JP2003515038A - 高速ターボポンプ - Google Patents

高速ターボポンプ

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Abstract

(57)【要約】 ステータ１０と、ロータシャフト１６を有するロータ１３とが設けられており、ロータシャフト１６が玉軸受に支持されており、ロータ側の玉軸受１８が、ロータシャフト１６の環状の肩部１７とロータ１３の支持部分２２との間に取り付けられた内レース２３を有している形式のものにおいて、支持部分２２に面する第１の端面Ｓ１の外径の大きさが、少なくとも玉軸受１８の基準直径Ｄ３から玉の直径の３４％を引いたものの大きさと同程度である。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 本発明は、高速ターボポンプ、特にターボ分子ポンプまたは循環ファンに関す
る。
【０００２】 高速回転シャフトの運転中、固有曲げ振動数がロータの回転振動数に等しくな
るかまたはロータの回転振動数に近づく状況が発生する虞がある。このような場
合において、ロータシャフトの望ましくない曲げ振動が発生し、これにより機械
を破壊してしまう可能性がある。さらに、ロータシャフトを運転回転数に加速さ
せる時に、しばしば固有曲げ振動数を越えなければならない。片持形ロータを有
する機械的に支持されたシステムの場合、ロータ側の軸受からロータへの移行部
分は、しばしば曲げ強さがきわめて制限された部分である。
【０００３】 概して、ロータシャフトの固有曲げ振動数に達するのはターボ機械を高速回転
させた場合のみである。“高速ターボ機械”という用語は、回転数が約２７００
０ｒｐｍ以上である機械を指す。
【０００４】 本出願人のパンフレット“真空技術の基礎（Grundlagen der Vakuumtechnik）
”１９９８年７月版は、ロータシャフトが鋼球玉軸受またはハイブリッド球玉軸
受（セラミック球玉軸受）内で片持式に支持されたターボ分子ポンプを説明して
いる。下端部において、ロータシャフトは大きな直径の部分を有しており、この
大きな直径の部分に、ロータシャフトを駆動する電気モータの一部である磁石が
固定されている。ロータが取り付けられる上方シャフト区分は、より小さな直径
を有しておりかつ、より太いシャフト区分への移行部分で玉軸受によって支持さ
れている。
【０００５】 本発明の課題は、望ましくない共振に対する安全性が増した高速ターボ機械を
提供することである。
【０００６】 本発明によれば、この課題は請求項１の特徴部により解決された。すなわち、
ロータシャフトの軸受が従来システムによりも改善されており、この場合、ロー
タを支持する端面が拡大された玉軸受が使用されている。この拡大は、玉軸受の
内レースの第１の端面を外側に向かって拡大することによって実現される。した
がって、この箇所において、ロータシャフトの内部曲げモーメントをより少ない
変形で伝えることができる。曲げ強さが増すので曲げ振動数も増大する。固有曲
げ振動数以下の回転振動数における曲げは減少する。曲げ強さを増すことによっ
て固有曲げ振動数が増大させられ、これにより、もはや運転振動数が固有曲げ振
動数に達することはできない。したがって、望ましくない共振が防止される。
【０００７】 玉軸受の内径は、ロータシャフトのシャフト直径によって確定される。本発明
によれば、内レースの外径が増大させられ、これにより内レースの支持端面が拡
大される。この端面は、玉軸受の基準直径から玉の直径の３４％を引いたものと
少なくとも同程度に大きい外径を有している。このようにして、ロータの支持部
分が支持される比較的大きな端面が得られる。支持部分の端面の大きさは、大き
な面全体に亘って支持することができるように、この支持部分の端面と協働する
玉軸受の内レースの第１の端面の大きさと少なくとも同程度であるべきである。
【０００８】 添付図面を参照しながら本発明の実施例を以下に詳細に説明する。
【０００９】 図面の説明 図１はターボ分子ポンプの部分断面図を示している。
【００１０】 図２は玉軸受の拡大図であり、端面の直径が一方の側で拡大されている。
【００１１】 図１はターボ分子ポンプの部分断面図を示している。ポンプは、内方に突出し
た複数のステータディスク１１を備えたステータ１０を有しており、このステー
タ１０はハウジング１２に取り付けられている。さらに、半径方向に突出した複
数のロータディスク１４を有したロータ１３が設けられており、これらの複数の
ロータディスク１４は、ステータディスク１１の間に延びている。ステータディ
スク１１とロータディスク１４との間の距離はミリメートルのオーダである。ロ
ータディスク１４の外縁部の周速度が、圧送したい気体分子の平均熱運動速度の
オーダに達すると、所望の大きさのポンプ効果が達成される。これは、約３６０
００ｒｐｍから最大７２０００ｒｐｍまでのロータの回転数に該当する。
【００１２】 ロータ１３は、ロータシャフト１６を取り囲む管１５を有する。ロータシャフ
ト１６は、小さな直径の部分１６ａと大きな直径の部分１６ｂとを有している。
部分１６ａと部分１６ｂとの間の移行部分に環状の肩部１７が提供されており、
この環状の肩部１７に対して玉軸受１８の内レース２３が当接しており、この玉
軸受１８は小さな直径の部分１６ａを支持している。玉軸受１８はモータハウジ
ング２０の収容部１９内に配置されており、このモータハウジング２０は、ロー
タシャフト１６を駆動するモータ２１の固定子巻線を含んでいる。モータ２１は
、大きな直径のシャフト部分１６ｂを包囲しかつ直接駆動する。ロータシャフト
１６は垂直な軸線に合わせて配置されており、モータ２１の上方では玉軸受１８
によって、モータ２１の下方では、図示されていない別の玉軸受によって支持さ
れている。ロータ１３が配置される部分１６ａは、上方に向かって自由に延びて
いる。
【００１３】 管１５の下端部は支持部分２２を形成しており、この支持部分２２によって、
ロータ１３は玉軸受１８の内レース２３に支持されている。したがって、内レー
ス２３は、支持部分２２と環状の肩部１７との間で軸方向に定置である。玉軸受
１８の外レース２４は、弾性的に結合された座を使用してモータハウジング２０
の収容部１９内に取り付けられている。玉２５および、場合によっては保持器が
、内レース２３と外レース２４との間に配置されている。
【００１４】 図２から明らかなように、玉軸受１８の内レース２３は直径Ｄｉの円筒状の貫
通孔を有している。内レース２３は、支持部分２２によって当接される上面に第
１の環状の端面Ｓ１を有し、またロータシャフト１６の環状の肩部１７に当接す
る第２の端面Ｓ２を有している。内レース２３の端面の外径Ｄ１の大きさは、少
なくとも、溝底部の直径に玉の直径×０．１６を加えたもの、つまり基準直径Ｄ
３から玉の直径×０．３４を引いたものの大きさと同程度である。このサイズ決
めは、深溝玉軸受に対応する内レースを前提としている。端面Ｓ１または端面Ｓ
２若しくはこれらの両端面Ｓ１，Ｓ２は拡大された直径を有していてよい。この
場合において、直径Ｄ１は、基準直径Ｄ３または玉軸受１８の玉２５の中心が通
過する玉軌道の直径よりもさらに大きい。
【００１５】 玉軸受１８はラジアル／スラスト軸受である。管１５の底面または支持部分２
２は、端面Ｓ１全体に亘って当接しておりかつ端面Ｓ１を全体的に覆っている。
これにより、支持部分２２と内レース２３との間に大形面圧力接触が生ぜしめら
れ、玉軸受１８の位置におけるシャフト１６の曲げ強さが増す。したがって、ロ
ータシャフトの固有曲げ振動数が増大させられ、これにより、固有曲げ振動数は
運転振動数よりも高くなる。拡大された端面Ｓ１は、力を、ロータ１３に属する
支持部分２２の全底面によって、特により大きな半径の部分に伝える。
【図面の簡単な説明】
【図１】 ターボ分子ポンプを示す部分断面図である。
【図２】 玉軸受を示す拡大図であり、端面の直径が一方の側で拡大されている。
【符号の説明】
１０ ステータ、 １１ ステータディスク、 １２ ハウジング、 １３ ロータ、 １４ ロータディスク、 １５ 管、 １６ ロータシャフト、 １ ６ａ，１６ｂ 部分、 １７ 肩部、 １８ 玉軸受、 １９ 収容部、 ２０ モータハウジング、 ２１ モータ、 ２２ 支持部分、 ２３ 内レース、 ２４ 外レース、 ２５ 玉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3H022 AA03 BA06 CA12 DA11 3H031 DA02 EA07 FA11 3J101 AA02 AA42 AA52 AA62 BA53 BA57 FA01 GA29

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 高速ターボ機械、特にターボ分子ポンプまたは循環ファンで
    あって、 ステータ（１０）と、ロータシャフト（１６）を有するロータ（１３）とが設
    けられており、該ロータシャフト（１６）が玉軸受に支持されており、該ロータ
    側の玉軸受（１８）が、前記ロータシャフト（１６）の環状の肩部（１７）と前
    記ロータ（１３）の支持部分（２２）との間に取り付けられた内レース（２３）
    を有している形式のものにおいて、 前記支持部分（２２）に面する第１の端面（Ｓ１）の外径の大きさが、少なく
    とも前記玉軸受（１８）の基準直径（Ｄ３）から玉の直径の３４％を引いたもの
    の大きさと同程度であることを特徴とする、高速ターボ機械、特にターボ分子ポ
    ンプまたは循環ファン。
  2. 【請求項２】 前記玉軸受（１８）の内レース（２３）の第１の端面（Ｓ１
    ）が、反対側に位置する第２の端面（Ｓ２）よりも大きい、請求項１記載のター
    ボ機械。
  3. 【請求項３】 前記支持部分（２２）が管（１５）の一部であり、該管（１
    ５）の下端部が、前記内レース（２３）の第１の端面（Ｓ１）に、該第１の端面
    （Ｓ１）の外径（Ｄ１）とほぼ等しい直径で当接するようになっている、請求項
    １記載のターボ機械。
JP2001538681A 1999-11-18 2000-11-01 高速ターボポンプ Pending JP2003515038A (ja)

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