液するのが好ましい。移動相として使用する溶媒は分析カラムによっても異なるが、順相クロマトグラフィー用分析カラムを用いる場合は、アセトニトリル/水(アセトニトリルと水の混合溶媒を意味する。以下同じ)、アセトン/水、1,4‐ジオキサン/水、メチルアルコール/水、エチルアルコール/水などの2成分系の混合溶媒、アセトニトリル/メチルアルコール/水、アセトニトリル/エチルアルコール/水などの3成分系の混合溶媒などを用いることができる。
【0018】
さらに、これらにギ酸アンモニウム、リン酸二水素カリウム、酢酸−トリエチルアミンなどの塩類やトリヒドロキシメチルアミノメタン、エタノールアミン、トリエチルアミンなどの塩基を含むものなども用いることができる。好ましいのは、アセトニトリル/水の2成分系の混合溶媒である。これらは、よりシャープなピークを得る目的で移動相としての溶媒に100mmol程度添加される。
【0019】
本発明方法においては、移動相として異なる2種類以上の溶媒を用いるが、特に好ましい溶媒の例としては、アセトニトリル/蒸留水(体積比79:21)混合溶媒とアセトニトリル/蒸留水(体積比58:42)混合溶媒を挙げることができる。本発明方法においては、移動相として使用する溶媒成分の濃度を段階的に切り替える段階溶離法、移動相として使用する溶媒成分の濃度を勾配を持たせて変化させるグラジエント溶離法などの方法も採用することができる。
【0020】
このようにして、液体クロマトグラフィー用分析カラムで分離された各成分は、検出器に送るまでの間にオンラインで誘導体化される。各成分の誘導体化に用いる反応試薬としては例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン、2−シアノアセトアミド、タウリン、ベンズアミジン、4−メトキシベンズアミジン、フェノール/硫酸、アミノ安息香酸などを用いることができる。
【0021】
上記反応試薬による誘導体化反応は、反応試薬として4‐アミノ安息香酸を用いる場合には強アルカリ性で、エチレンジアミン、エタノールアミン、2‐シアノアセトアミド、ベンズアミジン、4‐メトキシベンズアミジンを用いる場合には弱アルカリ性で、タウリンを用いる場合には中性で、フェノール/硫酸を用いる場合には強酸性で行う。反応試薬は試薬の種類別に最適な割合を検討し添加することが好ましい。
【0022】
液体クロマトグラフィー用分析カラムとして順相クロマトグラフィー用分析カラムを用いる場合は、順相クロマトグラフィー用の移動相への溶解度が高く、かつホウ酸緩衝液の添加なしでも反応生成物である蛍光誘導体が十分な蛍光強度を示すという点で、上記反応試薬のうちベンズアミジン、4‐メトキシベンズアミジンなどの芳香族アミジン類が好ましい。
【0023】
本発明方法における検出器としては、蛍光検出器、紫外部吸収検出器、可視吸収検出器などを用いることができるが、使用し得る検出器及び測定波長は用いる反応試薬や移動相の種類などによって選択する必要がある。
【0024】
すなわち、反応試薬がエチレンジアミンの場合には蛍光検出器(イオン交換クロマトグラフィー:励起波長360nm、測定波長383nm、455nm)、エタノールアミンの場合には蛍光検出器(イオン交換クロマトグラフィー:励起波長357nm、測定波長436nm)、2‐シアノアセトアミドの場合には蛍光検出器(イオン交換クロマトグラフィー:励起波長331nm、測定波長383nm)及び紫外部吸収検出器(イオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、配位子交換クロマトグラフィー等:測定波長275〜280nm)、タウリンの場合には蛍光検出器(イオン交換クロマトグラフィー等:励起波長357nm、測定波長440nm)、ベンズアミジンの場合には蛍光検出器(イオン交換クロマトグラフィー、順相クロマトグラフィー等:励起波長288nm、測定波長360nm、470nm)、4‐メトキシベンズアミジンの場合には蛍光検出器(イオン交換クロマトグラフィー、順相クロマトグラフィー等:励起波長310nm、測定波長470nm)、フェノール/硫酸の場合には可視吸収検出器(ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー等:測定波長480〜490nm)、4‐アミノ安息香酸の場合には可視吸収検出器(逆相クロマトグラフィー:測定波長410nm)が用いられる。なお、かっこ内は使用するクロマトグラフィーの種類及び検出波長を示したものである。
【0025】
本発明方法においては、上記の公知の操作に加えて、1つの検体の検出操作が終了するごとに検出器23に装着する検体収容用セル(以下検出器セルという)を洗浄溶媒を用いて洗浄することが必要である。
【0026】
この際の検出器セル洗浄溶媒としては、アセトン、アセトニトリル、エチルアルコール、メチルアルコール、イソプロパノールなどの有機溶媒、硝酸などの酸、蒸留水などが挙げられる。本発明方法における検出器セル洗浄溶媒としては、移動相として使用する溶媒と組成が異なるものが用いられる。移動相として使用する溶媒、用いる反応試薬、分析する試料の種類によって最適な洗浄溶媒を検討し使用することが好ましい。
【0027】
洗浄溶媒として使用する有機溶媒濃度は、85〜100質量%が好ましく、98質量%以上が特に好ましい。洗浄溶媒として使用する硝酸濃度は、2〜6モルが好ましい。検出器セル洗浄溶媒と検出器セル内溶液が混和しない場合は、検出器セル内溶液及び洗浄溶媒の両方とも混和する溶媒で検出器セル内を置換する操作を追加することが好ましい。例えば2〜6モルの硝酸で検出器セルを洗浄する場合は、硝酸洗浄の前後に蒸留水での洗浄操作を追加する。
【0028】
そして、本発明方法における検出器セルの洗浄では、洗浄溶媒による洗浄操作と、必要時に追加する混和性溶媒によるセル内溶媒置換の操作を行わなければならない。
この際の検出器セル洗浄溶媒の流速は、0.2〜2.0ml/分の範囲内で選ばれるが、洗浄溶媒の粘性、検出器セルの耐圧力を考慮して最適の流速を設定することが好ましい。
【0029】
また、本発明方法においては、移動相として使用する溶媒の種類、反応試薬の種類、反応試薬濃度、流速、反応条件(反応時間や反応温度など)などを考慮して検出器セル洗浄処理の挿入回数を任意の分析回数ごとに設定することができるが、特に1つの検体の分析が終了するたびに検出器セル洗浄処理を挿入するのが好ましい。
【0030】
本発明方法において、検出器セル洗浄時間は、移動相として使用する溶媒の種類、反応試薬の種類、反応試薬濃度、流速、反応条件(反応時間や反応温度など)などを考慮して任意に設定することができるが、液体クロマトグラフィー用分析カラムとして順相クロマトグラフィー用分析カラムを使用し、反応試薬として芳香族アミジンを使用した分析の場合は、アセトニトリル(98質量%以上)、アセトン(99質量%以上)、エチルアルコール(99.5質量%以上)などを洗浄溶媒として流速0.6〜2.0ml/分で15〜60分間洗浄するのが好ましい。
【0031】
本発明方法における検出器セル洗浄処理は、分析カラム溶出液流路切り替えにより分析カラム溶出液が検出器セルを通過しない状態になってから開始するのが好ましい。検出器セル洗浄処理が終了した後から次回の試料注入までの間に、分析カラム溶出液流路切り替えにより分析カラム溶出液は検出器セルを通過する状態に復元される。
【0032】
2種類以上の異なる移動相を用いた糖質分析を連続で行う場合は、分析終了後に分析カラム平衡化移動相(分析開始時の移動相)で分析カラムを再平衡化する処理が必要である。本発明方法において、検出器セル洗浄処理が行われている間でも分析カラムへ移動相として使用する溶媒の送液を中断する必要がないため、流量変動の少ない条件での連続分析が可能となる。また、検出器セル洗浄処理が行われている間に、分析カラム平衡化移動相(分析開始時の移動相)で分析カラムを再平衡化する処理が開始できることにより、連続分析における分析間の時間の短縮ができる。
【0033】
本発明方法において移動相として使用する溶媒、反応試薬液、セル洗浄溶媒がそれぞれの送液ポンプに入る前に、溶媒中の溶存気体を脱気する処理が挿入されている。ただし、溶媒の溶存気体を脱気する処理で使用する脱気装置(デガッサ)の接液部材料、接ガス部材料を侵す可能性がある溶媒、例えば2モル硝酸などは脱気装置を通さないで使用することが好ましい。溶媒中の溶存気体を脱気する処理の挿入目的は、溶媒由来の気体(例えば空気)の発生によるポンプ流量精度の低下や検出器セルに入った気体による検出妨害などを防止するためである。
【0034】
次に、図1の公知方法に検出器カラムの洗浄処理を付加した本発明方法について添付図面に従って説明する。
図2は本発明方法の全体的構成を示す工程図であって、この図において、1、2は移動相溶媒溜、3、4は脱気装置、5、6は送液ポンプ、7はミキサーで、グラジエント溶離法の場合には当該ミキサー7において移動相溶媒溜1からポンプ5によって送液される溶媒1aと、移動相溶媒溜2からポンプ6によって送液される溶媒2aが混合される。試料注入装置の試料注入バルブ8より注入された試料、すなわち糖類混合物は移動相によって分析カラム9に導入され各成分に分離される。分析カラムは恒温槽10内で一定温度に保持されている。分析カラム溶出液は、試料分析時には分析カラム溶出液流路切り替え装置11を通り、反応槽12へ送られる。
【0035】
分析カラム溶出液流路切り替え装置11は、図3に示すように、試料分析時には分析カラム溶出液が反応槽12へ流れる流路が連結されている状態(a)に保たれている。試料1回分の分析終了後から検出器セル洗浄処理開始までの間に、分析カラム溶出液切り替え装置11の流路切り替えが行われ、分析カラム溶出液が反応槽12へ流れる流路が遮断され、分析カラム溶出液の流路は廃液溜13へ流れる状態(b)に変更される。検出器セル洗浄処理終了後から次回の試料注入までの間に、分析カラム溶出液切り替え装置11の流路切り替えが再度行われ、分析カラム溶出液の流路は反応槽12へ流れる状態(a)に戻される。
【0036】
14、15は分離した各成分を誘導体化するための反応試薬液溜、16、17は各反応試薬液溜14、15内の反応試薬液14a、15aを脱気するための脱気装置、18、19は各反応試薬液溜14、15内の反応試薬液14a、15aを送液するための送液ポンプである。
【0037】
反応試薬液溜は、誘導体化すべき成分の違いによって反応試薬を適宜交換しうるように通常複数設けられる。分析カラム9によって分離された各成分は反応試薬液と混合され反応槽12内の反応コイル20を通過する間に誘導体化され、冷却槽21内で一定温度で保たれた冷却コイル22で冷却された後、検出器23において検出される。検出信号はデーター処理装置24で処理される。検出器23より溶出した廃液は、廃液溜25に集められる。
【0038】
26、27は検出器セルを洗浄するための洗浄溶媒溜、26a、27aは各洗浄溶媒溜内の洗浄溶媒である。28、29は各洗浄溶媒溜26、27内の洗浄溶媒26a、27aを脱気するための脱気装置である。
【0039】
30は反応試薬液と洗浄溶媒との流路切り替え装置で、反応試薬液溜15が脱気装置17を介して送液ポンプ19に連結する流路位置(図2ではSP1と記載)、洗浄溶媒溜26が脱気装置28を介して送液ポンプ19に連結する流路位置(図2ではSP2と記載)、洗浄溶媒溜27が脱気装置29を介して送液ポンプ19に連結する流路位置(図2ではSP3と記載)の合計3種の流路位置からいずれか1つの流路を選択し連結する装置である。
【0040】
反応試薬液と洗浄溶媒との流路切り替え装置30は、試料分析時には反応試薬液溜15が脱気装置17を介して送液ポンプ19と連結されている流路位置(図2ではSP1と記載)にあり、ポンプ19より反応試薬液15aが送液されている。1つの検体の分析終了後から検出器セル洗浄処理開始までの間に、流路切り替え装置30の流路切り替えが行われ、反応試薬液溜15が脱気装置17を介して送液ポンプ19に連結する流路が遮断され、洗浄溶媒溜26が脱気装置28を介して送液ポンプ19に連結する流路又は洗浄溶媒溜27が脱気装置29を介して送液ポンプ19に連結する流路のどちらか一方の流路が開かれ、ポンプ19より洗浄溶媒26a又は27aが送液される。
【0041】
検出器セル洗浄処理において2種類以上の洗浄溶媒を使用して検出器セル洗浄を行う場合に、ポンプ19によって送液される洗浄溶媒の変更は流路切り替え装置30の流路切り替えによって行われる。検出器セル洗浄処理終了後から次回の試料注入までの間に、流路切り替え装置30の流路切り替えが行われ、反応試薬液溜15が脱気装置17を介して送液ポンプ19に連結する流路(図2ではSP1と記載)が再度開かれ、ポンプ19によって反応試薬液15aが送液される。図2には2種類の洗浄溶媒26a、27aで検出器セル洗浄を行うように示されているが、洗浄溶媒は1種類でも可能な場合がある。
【0042】
また、1つの検体分の分析終了時の検出器セル内溶液又は反応試薬液15aが検出器セル洗浄溶媒と混和しない性質を有するときは、分析終了時の検出器セル内溶液あるいは反応試薬液15aに対して混和する性質を有し、かつ検出器セル洗浄溶媒とも混和する性質を有する溶媒で検出器セル内及び流路を変換してから検出器セル洗浄溶媒での検出器セル洗浄を行う必要があるが、この場合、図2に示した洗浄溶媒溜26,27のいずれか一方を検出器セル内及び流路置換に用いる溶媒を入れた置換溶媒溜として使用する。脱気装置16と送液ポンプ18との間に流路切り替え装置30と同等の流路切り替え装置1基を挿入し、洗浄液26a、27aと同じ洗浄溶媒の入った洗浄溶媒溜を装着することにより2つの送液ポンプ18、19を使用して検出器セル洗浄を行うこともできる。
【0043】
なお、上記の例では移動相として使用する溶媒溜、反応試薬液溜、検出器セル洗浄溶媒溜をそれぞれ2つ設けた場合について示したが、3つ以上の移動相として使用する溶媒溜、反応試薬溶液溜、検出器セル洗浄溶媒溜を設け3つ以上の移動相として使用する溶媒、反応試薬液、検出器セル洗浄溶媒を用いうるように構成することもできる。
【0044】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0045】
実施例
図2において溶媒1aとしてアセトニトリル/蒸留水(体積比79:21)混合溶媒を、溶媒2aとしてアセトニトリル/蒸留水(体積比58:42)混合溶媒を、反応試薬液14aとして1.0M水酸化カリウム溶液を、反応試薬液15aとしてアセトニトリル/蒸留水(体積比40:60)混合溶媒に100mMベンズアミジン塩酸塩一水和物を溶解した溶液を、検出器セル洗浄溶媒26aとして蒸留水を、検出器セル洗浄溶媒27aとしてアセトニトリル(98質量%以上)をそれぞれ用いた。
【0046】
各溶媒中の溶存気体の脱気装置3,4,16,17,28,29としてオンライン式脱気装置(東ソー社製)を用いた。移動相送液用送液ポンプ5,6として東ソー社製のCCPM−II型送液ポンプを使用して、PX−8020型ポンプコントローラーで制御して溶媒1aと溶媒2aの高圧グラジエントを行った。
【0047】
反応試薬液及び洗浄溶媒送液用送液ポンプ18,19として東ソー社製のCCPM−II型送液ポンプ樹脂仕様を使用して、PX−8020型ポンプコントローラーで制御した。ミキサー7として東ソー社製のMX−8010型ダイナミックミキサーを使用した。試料としてリボース(2.0μg/ml)、フルクトース(2.0μg/ml)、グルコース(2.0μg/ml)、ラミナリビオース(2.0μg/ml)、ラミナリトリオース(2.0μg/ml)、ラミナリテトラオース(2.0μg/ml)、ラミナリペンタオース(2.0μg/ml)、ラミナリヘキサオース(2.0μg/ml)、ラミナリヘプタオース(2.0μg/ml)を含む溶液を用い、この溶液10μlを試料注入装置の試料注入バルブ8より注入した。試料注入装置として東ソー社製のAS−8020型オートサンプラーを使用した。分析カラム9としては東ソー社製のTSKgel Amide−80(内径4.6mm、長さ25cm)を、80℃に温度制御した恒温槽10内に設置して使用した。恒温槽10として東ソー社製のCO−8020型カラム恒温槽を用いた。
【0048】
溶離法としては予め溶媒1aが移動相中に占める割合が100%となるように送液してカラムを試料注入前に平衡化しておき、試料注入直後に溶媒2aの混合を開始し、時間経過と比例して移動相中の溶媒2a濃度を直線的に上昇させ、試料注入後35.0分に移動相中に占める溶媒2aの割合が100%となるように組成変化させる溶媒2aの直線勾配濃度上昇溶離法(グラジエント溶離法)を採用した。
【0049】
試料注入後、35.0分経過した後は移動相中に占める溶媒2aの割合が100%の状態で送液を継続した。移動相の送液速度は0.8ml/分、反応試薬液14aの送液速度は流速0.6ml/分、反応試薬液15aの送液速度は0.6ml/分にそれぞれ設定した。カラム9で分離された成分の誘導体化反応は反応槽12内に設置した反応コイル20(内径0.4mm、長さ20m、ステンレス鋼製)内で行った。反応槽20として東ソー社製のRE−8020型反応槽を95℃に温度制御して使用した。
【0050】
反応コイル20から溶出した反応混合物を恒温槽21内に設置した冷却コイル22(内径0.25mm、長さ4m、テフロン製)内で冷却した後、蛍光検出器23において検出した。恒温槽21としてアドバンテック東洋社製のLCH−2000型冷却槽を9℃に温度制御して使用した。分析カラム9と反応槽12との間に装着する分析カラム溶出液流路切り替え装置11として東ソー社製のスイッチングバルブユニットを装備したVC−8020型バルブコントローラーを使用した。
【0051】
分析カラム溶出液流路切り替え装置11を用いて、試料分析時には分析カラム溶出液が反応コイル12へ送液され[図3で状態(a)と記載]、検出器セル洗浄処理には分析カラム溶出液が廃液溜13へ送液されるように[図3で状態(b)と記載]分析カラム溶出液流路切り替えを行った。データ収集時間を50分、分析終了から次回試料注入までの間隔を40分に設定し、90分毎に試料注入を行った。1回の試料分析終了ごとに検出器セルの洗浄を行った。
【0052】
送液ポンプ19と脱気装置17との間に装着する反応試薬液と洗浄溶媒との流路切り替え装置30として東ソー社製のソレノイドバルブユニットを装備したVC−8020型バルブコントローラーを使用した。反応試薬液と洗浄溶媒との流路切り替え装置30を用いて、試料分析時には反応試薬液15aが送液ポンプ19によって送液され(図2で流路位置SP1と記載)、検出器セル洗浄工程などでは洗浄溶媒26a(図2で流路位置SP2と記載)又は27a(図2で流路位置SP3と記載)が送液される流路位置になるように流路切り替えを行った。
【0053】
検出器セル洗浄処理は、最初に検出器セル洗浄溶媒26aを流速2.0ml/分で2.8分間送液、2番目に検出器セル洗浄溶媒27aを流速2.0ml/分で15分間送液、3番目にセル洗浄溶媒26aを流速2.0ml/分で3分間送液することにより行った。検出器セル洗浄処理開始後すぐに、移動相組成を溶媒1a100%に切り替えて送液することにより、分析カラム平衡化移動相(分析開始時の移動相)で分析カラムを再平衡化する処理を開始した。次回の試料注入まで移動相組成を溶媒1a100%で送液する状態を保持した。
【0054】
また、検出器23として東ソー社製のFS−8020型蛍光検出器を、データ処理装置24として東ソー社製のLC−8020型データプロセッサをそれぞれ用いた。各溶媒送液ポンプ5,6,18,19の流速などの送液制御、分析カラム溶出液流路切り替え装置11及び反応試薬液と洗浄溶媒との流路切り替え装置30の分析開始から90分までの制御プログラムを表1に示す。
【0055】
この表において、[ ]内は送液している溶媒を、( )内はその流速を意味する。移動相溶媒送液ポンプの流速は0.8ml/分に固定し、データ収集時間は試料注入後50分間であり、分析終了から次の試料注入までの間隔を40分間とし、90分ごとに試料注入した。また、検出器セルの洗浄は分析終了ごとに行った。
【0056】
当該分析プログラムを用いて同一試料について12回の連続分析を行った。得られたクロマトグラムの一部を図4に示す。図4において、a、b、cは、それぞれ単糖類のリボース、フルクトース、グルコースを、d、e、f、g、h、iはそれぞれ少糖類のラミナリビオース、ラミナリトリオース、ラミナリテトラオース、ラミナリペンタオース、ラミナリヘキサオース、ラミナリヘプタオースを示す。
【0057】
図4に示されるように各単糖相互及び各少糖類相互が完全に分離され、これらの完全溶出までに要した時間は45分以内であった。分析した還元糖のうちグルコースとラミナリビオースについて行った12回の分析の糖ピークの保持時間(分)とピークの高さ(蛍光強度:mV)についての測定値を表2に示す。
【0058】
グルコース及びラミナリビオースの各還元糖に基づく保持時間の変動係数CV(相対標準偏差)はそれぞれ0.116%、0.143%、蛍光ピーク高さの変動係数CV(相対標準偏差)はそれぞれ0.860%、1.14%であった。なお、変動係数CV(相対標準偏差)は、試料の標準偏差S(S=σn-1)を試料の平均xで割った値に100を乗じて算出した。以上の結果から、本発明方法によると、単糖類及び少糖類を含む試料を高感度で検出可能であり、単糖類間の高度分離が達成でき、かつ少糖類の短時間での完全溶出ができることが分る。さらに、変動係数CVの結果から連続分析において得られた分析値の再現性も高いことが分る。
【0059】
【表1】
Figure 0003735666
【0060】
【表2】
Figure 0003735666
【0061】
比較例1
検出器セル洗浄処理を行わずに、実施例1と同様の試料を実施例1と同様の装置(図2)を用いて12回連続して分析した。分析カラム溶出液流路切り替え装置11は状態(a)の状態に、反応試薬液と洗浄溶媒との流路切り替え装置30は流路位置SP1の状態に固定した。移動相溶媒1a、移動相溶媒2a、反応試薬液14a,反応試薬液15aは実施例1と同様の溶媒を使用した。移動相溶媒送液ポンプ5、6の制御は実施例1と同様のプログラムを使用し、移動相は流速0.8ml/分で送液した(表1参照)。連続分析の間、反応試薬液14aを流速0.6ml/分で、反応試薬液15aを流速0.6ml/分で送液した。その他の分析条件は実施例1と同様であった。分析した還元糖のうちグルコースとラミナリビオースについて、ピークの高さ(蛍光強度:mV)について表3に示す。
【0062】
グルコース及びラミナリビオースの各還元糖に基づく蛍光ピーク高さの変動係数CV(相対標準偏差)は、それぞれ3.65%、4.58%であった。検出器セル洗浄処理が含まれていない比較例1によって得られたグルコースとラミナリビオースの変動係数CV値は、実施例1の変動係数CV値のそれぞれ4.2倍と4.0倍に相当した。なお、変動係数CV値は、小さいほど分析の再現性がよい。
以上の結果から、検出器セル洗浄処理を行わない比較例1では、分析値の再現性が実施例1よりも低いことが分る。
【0063】
【表3】
Figure 0003735666
【0064】
比較例2
実施例1で検出器セル洗浄処理において流路切り替え装置による分析カラム溶出液流路切り替えを採用した代わりに、1回の試料分析ごとに検出器セル洗浄を行う際に分析カラムを取り外して検出器セルを洗浄して、実施例1と同様の試料を実施例1と同様の装置(図2)を用いて12回連続して分析した。分析カラム溶出液流路切り替え装置11は状態(a)の状態に、反応試薬液と洗浄溶媒との流路切り替え装置30は流路位置SP1の状態に固定した。
【0065】
移動相溶媒1a、移動相溶媒2a、反応試薬液14a,反応試薬液15aは実施例1と同様の溶媒を使用した。移動相溶媒送液ポンプ5、6の制御は実施例1と同様のプログラムを使用し、移動相は流速0.8ml/分で送液した(表1参照)。連続分析の間、反応試薬液14aを流速0.6ml/分で、反応試薬液15aを流速0.6ml/分で送液した。
【0066】
検出器セル洗浄は次のように行った。試料注入後50.0分経過しデータ収集が終了した後に、すべての送液ポンプを停止し、分析カラムを取り外し、分析カラムの代わりにステンレス鋼製チューブを取り付け、検出器セル洗浄処理を行った。検出器セル洗浄処理は、最初に検出器セル洗浄溶媒26aを流速2.0ml/分で2.8分間送液、2番目に検出器セル洗浄溶媒27aを流速2.0ml/分で15分間送液、3番目にセル洗浄溶媒26aを流速2.0ml/分で3分間送液することにより行った。
【0067】
検出器セル洗浄処理後、ステンレス鋼製チューブの代わりに分析カラムを取り付け、移動相組成を溶媒1aのみに切り替えて送液ポンプ5,6から送液すると共に、反応試薬液14aを送液ポンプ18で、反応試薬液15aを送液ポンプ19で送液を再開した。分析カラム平衡化移動相(分析開始時の移動相)での分析カラム再平衡化を30分間行った後に、次回の試料注入を行った。その他の分析条件は実施例1と同様の条件で行った。分析した還元糖のうちグルコースとラミナリビオースについての、保持時間(分)を表4に示した。
【0068】
グルコース及びラミナリビオースの各還元糖の保持時間(分)に関する変動係数CV(相対標準偏差)は、それぞれ0.157%、0.244%であった。検出器セル洗浄工程の際に分析カラムを取り外す操作を含んでいる(すなわち移動相送液ポンプが連続分析中に停止、再始動を繰り返す)比較例2によって得られたグルコースとラミナリビオースの変動係数CV値は、実施例1の変動係数CV値のそれぞれ1.4倍と1.7倍に相当した。なお、変動係数CV値は、小さいほど分析の再現性がよいことを示している。
【0069】
以上の結果から、検出器セル洗浄工程の際に分析カラムを取り外す操作を含んでいる(すなわち移動相送液ポンプが連続分析中に停止、再始動を繰り返す)比較例2では、分析値の再現性が実施例1よりも低下することが分る。また、比較例2では分析カラムの取り外しや取り付け作業(約5分)、検出器セル洗浄作業(約20.8分)、分析カラム平衡化移動相での分析カラム再平衡化作業(約30分)などに約55分ほどの時間を必要とするため試料注入間隔は約105分であった。この結果から、比較例2では一定時間での連続分析における分析可能な試料数が実施例1に比べて少なくなることが分る。
【0070】
【表4】
Figure 0003735666
【0071】
比較例3
実施例1の溶離法を2種類以上の溶離液を使用せずに単一組成の移動相を用いて行う以外は、実施例1と同様にして分析を行った。単一組成の移動相としてアセトニトリル/蒸留水(体積比79:21)を用いた。得られたクロマトグラムを図5に示す。単糖間の分離は可能であったが、分析時間150分までにラミナリペンタオースまでしか溶出せずに少糖類の完全溶出ができなかった。1種類の移動相を用いた比較例3では、単糖類間の高度分離と少糖類の短時間での完全溶出の両立は困難であることが分る。
【0072】
比較例4
実施例1の溶離法を2種類以上の溶離液を使用せずに単一組成の移動相を用いて行う以外は、実施例1と同様にして分析を行った。単一組成の移動相としてアセトニトリル/蒸留水(体積比58:42)を用いた。このようにして得たクロマトグラムを図6に示す。これより、ラミナリヘプタオースまでが15分間で溶出したが、単糖間の分離が達成できなかった。1種類の移動相を用いた比較例4では、単糖類間の高度分離と少糖類の短時間での完全溶出の両立は困難であることが分る。
【0073】
【発明の効果】
本発明によると、高速液体クロマトグラフィー法を用い、分析回数の増加による検出感度やポンプの送液流量精度の低下なしに、糖類混合物の各成分ごとの同時分析を、再現性よく、連続して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法で用いる公知部分の工程図。
【図2】 本発明方法全体の工程図。
【図3】 図2における流路切り替え機構の説明図。
【図4】 本発明方法により分析した1例の結果を示すクロマトグラム。
【図5】 比較例3における分析した結果を示すクロマトグラム。
【図6】 比較例4における分析した結果を示すクロマトグラム。
【符号の説明】
1、2 移動相溶媒溜
3、4、16、17,28、29 脱気装置
5、6、18、19 送液ポンプ
7 ミキサー
8 試料注入バルブ
9 分析カラム
10 恒温槽
11、30 流路切り替え装置
12 反応槽
13、25 廃液溜
14、15 反応試薬液溜
20 反応コイル
21 冷却槽
22 冷却コイル
23 検出器
24 データ処理装置
26、27 洗浄溶媒溜

Claims (3)

  1. 単糖類及び少糖類を含む糖類混合物を、2種類以上の異なる移動相を用いた液体クロマトグラフィー法により各成分に分離したのち、分離された各成分ごとに反応試薬を反応させてその誘導体を形成させ、この誘導体をセルに収容して検出する糖類混合物の同時分析方法において、分析カラムと検出用セルを連絡する流路を遮断し、洗浄溶媒を用いた検出用セル洗浄処理と、分析カラム平衡化移動相を用いた再平衡化処理を行い、検出用セル洗浄処理終了後から次に分析すべき糖類混合物の導入までの間に分析カラム溶出液流路を復元することにより、分析カラムへの送液を中断することなく、検出処理ごとに検出用セルを洗浄処理することを特徴とする分析方法。
  2. 糖類混合物を各成分に分離するための液体クロマトグラフィー用分析カラム、分離された各成分をそれぞれ誘導体化するための反応器、各成分の誘導体を収容する検出器セル、検出器セルを装着して検出処理するための検出器、検出終了後に検出用セルに洗浄溶媒を供給するための溶媒供給機構、分析カラムを再平衡化するための再生機構、及び分析カラム溶出液の流路切り替え機構を包含してなる糖類混合物の同時分析装置。
  3. 分析カラム溶出液の流路切り替え機構が、分析カラムと検出器セルを連絡する流路を遮断し、洗浄溶媒を用いた検出器セル洗浄処理と、分析カラム平衡化移動相を用いた再平衡化処理を行い、検出器セル洗浄処理終了後から次に分析すべき糖類混合物の導入までの間に分析カラム溶出液流路を復元する機能を有する請求項記載の糖類混合物の同時分析装置。
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