JP3728420B2 - ドライサンプ式4サイクルエンジン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、騎乗型の不整地走行用四輪車又は自動二輪車等の車輌に適したドライサンプ式4サイクルエンジンに関し、特にオイルポンプの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ドライサンプ式4サイクルエンジンには2つのオイルポンプが備えられており、1つは、オイルタンク又はオイルタンク室からエンジンの各注油個所にオイルを圧送するフィードポンプであり、1つは、各注油個所から戻ったオイルをオイルタンク又はオイル室側へ汲み上げるスカベンジングポンプである。
【0003】
上記のように2つのオイルポンプを備える場合に、ポンプ軸への動力伝達機構の簡素化及びポンプ配置のコンパクト化を図るために、特開平6−288214号公報では、両オイルポンプを同軸芯上に配置し、両ポンプのポンプ軸を継手機構等により連動連結する構造が提案されている。
【0004】
図21は上記公報記載のポンプ構造を示しており、スカベンジングポンプ300のハウジング301はクラッチカバー302に設けられ、一方フィードポンプ305のハウジング306はクランクケース307に取り付けられている。各ポンプ30,305のポンプ軸310,311は個々に形成されると共に、それぞれのハウジング301,306に支持され、継手機構313を介して連動連結されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図21のような従来構造では、各ポンプ300,305のポンプ軸310,311は別々に形成されて継手機構313により連動連結されており、また、各ポンプ300,305のハウジング301,306はそれぞれクラッチカバー302とクランクケース307に設けられているので、スペース的な制約を受けると共に部品点数が多くなり、ポンプの組付けやクランクケース及びクラッチカバーの加工に手間がかかる等、潤滑装置のコンパクト化及び簡素化に改良の余地がある。
【0006】
【発明の目的】
本願発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、コンパクトで構造が簡単なオイルポンプ装置を持つドライサンプ式4サイクルエンジンを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本願請求項1記載の発明は、各注油個所にオイルを圧送するフィードポンプと、各注油個所から戻ったオイルを汲み上げてオイルタンク側へ戻すスカベンジングポンプとを有するドライサンプ式4サイクルエンジンにおいて、クランクケース20の側部を覆うと共にクラッチを収納するクラッチカバー57の内面にフィードポンプ (106) を装着すると共に、該フィードポンプ106よりも内側にフィードポンプ106と同軸にスカベンジングポンプ107を配置し、同一のポンプ軸155にフィードポンプ106のロータ106aとスカベンジングポンプ107のロータ107aを固定し、オイルフィルター115をクラッチカバー57に装着し、オイルフィルター115の入口と前記クラッチカバー (57) 内のフィードポンプ106の吐出部173とを、クラッチカバー57内のオイル供給通路を介して連通し、スカベンジングポンプ107のオイル出口は、クラッチ室59内の空間部分に開放している。
【0008】
上記のようにポンプ軸を両ポンプで共有すると共に両ポンプをクラッチカバーに取り付けることにより、ポンプ用の部品点数を削減できると共に、ポンプ軸同士の継手機構の加工も不要となり、組付性も向上する。また、両ポンプをクラッチカバーに取り付けることにより、クランクケースの加工が容易になると共に、クラッチ下方のクラッチ室内空間をポンプ配置用に有効に利用でき、エンジンのコンパクト化も達成できる。さらに、フィードポンプから各注油個所の間に配置されるフィルタは、通常、クラッチカバーに設けられるので、上記のようにフィードポンプをクラッチカバーに取り付けていると、フィードポンプからフィルタまでの配管がクラッチカバー内で簡単に行なうことができる。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のドライサンプ式4サイクルエンジンにおいて、ポンプ軸に固定されたポンプギヤを、クランク軸に設けられると共にクラッチギヤに噛み合うクランクギヤに噛み合わせている。
【0010】
すなわち、クランクギヤをポンプ駆動用のギヤとしても利用することにより、動力伝達系の部品点数を削減でき、コンパクト化も達成できる。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のドライサンプ式4サイクルエンジンにおいて、フィードポンプの吐出部と吸込部とをリリーフバルブを介して連通可能とし、フィードポンプの吐出部からリリーフバルブを介して逃がしたオイルをフィードポンプの吸込部に戻すようにしている。
【0012】
このようにフィードポンプの吐出部からリリーフバルブを介して逃がされるオイルを、オイルタンクに戻さずに、フィードポンプの吸込部に直接戻すようにしていると、リリーフ用の配管がクラッチカバー内の短いオイル通路だけで済み、構造が簡素化でき、また、一旦、フィードポンプから吐出されたオイルをその状態のまま直ぐに再利用するので、リリーフされたオイルを効率良く利用することができる。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のドライサンプ式4サイクルエンジンにおいて、リリーフバルブは、スカベンジングポンプ用のハウジングに内装してある。
【0014】
これにより、リリーフバルブ用の部品点数及び配置スペースを節約することができる。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のドライサンプ式4サイクルエンジンにおいて、フィードポンプ及びスカベンジングポンプを、クランク軸の後方下部で、クラッチの前方下部に設けている。
【0016】
これにより、クラッチカバー内の空間をポンプ配置用に有効利用することができる。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載のドライサンプ式4サイクルエンジンにおいて、クラッチカバー内のクラッチ室にオイルを収納し、上記ポンプ軸をオイルに漬かる高さに配置している。
【0018】
これにより、長時間エンジンを停止した後でも、フィードポンプはエアを噛むことなく始動することができる。
【0019】
請求項7記載の発明は、各注油個所にオイルを圧送するフィードポンプと、各注油個所から戻ったオイルを汲み上げてオイルタンク側へ戻すスカベンジングポンプとを有するドライサンプ式4サイクルエンジンにおいて、同一のポンプ軸155にフィードポンプ106のロータ106aとスカベンジングポンプ107のロータ107aを固定し、クランクケース20の側部を覆うと共にクラッチを収納するクラッチカバー57の内側に、スカベンジングポンプ用のハウジング151及びポンプカバー153を順次締結し、クラッチカバー57に、フィードポンプ106のロータ106aを収納するフィードポンプ室を片側開放状に形成すると共に、該片側開放面を上記ハウジング151により閉じ、上記ハウジング151に、スカベンジングポンプ107のロータ107aを収納するスカベンジングポンプ室を片側開放状に形成すると共に、該片側開放面を上記ポンプカバー153により閉じ、ポンプカバー153とハウジング151にポンプ軸155を支持している。
【0020】
すなわち、両ポンプの外郭を、1つのハウジング及びポンプカバーを順次クラッチカバーに締結することにより構成しているので、両ポンプ用の部品点数を節約できると共に組付けも簡単になり、構造も簡素化できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
[エンジンが搭載される車輌]
図1は本願発明が適用されたドライサンプ式の単気筒4サイクルエンジンを搭載した騎乗型不整地走行用四輪車を示しており、車体フレーム1の前部には左右一対の前輪2を備え、後部にはスイングアーム4を介して左右一対の後車輪5を備え、スイングアーム4はショックアブソーバ3により弾性支持されている。車体フレーム1内にはエンジン7及びラジエター8等を搭載し、車体フレーム1の上部には騎乗型シート10、燃料タンク11及びバー状のハンドル12等を備えている。
【0022】
エンジン7は、クランクケース20の上に、シリンダ21、シリンダヘッド22及びヘッドカバー23を順次締結してなり、シリンダヘッド22の前面排気口に排気管24が接続し、該排気管24は右側へ湾曲して後方に延び、マフラ25に接続している。シリンダヘッド21の後面吸気口に吸気管26が接続し、該吸気管26はキャブレター27、吸気ダクト28及びエレメント27を内蔵する後方のエアクリーナボックス30に接続している。
【0023】
該車輌はチェーン駆動方式を採用しており、エンジン7の出力スプロケット31と後車軸32のスプロケット33の間に駆動チェーン34を巻き掛け、駆動チェーン34により後輪5を駆動するようになっている。図1中、符号O1,O2,O3はそれぞれエンジン7のクランク軸芯、変速入力軸芯及び変速出力軸芯を示している。
【0024】
[エンジンの外殻]
図2は図1のII-II断面展開拡大図であり、シリンダ中心線C、クランク軸芯O1、変速入力軸芯O2及び変速出力軸芯O3を通る面でエンジン7を切断して展開した図である。この図2において、クランクケース20は左右のクランクケース部材20a,20bに2分割されており、両クランクケース部材20a,20bは、シリンダ中心線Cを通りクランク軸芯O1と直交する面を合わせ面として結合されている。クランクケース20内は、前部がクランク軸41を収納するクランク室51となっており、後部がミッションMを収納するミッション室52となっている。
【0025】
クランクケース20の左右端壁53,54にはそれぞれクランクケースカバー56,57が締着されており、左側のクランクケースカバー56で覆われるカバー室58にはジェネレータ60が収納され、右側のクランクケースカバー57で覆われるカバー室59内には多板摩擦式クラッチ61が収納されている。
【0026】
左右の各クランクケースカバー56,57及びカバー室58,59を明確に区別するため、それぞれ収納する装置の名称に従い、左側のクランクケースカバー56及びカバー室58をジェネレータカバー及びジェネレータ室と称し、右側のクランクケースカバー57及びカバー室59をクラッチカバー及びクラッチ室と称して、以下説明する。
【0027】
[動力伝達系]
クランク軸41はクランクケース20の左右端壁53,54に軸受65,65を介して回転可能に支持されると共に左右2分割構造となっており、クランクピン37により左右のクランク軸部分が結合されている。クランク軸41の左端部分はジェネレータ室58内に突出し、カムチェーン用スプロケット68が形成されると共に、始動ギヤ84及び前記ジェネレータ60のロータ(フライホール)70が取り付けられている。上記カムチェーン用スプロケット68に巻き掛けられたカムチェーン71は、シリンダ21及びシリンダヘッド22に形成されたカムチェーントンネル62を通過してヘッドカバー23内に至り、カム軸48のスプロケット72に巻き掛けられている。
【0028】
クランク軸41の右端部はクラッチ室59内に突出し、クラッチ61のクラッチギヤ81に噛み合うクランクギア82と、バランサ駆動ギヤ83が固着されている。
【0029】
ミッションMは前進5段、後進1段に切換自在な構造となっており、変速入力軸42は左右1対の軸受73によりクランクケース20の左右端壁53,54に支持され、変速入力軸42上には、右側から順に前進1速、5速、3速、2速及び4速用の各入力側前進用変速ギヤ85が装着され、左端部には入力側後進用変速ギヤ86が設けられている。変速入力軸42の右端部はクラッチ室59内に突出し、クラッチ61のハブに連結されている。
【0030】
変速出力軸43は、左右1対の軸受に74よりクランクケース20の左右端壁53,54に支持されており、左端部がミッション室52から左方に突出し、前記後輪駆動用の出力スプロケット31が固着されている。変速出力軸43上には、右側から順に前進1速、5速、3速、2速及び4速用の各出力側前進用変速ギヤ87が装着され、左端部に出力側後進用変速ギヤ88が設けられている。各出力側前進用変速ギヤ87は入力側前進用変速ギヤ85にそれぞれ噛み合い、出力側後進用変速ギヤ88は図3に示すように、後進用アイドル軸44に設けられた後進用アイドルギヤ90を介して入力側後進用変速ギヤ86に噛み合っている。
【0031】
図8はエンジン内の軸及びギヤの配列を示しており、ミッション室52の下方には、シフトロッド45、チェンジドラム46及びチェンジ軸47等が配置されている。シフトロッド45は1本のみ備えられ、該1本のシフトロッド45に複数(たとえば3本)のシフトフォーク76が支持され、各シフトフォーク76はそれぞれ変速入力軸42と変速出力軸43へ延び、シフトスリーブの溝に係合している。チェンジ軸47には、チェンジドラム46を所定ピッチで回動するための揺動アーム77が設けらている。
【0032】
クランク軸41の前方にはバランサ軸50が配置され、該バランサ軸50のバランサギヤ91はクランク軸41のバランサ駆動ギヤ83に噛み合っている。変速入力軸42の上方には大小の始動用中間ギヤ93,94が同軸上に設けられると共に始動モータ95が配置され、大きい始動用中間ギヤ93は始動モータ95のピニオン96に噛み合い、小さい始動用中間ギヤ94は、前方の始動用アイドルギヤ97を介してクランク軸41の始動ギヤ84に噛み合っている。
【0033】
図15はバランサ軸50及び始動機構を詳しく記載しており、バランサ軸50は、クランクケース20の左右端壁53,54に軸受75を介して回転可能に支持され、軸芯方向の中央と左右両端部にウエイト78,79,80を設けてある。中央ウエイト78はクランク軸41のクランクウエブ(ウエイト部)49間に配置され、左ウエイト79はジェネレータ室58内に配置されると共に、カムチェーン用スプロケット68に概ね対向する位置に位置し、右ウエイト80はクラッチ室59内のバランサギヤ(シザースギヤ)91と一体に形成されている。バランサ軸50の右端部には水ポンプ98のポンプ軸99が継手を介して連動連結している。
【0034】
始動機構の各ギヤ93,94、97はジェネレータ室58の上方に配置されており、始動モータ95はクランクケース20の上壁に取り付けられている。
【0035】
[各注油個所の構造]
図2において、クランク軸41内にはクラッチカバー57内のオイル供給通路110に連通するオイル通路111が形成され、該オイル通路111は、クランクピン37の外周嵌合部分及びクランクピン37内を経て、コンロッド38の嵌合部分に至っている。上記クラッチカバー57内のオイル通路110は、クラッチカバー57に装着されたニ次フィルタ115の出口部115aに連通している。
【0036】
変速入力軸42内と変速出力軸43内にもそれぞれオイル通路118,119が形成されており、各オイル通路118,119はクランクケース20の左端壁53に形成されたオイル室120にそれぞれ連通すると共に、各変速ギヤ85,86,87,88及びクラッチギヤ81の嵌合部分に至っている。また、ヘッドカバー23にもカム軸48の摺接部分を潤滑するためのオイル通路121が形成されている。
【0037】
図14は図8のXIV-XIV断面図であって、変速ギヤ85等の噛合部分の上方には、変速入力軸42等と平行にオイルシャワーパイプ126が架設されており、該オイルシャワーパイプ126内は前記クランクケース左端壁53に形成されたオイル室120に連通している。オイルシャワーパイプ126には、軸方向に間隔を置いて複数の噴口127が形成され、各噴口127から変速ギヤ噛合部分に向けてオイルを噴出するようになっている。
【0038】
[クランクケース内のオイル収納構造]
図3は左側クランクケース部材20aの内面を示しており、前部のクランク室51と後部のミッション室52の間には一定高さの仕切り壁55がクランクケース20と一体に形成され、該仕切り壁55により、ミッション室52の下方部分を、クランク室51から隔離されたオイルタンク室64としている。上記仕切り壁55は、クランク軸芯O1と概ね同じ高さに形成されると共に、クランクウエブ(含クランクウエイト部)49の外形に沿って前下方に延び、クランク軸芯O1の概ね直下位置で下方に延びる隔壁101に繋がっており、これによりオイルタンク室64をクランク室51の下方位置まで拡張している。クランク室51は、上記仕切り壁55の前下端(隔壁101との交点)から前方に繋がる底壁102により下方が囲まれており、該底壁102は前方のバランサ軸50の下方位置まで至り、さらにバランサ軸50の中央ウエイト78の外周に沿ってクランク室51の前上端部まで延びている。
【0039】
変速入力軸42、変速出力軸43及び後進用アイドル軸44は、それらの軸芯O2,O3,O4がいずれもクランク軸芯O1よりも高く配置されており、オイルタンク室64内のオイル(レベルL1)に対し、図8のように各変速軸42,43,44に装着された変速ギヤ群(85,87,90等)のいずれもが殆どオイルに浸らないようになっている。これにより、変速ギヤ群に対するオイルの抵抗を無くし、動力伝達効率の低下を防いでいる。
【0040】
図10は図3のX-X断面部分図であり、オイルタンク室64の右端壁(クランクケース右端壁)54には、オイルタンク室64とクラッチ室59とをオイルレベルL1より下方位置で連通する連通孔105が形成されており、これによりクラッチ室59にはオイルタンク室64と同一レベルL1のオイルが貯留され、クラッチ室59をオイルタンク室64の拡張部として利用できるようになっている。また、クラッチ室59内に配置されているクラッチ61は、その下端部がオイルに浸らない程度の高さに設置されている。これにより、クラッチ61に対するオイルの抵抗を無くし、動力伝達効率の低下を防いでいる。
【0041】
図9は図3のIX-IX断面図であり、クラッチ室59内にはフィードポンプ106とスカベンジングポンプ107が同軸上に配置され、両ポンプ106,107の配置高さは、ポンプ106,107のロータ106a,107aがオイルレベルL1内に略納まるように設定されている。また、クラッチ室59からクランク室51にオイルが溢れないように、クランク軸41の右側の軸受65を支持するインサート65aは、該軸受65の下半分をシールする形状となっている。すなわち図6に示すように、上記インサート65aの内周形状は、上半分が半円形に形成され、下半分が上記上半分の円周よりも堰状に高くなるように形成されている。
【0042】
クランク室51の左端壁(クランクケース左端壁)53には、クランク室51の底部と略同一面のオイル逃がし通路125が形成されている。該オイル逃がし通路125はジェネレータ室58に開口しているが、該開口部はジェネレータ室58の下端壁58aに対して段差Dを有する高い位置に形成されている。これによりクランク室51からジェネレータ室58へは自然落下又は流下によりオイルを逃がすことができるが、ジェネレータ室58からクランク室51にはオイルが戻らないようになっている。
【0043】
クランク室51の底壁102の下側には、クランク軸芯O1と平行な一対のオイル通路130,131がクランクケース20と一体に並設されており、一方のオイル通路130は左端がジェネレータ室58に開口すると共に右端が閉塞され、他方のオイル通路131は左端が閉塞されると共に右端がオイルレベルL1より下方位置において、クラッチ室59に向けて開口している。両オイル通路130,131間は、左半分が隔壁133により隔てられ、右半分が板状の三次フィルタ135を介して連通している。すなわち、上記両オイル通路130,131及び板状の三次フィルタ135を介して左側のジェネレータ室58と右側のクラッチ室59を連通している。また、一方のオイル通路130の左端開口130aの位置は、前記クランク室51のオイル逃がし通路125よりも段差Dを隔てた下方に位置し、ジェネレータ室58の下端壁58aと同じ高さに設定されている。これにより、クランク室51からジェネレータ室58に流れ込むオイルが、速やかにオイル通路130に流れるようになっている。
【0044】
前記一方のオイル通路、すなわち上流側オイル通路130は、図3に示すように断面形状が概ね逆二等辺三角形に形成され、他方のオイル通路、すなわち下流側オイル通路131は上流側オイル通路130の後下部に位置し、断面形状が略直角三角形に形成されている。両オイル通路130,131を隔離する隔壁133は後上がり傾斜状に形成され、また、図5に示すように板状の三次フィルタ135も隔壁133と同様に後上がり傾斜状に配置されており、これによりろ過面積を稼いでいる。
【0045】
図4は左側クランクケース部材20aの外側面を示しており、ジェネレータ室58に開口する前記オイル逃がし通路125は3個所に形成されている。本実施の形態の場合、クランク軸芯O1の略直下位置と、該直下位置より少し後方位置と、バランサ軸芯O5の略直下位置に形成されている。ジェネレータ室58の後下方には、仕切り壁140を介してサブオイルタンク室141が形成されており、該サブオイルタンク室141は下端部のオイル連通路142を介し、図3のようにオイルタンク室64に連通しており、オイルタンク室64と同一のレベルL1にオイルを溜めることができるようになっている。
【0046】
図6は、右側クランクケース部材20bの外面を示す側面図であり、クラッチ室59内には、前記バランサギヤ(シザースギヤ)91の後下部を覆う堰145がクランクケース20と一体に形成されており、これにより、バランサギヤ91の下半部に一定量のオイルを保持できるようになっている。
【0047】
[オイルポンプの全体構成]
図7のXII-XII断面を示す図12において、オイルポンプとして、前述のようにオイルタンク室64からエンジンの各注油個所にオイルを圧送するフィードポンプ106と、ジェネレータ室58からオイルを吸い込んでクラッチ室59内に汲み上げるスカベンジングポンプ107が、クラッチ室59内に配置され、クラッチカバー57に取り付けられており、いずれのポンプ106,107も内外のロータ等からなるトロコイドポンプを採用している。
【0048】
両ポンプ106,107の外郭は、クラッチカバー57と、共通のポンプハウジング151と、ポンプカバー153により構成されており、ポンプハウジング151はクラッチカバー57の内面に締結され、ポンプカバー153はOリング152を介してポンプハウジング151の左端面に締結されている。フィードポンプ用のロータ106aは、クラッチカバー57内に形成されたポンプ室106bに配置され、スカベンジングポンプ用のロータ107aはポンプハウジング151内に形成されたポンプ室107bに配置されている。クラッチカバー57内の上記フィードポンプ用ポンプ室106bは、片側開放状に形成されると共にポンプハウジング151の右端面により閉じられており、また、ポンプハウジング内の上記スカベンジングポンプ用ポンプ室107bも、片側開放状に形成されると共にポンプハウジング151の右端面により閉じられている。
【0049】
両ポンプ106,107のロータ106a,107aは同一のポンプ軸155に固定されており、共通のポンプ軸155はポンプハウジング151及びポンプカバー153により支持されると共に、ポンプカバー153を通過してクラッチ室59内に突出し、該突出部にポンプギヤ156が固着されている。該ポンプギヤ156はクランク軸41のクランクギヤ82に噛み合っている。
【0050】
両ポンプ106(及び107)のエンジン側方から見た配置位置は、図7に示すようにクランク軸41の後方下部であって、クラッチ61の前方下部となっている。
【0051】
[スカベンジングポンプの構成]
図7のXIII-XIII断面を示す図13において、スカベンジングポンプ107の吸込部(吸込み通路)159はポンプカバー153の左端面で開口し、該開口部はOリング161を介して右側クランクケース部材20bの前記下流側オイル通路131に接続している。スカベンジングポンプ107の吐出部160には、後方に吐出する吐出管162がポンプハウジング151と一体に形成され、該吐出管162にはゴムホース163が接続している。該ゴムホース163はクラッチ室59内を後上方に延び、クラッチカバー57の端壁とガスケット164で囲まれたオイル吐出室165内に挿入され、クラッチカバー57の端壁に向けて開口している。すなわち、上記ゴムホース163により、クラッチ室59内のオイルレベルL1より高い空気中にオイルを吐出すると共にクラッチカバー57の内面に衝突させ、気液を分離させ、クラッチ室59内にオイルを溜めるようになっている。なお、上記ガスケット164はクラッチケース57と右側クランクケース部材20bの右端面との間に挟着されたガスケットである。
【0052】
クラッチ室59からスカベンジングポンプ107内へオイルが浸入するのを防止する対策として、前述のOリング152,161でポンプハウジング151とポンプカバー153とクランクケース20との各合わせ面をシールする構造に加え、スカベンジングポンプ用のロータ107aの軸方向両側方であって、ポンプ軸155とポンプカバー153との嵌合部並びにポンプハウジング151との嵌合部にそれぞれ回転シール部材170,171を嵌着している。
【0053】
[フィードポンプの構成]
図12及び図20において、フィードポンプの吸込部174は、ポンプハウジング151内のオイル室175及びポンプカバー153内の吸込孔176を介して左方に開口しており、該吸込孔176はオイルタンク室64の底部に形成されたオイル取入通路178にOリング177を介して接続されている。該オイル取入通路178はオイルタンク室64の底部に形成された上部オイル取入室180に連通し、該上部オイル取入室180は略水平に配置された板状の一次フィルタ182を介して下部オイル取入室181に連通し、該下部オイル取入室181はオイル孔183を介してオイルタンク室64内に連通している。また、下部オイル取入室181には前述のように、オイル連通路142を介して前記サブオイルタンク室141が連通している。
【0054】
フィードポンプ106の吸込側のオイル室175には図20に拡大して示すようにリリーフバルブ200が設けられており、フィードポンプ106の吐出圧が設定値以上に上昇した時に、リリーフバルブ200が開き、吐出部173のオイルの一部を、オイル戻し通路206及びリリーフバルブ200を介して、吸込側のオイル室175に戻すようになっている。
【0055】
リリーフバルブ200は、有底円筒状のバルブケース201と、バルブケース201内に摺動自在に嵌合する円筒状のプランジャ202と、該プランジャ202を閉位置に付勢する弁ばね203から構成されている。バルブケース201はオイル室175を左右に横断するようにポンプハウジング151等に固定されており、バルブケース201の周壁にはオイル室175に開口するオイル戻し孔205が周方向に間隔をおいて複数形成されている。プランジャ202の右端壁(受圧壁)はバルブケース201の右端壁の開口201aを介して前記オイル戻し通路206に面している。プランジャ202は弁ばね203で右方に付勢されることにより、オイル戻し孔205を閉塞している。すなわち、フィードポンプ106の吐出圧が上昇するとプランジャ202は弁ばね203に抗して左方に移動し、吐出圧が所定値以上になった時にオイル戻し孔205が開き、吐出オイルの一部をオイル吸込側のオイル室175に戻すようになっている。なお、図20では、リリーフバルブ200によりオイル室175を遮っているように見えるが、オイル室175はリリーフバルブ200の周囲を取り囲むように広く形成されており、リリーフバルブ200の開閉に関係なく、常に、吸込部174と吸込孔176を連通状態に保つようになっている。
【0056】
図12において、フィードポンプ106の吐出部173はクラッチカバー57内のオイル供給通路210に連通し、該オイル供給通路210はクラッチ室59内に向いて開口し、該開口部にはオイル供給パイプ212が接続金具213を介して接続している。
【0057】
[オイル供給系路]
図7はクラッチカバー57の内面に両オイルポンプ組立体を組み付けた状態を示しており、前述のようにフィードポンプ106の吐出側に連通する前記オイル供給パイプ212はクラッチ室59内を上方に延び、前記ニ次フィルルタ115の入口に接続している。ニ次フィルタ115の出口115aには、前方に延びるオイル供給通路220と、下方に延びる前記クランク軸用のオイル供給通路110が連通している。
【0058】
両オイル供給通路220,110は、図6のように右側クランクケース部材20bとの合わせ面で形成されており、下方に延びるオイル供給通路110は、前述のように図2のクランク軸41内のオイル通路111に連通している。一方、図6の前方に延びるオイル供給通路220は、前端部においてクランク軸芯方向と平行なオイル供給通路223に連通し、クランクケース20内を横断してクランクケース左端に至っている。
【0059】
図4において、クランクケース20内を右から左に貫通する前記オイル供給通路223はジェネレータ室58に開口しており、該開口部には、図11に示すように2本のオイル供給パイプ240,241が2段重ねで接続されている。
【0060】
一方のオイル供給パイプ240は上方のカムチェーントンネル62を通り、シリンダヘッド22のオイル接続口243に接続し、図18に示すように、シリンダヘッド22内のオイル供給通路245を経てヘッドカバー23内のカム軸48に至っている。他方のオイル供給パイプ241は後方に延び、図2のオイル室120から変速入力軸42のオイル通路118及び変速出力軸43のオイル通路119に連通している。
【0061】
【作用】
[フィードポンプから各注油個所へのオイル供給]
既に詳しく説明しているので、ここでは、図19のオイル循環系路を示すブロック図に基づき、また、フィードポンプ106によるオイルの流れを示す図16、スカベンジングポンプ107によるオイルの流れを示す図17並びに各潤滑個所へのオイルの流れ及びオイルの戻りを示す図18を参照して、簡単に説明する。図19において、エンジン運転中、オイルタンク室64から板状の一次フィルタ182を介してフィードポンプ106に吸い込まれたオイルは、オイル供給パイプ212等を経てニ次フィルタ115内に入り、ろ過された後、2つのオイル供給通路220,110に枝分かれする。
【0062】
一方のオイル供給通路110はクランク軸41にオイルを供給し、クランク軸周り、たとえばクランクピン部分及びピストン周り等を潤滑する。
【0063】
他方のオイル供給通路220は、2つのオイル供給パイプ240,241に枝分かれし、一方のオイル供給パイプ241は変速入力軸42及び変速出力軸43にオイルを供給し、各変速ギヤの嵌合部分を潤滑すると共に、オイルシャワーパイプ126にオイルを供給し、変速ギヤ群の噛合部分を潤滑する。他方のオイル供給パイプ240はシリンダヘッド22周りのカム軸等を潤滑する。
【0064】
[その他の潤滑個所]
図6において、クラッチ室59内に配設されたバランサギヤ(シザースギヤ)91は、クラッチ室59内のオイルを自ら掻き揚げることにより、噛合部分を潤滑している。また、図12のポンプギヤ156も自ら掻き揚げるクラッチ室59内のオイルによりクランクギヤ82との噛み合い部を潤滑している。
【0065】
[各注油個所からオイルポンプ室までのオイルの戻り]
図2において、カム軸48の潤滑に利用されたオイルは、チェーントンネル62を通ってジェネレータ室58に落下又は流下する。クランク軸周りに供給されたオイルはクランク室51の底部に落下又は流下する。ミッションMの潤滑に利用されたオイルはミッション室下方のオイルタンク室64に直接落下又は流下する。
【0066】
図9において、クランク室51の底部に落下したオイルは、クランクケース左端壁53のオイル逃がし通路125から落下又は流下によりジェネレータ室58の底部に集まり、スカベンジングポンプ107の吸引力により、クランク室下方のオイル通路130、三次フィルタ135及びオイル通路131を通ってクランクケース20を左右に横断し、オイル通路131からスカベンジングポンプ107に直接吸引される。
【0067】
このようにクランク室51内に戻るオイルを、クランクウエブ49の側方に形成されたオイル逃がし通路125からジェネレータ室58に逃がし、該ジェネレータ室58からスカベンジングポンプ107で吸い込んでクラッチ室59に戻すようにしていると、クランク室51内の圧力変動がスカベンジングポンプ107の吸引力に影響を与えることはなく、また、クランクウエブ49の回転によるオイルの巻き上げ現象が生じることもなくなり、スカベンジングポンプ107の性能を無駄なく利用でき、スカベンジングポンプ107を大型化しなくとも必要な吸込量を確保することができる。
【0068】
図13において、スカベンジングポンプ107内に直接吸い込まれたオイルは、加圧された後、吐出パイプ163内を通って後上方に送られ、オイルレベルL1より上方に形成された吐出室165内において、クラッチカバー57の端壁に向けて吐出される。この時、オイルは気液分離され、液体部分(オイル)はクラッチ室59の下部に溜まると共に、図10のように連通孔105を通してオイルタンク室64内へも戻され、オイルタンク室64内で貯留される。また、図12のオイル連通路142を介してジェネレータ室後下部のサブオイルタンク室141にも溜まる。
【0069】
エンジンを長時間停止している状態において、スカベンジングポンプ107は図13のようにポンプ軸両側のシール170,171及び各種Oリング152,161でシールされているため、オイルタンク室64及びクラッチ室59のオイルがスカベンジングポンプ107を介してジェネレータ室58やクランク室51に逆流することはなく、クランク室51をドライな状態に保てると共に、クラッチ室59内及びオイルタンク室64内のオイルレベルを一定に保っておくことができる。これにより、エンジンを長時間停止した後でもオイルタンク室64内のオイル量を正確に検出することができる。
【0070】
【その他の発明の実施の形態】
(1)オイルタンクをエンジン外部に設置した外部オイルタンク設置型のエンジンに適用することも可能である。
【0071】
(2)左右の両クランクケースカバーのうち、ジェネレータカバーの両ポンプを取り付けることも可能である。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように本願発明は次のような利点がある。
(1)ドライサンプ式4サイクルエンジンにおいて、スカベンジングポンプとフィードポンプのポンプ軸を1つのポンプ軸で共有し、両ポンプを共にクランクケースカバーに装着していることにより、ポンプ用の部品点数を削減できると共に、ポンプ軸同士の継手機構の加工も不要となり、組付性も向上する。
【0073】
(2)両ポンプをクラッチカバーに取り付けることにより、クランクケースの加工が容易になると共に、クラッチ下方のクラッチ室内空間をポンプ配置用に有効に利用でき、エンジンのコンパクト化も達成できる。
【0074】
(3)フィードポンプから各注油個所の間に配置されるフィルタは、通常、クラッチカバーに設けられるので、フィードポンプをクラッチカバーに取り付けていると、フィードポンプからフィルタまでの配管が、クラッチカバー内で簡単に配行なえる。
【0075】
(4)ポンプ軸に固定されたポンプギヤを、クランク軸に設けられると共にクラッチギヤに噛み合うクランクギヤに噛み合わせ、クランクギヤをポンプ駆動用のギヤとしても利用することにより、動力伝達系の部品点数を削減でき、また、コンパクト化も達成できる。
【0076】
(5)フィードポンプの吐出部と吸込部とを、リリーフバルブを介して連通可能とし、フィードポンプの吐出部からリリーフバルブを介して逃がしたオイルをフィードポンプの吸込部に戻すようにしていると、リリーフ用の配管がクラッチカバー内の短いオイル通路だけで済み、構造が簡素化され、また、一旦、フィードポンプから吐出されたオイルをその状態のまま直ぐに再利用するので、リリーフされたオイルを効率良く利用することができる。
【0077】
(6)リリーフバルブをスカベンジングポンプ用のハウジングに内装していると、リリーフバルブ用の部品点数及び配置スペースを節約することができる。
【0078】
(7)フィードポンプ及びスカベンジングポンプを、クランク軸の後方下部で、クラッチの前方下部に設けていると、クラッチカバー内の空間をポンプ配置用に有効利用することができる。
【0079】
(8)クラッチカバー内のクラッチ室にオイルを収納し、上記ポンプ軸をオイルに漬かる高さに配置していると、長時間エンジンを停止した後でも、フィードポンプはエアを噛むことなく始動することができる。
【0080】
(9)クランクケースの側部を覆うと共にクラッチを収納するクラッチカバーのクラッチ室内側に、スカベンジングポンプ用のハウジング及びポンプカバーを順次締結し、クラッチカバーに、フィードポンプのロータを収納するフィードポンプ室を片側開放状に形成すると共に、該片側開放面を上記ハウジングにより閉じ、上記ハウジングに、スカベンジングポンプのロータを収納するスカベンジングポンプ室を片側開放状に形成すると共に、該片側開放面を上記ポンプカバーにより閉じ、ポンプカバーとハウジングにポンプ軸を支持していると、両ポンプの外郭を、1つのハウジング及びポンプカバーを順次クラッチカバーに締結することにより構成でき、両ポンプ用の部品点数を節約できると共に組付けも簡単になり、構造も簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明にかかるドライサンプ式4サイクルエンジンを搭載した騎乗型不整地走行用四輪車の側面図である。
【図2】 図1に記載されたエンジンのII-II断面拡大展開図である。
【図3】 左側クランクケース部材内の内面図(右側面図)である。
【図4】 左側クランクケース部材内の外面図(左側面図)である。
【図5】 右側クランクケース部材内の内面図(左側面図)である。
【図6】 右側クランクケース部材内の外面図(右側面図)である。
【図7】 クラッチカバーの内面図(左側面図)である。
【図8】 エンジン内の各種軸及びギヤの配置を示す右側面図である。
【図9】 図3のIX-IX断面略図である。
【図10】 図3のX-X断面略図である。
【図11】 図2のXI-XI断面図である。
【図12】 図7のXII-XII断面図である。
【図13】 図7のXIII-XIII断面図である。
【図14】 図8のXIV-XIV断面図である。
【図15】 図8のXV-XV断面図である。
【図16】 フィードポンプによるオイルの流れを示すエンジン内の配管略図である。
【図17】 スカベンジングポンプによるオイルの流れを示すエンジン内の配管略図である。
【図18】 各潤滑個所へのオイル供給並びにオイルの戻りを示すエンジン内の配管略図である。
【図19】 エンジン内のオイル全体の流れを示すブロック図である。
【図20】 リリーフバルブの拡大断面図である。
【図21】 従来のオイルポンプを示す断面図である。
【符号の説明】
20 クランクケース
51 クランク室
56 ジェネレータカバー(クランクケースカバーの一例)
57 クラッチカバー(クランクケースカバーの一例)
58 ジェネレータ室(カバー室の一例)
59 クラッチ室(カバー室の一例)
60 ジェネレータ
61 クラッチ
64 オイルタンク室
82 クランクギヤ
106 フィードポンプ
106a ロータ
107 スカベンジングポンプ
107a ロータ
151 ポンプハウジング
153 ポンプカバー
155 ポンプ軸
156 ポンプギヤ
173 フィードポンプの吐出部
174 フィードポンプの吸込部
175 オイル室
200 リリーフバルブ
206 オイル戻し通路

Claims (7)

  1. 各注油個所にオイルを圧送するフィードポンプと、各注油個所から戻ったオイルを汲み上げてオイルタンク側へ戻すスカベンジングポンプとを有するドライサンプ式4サイクルエンジンにおいて、
    クランクケース(20)の側部を覆うと共にクラッチを収納するクラッチカバー(57)の内面にフィードポンプ (106) を装着すると共に、該フィードポンプ (106) よりも内側にフィードポンプ (106) と同軸にスカベンジングポンプ (107) を配置し、
    同一のポンプ軸(155)にフィードポンプ(106)のロータ(106a)とスカベンジングポンプ(107)のロータ107aを固定し、
    オイルフィルター (115) をクラッチカバー (57) に装着し、オイルフィルター (115) の入口と前記クラッチカバー (57) 内のフィードポンプ (106) の吐出部 (173) とを、クラッチカバー (57) 内のオイル供給通路を介して連通し、
    スカベンジングポンプ (107) のオイル出口は、クラッチ室 (59) 内の空間部分に開放していることを特徴とするに連通し、前記オイルフィルター1 (115 )の入口をクラッチカバー (57) に一体に形成されドライサンプ式4サイクルエンジン。
  2. 上記ポンプ軸に固定されたポンプギヤを、クランク軸に設けられると共にクラッチギヤに噛み合うクランクギヤに噛み合わせていることを特徴とする請求項1に記載のドライサンプ式4サイクルエンジン。
  3. フィードポンプの吐出部と吸込部とをリリーフバルブを介して連通可能とし、フィードポンプの吐出部からリリーフバルブを介して逃がしたオイルをフィードポンプの吸込部に戻すようにしていることを特徴とする請求項1又は2記載のドライサンプ式4サイクルエンジン。
  4. リリーフバルブは、スカベンジングポンプ用のハウジングに内装してあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のドライサンプ式4サイクルエンジン。
  5. フィードポンプ及びスカベンジングポンプを、クランク軸の後方下部で、クラッチの前方下部に設けていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のドライサンプ式4サイクルエンジン。
  6. クラッチカバー内のクラッチ室にオイルを収納し、上記ポンプ軸をオイルに漬かる高さに配置していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のドライサンプ式4サイクルエンジン。
  7. 各注油個所にオイルを圧送するフィードポンプと、各注油個所から戻ったオイルを汲み上げてオイルタンク側へ戻すスカベンジングポンプとを有するドライサンプ式4サイクルエンジンにおいて、
    同一のポンプ軸 (155) にフィードポンプ (106) のロータ (106a) とスカベンジングポンプ (107) のロータ (107a) を固定し、
    クランクケース (20) の側部を覆うと共にクラッチを収納するクラッチカバー (57) のクラッチ室 (59) 内側に、スカベンジングポンプ用のハウジング (151) 及びポンプカバー (153) を順次締結し、
    クラッチカバー (57) に、フィードポンプ (106) のロータ (106a) を収納するフィードポンプ室を片側開放状に形成すると共に、該片側開放面を上記ハウジング (151) により閉じ、
    上記ハウジング (151) に、スカベンジングポンプ (107) のロータ (107a) を収納するスカベンジングポンプ室を片側開放状に形成すると共に、該片側開放面を上記ポンプカバー (153) により閉じ、
    ポンプカバー (153) とハウジング (151) にポンプ軸 (155) を支持していることを特徴とするドライサンプ式4サイクルエンジン。
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