JP3734616B2 - ターボ分子ポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速回転する回転翼により気体の排気を行うターボ分子ポンプに係り、特に大流量までの広い流量域で排気が可能な所謂広域型のターボ分子ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3は従来のこの種の広域型のターボ分子ポンプの構造例を示す断面図である。図示するように、ターボ分子ポンプはポンプケーシング1の内部にロータRとステータSにより構成される翼排気部L1及びねじ溝排気部L2からなる排気部を具備し、該ねじ溝排気部L2の排気側はポンプケーシング1の排気口20に連通している。ロータRは主軸4とこれと一体に回転する回転筒状部5を具備する。ステータSは主軸4を取り囲む固定筒状部3及び基部2を具備するステータ本体から構成されている。
【0003】
回転筒状部5の上部外周部には回転翼12が一体に設けられて羽根車を構成する。一方、ポンプケーシング1の内面には回転翼12と交互に固定翼スペーサ14を介在させて固定翼15が配置されている。これによって、高速回転する回転翼12と静止している固定翼15との相互作用によって排気を行う前記翼排気部L1が形成される。更に、回転筒状部5には下方に延出するねじ溝部18が一体に設けられている。一方、ステータSにはこのねじ溝部18の外周を囲繞するねじ溝部スペーサ19が配置されている。これによって高速回転するねじ溝部18のドラッグ作用によって排気を行うねじ溝排気部L2が形成されている。
【0004】
上記のように従来の広域型のターボ分子ポンプは、羽根車において、翼排気部L1の回転筒状部5の下端部はそのままねじ溝排気部L2のねじ溝部18の上端部と繋がった形状(一体形状)となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように羽根車の形状は釣鐘型となっており、ねじ溝排気部L2のねじ溝部18の径は翼排気部L1の回転筒状部5の径より大きく、質量も大きくなっている。その結果、羽根車を高速回転させた場合、翼排気部L1の回転筒状部5の最下端部の応力が大きくなり、回転速度に制限を加える必要がある。一方、羽根車は排気原理上回転速度が高い程ポンプの排気性能は良い。従って、ポンプ性能を向上させるためには、高速回転時のロータRの翼排気部の回転筒状部の最下端部の応力を低減する必要があった。
【0006】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、羽根車の回転速度を低減すること、即ちポンプ排気性能を低減させることなく、ロータRの翼排気部の回転筒状部の最下端部の応力を低減できるターボ分子ポンプを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は、ポンプケーシング内にロータ側の回転筒状部の外周に設けられた複数の回転翼と複数のステータ側の固定翼が交互に配置された翼排気部と、該翼排気部の下流側の前記ステータ側又はロータ側の少なくとも一方にねじ溝を有するねじ溝排気部とが設けられた構造のターボ分子ポンプにおいて、翼排気部の回転筒状部の最下端部に翼排気部の回転筒状部と前記ねじ溝排気部のねじ溝部に加わる応力を全体的に平均化し、該回転円筒状部の最下端部の応力を低減する円筒状の応力低減部を下方に突出させて設けたことを特徴とする。また、応力低減部は翼排気部の回転筒状部の最下端真下に外径が該翼排気部の回転筒状部の外径と同一又は小さく設定されている円筒状部である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。図1は本発明のターボ分子ポンプの構造を示す断面図である。本ターボ分子ポンプはロータ(回転部)Rとステータ(固定部)Sにより構成されている。ステータ(固定部)Sはポンプケーシング1と基部2と固定筒状部3が一体となって主に構成され、ロータRは主軸4と回転筒状部5とから主に構成される。ポンプケーシング1の内部にロータ(回転部)Rとステータ(固定部)Sにより翼排気部L1及びねじ溝排気部L2が構成されている点は図3の従来構造と同一である。
【0009】
本発明のターボ分子ポンプが従来のターボ分子ポンプと異なる点は、図1及び図2に示すように翼排気部L1の回転筒状部5の最下端の真下に外径が該回転筒状部5の外径と同一又は小さく設定された円筒状の応力低減部21を設けている点である。図2は回転筒状部5とねじ溝部18と応力低減部21の関係を示す円筒モデルを示す図である。一般的に図2に示すような円筒体を回転させた場合、円筒部bは円筒部aの下端部付近に対して遠心力を高くさせる付加質量として大きく作用する。
【0010】
上記のようにターボ分子ポンプの翼排気部L1の回転筒状部5の最下端部に円筒状の応力低減部21を設けた場合、図2のa部分が翼排気部L1の回転筒状部5、bの部分がねじ溝部18に相当することになる。一方、a部分のみでは応力は高くないので、図示するように、a部分の下端部に円筒状のc部分を設けることにより、回転体に加わる応力は全体的に平均化され、c部分を設けない場合より、翼排気部L1の回転筒部5の最下端部の応力が低減されることになる。即ち、図2のa部分の円周応力は外周部に回転翼12やねじ溝部18が付加質量として作用するので、明らかにc部分の円周応力より大きくなる。この円周応力の小さいc部分はa部分と一体的に形成されているため、a部分及びc部分を全体としてみた場合応力は平均化され、a部分の応力はc部分により低減されることになる。従って、ロータR、即ち羽根車を高速回転することができ、ポンプの排気性能を向上させることが可能となる。
【0011】
なお、本発明とは直接関係ないが、以下に本ターボ分子ポンプの構造及び動作について説明する。主軸4と固定筒状部3の間に駆動用モータ6と、その上下に上部ラジアル軸受(磁気軸受)7及び下部ラジアル軸受(磁気軸受)8が設けられ、そして主軸4の下部にはターゲットディスク9とステータS側に設けられた上下の電磁石10a、10bを有するアキシャル軸受11が配置されている。このような構成によってロータRが5軸の能動制御を受けながら高速で回転するようになっている。
【0012】
回転筒状部5の上部外周部には、回転翼12が一体に設けられて羽根車を構成し、ポンプケーシング1の内面には、回転翼12と交互に配置された固定翼15が設けられている。該固定翼15はその縁部を上下の固定翼スペーサ14により上下から押さえられ、ねじ溝部スペーサ19の上端とポンプケーシング1の上部内面の間に挟持し固定されている。
【0013】
回転筒状部5と一体的に形成されているねじ溝部18には、外周面にねじ溝18aが形成され、ステータSにはこのねじ溝部18の外周を囲むねじ部スペーサ19が配置されている。ねじ溝排気部L2は上述のように、高速回転するねじ溝部18のねじ溝18aのドラッグ作用によって排気を行なう。
【0014】
翼排気部L1及びねじ溝排気部L2で排気されたガスは排気口20を通ってターボ分子ポンプ外に排出される。
【0015】
なお、上記実施の形態例のターボ分子ポンプでは、翼排気部L1の下流側のロータR側の外周にねじ溝18aが形成されたねじ溝部18を設けているが、該ねじ溝18aはロータR側に設ける必要はなく、ロータR側はねじ溝の無い円筒体とし、該円筒体を囲繞するステータS側の円筒体にねじ溝を設けた構造の広域型のターボ分子ポンプでも本発明は適用できる。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように各請求項に記載の発明によれば、翼排気部の回転筒状部の最下端部に円筒状の応力低減部を設けたので、ターボ分子ポンプの応力が高くなる部位(翼排気部の回転筒状部の最下端部)の応力が低減でき、ロータ即ち羽根車を高速回転させることが可能となり、排気性能の優れたターボ分子ポンプを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のターボ分子ポンプの構造例を示す断面図である。
【図2】本発明のターボ分子ポンプの回転筒状部とねじ溝部と応力低減部の関係を示す円筒モデル図である。
【図3】従来のターボ分子ポンプの構造例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ポンプケーシング
2 基部
3 固定筒状部
4 主軸
5 回転筒状部
6 駆動用モータ
7 上部ラジアル軸受
8 下部ラジアル軸受
9 ターゲットディスク
10a,b 電磁石
11 アキシャル軸受
12 回転翼
14 固定翼スペーサ
15 固定翼
18 ねじ溝部
19 ねじ溝部スペーサ
20 排気口
21 応力低減部
R ロータ
S ステータ
L1 翼排気部
L2 ねじ溝排気部
Claims (2)
- ポンプケーシング内にロータ側の回転筒状部の外周に設けられた複数の回転翼と複数のステータ側の固定翼が交互に配置された翼排気部と、該翼排気部の下流側の前記ステータ側又はロータ側の少なくとも一方にねじ溝を有するねじ溝排気部とが設けられた構造のターボ分子ポンプにおいて、
前記翼排気部の回転筒状部の最下端真下に外径が該翼排気部の回転筒状部の外径と同一又は小さく設定されている円筒状の応力低減部を設けたことを特徴とするターボ分子ポンプ。 - ポンプケーシング内にロータ側の回転筒状部の外周に設けられた複数の回転翼と複数のステータ側の固定翼が交互に配置された翼排気部と、該翼排気部の下流側の前記ステータ側又はロータ側の少なくとも一方にねじ溝を有するねじ溝排気部とが設けられた構造のターボ分子ポンプにおいて、
前記翼排気部の回転筒状部の最下端部に、前記翼排気部の回転筒状部と前記ねじ溝排気部のねじ溝部に加わる応力を全体的に平均化し、該回転円筒状部の最下端部の応力を低減する円筒状の応力低減部を下方に突出させて設けたことを特徴とするターボ分子ポンプ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP03683098A JP3734616B2 (ja) | 1998-02-02 | 1998-02-02 | ターボ分子ポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP03683098A JP3734616B2 (ja) | 1998-02-02 | 1998-02-02 | ターボ分子ポンプ |
Publications (2)
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JPH11218094A JPH11218094A (ja) | 1999-08-10 |
JP3734616B2 true JP3734616B2 (ja) | 2006-01-11 |
Family
ID=12480674
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP03683098A Expired - Lifetime JP3734616B2 (ja) | 1998-02-02 | 1998-02-02 | ターボ分子ポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3734616B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5056152B2 (ja) * | 2007-05-15 | 2012-10-24 | 株式会社島津製作所 | ターボ分子ポンプ |
-
1998
- 1998-02-02 JP JP03683098A patent/JP3734616B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11218094A (ja) | 1999-08-10 |
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