JP3723068B2 - 製版印刷装置および製版印刷方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製版部にて製版された孔版原紙を版胴に巻き付けるとともに、給紙部から給紙された印刷用紙をローラ部と版胴との間で圧接することにより、印刷用紙にインクを転写させて所望画像の印刷物を得る製版印刷装置および製版印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
製版印刷装置は、製版部にて製版された孔版原紙を円筒状の版胴に巻き付けるとともに、給紙部から給紙された印刷用紙をローラ部材と版胴との間で圧接することにより、印刷用紙にインクを転写させて所望画像の印刷物を得るものである。
【0003】
ところで、この種の製版印刷装置に用いられるエマルジョンインクは、一般的に低温で粘度が高くなる性質を有している。特に、温度に敏感で粘度変化が大きいエマルジョンインクを用いた場合、印刷動作を行わずに装置を放置すると、インクの温度が周囲の環境温度に近くなり、粘度も高くなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そして、印刷用紙へのインクの転写時には、インクが版胴内の中押しロールとドクターロールとの間の隙間を通過するが、インクの粘度が高くなると、前記隙間の抵抗力が増し、中押しロールを版胴と連動して回転させるためのメインモータに負荷がかかり、印刷時におけるメインモータにかかるトータル負荷が大きくなるという問題があった。
【0005】
また、メインモータに負荷がかかると、より大きな力でメインモータを駆動しなければならず、これによってメインモータの駆動系(例えば歯車や歯車を支持する部材など)にも負担がかかり、耐久性を増すため、部品の強度が必要となるという問題があった。
【0006】
さらには、インクの粘度が高くなると、孔版原紙の穿孔部分のインクを通過する部分の抵抗力が大きくなり、孔版原紙の穿孔部分をインクが通過しずらくなるため、印刷物の濃度が薄くなり、所望画像の印刷物が得られないという問題があった。
【0007】
このため、従来は、メインモータとしてトルクが十分なモータを採用したり、強度が足りない部分には補強を行ったり、また、印刷圧を上げたりして上記問題に対応していた。
【0008】
そこで、本発明は、上述した従来の対応策を行うことなく上記課題を解決するべくなされたものであって、装置の放置によるインク温度の低下を防ぎ、適正化されたインクを供給することができる製版印刷装置および製版印刷方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明に係る製版印刷装置は、多孔構造の円筒状の版胴と、該版胴の内部に設けられ一方が伝達駆動機構を介して前記版胴と連動して回転する一対のロール部材の間にインク溜まり部が形成されたインク供給機構と、孔版原紙を穿孔製版する製版部とを備え、前記製版部で製版された前記孔版原紙を前記版胴の外周面に巻装し、前記版胴の軸線方向と平行に設けられたローラ部材と前記版胴とにより圧接させて印刷用紙を挟持搬送させ、前記インク溜まり部から前記回転可能なロール部材の外周面を介して前記版胴の内周面に供給され前記孔版原紙の穿孔部分より通過するインクを前記印刷用紙に転移させて印刷処理を行う製版印刷装置において、
前記インク溜まり部のインク温度又は前記版胴の内部気温を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段が検出した検出温度が予め決められた設定温度以下のときに、前記版胴に対する前記ローラ部材の圧接を解除させた状態で、前記温度検出手段による検出温度が前記設定温度以上になるまで前記版胴を回転し、且つこの版胴の回転に伴って前記ロール部材を前記版胴の周壁から離間する待機位置にて連動回転して前記インク溜まり部のインクを混練するように前記版胴の回転を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明に係る製版印刷装置は、多孔構造の円筒状の版胴と、該版胴の内部に設けられ一方が伝達駆動機構を介して前記版胴と連動して回転する一対のロール部材の間にインク溜まり部が形成されたインク供給機構と、孔版原紙を穿孔製版する製版部とを備え、前記製版部で製版された前記孔版原紙を前記版胴の外周面に巻装し、前記版胴の軸線方向と平行に設けられたローラ部材と前記版胴とにより圧接させて印刷用紙を挟持搬送させ、前記インク溜まり部から前記回転可能なロール部材の外周面を介して前記版胴の内周面に供給され前記孔版原紙の穿孔部分より通過するインクを前記印刷用紙に転移させて印刷処理を行う製版印刷装置において、
前記インク溜まり部のインク温度又は前記版胴の内部気温を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段が検出した検出温度が予め決められた設定温度以下のときに、前記版胴に対する前記ローラ部材の圧接を解除させた状態で、前記温度検出手段による検出温度が前記設定温度以上になるまで前記版胴を回転し、且つこの版胴の回転に伴って前記ロール部材を前記版胴の周壁から離間する待機位置にて連動回転して前記インク溜まり部のインクを混練するように前記版胴の回転を制御するとともに、前記版胴及び前記ロール部材を連動回転した後に前記版胴に巻装された孔版原紙を排版して未製版の孔版原紙を着版し、前記ローラ部材を前記版胴に対してプレス動作するように前記ローラ部材の駆動を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明に係る製版印刷装置は、請求項1又は2の製版印刷装置において、
前記版胴を所定回転数で回転駆動したときの該版胴の内部気温に対する版胴動作回数データが記憶された記憶手段を備え、
前記温度検出手段は、前記版胴の内部気温を検出し、
前記制御手段は、前記温度検出手段が検出する前記版胴の内部気温が予め決められた設定温度以下のときに、前記検出温度に対応する版胴動作回数データを前記記憶手段から読み出し、この読み出した版胴動作回数データによる回数分だけ前記版胴を回転するように該版胴の回転を制御することを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明に係る製版印刷方法は、多孔構造の円筒状の版胴と、該版胴の内部に設けられ一方が伝達駆動機構を介して前記版胴と連動して回転する一対のロール部材の間にインク溜まり部が形成されたインク供給機構と、孔版原紙を穿孔製版する製版部とを備え、前記製版部で製版された前記孔版原紙を前記版胴の外周面に巻装し、前記版胴の軸線方向と平行に設けられたローラ部材と前記版胴とにより圧接させて印刷用紙を挟持搬送させ、前記インク溜まり部から前記回転可能なロール部材の外周面を介して前記版胴の内周面に供給され前記孔版原紙の穿孔部分より通過するインクを前記印刷用紙に転移させて印刷処理を行う製版印刷方法において、
前記インク溜まり部のインク温度又は前記版胴の内部気温を検出するステップと、
前記検出による検出温度が予め決められた設定温度以下のときに、前記版胴に対する前記ローラ部材の圧接を解除させた状態で、前記検出温度が前記設定温度以上になるまで前記版胴を回転し、且つこの版胴の回転に伴って前記ロール部材を前記版胴の周壁から離間する待機位置にて連動回転して前記インク溜まり部のインクを混練するステップとを含むことを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明に係る製版印刷方法は、多孔構造の円筒状の版胴と、該版胴の内部に設けられ一方が伝達駆動機構を介して前記版胴と連動して回転する一対のロール部材の間にインク溜まり部が形成されたインク供給機構と、孔版原紙を穿孔製版する製版部とを備え、前記製版部で製版された前記孔版原紙を前記版胴の外周面に巻装し、前記版胴の軸線方向と平行に設けられたローラ部材と前記版胴とにより圧接させて印刷用紙を挟持搬送させ、前記インク溜まり部から前記回転可能なロール部材の外周面を介して前記版胴の内周面に供給され前記孔版原紙の穿孔部分より通過するインクを前記印刷用紙に転移させて印刷処理を行う製版印刷方法において、
前記インク溜まり部のインク温度又は前記版胴の内部気温を検出するステップと、
前記検出による検出温度が予め決められた設定温度以下のときに、前記版胴に対する前記ローラ部材の圧接を解除させた状態で、前記検出温度が前記設定温度以上になるまで前記版胴を回転し、且つこの版胴の回転に伴って前記ロール部材を前記版胴の周壁から離間する待機位置にて連動回転して前記インク溜まり部のインクを混練するステップと、
前記版胴及び前記ロール部材を連動回転した後に前記版胴に巻装された孔版原紙を排版して未製版の孔版原紙を着版し、前記ローラ部材を前記版胴に対してプレス動作するステップとを含むことを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明に係る製版印刷方法は、請求項4又は5の製版印刷方法において、
前記版胴の内部気温が予め決められた設定温度以下のときに、予め記憶手段に記憶された前記版胴を所定回転数で回転駆動したときの該版胴の内部気温に対する版胴動作回数データから読み出し、この読み出した版胴動作回数データによる回数分だけ前記版胴を回転するように該版胴の回転を制御するステップを含むことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による製版印刷装置の一例を示す側面図、図2は同装置の印刷部の駆動機構の概略構成を示す斜視図、図3は同装置のインク供給ユニットの駆動機構の概略構成を示す斜視図、図4は同装置のインナープレス機構の分解斜視図、図5は同装置のインク供給ユニットの斜視図、図6は同装置において中押しロールが待機位置に位置するときの版胴内部の側面構成図、図7は同装置において中押しロールが押圧位置に位置するときの版胴内部の側面構成図、図8は同装置において中押しロールが押圧位置で、且つ、原紙クランプ部を回避する状態の版胴内部の側面構成図、図9は同装置においてインクの供給状態を示す版胴内部の側面構成図、図10(a),(b)は同装置の版胴に設けられるスクリーンの概略構成図である。
【0016】
図1において、製版印刷装置1は、原稿読取部(図示せず)、製版部2、印刷部3、給紙部4、排紙部5、排版部6から主に構成されている。
【0017】
不図示の原稿読取部は、製版元になる原稿を電気信号として読み取る。この読み取った情報は所定の指令(拡大、縮小等)に基づいて加工可能に構成されている。
【0018】
図1に示すように、製版部2は、ロール状に巻かれた長尺状原紙10を収容する原紙収容部11と、原紙収容部11に対し長尺状原紙10の搬送方向の下流に配置されたサーマルヘッド12と、このサーマルヘッド12の対向位置に配置され、ライトパルスモータ(図示せず)の駆動力により回転するプラテンローラ13と、プラテンローラ13およびサーマルヘッド12に対し長尺状原紙10の搬送方向の下流に配置され、ライトパルスモータ(図示せず)の駆動力により回転する一対の原紙送りローラ14と前記プラテンローラ13およびサーマルヘッド12との間に配置された原紙カッタ(図示せず)とを有する。
【0019】
図1に示すように、印刷部3は、同一径の版胴16および圧胴17を有し、この版胴16と圧胴17は互いの外周面の一部を略近接させて設けられる。版胴16は、自身の軸線廻りに回転可能に装置本体に支持されている。図2および図3に示すように、版胴16は、両端に円板形の2枚の側板18が配置され、側板18の表面が版胴歯車19を形成している。また、図3に示すように、側板18の内面には版胴歯車19と連動して回転する胴内歯車20が形成されている。図1に示すように、圧胴17は、その外周面が版胴16の周壁に対して所定間隔をおくようにして版胴16の軸線と平行な軸線をもって設けられ、自身の軸線廻りに回転可能とされている。
【0020】
上記版胴16と圧胴17は、以下の伝達駆動機構21により同期して回転する。図2に示すように、伝達駆動機構21は、駆動源としてのメインモータ22を有している。メインモータ22には、例えばパルスモータが採用され、パルス駆動によりその回転数が制御される。メインモータ22の出力軸には、駆動歯車23が取り付けられ、この駆動歯車23には圧胴歯車24が噛み合っている。圧胴歯車24は、圧胴17の自身の軸線に沿った回転筒軸25に取り付けられている。そして、メインモータ22の駆動により駆動歯車23が回転すると、圧胴歯車24および回転筒軸25を介して圧胴17が所定方向に回転する。
【0021】
また、図2に示すように、圧胴歯車24には、環状歯車26の外歯26aが噛み合っている。環状歯車26の内歯26bには、複数(図2の例では3個)の同形の遊星歯車27が噛み合っている。各遊星歯車27には、環状歯車26の中心にて中心歯車28が噛み合っている。これにより、メインモータ22の駆動により圧胴歯車24が回転すると、環状歯車26および各遊星歯車27を介して中心歯車28が回転する。この中心歯車28の回転により回転する軸部29には、一対の従動歯車30を支持する支持軸31の一端部が嵌挿されている。支持軸31は、版胴16の軸線と平行に配されており、各従動歯車30が版胴16の側板18の外周面に形成された版胴歯車19に噛み合っている。そして、メインモータ22の駆動により回転する中心歯車28に従じて回転する各従動歯車30を介して版胴16が回転し、版胴16と圧胴17とが同期して回転する。また、版胴16と圧胴17は、上記各歯車群により同回転数で回転するとともに、図1に示すように、版胴16が反時計廻り方向に回転し、圧胴17が時計廻り方向に回転する。
【0022】
図1に示すように、版胴16の外周面の一部には、孔版原紙33の先端をクランプする原紙クランプ部32が設けられている。図7に示すように、原紙クランプ部32以外の版胴16の外周面には、版胴16の周壁を形成する可撓性のスクリーン34が張設されている。この版胴16の周壁を形成する可撓性のスクリーン34は、少なくとも印刷領域において印刷圧の作用時にインクを通過可能に構成されている。
【0023】
更に説明すると、図10に示すように、版胴16の周壁をなすスクリーン34は、目の粗い(例えば#50のステンレスシート)第1メッシュ部材35と、第1メッシュ部材35上に設けられる目の細かい(例えば#305のポリエステルシート)第2メッシュ部材36と、例えば薄膜のポリエステルシートからなるエンドシート37を有して概略構成される。このスクリーン34は、インクを通過させる領域(図10の一点鎖線で示す部分)を除いて第1メッシュ部材35、第2メッシュ部材36、エンドシート37が例えばシリコンなどの目止め部材38により第1メッシュ部材35側から目止めされ、一体化されている。また、インクの漏れを防止するため、エンドシート37は、一端側に庇37aが形成された状態で第2メッシュ部材36上に目止め部材38により目止めされている。
【0024】
版胴16のスクリーン34の内部には、図4に示すようなインナープレス機構41が設けられる。また、図1に示すように、圧胴17の外周面の所定箇所には用紙クランプ部42が設けられ、この用紙クランプ部42で印刷媒体である印刷用紙43の先端をクランプできる。
【0025】
図4〜図9に示すように、インナープレス機構41は、版胴16の内部に配置されたインク供給ユニット44と、版胴16の外部に配置されてインク供給ユニット44に回転力を伝達する動力伝達手段45とを有する。インク供給ユニット44は、ロール支持部材46を有しており、このロール支持部材46は支持軸47を中心として固定部材(図示せず)に回動自在に支持されている。ロール支持部材46には歯部48が設けられ、この歯部48にはインナーアーム部49の歯部50が噛み合っている。
【0026】
インナーアーム部49は、駆動軸51を支点として回動自在に支持され、この駆動軸51の一方の端部は版胴16の外部に突出している。この外部に突出する駆動軸51に動力伝達手段45からの回転力が伝達される。インナーアーム部49の一端部の側面には遮光片49aが突出形成されており、インナーアーム部49の回転に伴う遮光片49aの回転軌跡上には位置検出センサ57が設けられる。さらに説明すると、位置検出センサ57は、一対の投光器と受光器で構成され、これら投光器と受光器は中押しロール53が待機位置に位置するときに投光器から出射される光がインナーアーム部49の遮光片49aによって遮られるように配置される。そして、位置検出センサ57は、中押しロール53が待機位置に位置するときのみオン信号を出力し、中押しロール53が待機位置に位置していないときにはオフ信号を出力する。
【0027】
ロール支持部材46の支持軸47には歯車52が回転自在に支持され、この歯車52は版胴16の胴内歯車20に噛み合っている。また、ロール支持部材46にはローラ部材としての中押しロール53が回転自在に支持されている。
【0028】
そして、インナーアーム部49が図6〜図8にて時計方向に回動すると、ロール支持部材46が反時計方向に回動して中押しロール53が版胴16の周壁を形成しているスクリーン34を外周側に押圧する押圧位置(図7に示す状態)に位置する。これに対し、インナーアーム部49が図6にて反時計方向に回動すると、ロール支持部材46が時計方向に回動して中押しロール53がスクリーン34より内側に退出する待機位置(図6に示す状態)に位置する。そして、この中押しロール53の待機位置は位置検出センサ57によって検出される。
【0029】
中押しロール53の両端には、第1歯車54およびコロ部材55がそれぞれ固定されている。第1歯車54は支持軸47の歯車52に噛み合っており、中押しロール53は版胴16の回転に同期して回転される。コロ部材55は、中押しロール53の待機位置で版胴16のフランジカム面56に離間する位置に位置され、押圧位置では版胴16のフランジカム面56に近接又は圧接する位置に位置され、圧接位置ではフランジカム面56に沿って中押しロール53が上下動される。
【0030】
フランジカム面56は、その回転中心からの径が大径寸法範囲、小径寸法範囲およびこれらを連続させる傾斜寸法範囲とから成る。そして、原紙クランプ部32の箇所では回転中心からの径が小径寸法範囲に構成され、インク供給ユニット44のコロ部材55がフランジカム面56に圧接され、フランジカム面56に規制されることによって中押しロール53が原紙クランプ部32に干渉しないように離間位置とされ、原紙クランプ部32を過ぎるとインク供給ユニット44のコロ部材55がフランジカム面56から離間されて中押しロール53がスクリーン34を押圧する位置に戻り、原紙クランプ部32に近づくとインク供給ユニット44のコロ部材55がフランジカム面56に圧接され、フランジカム面56に規制されることによって中押しロール53がスクリーン34から徐々に離間する。つまり、インク供給ユニット44のコロ部材55とフランジカム面56によって中押しロール53とスクリーン34への押圧開始位置および押圧解除位置が所定の位置になるように設定されている。
【0031】
動力伝達手段45は、図4に示すように、版胴16の外部の固定部材61にブラケット62を介して固定された駆動源であるプレスモータ63を有し、このプレスモータ63の回転軸にはウオームギア64が固定されていると共に回転位置検出用円板65が固定されている。回転位置検出用円板65の外周部には回転位置検出センサ66が近接して設けられる。
【0032】
ウオームギア64にはウオームホイール67が噛み合っており、このウオームホイール67には平ギア68が一体に固定されている。平ギア68にはアーム部材69の歯部69aが噛み合っており、アーム部材69は支持軸70を中心に回動自在に支持されている。歯部69aとは反対のアーム部材69の他端部にはバネ引掛ピン71が固定され、このバネ引掛ピン71にはバネ72の一端側が掛止されている。バネ引掛ピン71は、リンク部材であるリンクプレート73とはネジ74およびワッシャ75によって離脱が防止されている。バネ72の他端側とリンクプレート73の他端側はアウターアーム部77にネジ78およびワッシャ79によって係止されている。アウターアーム部77は回転支持体80の円周外面に固定され、回転支持体80には駆動軸51に係合する係合孔(図示せず)が設けられている。この係合孔に駆動軸51が挿入されることによって回転支持体80の回転が駆動軸51に伝達される。
【0033】
そして、プレスモータ63の駆動によりアーム部材69が時計回転方向(図4のa矢印方向)に回動すると、バネ72のバネ力でアウターアーム部77が反時計回転方向(図4のc矢印方向)に回動され、中押しロール53が図7および図8に示す押圧位置に位置される。押圧位置の中押しロール53にはバネ72のバネ力による押圧力が常時作用し、これが印刷圧となる。また、プレスモータ63の駆動によりアーム部材69が時計回転方向(図4のb矢印方向)に回動し、バネ引掛ピン71がリンクプレート73の長溝73aの底端面を押圧すると、リンクプレート73がアウターアーム部77を押圧してアウターアーム部77が時計回転方向(図4のd矢印方向)に回動させ、中押しロール53が図6に示す待機位置に位置される。つまり、中押しロール53を押圧位置から待機位置に変移させる方向ではリンクプレート73が作用して駆動力を伝達し、中押しロール53を待機位置から押圧位置に変移させる方向ではバネ72が作用して駆動力を伝達するものであり、リンクプレート73とバネ72によって、単一のプレスモータ63から中押しロール53の押圧位置と待機位置との間を変移させる駆動力と、押圧位置における中押しロール53の押圧力を調整する駆動力とを得る動力兼用手段81が構成されている。
【0034】
図5および図9に示すように、ロール支持部材46にはドクターロール82および駆動ロッド83がそれぞれ設けられている。ドクターロール82は中押しロール53の近接位置でロール支持部材46に固定されている。駆動ロッド83はロール支持部材46に回転自在に支持され、中押しロール53およびドクターロール82の互いに近接する側の外周面で構成される上方スペースに配置されている。
【0035】
この上方スペースには、図3に示すようなインクボトル、インクポンプ、インク分配器等のインク供給部84よりインク86が供給される。インク86には、低温で粘度が高くなる性質を有するエマルジョンインクが使用され、中押しロール53とドクターロール82の間には楔形状のインク溜まり部88が形成される。インク溜まり部88のインク86は、中押しロール53の回転により、中押しロール53とドクターロール82との間の微小間隔のギャップを通過して計量されつつ版胴16の周壁の内周面に供給される。このように、中押しロール53は、版胴16の周壁の内周面にインクを供給するインク供給ローラとしても機能する。
【0036】
駆動ロッド83の一端には歯車85が固定され、この歯車85が中押しロール53の第2歯車(図示せず)に噛み合っている。第2歯車(図示せず)は中押しロール53の軸にワンウェイクラッチ(図示せず)を介して支持され、駆動ロッド83は中押しロール53と同様に版胴16の回転に同期して回転される。
【0037】
そして、インクボトル、インプポンプ、インク分配器等のインク供給部84よりインク86が上方スペースに供給されると、このインク86は駆動ロッド83によって攪拌され、且つ、この攪拌されたインクの内で中押しロール53の外周面に付着するインク86はその粘着性により中押しロール53の回転と共に回転しようとする。そして、ドクターロール82とのギャップを通過させることによって所定量のインク86のみを付着しつづけ、中押しロール53はドクターロール82の下流でスクリーン34に圧接しているため、この所定量のインク86がスクリーン34の内周面に転移されることになる。つまり、中押しロール53は印刷圧をスクリーン34の内周側から作用させる機能とインク86をスクリーン34に供給する機能とを有する。
【0038】
図6〜図8に示すように、中押しロール53に対しスクリーン34の回転下流側で、且つ、スクリーン34の内側にはインク掻き取り部材87が左右一対設けられている。各インク掻き取り部材87は、その下端がスクリーン34の両端部にバネなどの付勢手段で付勢された状態で圧接され、両端部に流出したインク86をスクリーン34の中央側に戻す方向に傾斜している。
【0039】
給紙部4は、印刷媒体である印刷用紙43が積層される給紙台91と、この給紙台91から最上位置の印刷用紙43に圧接するスクレーパ92と、このスクレーパ92の下流に配置され、且つ、互いに略近接状態で位置するピックアップロール93およびサバキロール94と、このピックアップロール93およびサバキロール94の下流に配置され、且つ、互いに略近接状態で位置するガイドロール95およびタイミングロール96とを有する。スクレーパ92の回転によって移動された印刷用紙43は、ピックアップロール93およびサバキロール94で最上位置の印刷用紙43のみの搬送が許容される。この搬送許容された1枚の印刷用紙43は、ガイドロール95およびタイミングロール96の回転によって圧胴17の回転に同期して搬送される。
【0040】
排紙部5は、印刷が完了した印刷用紙43の先端をガイドする上方規制ガイド部97と、圧胴17から剥離されない印刷用紙43を剥ぎ取る用紙剥取り爪98と、上方規制ガイド部97でガイドされ、又は、用紙剥取り爪98で剥ぎ取られた印刷用紙43を搬送する用紙搬送機構99と、この用紙搬送機構99によって搬送されて来た印刷用紙43を積層状態で載置するスタッカ部100とを有する。
【0041】
排版部6は、版胴16の原紙クランプ部32より解除された孔版原紙33の先端を導く排版誘導ベルト101と、この排版誘導ベルト101より導かれた孔版原紙33を版胴16より引き剥がしながら搬送する一対の排版搬送ベルト102と、この一対の排版搬送ベルト102によって搬送されて来る孔版原紙33を収納する排版ボックス103とを有する。
【0042】
次に、図11は上述した製版印刷装置1における主要部分のブロック構成図である。
【0043】
図11において、入力手段としての操作パネル110は、ユーザーによって操作されるものであり、前述した製版印刷装置1の装置上面部に設けられ、製版動作を開始させるための製版キー110a、印刷動作を開始させるための印刷キー110bの他、印刷枚数を設定するテンキー、製版や印刷動作を停止させるためのストップキーなどを有している。また、操作パネル110には、設定された印刷枚数や各種メッセージを表示する例えば液晶表示器などの表示部が設けられている。
【0044】
温度検出手段としての温度センサ111は、版胴16内のインク温度、又は版胴16の内部気温tを検出し、その検出信号を制御手段112に入力している。
【0045】
記憶手段113は、ROM等の不揮発性メモリで構成され、例えば下記表1に示すように、版胴16を所定回転数(例えば150rpm)で回転駆動したときの版胴16の内部気温tに対する版胴動作回数データ(版胴16を何回空回しさせるかを示すデータ)が参照データとしてテーブル形式で記憶されている。
【0046】
【表1】
Figure 0003723068
【0047】
制御手段112は、主として、操作パネル110からの入力情報に基づいて所定の製版又は印刷動作を行うべくメインモータ22やプレスモータ63の回転を制御している。また、制御手段112は、操作パネル110および温度センサ111からの入力に基づいて図12や図13に示すフローチャートの処理を実行すべく各部の動作を統括制御している。例えば、一時的に装置が停止して放置されている状態から動作を再開させる前に、操作パネル110の製版キー110a(又は印刷キー110b)が操作されると、温度センサ111による検出温度が予め決められた設定温度以下のときに、版胴16に対する中押しロール53の圧接を解除した状態で、検出温度が設定温度以上になるまで版胴16を空回しするようにメインモータ22の回転を制御している。
【0048】
ここで、上記のように構成される製版印刷装置1の各部の動作を簡単に説明する。製版部2では、プラテンローラ13と原紙送りローラ14の回転により長尺状原紙10を搬送し、原稿読取部(図示せず)で読取った画像情報に基づきサーマルヘッド12の各発熱体が選択的に発熱動作することにより長尺状原紙10に感熱穿孔して、製版済の長尺状原紙10一版長分を原紙カッタ(図示せず)で切断して孔版原紙33を作る。
【0049】
印刷部3では、製版部2で製版された孔版原紙33の先端を版胴16の原紙クランプ部32でクランプし、このクランプした状態で版胴16が回転されて孔版原紙33を版胴16の周壁を形成するスクリーン34外周面に巻き付け装着する。
【0050】
給紙部4では、版胴16および圧胴17の回転に同期して印刷用紙43を搬送し、圧胴17の用紙クランプ部42で印刷用紙43の先端をクランプした状態で版胴16および圧胴17の間に搬送する。
【0051】
一方、印刷部3では、印刷時以外は中押しロール53を図6に示す待機位置とし、中押しロール53をスクリーン34より離間する位置に位置させ、印刷時は中押しロール53を押圧位置とする。このように中押しロール53を押圧位置にすると共に、版胴16を回転する。すると、中押しロール53が原紙クランプ部32の周囲付近の位置では、図8に示す回避位置となる以外は、図7に示すように、中押しロール53がスクリーン34の内周側を押圧しながらスクリーン34の内周面上を回転する。中押しロール53の外周面には連続的にインク86が供給されているため、この回転によってスクリーン34にはインク86が転移される。また、中押しロール53の押圧によってスクリーン34は外周側に膨出し圧胴16に圧接状態となる。
【0052】
そして、上記したように版胴16および圧胴17との間に給紙部4より印刷用紙43が搬送され、この搬送されてきた印刷用紙43が中押しロール53と圧胴17との間でスクリーン34および孔版原紙33と共に押圧されながら搬送される。この押圧搬送過程で印刷用紙43に孔版原紙33の穿孔部分からインク86が転写されて画像が印刷される。印刷用紙43の先端が中押しロール53の位置を過ぎその下流まで来ると、用紙クランプ部42が解除される。
【0053】
排紙部5では、印刷用紙43の先端側を上方規制ガイド部97でガイドし、又は、印刷用紙43の先端側を用紙剥取り爪98で圧胴16より剥ぎ取り、その後、用紙搬送機構99を介してスタッカ部100に搬送する。
【0054】
排版部6では、新たな製版を開始するに際して、版胴16のスクリーン34外周面に巻き付け装着されている先の印刷に使用された使用済の孔版原紙33を排版する。その場合、新たな製版済の孔版原紙33と版胴16の周壁の外周面に着版する前段階で版胴16の原紙クランプ部32を解除し、解除した孔版原紙33の先端側を版胴16を回転しながら排版誘導ベルト101で導き、且つ、一対の排版搬送ベルト102によって搬送して排版ボックス103に収納する。
【0055】
次に、図12および図13に基づき、製版印刷装置1が一時的に動作が停止して放置された状態から動作を再開する前に制御手段112が実行する処理について説明する。なお、図12の処理は新しく製版を行う場合や前の印刷を継続する場合に適用され、図13の処理は前の印刷を継続する場合に適用される。
【0056】
まず、図12に示す処理では、操作パネル110の製版キー110a(又は印刷キー110b)が操作されて製版(又は印刷)をスタートする指令が入力されると、位置検出センサ57から入力される信号に基づいて中押しロール53が待機位置(図6に示す状態)に位置しているか否かを判別する(ST1)。
【0057】
そして、位置検出センサ57からオフ信号が入力され、中押しロール53が待機位置に位置していないと判別されると(ST1−No)、プレスモータ63を駆動して中押しロール53を待機位置まで移動させる(ST2)。
【0058】
位置検出センサ57からオン信号が入力され、中押しロール53が待機位置に位置していると判別されると(ST1−Yes)、版胴16内のインク温度又は版胴16の内部気温を検出する(ST3)。次に、検出温度tを予め決められた設定温度Tと比較し、検出温度tが設定温度Tよりも低ければ(ST4−Yes)、検出温度tが設定温度T以上になるまでメインモータ22を駆動して版胴16を空回し(フリー回転)させる。例えば設定温度T=10℃であれば、検出温度tが10℃以上になるまでメインモータ22を駆動して版胴16を空回しさせる。この版胴16の空回しによって中押しロール53が連動して回転し、インク溜まり部88のインク86が混練される。これにより、インク86の粒子間の摩擦抵抗が大きくなり、インク86に粘りが出てインク86の温度が上昇することになる。
【0059】
検出温度tが設定温度T以上になったと判定すると、製版動作(又はプレスモータ63の回転による印刷動作)を実行する(ST6)。なお、ST4において、検出温度tが設定温度Tよりも低くなければ(ST4−No)、ST5の処理を省いて製版動作(又はプレスモータ63の回転による印刷動作)を実行する(ST6)。
【0060】
次に、図13に示す処理では、検出温度tが予め決められた設定温度T以上になるまでメインモータ22を駆動して版胴16を空回りさせて中押しロール53を回転させる動作(ST1〜ST5)までは同一であり、その後、機密製版動作を実行する(ST7)。この機密製版動作では、版胴16に孔版原紙33が着版されている場合、その孔版原紙33を排版ボックス103に排版処理した後、新たに未製版の孔版原紙33を版胴16に着版する。その後、低速・軽圧による無通紙プレス動作を実行する(ST8)。この低速・軽圧による無通紙プレス動作では、給紙部4から中押しロール53と圧胴17との間に印刷用紙43を給紙しない状態で、通常の印刷動作よりも低速(例えば15rpm)で回転するように版胴16の回転を制御し、スクリーン34の目止め部分に負担がかからない程度の軽圧で中押しロール53が圧胴17に押圧接触するようにプレスモータ63の回転を制御し、中押しローラ53を押圧位置まで移動させてプレス動作を行う。その後、版胴16に着版されている未製版の孔版原紙33を排版ボックス103に排版処理した後、新たな孔版原紙33を製版して版胴16の着版させる製版動作を行った後(ST9)、プレスモータ63の回転による印刷動作を実行する(ST10)。
【0061】
なお、上述した図12および図13に示す処理において、温度センサ111は版胴16の内部気温を検出し、検出温度tが設定温度T以下のときに、記憶手段113に記憶された版胴動作回数データから検出温度tに対応する版胴16の空回しする回数を選択して読み出し、この読み出した版胴動作回数データにより版胴16の回転を制御してもよい。この処理によれば、インク86をより最適な温度に制御でき、印刷に適した粘度のインク86を得ることができる。
【0062】
このように、本例の製版印刷装置1では、装置が一時的に動作が停止して放置された状態から動作を再開し、新しく製版を行う場合や前の印刷を継続する場合、その動作前に、中押しロール53によるプレス動作を行わずに版胴16を空回しして中押しロール53を連動回転させ、インク溜まり部88のインク86の温度を上昇させ、インク86を印刷に適した状態にしている。
【0063】
また、別の処理として、装置が一時的に動作が停止して放置された状態から動作を再開し、新しく製版を行う場合には、上記処理によりインク86を印刷に適した状態にした後、機密製版動作を実行し、低速・軽圧で無通紙のプレス動作を行っている。
【0064】
したがって、本例の製版印刷装置1によれば、製版動作や印刷動作を実行する前に、インク溜まり部88のインク86を印刷に適した粘度にでき、装置の放置によるインク温度の低下を防ぎ、常に適正化されたインクを供給することができる。これにより、版胴16、圧胴17および中押しロール53を連動回転させるためのメインモータ22にかかる負荷が軽減され、駆動系にかかる負担も減るので、従来のようにメインモータ22としてトルクが十分なモータを採用したり、強度が足りない部分に特別な補強を施したり、印刷圧を上げたりすることなく、所望画像の印刷物を得ることができる。
【0065】
また、図13に示す処理は、例えば図10に示す断面構造のスクリーン34を採用したとき、スクリーン34が保持しているインク86に温度低下が生じた場合に有効である。すなわち、スクリーン34の第2メッシュ部材36上のインク86が温度低下により粘度が高くなると、駆動時にスクリーン34の第2メッシュ部材36上のインク86がエンドシート37の庇37aの下から入り込んで目止め部分を破壊することになる。そこで、図13に示す処理を製版動作前に実行することにより、適正化されたインク86を循環させることができ、放置されて高粘度化したスクリーン34が保持するインクが印刷開始時には適正化されたインクと交換されるので、スクリーン34の目止め部分から外部へのインクの漏れを防ぐことができる。
【0066】
ところで、上記実施の形態における製版印刷装置1は、版胴16に連動して回転する中押しロール53が特許請求の範囲における回転可能なロール部材およびローラ部材に相当して一つの部材を兼用しており、この中押しロール53が押圧位置(膨出変形位置)に位置している状態で、版胴16と圧胴17との間に給紙部4より送られてくる印刷用紙43を圧接することにより孔版印刷を行うものであるが、この構成に限るものではない。例えば多孔構造の版胴の内部にインク供給機構を有し、版胴の外周面に製版済の孔版原紙を巻装した状態で、給紙部から送られてくる印刷用紙を版胴の外側に設けられたプレスローラにて版胴に圧接して孔版印刷を行う製版印刷装置にも上記実施の形態の構成を適用することができる。この場合、インク供給機構の一部を構成する一対のロール部材は、版胴の内周面に圧接するスキージロールと、スキージロールとの間に楔形状のインク溜まり部を形成するドクターロールとで構成される。そして、前記スキージロールが特許請求の範囲における回転可能なロール部材に該当し、前記プレスローラがローラ部材に該当する。
【0067】
また、上記実施の形態では、版胴16内部のインク温度又は版胴16の内部気温を検出し、この検出した温度に応じてプレス動作なしの版胴16の空回し(フリー回転)を所定回数行っているが、インクの温度低下に起因してメインモータ22にかかる負荷の大きさに応じてプレス動作なしの版胴16の空回しを所定回数行うことも可能である。
【0068】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、製版動作や印刷動作を実行する前に、インクを印刷に適した粘度にでき、装置の放置によるインク温度の低下を防ぎ、常に適正化されたインクを供給することができる。これにより、版胴やローラ部材などを回転させるためのモータにかかる負荷が軽減され、駆動系にかかる負担も減るので、従来のようにトルクが十分なモータを採用したり、強度が足りない部分に特別な補強を施したり、印刷圧を上げたりすることなく、所望画像の印刷物を得ることができる。
【0069】
また、温度検出手段によって版胴の内部気温を検出し、検出温度が設定温度以下のときに、記憶手段に記憶された版胴動作回数データから検出温度に対応する版胴の回転回数を選択して読み出し、この読み出した版胴動作回数データにより版胴の回転を制御すれば、インクをより最適な温度に制御でき、印刷に適した粘度のインクを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による製版印刷装置の一例を示す側面図
【図2】同装置の印刷部の駆動機構の概略構成を示す斜視図
【図3】同装置のインク供給ユニットの駆動機構の概略構成を示す斜視図
【図4】同装置のインナープレス機構の分解斜視図
【図5】同装置のインク供給ユニットの斜視図
【図6】同装置において中押しロールが待機位置に位置するときの版胴内部の側面構成図
【図7】同装置において中押しロールが押圧位置に位置するときの版胴内部の側面構成図
【図8】同装置において中押しロールが押圧位置で、且つ、原紙クランプ部を回避する状態の版胴内部の側面構成図
【図9】同装置においてインクの供給状態を示す版胴内部の側面構成図
【図10】(a),(b)同装置の版胴に設けられるスクリーンの概略構成図本発明による製版印刷装置の一構成例を示す図
【図11】同装置における主要部分のブロック構成図
【図12】同装置による製版や印刷動作を再開する前に実行される処理の流れを示すフローチャート
【図13】同装置による製版動作を再開する前に実行される別の処理の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
1…製版印刷装置、2…製版部、4…給紙部、16…版胴、17…圧胴、21…伝達駆動機構、33…孔版原紙、53…中押しロール(ロール部材およびローラ部材)、82…ドクターロール(ロール部材)、86…インク、88…インク溜まり部、111…温度センサ(温度検出手段)、112…制御手段。

Claims (6)

  1. 多孔構造の円筒状の版胴と、該版胴の内部に設けられ一方が伝達駆動機構を介して前記版胴と連動して回転する一対のロール部材の間にインク溜まり部が形成されたインク供給機構と、孔版原紙を穿孔製版する製版部とを備え、前記製版部で製版された前記孔版原紙を前記版胴の外周面に巻装し、前記版胴の軸線方向と平行に設けられたローラ部材と前記版胴とにより圧接させて印刷用紙を挟持搬送させ、前記インク溜まり部から前記回転可能なロール部材の外周面を介して前記版胴の内周面に供給され前記孔版原紙の穿孔部分より通過するインクを前記印刷用紙に転移させて印刷処理を行う製版印刷装置において、
    前記インク溜まり部のインク温度又は前記版胴の内部気温を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段が検出した検出温度が予め決められた設定温度以下のときに、前記版胴に対する前記ローラ部材の圧接を解除させた状態で、前記温度検出手段による検出温度が前記設定温度以上になるまで前記版胴を回転し、且つこの版胴の回転に伴って前記ロール部材を前記版胴の周壁から離間する待機位置にて連動回転して前記インク溜まり部のインクを混練するように前記版胴の回転を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする製版印刷装置。
  2. 多孔構造の円筒状の版胴と、該版胴の内部に設けられ一方が伝達駆動機構を介して前記版胴と連動して回転する一対のロール部材の間にインク溜まり部が形成されたインク供給機構と、孔版原紙を穿孔製版する製版部とを備え、前記製版部で製版された前記孔版原紙を前記版胴の外周面に巻装し、前記版胴の軸線方向と平行に設けられたローラ部材と前記版胴とにより圧接させて印刷用紙を挟持搬送させ、前記インク溜まり部から前記回転可能なロール部材の外周面を介して前記版胴の内周面に供給され前記孔版原紙の穿孔部分より通過するインクを前記印刷用紙に転移させて印刷処理を行う製版印刷装置において、
    前記インク溜まり部のインク温度又は前記版胴の内部気温を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段が検出した検出温度が予め決められた設定温度以下のときに、前記版胴に対する前記ローラ部材の圧接を解除させた状態で、前記温度検出手段による検出温度が前記設定温度以上になるまで前記版胴を回転し、且つこの版胴の回転に伴って前記ロール部材を前記版胴の周壁から離間する待機位置にて連動回転して前記インク溜まり部のインクを混練するように前記版胴の回転を制御するとともに、前記版胴及び前記ロール部材を連動回転した後に前記版胴に巻装された孔版原紙を排版して未製版の孔版原紙を着版し、前記ローラ部材を前記版胴に対してプレス動作するように前記ローラ部材の駆動を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする製版印刷装置。
  3. 前記版胴を所定回転数で回転駆動したときの該版胴の内部気温に対する版胴動作回数データが記憶された記憶手段を備え、
    前記温度検出手段は、前記版胴の内部気温を検出し、
    前記制御手段は、前記温度検出手段が検出する前記版胴の内部気温が予め決められた設定温度以下のときに、前記検出温度に対応する版胴動作回数データを前記記憶手段から読み出し、この読み出した版胴動作回数データによる回数分だけ前記版胴を回転するように該版胴の回転を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の製版印刷装置。
  4. 多孔構造の円筒状の版胴と、該版胴の内部に設けられ一方が伝達駆動機構を介して前記版胴と連動して回転する一対のロール部材の間にインク溜まり部が形成されたインク供給機構と、孔版原紙を穿孔製版する製版部とを備え、前記製版部で製版された前記孔版原紙を前記版胴の外周面に巻装し、前記版胴の軸線方向と平行に設けられたローラ部材と前記版胴とにより圧接させて印刷用紙を挟持搬送させ、前記インク溜まり部から前記回転可能なロール部材の外周面を介して前記版胴の内周面に供給され前記孔版原紙の穿孔部分より通過するインクを前記印刷用紙に転移させて印刷処理を行う製版印刷方法において、
    前記インク溜まり部のインク温度又は前記版胴の内部気温を検出するステップと、
    前記検出による検出温度が予め決められた設定温度以下のときに、前記版胴に対する前記ローラ部材の圧接を解除させた状態で、前記検出温度が前記設定温度以上になるまで前記版胴を回転し、且つこの版胴の回転に伴って前記ロール部材を前記版胴の周壁から離間する待機位置にて連動回転して前記インク溜まり部のインクを混練するステップとを含むことを特徴とする製版印刷方法。
  5. 多孔構造の円筒状の版胴と、該版胴の内部に設けられ一方が伝達駆動機構を介して前記版胴と連動して回転する一対のロール部材の間にインク溜まり部が形成されたインク供給機構と、孔版原紙を穿孔製版する製版部とを備え、前記製版部で製版された前記孔版原紙を前記版胴の外周面に巻装し、前記版胴の軸線方向と平行に設けられたローラ部材と前記版胴とにより圧接させて印刷用紙を挟持搬送させ、前記インク溜まり部から前記回転可能なロール部材の外周面を介して前記版胴の内周面に供給され前記孔版原紙の穿孔部分より通過するインクを前記印刷用紙に転移させて印刷処理を行う製版印刷方法において、
    前記インク溜まり部のインク温度又は前記版胴の内部気温を検出するステップと、
    前記検出による検出温度が予め決められた設定温度以下のときに、前記版胴に対する前記ローラ部材の圧接を解除させた状態で、前記検出温度が前記設定温度以上になるまで前記版胴を回転し、且つこの版胴の回転に伴って前記ロール部材を前記版胴の周壁から離間する待機位置にて連動回転して前記インク溜まり部のインクを混練するステップと、
    前記版胴及び前記ロール部材を連動回転した後に前記版胴に巻装された孔版原紙を排版して未製版の孔版原紙を着版し、前記ローラ部材を前記版胴に対してプレス動作するステップとを含むことを特徴とする製版印刷方法。
  6. 前記版胴の内部気温が予め決められた設定温度以下のときに、予め記憶手段に記憶された前記版胴を所定回転数で回転駆動したときの該版胴の内部気温に対する版胴動作回数データから読み出し、この読み出した版胴動作回数データによる回数分だけ前記版胴を回転するように該版胴の回転を制御するステップを含むことを特徴とする請求項4又は5記載の製版印刷方法。
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